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             機能的作文指導 1・2年

                   ―理論・計画・実践―



                     輿 水  実
                               編著
                     中 沢 政 雄



                     明治図書出版



@
   は し が き

 私どもは、この本で機能的作文教育の基礎理論を明らかにし、それにもとづいて、一、二年の作文年間指導計画
をたて、その実践指導例をあげた。これによって、理論・計画・実践と、一貫した低学年の機能的作文教育の全体
系を明らかにしたつもりである。
 いわゆる生活作文は、作文を人間教育の方法としてみていて、広い言語生活の指導を忘れている。教科作文は、
書く言語経験の形式や披術の指導に力を注いでいて、人間教育を忘れている。
 機能的作文教育は、生活作文、教科作文を乗り越え、それをも含めて、機能的、科学的、生活的に組織した作文
教育である。国語科の書くこと(作文)の立場をとりながら、ことばの全機能に即して、児童の書く生活を指導す
ることをねらっている。つまり、書くことによって、児童の人間性を開発し、育成する過程において、特に作文の
能力を身につけることを強調し、書く生活の充実発展をめがけている作文教育である。
 おおかたのご批判を得て、さらに理論的にも実践的にもいっそう深めたいと思う。
          ×          ×          ×
 この本は、輿水実先生のご指導により、国語教育科学研究会に所属する、新進気鋭の人々が、一ヵ年にわたって
熱心に研究討議を重ねた結果をまとめたものである。昨年一月以来、毎週火曜日の夜、下北沢の私の研究室に集ま
っては、時のたつのも忘れ、単元の構成、年間指導計画の偏成、実践指導例の作成等について、討議を重ね、検討
を加えた。
第一章と第二章は私が書き、第三、四、五章は、伴定子・大石賢治(一年)花見安憲、飯田清(二年)が分担執筆

A
した。それについて、私と渡辺正、飯田清、中津留喜美男の四人で検討を加え、さらに、輿水先生の助言を得て整
理し編集した。
 こうして理論、計画、実践と、一貫した「機能的作文指導」はできあがった。
          ×          ×          ×
 最近、国語教育の近代化が論ぜられているが、本書に述べた機能的作文教育こそ、科学性、生産性、技能性、合
理性の基礎の上に打ち立てられた近代的作文教育の一つであると思う。私どもはこれからさらに作文教育の近代化
をめざしていっそうの努力・精進を重ねたいと思う。
 この機能的作文教育の確立を願って終始討議に参加した人々は、次のとおりである。(本書の執筆者を除く。)
 船越コト、井上潤、瀬川栄志、小川末吉、永松真純、林武男、中津留喜美男、相川正志、渡辺正
 なお、この本の出版にあたっては、明治図書の三枝久明さん、園田桂子さんおふたりに格別お世話になった。こ
こにしるして感謝の意を表わしたい。
   昭和三十八年三月二十三日                           中 沢 政 雄
B

     目    次

は し が き

第一章 機能的作文教育の考え方……………………………………………………………………………………………………1

 一 これからの作文教育……………………………………………………………………………………………………………1
  (一) これまでの作文教育……………………………………………………………………………………………………1
  (二) これからの作文教育――機能的作文教育……………………………………………………………………………5
 二 機能的作文指導の構想…………………………………………………………………………………………………………8
  (一) 機能的作文指導の目標…………………………………………………………………………………………………8
  (二) 機能的作文指導の内容…………………………………………………………………………………………………10
  (三) 機能的作文指導の方法:………………………………………………………………………………………………16
  (四) 児童の作文の見方………………………………………………………………………………………………………22

第二章 低 学 年 の 作 文……………………………………………………………………………………………………………25

  (一) 認識の発達と低学年の作文の特色……………………………………………………………………………………25
  (二) 思考の発達と文型の発達………………………………………………………………………………………………28
  (三) 題材と発想………………………………………………………………………………………………………………30
  (四) 低学年の作文の形式的特徴……………………………………………………………………………………………35
C

第三章 低学年の機能的作文指導の方法……………………………………………………………………………………………39

 一 入門期の作文指導の方法………………………………………………………………………………………………………39
 二 書くことに興味をもち、進んで書くようにする指導の方法………………………………………………………………45
 三 生活や学習に役だてるために書く指導の方法………………………………………………………………………………51
 四 経験を深めるために書く指導の方法…………………………………………………………………………………………54
 五 知らせたり、訴えたりするために書く指導の方法…………………………………………………………………………59
 六 基礎練習のために書く指導の方法……………………………………………………………………………………………63
 七 低学年の作文の見方……………………………………………………………………………………………………………69
 八 処理と評価のしかた……………………………………………………………………………………………………………72

第四章 機能的作文指導の年間計画…………………………………………………………………………………………………78

 一 年間指導計画について…………………………………………………………………………………………………………78
  (二) 年間指導計画の基本的な考え方………………………………………………………………………………………78
  (二) 年間指導計画編成の方針………………………………………………………………………………………………78
  (三) 年間指導計画の内容……………………………………………………………………………………………………79
 二 一年の年間指導計画……………………………………………………………………………………………………………84
 三 二年の年間指導計画……………………………………………………………………………………………………………89

第五章 機能的作文指導の実践………………………………………………………………………………………………………95

 一 この実践指導の背景……………………………………………………………………………………………………………95
 二 一年の機能的作文指導の実践…………………………………………………………………………………………………99
   (1) 6  月                          単元 えんそく………………………127
        単元 のりもの…………………… 99             単元 てつだい………………………131
        単元 わすれもの…………………102       (6) 12  月
   (2) 7  月                          単 元 せんせい……………………135
        単元 たなばた……………………105             単 元 あぶりだし…………………138
                                (7) 1  月
   (3) 9  月                          単元 お正月…………………………142
        単元 なつやすみのおはなし……112             単元 きのうのこと…………………147
        単元 おまつり……………………116       (8) 2  月
   (4) 10  月                         単元 かくれんぼ……………………150
        単元 うんどうかい………………120       (9) 3  月
        単元 たのしいあそび……………124             単元 うれしかったこと……………154
   (5) 11 月  

 三 二年の機能的作文指導の実践…………………………………………………………………………………………………158

   (1) 4  月                    (2) 5  月  
        単元 二年生………………………159             単元 子どもの日……………………171
        単元 学きゅうえん………………165             単元 えんそく………………………173
D
   (3) 6  月                    (7) 11 月
        単元 がっこうごっこ……………179             単元 おてつだい……………………204
        単元 きゅうしょく………………182       (8) 12  月
   (4) 7  月                          単元 たんじょう会‥………………210
        単元 夏のあそび…………………188       (9)  1  月
   (5) 9  月                          単元 お正月…………………………216
        単元 日よう日のこと……………194       (10) 2  月
   (6) 10  月                         単元 せつぶん………………………224
        単元 うんどう会…………………196       (11) 3  月
        単元 うちのねこ…………………201             単元 うれしい春:…………………229




                                                       


                                                       1
      第一章 機能的作文教育の考え方

        一 これからの作文教育

 (一) これまでの作文教育

 わが国の作文教育は、これを歴史的に見ると次のように移り変わっている。
 1 文章形式の教授(作文)
 明治の初めの作文は、形式的な文章の書き方、実用的な日用書類の書き方などを教えた。それは文章の形式を形
式として教授したもので、書式や模範文を示してそれを模倣することが中心であった。したがって、今日の作文と
は全く違った内容・方法が考えられていた。
 2 心的内容の表現の指導(国語科綴り方)
 児童の生活・思想・感情等を全く無視して文章形式を教授したのに対し、作文は、児童自身の思想内容の表現の
しかたを指導すべきことが主張され、ここに児童中心・内容重視の作文教育が行なわれた。これは児童の発見であ
り作文教育の進歩であった。こうした、児童の心的内容の表現の指導が説かれ、児童中心の作文教育が主張される
に及んで、児童の真実の表現、感動の表現を説く、いわゆる文学的作文が登場した。これは、坪田譲治の児童文学
の主張、鈴木三重吉の「赤い鳥」の綴り方運動などの結果であった。これは、児童の思想表現の作文教育から児童


                                                       2
文学へ一歩を進めたものではあったが、言語の表現機能の一面だけを強調した作文であった。
 この文学的綴り方は、主観的立場に立つ表現の指導で主観的な文芸性の教育が中心であった。これに対して科学
的綴り方は、物象の観察・実験・測定等の客観的態度の養成、科学的精神の育成、科学的実践の方法の学習等を主
張した。これは、文学的作文が、言語の表現機能、精神的機能に基づく作文活動であるのに対し、科学的綴り方は、
言語の叙述的機能、文化的機能に基づく作文活動であった。しかし、いずれも、言語の機能の一面を担当する作文
教育に過ぎなかった。
 3 生活表現の指導(生活教育の方法)
 綴り方の本質は、生活の真実を表現することによって、自己の成長、生活の改造を計る、つまり、赤裸々の自己
の生活経験を表現することが強調された。これがいわゆる生活綴り方の主張である。
 この主張は、国語科の綴り方のわくから抜け出して、人間形成・人間改造・社会改造の方法つまり、国語科のわ
くづけを離れて、綴り方による教育方法として位置づけられるようになった。この生活綴り方は、終戦後の今日ま
で継承されているが、近代的作文教育の構想からみると、すでにその歴史的使命を果たして、その理論の反省・実
践の整理を必要とするにいたっている。
 4 表現技能の指導(国語科作文)
 太平洋戦争が終わると、国語教育は一大飛躍をした。作文も、従来の生活経験の表現を中心とした凝り方から日
常生活に必要な書く経験を与える国語科の一分節としての「書くこと」へと転換した。生活経験を表現する綴り方
から、日常生活に必要な文章形態の指導へと移り変わった。そして、文章形態に応ずる表現技能の学習が中心にな
ってきた。これは、「日常生活に必要な書く経験を与える」の真意が理解されなかったからである。
 日本の作文教育のたどったあとを、ごくかいつまんで述べたが、この歴史の流れを規定したものは、次の三点


                                                       3
ある。
 一つは、「児童の発見からその成長発展へ」という方向である。
 二つは、「言語形式の教授から言語表現の指導へ」という方向である。
 三つは、「言語思想一体の言語観から、言語道具観を経て言語機能観へ」という方向である。
 この三つの流れのまにまに作文教育は移り変わってきた。
 言語形式の教授から言語表現の指導への方向が確立したときに、児童発見の契機があった。というよりも、児童
の発見が、形式から内容へ、形式教授から表現指導への方向をとらせたと考えたほうがいいかもしれない。この児
童の発見は当然児童の成長発展を助長する方向をたどった。一つは、文学者が押し進めた、文学的感動の世界の表
現、つまり文学的表現によって児童の文芸性を伸ばそうとする方向であった。こうした文学的綴り方の果たした役
割はきわめて大きかった。児童自身の文学を発掘し、創造するところまで発展した。しかしながらこれは、児童の
人間性のほんの一面の指導に過ぎなかった。それは同時に、ことばの機能の一面――表現機能――を強調したに過
ぎなかった。
 他の一つは、教育実践家が押し進めた、生活事実の表現――悪も、醜も、矛盾も撞着も、生活のありのままの実
感を表現する――つまり生活実態の表現を通して、児童の人間性の開発、進んでは社会改造を試みようとする方向
であった。生活緩り方が、国語科綴り方から、生活教育方法としての綴り方へと進んだのは当然の帰結であった。
 この生活綴り方には@言語観の古さがあった。自己の赤裸々な表現、見たまま、感じたまま、実感そのままの表
現を強調した生活綴り方は、いやでも児童の主観的表現を、事実そのまま、実感そのままとしてこれを見、これを
尊重せざるを得なかった。つまり言語事実一体、言語思想一体の言語観に立たざるを得なかった。そこから児童の
表現を事実とのみ見たり、拙劣な、幼稚な、あいまいな表現までも、これを素朴と感じ、稚拙と信じ、深遠と満足


                                                       4
するほどのあまさが――真実の生活の厳しさをも朧化するほどのあまさが生まれたりした。たしかに、児童の生活
を尊重し、児童の表現をたいせつにしてはいた。しかしそこには、最も基礎的な、言語の記号性・象徴性への考慮
が欠除していた。言語の本質の理解が足りなかった。
 A 生活と自己とのコミュニケーションが考えられていなかった。自己表現、自己改造の綴り方は、自己中心の
綴り方であった。生活、生活環境と対決する自己主張はあっても、生活のありのまま、実感そのままを表現するこ
とが強調されたために、生活とのコミュニケーションによる発展が期待できなかった。
 B 生活の狭さ、片寄りがあった。生活綴り方の取り上げた生活は、児童の一般的な生活であって、書く生活で
はない。書く言語生活の教育ではない。したがって、そこで取り上げられる生活は、書くことを――表現すること
を必ずしも必要としない生活である。だから、そこには児童の書くための積極的な目的はない。主体的な行為とし
ての書く行動は計画されない。書かされる生活がそこにあるだけである。したがって、児童の書く生活の全面にわ
たって学習することを期待できなかった。
 C 言語機能の一面しか取り上げなかった。生括綴り方は消極的な自己表現の綴り方であった、指導者の指導理
念による自己深化、自己改造の綴り方であった。それはみずから計画し、みずから求めたものではなかった。それ
は言語の表現機能の一面を消極的にだけしか取り上げていなかった。ここに生活綴り方の別の意味での狭さがあっ
た。
 この人間性の文芸性への展開、思想性への発展の反動として主張されたのが、科学的綴り方であった。科学的綴
り方のねらったものは、主観的立場に立つ文芸性・思想性に対し、客観的立場に立つ科学精神・科学性の教育であ
ったことはすでに述べた。
 以上の綴り方は、それぞれ生活の一面、ことばの機能の一面だけしか取り上げなかったが、いずれも人間性の開


                                                       5
発――文芸性・思想性・科学性の教育を目がけていた。
 ところが、戦後の形式主義・技能主義の作文教育は、人間性の開発を忘れた全くの技術主義におちいってしまっ
た。技術を駆使する人間を忘れた、技術のための技術教育に進んでしまった。ことばを忘れ、人間を忘れ、社会を
無視したところに教育は成り立たない。そこには、言語道具観がある。思想と言語・言語内容と言語形式、内容と
技能の二元観だけがある。思想を忘れた言語形式・言語技術だけがある。もちろん、作文における表現技能の発見
は、作文教育の一大進歩であった。がそのために文芸性も捨てられ、科学性も忘れられ、まして思想性などは問題
にされていない。そのような大きな犠牲を払わざるを得なかったのは、いかにも残念なことであった。

 (二) これからの作文教育――機能的作文教育

 これまでの作文教育を、@人間性の開発の面から、Aことばの本質――言語観の面から、B表現技能の面から、
それぞれ歴史的にみてきた。それを結論的に言えば、
@ 人間性の開発の面――文学的綴り方の文芸性・生活綴り方の思想性、科学的綴り方の科学性、それぞれみな人
間性の一面しか取り上げていない。文芸性、思想性、科学性それに社会性も含めてみんな寄せ集めでなく、それら
が有機的に結合した構造的全体としての人間性の開発が考えられる作文教育を考えなければならない。
A 言語観の面――生活綴り方の言語思想一体観では、児童の生活の真意が把握できない。ことがらとことば(事
実と記号)ことばと意味(記号と思想)の相互関係、相関関係がつかめないからである。戦後の表現技術指導の作
文の拠りどころとする言語道具観では、思想と思想を扱う技術とが二元的に考えられて、その技術面だけが強調さ
れて思想が軽視される。ことがらとことば、言語形式と言語内容、思想と披術との諸関係を正確に、合理的に、一
元的に把握できる言語観に立たなければならない。


                                                       6
B 表現技能の面――文学的綴り方の文学的表現、生活綴り方の実感的表現・科学的綴り方の科学的表現は、すで
に述べたように一面的である。これらの表現技術が総合的に考えられる作文教育が考えられなければならない。し
たがってこれからの作文教育は、これまでの作文教育と対立的に考えられるものではない。これまでの作文教育の
すべてが包含できる――理論的にも、実践的にも、内容的にもそれらを含み、統−し、一元化し得る作文教育でな
ければならない。それをなし得るのはただ一つ機能的言語観に立つ機能的作文教育である。(「機能的国語教育――
理論とその展開(中沢政雄著)」を参照されたい。)
@ 機能的作文教育は、機能的言語観に立っている。
 まず、ことばの機能を、表現機能(人間形成の機能)叙述機能(文化形成の機能)伝達機能(社会形成の機能)
に三分類する。この三機能は、精神的機能・文化的機能・社会的機能とも考えられ、それぞれ、文学性・科学性・
社会性という特性を持ち、感情的・論理的・社会的特質をもっている。このことばの三機能に基づく人間性の開発
が計画され、ことばの三機能に基づく、記録・伝達・自己表現という書く経験の学習が組織され、文学的表現・科
学的表現・社会的表現の指導とが行なわれる。
A 機能的作文教育は、機能的立場を取っている。
 機能的作文教育は、機能的言語観に立って、言語の機能をじゅうぶんに発揮できるような作文教育を行なおうと
する。したがって、作文活動それ自体も機能的に考え、機能的に進める。つまり、文章を書くことによって、人間
性を開発・発展させる。――思考力を伸ばす。観察力を伸ばす。物の見方考え方――思想を育てる。物の感じ方―
―感覚・感情を育てる。
 また、書くことによる人間性の開発――人間形成の過程において、作文能力――意図を書き表わす力、要点・要
件を押えて書く力、目的や内容に応じて書く力、目的に応じて文章を構成する力、相手に応じてことばを使い分け


                                                       7
る力、おっくうがらずに書く態度など、書く技能・態度・ことばに関する事項等――を養成する。このように、作
文活動は、人間形成(価値形成)の機能と能力の養成の機能とを持っている。
B 機能的作文教育は、機能的な題材・機能的な書く経験を組織する。
 機能的作文教育で取り上げる題材は、その背後に児童の生活があり、社会があり、思想があり、感情・感覚があ
り、言語文化がある。そのような価値のある機能的な題材である。
 また、書く文章・書く経験は、それによって価値が獲得され、人間性が開発される。好ましい技能・態度が養成
される。そのような価値のある機能的な文章・経験である。
 このような機能的な題材、機能的な書く経験が組織される。
C 機能的作文教育は、児童の主体性を尊重する。
 書かされる作文から書く作文へ。児童は、ある生活的・価値的な目的を持ち、その目的を達成するために、みず
から計画し、方法を考えて書く活動を行なう。その活動によって価値を獲得する。目的を達成する。そのような、
児童の目的的活動を組織したのが機能的作文教育である。
 このように、機能的作文教育は、従来のどの作文教育の理論も実践も、これを容易に、包み入れて余すところの
ない作文教育である。しかも、それは、従来の作文教育の寄せ集めや総合ではなく、それらを止揚した機能的立場
に立って、体系化されている理論であり、実践である。そこには一貫した教育理論の体系があり、それに基づく指
導理論の体系、実践指導の体系が、厳然として存するのである。


                                                       8
        二 機能的作文指導の構想

 機能的作文指導はどのように組み立てられているか、その全体構造を、目標・内容・方法に分けて述べてみたい。

 (一) 機能的作文指導の目標

 文章を書く時には必ず何らかの目的をもっている。手紙を書くのは社交のためや実用を便ずるためである。掲示
を書くのは、周知するためである。メモを書くのは備忘のためであり、心覚えのためである。研究記録は研究に役
だてるため、日記を書くのは、生活の反省や記録のためである。詩を書くのは、その感動を訴えるためである。生
活経験を書くのは経験を深める、認識を深めるためである。
 このように、文章を書くときには、必ず生活上の目的(生活目標)ことばの機能に即する目的(機能目標・価値
目標)をもって行なわれる。これを大きくまとめてみると、
@ 研究や生活に役だてるため
A 知識や情報を伝えるため
B 行動させたり、意図に従わせたりするため
C 感動・感情・思想などを訴え伝えるため
 などことばの機能に即する目的をもって文章を書くことになる。このような目的をもって文章を書くことによっ
て、
  @ 思考力を伸ばす。      A 心情を豊かにする。


                                                       9
  B 個性を伸ばす        G 思想を深める。
  C 社会性を増す。       H 観察力を伸ばす。
  D 経験を深める。       I 生活を明るくする。
  E 認識を深める。       J 題材に内在する価値を獲得する。
  F 感覚を磨く。
など、人間性を開発し伸長する。つまりいろいろな価値を生産する。
 これを要するに、文章を書くことによって(文章を書く経験を通して)生活上の目的を達成し、価値を生産する。
人間性を開発し、成長発展させる。ここに機能的作文教育の目標がある。
 このように、文章を書く活動、作文活動は価値を生産する活動、人間を形成する活動である。このような価値の
生産活動を処理するためには当然そのような書く活動(経験)を処理する作文能力――書く技能・態度・書くため
に必要なことばに関する事項その他――を必要とする。つまり、文章を書く学習の中には文章を書く能力の学習が
含まれている。文章を書く学習をすることによって、作文能力もともに学習することになる。文章の書き方を学習
することになる。
 昭和三三年の学習指導要領国語に各学年の学習の「内容」として、「書く態度・技能」が明示されているように
機能的作文指導においても、文章を書くために必要な作文の技能・態度・ことばに関する事項は、作文学習の内容
として学習活動の中に明確に位置づけている。(第五章実践例参照)
 最後に、機能的作文指導の目標を簡潔に述べると、ことばの機能をじゅうぶんに働かせて、人間性を開発し、伸
長させる。そのために、書く技能・態度を育て、書きことばを身につけて書きことばに対する関心意識を高め、書
きことばを大事にしようとする気持ちを育てる。そして、書く言語生活を改善し向上させるということになる。


                                                       10
 (二) 機能的作文指導の内容

 1 内容の構造
 作文教育の内容は書く経験である。価値の生産活動としての書く経験である。この書く経験は、必ず「何か」に
ついて書く。この「何か」が作文の「題材」である。「何か」が決すると、それについて、目的に応じ、題材に応
じて書き表わす。この書き表わされたものが「文章形態」であり、それを書き表わすことが「書く活動」である。
このある文章形態を書き表わすためには、そのような書く活動(経験)を処理する能力、つまり「作文能力」がな
ければならない。さらに、書く活動をささえる文字・語い・文法すなわち言語要素がなければならない。
 このように文章を書くという活動(経験)は、@題材 A文章形態(書く活動の形態) B作文の技能・態度 C
文字・語い・文章等の言語要素から成り立っていることがわかる。これらが有機的に統合されてはじめて文章を書
く経験が成立するのである。
 機能的作文教育の内容は、機能的な書く経験を組織したものである。つまり、@機能的な題材を取り上げ、A機
能的な書く経験をさせ、B機能的な作文能力を身につけ、C機能的な言語要素を習得させる。
 (1) 機能的な題材
 作文で取り上げる題材は、児童が関心、興味を持っていること、書く必要を感じていること、能力に合っている
こと、つまり児童がよく理解していること(事実)、経験したこと(生活)、思索したこと(思想)、感動したこと(感
動)などでその範囲は、家庭・学校・社会・自然・文化等多方面にわたっている。(「話題・主題の発達段階」――
「機能的国語教育−理論とその展開 明治図書」105ページ〜114ページ「言語経験と話題・題材」を参照さ
れたい。)これらの題材の中から特に次のような条件を備えているものを選ぶことがたいせつである。それが機能


                                                       11
的な題材である。
ア 児童の人間性に培う価値をもっているもの。それについて書くことによって、理解が深まる。心情が育てられ
 る。思考力が伸ばされる。その他児童の精神形成の機能をもっているもの。(価値)
イ 児童の興味を刺激し、書こうとする欲求を持ち、必要を生じさせるもの。(欲求・目的)
ウ 児童のかっぱつな書く活動を誘発するもの。児童に必要な書く経験を与えるもの(活動・形態)
エ それについて書くことによって、好ましい作文力が養成されるもの。(能力)
オ それについて書くことによって、価値ある言語文化――書くために必要なことば――が身につくもの。(こと
 ば)
 (2) 機能的な活動(経験)
 児童が文章を書く経験には、ア聞き取ったこと、読み取ったことをまとめて書く。イ研究や諷査したことを記録
する。ウ学級日誌を書く。見学の報告を書く。エ読書感想文を書く。オ会議の記録を書く。カ掲示を書く。キ学級
新聞の記事を書く。クお知らせを書く。ケ手紙を書く。コ心覚えを書く。サ伝言を書く。シ感動を訴えるために書
く。ス書きたくて書く。セ生活経験を書くなどいろいろなものがある。
 これらの経験のうち、次のような条件に合うものを選んで学習させる。それが機能的な活動(経験)である。
ア 児童の人間性に培う価値を生み出す経験であること。
イ 児童の現在の生活に必要な経験であること。
ウ 好ましい書く態度・技能等が育てられる経験であること。
エ 好ましいことば(言語文化)が習得される経験であること。
オ 書かされる作文活動でなくみずから書く作文活動であること。児童が、書く目的を自覚した主体的活動となり


                                                       12
得ること。
 (3) 機能的な能力・機能的な言語
 言語要素(ことばに関する事項)は、言語活動をささえているものであり、言語能力は言語要素にささえられて
行なわれる言語活動を処理する能力である。言い換えれば、価値を生み出すための書く活動(経験)を内部からさ
さえているのが、文字・語い・文法であり、書く活動(経験)を遂行させるのが書く能力(技能・態度等)である。
このように書く能力を、書く経験を処理する能力・言語要素を書く経験をささえている要素と考えるところに機能
的立場がある。
 たとえば、「お礼の手紙を書く」経験をするためには、アお礼の心をこめて書くこと、イ相手に応じたことばづ
かいをすること。ウ要件を落さずに書くこと。エ書式に従って書くことなどの技能・態度・ことば等を欠くことは
できないし、これらによらなければ、この経験を満足に処理することはできない。
 だから、その経験を処理するに最もふさわしい、最も効果的な技能・態度・ことばを考えなければならない。
 観察記録を書くためには、的確な書き表わし方、主観的叙述と客観的叙述の別、観察記録の形式、科学的態度・
思考・科学的なことばなど機能的な技能・態度・機能的なことばを必要とするのである。
 2 内容の範囲
 指導の内容の決め方については明確な理論がない。文章形態によって決める、あるイデオロギーによって決める、
思いつきで決める、児童の生活経験によって決める、言語経験によって決めるなど、はっきりした根拠を持ってい
ないのが普通であった。したがって、その内容はばくぜんとしている、一面的で部分的である、体系的でない、あ
る面だけが強調されるなど、科学的・近代的作文教育に堪え得るものではなかった。
 機能的作文指導では、国語教育の本質に基づいて、次のような基礎理論に従って、科学的にその内容を決定して
いる。


                                                       13
 まず、その内容の範囲を決める基準を「ことばの機能」に置く。国語教育の本質は、ことばの機能がじゅうぶん
に発揮できるように教育することだからである。
 そこで、ことばの機能に基づいて、次の三つの基準を立て、その範囲を決める。
@ ことばの表現機能(精神的機能)に基づく書くこと。「自己表現」を中心とした書く経験を選ぶ。――精神形
 成のための書くこと。
A ことばの伝達機能(社会的機能)に基づく書くこと。「伝達」を中心とした書く経験を選ぶ。――社会形成の
 ための書くこと。
B ことばの叙述機能(文化的機能)に基づく書くこと。「記録」を中心とした書く経験を選ぶ、――文化形成の
 ための書くこと。
 このような、児童の書く言語生活の全領域にわたって、機能的な書く経験を選んで組織する。要するに、ことば
の機能に基づき、児童の生活に即し、言語能力の発達に応じた内容を選んで組織する。
 3 内容の機構
 (1) 「自己表現」のための作文の内容機構
 自己表現のための作文は、次のような内容機構(全体構造)を持っている。
ア ことばの機能――「自己表現」は、ことばの叙述機能・精神的機能に基づく作文活動で、精神形成の機能を持
 っている。
イ 生活的・機能的な目的――自己表現は、a考えをまとめる。b感動を表わす。c訴える。d個性を伸ばす。e
 思想を豊かにする。f感覚をみがく。g心情を豊かにするなどのために書く経験である。


                                                       14
ウ 文章の形態・内容――自己表現の文章は、a感想、b意見、c思索、d感動、e感覚、f経験、g詩、h物語
 i脚本等の内容や形態をもっている。
エ 表現――自己表現の文章は、文学的文章・思索的文章・生活的文章であるから、味わいのある表現・個性的表
 現・感動的表現・心理的表現をとるのが普通である。
オ 人間性の開発――自己表現の作文は、主として、内在的世界(心的世界)の認識に関する言語活動であるから
 題材の内容価値の獲得、つまり、a物の見方・考え方などの思想性、b物の感じ方・想像・感情・感動などの文
 芸性の開発伸長に培い、思想、心情を豊かにし、個性を伸ばし、自己の改造・深化を進める働きをもっている。
カ 表現能力――自己表現の作文によって、情景・場面を書き表わす力、詳しく書き表わす力、味わいあるように
 書き表わす力、心理の動きを書き表わす力、考えや意見を書き表わす力、筋道を立てて書く力、意図・主題を書
 き表わす力などが養成される。
 (2) 「伝達」のための作文の内容機構
 「伝達」のために書く作文の内容は、次のような機構(全体構造)を持っている。
ア ことばの機能――「伝達」は、ことばの伝達機能、社会的機能に基づく作文活動で、社会形成の機能を持って
 いる。社会関係を進め、社会性を増す機能をもっている。
イ 生活的・機能的な目的――「伝達」は、a人と交わる。b情報を伝える。c報告する。d周知する。e行動さ
 せる。f意図に従わせる。g説得するなどの生活的・価値的目的をもって行なわれる作文活動である。
ウ 文章の形態――「伝達」のための文章はa手紙 b掲示 c標語 d宜伝 e報告 f広報 gかべ新聞 h
 学級新聞 i学校新聞 jポスター等の形態をもっている。
エ 表現――「伝達」のための文章は、いわゆる実用約な文章・社会的な文章であるから、その表現は、明確で、


                                                       15
 説得力を持った文章でなければならない。
オ 人間性の開発――「伝達」のための作文は、主として、社会的関係、社会的現象の認識を中心とした言語活動
 であるから、題材の内容的価値の獲得、生産、つまり、a思想の通達、コミュニケーションによる社会性、b周
 知・説得による社会的態度等の開発・発展に培い、社会関係の理解、改善、進歩、明確な思考を進める働きをも
 っている。
カ 表現能力――「伝達」のための作文によって、明確な表現力、説得力ある表現力、「要件を明確に書き表わす
 力、筋道を通して書き表わす力、心に訴えるように力強く書き表わす力、簡潔に書き表わす力、わかりよく書き
 表わす力、読み手の気持ちを考えて書き表わす力、意図を書き表わす力などが養成される。
 (3) 「記録」のための作文の内容機構
 「記録」のために書く作文の内容は、次のような機構(全体構造)をもっている。
ア ことばの機能――「記録」は、ことばの叙述機能・文化的機能に基づく作文活動で、文化形成の機能をもって
 いる。文化を創造し、伝達する機能をもっている。
イ 生活的・機能的な目的――「記録」は、a忘れないため b実態を知るため c研究や調査をまとめるため
 d経験をまとめるため e研究に役だてるため F生活に役だてるため g文化を創造するため h文化を伝達
 するためなどの生活的機能的目的をもって行なわれる作文活動である。
ウ 文章の形態――「記録」のための文章は、a説明 b解説 c生活日記 d学級日記 e飼育日記 f栽培日
 記 g観察日記 h見学記録 i研究記録 j読書記録 k生活記録 lメモ等の形態をもっている。
エ 表現――「記録」の文章は、いわゆる科学的な文章、論理的な文章であるから、その表現は、的確で、論理の
 通った文章でなければならない。


                                                       16
オ 人間性の開発――「記録」のための作文は主として、自然現象、社会現象、文化現象等の客観的・事実的・理
 性的認識を中心とした言語活動であって、題材の内容的価値の獲得、生産、つまり、a題材を客観的に的確に認
 識する科学性、b題材を科学的に組織する論理性、c題材を科学的・論理的に処理する科学的態度等の開発・伸
 長に培い、客観的な観察力、論理的な思考力を育て、文化の獲得・生産を進める働きをもっている。
カ 表現能力――「記録」のための作文によって的確な表現力――感性的にとらえたものを正確に書き表わす力、
 よく観察するために書く力、細かいところを正確に書き表わす力、首尾を整え、筋道を立てて書く力、ことばを
 正しく使う力、客観的叙述と主観的叙述とを区別して書く力、要点を書き表わす力、要約して書く力などを養成
 することができる。
 (4) 編集すること
 機能的作文教育の内容として、「自己表現」「伝達」「記録」等のことばの機能に即した作文活動のほかに、児
童の言語生活の実態、国語教育の方法的立場から、「編集」のための言語経験を加えることにする。
 編集には、文集の編集(個人文集・学級文集・学校文集等)新聞の編集(かべ新聞・学級新聞・学校新聞)プロ
グラムの編集(誕生会・学芸会・読書会等)等がある。
 編集は、作文活動そのものではない。作文活動を側面から助けるものである。したがって編集技術・編集知識は
作文活動を助けるのに必要な程度でよく、その専門的な知識や技術を特に指導する必要はない。
 以上、機能的作文教育の内容の考え方、内容の範囲、内容の機構等について述べ、内容の全体構造を明らかに示
した。

 (三) 機能的作文指導の方法


                                                       17
 1 機能的作文指導の方法
 機能的作文指導に当たっては、次のような方法原理に従って、能率的に、合理的に、科学的に、児童の主体的な
作文学習を指導する。作文は、書くことによる価値の生産活動であるから、その全体的な構造――価値の生産過程
――の各部分を貫く、支配する、統制する方法原理、原則が考えられる。
 (1) 興味の原理
 作文の学習指導では、まず第一に書くことに興味を持たせること、書くことの必要を感ずることが根本になる。
この興味や必要感が、書くことへの強い欲求となるように指導する。単なる興味や必要を感じただけではまだじゅ
うぶんではない。
 (2) 目的の原理
 どんな書くことでも必ず書く目的があることはすでに述べた。書く目的を持つということは、作文活動の最も基
本的な、しかも作文の全過程を貫く原理である。書く目的は、言語生活上の目的、いわゆる生活的な目的、ことば
の機能に即する目的、いわゆる価値的な目的であり、それがどんなものであるかもすでに述べた。
 この目的によって、@何について書くか(題材) Aどんな文章を書くか(形態) Bだれに読んでもらうため
に書くか(相手) Cどのように組み立てて書くか(構成) Dどのような書き表わし方をするか(叙述) Eど
のように推考するか(推考) Fどのように処理するか(処理) Gどのように評価するか(評価)など、すべて
が規定される。作文の全過程のどの部分の活動も、目的をどのようにして達成するか、目的を達成するためにはど
のようにしたらよいかということで、すべての目的によって規定され、統制される。
 このように書く目的は、aどんな書く活動をするか。bどんな方法で書くか。cどんな立場で書くか。dどんな
題材、どんな文章形態、どんな叙述で書くか。eどんな作文能力を必要とするかなどを規定する。


                                                       18
 また、作文に対する書き手の構え、書き手の主体的立場をも確立する。
 このように目的を持って書くことは、作文指導では最もたいせつな原理となるのであるから、書く前には、必ず
書く目的を明確に持たせる必要がある。
 (3) 活動の原理
 題材に内在する価値の獲得、生産は、書く活動によってはじめて行なわれる。また、作文の技能や態度、言語要
素は、書く活動に従属する、書く活動の中で初めて働くものであることは、すでに述べたとおりである。したがっ
て、作文がじょうずに書けるようにするためには、作文の技能や態度を伸ばすためには、また、書くために必要な
語句を増したり、正しい文を書いたりする力を伸ばすためには、文章を書くことを指導しなければならない。文章
を書く力を伸ばすためには、文章を書かせなければならない。文章を書かせないで、作文を読ませたり、作文の作
り方を書いた文章を読んで、それを理解させたり、作文や作文の書き方について話し合わせても、作文を書く能力
は身につかない。この至極あたりまえなことをはっきりと知ることがたいせつである。
 (4) コミュニケーションの原理
 作文は、書くことによって、書きことばによって、思想・感情・感動・感覚・知識・情報・意見等を通じ合う、
交換し合う、説得し合う、反応し合う活動である。したがって、そこにコミュニケーションの原理が働く。たとえ
ば、読み手と書き手との間には、次のようなコミュニケーションが行なわれる。手紙を書くことは、社交・社会性
のコミュニケーションであり、パーソナルコミュニケーションである。学級新聞・学校新聞を書くことは、知識・
情報のコミュニケーションであり、マスコミュニケーションである。また、感想・意見などを書く思想のコミュニ
ケーション、詩・物語・脚本などを書く、感情・感動のコミュニケーション、説明・解説・記録・報告などを書く
知識・科学のコミュニケーションなどが行なわれる。


                                                       19
 そこで、書く場合には、つねに、@書き手と読み手の立場の交換。 A書き手の意図に対する読み手の態度・反
応。B書き手のことば(言語記号)と書く内容との関係、Cことば(言語記号)に対する書き手と読み手の理解の
相違等が考慮され、指導されなければならない。
 このように、書き手と書く対象、書き手と読み手のコミュニケーションによって、価値生産の作文活動は営まれ
るのである。
 (5) 系統の原理
 作文指導の内容も系統的に配列しないと、効果があがらない。
 たとえば、題材も児童の興味や関心や能力に応じ、内容的価値の発展に応じて選定し配列するとそこに題材の系
統が成り立つ。
 書く経験もその発達に応じて配列すると経験の系統が成り立つ。
 書く能力も、その発達に応じて、経験とあわせて配列すると能力の発達段階に応じて系統的な学習が成り立つ。
 表現の系統も、文型の発達・発想の発達・長さの発達・文章構成の発達・低学年の点的な文章・線的な文章から
中学年の面的な文章、高学年の立体的な、層的な文章への発達、それによって表現の系統的段階的指導が行なわれ
る。
 要するに、児童の精神発達・能力発達・経験の発達に応じて、学習内容を系統立てて指導する。学習の基本に系
統性を考えることがたいせつである。
 2 機能的作文指導の学習指導過程
 指導過程を二つの面から考えてみる。作文を指導する場合、その全体の指導過程と一時間の指導過程とがある。
 (1) 単元の中の作文の指導過程(指導計画)


                                                       20
 作文指導にあたって、普通次のような学習活動が行なわれる。a作文教材を読む b文章を書く。c経験につい
て話し合う。d書いた文章を読み合う(批評し合う)。e書いた文章を処理する。
 これらの学習活動を、どんな順序に配列し組織するかが、指導計画、指導過程の問題である。次に二、三の例を
あげてみる。
 例1 作文教材を扱う場合の一般的な過程
 ア 作文教材を読む。――題材の価値を身につける=内部経験を深める。心情に培う。物の見方・考え方・感じ
  方を理解する。a表現のしかたを理解する=文章の構成、正確な書き表わし方、気持ちの書き表わし方、会話
  の取り入れ方、味わいのある書き表わし方などを理解する。
 イ 目的に応じて作文を書く。――a作文教材を読んで高められた観察力・考え方・感じ方・高められた心情等
  によって、つまり一段と高められた自己を確立して題材に立ち向かう。b作文教材によって理解した表現のし
  かた――文章構成・叙述の方法等によって、題材について書く。
 ウ 目的に応じて、書いた作文を処理する。
  a 目的(知らせ合う)に応じて読み合う。
  b 手紙などは書いて出す。
  c 報告などは先生にそれによって報告する。
  d 記録しておく。
  e 文集にする。
 など、目的に応じた処理をする。
 例2 生活経験などを書く場合の一般的な過程――作文教材のない場合


                                                       21
 ア 目的に応じて、生活経験を取り上げる。
 イ 生活経験を書く。
 ウ 目的に応じて処理する。
 例3 生活経験などを書くとき、教材を利用する場合の過程
 ア 生活経験をとり上げる。
 イ 生活経験を書く。
 ウ 作文教材を読む。
 エ 書いた作文を推考する。
 オ 書いた作文を処理する。
 など、児童の実態に応じて指導の順序を考える。
 (2) 作文の一般的な指導過程
 作文のごく一般的な指導過程を児童の側に立ってみると、つまり学習の過程を考え、その各過程において学習を
どのように指導すべきかを考えてみると次のようになる。
 ア 目的を持つ――児童は、それぞれ何のために書くか、書く目的――生活的・機能的な――を持つ。ここで、
  価値への志向を明確にする。
 イ 目的を追求するための計画を立てる。――何について、どんな文章で、どのように書くか、書いた文章をど
  のように処理するかなどを考える。
 ウ 目的を追求するために書く。――計画に従って文章を書く。書いた文章を推考する。
 エ 目的を達成する。――目的に応じて処理する。書いた作文を読み合う。文集を作る。先生に提出する。


                                                       22
 この学習指導過程は、@目的 A計画 B追求 C達成という四段階を踏んでいる。このように、仝指導過程を
四段階に区分し、その各過程に、どんな学習活動を計画し、組織するかを学年に応じ、能力の発達段階に応じて考
えれば、いろいろな書く経験に応じた学習指導過程を編成することができる。
 この学習指導過程を機能的に価値的に考えれば、@価値的な目的を持つ。A価値追求の計画を立てる。B価値を
追求する。C価値を獲得する。という過程になる。
 (3) 作文の一般的な活動の過程
 作文の一般的な学習指導過程に従って、さらに具体的にその学習過程を述べると次のようになる。

観   点  学 習 過 程  学   習   内   容 
@ 何のために書く
A どんな計画で書く
B 何について書く
C どんな文章で書く
D どんな組立で書く
E どのように書く
F 効果的に書けたか
G どう処理する 
目的を立てる
計画を立てる
題材を選ぶ
文章の形態を決める
文章の構成を考える
表現をくふうする
推考する
作文を処理する 
生活的・価値的な目的を持つ
見通しを立てる。活動の順序を考える
目的に応じて題材を選ぶ
目的と題材に応じて文章の形態を決める
目的・題材・文章に応じて、文章の構成を考える
目的・題材に応じた表現をする
目的に照らして、内容・表現・表記等を訂正する
目的に従って処理する 


 (四) 児童の作文の見方

 児童の作文を見る立場には、大きく分けると次の三つがある。
1 表現形式を中心とした見方


                                                       23
 表現の巧拙、適否を第一として児童の作文を見る。引きしまった表現、味わいのある表現、的確な表現――気持
ちがよく現われている、様子がよく書けている、感じがそのままに書き表わされているなどと、表現形式を中心に
して作文を見る立場がある。これは、表現技術の指導をねらう文芸的作文の立場である。作品主義・文芸主義の立
場である。
2 表現内容を中心とした見方
 表現されている生活感情・生活態度・生活経験を中心として児童の作文を見る。生活感情・実感がよく現われて
いる。生活の姿が――真実がよく描かれている。自己主張・自己反省・自己認識がよく表わされているなどと、表
現内容を中心にして作文を見る立場がある。これは、生活の深化・改造をねらう、作文を国語科の一分野と考えず
広く教育的方法と考える生活作文の立場である。内容主義、生活主義の立場である。
3 作文の機能を中心とした見方
 児童の作文は、必ず何らかの意味で、ある目的、ある意図のもとに、それを実現するために書いたものである。
そこで、その作文が書き手の目的・意図を実現しているかどうか、つまりその作文がその機能を果たしているかど
うかということを中心として見る。表現内容と表現形式とを離さず、つまり、内容と表現の両面を機能的にとらえ
て見る。たとえばお礼の手紙は、お礼の気持ちがそれにふさわしい表現形式を取って読み手に訴えているかどうか
を見る。観察記録は、対象の見方、とらえ方、つまり認識の広さ深さと、その客観的な観察と主観的な考察とが書
き分けられているかどうか、それが記録として価値があるかどうかなどを見る。これは、価値の創造、生産と表現
          oooo
力養成とをねらって、書く生活の向上発展をはかろうとする機能的作文の立場である。機能主義・言語生活主義の
立場である。
 この機能的作文の立場では、


                                                       24
@ 児童の作文は、児童がある目的を実現するために書いたものである。ある価値的な目的を実現するために、価
 値生産の言語行為として書いたものである。価値生産行為の結果(製品)であると見る。
 書かされた作文、書きたいものを自由に書いた作文ではない。自由選題でも課題でもない。はっきりした目的を
持ち、必要の上に立って書いた作文である。これは、機能的作文における、児童作文の基本的な見方である。
A 児童の作文能力も、文章をじょうずに書く能力、思想・感情がじょうずに書き表わせる能力と考えず、書く経
 験(活動)を処理する能力、目的を達成するために書く能力、生き生きと働く、価値を生み出す能力と見る。書
く能力もそのように機能的に考える。




                                                       25
    第二章 低学年の作文

 (一) 認識の発達と低学年の作文の特色

 低学年の作文の発達は、低学年児童の認識の発達と密接に結びついている。
 一年生の文章
  @ でんしゃごっこをしました。こうどうのよこでしました。たかぎくんとやりました。ふじもとくんとやりました。あたし
   とやりました。しみずさんとやりました。

  A きのうでぱあとにいきました。にほんばしにいきました。おねえちゃんもいきました。おかあさんもいきました。

  B てっちゃんとぼくとでんしゃあそびをしました。ぼくがまえでてっちゃんがうしろになりました。ぼくがまえになりまし
   た。おきゃくさんがやまだくんです。えきもとまりました。てっきょうもわたりました。せんのうえものっかっていきまし
   た。ようちえんせいもみていました。それからならのだいぶつさんもやりました。でんでんむしもやりました。


 これらの作文は、一年生二学期ごろの代表的な作品でありそのころの作文の特徴を実によく表わしている。ここ
には一年生の思考がある。認識の型がある。「でんしゃごっこをしました。」「きのうでぱあとへいきました。」「て
っちゃんとぼくとでんしゃごっこをしました。」の書き出しの文は、経験を包括的にとらえて表現している。それか
ら、経験の各部分部分を、経験の総括的な把握の中で、次々と表現していく。少なくとも、その部分部分は関係的


                                                       26
に認識されない。孤立的である。経験の各過程における部分部分を関係的に思考すること、認識することはむずか
しい。だからこそこのような「点的」な文章が書かれるのである。このころの児童は、経験の内部における順序、
秩序を破ることは平気である。ある経験の中に突然他の経験が顔を見せる。それからまたもとの怪験にもどってい
く。このようなことは珍しいことではない。思考の一貫性、継統性がしばしば破られる。
 このような包括的な、点的な文章が次第に線条的な文章にかわっていく。
2 二年生の文章

   @ なつやすみにぼくはひとりでさぶちゃんちへいきました。さぶちゃんちにいくにはえどがわばしからたかだのばばまで
    とでんでいって、それからしょうせんでめぐろまでいって、めぐろからめかませんおおおかやまでおりてまっすぐいって
    すこしまがりかどがあってそこのところをいくとおふろやさんがあります。そこのところへいきました。てれびをみてお
    ふろにさぶちゃんといっしょにはいって、せなかをあらってあたまをあらって、足をあらって手をあらっててぬぐいでふ
    いてもういっかいてれびをみて、とどろきせんせいをみておさげさちょうをみてねました。
   A きょうはさよちゃんとゆみちゃんとゆみちゃんちでべんきょうをして、べんきょうがおわったらおかねをもらってあそ
    びました。そしてすこしあそんだらつまんなくなったのでさんにんであたしんちのうちでうたをうたいました。そしてお
    とうさんからおつかいにいってらっしゃいとゆわれたので、わたしはゆみこちゃんとさよこちゃんとみよこちゃんとごに
    んでいきました。そしてあいすきゃんでをもらってからおかあさんにみせてたべちゃってからあそびました。


 一読してわかるように、経験の各部分部分としての行為を関係的にとらえ、一つのまとまり、連続として認識す
ることができるようになっている。包括的な、孤立的な認識から、関係的な連続的な認識へと発展していることが
わかる。ここに二年生の文章の線条的特性がはっきりと現われてくる。
 でんしゃごっこを、「たかぎくんとやりました。ふじもとくんとやりました。あたしとやりました。しみずさん
とやりました。」と孤立的にしか認識できなかった児童も、二年生なると「わたしはゆみこちゃんとさよこちゃんと


                                                       27
みよこちゃんとごにんでいきました。」と、関係的、関連的に一つのまとまりとして認識できるようになる。これを
経験を構成している各行為の上からみると、一年生の「えきもとまりました。てっきょうもわたりました。せんの
うえものっかっていきました。」と孤立的な点的な認識が、「そしてあいすきゃんでをもらってかえってからおかあ
さんにみせてたべちゃってからあそびました。」というように、各行為の関係的・連続的な認識へと発展している。
 このように、関係的・連続的な認識がそのまま文章に表現されて、個々の行為を表現の上でも関係づけようとし、
しかもさらに順序という秩序化が行なわれて、すでに述べたような線条的な文章が出現するのである。
 このような関係的・連続的認識の結果は、次のようなさまざまな方法によって表現の秩序化が行なわれている。
ア 行動そのものを結びつけていくもの――時間的経過・経験の順序にしたがって、@の文章のようにだらだらと
 続けていくもの。

イ 中心となるものに結びつけていくもの――「ぼくはなつやすみになると……。ぼくはそのまるいものを……。
 ぼくはとてもなつやすみをたのしみにしています。」や「ぼくは……いなかへいきます。ぼくはいなかへいくの
 は……。いなかはすずしいと……。いなかへいったら……。いなかにはむしがいっぱいいます。」のように、「ぼく」
 や「いなか」を中心にして表現する中心と他との関係が明確になる。
ウ 経験の順序に書いていくもの――前の経験を受けてはあとの怪験を起こす。「かえりにおばあちゃんが……
 ってくれましたかってもらってからうちへかえりました。かえってからえにっきと……やりましたやっ
 てからおもてにでてあそびましたあそんでからうちにかえって……ました。」
エ 経験の順序に従って書くもの――接続詞を使って関係づけていく。Aの文章や「きょうはでばあとにいきまし
 た。そしてかえってから……。そしてかえりにあめがふって……。そしてかえってからじゃんぐるじむをみなが
 ら……。」のように、接続詞「そして」を使って関係づけていく。


                                                       28
 このように、関係的認識・関係的思考を表現するために、ア行為そのものを結びつけて、イ前の行為を受けて次
の行為を起こす、ウ「すこしたってから」「すこしあそんでから」などの語を使って、エ「そして」「それから」
などの接続詞を使って表現するようになっていく。接続詞の発見は、二年生の作文力の急激な発展を約束した。接
続詞の発見は表現内容をいちじるしく豊かにした。
 こうして、経験の羅列的表現が二年生の作文の特色となっているのは、児童の認識力の発達と結びついているか
らである。かくして糸筋のような文章、広がりもない、深まりもない、くり返しの多い文章、線条的な文章が書か
れるのである。
 学習指導要領一、二年の書くことの内容の中に、「何を言おうとしているかがわかるように書くこと。」「できご
との順序をたどって書くこと。」などがあげてあるのは、きわめて適切であると考えられる。

 (二) 思考の発達と文型の発達

 低学年児童の書く文型の発達は、その思考の発達と密接に結びついている。
 たとえば、「○○が「――」といいました。」という文型は、一年生の後期から現われて、二年・三年とその使用
率が急激に伸びていく。しかも、この文型を使うことによって表現力が一だんと高まるように思われる。いま、こ
の文型の使用程度について調べてみると、次のようになる。
@ 使用者
 一年107人中25人――23%    二年53人中23人――43%
A 使用文型とその出現数
 一年4文型――25例         二年10文型――44例


                                                       29
B 使用文型別使用頻度

文                 型  一 年 二 年 
ア ○○が「――」といいました。
イ ○○が「――」というと
  ○○が「――」といいました。
ウ ○○は「――」といって○○しました。
エ ○○が「――」とほめてくれたので、わたくしはうれしくなりました。
オ 「――」とおとうさんがいいました。
カ 「――」といいました。
キ 「――」というので、○○しました。
グ 「――」といいながら、○○しました。
ケ わたしに「――」といいました。
コ 山田さんがマイクでいいました。「――」と。 
 17
 6
 1
 0
 1
 1
 0
 0
 0
 0
 0
 17
 9
 2
 5
 2
 5
 2
 1
 1
 1
 1

 〔○○が「――」といいました。〕という基本的な文型から、〔「――」と○○がいいました。〕〔○○がいい
ました。「――」と。〕へと発展する。また〔○○が「――」といったので、○○が「――」といいました〕〔「
――」というので、○○しました。〕と複雑な文型へと発展する。ここに児童の思考の発達がある。この文型は、
学年が進むにつれてさらに発展する。
 経験したことを書く場合の文型についてみると、
  @ でんしゃごっこをしました。
  A しみずさんとやりました。
  B てっちゃんとぼくとでんしゃあそびをしました。


                                                       30
  C きのうでぱあとにいきました。
  D きょうぼくはおくじょうにいきました。
  E きのうてっちゃんとぼくとでんしゃあそびをしました。
  F なつやすみにぼくはひとりでさぶちゃんちへいきました。

のような発達が見られる。一年初期には、「でんしゃごっこをしました。」「どうぶつえんへいきました。」「しみず
さんとやりました。」のように、複雑な行為を、包括的に、孤立的に表現している。まだ、事象の各要素を関係的に
思考し、認識することが困難な時期である。それが、次の段階には、Bのように、経験や事象の各要素を関係的に
思考し、認識することができるようになる。またCDEのように、ある経験、行為を時間的経過の中で、判断し表
現することができるようになり、さらに、BとCを結合した、時間的・関係的思考が成立し、しだいに複雑な思考
ができるようになり、それを文として表現することができるようになる。
 このように、児童の思考・認識の発達に応じて文型も発達するものであるから、この関係をじゅうぶんに理解し
文型の指導によって思考を正確にし発展させるとともに、それによってさらに文型の発達を促すことが低学年の作
文指導では特にたいせつである。ここに、従来よりどころのなかった低学年の作文指導の系統化・科学化の根拠が
得られ、それは同時に書くことによって、系統的・発展的に思考力を伸ばす根拠となるのである。

 (三) 題材と発想

 低学年の児童が作文に取り上げる題材は、だいたい次のような性格をもっている。
 @動くもの A生きているもの B行動的なもの C身近なもの D空憩的なもの E想像的なもの F経験的
なもの G個人的なもの H社会行事的なもの I情緒的なもの J単純なもの


                                                       31
 また、次のような内容(主題的)を含んでいる。
 @親切にし合うもの A助け合うもの B力のあるもの C元気のあるもの D楽しいもの Eかわいがるもの
F仲のよいもの G競争するもの Hきれいなものなど。
 また、題材の領域は次のようになっている。(昭和34年度東京都国語科教育研究員の調査による。)
一年
 学校生活の中のこと  約 6%         生物に関するもの   約 1%
 家庭生活の中のこと  約66%         感情に関するもの   約 1%
 社会生活の中のこと  約27%
二年
 学校生活の中のこと  約12%         自然生活の中のこと  約10%
 家庭生活の中のこと  約36%         生物に関すること   約 2%
 社会生活の中のこと  約38%         感情等に関すること  約 1%
 なお、具体的な題材については、本書の指導計画の項および、「機能的国語教育」112ページ「話題・題材の
発達段階表」を参照されたい。
 これらの題材をどう受けとめるか、題材に対する構え――発想をその書き出しの文についてみると、次のように
なっている。
一年生題材「でんしゃごっこ」


                                                       32

書   き   出   し   の   文  頻 度
 @ でんしゃごっこをしました。
 A きょうでんしゃごっこをしました。
 B こうどうででんしゃごっこをしました。
 C きょうがっこうででんしゃごっこをしました。 
 2
 1
 2
11
 D はるおさんとでんしゃごっこをしました。
 E あきおさんとぼくとでんしゃごっこをしました。
 F ぼくとあきおさんとでんしゃごっこをしました。
 G ぼくはゆきおさんとでんしゃごっこをしました。 
 2
 2
 2
 1
 H きょうぼくとさだおさんとでんしゃごっこをしました。
 I きょうぼくとあきらさんとこうどうででんしゃごっこをしました。
 J きょうこうどうですすむさんとはるこさんとでんしゃごっこをしました。 
 3
 1
 2

 電車ごっこの経験に対して、@は最も幼い構えで、経験を包括的にとらえている。Aは経験の時日、Bは経験の
場所、Cは経験の時日と場所というところから経験に接近している。Cは40人中11人がこの構えで接近してい
る。DEFGは、経験に、だれとしたかという点から接近している。Hはいつ、だれとどういう点から、IJは、
いつ、 だれと、 どこでという点から経験に接近していく。ここにいたって、初めて経験の四要素――いつ、どこ
で、だれ、何をした。――を明らかにして、経験をとらえている。
 これによって、経験を書く場合の発想.の傾向を知ることができる。
 また、一年生の三学期に「ともだち」という題で書いた作文の発想を書き出しの文に即してみると次のようにな
っている。


                                                       33
  @ 「○○さんと○○しました」の型(4例)
  A 「○○さんと○○さんと○○しました。」の型(4例)
  B 「○○くんとぼくで○○しました。」の型(1例)
  C 「○○さんと○○さんとわたしが○○しました。」の型(1例)
  D 「ぼくは○○しました。」の型(4例)
  E 「ぼくは○○さんと○○しました。」の型(6例)
  F 「ぼくと○○さんと○○さんで○○しました。」の型(5例)
  G 「○○くんと○○くんと○○とき、ぼくが○○しました。」の型(1例)
  H 「○○さんが○○しました。」の型(2例)
  I 「○○さんが○○したので、ぼくは○○しました。」の型(1例)
  J 「ぼくが○○したら、○○さんと○○さんが○○しました。」の型(1例)
  K 「○○さんと○○さんと○○したら、○○さんが○○しました。」の型(1例)
  L 「○○の○○で、○○しました。」の型(2例)
  M 「わたしは○○さんがだ大すきです。」の型(1例)
  N 「○○の日○○で○○をしました。」の型(1例)
  O 「ぼくは○○で、○○を○○といっしょにしました。」の型(1例)
 これらの書き出しの文を見ると、「ともだち」に対する発想が明確にわかる。一年生には、ともだちをともだち
として客観的に把握する、認識することはできない。ともだちを自分の生活の中で、経験の中で、その経験を成立
させる一要素としか認識できない。ともだちを自分から突き放して、第三者として、これを客観視することはでき
ない。自分の生活の経験の中でしか、その要素としてしかとらえられない。○○さんは親切であるとか、よくけん
かをするとか、これを第三者として客観的説明的に見ることはできない。そういうことが可能になるのは中学年で
あり、ともだちはお互いに助け合うものだなどというように、ともだちを抽象化して考えることができるようにな


                                                       34
るのは高学年の一部である。
 このような書き出しの文によって、題材に対する発想がよくわかるのである。
 ここに、題材を取り扱う上の広さと深さの問題がある。このような題材に対する構えの特徴をはっきりと知るこ
とがたいせつである。
 次に題材に対する反応の問題の一部について考えてみたい。たとえば、ある題材について文章を書く場合、そこ
に事実の叙述と、事実に対する主観的な反応のことが考えられる。それを考える手がかりとして、主観的な問題に
ついて考えてみる必要があろう。そこで、一年生の文章の中で、どこにそのような主観的なことばが使われている
かを考えてみる必要があろうと思う。次に一年生107人の作文について調べた結果をみてみよう。主観的なこと
ばを用いた作文は、次の40例である。
 @ 思いました。      17        H びっくりした。       1
 A おもしろかった。     5        I いいきもち         1
 B うれしい        13        J きもちがわるい       1
 C かわいい         6        K しんぱいしました。     1
 D こわい          3        L しんぱいです        1
 E きれい          3        M あんしんしました。     1
 F たのしい         1        N くやしい          1
 G おかしい         1        P すきです          3
 これらによって、題材に対する構え、接近のしかたがはっきりしてくる。題材に対する感情的・感覚的な認識の
すがたが明らかになってくる。題材に対して、意志的に、社会的に接近することはまだできない。そこにあるもの


                                                       35
はきわめて、個人的な、単純な感情・感覚だけであって、深みはない。
 以上低学年児童の題材に対する接近のしかた、構えかたを書き出しの文を通して考えてみたわけである。

 (四) 低学年の作文の形式的特徴

1 一年の作文の中の基本文型
 一年生の経験を書いた作文の中から、172の文を選んでその文型とその頻度とを調べてみると次のようになる。
ここに文型の発達と思考との関係を見ることができる。
      順位      文             型            頻度(%)
      (1) きのうみさおさんとひろこさんとわたしとままごとをしました。
        (一般に「きのう○と○と○と、○をしました。」の文型      26(25%)
      (2) ぼくはがまんしました。
        (一般に「○○は○○しました。」の文型)            21(12%)
      (3) すぐやめました。
        (一般に「修飾語+〇〇しました。」の文型)           19(11%)
      (4) そして、そとであそびました。
        (一般に「○○は○○で○○しました。」の文型)         15( 9%)
      (5) ぼくはそとへでました。
        (一般に「○○は○○しました。」の文型)            12( 7%)
      (6) おかあさんが「だめよ」とおっしゃいました。
        (一般に「○○が「――」といいました。」の文型)         8( 5%)
      (7) はなこさんがなわとびをしました。
        (一般に「○○が○○をしました。」の文型)            8( 5%)


                                                       36
      (8) こうえんであそびました。
        (一般に「○○で○○しました。」の文型)             8( 5%)
 この八つの文型で、全体の文の68%を占めている。これらは、最も基本的な文型と考えることができる。
 2 一、二年生の文の終止の型
 一年生の文、410例、二年生の文、326例をとって、その文の終止の型をみると次のようになる。 (%)

番号  文型  頻度  番号  文型  頻度 
一年  二年  一年  二年 


 (あそび)ました 
 (あそび)ます
 (夜)でした 
79
 8
 6 
70
 7
12 


 (犬)です 
 (起き)た 


1 


1 


 一年生の文末は、「ました」「でした」型が85%を占め、「です、ます」型が、13%を占めている。ここに、
過去形から現在型への発達が見られる。二年生でも同じである。
 3 自己意識と文型
 一年生の文「801例の中に表わされている「わたくし(ぼく)」についてみると、次のようになっている。
       文         型        頻度         文         型        頻度
  (1) 「○○と○○とぼくと○○しました」の型   56   (3) 「わたしは○○と○○へ○○しました。」の型  20
  (2) 「わたしと○○と○○と○○しました」の型  27   (4) 「○○と○○と○○しました。」の型      69

 この文型とその頻度を見ると、自我意識の発達・次第に自我をはっきりとさせていく過程がよくわかる。
 4 接続詞と接続助詞


                                                       37

接続詞・接続助詞  一  年  二  年  接続詞・接続助詞  一  年  二  年 
869の文
について 
863の文
について 
869の文
について 
863の文
について 
(1) そして
(2) それから
(3) そしたら
(4) そうして
(5) それで
(6) すると
31
17
 5
 1
 3
 1
15
17
 3
 2
 3
 4
( 7) また
( 8) けれども
(10) でも
(11) が
(12) ので 
 1
 2
 1
 3
18
 2
 2
 7
10
55

 5 文の係り受け関係の表わし方(思考の型)
(1) しました、いきました型.
   きのうありがのおじちゃんがきました。    ぼくとおじちゃんとやきゅうをしました。
   おかあさんがぱんをたべようといいました。

 一事実一文を表現の上では関係させず並列していく最も初歩の文章である。
(2) いきました、いきました型
   きのうでばあとへいきました。にほんばしにいきました。
   おねえちゃんもいきました。おかあさんもいきました。

 いろいろな経験の要素を文末で、一括して統一し関係づけている。
(3) ぼくは、ぼくは型
   ぼくがはとを見ていたら、にしだくんがぼくのあたまをぶちました。ぼくはがまんしました。ぼくはぶたれてもなかなか
  ったのです。


                                                       38
 (2) と反対に、文頭で一括し統一している。
(4) たべました、たべてから型
   さんすうをやってからゆうはんをたべました。たべてからねました。
 前の文のことばをそのまま次の文の始めにおいて関係づけていく。
(5) そのあとで型
   きのう二ねんのまちこさんに絵をならいました。そのあとでしもおしえてもらいました。そのあとでおふろにいきました。
 経過する時間を表わすことばによって前の文を受けて統一する。「すこしたってから」もよく使われる。
(6) そして、それから型
   きのうおにいさんとさんぼにいきました。そしてかいせんとうにのりました。そしておはなつみにいきました。そしてお
  うちにかえってきてごはんをたべました。

 接続詞を伴って文を続けていく。
発展させていく。ほとんどが順接の場合である。
(7) それ、その型
   わたしはおばちゃまからおみやげをもらいました。それはちょこれいとときゃらめるでした。
 代名詞・連体詞・副詞などによって、その前の文の内容を受けて続け、発展させていく。
 以上のような表現形式の発達が、同時に児童の思考の発達と結びついている点に注意すべきである。従来こうし
た研究が行なわれていなかったために、作文指導――技能指導、思考の指導を、科学的・系統的に行なうことがで
きなかった。


                                                       39


    第三章 低学年の機能的作文指導の方法


 低学年における機能的作文指導の方法を、
 1 入門期の作文指導の方法
 2 書くことに興味をもち進んで書くようにする指導の方法
 3 生活や学習に役だてるために書く指導の方法
 4 経験を広め深めるために書く指導の方法
 5 知らせたり訴えたりするために書く指導の方法
 6 基礎練習のために書く指導の方法
 7 低学年の作文の見方
 8 処理と評価のしかた
  の八項目に分けて、その機能的方法について述べる。

       一 入門期の作文指導の方法

 入門期には、学校生活に慣れさせることがいちばんたいせつなことである。その過程で入学までにそれぞれの家
庭で身につけてきた言語能力を整備し、最も基礎釣な技能・態度を習得させなければならない。


                                                       40
 入門期には、聞くこと、話すことの指導が重点的に行なわれ、その基礎の上に立って、読むことの指導の中で文
字ことばを習得させ、さらに聞く、話す、読む学習の基礎の上に立って、作文の指導が行なわれる。
1 指導の順序
 したがって、入門期の作文指導は、次の順序に従って行なうことがたいせつである。
 (1) 第一段階  経験を言語化すること――口頭作文
 身近な生括から話題をとりあげ、それについて話し合うことにより、経験をことばで表わすことができるように
なる。そのことばをしだいに整理し、秩序化するところにいわゆる口頭作文が成立する。
 (2) 第二段階  経験のまとめを理解すること。
 この口頭作文の過程において、その経験を絵にかいてまとめる。その絵について話したり、説明したりすること
によって、ことばによる経験のまとめ方をしだいに理解する。この経験をまとめる過程で、文型の学習が行なわれ
る。
 (3) 第三段階  ことばを文字化すること。
 一方において、ことばの文字化が行なわれなければならない。事物から直接に、あるいは事物を絵にかいて抽象
化し、それをことばで表わして、それを文字化する。
 それはさらに、絵を手がかりとし、絵によってまとめた経験を再びことば化して、それを文字化していく方法へ
と発展する。こうして、こと、ことば、文字の一体化をはかっていく。
 (4) 第四段階  経験を文字化すること――共同作文
 経験を表わすことばの中から、経験を表わす文型をみつけ出し、文字化していくことにより、ことば(文)によ
って経験をとらえること、まとめることができるようになる。    


                                                       41
 児童の経験の広がりや深まりにりれて、経験を表わす文型もまたしだいに発達していき、その段階に応じての指
導がなされなければならない。
 (5) 第五段階  経験を文章化すること。
 経験を全体的にとらえて文で表わす。「おかあさんとおっかいにいきました。」というような全体的なとらえ方か
ら、しだいに経験の諸部分をとらえて、順次文に表わしていく。そこに文章が成立する。
 こうして、必要に応じて経験を文章化する。つまり文章を書くことによって、観念を構成し、事物を認識するこ
とができるようになる。
2 学習の内容
 入門期の作文指導の順序に従って、それぞれの段階においてどんな学習活動をさせたらよいかを示すと、次のよ
うになる。
 (1) 第一段階
 たとえば、
 ア のりものにのった経験を話す。    ウ たなばたまつりの経験について話すなど。
 イ 公園で遊んだ経験について話す。
 経験したことをことばで表わす。つまり経験を話す過程で、ことばの概念をはっきりさせ、思考を正しくし、事
物・現象等の間の諸関係を判断する力を育てる。
 (2) 第二段階
 たとえば、
 ・絵をみて話す。              ・何かを見て話すなど。


                                                       42
 ・経験したことを絵にかいて話す。
 経験が絵によって抽象化され、まとめられている。それについて話すことによって、経験をまとめる力をつける
と同時に、経験をまとめるのに必要な文型を獲得する。また、何か(事物・現象・行動等)を見て話すことによっ
て、広い世界、ぼんやりした世界から、視覚によって知覚されたものをことば化して切り取る。そこで認識のしか
たとしての文型が学習される。
 (3) 第三段階
 たとえば、
 ・語句を書く。               ・心おぼえを書くなど。
 発音と文字とを結びつける。つまりことばを文字で書いて、文字ことばを習得する。そして、書くために必要な
文字ことばをしだいに増していく。練習として、視写・聴写・暗写・念写などがある。
 (4) 第四段階
 たとえば、
 ・おっかいの経験を短い文に書く。      ・かけっこの経験を短い文に書くなど。
 ・このごろのことを短い文に書く。
 ことばを組み合わせて文に表現する。つまり事象(表現内容、表現対象)に対する判断を文字化する。そこに判
断の結果、思考の形式としての文型が成立する。ここで経験を書くための学習基本文型を身につける。
 練習としての視写・聴写・暗写・念写がある。
 (5) 第五段階
 たとえば、


                                                       43
 ・運動会で経験したことを文章に書く。    ・ともだちと遊んだ経験を文章に書く。
 ・おまつりで経験したことを文章に書くなど。
 経験をその過程に従って文字化する。認識の過程に従って、その結果を文に表わす。そして、経験の全過程が文
字化されたときに文章は成立する。それは、ある事象に対する思考の過程、認識の過程を表わすものである。
3 学習指導の方法
 (1) 生活上の要求に応ずる
 忘れものをして困った時に、忘れないために書いておこうという要求が起こってくる。図工科などの作品を人に
見せる時、説明しておきたいことを書こうという意欲が起こってくる。
 このように、児童の要求を満たすために書く場面を設定していくことがたいせつである。
 (2) 広い範囲にわたる書く経験を与える
 忘れないために書く、生活や学習に役だてるために書く、経験をまとめるために書く、知らせたり、訴えたり、
他人を動かしたりするために書くなど、広い範囲にわたって書く経験を与える。
 (3) 書く能力の発達段階に応ずる
 興味・関心・必要が、書こうとする意欲の母体である。そのためには、児童の書く能力の発達段階に応じて、書
く経験が構成されなければならない。
 たとえば、文型は児童の思考の発達にそって発達していく。その発達にそって取りあげていくこと、その時盛ん
に使われだした文型を指導していくことなどにより、最も効果があがってくる。
 (4) いろいろな場面をどう書き表わすかを知らせる
 入門期の児童は、自らの経験したことを中心にして文を書き、経験を表わすのに適当な文型を用いている。これは


                                                       44
児童の思考の発達と密接な関係があり、精神生活の広がりや深まりに応じて、文型も広がり深まっていくのである。
 そこで、
ア ある場面で、あることがらを表現する場合、一般的に用いられる文
イ 正しいことばのきまりに従って構成されている文
ウ 構造の上においても基本的な文であり、その使用範囲、使用頻度の上でも基本的な文。言い換えれば、構造的
にも社会的にも基本的な文
 このような、学習上必要な「学習基本文型」を確実に身につけさせていくことがたいせつである。
 (5) 児童の興味・必要・能力にあった題材を選ぶ
 作文の題材は、それについてすでに知っているもの、わかっているもの、経験したものなどに限られており、低
学年の興味の傾向はつぎのようなものである。
 @生きているもの A動くもの B身近なもの C行動的なもの D空想的なもの E想像的なもの Fくり返
されるもの G社会行事的なもの H情緒的なもの I親切にし合うもの 
 (6) 基本文型を身につける
 次に参考に、基本文型の例をかかげておく。
  ・きしゃにのりました。〔○○に(を・から・と・で)○○ました〕
  ・ぼくは、おめんをかいました。〔○○は(が)○○を(へ・に・と・で)○○ました〕
  ・おりがみやきりがみをしました。〔○○や○○を(も)○○ました〕
  ・はるこさんと、あきこさんとわたしとおにごっこをしました。〔○○と○○と○○と……○○を○○ました〕
  ・みんなはよろこびました。〔○○は(が、も)○○ました〕
  ・いっしょうけんめいにかけました。〔修飾語+○○ました〕


                                                       45
  ・にしさんが、「だしをひきたい」といいました。〔○○が「○○○○」といいました〕
4 指 導 例
 (1) 経験を言語化する指導例
 乗り物に乗った経験を話し合う場合、児童は「でんしゃ」「じどうしゃ」とか「おとうさんとのったの」という
ような発言をする。そこで「電車にどうしたの」という発問や、聞いている友だちと、わからなかったことを話し
合わせることにより、「電車に乗りました。」「おとうさんと汽車に乗りました」というように整理し、秩序化し
て経験をことばで表わすようなことができる。
 (2) 経験を文に書く指導例
 たなばたで、作ったものについて話し合い、「ふね」「たんざく」「ほし」「きりがみ」など、あげられたもの
を文字化する。
 つぎに、船を作ったことを表わすには、どのようにいったらよいかを考え、「ふねをつくりました。」という文
型を発見する。この文型を文字化して、経験を文に書くことができるようになる。
 このようにして、ほかのものを作ったことも文に書き表わしてみたり、たなばたでしたことを文に書き表わして
みたりすることによって、経験を書くための文型を身につけることができるようになる。

       二 書くことに興味をもち、進んで書くようにする指導の方法

 児童が進んで文章を書くようになることが作文教育の出発点である。進んで書くことによって、経験や認識が深
まり、思考力が高まる。また、その活動を通して、文章を書く能力、言語要素が身についていく。


                                                       46
 いやいや書いていたり、無理に書かされているようでは、書くことによって身につく価値も、言語能力も少ない。
 児童が文章を進んで書くようになる方法を考えるのには、まず、進んで書かない原因を考えてみることが必要で
ある。その原因をとり除くことが、進んで書く指導法である。
 児童が文章を書きたがらない主な原因として、次のことが考えられる。
・文章を書く必要性を意識していない――(目的の問題)
・書く内容がはっきりしない――(題材の問題)
・どのように文章を書いたらよいかわからない――(文章構成・表現の問題)
・書くことに抵抗を感じている――(叙述の問題)
 今ここでは、第一項目の原因をとり除く方法を次の三段階に分けて考えてみる。
 興味をもたせる→必要性を感じさせる→目的をもつ。
1 書くことに興味をもたせる方法
 (1) 学習活動に変化をもたせる
 いつも題材について話し合い、書くことを決めてから叙述に移っていく方法をとっていたのでは、作文そのもの
に興味を失ってしまう。作文の時間が、児童にとって楽しいものでなければ、書く意欲、書く構えはできない。
 たとえば、共同で文章を作るとき、経験を思い出させるだけでなく、題材によっては、もう一度やらせてみる。
あるいは、絵を書いて思い出させる。となりの友だちと話し合わせる。などの方法を考え、その後、みんなで文章
を作っていく。また、共同で作った文章を視写する場合も、ただノートに視写させるだけでなく、自分も同じこと
を言おうとしたところや考えたところを   でかこませたり、線をひかせたりしておく。また、自分で発表した
ところの下に、名まえを書かせておく。このようにすることによって、文章を作る書びを感ずるであろう。


                                                       47
 要するに、作文の時間に興味をもつように、学習活動に変化をつけることが必要である。
 (2) 興味をもつ題材を選ぶ
 聞く、話す、読む、書く、すべての言語活動に通ずることであるが、まず題材について児童が興味を感じなけれ
ば書こうとする気持ちは起きてこない。単元を構成するとき、児童が興味を感じる題材を選んでおく。
 題材は、一、二年生の精神発達、社会性の発達、経験の範囲などを考えて決める。また、ただ興味をもつだけの
ものであってはならない。その題材をとりあげることによって、児童の人間性を高めるのに価値あるものでなけれ
ばいけない。
 低学年では、身近なもの、活動的なもの、親愛感をもっているものなどを、題材としてとりあげるとよい。(詳
細は「機能的国語教育(中沢政雄著)」112ページを参照)
 (3) 教材の扱い方
 単元に予定された教材の扱い方によって、書く興味を起こさせることができる。そのためには教材の機能を考え、
作文指導のどの面にいつ、扱ったらよいかを考える。
 作文のために用意された教材でも次のような機能が考えられる。
 a 経験を広げる……書く内容を広げる。
 b 経験を恕起させる……自分もそのことについて書いてみたくなる。
 c 経験のまとめ方をわからせる……基本文型。
 d 文章構成を理解させる。
 e 表現方法を理解させる。
 もちろん、これらは単独のものではない。数項目が一つの教材に含まれている。指導のねらいによって、教材の


                                                       48
扱い方を考えていくべきである。このとき、教材の機能が最も発揮できるものでなくてはならない。
 I 作品の処理
 作品の処理は文章を書く目的に従って行なうのが原則である。しかし低学年では、書きあげたものをほめてやる
ことも処理と考えていきたい。作品の悪いところを訂正させるより、よく書けたところをとりあげて、どうしてよ
いかを認識させることが必要である。これは、書くことに自信をもたせることである。
 児童に認識させる方法としていろいろあるが、短評を書いてやることも、こういうときに使うとよい。
 現在行なわれている短評を分類すると、次のようなものがある。
 a ただほめているもの……例 よく書けています。とてもじょうずです。
 b 表記についてふれているもの……例 とてもきれいに書けています。
 c 技能面にふれているもの……例 じゅんじょよくかけてよくわかります。
 d 内容にふれている……例 お手伝をいっしょうけんめいしてかんしんですね。
 e 以上をまぜ合わせたもの。
 短評は、教師と児童のコミュニケーションである。その点から考え、内容にふれながら、よく書けているところ
が自覚できるように書いてやることが必要である。
 処理の一方法として、個人文集はぜひ作りたい。これは、自分の進歩を自覚させ、書くことに興味をもたせるこ
とができる。
2 書くことの必要性を感じさせる方法
 (1) 文章の機能を自覚させる
 文章を書くことは、経験や認識を深めたり、思想や心情を豊かにさせたりする。また言いたいことを訴えたり、


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知っていることを知らせたりして、社会生活を円滑にし適応していく。忘れないために記録しておき、学習や生活
に役だてていくなどの働きがある。
 この働き(文章の機能)を自覚させていくことが、文章を書く必要感をもたせることになる。
 たとえば、「忘れもの」という単元で、どうしたら忘れものをしなくなるかを考えさせ、メモしておけばよいこ
とに気づかせる。あしたもってくるものを忘れないように書いておこうという目的で学習活動を設定すれば、児童
は書く必要性を感じるであろう。
 また、図工、社会、理科などで作成した絵・模型を展示するとき、これだけではよくわからないから説明を書こ
うという活動も考えられる。
 (2) 直接的な目的をもたせる
 経験を深めたり思想や心情を豊かにする自己表現の文章も、題材によって、先生に知らせる、友だちに知らせる、
家の人に知らせるという目的をもたせる。そういうことによって書かねばならない必要性をもつようになる。
 (3) 目的に従った処理
 書きあげた作品は、かならず目的に従って処理を行なう。目的を与えて文章を書かせても、作品の処理が、その
目的を達成するように行なわれなければ、文章の機能を自覚していかない。
 そればかりか、次の作文の時、目的を与えられても、必要感が湧いてこないであろう。さらに教師に対する信頼
感も失なわれていく。
 友だちに知らせようという目的で書かしたものは、かならず友だちに知らせる機会を作らねばならない。優秀な
作品だけを読ませたり、掲示したりして、他の作品は教師が読んで評点をつけて返すのではいけない。もちろん、
全児童に書きあげた作品を読ませることは不可能である。そのときは、グループで読み合う、一日交代で掲示をす


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る、とじ込んでみんなに回覧する、などの方法を考える。
 家の人に知らせようという目的で書かせたものは、家人に読んでもらい、感想を書いてもらう、または児童と話
し合ってもらうようになる。
 このように目的に従った処理を行ない、書くことによって、生活や学習に役だつことを認識させる。このような
繰り返しが、書くことの必要性を感じ進んで文章を書くようになるのである。
3 文章を書く目的をもつ
 低学年では、自分から目的を立てて文章を書いていくことは無理である。しかし、つねに目的をもたせて文章を
書くように指導していけば、進んで文章を書くようになるし、学年が進むに従って、自分から目的をたてて文章を
書いていくようになる。
 目的には、文章の機能に即した価値的な目的と、学習活動に即した生活的な目的とがある。もちろん、この両者
は一本の軸で結ばれたものでなくてはならない。
 きのうのことを文章に書く場合、先生に知らせるために書くということは、学習活動の直接的な目的である。児
童はきのうのことを文章に書くことによって、経験を深め、感覚をみがくことができるのである。この経験を深め
感覚をみがくことが文章の機能に即した価値的な目的である。
 低学年は知らせるといっても、伝達する意識はない。ただ知らせようとして自分の経験を書いているのである。
そのために知らせるということだから手紙というふうに考えなくてよい。
 また、ときには技能的な目的を与えることがある。たとえば、じゅんじょに気をつけて書こう。「。」をしっか
りうった文章を書こう、というようなこともある。しかし、これは簡単にふれる程度にしないと、自由に文章が書
けなくなる。


                                                       51
 低学年として考えられる学習活動の直接的な目的として、次にまとめておく。文章の機能、題材などから考え最
も適切な目的を与えて文章を書かせることが必要である。
 a 先生に知らせる先生に訴える。       e 掲示しておくために書く。
 b 友だちに知らせる友だちに訴える。     f 記念の文集を作るために書く。
 c 家人に知らせる家人に訴える。       g 学級のあゆみを作るために書く。
 d 忘れないために書く。

       三 生活や学習に役だてるために書く指導の方法

1 生活や学習に役だてるということ(機能)
 低学年で書くことが生活に役だつということは児童が、文章を書くことによって学校、学級に慣れてその生活が
楽しく行なわれたり、児童たち同士親しくなって人間関係が社会的に高められたりすることである。また、書くこ
とが、学習に役だつということは、書くことによって学習がなめらかに効果的に行なわれたりすることである。つ
まり文章を書くことによって、生活に適応し、学習が効果的に行なわれるようにすることである。
 つまり、ことばの社会的機能、文化的機能を働かせて生活の向上を図り学習の効果を上げようとするのである。
2 生活や学習に役だてるために書く経験と題材
 身近な生活や学習に役だてるために書く経験には、@学級生活や学習について知らせることを書く。A忘れない
ために書く。B伝言するために書く。C学習したことを書く。D誕生会のプログラム、お知らせなどを書く。E遠
足・運動会などの案内を書く。F展覧会、夏休みの作品などの説明を書くなどがある。


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 これらの書く経験として取り上げられる題材には、@先生から家庭への伝言 A学習に必要なものについての備
忘 B学習したこと C学級生活についてのこと D時間割のこと E誕生会のこと F運動会、遠足などのこと
G夏休み、図工の作品などのことなどがある。
3 生活や学習に役だてるために書く文章
 前述のような題材について、文章を書く場合、文章の目的に応じ、題材に応じた文章の書き表わし方をする。
 たとえば、先生から家庭への伝言を忘れないように書いておく場合には、先生のことば(できるかぎり基本的な
文型を使う。)をそのまま書く。学習用具、材料などを忘れないように持ってくるために書く場合には「あしたも
ってくるもの」「いろがみ、のり」などのようにメモ程度の簡潔さでよい。誕生会を家へ知らせるために書く場合
には「五がつ十か。はるたあきこさんのたんじょうかいです。」程度でよい。
 要するに、書く目的必要に応じて文章を書かせるように指導する。文章の形態を形式的に教えこまない。書く目
的、必要に応じた文や文章で書かせるようにする。
4 生活や学習に役だてるために書く態度・技能
 記録とか、メモを書くことによって生活や学習に役だてる場合、どのような能力や書きことばを児童につけてや
るかを考えなければならない。
 まず、書いたことをほんとうに生活や学習に役だてる。先生からの指示・伝言が家の人にわかるように書く。学
習したことの中で忘れてはいけないことを書く。このような書くことを通して、自分の生活を進めて行くうえに書
くことが大事だ、役にたつということを身をもって体験させ理解させる。こうして書くことは常に目的にささえら
れている、生活と結びついていることを知らず知らずの間にわからせることができる。次には気軽に書ける子ども、
耳で聞いておくより書いておいたほうが便利だという子ども、すぐに鉛筆をもって書きはじめる子ども、おっくう


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がらずに書く子どもになるよう、書くことが習慣化するようにしむけることが大事である。
 低学年では、このような態度を身につけることが根本であって、形式やその他から指導のいとぐちをみつけるべ
きではない。
 また、このような態度を身につけるためには、そこに書かれる語句や短い文、文章をしっかり押えなければなら
ない。「語句を語句としておさえて書き、文を文としておさえて書くこと」が大事で、単なる視写であってはなら
ない。このことは、語や文として読むことにもつながるし、ことばは働くということから考えても、書くことの学
習の基本となる。低学年で養成する大事な能力である。
5 一年 忘れないためにメモを書くことの指導例
 忘れものをしないためにメモを書く、先生の伝言を書く程度の学習では、特に一時間を使うとか、単元の中で指
導するなどと考えず、必要に応じて短時間に、いつでもどこでも機会をとらえて指導する。指導過程を示すと次の
ようになる。
 例1
 @あしたの工作で用意するものを、どうしたら忘れないかを話し合う。
 Aみんなで話し合って書いておくことにきめる。
 B話し合って書くことばを決める。
 <板書>
 C用意するものを書く。
 D書いたものを読み返す。
  (家へ帰って、書いたものを使って用意する〕
 これは、ごく初期の段階のもので、こうしたことが習慣化されれば、「みんなで相談し合って、用意するものを


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書く」「用意するものを考えてメモを書く」ことに発展する。
  例2
 @工作の時間に使うものを忘れないようにするにはどうしたらよいかを話し合って書いておくことを決める。―
―目的を持つ――
 Aどんなことを書いたらよいかを発表し合う。
 B話し合って決めたことを書く。                ――追求する獲得する
 C書いたものを友だちと交換したり読み返したりして確認する。  ――検討する
  (家へ帰って用意する――適応する)
 メモはつねに目的によってささえられていることを理解させる。
 低学年では、生活に役だつ、目的がはっきりわかるところから書くことの意味を具体的に理解する。

       四 経験を深めるために書く指導の方法

1 経験を深めるということ(機能)
 文章を書くことによって経験を深めるということは経験したことを文章に書いてまとめ、経験をよりはっきりさ
せる。つまり経験したことを文字ことばで書くことによって、あいまいなもの、ばくぜんとしたもの、ぼんやりし
たものをはっきりと認識することである。経験にことばをあてはめて認識を確かにし深めることである。それは自
己の確立に必要で、ここに書くという生活的機能的な目的がある。このような書くことによって、考えをまとめる、
心情を豊かにする、思想を豊かにする個性を伸ばす、感覚をみがくなど、人間性の開発に資することができる。


                                                       55
2 経験を深めるために書く題材
 低学年では、経験を深めるために、書く題材には次のようなものがある。
 (1) 運動会、遠足、先生、勉強などの学校行事、その他についての経験
 (2) お祭り、お節句、お正月などの社会的行事についての経験
 (3) ひなまつり、母の日、お手伝いなどの家庭的な行事などについての経験
 (4) 買物に行ったこと、親類へ行ったことなどの社会的な経験
 (5) 夏休み、冬休みなど自然生活についての経験
 (6) かくれんぼ、がっこうごっこなど遊びについての経験
 これらの経験のなかで、特に印象の深いことがらについて書く。しかも、その題材については児童の生活経験の
各方面にわたって全体として一つの体系を持っていなければならない。
 低学年ではこの「自己表現」に含まれる作文を書く機会が他に比較して多いので(従来は、ほとんどこれだけだ
った。)児童の関心、興味がどこに働いているか、どういう題材が季節、発達段階、能力をのばすために適切であ
るかを考慮する。
3 経験を深めるために書く文章
 児童の生活経験を書いた文章は、いわゆる生活文と称されるものである。特別な文章形態はとらないが、そこに
は共通的な傾向はある。一般に経験を書く場合には、「きのうおとうさんとどうぶつえんへいきました。」「きのう
がっこうからかえってからテレビをみました。」というように、経験を全体約・総括的に述べてから、その経験の
順序に従ってその部分部分を書く、つまり題材に対する総括的発想を取る。そして、多くの場合、経験の順序――時
間的、事件的に、従って線条酌に書く傾向をもっている。そして、広がりも深みもないのが普通である。


                                                       56
 なお低学年における特殊な文章形態として絵日記がある。絵日記については、その功罪なかばして、いろいろな
意見もあるが、要は、書くことによって書くことの力を伸ばし、経験を深めるために扱うのが国語科における絵日
記である。絵に主力をおいて文や文章をそえるとか、単なる絵の説明ではいけない。
4 経験を深めるために書く技能・態度
 生活経験を書くことによって、その認識を深め、思考力を伸ばす。そのために低学年では次のような能力をつけ
ることが、大事である。
 ・順序よく書くこと
 ・よく思い出して書くこと
 ・ようすがよくわかるように書くこと
 ・だんだんくわしく書くこと
 ・学習基本文型を使うこと
 ・書いたものを読み直すこと
 ここにあげた技能は、書く目的、題材、形態によってとりあげるものが違うのはもちろんである。たとえば、学
習基本文型を学習し身につけることは低学年の中でも初期の段階である。この学習基本文型が使えることは、経験
のまとめ方がわかり、思考が具体化され、思想形成に役だつということである。
 文型は、このように大事なもので、単に形式の指導だと考えて取りあげないのはよくない。
・「順序よく書くこと」順序に従って書く必要のある題材でとりあげるのは当然で、いつでも順序ということをね
 らうべきではない。
 この順序ということには、時間的順序、事がらの順序などがあるので、題材によってどういう順序をねらうのか


                                                       57
はっきり具体的に指導する。方法として
・続き絵で場面をおって話をする。
・スライドを使って順序を理解させる。
 事がらのカードを何故かならべてそれを順序よくならべかえる。などがある。
・「よく思い出して書く」具体的事実をあげさせて書くこと、たとえば、
  「友だちとうちでなんかしてあそびました。」
  「おかあさんに十円もらっておかしやでなんかかいました。」
  の「なんか」がどういうことなのか、事実はどうなのか、こうしたあいまいなこと、全体的なことを分析する
 ことによって経験が深まるので、ただ「思い出して書きましょう。」では抽象的すぎて、教師の意図が児童に理
 解されない。具体的に、助言を与えたり、ヒントをだしたりして、うろおぼえで理解している事実をはっきりさ
 せてやる。このことが「だんだんくわしく書くこと」に結びつくし、「ようすがよくわかるように書くこと」に
 も発展する。
・「会話文を入れて書くこと」平面的な描写から、立体的描写ともいえる会話文は、表現する語いの乏しい低学年
 の児童にとって、非常に効果的なものである。これで表現はずっと飛躍する。ふつう一年のおわりごろから二年
 にかけて身につくようである。
 二年では、会話文を使って情景描写したりすじを運んだりする児童がめだつ。この時をねらうのが指導のこつで
ある。これは読解の会話文の理解と関連して行なうようにする。その場合「 」の機能をよく理解させることが大
事で、これが徹底しないと、会話文そのものが機能的に考えられない。


                                                   58

 先生が、
 「森くんは、いなかへいくとき『はつかり』にのったんだね。」
 とおっしゃいました。
 ぼくは
 「先生、ずいぶんはやかったよ。とてもふわふわしていて きもちよかった。」
 といったら、先生が、
 「先生は、まだのったことがないんだよ。のりたいね。」
 といいました。ぼくは えらくなりました。               <二年男>   

・「書いたものを読み直すこと」高学年の推考につながる技能として大事だが、推考という形では、時に字の修正
 程度のことをやらせる。
 読んで友だちに聞かせてやる、声を出して読んでみる、というような方法で読み直させる。
5 遊んだ経験を深めるために書くことの指導過程
l 遊びの経験を書いて友だちに知らせる場合の指導過程
 @だれと、どこで遊んだか話し合う。
 A遊んだことの中で一ばん友だちに知らせたいことを決める。
 B遊んだことを書く。
 C友だちと読み合ってわかったことや思ったことを話し合い、よい書き方について理解する。
 @は話題について関心をもたせる、Aで一ばん知らせたいことを決める、書くべき内容決定と書く目的の決定。
(目的を持つ――方法をきめる――)Bでは決めたことを知らせるために書く(――目的を追求する)Cは作文を
友だちと読み合って、お互いに経験を広め、また読むことによって深めることができる。(目的を達成する。ここ
で追求していた価値が獲得され、またその価値を支える表現のよさを理解するわけである)


                                                       59
 自己表現の作文では、児童に目的をもたせにくいということもあるが、この場合のように「友だちに知らせる」
ことでもよいし、「せっかくいい経験をしたのだから忘れないうちに楽しかったことを書いておきましょう」とい
うような目的の持たせ方もあってよい。

       五 知らせたり、訴えたりするために書く指導の方法

1 知らせる、訴えるということ(機能)
 動物園へ行ったこと、親類のうちへ行ったこと、海へ行って泳いだこと、近所に火事があったこと、病気になっ
たことなど、児童の生活の中で情報的価値のあることを書いて知らせることによって、お互いにその生活を知り合
う。そこにお互いの親しみも湧き、生活的な構えもできる。そして、お互いに生活に適応していく。
 あるいは見てきたこと、本で読んで知ったこと、自分で作ったもの、電車のこと、珍しい動物のことなど児童の
生活の中の知的価値のあることを書いて知らせる。そしてお互いに知識、理解を増す。
 また、楽しかったこと、嬉しかったこと、困ったこと、こうしてほしい、ああしてほしいということを訴えるた
めに書く。そして相手に感動を訴える。相手の心を動かして、自分の方へ向かわせる。感銘させる。
 これらは、いわゆる知識や情報を交換するために書く。相手を動かすために書く。つまり、ことばの文化的機能
社会的機能、精神的機能に基づく書く活動である。
2 知らせるため、訴えるために書く経験と題材
 知らせるため、訴えるために書く経験には、次のようなものがある。
(1) 学級の者に知らせる掲示を書く。


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(2) 学級、先生、家の人などに知らせる情報を書く。
(3) 学級の者に知らせる説明を書く。
(4) 学級の者に訴える短い文章を書く。
(5) 学級、先生、家の人などに訴える考えを書く。
 これらの書く経験で取り上げる題材には次のようなものがある。
(1) 情報的題材――どこへ行ったこと、近所にあったこと、家のこと、学校生活の中のことなど
(2) 知識的題材――バスのこと、動物のこと、珍しいもの、見てきたこと、本で読んで知ったこと、おたまじゃく
 しのことなど
(3) 感動的題材――楽しかったこと、嬉しかったこと、いやだったこと、こうして欲しいということなど
3 知らせるため、訴えるために書く文章
 こうした題材で書かれる文章の中には、「詩的な文章」の形をとるものもある。短い文章だが、嬉しさ楽しさな
どの思いのこめられている文章がある。感動をさながらに、素朴に書き表わしたものがある。それを大事にすべき
である。
 また「絵に対する説明」という形態の文章もある。絵日記はだいたい絵が主で、文字再現が従になっているもの
もある。絵日記はここでいう絵の説明とは根本的にちがう。
 掲示板などにはられた絵(児童の作品ばかりでなく)に対して、絵だけでは理解されないものを説明するために
書く文章である。「おとうさんとたねをまきました。あさがおのたねをまきました。」
二年では写真や絵の説明をすることによって知識や情報を提供する。また、いっぽうに掲示の役目を果たす。


                                                       61
 そうじ戸棚にきちんとしまってあるほうきの絵があって、それに、
 「ほうきはそうじとだなの中に、上のえのようにいつもじょうずに入れてください。」
などと書くのがそれである。
 また、いわゆる「お知らせ」という形の文章がある。お知らせ板に「はみがき体操」があることを知らせたり、
映画教室の映画の題名を知らせたりする。
 「12月3日にこうどうで、えんげききょうしつがあります。げきは『あかいくつ』です。」
などがそれである。
4 知らせるため、訴えるために書く態度、技能
 児童に書く目的を持たせやすい文章では無理のない程度に「何のために書くのか」「書いてどうするか」という
ことを押えさせる。目的を持って書く態度を育てることが大事である。具体的には次のような能力養成が考えられ
る。
・「何を言おうとしているかがわかるように書くこと」は知らせたり、訴えたりする技能として特にたいせつであ
 る。「何を言おうとしているか」は、文章の基本的な要素をすべて包含するように解釈されやすい。いわゆる5
 WIHなどといわれるものを連想するが、ここでねらっていることはそれではない。
 一つの文に対して主述関係をおさえることである。
 「ぼくはおとうさんとどうぶつえんへいきました。」
 一文で、全部経験をだしている。この場合、「ぼくは――しました。」の文型、主述の関係がでている。低学年
ではこれでいい。
・「話しかけるように書くこと」これは相手意識、目的意識に応じて書く技能である。


                                                       62
 「おとうさん、こんどぼくのたんじょうびにプラモデルをかってください。じどうしゃのプラモデルをかってく
 ださい。」「せんせい、はやくずがをかかせてください。ぼくはきしゃをかきたいのです。」
 これらは目的と相手をはっきり押えているので話しかける形になっている。これは、目的と相手を明確にすれば
無理をしなくても出てくる。表現の問題としてよりも、相手に何を言いたいのか、それを指導するようにするとよ
い。
・「相手をはっきりさせて書くこと」具体的に相手を意識させること、だれに知らせるか、だれに言いたいか、目
 的を押えることは前述の通りである。
・「知らせる文型、訴える文型を使うこと」掲示の文型は簡潔にし、一文の中にいくつもの事がらを入れない。二
 年生あたりでは名詞止めの文型も少し考えられる。 あるいは事物の場合は、 個条書きの基礎となるような文型
 (文章型)も考えられる。
・「読み直すこと」これは推考につながる能力であるが、低学年では書いた文章を読みかえすことはあまりしない。
 書いたこと自体が勝負で、それを自分で読み直して正しくする、よりよいものにするということは一年生では無
 理である。二年生では少し読み直す余裕がでてくるので指導をする。それでも読み直して誤字修正、脱字そう入
 程度で、文章全体を読み直してその内容的に手を入れることはできない。友だちと交換して読み、感じたこと、
 わかったことを話し合い、そこでまちがいがわかったら直す、初歩の相互批正をする。そのときに、友だちに言
 われたからすぐ直すのではなく、自分でもう一度読み直してみる。そして訂正するという手順をふんでやらせる。
 読み直すという態度・技能をこのようにしてつけたい。
  単なる読み直しでは意味がない。程度に応じて読み直す目的を与えることが必要である。特に掲示などの場合


                                                       63
 には誤まり伝えられないかという面から読み直す指導をする。
5 先生に訴えるために書くことの指導例
 @先生に言いたいことを話し合う。――目的を持つ――
 A自分の言いたいことを書く。  ――目的追求する――
 B先生に出す前に一度書いたものを読んでみる。
 C先生の話を聞く。       ――獲得する――
 訴えたいこと、言いたいことは相手がはっきりしている以上は、目的について特に指導はいらない。@は散発的
な話し合いになるので短時間ですます。A一番言いたいことというと一文一事が多いのですぐおわってしまう。そ
れより思っていることをできるだけ外に出させようというところから、言いたいことは自由に言わせる。考えがま
とまらないうちに書く児童は、途中で訴えが自分の遊びになったりするので、個別指導によってだれを相手とする
かさらにはっきりさせる。Bは読み直し、字の修正でもできればやるがあまりそれは期待しない。Cは先生からの
返事という形で話をする。自分の訴えが先生にとどいた喜びと、人間の心の交流ができたことに対する満足感で、
書く興味をさらに倍加するものであると考える。

       六 基礎練習のために書く指導の方法

1 練習の考え方と方法
 練習は次の点を考慮して行なう。
(1) 練習の目的をはっきりさせて練習することにより、興味を持って練習することができるようにする。


                                                       64
(2) 練習の結果について必ず整理し、まとめることによって、練習による進歩を自覚させるようにする。
(3) 練習の必要を自覚させ、練習する内容がはっきりわかっていることにより、集中して練習することができるよ
 うにする。
(4) 練習の量と範囲をしぼり、短時間に練習し、回数を重ねるようにする。
(5) 一且誤って身につけたものを訂正するための練習でなく、正しいものを身につけるための練習をさせるように
 する。
(6) 練習の方法としては、次のようなものがある。
  @視写  A聴写  B暗写  C念写
2 口頭作文の基礎練習
 (1) 経験をことばで表わすことの練習
・低学年の児童は、学習したことをみんなで言ってみたり、ひとりでいってみたりして練習することが、学習のく
 りかえしになると同時に確かめとなって、学習したことが身についていく。
 従って、乗り物に乗った経験を「電車に乗りました。」ということばで表わすことを学習した場合には、実際に
車に乗った経験を持つものには、ひとりずつ言わせて練習させることにより、経験をことばで表わすことを身につ
けることができる。
 なお、この場合、「自動車に乗りました。」「汽車に乗りました。」という経験を表わすことばを加えることに
より、「○○にのりました。」という乗り物に乗った経験をことばで表わす(口頭作文の)文型を練習することが
できると同時に、「電車」ということばを、経験と結びつけてはっきり区別することができるようになる。
 また、このような練習をすることによって、「おとうさんと自動車に乗りました。」「自動車や電車に乗りまし


                                                       65
た。」などの文型へ、発展していくことも考えられる。
・このように、「○○で○○ました。」という口頭作文の文型を学習した後には、この文型を使って経験をことば
で表わす場面を設定し、この文型によって、いろいろの経験を表わすことができることを理解させ、同時に、それ
ぞれの経験につながることばの概念をはっきりさせて児童の思考力、判断力を伸ばすことができる。
 (2) 経験をまとめることの練習
 絵を手がかりにすることによって、一日の経験の中から、「こうえん」での経験をとり出して話すことができる
ようになった時、絵以外の公園での経験を話させることにより、経験をまとめる力がいっそう確実なものとなる。
低学年では、この場合、児童の経験が絵に書かれていることがらと一致することもあるが、ここでは、公園での経
験が話されているかどうかを問題として取りあげ、徐々に指導していくようにしたい。この観点で、他の児童に聞
かせるのも、経験をまとめるための練習の一方法である。
・何かを見て話すことにより、視覚によって知覚されたものをことば化することができるようになった時、全体で
 の話し合いにつづいて、隣同士や小グループでつづきを話し合うことによって、見た経験を話すための文型を身
 につけることができる。
・学校の教室のようすを、うちの人に伝えようとする時、「黒板があります。」「花瓶があります。」「わなげが
 あります。」という文型を学習し、つづきをゲームのように、ひとりひとりにみつけさせ、言わせ、聞いている
 児童にたしかめさせるというように、遊びの要素を含めて練習させることもできる。
・このほか、経験をまとめることは、絵にかいて話したり、それについての質問を応答や、全体で、グループで、
 個別で、と、いろいろ学習形態に発展させて練習することができる。
3 基礎技能態度の練習


                                                       66
 (1) 経験を文字化することの練習
・視写 @書くために必要な文字ことばを増し、いっそう確実にする。
 A経験が抽象化されている絵を見て書くことにより、文字ことばの習得を、いっそう確かなものにする。
・聴写 発音と文字とを結びつけて、文字ことばで書き表わしたり、みくらべて確かめることにより、文字ことば
 や文型の習得をいっそう確かなものにする。
・暗写 書かれたものを暗記し、見ないで書くことにより、文字ことばや文型の練習をする。
・念写 見ないで書く――考えたことを文字ことばや文に書く。念写をつづけることによって作文が成立する。念
 写の練習は、共同作文の過程で、十分に練習されなければならない。
・このほか、日常生活の中で、心覚えのためや、忘れないために書く場面を、継続的に設定して、書くことが習慣
 化するまで練習することが必要である。
 (2) 経験を文に表わすことの練習(学習基本文型の練習)
・「動物園に行った経験をどのように書き表わせばよいか。」ということを考えた結果、「どうぶつえんへいきま
 した。」「ぞうをみました。」「おべんとうをたべました。」という文型を学習した時、行動を表わす文型と、
 視覚からの認識を表わす文型とを分け、同じ動物園へ行った経験を表わすのに、「○○へ(を)○○ました。」
 という文型を練習することにより、知覚の型による表現方法を身につけることができ、思考が整理される。
・また、口頭作文をそのまま書くと文になることを理解することによって、口頭作文で身につけた文型を使うこと
 ができるようになり、経験の書き表わし方を知ることができる。
・また、経験と結びつけて文型を練習することにより、文型は次第に複雑化し、完全なものとなっていく。
・教科書の文型や、友だちの作品の中の文型や、共同作文の中の文型などを、視写・聴写・暗写・念写することに


                                                       67
 より、いっそう確実に文型を身につけるようになる。
 (3) 経験を文章に事き表わすことの練習(順序に従って書く練習)
・経験の部分部分を表わしている文を、経験の認識の過程に従って組み立てる。つまり文章に書き表わすことを学
 習した時に行なう。
・経験を話し合って、発表させた文を経験の順序に並べてから文章に書き表わすことも一つの方法である。発表し
 た児童に相談させて順番を決めさせたり、発表を聞いていた児童に、経験に照らし合わせながら順序を決めさせ
 ることなども考えられる。
・一般に、児童の経験の認識は、「きのうは、うんどうかいでした。」とか「でんしゃごっこをしました。」とい
 うような総括的な把握がされてから、経験の部分部分が順次分析的に把握されるのである。そこで練習の場合は、
 たとえば「うんどうかい」と板書してから、連動会について話させる。その場合、児童が経験に従って話す中心
 にいつも「きのうはうんどうかいでした。」という総括的な文を意識させておく。それによって経験をまとめる
 ことを同時に身につけさせることができる。
・経験を文章に書き表わす練習をすることによって、経験に対する認識を広げることも考えられる。たとえば、こ
 とがらの順序に従って書き表わす文章から、一つのことがらの内容をくわしく書き表わす文章へ、認識の深まり
 がなされなければならないが、これは、文型の発達と思考の深まりと相まって行なわれる。
 (4) おっくうがらずに書くことの練習
 ア 書くことになれるようにする練習の方法
・文字を書くために使う筋肉を慣らすことにより、文字を書くことができるようになる。手首の筋肉が自由になり、
 思うように文字を書くことができるようになった時、文字を書くことに対する児童の興味はいっそう増して、練


                                                       68
 習意欲も高まっていく。
・手首の筋肉の疲れをとることなどを覚えると、練習の効果はますますあがっていく。
・方法としては、視写、聴写を十分にすることがよい。
 イ 練習の必要性を持たせる。
 ウ 書くことに興味を持たせる。
4 言語要素の練習
 (1) 「。」をうつことの練習
・視写によって行なう。
・自分の書いた文章を読みかえしたり、友だちの作品を読んだりすることによって、推考や批正という形で行なう
 「。」のない文章を与えて「。」をつけさせる。
 (2) かなづかいの練習
・「は」「を」「へ」などの助詞の練習は、つねに文脈の中で行なうようにする。短文を視写させたり、聴写させ
 たりまた助詞の部分を  にしておいて、いれさせたりする。
・「おおい」「とおい」などのかなづかいは、その語を使った短文を書かせる。「とうい」「とおい」「とをい」
 などの中から正しいものを選ばせる。
・促音・拗音・長音などの練習は、必要なことばの絵を示し、その絵の表わすことばを文字化していくことも一つ
 の方法である。
・「ことば合わせ」「ことばのなかま集め」などもよい。
 (2) 文字を正しく、きれいに書くことの練習


                                                       69
・文字を覚えるための練習は、正しい筆順、正しい点画に注意して練習させるようにする。
・文字をきれいに書くための練習は、書いた結果を見せる対象を決めて書くことによって効果をあげることができ
 る。
・文字をきれいに書くための練習には、自己評価、又は相互評価する方法もある。たとえば、同じ字を五つ書いて
 みて、その中で一番きれいに書けたものに自分で○をつけたり、友だちや先生に○をつけてもらうことなども一
 つの方法である。
・文字を正しく使うための練習は、ことば又は文の中で練習することがよい。

       七 低学年の作文の見方

1 作文を見るための基本的な態度
 児童は文章を書くことによってある目的を達成し、その結果、考えが深くなったり生活が深まったりする。その
過程でその目的を達成するために必要な書く技能や態度を身につける。
 たとえば、一年生が、忘れないように先生の指示や先生からの伝言を書くことによって、生活や学習がすらすら
と進む。また、二年生が経験をまとめたり、人に伝えたりするために運動会や遠足、おつかいやおてつだいのこと
を書くことにより、経験を深めたり認識を確かにしたりする。
 このような書く活動を通して「書くことに興味を持つこと。」「順序よく書くこと。」「様子がよくわかるよう
に書くこと。」などの技能や態度が養われる。
 前者は児童の人間形成の面につながり、後者は書くことの能力養成の面につながる。


                                                       70
 したがって児童の作文も、この両面を切りはなして別々に見るのではなく、つねに一体として機能的に見る必要
がある。
2 作文の見方
 (1) 書き手の目的が達成されているかどうかを見る
 児童の作文を見る場合、何のために書くのか、書く目的をはっきりおさえているか、書いた目的が達成されてい
るか、すなわち、目的に合った題材が選ばれ、目的に合った書き表わし方がしてあるか、という点に気をつけて見
る必要がある。
 たとえば、誕生会で友だちを祝ってあげるために書かれた文章であるならば、お祝いの気持ち、親しみの気持ち
がこめて書いてあるか、それに適した題材であるか、などの点をまず見るべきであろう。つまり、書かれた目的に
よって、見る観点もそれぞれ異なってくるわけである。
 (2) 価値の認識・理解の程度を見る
 たとえば、児童は、自分の「おてつだいをした経験」を書くことにより、「おてつだい」の喜びやつらいことな
どそれぞれに認識が深まり、おてつだいに対する考え方がはっきりしてくる。
 すなわち、おさないなりに、働くことの意義が認識される。ここに書くことによる価値の獲得と生産がある。
 したがって文章を見る場合、この価値生産の面を見のがすわけにはいかない。つまりその文章を書くことによっ
て、児童はどのような価値をどの程度獲得し生産したかを見るのである。
 これらの価値はすべて文章の題材に内在している。したがって、題材に対する見方、考え方、感じ方、まとめ方
などを見ることによって題材に対する認識、理解の程度を知ることができる。
 (3) 文章の表現の面を見る


                                                       71
 文章の表現形態は、書き手の目的・書こうとする題材、内容によって決まるのであるが、とくに低学年において
は、低学年としての特色ある書きぶりがなされる。これは、文章表現の形態、形式が、児童の精神発達と大きな関
係があるためである。
 したがって作文の表現を見る場合は、低学年の文章表現の特色をじゅうぶんふまえた上で見る必要がある。(本
書「第二章 低学年の作文」の項を参應されたい。)
 (4) 全体的に見る
 文章を書く活動は、言語の機能に即した書き手の目的によって表現内容(題材)が選択され、目的や内容に応じ
て文章の形態や構成や書き表わし方が決まるのである。
 すなわち、その内容も表現もすべて書き手の目的によって統一され規定されている。文章は書き手の表現意図、
目的によって貫かれ統一された全一体全体的構造体ということができる。
 したがって、児童の作文も、表現、内容を切りはなさずにこれらを機能的全体的に見る必要がある。
 (5) 分析的に見る
 一つの文章ができあがるまでには、書き手の目的、意図、能力、言語要素などがからみ合い、複雑な過程を経る
わけであるから、これらの緒要素を別々に切りはなして取りあげることは困難である。
 しかし作文の学習指導にあたって学習の能率上、一つあるいは二つの技能を重点的に指導するというのが普通で
ある。
 したがって、学習の成果を考察したり、または、能力の実態を調査研究したりする場合など、作品の成立過程に
おける諸要素を分析的に見ることも多い。
 たとえば、遠足」の作文について、「経験の順序に従って書く」ことの能力をとくに身につけさせようと意図


                                                       72
した場合、できあがった作品も、「経験の慣序に従って」書いているかどうかについて重点的に見るわけである。

       八 処理と評価のしかた

1 処理のしかた
 (1) 児童による処理
 低学年においては、児童が自分たちの力だけで行なう処理の範囲はそう広くは望めない。しかし、書いた目的に
応じて自主的に処理を行なうことは、それが適切に行なわれるならば、大きな満足感や励みが得られて、学習効果
をあげるために役にたつと考えられる。
ア 知らせるため、訴えるために書いた場合
a 友だちどうし交換して読む。
 隣りどうし、またはグループ内でお互いに作文を交換して読み合い、わかったことを中心にして話し合い、目的
が達せられたかどうかを考え合う。
b みんなに読んでやる。
 書きあがった作文を、それぞれ読んで書いたことを知らせる。初めに何について知らせようとしたかを言わせて
から読んで聞かせ、その結果について話し合う。
c 家の人に読んでもらう。
 たとえば、学校での行事やできごとを書いて、家の人に知らせるというような場合は、まず、家の人に読んでも
らうことが学習の目的にも合った処理ということができる。


                                                       73
 この場合には、事前に、家庭と、連絡し、児童の作文について、できるだけよい点を見つけて励ましてもらうよ
うに配慮することは効果的である。
 また、学校でも、家の人に読んでもらったときのことを発表し合うことは、書びと満足をさらに大きくすること
になろう。
d グループで決まっている場所に掲示して読み合う。
 廊下や教室の壁面に、自分か、またはグループの責任者が掲示して読み合うことは、おおぜいの者に発表の機会
を与える上からも効果がある。とくに、みんなに訴えたいこと、またはお知らせなどについては、目的を達成する
ためにも効果的な方法である。
イ 記録・忘れないために書いた場合
a 個人文集にとじこむ。
 文集といっても低学年では、いわば、作品のとじこみといったものである。一年生では、袋でもよい。経験した
ことを忘れないために書いておく、楽しかったことを書いておくというようなものや、すでに目的に応じて処理し
た作文をとじこむ。自分の書いたものを整理し保管することは、成長の跡を記録しておく意味で、教育的にも大き
な意義のあることである。
 なお、このとじこみも、時に読み返す機会を作ることは、学習指導上きわめて効果的なことである。そして、二
年生になったら、書いた期日、場所、できれば、書いてから思ったことなども書きそえさせるとよい。
b その他
 一年生の入門期などに備忘のためにノートに書いたものなどは、教師が事前に確かめてから、実際にそれを使っ
て役だたせればそれでよい。


                                                       74
 (2) 教師による処理
 作文の学習指導が不振の原因のひとつに、処理がやっかいだからということがよく言われる。作文の学習効果を
あげるために、能率的で効果的な処理のしかたをくふうする必要がある。次のような方法は、現場においてよく行
なわれている主な例である。
ア 短評を書く。
 低学年の児童は先生に評を書いてもらうことに大きな期待を持っている。したがって教師が短評を書くことはき
わめて効果的な処理法の一つである。とくに、先生に知らせたり訴えたりするために書いた作文などには返事をか
ねて書いてやることが望ましい。しかし、教師にとっては、時間的に労力的に大きな負担であるから、いつも評を
書くというのも実際的でない。
 評語は、細かい注意よりも、児童に励みと充足感を与えるようなあたたかいことばの方が効果的である。また、
あらかじめ特定の符号を約束しておいて、文字、表記、または書きぶりなどについての評価・指導に用いるのも能
率的である。
イ 口頭で評価する。
 全部の作品を読んだあとで、学級全体の傾向や問題点などについて、口頭で感想や批評を行なうこともある。
 この場合は、記述過程において観察しておいた問題点なども含めて話してやることは効果がある。また特別の児
童には個人的に指導したい。問題点の多い例文などを用いるときは、書いた児童に悪い影響のないようじゆうぶん
考慮しなければならない。
ウ 文集による処理
 いわゆる作文教師といわれる一部の熱心な実践家は、多くこの方法によって、相当の実績をあげている。しかし


                                                       75
全児童の作品を集めて原紙を切り、印刷製本までする文集作りは、時間的に労力的に、その負担はまことに大きい。
すべての人が容易に行ない得ることではない。
 そこで、これにかわるものとして、一枚文集がある。これは、学習のあと、一、二の間題作、または、代表作に
ついて指導や助言を加えて印刷し、めいめいにとじこませるものである。作品は、学期または、年間を通じて全児
童にわたるようにする。
 また、作品をとじこんで回覧文集としたり、教室内に備えつけて自由に読めるようにしておくことも考えられる。
いずれにしても、ただ文集を作ったというだけに終わることなく、つねに指導の手が加えられ、学習の上に効果的
に利用するようにしなければならない。

 以上、児童による処理、教師による処理のおもな例をあげたのであるが、もっとも望ましい処理は書き手の目的
に応じた処理である。このような処理によってはじめて学習者は、首尾一貫した学習活動を営み、所期の目的を達
成することができるわけである。
2 評価のしかた
 (1) 評価の観点のたて方
 作文の学習を評価する場合の観点は次の事項によってたてる。
 ア 学習効果の判定のためか、指導法や教育課程の改善のためか、評価の目的をはっきりさせる。
 イ さきに述べた作文の見方を根底におく。
 ウ 書き手の目的に応ずる(価値的なもの)
 エ 単元の学習事項をふまえる(能力的なもの)


                                                       76
 オ 指導した事項について重点的にたてる。
 (2) 評価の基準
 現在のところ、評価の基準としての客観的な品等尺度見本がない。したがって、ある程度教師の主観によらざる
を得ない現状であるが、それぞれの評価の観点にてらして、上・中・下くらいの段階づけを行なうことはできる。
その場合、その学級または学年内で、文章の量、能力の到達度などを調査して一応の標準を出しておくと便利であ
る。
 (3) 評価の方法
 評価の方法は、何のために評価するのかその目的によってさまざまな方法が考えられる。一応次のようなものが
ある。
ア 観察して評価する。
  児童の作文を書いている態度・推考の状態・想の展開・思考過程などを記述の過程で観察して評価記録する。
 記録するにはチェックリストなどが便利である。児童のつまずき、停滞の実態をとらえて速かに指導の手がさし
 のべられる利点がある。
イ 作品を読んで評価する。
  すでに立てられた評価の観点、基準にてらして評価する。時には、重点的な観点にしぼって読んでいく。評価
 の結果は記録して次の指導に役だてる。個人的なことだけでなく、学級全体の傾向、問題点などをまとめておく。
ウ ペーパーテストによって評価する。
  文章表現の主として技能的な面、言語要素的な面を評価することができる。たとえば、順序の前後した文章を
 正常な順序に訂正させて、順序よく書く能力を評価するとか、かなづかいや「。」のうち方の誤りを指摘させる


                                                       77
 とかなどがある。

 以上、評価のしかたについて、観点、基準方法を簡単にのべてきたが、評価の結果については、個人的に、また
学級全体について記録をとり、これをつみあげて累加記録として利用することはもっとも望ましいことである。




                                                       78
     第四章 機能的作文指導の年間計画

      一 年間指導計画について

  (一) 年間指導計画の基本的な考え方

l この年間指導計画は、機能的国語教育の原理、基礎理論にもとづいて編成したものである。(機能的国語教育
 論を背景とし)
2 機能的作文指導は、すでに述べたように、ことばの表現機能、叙述機能、伝達機能にもとづいて、書くことに
 よって児童の人間性を開発し、発展させる――つまり、価値を習得し生産する人間を形成するとともに、その過
 程において作文能力を養成し、書く言語生活の向上を図ることをねらっている。(機能的言語観に立ち)
3 その目的を達成するために必要な作文指導の内容――題材、書く態度・技能・ことばに関する事項等を、聞く
 ・話す・読む各域領との関連を考えて、単元とし、組織し、系統的に配列したのが、この年間指導計画である。
 (機能的な目標・内容を組織し、機能的方法にもとづいている。)

  (二) 年間指導計画編成の方針

1 児童の興味、必要、能力の発達を考え、現在の生活の中から、積極的、意欲的な書く活動が営まれるような、


                                                       79
 機能的な題材を選んだ。
2 機能的な題材を中心として、児童の人間性に培い、生活に適応しまた改善するのに役だつ機能的な書く経験を
 組織した。
3 作文能力およびそれを含む書く経験を、系統的に配列し、活発な作文活動を通して、効果的にその技能、態度、
 言語等を身につけるように計画してある。
4 原則として、書くこと(作文)は、各単元の中に組織してあるが、必要に応じて、随時随所で、作文単元を組
 織して学習することができるようになっている。
5 児童の書く生活の全面にわたって広く指導できるようにした。
6 この指導計画の書くこと(作文)に割り当てた時間数は、次のようになっている。
  一年    一学期  5 |          二年    一学期  15 |   
        二学期 13  >計 25            二学期  11  >計 33
        三学期  7 |                三学期   7 |
   備考 指導計画の「月、時間」の欄の()の中の数字は、書くことに割り当てた時間数を示す。

  (三) 年間指導計画の内容

1 この年間指導計画で取り上げた児童の生活経験
 (1) 一年                    (2) 二年
  ア 乗り物についての経験            ア 学年初めの経験
  イ たなばた祭りの経験             イ 学級園についての経験


                                                       80
  ウ お祭りの経験                ウ 子どもの日の経験
  エ 遊びの経験                 工 遠足の経験
  オ 遠足の経験                 オ ごっこ遊びの経験
  カ お正月の経験                力 給食についての経験
  キ 忘れ物の経験                キ 夏の遊びの経験
  ク 運動会の経験                ク 日常の生活経験
  ケ 先生に対する経験              ケ 運動会の経験
  コ 日常の生活経験               コ 身近な動物についての経験
  サ お手伝いの経験               サ 手伝いの経験
  シ 夏休みの経験                シ 誕生会の経験
  ス うれしかった経験              ス お正月の経験
                          セ 節分の経験
                          ソ 自然生活の経験
2 この年間指導計画に取り上げてある題材例
(1) 一年
 ア 家庭生活――るすばん、にわはき、こもり、水くみ、おてつだい、おつかい、かいもの、おこずかい、テレ
  ビ等
 イ 学校生活――つなひき、かけっこ、たまいれ、ぼうたおし、えんそく、おべんとう、てんらんかい、がくげ
  いかい、せんせい、わすれもの等


                                                       81
 ウ 社会生活――たなばた、おまつり、おみこし、、おかぐら、だし、はなび、お正月、のりもの、でんしゃ、
  きしゃ、じどうしゃ、バス、ふね等
 工 遊びの生活――きしゃごっこ、なわとび、かくれんぼ、おにごっこ、おしくらまんじゅう、かるた、すごろ
  く、かげえ、トランプ、はねつき、たこあげ等
 オ 自然生活――とんぼとり、せみとり、水あそび、プール、かいすいよく等
 力 精神生活――うれしかったこと、たのしかったこと、おもしろかったこと等
(2) 二年
 ア 家庭生活――おてつだい、るすばん、おつかい、おそうじ、子もり、おかあさん、おにいさんのたんじょう
  日、日ようびのこと等
 イ 学校生活――おしらせ、おねがい、先生、あたらしいきょうしつ、かかり、一年生、たんじょうかい、うん
  どうかい、きゅうしょく、パンくばり、きゅうしょくとうばん等
 ウ 社会生活(行事)――元日のおまいり、はな火、ぼんおどり、子どもの日、おせっく、こいのぼり、母の日
  五月にんぎょう、まめまき、せつぶん、こうえん等
 工 遊びの生活――たこあげ、はねつき、冬のあそび、春のあそび、ごっこあそび、ままごと、水あそび等
 オ 自然生活――山のぼり、うおつり、しおひがり、かいすいよく、虫とり、ほたるがり、春のしぜん等
 力 動物――どうぶつえん、ねこ、いぬ、牛、小とり等
 キ 友だち――○○さん、○○さんとあそんだこと等
3 この年間指導計画で学習するおもな技能・態度・ことばに関する事項
(1) 一年


                                                       82
ア 技能・態度
 あ 経験のまとめ方を知ること。           つ 書いたものを読み直すこと。
 い 経験の書き表わし方を知ること。         て 書くことに興味を持つこと。
 う 経験を文字化すること。             と 書く必要性を知ること。
 え 経験を文章化すること。             な 書こうとする気持ちを養うこと。
 お メモをつけること。              イ ことばに関する事項
 か 何をいおうとしているかがわかるように書く    あ ことばを文字化すること。
  こと。                      い 経験を書くための基本文型を身につけること。
 き よく思い出して書くこと。            う 「。」をうつこと。
 く 順序をまちがえないで書くこと。         え 「は・を・へ」に注意して書くこと。
 け 遊んだ順序がわかるように書くこと。       お 文字をていねいに書くこと。
 こ 何をしたかがわかるように書くこと。       か 文字の形に注意して書くこと。
 さ 言いたいことをすなおに書くこと。       (2) 二年
 し 相手にわかるように書くここと。        ア 技能・態度
 す 楽しかったことがわかるように書くこと。     あ 進級の気持ちがわかるように書くこと。
 せ 場合やことがらをまとめて書くこと。       い 知らせることや気をつけることがわかるよう
 そ 興味を持ったことを中心に書くこと。        に書くこと。
 た 知らせたいことがわかるように書くこと。     う 心に感じたことがわかるように書くこと。
 ち うれしかったことがわかるように書くこと。    え 楽しい様子がわかるように書くこと。


                                                       83
 お 知らせたいことがわかるように書くこと。     な 会話をいれていきいきと書くこと。
 か 生き物の様子がわかるように書くこと。      に だいじなことを短い文で書くこと。
 き 手伝いや働いたときの様子がわかるように書    ぬ 書く必要性を自覚すること。
  くこと。                     ね 進んで書こうとすること。
 く おもしろかったことや楽しかったことがわか    の よく思い出して書くこと。
  るように書くこと。                は 場面をよく思い出して書くこと。
 け 順序をたどって書くこと。            ひ 書いたものを読み返すこと。
 こ したこと見たことの順序にしたがって書くこ   イ ことばに関する事項
  と。                       あ 「。」をうつこと。
 さ 遊んだことを順序よく書くこと。         い 「、」に注意して書くこと。
 し できごとの順序をたどって書くこと。       う かなづかいに注意すること。
 す 経験したことの順序をたどって書くこと。     え 文字を正しくきれいに書くこと。
 せ 様子をくわしく書くこと。            お 書くために必要な語句を身につけること。
 そ よく見たとおりに書くこと。
 た 遊びの様子を詳しくいきいきと書くこと
 ち 情景や気持ちをくわしく書くこと。
 つ 生き物に対する気持ちを書き表わすこと。
 て 親しみの気持ちがわかるように書くこと。
 と 行動や様子がわかるように詳しく書くこと。


                                                     84〜89
       二 一年の年間指導計画


  太字数字の意味はP98 「(七) 実践例の解説」を参照してください。 2013年2月12日(管理者)


時間


学習目標 学習活動  学習事項  備考 




(

)
 




乗り物について、話し
合ったり、共同で文を
書いたり、乗り物につ
いての文章を読んだり
して、知識や経験を深
めることができるよう
にする。 
1 乗り物についての経験を話
 したり文字化したりする。
 乗り物についての経験を共
 同で文に書く。
 共同で作った文(板書)を
 読んだり書いたりする
4 教材「のりもの」を読む 
1 話の仲間入りをすること
 経験を文字化すること
 経験のとらえ方まとめ方を知る
 こと
 基本文型を使うこと
5 ひらがなを読み、また書くこと
6 何が書いてあるかを読みとること 
経験の文字化
口頭作文 



(

)
 





 
忘れ物をしないために
書きとめて(メモ―記
録)学校生活に役だて
ることができるように
する。 
1 教材「わすれもの」を読む
2 忘れ物をした経験を話す
 忘れ物をしないためにメモ
 を書く
 みじかい文を見て書く
 書いたものを読む 
1 聞き手の方を見て話すこと
2 拾い読みでなく、語や文として読
 むこと
3 書くことの必要性を知ること
 語句や短い文を書くこと
 文字の形に注意して書くこと
 書くことについて興味をもつこと 
忘れない
ために書
くメモ 



(

)




 
たなばたの行事に参加
し、共通の経験を共同
で文章に書くことによ
り、たなばた祭りの楽
しさを味わい、心情を
育てる 
1 教材「たなばたのはなし」
 を読む
2 たなばたの物語を聞く
3 教材「おかざりをつくる」
 (指示文)を読む
 たなばたのことばを書き
 (視写)おかざりをつくる
 たなばたの文章を書く 
1 物語を聞いて楽しむこと
 何が書いてあるか考えて読むこと
 指示に従って作ること
 経験したことのだいたいを書くこ
 と
 文字の形に注意し、筆順に従って
 書くこと
 「。」をうつこと
 基本文型に慣れること 
経験の文
や文章化
共同作文 



(

)
 






先生や友だちに知らせ
るために、文章を書く
ことによって、経験を
深めたり広めたりする
 先生や友だちに知らせたい
 ことを絵と文章で表現する
2 教材「ちょうちょ」「おも
 り」を読む 
 絵を手がかりにして文や文章を書
 くこと
 何を言おうとしているか、わかる
 ように書くこと
 経験を書き表わすための文型を知
 ること
4 何が書いてあるかを考えて読むこ
 と
 文字の形に注意して書くこと
 「。」をうつようにすること
 書こうとする気持ちを養うこと 
絵作文
経験の文
字化
 



(

)









楽しかった夏休みの経
験を話したり書いたり
して、生活を豊かにし
経験を深めるようにす
る。  
1 夏休みの作品について話し
 合う
 作品に簡単な説明をつけ、
 夏休み作品展覧会に出品する
3 夏休みのお話会を聞く
 夏休みの経験を簡単な文章
 に書く 
1 相手にわかるように話すこと
2 話し手をみて、じゃまにならない
 ように聞くこと
 何を言おうとしているかがわかる
 ように書くこと
 経験をまとめて書くこと
 書こうとする気持ちを育てること
 文型を身につけること
 文字をていねいに書くこと 
簡単な説



(

)



お祭りのようすや、楽
しい経験を話し合った
り、文章に書いたり、
祭りに取材した文章を
読んだりすることによ
って、祭りの楽しさ
をいっそう深める。
 
1 お祭りの経験を話す
2 教材「おまつり」「みこし」
 を読む
 お際りの経験を文章に書き
 先生や友だちに知らせる 
1 聞き手の方を見て話すこと
 何を言おうとしているかが、相手
 にわかるように話すこと
 何が書いてあるかを考えて読むこ
 と
 書くために必要な語句を身につけ
 ること
 楽しかったことがわかるように書
 くこと
 「。」をうつこと
 
自己表現
の文章
10

11
(

)






 
運動会について、文章
を読んだり、話し合っ
たり、文章に書いたり
することによって、運
動会の楽しさ、おもし
ろさを確認し、学校生
活の楽しさを深める。
 
1 教材「かけっこ」「すずわ
 り」「つなひき」を読む
 「つなひき」の経験を文章
 に書く
 
1 ともだちや先生の話をしっかり聞
 くこと
2 どんなことがどんな順序に書いて
 あるかを注意しながら読むこと
 何を言おうとしているかがわかる
 ように書くこと
 基本文型が使えること
 拗音・長音を正しく書くこと
 「。」が打てるようにすること
 経験の書き表わし方を知ること
 
生活経験
を書いた
文章
 
10


(

)







 
身辺の遊びについて書
かれた文章を読んだり
話し合ったり、文章に
書いたりすることによ
って、仲よく遊ぶ態度
や方法を身につけ、と
もだちとの親しさを深
めるようにする。 
1 教材「ぶらんこ」を読む
 このごろ遊んだことを作
 文に書く
 
1 話し手の方を見て聞くこと
2 必要なことを落さずに話すこと
3 何が書いてあるか大体を読みとる
 こと
4 順序をまちがえずに読みとること
 遊びの経験を書くために必要な語
 句の用語を身につけること
 何が書いてあるかわかるように書
 くこと
 順序をまちがえないで書くこと
 基本文型「○○は○○と○○と○
 ○をしました。」が使えること
 は・を・へに気をつけて書くこと
10 「。」をうつこと
 
生活経験
を書いた
文章
 
11


(

)




 
遠足について書いた文
章を読んだり遠足につ
いて書いたりして経験
を深めるようにする。
 
1 「えんそく」を読む。
 えんそくの経験を書く。
 
1 よく思いだして書くこと。
 何を言おうとしているかがわかる
 ように書くこと。
 「。」や「は・を・へ」に注意し
 て書くこと
 「○○しました。」の文型が使え
 ること
 
生活経験
を書いた
文章
 
11


(

)




 
てつだいについての文
章を読み、自分のてつ
だいの経験を書いて、
家庭生活に適応できる
ようにする。
 
1 てつだいしたことを話す。
2 「てつだい」を読む。
3 「おちばはき」を読む。
 自分の経験したてつだいの
 ことを書く。
 
 なにをしたかがわかるように書く
 こと
 「は・を・へ」に注意して書く
 こと
 
生活経験
を書いた
文章
 
12


(

)
 




 
先生のことを書いた文
章を読んだり、先生に
ついて思ったことや言
いたいことを書いたり
して親しみを増すよう
にする。
 
 先生について、思ったこと
 や言いたいことを文章に書く
2 「せんせいのかばん」を読
 む。
 
 書いたものを読み返すこと
 文字をていねいに書くこと
 「。」をうつこと
 言いたいことをすなおに書くこと
 
自己表現
の文章
 
12


(

)
 





 
あぶりだしを説明した
文章を読み、その指示
に従ってあぶりだしを
作って遊んだり、遊ん
だ経験を書いたりして
経験を深め、楽しさを
味わうことができるよ
うにする。
 
1 「あぶりだし」を読む。
2 指示に従ってあぶりだしを
 作る。
3 「おとしだま」を読む。
 あぶりだしで遊んだ経験を
 書く。
 書いたものを読み合って話
 し合う。
 
 友だちにわかるようにだいたいの
 順序をおさえて書くこと
 だれとどこでなどをしっかりおさ
 えて書くこと
 文の終りに「。」をうつこと
 文型が使えること 
生活経験
を書いた
文章
 



(

)
 



 
お正月のことを書いた
文章を読んだり、また
経験を話したり書いた
りして、お正月の楽し
さをいっそう深める。
 
1 お正月に経験したことを話
 し合う。
2 「お正月のはなし」を聞い
 たり読んだりする
 お正月に経験したことを文
 章に書く。
 作品を読んで話し合う。 
 楽しかったことを中心に書くこと
 書くために必要な語句を身につけ
 ること
 文字をていねいに書くこと
 
自己表現
の文章 



(

)
 






 
身近な経験を話したり
書いたりして友だちや
先生に知らせ楽しみを
味わうことができるよ
うにする。
 
1 「きのうのこと」を聞く
2 「ミシン」を読む
 きのうのことを話し、文
 章に書く。
 
 知らせたいことを中心に書くこと
 だれが、どうしたかわかるように
 書くこと
 「。」をうつこと、
 文字の形に注意して書くこと
 話しかけるように書くこと
 
生活経験
を書いた
文章
 



(

)
 





 
遊びについての文章を
読んだり、また友だち
や先生に知らせるため
に文章を書いたりする
ことによって、遊びの
経験を深める。
 
1 「かくれんぼ」を読む
2 「なわとび」を読む
 遊んだことを文章に書く

 
 一つのあそびを中心に書くこと
 書こうとする気持ちを養うこと
 遊んだ順序に従って書くこと
 文字の形に注意して書くこと
 
生活経験
を書いた
文章
 



(

)
 








 
自分の経験でうれしか
ったことを文章に書い
て、楽しみを深めるよ
うにする。
 
1 嬉しかったことを話し合う
 友だちに知らせたいことを
 文章に書く(うれしかったこ
 と)
 書いた作品をもとにして話
 し合う。
 
 うれしかったことがわかるように
 書くこと
 よく思い出して書くこと
 書こうとする気持ちを養うこと
 文字をていねいに書くこと
 
自己表現
の文章 

                                                     89〜89
       三 二年の年間指導計画


時間

学習冒標 学習活動 学習事項 備考



(

)



進級した喜びや、進級
にちなんだ経験につい
て読んだり、書いたり
して二年生としての自
覚を高めるようにす
る。
 
1 教材「一年生の入学」「わす
 れもののかかり」を読む
 進級にちなんだ経験につ
 いて文章を書く
 書いたものを発表し合う
 
1 二年生になった喜びの気持ちを読
 みとること
 書くことを決めて書くこと
 進級の気持ちをすなおに書くこと
 進級の気持ちがわかるように書く
 こと
 書いたものを読み直すこと
 「。」を正しくうつこと
 



(

)






 
掲示や立て札などを注
意して読んだり書いた
りして学級の生活に役
立てるようにする。
 
1 教材「たねまき」を読む
 名札や立て札の文章を書
 く
3 教材「おしらせ」を読む
 教科書の掲示文を見て書
 く
 学級の掲示板を作る
 
1 みんなといっしょに聞いたり話し
 たりすること
2 文章に即して書いてあるとおりに
 読み取ること
 知らせることや気をつけることが
 相手にわかるように書くこと
 書く必要性を自覚すること
 だいじなことを短い文で書くこと
 進んで書こうとすること
 書いたものを読み直すこと
 文字の形や筆順に注意して正しく
 書くこと
 
掲示 



(

)





 
子どもの日の喜びや感
動を書いて知らせ合う
ことによって心情を豊
かにする
 
1 教材「子ども会」を読む
2 好きなところやおもしろ
 いところを調べて話し合う
 好きなところやおもしろ
 いところを抜き出して視写
 する
 子どもの日や母の日など
 の生活や行事について経験
 を書く
 
1 順序をたどって読むこと
2 進んで書こうとすること
3 好きなところやおもしろいところ
 を抜き出すこと
 したこと、見たことの順序を思い
 出して書くこと
 心に感じたことがあらわれるよう
 に書くこと
 書いたものを読み直すこと
 「。」を正しくうつこと
 
自己表現
の文章  



(

)




 
遠足の文章を読んだ
り、自分の経験を書い
て人に知らせたりして
経験したことを深める
ようにする。
 
1 教材「森山ぼくじょう」
 を読む
 自分たちの遠足について
 簡単な注意を聞いて書く
 遠足や見学の経験を書く
 
1 注意を集中して聞くこと
2 書いてあることの順序にしたがっ
 て読むこと
 遠足や見学の文章を進んで書こう
 とすること
 順序にしたがって書くこと
 楽しい様子が感じられるように書
 くこと
 書いたものを読み直すこと
 書くために必要な語句を身につけ
 ること
 
生活経験
を書いた
文章  



(

)







 
ごっこ遊びに取材した
文章を読んだり書いた
りして、その楽しさを
深めることができるよ
うにする。
 
1 教材「がっこうごっこ」
 を読む
 友だちとごっこ遊びなど
 をした経験を書く
 書いたことを経験し合う
 
1 楽しいふんい気や場面を読みとる
 こと
2 どんな順序で書かれているかを読
 みとること
 遊んだことを順序よく書くこと
 「。」を正しくうつこと
 
生活経験
を書いた
文章  



(

)






 
給食の楽しさや、給食
の係になって働いた経
験を作文に書き、家の
人に知らせて充実した
楽しい給食のときを過
すことができるように
する。
 
1 給食について書いた文章
 を読む
 給食で楽しかったことや
 係になって働いた時のこと
 を思い出して書く
 書き終わった作品をみん
 なで読んで話し合う
 作品を家の人に読んでも
 らう
 家の人に読んでもらった
 時のことや家の人のことば
 を発表し合う
 
1 書いてあることの順序をたどって
 読む
2 好きなところやおもしろいところ
 を抜き出すこと
 経験をよく思い出して書くこと
 「、」に牲意し、また「。」を
 正しくうつこと
 かたかなを書くこと.
 書いたものを読み直すこと
 
生活経験
を書いた
文章  



(

)





 
季節の遊びについて書
いた文章を読んだり、
それらについて作文を
書いたりして、遊びの
経験を豊かにする。
 
1 教材「水あそび」を読む
 このごろの遊びに取材し
 書く
 書いたものを発表し合う
 
1 書いてあることの順序をたどって
 読むこと
 遊びの順序をたどって書くこと
 遊びの様子をくわしくいきいきと
 書くこと
 書いたものを読み直すこと
 「、」に注意し、また「。」を正
 しくうつこと
 
自己表現
の文章  



(

)







 
休みの日にどこかへつ
れて行ってもらった経
験を書いた文章を読ん
だり、作文に書いたり
して経験を広め、生活
を豊かにする
 
1 教材「日よう日のこと」
 を読む
 休みの日などにどこかへ
 つれて行ってもらったこと
 を書く
 
1 書いてあることの順序をたどって
 読むこと
 知らせたいことが、先生や友だち
 にわかるように書くこと
 経験したことの順序をたどって書
 くこと
 場面をよく思い出して書くこと
 書いたものを読み直すこと
 「、」に注意し、また「。」を正
 しくうつこと
 
生活経験
を書いた
文章  
10


(

)





 
運動会について書いた
文章を読んだり、運動
会で楽しかったことを
書いたりしてその経験
を深める。
 
1 教材「かけっこ」「すず
 わり」を読む
 運動会のことを書く
 くわしく書く練習をする
 
1 どんな順序で書かれているかを読
 みとること
2 情景や気持ちを読みとること
 できたことの順序をたどって書く
 こと
 情景をよく思い出してくわしく書
 くこと
 書いたものを読み直すこと
 
自己表現
の文章  
10


(

)





 
身近かな生き物につい
て読んだり書いたりし
て愛情を深める。
 
1 教材「うちのねこ」を読
 む
 身近かな生き物について
 経験したことを書く
 書いたものを発表し合う
 
1 ねこのかわいい様子、作者がかわ
 いがっている気持ちを読みとること
2 知らせたいことを書くこと
 生き物に対する気持ちを書き表わ
 すこと
 生き物の様子をよく思い出して書
 くこと
 「時」を使いわけること
 
自己表現
の文章  
11


(

)





 
手つだいの文章を読ん
だり書いたりして手つ
だいの経験を広げ、進
んで手つだいをしよう
とする気持ちを高める
ことができるようにす

 
1 教材「おつかい」を読む
 お手つだいの経験を書く
 作品を読み合って話し合
 う
 
1 おつかいの順序をたどって読むこ
 と
2 おつかいの様子や作者の気持ちを
 読みとること
 お手つだいの様子がわかるように
 書くこと
 お手つだいの順序をたどって書く
 こと
 基本的な文型を使うこと
 かなづかいに注意すること
 会話の文を入れて生き生きと表現
 すること
 
生活経験
を書いた
文章  
12

10
(

)






 
たんじょう会やなかよ
し会に読む作文を書く
ことにより学級生活を
楽しく豊かにすること
ができるようにする。
 
1 たんじょう会を開く計画
 を話し合う
2 おいわいのことばを練習
 する
3 たんじょう会にする童話
 を練習する
 たんじょう会に友だちに
 おくる作文を書く
5 たんじょう会をする
 
 親しみの気持ちが相手にわかるよ
 うに 書くこと
 かなづかいに注意すること
 「、」に注意し、「。」を正しく
 うつこと
 書いたものを読み直すこと
 
自己表現
の文章  



(

)



 
正月の生活や遊びにつ
いて書いた文章を読ん
だり、自分の経験を書
いたり知らせあったり
して正月の楽しさを深
めることができるよう
にする。
 
1 教材「たこあげ」「かま
 くら」を読む
 正月の経験について書く
 書いたものを発表し合う
 
1 どんな順序で書かれているかを読
 みとること
2 好きなところや、おもしろいとこ
 ろを抜き出すこと
 とくに書きたいことをえらんで書
 くこと
 おもしろかったことや楽しかった
 ことがわかるように書くこと
 会話を入れて生き生きと書くこと
 文字の形や筆順に注意して書くこ
 と
 
自己表現
の文章  



(

)




 
せつぶんについて経験
したことを読んだり書
いたりすることによっ
て家庭生活の楽しさを
一層深めることができ
るようにする。
 
1 教材「まめいり」「まめ
 まき」を読む
 せつぶんの経験について
 書く
 書いたものを発表し合う
 
1 どんな順序で書いてあるかを読み
 とること
2 好きなところやおもしろいところ
 を抜き出すこと
 できごとの順序にそって書くこと
 行動や様子を生き生きと書くこと
 書いたものを読み直すこと
 かなづかいに注意すること
 
生活経験
を書いた
文章  



(

)





 
このごろの自然や生活
に取材した詩や文章を
読んだり書いたりして
春を迎える喜びを深め
ることができるように
する。
 
1 教材「ねこやなぎ」「た
 んぽぽ」「春が来た」を読
 む
 このごろの自然や生活に
 ついて書く
 書いたものを発表し合う
 
1 春の喜びを読みとること
2 好きなところやおもしろいところ
 を抜き出すこと
 春の喜びがみんなにわかるように
 書くこと
 経験の順序をたどって書くこと
 よく見たとおりに書くこと
 書いたものを読み直すこと
 文字の形や筆順に注意して書くこ
 と
 
自己表現
の文章  

                                                       95

       第五章 機能的作文指導の実践

        一 この実践指導の背景

 この機能的作文指導の実践は、次のような計画・理論・実態・技術を背景として成りたっているきわめて科学的
なものである。
(一) 年間指導計画にもとづいた実践
 第四章の機能的作文指導の年間計画にもとづく、各学年一年間の細密な指導実践である。したがって、これは言
語の機能を生かした機能的作文指導の実践系統・実践体系を示したものでもある。
(二) 学習指導理論を生かした実践
 第三章に述べた機能的作文指導の方法論を生かした実践である。単なる思いつきの実践、気のきいた指導技術、
名人芸的な勘に頼る方法ではない。機能的国語教育論を背景とし、機能的・科学的・系統的に考えられた方法論の
上に打ち立てられた実践である。入門期の作文指導一つとりあげてみても、そこには、経験の言語化・文章化の過
程が、児童の思考・認識の発展過程に即して実践されていることがわかる。思考の具体的表現である文型の学習を
通して経験そのものの認識のしかたの指導が行なわれていることがわかる。
 このように、この実践の背後には、国語教育科学研究会の会員の協同研究による方法論・実践論が厳然として存


                                                       96
するのである。
(三) 児童の実態にもとづきその立場を尊重した実践
 書かされる作文から書く作文へ――これは機能的作文指導のあいことばである。このあいことばを生かして、児
童の書く生活の実態の把握(児童の精神発達・書く能力の発達等)と児童みずから進んで日常的に書く主体的態度
との上に築いた実践である。
 そこに取りあげた経験・題材の範囲・系統を見ると、児童の経験の発達、興味関心の発達がわかり、題材に対す
る認識の広さ探さが明らかにされる。指導すべき技能「何をいおうとしているかがわかるように書くこと(一年)」
を取りあげてみても、筋の通った意味のよくわかる文を書くことを基礎として、「何をしたかがわかるように書く
こと」「知らせたいことがわかるように書くこと」「楽しかったことがわかるように書くこと」などと系統的、発
展的に技能の学習が行なわれるようになっている。
 児童の主体的立場はつねに尊重されている。いかなる場合でも、児童は、ことばの機能に即した目的を持って作
文活動をし、その目的が最後の作品の処理にいたるまでの全作文過程を統御している。たとえば、一年生の忘れ物
をしないために書く。夏休みの学級作品展では、自分の作品を理解してもらうために説明を書いて作品に添えるな
ど、書くことの必要性の自覚がおのずから主体的な作文学習の態度を築き上げるように考えられている。
(四) 聞くこと・話すこと・読むことなどの関連を考えた実践
 いわゆる作文の先生の教室のように、作文だけが孤立した実践ではない。つねに聞くこと・話すこと・読むこと
の関連において行なわれる実践である。つまり、ある題材についての認識が、聞く話す活動によって行なわれたり、
読む活動によって行なわれたり、書く活動によって行なわれたりする。そうした全体的・総合的・有機的な認識活
動の一環として書く活動が行なわれる。ある話題・題材についての知識・理解・感動・想像・思索等の内容的なも


                                                       97
の、心的なものの獲得・生産と、それらを獲得し生産する技能の養成とが、聞く・話す・読む・書く言語活動の総
合的・有機的関連によって行なわれるように考えられている。
 このことは、別のことばで言えば、単元の中において作文学習が行なわれているということである。最近、作文
と読解との関連などということが言われ、主としてコンポジションの面でその関連が説かれている。これは誤りで
ある。ほんとうの単元の学習の分節として作文学習が行なわれることによって、内面的な深いところで、人間性に
連なるところで、心的なものと、能力的なものとが、聞く・話す・読む学習と結びつくのである。
 この実践は、それを証明している。
(五) 人間形成と能力養成との調和のとれた実践
 いわゆる生活綴り方の人間形成、実感尊重中心の考え方、戦後の誤れる技能主義の技能中心の考え方を止揚した
機能中心の考え方にもとづいた実践である。作文による人間形成の過程において作文能力を養成することをねらっ
ている実践である。
 それは、人間形成中心でもない、技能中心でもない二者を機能によって統一的にとらえた、まさに新生活作文と
もいうべきものである。
 また、ここでは技能の練習が強調されている。学習した技能を確実にし、固定するために、技能の学習後にその
練習が随時随所に計画されている。そこにも一貫した系統と方法がある。
(六) 学習指導過程の明確な実践
 機能的作文の学習指導過程を生かした実践である。作文学習の単元の中での位置づけ――学習指導計画――作文
教材と作文活動との前後関係の決定が、単元の中での指導過程の問題である。また、作文を書き始める準備の段階
から、記述の段階、処理の段階この過程が指導過程の問題である。また、作文の時間一時間の学習活動をどんな順


                                                       98
序で、どのように編成するかが、一時間の指導過程の問題である。ここには、指導過程を示すことばを使わなかっ
たが、@目的を持つ、A目的を追求する、B目的を達成する、C目的に応じて処理するという学習指導過程がとら
れている。
(七) 実践例の解説
1 単元の実践例の前に、その単元の中の作文の機能、機能にもとづく学習活動、その学習活動によって養成しよ
 うとする主たる技能・態度・ことばに関する事項、作文学習の中心となる題材例等が示されている。つまり、そ
 のあとに示されている単元の学習の中で行なう作文活動の機能・活動・能力・題材を示して、その全体構造が概
 観できるようにしてある。
2 単元について、ここには、その単元を学習する意義が、児童の興味・必要・能力・児童の身につく価値などの
 面から述べられている。
3 単元の学習目標――ここには、その単元全体の学習目標が書かれている。学習目標は、学習活動とその学習活
 動を通して身につく価値――価値目標があげてある。
4 単元の学習内容――ここには、この単元で学習する内容、つまり、学習活動、学習活動によって養成される技
 能・態度・ことばに関する事項があげてある。そのうち作文に関する技能・態度等はその番号をゴシックにして
 ある。
5 この単元に用意された教材――ここには、読解教材・作文教材等があげてある。そのだいたいの解説・作文と
 の関連などについて述べてある。
6 作文学習指導の展開――その単元のうち、作文学習のみの指導の実際例があげてある。


                                                   99

 
       二 一年の機能的作文指導の実践

 (一) 六 月 

機  能   乗り物に対する知識や理解を深め、乗り物
を中心とした経験を深めるために書く。 
学習活動  乗り物について経験したことを、共同で文
に書く。 
学習事項  1 経験を文字化すること。
2 経験を書く基本文型を知ること。
3 経験のとらえ方、まとめ方を知ること 
題 材 例   でんしゃ きしゃ ふね 
じどうしや 

     単元  のりもの

一 単元について
 乗り物についての興味や経験はどの児童も持っている。し
たがって、それを中心とした活発な話す、書くなどの言語活
動が予想される。この言語活動によって、乗り物に対する知
識や理解がいっそう深められるし、その経験を深めることも
できる。その過程で経験の文字化、経験のまとめ方が指導で
 
   
 
 
 
 
きる。
二 単元の学習目標
 乗り物について話し合ったり、共同で文を書いたり、乗り
物についての文章を読んだりして、知識や経験を深めること
ができるようになる。
三 単元の学習内容
 @ 学習活動
  1 乗り物についての経験を話したり文字化したりする。
  2 乗り物についての経験を、共同で文に書く。
  3 共同で作った文(板書)を読んだり書いたりする。
4 教材「のりもの」を読む。
 A 学習事項
  1 話の仲間入りをすること。
  2 ひらがなを読むこと。
  3 何が書いてあるかを読み取ること。
  4 ひらがなを書くこと。
  5 経験を文字化すること。
  6 経験のとらえ方、まとめ方を知ること。
  7 基本文型を使うこと。
 

100

四 この単元に用意された教材
 のりもの――発展学習として取り扱う。
       乗り物に関する語いが豊富である。
       話しことばと書きことばの文型が対照的
       に扱われている。
五 単元の指導計画(5時間)
 @ すきな乗り物について話し合う     
 A 乗り物についての経験を共同で文に書く 
 B 共同で作った文を読んだり書いたりする
 C 教材「のりもの」を読む。(4時間)
六 作文学習指導の展開
 @ 作文指導第一時間
学習目標 乗り物について話し合い、共同で文を書いて
 乗り物に対する認識を深める。

 学 習 活 動 学習事項および留意点 
@乗り物についての経験
 を話す。(5分)
 T 好きな乗り物の勉
  強をしましょう。初
  め、隣りの人に教え
  ましょう。
 T こんどは先生に教
  えてください。
 C じどうしゃ、バス  
○話の仲間入りをすること。
・乗り物に乗った経験を話させ
 てから、それらをまとめる意
 味で汽車、電車、自動車など
 に乗っている絵を示して、経
 験を絵画化させてもよい。
・まとめた絵・経験の中から、
 再び乗り物を抜き出してこと
 ば化して確認させて後、それ  
 
  こだま号など。
 T (絵を示してまと
  める)
A乗り物と文字カードを
 合わせる。(10分)
 T 絵カードと文字カ
  ードを合わせて取り
  ましょう。
 C じどうしゃの文字
  カードと絵カードを
  合わせて取る。
 T 乗り物の名前を言
  ってから、カードの
  文字を読みましょう
  (くり返す)
B乗り物の名前を帳面に
 書く。(10分)
 T (文字カードを示
  し)では、好きな乗
  り物の名前を帳面に
  書いておきましょう
 T しゃの書き方に気
  をつけましょう。
C乗り物に乗った経験を
 書く。(10分)
 T この中で(文字カ 
 を文字カード化させてもよい
 ○経験を言語化すること。
・指名して答えさせ、用意した
 乗り物の絵を掲示する(こと
 ばの具体化)
・絵を見ながら、でんしゃ、き
 しゃ、じどうしゃを文字で書
 き表わし、絵と発音と文字と
 を結びつける(ことばの文字
 化)
・固有名詞や、かたかな書きの
 乗り物、むずかしい表記をす
 る乗り物はさけ、ここでは総
 括した、でんしゃ・じどうし
 ゃ・きしゃ程度の扱いとする
○こと・ことば、文字の一体化
 をはかる。
(こと)(ことば)(文字)
  (キシャ)きしゃ

  (ジドーシャ) 
        じどうしゃ

  (デンシャ)
        でんしゃ
 

101
    ードを全部ならべ
  て)自動車に乗った
  ことがわかるように
  するには、なんと書
  いたらいいでしょう
 C 「じどうしゃにの
  りました」と書きま
  す。
 T (カードに
  に のりました。
  と書く)
 T(じどうしゃ
  の文字カードにつづ
  けてならべ)では読
  んでください。
B乗り物に乗った経験を
 書く。(10分)
 T では、自分で乗っ
  たものに、このカー
  ドを合わせることが
  できる人は、前に出
  てください。
 T △△さんは何に乗
  ったのか、よく見て  
(フネ) ふね

○経験のとらえ方、まとめ方を
 知ること(経験の文字化)
・「……・にのりました。」の
 基本文型を指導する。
・ に のりました。 のカー
 ドを利用するとよい
・カードだけを用意しておき、
 話し合いながら書きこむのも
 よい。上はその例である。
・全体読み、指名読みで、カー
 ドの組み合わせ方を変えなが
 ら反復紋習する。
○経験のまとめ方を知ること
 (経験の文字化)
・基本文型「○○はでんしゃに
 のりました。」を指導する。

・教師はこの時、ます目のつい
 た小黒板を用意し、いっしょ
 にゆっくり書く。
  <板書>  
 
  帳面に書きましょ
  う。
 T できた人は、ぼく
  や、わたしが、何に
  乗ったかをまちがえ
  ずに書きましょう。
 T 何に乗ったのか、
  ひとりずつ帳面を読
  んでください。
 T あしたは教科書で
  「のりもの」の勉強
  をしましょう。 
 △△は、でんしゃにのり
ました。 
・誤字・脱字のないよう、板書
 と帳面を見くらべさせる。
・「ぼく」「わたし」がぬけて
 いないかをしらべる。
・何に乗ったかがはっきりわか
 ったか考えながら聞く。
<資料>
○おばあちゃんのうちへいきま
 した。ちかてつにのりまし
 た。でんしゃにのりました。
 おかしをたべました。
○ぼくはじてんしゃにのりまし
 た。こんどはたけしちゃんが
 のりました。
○おとうさんとぼくとでんしゃ
 にのりました。どうぶつえん
 へいきました。ぞうがいまし
 た。
七作文の処理と評価
(一) 処 理
 1帳面に書いた文を読んで発表する。
 2しっかり書けた帳面を二、三、展示する。
 

102

 (二) 評価
  1 ことばを文字で書きあらわすこと。
    乗物の名称を文字で正しく書くことができているか
   どうかを評価する。
  2 経験を書き表わすことができたか。
   A 基本文型「……は……にのりました。」を使って
    書いている。
   B 基本文型「……にのりました。」を使うことがで
    きる。
   C 主述の呼応がはっきりせず意味がわからない。  

機  能  学校生活や家庭生活に適応したり役だ
てたりするために書く。  
学習活動  必要に応じてメモをつける。  
学習事項  1 ことばを文字化すること。
2 語句や短い文を書くこと。
3 書くことの必要性を知ること。 
題 材 例    わすれもの  かいもの  おつたえ 

     単元 わすれもの

一 単元について 

   忘れ物の経験はすでにほとんどの児童が持っている。忘れ
物をしない、ということは最も切実な問題である。この問題
を解決する方法として記録――メモの指導をし、書くことの
生活的機能に気づかせることは適切である。この学習を通し
て書くことを学校生活に役立てることができるようにしたい。
二 単元の学習目標
 忘れ物をしないために書きとめて(メモー記録)学校生活
に役立てることができるようになる。
三 単元の学習内容
 @ 学習活動
  1 (教材)「わすれもの」を読む。
  2 忘れ物をした経験を話す。
  3 忘れ物をしないためにメモを書く。
  4 みじかい文を見て書く。
  5 書いたものを読む。
 A) 学習事項
  1 聞き手の方を見て話すこと。
  2 拾い読みでなく、語や文として読むこと。
  3 書くことの必要性を知ること。
  4 語句や短い文を書くこと。
  5 文字の形に注意して書くこと。
  6 書くことに興味をもつこと。
四 この単元に用意された教材
 わすれもの

 103

  「はるおさんのわすれもの」によって、読む力や考える
 力を伸ばすとともに、忘れものをしないためには、記録を
 する必要のあることを理解させ、さし絵の中の板書によっ
 て、記録の方法もわかるようになっている。
五 単元の指導計画(5 時間)
   @ 忘れ物をした経験を話し合い、「わすれもの」を
    読む。(4 時間)
   A 忘れ物をしないようにする方法を話し合い、時間
    割を見て用意するものについて記録する。(1 時間)
六 作文学習指導の展開
学習目標 忘れ物をしないために、メモをつける方法を身に
 つけ、学校生活に役立てる。 

学 習 活 動  学習事項および留意点  
@忘れものをして困った
 時のことを話し合う。
(5分)
 T はるおさんは何を
  忘れましたか。
 C りかの本です。
 T いくらさがしても
  なかった時はるおさ
  んはどう思いました
  か。
 C なきたくなりまし
 
・前時の復習を兼ねているので
 一問一答形式で、はるおの立
 場を再生し、それを手がかり
 に、各自の経験を思い出すよ
 うにする。
・それぞれの経験の話し合いに
 ついては、思ったことではな
 く、ことがらを話すものもあ
 るが、思ったことを話せた予
 どもをほめ、その発表をとり
 あげるようにする。
 
 
  た。
 T はるおさんは、お
  かあさんに忘れ物を
  届けてもらってよか
  ったけれど、あなた
  方はどうでしたか。
 C 私もなきそうにな
  りました。
 C お隣の人にかして
  もらいました。
A 忘れ物をしないよう
 にする方法を話し合
 う。(10分)
 T △△さんが「もう
  忘れものをしないよ
  うにする」といいま
  したがどうしたらい
  いでしょう。
  きょうはそれをしっ
  かりと考えましょ
  う。
 T 一度忘れて、つぎ
  に忘れないようにす
  るには、どのように
  したかをお話してく
  ださい。
 
○「はるおさんのわすれもの」
 のすじを大体思い出すこと。
○相手にわかるように話すこと
○話し手の方をみて、じゃまに
 ならないように聞くこと。
○書くことの必要性を知ること
 
 
 
 
 
 
 
・これまでに忘れたものを思い
 出す。
 (指名して発表させ、板書す
  るのもよい)
・具体的な忘れ物をあげ、二度
 目に忘れないようにするため
 どのようにしたかを考える手
 がかりとする。
・まだ、おかあさんの手を借り
 ているものが相当数あり、一
 年生の子どもにとって忘れ物
 をしないことが、大きな問題
 であると同時に、メモの必要
 

104

 C 夜のうちに時間割
  と合わせておきます
 C 朝学校へ来る前に
  もういっかいたしか
  めます。
 T はるおさんたちは
  どうしたのでしょう
  本でしらべましょう
 C みんなで、わすれ
  ものの はなしを
  しました。
 C わすれないように
  ちょうめんに かい
  て おく ことにし
  ました。
Bメモをつけることを理
 解させる。(15分)
 T ちょうめんには何
  と書いたのでしょう
 C あした
  もってくる もの 
  のり
  はさみ
  と書きました。
 T わたしたちもちょ
  うめんに書きましょ
 
 度の大きいことも確認された
○相手にわかるように話すこと
○話の仲間入りをすること


・教科書の26、27ページを
 指導してもよい。
・教材「かきましょう」の読み
 とりについては、
 みんなで話したこと
 はなしあいの結果
 メモの方法
  の三つの部分から成り立っ
  ていることを手がかりにし
  また、はっきりとその内容
  を区別して読みとる。
○文字の形に注意して書くこと
○拾い読みでなく語や文として
 読むこと。
・あした持ってくるもの、
     ↓
 日付をつけることを指導して
 もよい。
○語句が短い文を書くこと。
 
 
 
  う。
 T あしたもってくる
  ものはいくつありま
  すか。
 C 二つです。
 T 何と何ですか。
 C はさみとのりです
 T メモの書きかたが
  わかりましたね。
  では、時間割をしら
  べて、あした持って
  くるものを、しらべ
  ましょう。
  新しいメモ帳をあげ
  ますから、毎日これ
  に書いて帰るように
  しましょう。
C生活に役立てるため、
 メモをつける(15分)
 T あしたの時間割り
  でメモがいるものは
  図工と算数です。
 T 算数は、さっきの
  時間に「あしたわす
  れてはいけません」
  といったことがあり
 
・ここで必要なものは、
 のりとはさみの二つであるこ
 とをはっきりさせる。
 
 
 
 
・メモ帳は、小型ノートを揃え
 て用意し、全員に配布する。
・記名をしっかりとする。
・書きはじめる場所を指示する
・毎日、一ページずつ書き、と
 ばして使わないことなども順
 次指導する。
・メモ帳の表紙におもしろい絵
 を書いたりして、楽しいノー
 トにする。
○書く必要性を意識すること。
○生活に適応するために書くこ
 と。
○文字の形に注意してわかりや
 すく書くこと。
・一ページのすみっこの方に小
 さく書くようなことはせず、
 場所と大きさも考えて書く。
 
 

 105

    ましたね。
  思い出して書きまし
  ょう。
 T ずこうでは、はさ
  みと新聞紙を用意し
  ましょう。
 T あしたから、毎日
  このメモ帳を使いま
  しょうね。 
<板書>
あした もって くる もの
 さんすう――けいすうき
 ず こ う――はさみ
       しんぶんし 
○書くことに興味をもつ。
  

七 作文の処理と評価
 @ 処理
  l 持って来た物とメモを比べさせる。
  2 メモ帳を作らせる。
 A 評価の観点と基準
  1 必要に応じてメモをつけられるか。
   A 必要性を自覚してメモをつけている。
   B 時々指示されてメモをする。
   C 指示されてからメモをとる。
  2 メモの書き方がわかったか(机間巡視をし
   たり、検印をして観察する)
   A 日づけ、用件がきちんと書かれている。
   B 日づけや用件が抜けたものもある。
   C メモされたことがはっきりしていない。
 
  (二) 七 月 

機  能 たなばた祭りの楽しさを味わったり訴えた
りするために書く。 
学習活動 たなばた祭りの経験を共同で、文や文章に
書く。 
学習事項 1 経験を文章化すること。
2 基本文型になれること。
3 「。」を打つこと。
4 書こうとする気持ちを育てること。 
題 材 例 たなばたまつり、おかざり、ほしまつりな
ど。 

   単 元 たなばた

一 単元について
 たなばたの行事には、おかざりを作る作業と、魅力のあ
 る伝説と、たのしいおまつりとの、三つの要素があり、児
 童は興味とよろこびをもってこの行事を迎え経験する。
  共通の経験、共通のよろこびを話し合い、共同で文章を
 作ることにより、学校生活をいっそう楽しいものにさせ
 たい。
二 単元の学習目標
 たなばたの行事に参加し、共通の経験を共同で文章に書
 くことにより、たなばた祭りの楽しさを味わい心情を育
 てる。 

 106

三 単元の学習内容
 @ 学習活動
  1 教材「たなばたのはなし」を読む。
  2 たなばたの物語を聞く。
  3 教材「おかざりをつくる」(指示文)を読む。
  4 たなばたのことばを書き(視写)おかざりを作る。
  5 共同でたなばたの文章をつくり(共同作文)、で
   きたものを書く。
  6 たなばたまつりの作文を書く。
 A 学習事項
  1 物語を聞いて楽しむこと。
  2 何が書いてあるか考えて読むこと。
  3 指示に従って作ること。
  4 経験したことのだいたいを書くこと。
  5 文字の形に注意し、筆順に従って書くこと。
  6 「。」をうつこと。
  7 基本文型に慣れること。
四 この単元に用意された教材
 @ たなばたのはなし――説明文
 A おかざりをつくる――指示文(指示に従っ・て作る)
 B かきましょう――共同作文のきっかけとする教材
 学校生活にもだいぶ慣れ、言語活動も活発になってくる
 ので、いろいろな型の文章に読み慣れるようになってい
 る。
五 単元の学習計画(8 時間)  
   @ 「たなばたのはなし」を読む。(2 時間)
 A たなばたの物語を聞く。(1 時間)
 B たなばたのおかざりを作る。(3 時間)
 C たなばたまつりをする。(1 時間)
 D たなばたまつりの作文を書く。(作文指導第1時)
六 作文学習指導の展開
 @ 作文指導第1時間
学習目標 たなばたまつりの作文を書いて、その楽しさ
 を味わうようにする。 
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@たなばたまつりの楽し
 かったことを話し合
 う。   (10分)
 T わたしたちのたな
  ばたまつりではどん
  なことがあったでし
  ょう。
 C ちょうちんを作り
  ました。
 C たんざくを作りま
  した。
 C くさりをつくりま
  した。
 C みんなでうたをう 
○たなばた祭りの経験を言語化
 すること。
・たなばた祭りの楽しかったこ
 とを思い出して話す。
・発表の中には、同じものもた
 くさん出てくるが、発表した
 ことをほめるようにする。
・同じ発表の中から、代表的な
 ものをえらんで、前に出した
 り、立たせたりしていろいろ
 な経験を話させるようにする
・余裕のある場合は、内容の順
 に児童をならばせたり、内容
 の順に言わせることなども考 
 

107

    たいました。
 C たんざくにじをか
  きました。
 C おはなしをしまし
  た。
 C たなばたと書きま
  した。
Aたなばた祭りの経験を
 まとめる。 (10分)
 T たくさんのお話の
  中で、たんざくのこ
  とをいったのはだれ
  でしたか。
 T たんざくのことを
  いった人だけ、つづ
  けてもう一度発表し
  てください。
 T こんどはこれ(板
  書をさし)を読んで
  から、たんざくのお
  話をつづけて発表し
  てください。
 T つぎは、ちょうち
  んのお話をつづけて
  いってください。
     (以下略) 
 えられるが、ここでは経験を
 言語化することを第一に考え
 ていきたい。
 
 
 
 
 
 
○たんざく作りの経験について
 まとめること。
・この場合、聞きとった児童に
 発表させることが望ましいが
 話した子どもに手を挙げさせ
 るのもよい。
○たなばた祭りについてまとめ
 ること。
<板書>(基本文型)
がっこうで たなばたまつ
りをしました。 
・板書は、いつも同一の児童に
 読ませ、組み合わせを変えて
 どの話も「学校でたなばた祭
 りをしました。」につながる
 ことを理解させる。 
 
 T こんどは「学校で
  たなばた祭りをしま
  した」に続けて、全
  部いってみましょ
  う。
B経験を共同で文章化す
 る。   (10分)
 T 黒板のつづきに今
  のお話を全部書いて
  みましょう。
  (話し合いながら、
  基本文型にまとめて
  板書する。同じ文型
  がくり返し出てくる
  ようにする。)  
・「学校でたなばた祭りをしま
 した。」という文で、どの話
 もまとめることができること
 を理解させる。
<板書>
がっこうで たなばたまつり
をしました。
 たんざくを つくりました
 たんざくに じを かきま
 した
 たなばたと かきました。
ちょうちんを つくりました
くさりを つくりました。
みんなで うたを うたいま
した。
おはなしを しました。
○書こうとする気持ちを育てる
 こと。
○経験を文字化すること。
・話し合ったことを文字化する
 ことにより、文や文章が書け
 ることを知らせる。
 (経験のまとめ方)
・順次、ゆっくりと話させ、板
 書していくようにする。 

108

C作文を読む。(5分)
 T 黒板にできた作文
  を、小さな声でひと
  りずつ読んでみまし
  ょう。
 (かわるがわる音読さ
  せる。)
 T この作文を読むと
  何をしたことがわか
  りますか。
 C がっこうでたなば
  たまつりをしました
 C ちょうちんを作り
  ました。(略す)
 (作文を読むと経験し
 たことがわかることに
 気づかせる。)
D作文をノートに書く。
       (10分)
 T 作文をはじめか
  ら、ノートに書きま
  しょう。
E基本文型を練習する。
○たんざくをつくりまし
 た。
○がっこうでたなばたま  
〇基本文型
・がっこうたなばたまつり
 しました。
・みんなうたをうたいました
・たんざくつくりました
・基本文型は、単なる表現形式
 を教えるのでなく、経験のま
 とめ方、思考内容のまとめ方
 思考の秩序化を指導すること
 である。
・基本文型は、これを読んだり
 書いたり、話したりするうち
 に思考の整理とともに自然に
 身につけるようにくふうする
・基本文型の中で、助詞「を」
 を正しく書くようにする。

○文字の形に注意して書くこと
○「。」をうつようにすること
○基本文型の練習は、聴写・視
 写等によって行なう。次のよ
 うにカードによってやっても
 よい。
 絵を示して、
       
 
 
 つりをしました。
○みんなでうたをうたい
 ました。 
 ほんをよみました。
 おかしをたべました。
 きんぎょをかいました。
<資料>
○たなばたまつりをしまし
 た。おもしろいおはなしを
 しました。わたしはわらい
 ました。みんなでてをたた
 きました。
○きのうわたしはきもちがわ
 るくてはやくかえりまし
 た。おにいさんががっこう
 からいろがみをもってきて
 くれました。たなばたにさ
 げました。 
 

七 作文の処理と評価
 @ 処理
  1 共同で書いた作文を掲示する。
  2 個人で書いた作文に短評を書いて返す。
 A 評価の観点と基準
  1 学習基本文型「……や…‥も……ました。」が使
   えるようになったか。
   A 基本文型「……や……も……ました。」が正し
    く使えたもの。 

109

 B 基本文型「……や……も……ました。」の中で脱落
  のあるもの。
 C 基本文型「……や……も……ました。」が正しく使
  えないもの。
2 たなばたの経験のだいたいが書けたか。
 A たなばたで経験したことが書けている。
 B たなばたの経験も書いてあるが、ほかのことも書
  いている。
 C 何を書いているかわからない。


機  能  日常の生活経験を広めたり深めたりするた
めに書く。  
学習活動  このごろの生活を文章に書く。 
学習事項  l 何を言おうとしているかがわかるよう
 に書くこと。
2 経験を書くための基本文型を知ること
3 書こうとする気持ちを養うこと。
4 「。」を打つこと。  
題 材 例  かけっこ とんぼとり るすばん
水あそび すいかなど 

    単元 このごろのこと 
  一 単元について
 夏休みも近づき、環境の面からも時間の点からも、生活が
児童自身に開放される場面が多くなってきている。この生活
経験を、文章に表現して、友だちや先生に知らせあうことに
より、経験を深めたり広めたりして、夏休みへの期待と希望
を高めるようにしたい。
二 単元の目標
先生や友だちに知らせるために、文章を書くことによって
経験を深めたり広めたりする。
三 単元の学習内容
 @ 学習活動
  l 先生や友だちに知らせたいことを絵と文章で表現
   する。
  2 教材「ちょうちょ」「おもり」を読む。
 A 学習事項
  l 何が書いてあるか考えて読むこと。
  2 絵を手がかりにして、文や文章を書くこと。
  3 何を言おうとしているか、わかるように書くこと。
  4 経験を書き表わすための文型を知ること。
  5 文字の形に注意して書くこと。
  6 「。」がうてるようにすること。
  7 書こうとする気持ちを養うこと。
四 この単元に用意された教材
 @ ちょうちょ 絵が主になり文が従になっている。 

110

  A おもに 絵にそえて文が書かれている。
五 単元の指導計画(5時間)
 @ このごろの遊びや暮らしについて、話したり聞い
  たりする。(1時間)
 A このごろの遊びや暮らしについて、先生や友だち
  に知らせたいことを書く。(作文指導第1時)
 B 教材「ちょうちょ」「おもり」を読む。(2時間)
六 作文学習指導の展開
 @ 作文指導第1時間
 学習目標このごろの遊びや暮らしについて書き、経験
  をいっそう深める。

学 習 活 動  学習事項および留意点 
@先生や友だちに知らせ
 たいことを絵にかく。
       (25分)
 T このごろおもしろ
  かったこと、嬉しか
  ったことなどを絵に
  かいて、先生や友だ
  ちに知らせてあげま
  しょう。
 T 書くことの決まっ
  た人は、先生の所へ
  
○取材のしかたを知ること。
・個々の生活の中から、それぞ
 れの題材をみつける方法とし
 て、知らせる対象を持たせる
・知らせるために書くのである
 から個々に取材させることが
 望ましい。
・想の貧困なものには、発想の
 手助けをするために、教室の
 一コーナーに、文字板カード
 をさげておき、その前へ行っ
 
 
  紙をもらいに来て書
  いてください。
A絵について先生や友だ
 ちに知らせることを文
 章に書く。
 T 絵のかけた人は、
  先生や友だちにお知
  らせすることを絵を
  見ながら書いてくだ
  さい。
 T 絵のお話をたくさ
  ん書いてください。
 T みなさんに読んで
  もらうのですから文
  字はていねいにじょ
  うずに書きましょう
 
 
 
 
B絵を見せながら、知ら
 せたいことを読む。
(10分)
 T 前へ出て、絵を見
  
 て考えさせるのも一つの方法
 である。
<文字板カード>



・文字板カードをとって、教師
 に見せながらたとえば おつ
 かいのことの文字カードを
 とり、それについて書くこと
 を、小さい声で教師に告げた
 りすることを、児童は喜ぶ場
 合が多い。
○絵を手がかりに、経験を書く
 こと。
・全体の前で知らせたいことを
 読ませる場合は、指名して二

 
  111
  せながら、知らせ
  たいことを読んで
  ください。
 T ○○さんがみんな
  にお知らせしたかっ
  たことはなんでしょ
  う。
 T こんどは取りかえ
  っこして、読み合っ
  てから、どんなこと
  をお知らせしたかっ
  たのか、話し合いま
  しょう。
Cできあがった作文をひ
 とりひとりが提示す
 る。(3分)
 T よくできましたね
  絵日記を書く時もこ
  ういうふうにして書
  くといいのですよ。 
 三名にとどめる。
・隣同士で読み合う場合は、読
 めない児童のないように机間
 巡視をして指導する。
・余裕のある場合は、知らせた
 い友だちのところへ行って絵
 を見せ合い、読み合うように
 するのもよい。
・経験を絵で表現したものの中
 から、文に置きかえて書き表
 わしたり、絵の説明をしたり
 文で補足することにより、経
 験の書き表わし方を習得させ
 るのである。
○何を言おうとしているかがわ
 かるように書くこと。
○文字の形に注意して書くこと
・机間巡視をして、ながながと
 書いているものや、なかなか
 書けないものには、聞き手に
 なってもう一度話させてみる
 ことが望ましい。
・掲示することにより、自分の
 作品をもう一度みなおすのも
 児童にとっては嬉しいことで
 ある。 
 
  ・友だちの作品を読むことによ
 って経験を深めることもでき
 る。
・掲示は、あらかじめ、針金を
 張っておき、洗濯ばさみを二
 つずつ与えて各自で掲示させ
 る。 

  <資料>このごろのこと
 

七 作文の処理と評価
 @ 処理
  l 各自がめいめいで揚示板に掲示する。
  2 個人文集を作るように指導しとじこませる。  

 112

 A 評価の観点と基準
  1 何を言おうとしているか、わかるように書くこ
   とができたか。
   A 何について言おうとしたかがわかるように書
    いてある。
   B 言おうとしていることが推量できる。
   C 言おうとすることがわからない。
  2 文字の形に注意して書くことができたか。
   A ひらがなの形に注意しきちんと書けている。
   B 形は正しいが、ごつごつした文字を書いてい
    る。
   C ひらがなの形が整っていない。
  3 絵日記を書くことがすきになったか。
   上――喜んで絵日記をつけている。
   中――言われるとつぎの絵日記もかく。
   下――絵日記を事くことをいやがる。


 (三) 九 月

機  能  夏休みの経験を広めたり深めたりするため
に書く。 
学習活動  1 夏休みの作品にせつめいを書く。
2 夏休みの経験を短い文章に書く。 
学習事項   1 何を言おうとしているかがわかるよう
 に書くこと。
 
 
  2 簡単な文章を書くこと。
3 よく思い出して書くこと。
4 書くことの必要性を感じること。
5 「。」を打つこと。  
題 材 例   せみとり 水あそび はなび うみなど 

 単元 なつやすみのおはなし

一 単元について
 ひさしぶりに顔を合わせた新学期の教室では、長い夏休み
中の新しい経験や、楽しかった生活などの話題は多く、話し
たい、知らせたいという欲求は高まっている。
 この豊かな経験を、話し合ったり、文章に書いたりして経
験を整理し、深めることは適当な学習と考えられる。
二 単元の目標
 楽しかった夏休みの経験を話したり書いたりして、生活を
豊かにし、経験を深めることができるようになる。
三 単元の学習内容
 @ 学習活動
  1 夏休みの作品について話し合う。
  2 作品に簡単な説明をつけ、夏休み作品展覧会に出品
   する。
  3 夏休みのお話会を開く。
  4 夏休みの経験を簡単な文章に書く。

113

 A 学習事項
  l 相手にわかるように話すこと。
  2 話し手をみてじゃまにならないように聞くこと。
  3 何を言おうとしているかがわかるように書くこと。
  4 経験をまとめて書くこと。
  5 書こうとする気持ちを育てること。
  6 文型を身につけること。
  7 文字をていねいに書くこと。 
四 この単元に用意された教材
  みんなのはなし
 @ みんなに――まとまりのある話し方がしてある。 
 A えをみせて――絵を見せながら話す例が取り上げ
  てある。
 B しゃしんをみて、はなしましょう。
     ――写真を中心にした話が書いてある。
五 単元の指導計画(7時間)
 @ 「みんなのはなし」を読む。(4時間)
 A 1 夏休みの作品について話し合い、簡単な説明
  をつける。(1時間)
                (作文指導第1時)
   2 夏休みのお話会で、話す。(1時間)
   3 お話会で話したことを中心に、先生や友だち
    に知らせたいことを作文に書く。
 B 友だちの書いた作文を読む。
 
     友だちの作文について話し合う。
   二、三の作品について聴写する。(以上1時間)
                (作文指導第2時)
六 作文学習指導の展開.
 @ 作文指導第一時間
  学習目標 夏休みの作品について、そのよいところ
   や苦心したところを知らせ合うことにより、親し
   みを増す。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@夏休みの作品を見せあ
 い話し合う。(15分)
 ここでは、次のことを
 話し合う。
 ア 夏休み作品展覧会
  を開くこと。
 イ その作品は何か、
  だれが作ったもの
  か、などがわかるよ
  うに簡単な説明をつ
  けること。
 ウ その作品がよくわ
  かるようにすること
A夏休みの作品にせつめ
 いカードをつける。
      (15分)  
○話の仲間入りをすること。
○相手にわかるように話すこと
○グループによる指導でもよ
 い。
○作品の説明を書くことによっ
 て作品がよく理解されること
 を考え、書くことの必要性を
 感じさせる。(説明の機能)
○カードに書く項目は、次の程
 度でよい。
 (1) 自分の名前。
 (2) 作品の名前。
 (3) 作り方、使い方、作品の
  特徴など。
○簡単な文章を書くこと。
○提示されたとおりに間違えな 

114

 T では、せつめいカ
  ードをつくりましょ
  う。せつめいカード
  は、一行目には自分
  の名前を書きなさい
  二行目には、作った
  ものの名前をかきな
  さい。三行目から、
  せつめいを書きなさ
  い。
Bせつめいカードを作品
 にはりつけ、展示する
       (10分)
 説明カードを作品には
 りつけて、たなの上に
 飾る。
Cかざった作品を見て、
 説明カードを読む。
       (5分)
 T 終わった人は机の
  上を片づけて、展ら
  ん会を見ましょう。
 
 いで書くこと。
○文字をていねいに書くこと。
 みんなによくわかるようにき
 れいに、ていねいに書くこと
 に気をつける。(文字の社会
 性)
○説明カードの例
 1 わたなべたけし
 2 すいぞくかん
 3 たいがおよいでいます。
  たこもいます。おおきなく
  じらもいます。いとでつる
  しました。よくみてくださ
  い。
○展示物を見ながら説明カード
 をよく読ませる。(読むこと
 の機能)
○よくできた説明カードをみん
 なで読んだり、視写したりし
 て練習をする。
・早く終わった子どもに、見る
 ための注意書きをつくらせ、
 はらせるのもよい。
 
 
 T カードを読んでみ
  ましょう。
Dよくできた説明カード
 を読んだり書いたり
 する。 
 
    <資料>
  
 A おはなし会
  おはなし会は、特にB作文指導第2時間と密接なつなが
  りがあるので、簡単にふれる。
  1 「みんなのはなし」を学習したことによって、おは
   なし会には、どんな話をするか。どんなものを準備す
   るかということは、児童がそれぞれ計画しており、
   絵、写真なども用意してきて、いろいろな形の話がさ
   れるはずである。
  

115

  2 お話会は1時間(45分)の計画であるが、はじめ
   の5分間には、席の隣や前後の友だち同士で自由
   に話し合い、みんなの前で話す時には、何を言お
   うとしているのかがわかるように話させる。
  3 できるだけ多くの子どもにみんなの前で話させ
   るようにし、次時の作文指導の素地とする。
 B 作文指導第2時間
  学習目標 夏休みの楽しかったことを先生や友だち
  に知らせて夏休みの経験を深める。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@楽しかった夏休みのこ
 とを書いて先生や友だ
 ちに知らせること。
A原稿用紙の使い方を知
 る。     (5分)
 T きょうは、はじめ
 て原稿用紙に作文を書
 きます。
   (説明略)
B作文を書く。(20分)
 T あなたの題は何で
  すか。(文題板書)
  (二、三指名する)
  先生や友だちに知ら
  せたいことをよく思
  い出してみましょう
  (内容を確認する)
 
・原稿用紙の上下のこと、右か
 ら書きはじめること。題名や
 氏名を書く場所、書き出す場
 所などについて指示する。
・原稿用紙は1.5cmのます目
 を使うことが望ましい。
 
 
 
○何を言おうとしているかわか
 るように書くこと。
・題をはっきりと書いて、何の
 ことを書くか再確認する。
・お話会で話したことを思い出
 す。
・先生や友だちに知らせたいこ
 とをもういちどよく思い出す
 
 
 T よく思い出したら
  書きましょう。
  「。」を忘れずに書
  きましょう。
  (記述中、原稿用紙
  の書き方、「。」の
  打ち方(表記・誤記
  等)について個人指
  導をする。)
C友だちの書いた作文を
 読む。   (10分)
 T 作文を書きおわっ
  た人は友だちと交換
  して読み合いなさい
  (書き終わったとこ
  ろで、数人の者に作
  文を読ませて、どん
  なことがわかったか
  を言わせる。)
D二、三の作品について
 聴写する。 (10分)
 T じょうずに書けた
  人の作文をゆっくり
  読みますから、聞き
  ながらちょうめんに
  書きましょう。
 
・「。」を打つこと。  
○文型を身につけること。
・軽くふれるだけでむしろ、内
 容を充実するための手段とい
 った扱いである。
○文字をていねいに書くこと。



○何を言おうとしているかを考
 えながら読む。
・全体が書き終わったら、二、
 三の作品をみんなの前で読ま
 せるのもよい。
・はじめにどんなことを書こう
 と思ったかを話させ、作文に
 ついて話し合うのもよい。


・じょうずなところをみつけな
 がら、聴写する。 
 

116

七 作文の処理と評価
 @ 処理
  ・児童相互に交換して読み合う。
  ・二〇人ぐらいずつ交替で掲示しておく(二日ぐらいで
   交換する)
  ・教師の感想を書いて返す。
  ・作品にさし絵をかいたりして、個人文集にとじ込んで
   保存する。
 A 評価の観点と基準
  1 何を言おうとしているか、わかるように書くこと。
   A 題と内容が一致しているもの。
   B 題に沿って書かれた内容がだんだん変わってしま
    ったもの。
   C 題と内容が一致しないもの。
  2 簡単な文章が書けたか。
   A 簡単な文章の書けたもの
   B 文と語のまじっているもの
   C 語だけの羅列に終わっているもの
  3 文字をていねいに書くことができたか。
   A 一字一字ていねいに書いている。
   B だいたいていねいである。
   C 文字の書き方が乱暴である。 
 
機  能 社会的行事に参加して楽しかった経験を訴
えたり深めたりするために書く。 
学習活動 お祭りなどの経験を文章に書く。 
学習事項 1 なにが楽しかったかわかるように書く
 こと。
2 お祭りの経験を事くために必要な語句
 を身につけること。
3 書くことに興味を持つこと。 
題 材 例 おみこし、おかぐら、おこづかい、だしな
ど。 

    単元 おまつり

一 単元について
 お祭りは児童にとってはお正月と同様楽しい行事の一つで
ある。
 楽しい祭りの経験を話し合ったり書いたり、祭りに取材し
た文章を読んだりすることは、児童に興味のあることであり
活発な学習活動が期待される。
二 単元の目標 

117

 お祭りのようすや、楽しい経験を話し合ったり文章に書い
たり、祭りに取材した文章を読んだりすることによってお祭
りの楽しさをいっそう深めることができるようになる。
三 単元の学習内容
 (1) 学習活動
  l お祭りの経験を話す。
  2 教材「おまつり」「みこし」を読む。
  3 お祭りの経験を文章に書き、先生や友だちに知らせ
   る。
 (2) 学習事項
  l 聞き手の方を見て話すこと。
  2 何を言おうとしているかが相手にわかるように話す
   こと。
  3 何が書いてあるか考えて読むこと。
  4 書くために必要な語句を身につけること。
  5 何が楽しかったかわかるように書くこと。
  6 「。」をうつこと。
四 この単元に用意された教材
 「おまつり」――お祭りのたのしさが、全般的な表現と、
  細かくくだいた表現とによって書かれており、みせ・お
  かぐら・ふうせんと、三つの場面が設定され、会話もお
  りこまれている読解のための教材であり、話すための手
  がかりともなる教材である。
五 単元の指導計画(8時間)  
   (1) お祭りの経験を話し合う。(0.5時間)
 (2) 教材「おまつり」「おみこし」の文章を読む。(6.5時
                         間)
 (3) お祭りの経験を文章に書く。(1 時間)
                (作文指導第1時)
六 作文学習の展開
 (1) 作文指導第1時間
  学習目標 お祭りの経験を文章に書いてその楽しさをい
   っそう深める。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@楽しかったお祭りにつ
いて話す。  (10分)
 T きょうは、楽しか
  ったお祭りのことを
  勉強しましょう。は
  じめに楽しかったこ
  とを先生やお友だち
  に話してください。
 (1) おみこしは
 (2) だしは
 (3) おかぐらは
 (4) おみせは
 (5) おともだちはなど
  経験を整理してやり
 
○書こうとする気持ちを養うこ
 と。
○書くために必要な語句を身に
 つけること。
・楽しかったろうと憩像される
 ことをあげてはその様子を思
 い出させ、それを言わせて、
 楽しかった気持ちを確認させ
 書こうとする気持ちを育てる
・話している間に、おみこし、
 だしなどの略画を板書すると
 よい。
・また、楽しかった経験の中の
 重要な語句を板書しながら漠
 

118

  ながら話し合わせる
 T 楽しそうですね。
  まだまだ楽しいこと
  はたくさんあったで
  しょう。きょうは、
  ひとりひとりが、い
  ちばん楽しかったこ
  とをみつけて先生や
  友だちに知らせてく
  ださい。
    (目的をもつ) 
 然としたお祭りの印象の中か
 ら、ひとつずつをはっきりさ
 せていくようにする。
<板書の例>
おまつり
おみこし――わっしょいお
かぐら――ふえ、たいこ
だし――ひきました。
おもちゃのおみせ――かい
ました。
おともだち
ごちそう 










 
 
  
  
  
  
  
  
Aお祭りでいちばん楽し
 かったことを書く。
 (15分)(目的追求)
 T 書くことを思い出
  してから書きましょ
  う。(記述中個別指
  導をする。「。」に
  注意する。助詞は、
  を、への書き誤りに
  注意する。書けない
  児童には、「おみこ
  しをかついだの」
  「かついだ」――「お
  みこしをかつぎまし
  た」と書かせるとい
  うような指導をする
 T 書けた人は、みん
  なに読んであげられ
  るように読みかえし
  てみましょう。
  
・児童の発表した経験の中心を
 前掲のような絵にかいて示し
 (板書)その場面をよく思い
 出させて書こうとする欲求を
 高めるなどのくふうをするこ
 ともよい。
○何を言おうとしているかがわ
 かるように書くこと。
・知らせる対象をはっきり持つ
 こと。知らせたいことをみつ
 けることによって、何を言お
 うとしているかがわかるよう
 にする。
・書くことの決まった児童から
 紙を渡すことにより、児童か
 ら相談を受けたり、想の決ま
 らない児童への個人指導など
 ができるようにする。
・机間巡視をして観察し、つぎ
 の作業への手がかりとする。
 

119

B作文を読んで発表する
  (目的の達成)
 (記述中に作文を読ん
 で、だれに読ませるか
 何の指導をするかを考
 えておく)
 T では、○○さん、
  △△さん、▽▽さ
  ん、□□さんに読ん
  でもらいましょう。
  とても楽しそうです
  よ。楽しいことがよ
  くわかるところをみ
  つけましょう。
 T どんなことが楽し
  かったのでしょう。
 T 何をしているとこ
  ろでしょう。
  (よく書けていると
  ころを板書する。
 T こんどは隣りの人
  や前の人と取り替え
  て読んでみましょう
  (だれはどんなこと
  を書いているか話さ
  せる。よいところを 
○楽しかったことがよくわかる
 ように書くこと。
<板書の例>
一おみこしがゆれると、ちゃ
 かちゃかとなりました。
二おおきなこえで
 わっしょいわっしょいとい
 いました。
三いちばんかわいいおにんぎ
 ょうをかいました。
四たいこのおとがどんどんと
 ひびきました。 

<資料>
○おまつりでおみこしをみま
 した。たいこをたたきまし
 た。どんどんとたたきまし
 た。きんぎょすくいもやり
 ました。おみやにひとがい
 っぱいいました。
○ぼくはだしをひっぱりまし
 た。かおるくんもひっぱり
 ました。ぼくはつかれまし
 た。やすみました。やすん
 でおかしをもらいました。 
 
  (板書する。)
C練習
板書したことを読んでそれ
 について話し合う  
 

七 処理と評価
 (1) 処理
  l お祭りの絵をかき、作文と共に保存する。
  2 掲示する場所を決め、順次、二、三点ずつ掲示す
   る。
 (2) 評価の観点と基準
  l 楽しかったことがわかるように書けたか。
   A 楽しかったことに重点をおいて書いている。
   B お祭りのことが書いてあるが、特に楽しかった
    ことに重点をおいてない。
   C 楽しかったことが全然わからない。
  2 観点 お祭りの経験を書くために必要な語句を身
      につけることができたか。
       お祭りに関する語句が豊富に使われている
      かどうかによって、評価をしていく。

  (四) 10 月 

機  能  学校行事に参加して楽しかった経験を深め
学校生活を高めるために書く。  

 120

学習活動  運動会、遠足など秋の行事を文章に書く。 
学習事項  1 楽しかったことをよく思い出して書く
 こと。
2 言おうとすることがわかるように書く
 こと。
3 経験の書き表わし方を知ること。 
題 材 例  つなひき、かけっこ、たまいれ、ぼうたお
し、おべんとう、えんそく。  

    単元 うんどうかい
一 単元について
 連動会は楽しい印象深い経験であると同時に、一年生が全
校行事に参加することにより、学校生活にとけこみ、規律も
身につける共通経験である。
 この運動会を話題にすることがすでに楽しいことであり、
全員が話し会いに加わって、共鳴・発展・くりかえし……と
話題はつきず、競って自分の経験を話したがるこのころの児
童である。
 この経験について書かれた文章を読んだり、話し合ったこ
とを文章に書くことにより、学校生活に親しみ、連動会の楽
しさをいっそう深めることは適切なことである。
二 単元の目標
 運動会について、文章を読んだり、話し合ったり、文章に  
  書いたりすることによって、運動会の楽しさ、おもしろさを
確認し、学校生活の楽しさを深めることができるようにす
る。
三 単元の学習内容
 (1) 学習活動
  1 教材「かけっこ」「すずわり」「つなひき」を読
   む。
  2 「つなひき」の経験を文章に書く。
 (2) 学習事項
  1 ともだちや先生の話をしっかり聞くこと。
  2 どんなことが、どんな順序に書いてあるかを注意し
   ながら読むこと。
  3 何を言おうとしているかわかるように書くこと。
  4 基本文型が使えること。
  5 拗音・長音を正しく書くこと。
  6 「。」が打てるようにすること。
  7 経験の書き表わし方を知ること。
四 この単元に用意された教材
 かけっこ――自分が参加した体験を書いた文章である。
 すずわり――二年生の演技を見て書いたものである。
 つなひき――自分が参加した体験を書いた文章である。つ
 なひきのしかたが、だれがどうしたという形で表現されて
 いる。
 (1) 読みとる児童も共通の経験を持った内容であるので親  

121

  しみやすく、文を書こうという気持ちをおこさせる。
 (2) ……が……を……ました。の基本文型がくりかえしで
  ている。
 (3) 順序よく書かれており、くわしく書かれた部分もあ
  る。

五 単元の指導計画(11 時間)
 一 教材「かけっこ」を読む。(3 時間)
 二 教材「すずわり」を読む。(3 時間)
 三 教材「つなひき」を読む。(3 時間)
 四 つなひきの経験を文章に書く。(1 時間)(作文学習
  第1時)
 五 「つなひき」の作文を読み合う練習をする(1 時間)
   (作文学習第2時)

六 作文学習指導の展開
 (1) 作文指導第1時間
  学習目標 連動会の経験について作文し、共通の楽しみ
   を深める。

学 習 活 動  学習事項および留意点
@運動会のたくさんの経
 験の中から、書きたい
 ものをえらぶ。(5分)
     (目的確認)
 T 運動会でおもしろ 
○学習の目標をはっきりつかむ
 こと。
               
                           
・話し合いに出たものは全部板  
 
 
  かったことを作文に
  書きましょう。なに
  がおもしろかったか
  話してください。
 C きばせん、かけっ
  こ、つなひき、たま
  いれなど。
 T みんなが出たもの
  の中からひとつだけ
  えらんで作文を書き
  ましょう。題はどれ
  にしましょうか。
 C つなひきがいい。
Aつなひきの経験を文章
 に書く。(20分)
 T なにから書き始め
  たらよいでしょう
  か。始めのお話をし
  てください。
 T 書くことをよく思
  い出しながら書きま
  しょう。
  (この間、個人指導
  (「。」のこと、は・
  を・への助詞のこと、
  書けない児童の指導 
 書する。
  |
(題がきまったら消す)
・題材は運動会の種目の中のど
 れを取り上げてもいい。ただ
 し、経験のまとめ方、言語化
 のしかたを指導するので、共
 通に経験したものを選ぶほう
 がよい。
・書く前にあまりいろいろな条
 件を出すと書きにくくなるか
 ら、書こうとする欲求を持た
 せるように指導するほうがよ
 い。書こうとする気持ちが起
 こったらあとはよく思い出し
 て書くように注意すればよい
○何を言おうとしているかわか
 るように書くこと。
・書けない児童の指導――つな
 ひきをしたというばくぜんと
 した経験に対して、どこを切
 り取って、どのように言語化
 したらいいかがわからないの
 であるから、綱引きの経験を
 分析してやることがたいせつ
 である。たとえば、勝敗とい 
 

122

  ――つなひきについ
  て、どっちが勝った
  か。どんなふうに引
  っぱったかなどと話
  しかけては答えさせ
  て、それを文字化さ
  せる)
B書いた作文を読み返す
 T 書けた人は、先生
  の所へきて読んで聞
  かせてください。
  書けた人と取り替え
  て読んでごらんなさ
  い。(読み返すとき
  に、「。」を打つこ
  とを指示する。)
C書いた作文を発表し合
 う。代表的な作文を三
 編ほど選んで読ませる
 T どっちが勝ちまし
  たか。
 T ×さんは何と言っ
  て綱を引きましたか
  (書いてあることを
  その順序に従って確
  かめていく。) 
 う点、引き方という点、綱引
 が始まったという点その他実
 情に応じた観点から、話しか
 けて答えさせそれをまとめて
 文にして書かせる。そして経
 験のまとめ方を指導するとよ
 い。
・書いた作文はなかなか読み返
 さない。そこで、みんなに読
 んでやる、先生に読んで聞か
 せる、おかあさんに読んであ
 げるなどのために読み返して
 みるというように目的を持た
 せて読み返させる。
○経験の順に従って書くこと。
・読むのを聞いて、その内容を
 聞き取らせ、それについて話
 し合いながら綱引の経験が順
 序よくまとめられているかど
 うかを考える。
・作文は全部集めて目を通し、
 第二時に指導すべきことを明
 確にしておく。 
 
   (2) 作文指導第2時間
  学習目標 綱引きの作文を読み合って、運動会の楽しさ
   をいっそう深く味わう。
学 習 活 動   学習事項および留意点 
@作文をよむ。(15分)
 T きのうは「つなひ
  き」の作文を書きま
  したね。きょうはそ
  の作文をみんなで読
  み合って勉強しまし
  ょう。
 T 隣りの人や前の人
  とまた作文を取り替
  えて読んでもらいま
  すから、よく読んで
  もらえるように、自
  分の作文をよく読ん
  で「。」をつけまし
  ょう。
A作文を取り替えて読む
 T こんどは隣りの人
  と取り替えて読みま
  しょう。
 T 読み終わったら、 
○どんなことがどんな順序に書
 いてあるか思い出しながら読
 むこと。
・文字の誤り、「。」なども訂
 正したり、書き足す目的をは
 っきりと意識させる。
・読むのを聞いて、どこがよく
 書けているか――様子がよく
 わかるかを話し合いながら板
 書する。
・基本的な文型を選んで読んだ
 り書いたりする。
・様子のわからないところ、書
 き足りないところ、主述の呼
 応しないところなどに気がつ
 いたら、それを書き加えたり
 書き直したりするのもよい。
・順序がまちがって書いてある
 ものは話し合って直させる。
<資料>
○わたしはかけっこにでま  
 

123

  だれの作文がじょう
  ずか先生に教えてく
  ださい。それを読ん
  でもらいますから。
B書いた作文をみんなに
 読んで聞かせる。
 T どんなことがわか
  りましたか。
 T つなひきの様子が
  じょうずに書けてい
  るところはどこでし
  ょう。
C練習をする。
 T よく書けていると
  ころを書きましょう
  (よく書けている部
  分を聞いて書く。基
  本的な文型を聞いて
  書く。) 
した。わたしはぞうにかけ
ていくのです。わたしはむ
ねがどきどきしました。ぴ
すとるがなりました。わた
しはかけていきました。わ
たしはとうとうよんとうに
なりました。そしてりぼん
をつけてしゃがみました。
・わたしはたまいれにでま
した。わをつくっておんが
くがとまったらうちがわを
むきました。せんせいがよ
ういといってぴすとるがな
りました。わたしたちがた
まをぼんぼんなげました。
そうしたらあかぐみのかち
でした。もういっぺんしょ
うぶをしました。ぴすとる
がどんとなりました。こん
どはわたしたちのかちでし
た。どうてんになりまし
た。 
七、作文の処理と評価
 (1) 処理 
    1 友だちと交換して読み合う。
  2 みんなの前で読む。(給食などの時間を利用して読
   ませる。)
  3 さし絵をかき入れたりして個人文集につづり込んで
   おく。
 (2) 評価の観点と基準
  1 何をいおうとしているか、わかるように書くことが
   できたか。
   A 正しい文型を使い、文と文の続き具合も正しく書
    けている。
   B 文型は正しく使われているが続き具合が正しくな
    い。
   C ごたごたとことばをならべ意味がわからない。
  2 経験の書き表わし方を知ることができたか。
   A 自分の経験がわかるように書かれているもの。
   B 自分の経験を書いているが、ひとり合点な文で
    あるもの。
   C 自分で経験したことを書くことができない。



機  能  遊びの楽しみを訴え、社会性を増し生活を
豊かにするために書く。 
学習活動  日常の遊びの中で経験を文章に書く。 

124

学習事項  1 遊びの経験を書くために必要な語句を
 身につけること。
2 順序をまちがえないで書くこと。
3 何が書いてあるかわかるように書くこ
 と。
4 は、を、へに気をつけて書くこと。 
題 材 例  きしゃごっこ、なわとび、かけっこ、かく
れんぼなど。 

    単元 たのしいあそび

一 単元について
 このごろの児童は、遊びの種類も増し、簡単な遊びの約束
や方法も身についてきている。この経験を話し合ったり文章
に表現したりすることは、遊びの楽しさをいっそう深め、と
もだち関係を育てるものである。
二 単元の目標
 身辺の遊びについて書かれた文章を読んだり、話し合った
り、文章に書いたりすることによって、仲よく遊ぶ態度や方
法を身につけ、ともだちとの親しさを深めることができるよ
うになる。
三 単元の学習内容
 (1) 学習活動
  1 教材「ぶらんこ」を読む。 
    2 このごろ遊んだことを作文に書く。
 (2) 学習事項
  1 話し手の方を見て聞くこと。
  2 必要なことを落とさずに話すこと。
  3 何が書いてあるか、大体を読みとること。
  4 順序をまちがえずに読みとること。
  5 遊びの経験を書くために必要な語句の用法を身につ
   けること。
  6 何が書いてあるかわかるように書くこと。
  7 順序をまちがえないで書くこと。
  8 基本文型「……は……と……と……をしました。」が
   使えること。
  9 は・を・へに気をつけて書くこと。
  10 「。」をうつこと。
四 この教材に用意された教材
 ぶらんこ――児童に興味のある動物を擬人化して、ぶらん
       こ遊びのようすを行動の順序に従って書いた
       童話である。
       遊びのルールは、
       「十かいふったらかわろうね。」
       「ぼくものせてね」
       ということばであらわされている
         

125

        
五 単元の指導計画(5時間)
 (1) 教材「ぶらんこ」を読む(3時間)
 (2) 教材「ぶらんこ」で読みとったことについて練習す
  る。(1時間)
 (3) このごろ遊んだことについて話し合い、作文に書く
   (1時間)(作文指導第1時)
六 作文学習指導の展開
 ※教材「ぶらんこ」で読みとったことについて次のような
練習をする。
 (1) だれと、どこで、何をして遊んだかを読みとる。
  1 だれとだれが、ぶらんこを作りましたか。おはなし
   してからそのなまえをかみにかく。
  2 文型@ ……と……と……が……しました。
   (さる)(うさぎ)(りす)
             が山でぶらんこをつく
   りました。   に書きこむ。(カードをあてはめて
   もよい)
  3 文型@をちょうめんに暗写し、本をみて、たしかめ
   る。
 (2) 順序をまちがえずに読みとる。
  1 名前を、書いた、紙を、ぶらんこに乗った順に並べ  
     る。
  2 順序を示すことばと、名前を書いた紙を組み合わせ
   る。
    はじめに――――りす

    つ ぎ に――――さる

    さる つぎに――くま
  3    のなかにことばをいれてちょうめんに書く
   ○    、小さいりすがのりました。
   ○ さるの   、くまがのりました。
  4 カードをみながら、順序をまちがえないように「ぶ
   らんこ」の話をする。
 (3) ようすを表わすことばに気づく。
  l    のなかにはいることばをちょうめんに書く。
   ○ つなはどんなふうにきれましたか   
   ○ くまはどんなふうにおちましたか   
   ○ くまはなんといってなきましたか   
  2     のなかにことばをいれてちょうめんに書く
   ○    と きれました 
   ○    と おちました
 (一) 作文学習指導第1時間
  学習目標 身辺のいろいろな遊びの経験について、仲よ
   く遊ぶにはどのようなことに気をつけたらよいか話し 

126

   合い、文章にまとめることにより、遊びの楽しさをい
   っそう深め、友だちとの親しさを増す。
学 習 活 動  学習事項および留意点  
@たのしく遊んだことに
ついて話し合う。
      (15分)
 T きょうは仲よしの
  勉強をしましょう。
 T 友だちと仲よく遊
  んだ時のお話をしま
  しょう。
 
 T 友だちの話を聞い
  てわかったことをい
  いなさい。
 
 
 
 
 
 
Aたのしく遊んだ時のこ
 とを文章に書く。
      (20分)  
○必要なことを落さずに話すこ
 と。
○話し手の方をみて聞くこと。
<板書の例>
なにをして、あそんだか
だれと、あそんだか 
・友だちの話を聞いて、なにを
 して遊んだか。だれと遊んだ
 かを聞きとる。
・「……と……と……を……し
 ました」の文型を使うこと。
<板書の例>
○はるこさんとあきこさん
 とわたしとおにごっこを
 しました。
○ぼくははるおくんとつり
 にいきました。 
○順序をまちがえないで書くこ
 と。  
 
 T 友だちと仲よく遊
  んだ時のお話を作文
  に書きましょう。
 T 題の決まった人は
  原こう用紙に書きな
  さい。
B書いた文章を読む。
      (10分)
 T できた人は、一度
  読むけいこをしてか
  ら、みんなに読んで
  聞かせてあげましょ
  う。
Cよく書けているところ
 を聞いて書く。(板書
 したのを視写してもよ
 い) 
・板書の「なにをして、あそん
 だか」をさして発想の手助け
 とする。
・早くできたものに、遊びの中
 の事件をくわしく書き加えさ
 せるのもよい。
○ゆっくり読むこと。
○必要なことを落さずに書けて
 いるか、気をつけて聞くよう
 にすること。
・「。」については、記述中に
 机間巡視をして指導するのが
 よい。
・二、三の作品について、聴写
 させるのもよい。 
七 処理と評価
 (1) 処理
  1 書いた文章を、みんなの前で読む。
  2 個人文集にとじこんで、保存する。
 (2) 評価、観点と基準
  1 遊んだことを順序通りに書いているか。
   A 遊んだ順序通り正しく書けている。 

127

   B 順序がまちがっているが意味がわかる。
   C どのようにして遊んだかが全然わからない。
  2 楽しかったことがわかるように書いているか。
   A 楽しかった遊びのことがわかるように書いてあ
    る。
   B 遊びのことは書いてあるが、楽しかった様子が
    わからない。
   C 何を書こうとしているかわからない。
  3 次のような観点についても評価をする。
   ・基本文型「…と……と……が……しました。」を
    使って書いているか。
   ・助詞「は・を・へ」が正しく使われているか。
   ・「。」を正しくうっているか。

  (5) 11 月

機  能  学校行事にちなんだ経験を訴えたり深めた
りするために書く 
学習活動   学校生活の経験を書く  
学習事項  l よく思い出して書くこと。
2 何を言おうとしているかがわかるよう
 に書くこと
3 「。」「は・を・へ」に注意して書く
 こと。 
 
 
題 材 例   えんそく てんらいかい がくげいかい
 けんがく 
   
    単 元  え ん そ く

一 単元について
 春のえんそくに比較し、秋のえんそくは集団的な行動がで
きるようになってきた。子どもたちどうしで自由に遊ぶこと
もできる。その経験を話題にして話し合うと次々と話が発展
する。こうした話し合いから、えんそくの経験を書いたり、
えんそくについての文章を読んだりして、楽しさを味わい経
験を深めるようにしたい。
二 単元の目標
 遠足について、書いた文章を読んだり、書いたりして、経
験を深めることができるようになる。
三 単元の学習内容
 (1) 学習活動
  l 教材「えんそく」を読む。
  2 えんそくの経験を話し合う。
  3 えんそくの経験を書く。
 (2) 学習事項
  l 言おうとしていることがわかるように話す。
  2 どんな順序で書かれているかを読みとること。
  3 よく思い出して書くこと。 

128

  4 何を言おうとしているかがわかるように書くこと。
  5 「。」や助詞(は・を・へ)促音に注意して書くこ
   と。
  6 学習基本文型の一部が使えること。
四 この単元に用意された教材
 「えんそく」えんそくの経験を、先生が中心になって話し
合っている文章。話し合いをしたり、経験の順序を考えて文
章を書くための教材である。「〜をしました。」「〜たり〜た
り〜しました。」の文型が提出されている。
五 単元の指導計画(5 時間)
 (1) 教材「えんそく」を読む。────┐ 
 (2) えんそくで経験したこと話し合う。┴─(3 時間)
 (3) えんそくの文章を書く。(1 時間)
                 (作文指導第l時)
・話し合って書くことをきめる。
・書いたものを友だちと読み合う。
 (4) 友だちの作文を読んで話し合う。(1 時間)
                 (作文指導第2時)
・友だちの作文を読んでわかったことを話し合う。
・すきなところをノートに書く。
・板書された文を視写する。
六 作文指導の展開
  ※教材「えんそく」の読解は、経験の順序を読みとる学
   習。 
    ※前時には、自由な話し合いをさせる。その中から何を
  書くかを見つけさせる。話し合ったうちから、作文に
  書くことを板書し、児童はそれをノートに写してある。
(一) 作文指導第1時間
  学習目標 遠足の経験を書いて、その認識を深める。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@話し合った中から書く
ことをきめる(5分)
 T きのう遠足につい
  て話し合ったことを
  先生が絵にかいてお
  きました。どんな順
  序に行ってきました
  か。ならべてみまし
  ょう。
 T このうちからうち
  の人に教えてあげた
  ことはなんですか。
 C どんぐりをひろっ
  たその他
A遠足の文章を書く。
      (30分)
 T この絵の中から自
 
・前時に話し合ったことの中か
 ら必要なものを絵に書いてお
 く。
 それを掲示してどんな順序か
 を思い出させる。
・学校行事は児童の共通経験で
 あるから、書くことを決める
 とき、人まねをすることもあ
 るが、さしつかえない。
・経験の順序に書けない児童は
 個人的に、納得させて直させ
 る。
例・「おべんとうをたべました
 よっちゃんとぶらんこであそ
 びました。のりまきをたべま
 した。」のようなとき。
○よく思い出して書くこと。 
 

129

  分がいちばん知らせ
  たいと思うことを考
  えてそれをくわしく
  書きましょう。
<板書>
B書いたものを友だちと
 読み合う。 (10分)
 T となりの友だちと
  とりかえて、読んで
  あげましょう。
 
 
 T また、あした作文
  の勉強をしましょう 
○自分の経験がわかるように書
 くこと。
○「○○をしました。」の文型が
 使えること。
○「。」をうつこと。
・隣席の友だちが、何を書いた
 か、知り合うのも大事なので
 とりあげたが、その結果を話
 し合うところまでは計画しな
 い。
・作品を提出させる。教師は一
 応目を通し、次時のために正
 しい文型で書いてある作品を
 一、二点プリントしておく。 

(二) 作文指導第2時間
 学習目標 友だちの作文を読んで、よい書き方をすると
  相手によく伝わることを理解する。

学 習 活 動  学習事項および留意点  
@友だちの作文を読んで
 わかったことを話し合
 う。  (25分)
 T きのう書いた、え
  んそくの作文の中で、
  ○○さんの作文を読 
○初め音読で全員に読ませる。
 つぎに作者に音読させる。 
 
 
  んでみましょう。
  あとでわかったこと
  や思ったことをお話
  しましょう。  
 
………………………………………………………………………
  <資料>
 しんじゅくぎょえんへ えんそくに いきました。
 どんぐりを ひろいました。あかい みも ひろいま
 した。 いけのそばで おべんとうを たべました。
 しゃしんをとりました。 おおきな おんしつを み
 ました。 なかに あかい はなが たくさん さい
 ていました。 わたしの しらない はなが さいて
 いました。  
 ………………………………………………………………………
 T 作文を読んで○○
  さんが、見たこと、
  したことを言ってご
  らんなさい。
 C どんぐりをひろっ
  た。
Aすきなところをノート
 に書く。(10分)
 T 今読んだ作文で、
  すきなところを見つ
  けてちょうめんに書
  きましょう。  
・わかったこと、読んで自分の
 経験を思い出したことなどを
 話させる。
・友だちの作品を読んで自分の
 経験を思い出させる。そうす
 ることによって経験が深まる
○自分の経験を書く方法がわか
 る。
・自分のすきなところはここで
 は経験したことでよかったと
 思うことが書かれている程度
 におさえる。初めに作品に線  

 130

B板書された文を視写す
 る。   (10分)
 T 先生がみつけたよ
  い文を黒板に書きま
  すから読みながらて
  いねいにちょうめん
  にかきましょう。
<板書>
・どんぐりを ひろい
 ました。
・しやしんを とりま
 した。
・おおきな おんしつ
 をみました。 
 Tみんなの作文を返し
  ますから、家の人に
  聞かせてあげましょ
  う。きっとよろこび
  ますよ。  
 を引かせる。それをノートに
 視写させる。
○「。」をうつこと
・文型練習をさせる。「〜を〜
 ました。」の形は、すでに使
 ってはいる。ここでは、練習
 と同時に、文の内容をおさえ
 させる。自分の経験がさらに
 深め整理できる。
・遠足で見たもの、したこと、
 これが経験のほとんどである
 から、そうした面から三文を
 えらんだ。
・書写的指導をする。
○ていねいに書くこと。
○「。」をうつこと。
○「〜をしました。」の文型が
 わかること。
・目的に応じた処理の方法(こ
 こでは家の人に知らせる)を
 とる  
七 作文の処理と評価
 (1) 処理
  ・児童は家の人に知らせるために書いたのだから、ま
   ず、家人に知らせることが、目的に応じた処理であ 
     る。その後とじこみ文集などに整理させる。
  ・教師は評価の観点に従って評価するとともに、家庭で
   の話し合いのいとぐちとなるような、簡単な感憩を作
   品につけて児童にかえす。
 例・〇〇さんはとても元気に遊びましたよ。
  ・電車に乗るとき○○さんはきちんとならんでとてもお
   りこうでした。など。
 (2) 評価の観点と基準
  1 自分の遠足の経験が書かれているか。
   A 自分のしたこと見たことが中心に書いてある。
   B したことだけで見たことが書けていない。
   C えんそく以外の経験が書かれている。
  2 一つ一つの経験がまとめられているか。
   A 事がらごとにまとめている。
   B 一つの事がらが分散している。
   C 事がらがはらばらで意味がわからない。
 (3) 次のことについても評価する。
   ・「〜を〜ました。」の文型が使えたか。
   ・「。」がうてたか。




機  能  手伝いの経験を広げたり深めたりして家庭
生活に適応するために書く。  

131

学習活動  身近なできごと<お手伝い>について文章
を書く  
学習事項  1 なにをしたかわかるように書くこと。
2 「は」・「を」・「へ」に注意して書
 くこと。  
題 材 例   おつかい にわはき こもり 
水くみ 

    単 元  て つ だ い

一 単元について
 このごろの児童は、自分のやったことを目上の人や友だち
に認めてもらいたいという気持ちが強い。そして、おつかい
などをよろこぶ。こうした時期に、身近なこと、とくに手伝
いについての文章を読んだり、友だちの話を聞いたりして、
経験を広げ、さらに自分の経験を書くことによって、家庭生
活に適応していくようにさせたい。
二 単元の目標
 手伝いについての文章を読んだり、自分の手伝いの経験を
書いて、家庭生活に適応していくことができるようになる。
三 単元の学習内容
 (1) 学習活動
  1 手伝いをしたことを話す。
  2 教材「てつだい」を読む。 
    3 教材「おちばはき」を読む。
  4 自分の経験した手伝いのことを書く。
 (2) 学習事項
  l 何を言おうとしているかがわかるように話すこと。
  2 何が書いてあるか考えて読むこと。
  3 なにをしたかがわかるように書くこと。
  4 書いたものを読み返すこと。
  5 「は・を・へ」に注意して書くこと。
  6 「。」をうつこと。
四 この単元に用意された教材
 (1) 「てつだい」 隣りのよしおちゃんと遊んであげたと
  いう内容の短い文章。読解と同時に短い文章を書くため
  の教材である。参考として「…したり、…したり…まし
  た。」の文型があって、内容が豊富に表現されている。
 (2) 「おちばはき」 おかあさんに言われて、ねえさんと
  庭の落葉をはいたら、おじいさんがたきびをしてくれた
  という内容の文章で、読んで経験を広めるための教材で
  ある。「手伝いを頼まれた落葉はきをしたたき
  びをしてくれた」と事がらが一貫していて作文指導上の
  参考となる。
五 単元の指導計画<8 時間>
 (1) 手伝いしたことを話す──┐
 (2) 「てつだい」を読む───┴─(3 時間)
 (3) 「おちばはき」を読む(3 時間)  

132

 (4) 自分の手伝いの経験を文章に書く(1 時間)
                 (作文指導第1時)
  ・手伝いの中で、書いて知らせることをきめる。
  ・手伝いをしたことを書く。
 (5) 友だちの作文を読んで話し合う(1 時間)
                 (作文指導第2時)
  ・自分の書いた手伝いについて話す。
  ・めいめいの作文を友だちと交換して読んで話し合う。
    何の手伝い、たいへんだったこと。
    終わりはどうした。
  ・プリントした作品を読んで話し合う。

六 作文学習指導の展開
 ※教材「おちばはき」の読解。どんな手伝いをしたか。ど
  んなふうにやったか。という観点から指導した。

(一) 作文指導第1時間
 学習目標 手伝いの経験を書くことによって、その経験を
  広めたり深めたりする。
 学 習 活 動 学習事項および留意点 
@手伝いの中で書こうと
 することを決める
       (10分)
 T きょうは、みんな
  がふだんしているお 
本時の学習を指示
・書くことをはっきり決めない
 と、途中で混乱してしまう。
 ほめられたこと、大へんだっ
 たこと、おもしろかったこと 
 
  手伝いの中で、友だ
  ちに知らせてあげた
  いことを選んで書い
  てみましょう。どん
  なお手伝いを知らせ
  てあげますか。
 C にくやさん
 C おとうさんのかい
  しゃにかさをもって
  ったなど。
A手伝いの経験を書く
      (30分)
 T いろいろなお手伝
  いをしていますね。
  それを文章に書いて
  お友だちに知らせ合
  いましょう。
 <板書>  
 など印象に残っている手伝い
 を考えさせるようにしたい。
・発表したことを板書したり、
 決まったことをカードに書く
 などの方法も考えられる。
 
○書くことを決めること。
 
 
 
・友だちに知らせてあげるとい
 う気持ちから、こんなことを
 したんだという誇りをもつこ
 とによって、書こうとする気
 持ちがでてくるので、これを
 大事にする。
○書くことに興味をもつこと。
・思ったことを自由に書くこと
 には、慣れていないので、点
 的な一文一事の文が多い。初
 めの一文で結論がでてしまう
 ので、個人的に次のような点
 から助言する。
 「どんな手伝いか、どうやっ
 た。どうなったか」などをお
 さえる。「。」についても指 
 

133

B書いたものを読みなお
 して提出する (5分)
 T 書けたら、それで
  知らせることができ
  るかどうか読みなお
  してみましょう。
  「。」がじょうずに
  ついていますか。
     (提出する)
 T このつぎの時間は
  きょう書いた作文を
  友だちととりかえた
  り、だれかの作文を
  読んだりしましょう 
 導する。
・読み直す目的を明確にする。
 機械的になると積極的に読ま
 なくなる。
・「。」については、文意識を
 育てる上にたいせつであり、
 作業も比較的かんたんなので
 とりあげていきたい。
・提出されたものは、教師がよ
 んで次時の指導に役だてる。  

(二) 作文指導第2時間
 学習目標 友だちの作文を読み、手伝いの様子を知って内
  部経験を深めたり、経験の書き表わし方を知ったりす
  る。

 学 習 活 動 学習事項および留意点 
@グループで友だちの作
 品を読み合う。
 T きょうは、きのう
  書いた作文を友だち  
・グループは隣席同士でもよい
 が、四人ぐらいのグループの
 方がよい。
・読んでわからないところを聞 
 
 
 ととりかえて読んで、
 「どんなお手伝いか。
 おしまいはどうした
 か。」を話してみましょ
 う。お話することを、
 黒板にかいておきま
 す。
<板書>
・ともだちは どん
 なおてつだいをし
 たのですか。
・おてつだいのおわ
 りはどうなりまし
 たか。
・たいへんだったこ
 と。
 
A友だちの作文を読んで
 話し合う。  (15分) 
 き合ったり、もうすこし話し
 たりする程度でよい。
・話し合いが手つだいのことか
 らすぐに別の方向に発展して
 しまうので、この活動にはあ
 まり時間をかけない。もちろ
 ん教師はグループの中へはい
 って、話し合いの助言をす
 る。  
 ………………………………………………………………………
  <資料>
 わたしは おかあさんに おせんべいを たのまれ
 ました。ひゃくえんもって とがわに いきました。
 かってきました。わたしは おとうさんに たのま
 れました。 わたしは たばこやに いきました。
 しんせいを かって きました。わたしは ほめら  

134

 れました。
      ☆       ☆
  わたしは げんかんを ぞうきんで ふきました。
 きれいに なりました。 わたしは もういっかい
 ふきました。 またきれいに なりました。おとうさ
 んがわった まきを はこびました。 わたしは お
 ふろへ はこびました。 わたしは なんかを もら
 いました。 
 T どんなことがわか
  りましたか。
 C ○○さんはおつか
  い。
 C △△さんはおそう
  じ。
 C ○○さんはおせん
  べやさんとたばこや
  さんへいったからほ
  められた。
 C なにをもらったの
  (△△さん)
 C ケーキをもらった
  の。
 T そう「なんか」と
  書くよりケーキなら
  ケーキと書いた方が
  はっきりわかります 
○「何をしたか」がわかるよう
 に書く方法を理解する。
・ここにあげた二編は代表的作
 品というのではなく、前者は
 事がらをだいたいまとめて書
 いており、後者は手伝いの様
 子がかなり詳しく書かれてい
 る。これを話し合いの観点
 (板書)からみていきたい。
 良否をきめることはしない。
 わからないところは聞いて補
 ったり、作者の努力を認めな
 がら言いまわしをなおしたり
 しながら、作品例をよりよく
 していくようにしたい。  
 
 
  ね。
 C おとうさんはまき
  をわった。
B先生の話をきく(5分)
 T △△さんと○○さ
  んは何をしたかよく
  わかりましたね。近
  くの友だちのことも
  わかりましたね。先
  生はきのうみんなの
  作文を読んでいろい
  ろなお手伝いをして
  いるので驚きまし
  た。みんなのお手伝
  いにはこんなことを
  していました。
  (板書する。)
C助詞の練習をする。
       (10分)
 <板書>
・おつかい
・あかちゃんとあそん
 だ
・よそのうちへおつか
 い 
 



・児童の生活経験を板書してま
 とめた。これによって他の経
 験を内部的に経験することが
 できる。また、いろいろな手
 伝いの経験のあることがわか
 ることによって、書く目的が
 達成できる。
<板書>
ぼ  くをしました
(わたし)
○○さんおつかい
たばこやさんいきました 
・助詞の練習をさせる。
 なるべく児童の作品と関連す
 るような文をとりあげる。
○「は・へ・を」が正しく書け
 ること。  
 

135

・おそうじ
・るすばん
・おかあさんのしごと
・くつみがき
・にわはき
・くさとり
・ぞうきんがけ
・おとうさんのおむか
 え
・はなにみずをあげた 
 T 友だちのお手伝い
  のことがわかりまし
  たね。
  黒板に書いたことを
  ちょうめんに文のか
  たちで書いてみまし
  ょう。
 T どのように書いた
  か○○さんに読んで
  もらいましょう。
 T ぼくはおそうじを
  しましたの「は」
  「を」が正しく書け
  ましたか。 
 
七作品の処理と評価
 (1) 処理 
    児童は友だちと読み合ってから個人文集にとじる。
 (2) 評価の観点と基準
  1 事がらが、だいたいまとめて書いてあるか。
   A 手伝いに関連した事がらが一貫している。
   B 手伝いの文章の中に他の経験が入りまじってい
    る。
   C 手伝いのことがばらばらで内容がつかめない。
 (3) 次のことについても評価する。
  ・書くことがはっきり決まってから書き始めたか。
  ・「。」が正しくうてたか。

  (6)12 月

機   能  先生に対する親しみを増し、学校生活を楽
しくするために書く 
学習事項  先生に言いたいことを文章に書く 
学習活動  1言いたいことをすなおに書くこと
2書いたものを読み返すこと  
題 材 例  せんせいとあそんだこと せんせいが
うちへきたこと  せんせいのしごと
せんせいにいいたいこと 

    単 元  せ ん せ い

一 単元について
 

136

 児童にとって先生の言動はつねに関心のまとである。学校
ではもちろん、家にいても、先生が言ったから、先生がやっ
たからと、先生がよりどころとなっている。何か機会があれ
ば思ったこと、言いたいことを先生に訴えようとする。こう
した時期に、先生と自分との行動の関係について、また先生
の言動について思っていること、言いたいことを書いて、親
しみを増し、学校生活をいっそう楽しいものにしたい。
二 単元の目標
 先生のことを書いた文章を読んだり、先生について思った
ことや言いたいことを書いて親しみを増すことができる。
三 単元の学習内容
 (1) 学習活動
  1 先生について思ったことや言いたいことを文章に書
   く。
  2 教材「せんせいのかばん」を読む。
 (2) 学習事項
  l 何が書いてあるか考えて読むこと。
  2 声を出さないで目で読むこと。
  3 書いたものを読み返すこと。
  4 言いたいことをすなおに書くこと。
  5 文字をていねいに書くこと。
  6 「。」をうつこと。
四 この単元に用意された教材
 「せんせいのかばん」 登校のおり、学校のそばで、先生  
  に会ったら、ふろしき包みと、かばんをもっていたので、そ
のかばんを、持っていってあげた。重いかばんで中に何がは
いっているのだろうと思った。という文章で、先生に対する
親しみをいっそう増そうとする教材である。敬体で書かれて
いるところやあいさつのことばなどが含まれている。
五 単元の指導計画(5 時間)
 (1) 先生について文章を書く(1 時間)
               (作文指導第1時)
  ・先生に言いたいことを話し合う。
  ・先発生についての文章を書く。
  ・書いたものを読みかえす。
 (2) 「せんせいのかばん」を読む(4 時間)
六 作文学習指導の展開
 学習目標 先生について、言いたいことや、思ったことを
  文章に書いて、先生に対して親しみを増す。
 学 習 活 動 学習事項および留意点 
@先生のことについて話
 し合う。 (10分)
 T きょうは、先生に
  こんなことをしても
  らいたい。先生のこ
  んなことを知ってい
  るということを教え
  てください。  
・本時の学習を指示
・特定の人物を客観的に描写す
 ることは無理で、自分の生活
 の中で、とらえた先生のこと
 を話させる。 
 

137

 C きのう、先生が帰
  るとき「先生」とよ
  んだけど発生いっち
  ゃってつまんなかっ
  た。
 C 先生もっとおもし
  ろいお話をして。な
  ど。
 T 今、みんな話して
  くれたように、先生
  にいいたいことを文
  章に書いて教えてく
  ださい。
A先生についての文章を
 書く。  (30分)
 T 先生に書いて教え
  るのですから、先生
  にお話するように書
  いてください。先生
  が読みまちがえない
  ように字をていねい
  に書いてくださ。文
  章の終わりに「。」
  をつけてください。  
・先生という題材ではばくぜん
 としていて書きにくいので、
 言いたいことや、思ったこと
 の具体的な内容をはっきりさ
 せることがだいじである。
・そして、書く内容をはっきり
 きめることが、事がらをしぼ
 って書く技能の基礎となる。
・先生に訴えるという形でなん
 でも遠慮なく書くように仕向
 ける。
・書くことが一応きまってもま
 だ、あれこれ迷っている児童
 には一ばん知らせたいことを
 みつけださせ、なるべく事が
 らをしぼるように指導する。
・一文で全体を書いてしまう傾
 向のある児童には、その時の  
 
 
<板書>
せんせいにいいたいこ

 きをつけること
じをていねいにかく。
ぶんのおわりに「。」
をつける。 
 
 
 
 B書いたものを読みかえ
す。  (5分)
 T 書けた人は、出す
  前に自分で読んでみ
  て、先生にわかるよ
  うに書けたか考えて
  ごらんなさい。
  「。」はだいじょう
 ぶですか。
<提出させる>
 T この次は、本にあ
  る「せんせいのかば 
  ん」を読んで勉強し
  ましょう。 
 ことがどんな時にあったか、
 自分はその時どうしたか、ど
 う思ったかなどと示唆を与え
 る。そしてはじめの一文が、
 うまく説明できるように指導
 する。
・敬体のことばの使い方は無理
 に指導しないが、使っている
 児童には必要に応じて助言し
 て正しい使用ができるように
 する
○先生に一ばん言いたいことを
 中心に書くこと。
○文字をていねいに書くこと。
○「。」をうつこと。
○話しかけるように書くこと。
・まず読みかえす目的を明確に
 する。ここでは先生に読める
 かどうか、「。」がうてたか
 どうかを確かめるために読み
 返す程度の作業にして、内容
 については強制しない。
○書いたものを読みかえすこと 
 

 138

七 作品の処理と評価
 (1) 処理
  作品には教師の読後感と評語を必ず書いてかえす。
  評語例
  ・せんせいのかばんにはみんなのさくぶんやほんがはい
   っているのでおもいのですよ。
  ・なわとびのとき、せんせいがもつばんになっていって
   しまったのは、おきゃくさんがきたからですよ、ごめ
   んごめん、こんどはもちますよ。
 (2) 評価の観点と基準
  1 先生に言いたいこと知らせたいことがはっきり書い
   てあるか。
   A 訴えの主旨や何について知らせようとしたかがよ
    くわかる。
   B 訴えようとする以外のことも書いてある。
   C なにを訴えようとしているかわからない。
  2 目的にあった表現になっているか。
   A 話しかけるような表現で、相手を意識して書いて
    いる。
   B 訴えようとする気持ちは読みとれるが、表現のお
    かしなところがある。  
   C 説明のような表現で相手の意識がない。   
    3 つぎのことについても評価する。
   ・「。」が確実にうてたか。
   ・文字がていねいに書けたか。


 機  能 何かを作って遊ぶ楽しさを訴えたり深めた
りするために書く 
学習活動  自分で作ったもので遊んだ経験を書く。 
学習事項  l 書こうとする気持ちを養うこと。
2 相手にわかるように書くこと。 
題 材 例   おどるかげえ、ぴょんぴょんかえる、かる
たあそび、すごろくあそび  

    単 元  あぶりだし

一 単元について
 室内での遊びが多くなる時期にあぶりだしの作り方を読み
とり、作って遊ぶことは、興味をもつ活動である。また、そ
れで遊んだことを友だちに知らせることは、児童にとっては
一種の優越感もあり喜びでもある。こうした生活経験を書く
ことによって経験の楽しさを深めることができる。
二 単元の目標  

139

 あぶりだしを説明した文章を読み、その指示に従ってあぶ
りだしを作って遊んだり、遊んだ経験を書いたりして経験を
深め楽しさを味わうことができるようになる。
三 単元の学習内容
 (1) 学習活動
  1 教材「あぶりだし」を読む。
  2 指示に従ってあぶりだしを作る。
  3 教材「おとしだま」を読む。
  4 あぶりだしで遊んだ経験を書く。
  5 書いたものを読み合う。
 (2) 学習事項
  1 何が書いてあるか考えて読むこと。
  2 指示に従って行動すること。
  3 友だちにわかるようにだいたいの順序をおさえて書
   くこと。
  4 「だれと」「どこで」などをしっかりおさえて書く
   こと。
  5 文の終りに「。」をうつこと。
  6 理由を説明する文型が使えること。
四 この単元に用意された教材
 l 「あぶりだし」 あぶりだしを作るための説明、指示
  文で、用意するものと作り方とに分けて書いてある。
 2 「おとしだま」 あぶりだしを作ってあそんだ経験を
  書いた文章である。初めは遊んだことが中心になってお 
    り、最後に「早くお正月がくればいいなあと思った。」
  で結んでいる。作文の指導上参考となるものは、特に会
  話文があることと、「でも…でも…した。」の文型であ
  る。
五 単元の指導計画(8 時間)
 (1) 「あぶりだし」を読む(2 時間)
 (2) 指示に従ってあぶりだしを作る(1 時間)
 (3) あぶりだしを作って遊んだ経験を書く(1 時間)
                (作文指導第1時)
  ・だれと、どこで遊んだか話し合う。
  ・遊んだことの中でどのことを友だちに知らせるかを決
   める。
  ・遊んだことを書く。
 (4) 書いたものを友だちと読み合う(1 時間)
                (作文指導第2時)
  ・読んでわかったことや思ったことを話し合ったり、よ
   く書けているところをノートに視写したりする。
 (5) 「おとしだま」を読む(3 時間)
六 作文学習指導の展開
 ※教材の指示に従ってあぶりだしを各自作り、それであそ
  んだ経験をもっている。
(一) 作文指導第1時間
 学習目標 あぶりだしを作って遊んだ経験を書いてその楽
  しさを深める。 
  140
学 習 活 動   学習事項および留意点
@だれと、どこでやった
 か話し合う。(5 分)
 T この前、学校であ
  ぶりだしを作りまし
  たね。家でもやった
  でしょう。だれと、
  どこでやりましたか
 C 弟。
 C おかあさんと縁側
  で。
A遊んだことで、友だち
 に一ばん知らせたいこ
 とを話し合う。(10分)
 T 家でやったときの
  ことでどんなことを
  友だちに知らせたい
  ですか。
 C ぼくはうちの弟に
  作ってあげたこと。
  Cおばあちゃんがち
  がうあぶりだしを作
  ってくれたこと。
Bあぶりだしであそんだ
 ことを文章に書く
     (30分)  
・本時の学習を指示
・知らせたいことが相手にはっ
 きりわかるように、だれとど
 こでやったか、おさえさせる
 ことが文章を書くことに必要
 なことを徐々に理解させる。
 
 
 
 
・「あぶりだし」という同一経
 験であるから、遊んだ事実の
 中から特に知らせたいことを
 考えさせることが必要であ
 る。みんなが知らないで自分
 だけが知っていることを書こ
 うとする気持ちがつよいので
 このような機会に書こうとす
 る意欲をもたせる。
○書こうとする気持ちを養うこ
 と  
  
 
 Tそれでは友だちにそ
  のことを書いて知ら
  せてあげましょうだ
  れと、やったか、ど
  こでやったかがはっ
  きりわかるように書
  きましょう。
 T 書けた人は、出し
  てください。この次
  友だちと読み合って
  いろいろお話をしま
  しょう。  
・記述前にあまり記述上の注意
 をしないこと。
・注意に締られて自由に書けな
 くなる。
○「だれと」「どこで」やった
 かがわかるように書くこと。
○ことばの使い方になれること
○「。」をうつこと。 

(二) 作文指導第2時間
 学習目標 友だちの作品を読んで、おもしろかったことや
  楽しかったことがわかり、よい表現を知ることができる
  ようになる。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@友だちの作品を読んで
 話し合う。(20分)
 T きょうは友だちと
  とりかえて読みまし
  ょう。つぎのような
  ことがわかったら話
  し合ってみましょう 
・読み合いは、隣席か、近くの
 児童二、三名にする。
・内容をはっきりさせるため、
 板書のような事項について話
 し合わせる。読み合って、板
 書事項が書いてないときは、
 補わせる。 
 

141

<板書>
・どんなあぶりだし
 をつくったか。
・だれとあそんだか。
・どこであそんだか。
・おもしろいところ。 
Aプリントした作品を読
 んで話し合う。(25分)
 こんどは、友だちの作
 文を印刷しておきまし
 たから、読んでわかっ
 たことを話し合ってみ
 ましょう。  
 
 ……………………………………………………………………
<資料>  あ ぶ り だ し
 うちのおふろばの セメントのところで あぶりだ
しをつくりました。おかあさんがひばちを もってき
てくれました。一まいめは「おかあさん」とかきまし
た。二まいめは「おとうさん」とかきました。三まい
めはふねを かきました。四まいめは まるやしかく
をかきました。
 よくかわいたので、あぶりだしをしました。はじめ
「おとうさん」がでてきました。そのつぎは ふねが
でました。たっちゃんが「ふねだ。」といいました。
そのつぎは「おかあさん」がでました。 そのつぎは   
 
まるやしかくがでました。すこしはじのほうがこげて
しまいました。たっちゃんにふねをあげました。そし
たら「まるのもちょうだい。」といいました。「いや
だ。」といったらなきました。たっちゃんはよくばり
です。 
 ……………………………………………………………………
 T これを読んでどん
  なことがわかりまし
  たか。
 C おふろばでやった
 C たっちゃんという
  予とやった。
 C たっちゃんはだれ
  のことかわからない
 C おとうとのたっち
  ゃんと書いた方がよ
  い。
 C たっちゃんはよく
  ばり。
 T いまの作文でおも
  しろいと思ったとこ
  ろがありますか。一
  ばんいいと思ったと
  ころをこくごのちょ
  うめんにきれいに書
  いてみましょう(略)  
・徹音読で全部の児童が読むよ
 うにさせる。
・話し合いは、よくわかったこ
 とを中心に、よくわからない
 ところはなぜ、そうなのか考
 えていくように指導する。

○知らせたいことがわかるよう
 に書く方法に気づく。
・上記の発問によって作業させ
 る場合には、教師がおもしろ
 いところをいくつかえらんで
 板書し、この中から、えらん
 で視写する。あるいは児童の
 話し合いの中から、おもしろ
 いところを選びそれをノート
 に書かせる。このような方法
 で指導してよい書き方を理解
 させる。
・書いたり、読んだりして楽し 

142

 T いろいろなことが
  わかりましたね。ま
  だほかの人でおもし
  ろいことを書いた人
  もたくさんいます。
  かえしてもらったら
  自分の文集にとじて
  おきましょう。 
 さを味わうことはもちろん、
 友だちの作品を読んで、経験
 を広めることも大事なことで
 ある。知らなかったことがわ
 かった時、児童は、さらに自
 分の経験を深めることができ
 る。こうしたことが作文学習
 の基礎である。

  

七 作文の処理と評価
 (1) 処理
  1 友だちと交換して読み合う。
  2 個人文集にとじておく。その際、作ったあぶりだし
   などもいっしょにとじこむ。
 (2) 評価の観点と基準
  1 経験の順序にしたがって書かれているか。
   A 前後しないで大体の順序がおさえられている。
   B 前後の関係が乱れている。
   C 順序に関係なく書かれている。
  2 あぶりだしの経験がわかるように書いてあるか。
   A だれと、どこで、どうやったかがおさえられてい
    る。
   B 経験の一部が書いてある。
   C 他の経験といりまじっている。  
   (3) つぎのことについても評価する
   ・「。」が確実にうてたか。

  (7) 1  月 

機  能  社会的行事にちなんだ生活の経験を深める
ために書く。  
学習活動  経験したことを書く。(あそんだこと、行
ったことなど) 
学習事項  1 何を言おうとしているかがわかるよう
 に書くこと。
2 場面や事がらで、まとめて書けるよう
 にすること。  
題 材 例  はねつき、たこあげ、トランプ、かるたと
り、ゲーム、しんせきへ行ったこと。 

   単 元  お 正 月

一 単元について
 お正月は児童にとって最も楽しい行事の一つである。その
お正月の楽しかったことを友だちに伝えたり、友だちの話を
聞いたりして、経験を広げる。また楽しかったことを中心に
書くようにさせて経験を深めさせる。
二 単元の学習目標
 お正月のことを書いた文章を読んだり、また経験を話した  

143

り書いたりして、お正月の楽しさをいっそう深めることがで
きるようにする。
三 単元の学習内容
 (1) 学習活動
  l お正月に経験したことを話し合う。
  2 教材「お正月のはなし」を聞いたり、読んだりす
   る。
  3 教材「はねつき」を読む。
  4 お正月に経験したことを文章に書く。
  5 書いた作品を友だちと読み合う。
 (2) 学習事項
  l 話の内容の大体を聞きとること。
  2 何を言おうとしているかがわかるように話すこと。
  3 何が書いてあるか大体読みとること。
  4 楽しかったことを中心に書くこと。
  5 書くために必要な語句を身につけること。
  6 文字をていねいに書くこと。
四 この単元に用意された教材
 (1) 「お正月のはなし」 身近なことを聞いたり、話した
  りするための教材である。これによって、自分たちもお
  正月の生活を話したり、聞きたいという気持ちを起させ
  る。さらに、どう話したら相手によくわかるかが理解で
  きる。
 (2) 「はねつき」 自分の生活で興味をもったことを文章 
    に書くための教材である。相手によくわかるように、だ
  れと、どこで、どうなったかがはっきりしている。また
  経験の結果だけを示さないで「したので」「けれども…
  してしまいました。」というような文型を使っている。
五 単元の指導計画(8 時間)
(1) 「お正月のはなし」を聞いたり読んだりする。┐
(2) お正月の経験を話す ――――――――――┘(4 時間)
(3) 「はねつき」を読む(2 時間)
(4) お正月のことを文章に書く(1 時間)
             (作文指導第1時間)
  ・友だちに書いて知らせることをきめる。
  ・きめたことを文章に書く。
  ・書いたものを読み返す。
 (5) 友だちの書いた文章を読んで話し合う(2 時間)
              (作文指導第2時)
  ・二、三人で交換して読み、おもしろかったことを話し
   合う。
  ・みんなの前で読まれた作品について、わかったことを
   話し合い、文型の練習をする。
六  作文学習指導の展開
 (一) 作文指導第1時間
 学習目標 お正月の経験を書くことによってその楽しさを
  味わい、経験を深める。 

144

学習活動  学習事項および留意点 
@お正月のどんな経験を
 書くか話し合う(5分)
 T きのう、勉強した
  「はねつき」のよう
  に一つのことをまと
  めて書くといいです
  ね。友だちにお正月
  のことを知らせるの
  に、何を書こうと思
  いますか。
 C お年玉のこと。
 C しんせきへいった
  こと。
 C トランプなど。
 T たくさん出ました
  ね。そこで一ばん書
  いて知らせたいこと
  を一つだけきめまし
  ょう。
A作文を書く。 (35分)
 T 自分で書こうとき
  めたことが友だちに
  わかるように考えて
  書きましょう。 
・発表は一語文のようなものが
 多いがここでは書くべき題材
 がわかればよい。
・経験の豊富な児童はいくつか
 のことを列挙すると思われる
 が、発表は自由にさせ、大体
 全体の方向がまとまったとこ
 ろで、各自の経験の中から一
 つだけ書くべきことを決定さ
 せる。
  
 
・児童に書くべきことがわかれ
 ば、導入はできるだけ短い方
 がよい。
 
 
 
 
・記述中は机間巡視してつぎの
 ような助言を与えて活動させ
 る。
・「だれと」「どこで」など経
 験をはっきりさせることをお 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
H書き終わった作品を読
 み返す。(5分)
 T 終わった人は一度
  小さな声で読みまし
  ょう。友だちにやっ
  たことがわかるよう
  に書けましたか。も
  し字のまちがいがみ
  つけられたらなおし
  ましょう。
 T このつぎの時間は
  きょう書いた作文を
  友だちととりかえて
  読んだり、友だちの
  作文を聞いたりして
  お話しましょう。 
 さえさせる。
・「お年玉はだれがくれたの」
 「しんせきの子は何年生な
 の」など。
・「…ので」などを使った文型
 を思い出させて、書けるよう
 に助言する。
○楽しかったことが、相手にわ
 かるように書くこと。
○書くために必要な、お正月に
 関連した語句を身につけるこ
 と。
・書き終わると、読み返すこと
 はなかなかできない。そこで
 教師のそばへ来て読むとか友
 だち同士で読み合うなどの方
 法を考えて読み返す習慣をつ
 けることが必要。
・文字の訂正などはむずかしい
 ので、「を・は・へ」程度に
 してあまり強要しない。
○文字をていねいに書くこと。
  
・作品は提出させる。 
 

145

(二) 作文指導第2時間
 学習目標 友だちの作文を読んだり聞いたりして、楽しみ
  合うことができる。

学 習 活 動  学習事項および留意点 
@友だちの作文を読んで
 話し合う。 (25分)
 T きょうはきのう書
  いた作文を友だちと
  とりかえて読み合い
  ましょう。そしてど
  こがおもしろいか話
  し合ってみましょう
 
 
 
 T 友だちの作文を読
  んで何がおもしろか
  ったか話してみまし
  ょう。
 C ○○さんの作文で
  おかあさんがはねを
  ついたら、いぬのお
  しりにぶつかったと
  書いてあったのがお
  もしろい。
 C ○○さんはあさ、
 
 
 
・二、三人のグループ程度で話
 し合う。話し合うことが、作
 文の内容から飛躍してしまう
 ことが多いので書かれた内容
 に関連して話が進むよう助言
 する。
 
 
 
 
 
 
 
・この発表は断片的で、読んで
 いないものにとっては理解し
 にくいので、教師が補足して
 やることが必要。 
 
  目がさめたらみかん
  がふとんの中にあり
  ましたと書いてあっ
  たのがおもしろい。
Aみんなの前で読む。
       (20分) 
・楽しかったことが、はっきり
 表現されている作品を指名し
 て読ませる。 
 ……………………………………………………………………
<資料> お 正 月
 お正月 のよる おねえさんと みっちゃんと わ
たしで すごろくを やりました。じゃんけんをして
じゅんばんを きめました。わたしは ちょきをだし
ました。おねえさんと みっちゃんが ぐうを だし
ました。わたしが いちばんびりでした。すごろくは
わたしが 一ばんにあがりました。一ばんは みかん
が三つで 二ばんは二つで、びりは一つです。おねえ
さんはびりでした。
 もう一ど やりました。こんどは わたしが 二ば
んに なりました。みかんを 二つ もらいました。
みかんは わたしが 一ばん おおく とりました。 
  ……………………………………………………………………
 T ○○さんの作文を
  聞いて何がわかりま
  したか。
 C すごろくをして、
  一ばんになった。
 C みかんを一ばんお
  
 

 146

  おくとった。
 C すごろくを二回し
  た。
 T 楽しかったことが
  よく書けていますね
  よくわかるように書
  いてあるのは何のこ
  とでしょうか。
 C みかんをもらった
  こと。
 C じゃんけんのこと
 T そうですね、みか
  んやじゃんけんをし
  たことはよくわかる
  ように書いてありま
  すね。じゃんけんを
  したときのことを黒
  板に書きますからち
  ょうめんに書いてみ
  ましょう。
 T こんど、また楽し
  かったことやおもし
  ろかったことを書い
  て、友だちにしらせ
  てあげましょう。 
@わたしはちょきをだしました
 おねえさんとみっちゃんがぐ
 うをだしました。わたしがい
 ちばんびりでした。
○よくわかるように書くという
 ことはどういうふうに書くこ
 とかを知る。
・ここでは、自分もお正月で楽
 しかったが、友だちもいろい
 ろなことをして、楽しかった
 のだということが、おぼろげ
 ながらつかめればよい。この
 ようにして、経験を深め、豊
 かな気持ちをもつようにな
 る。そして、また書こうとい
 う気持ちを持続させることが
 大切である。  
  七 処理と評価
 (1) 処理
  1とじこみ文集(個人集)にとじる。
  2 「一年生」「思い出ぶくろ」など成績物を入れる袋
   などに入れて保管する。
  3 楽しかったことがよく書き表わされているところに
   朱線を引いてやる。
 (2) 評価の観点と基準
  1 お正月の経験を楽しんで書いているか。<記述中>
   A 意欲的に書いている。
   B 考え考え、また停止したりしてとまどっている。
   C あまり書きたがらない。
  2 言おうとしていることがよくわかるか。
   A 何がどうしたかがわかるように書いている。
   B ところどころに主述の関係の乱れがある。
   C 主述の関係が乱れて意味がはっきりしない。
 (3) つぎのことについても評価する。
  ・「…ので…しました。」の文型が使えたか。
  ・文字がていねいに書けたか。


機  能   日常の生活経験を広げ深めるために書く。 
学習活動  日常生活の経験を書く。 
学習事項   1 興味をもったことを中心に書くこと。
2 書こうとする気持ちを養うこと。  

147

  3 相手に知らせたいことがわかるように
 書くこと。 
題 材 例   あそび おつかい てつだい 
 できごと テレビ 

      単 元 きのうのこと

一 単元について
 一年生も後半になると、生活の範囲も広がってくる。そし
て自分の経験したことや、考えたことなどを、友だちや先生
に知ってもらいたいという気持ちが強くなる。この単元は、
自分の経験を書いて先生や友だちに知らせることによって、
楽しさを味わい、経験を広げ深めるためのものである。
二 単元の目標
 身近な経験を話したり書いたりして友だちや先生に知ら
せ、日常の生活経験を広げ、深めることができる。
三 単元の学習内容
 (1) 学習活動
  l 教材「きのうのこと」を聞いたり読んだりする。
  2 教材「ミシン」を読む。
  3 きのうのことを話し、文章に書く。
 (2) 学習事項
  1 話の大体の内容を聞きとること。
  2 相手にわかるように話すこと。
 
    3 何が書いてあるか考えて読むこと。
  4 興味をもったこと、知らせたいことを中心に書くこ
   と。
  5 相手にわかるように書くこと。
  6 「。」をうつこと。
  7 文字の形に注意して書くこと。
四 この単元に用意された教材
 (1) 「きのうのこと」 児童が先生にきのうのことを話し
  ている文章。これによって、先生や友だちにわかるよう
  に心がけて話すようにする。また、生活経験を書こうと
  する導入的な意味をもっている。
 (2) 「ミシン」 おかあさんのミシンを使ってみたが、う
  まくできない、はやく縫えるようになりたいと思った、
  という文章である。生活経験をしぼって、興味をもった
  ことが中心に書かれていることと、「○○が「……」と
  いいました。」という会話を含んだ文型が使用されてい
  る。
五 単元の指導計画(7 時間)
 (1) 「きのうのこと」について、自分たちの経験を
  話す(1 時間)
 (2) 教材「きのうのこと」を読む(2 時間)
 (3)教材「ミシン」を読む(2 時間)
 (4) きのうのことを、文章に書く(1 時間)
               (作文指導第1時)  

148

  ・きのうのことの話し合い。
  ・文章を書く。
  ・書いたものを読み返す。
 (5) 先生の話を聞く(1 時間)
六 作文学習指導の展開
※教材「ミシン」の読解で会話文を入れて文章を書くと様子
  がはっきりすることを理解させた。
(1) 作文指導第1時間
 学習目標 きのうの経験やできごとを先生や友だちに書い
  て知らせ、日常の生活経験を深める。

学 習 活 動  学習事項および留意点 
@きのうのことについて
 話し合う。 (15分)
 T きのう家へ帰って
  からどんなことがあ
  りましたか。
 C おかあさんと買い
  物に行った。
 C テレビでまんがを
  見た。
 C おふろへ行ったら
  ○○ちゃんに会った
 C よる、パトカーが
  うちのそばへきた。  
・書こうとする気持ちを高める
 ために、経験を想起させる。
 あまり深く詳しく話せなくて
 も、きのうの経験が確認でき
 ればよい。
・話の中に相手や場所などがあ
 ったほうがよいと思われた
 ら、その点について、助言を
 与え、引き出してやることが
 事前の指導として大事である
・きのうの経験という広い範囲
 の中から知らせたいことを選
 ぶのは焦点がぼけるおそれが  
 
 
 C 消防自動軍がうち
  の前を通ったのでこ
  わかった。
 C 赤ちゃんと遊んだ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
Aきのうのことを文章に
 書く。  (25分)
 T 今、お話してもら
  ったけれどお話だけ
  ではよくわからない
  ところがあります。
  これからそのことを
  先生や友だちにわか
  るように書いて教え
  てください。
  一ばん知らせたいこ
  とを書いてみましょ
  う。  
 ある。児童の発表をもとにし
 て左記のように板書して、自
 分の思っていることがどこに
 あるかを確認させる。
 <板書>
きのうのこと
おかあさん――かいものにい
       った。
テレビ――みた。
おふろ――いった。
パトカー――きた。
あかちゃん――あそんだ。
・書く必要性を意識させる。
○文題は具体的にさせようとす
 ると文題さがしに時間がかか
 りすぎてしまう。また一年生
 はそのことについて書けない
 ので文題は「きのうのこと」
 でよいであろう。
・遊びのことを書く児童は、友
 だちの名を繰り返し書いて肝
 腎なことがぬけてしまう恐れ
 がある。「どこで遊んだか」
 「どんなことをしたか」「ど
 こがおもしろかったのか」な 
 

149
















B書いたものを読み返
 す。(5分)
 T 書けた人は、一度
  読みかえしてみまし
  ょう。先生に読める
  ように書いてくれま
  したか。
  一ばん知らせたいこ
  とがうまく書けまし
  たか。  
 どの助言をして、遊んだ様子
 を思い出させる。
・一文で全体を表現してしまう
 児童には「だれといったの」
 「どこでやったの」「どうな
 ったの」などの発問をし、具
 体的に事実を書かせる。
○相手にわかるように事がらを
 まとめて書くこと。
○興味をもったことを中心に書
 くこと。
○文の終わりに「。」をうつこ
 と。
○会話の形で書くこと。

・ここでは先生や友だちのうち
 先生に知らせることが主とし
 たねらいなので、書けたら提
 出させる。
 友だちと読み合ったりするの
 は、次の時間に、単元のまと
 めとして、先生の話を聞いた
 り、あったことの内容を話し
 合ったりする中で扱えばよ
 い。 
   ※次の時間は、単元のまとめとして、教師の読んだ感想を
  中心にしてその内容を話し合う。また模範的な文型を視
  写、聴写で練習する。また返した作品を児童がお互いに
  読み合ったりして楽しむことができるようにする。
七 作文の処理と評価
 (1) 処理
  ・読後感や短評などを書いて返す。
  ・友だちと読み合った後、個人文集にとじておく。
  ・作品例をいくつかあげて紹介したり、文型練習などさ
   せる。
 (2) 評価の観点と基準
  1 見たことしたことの事がらで統一されているか。
   A 一貫してすじがとおって、よくわかる。
   B いろいろなことが羅列的に書かれている。
   C 「きのう」以外の経験がいりまじっている。
 (3) 相手にわかるように書かれているか。
  A 「何が(を)どうしたか」がわかる。
  B 「何が」がないので、はっきりしない。
  C 主述の関係が乱れている。
 (4) つぎのことについても評価する。
  ・会話文が適切に使えているか。
  ・文字の形を整えて書いているか。

(8) 二 月  

 150

機  能   楽しい遊びの経験を知らせ、深めるために
書く。 
学習活動  このごろのあそびの経験を書く。 
学習事項  1 知らせたいことが相手にわかるように
 書くこと。
2 あそんだことの順序に従って書くこと
3 文字の形に注意して書くこと。  
題 材 例   おにごっこ おしくらまんじゅう
 なわとび など  

    単 元  かくれんぼ
一 単元について
 子どもたちは、冬でも戸外の遊びに熱中する。何人かのグ
ループで幼稚な一定のルールをきめて、嬉々として遊びまわ
るほうが、室内での遊びより楽しい年代である。まだ完全な
ルールというところまでいかないで大まかな判断で、とにか
く動きまわることに興味があるようである。こうした時期に
興味ある遊びについて話したり、書いたりすることは、遊び
の楽しさを味わうとともに経験をいっそう深めることに役立
つ。
二 単元の目標
 遊びについての文章を読んだり話したり、また友だちや先
生に知らせるために文章を書いたりすることによって社会性 
  を増し、遊びの経験を深めることができるようになる。
三 単元の学習内容
 (1) 学習活動
  1 教材「かくれんぼ」を読む。
  2 教材「なわとび」を読む。
  3 あそんだことを文章に書く。
 (2) 学習事項
  1 話の内容のだいたいを聞きとること。
  2 何が書いてあるかだいたい読みとること。
  3 書こうとする気持ちを養うこと。
  4 一つのあそびを中心にして書くこと。
  5 遊んだ順序に従って書くこと。
  6 文字の形に注意して書くこと。
四 この単元に用意された教材
 (1) 「なわとび」 女の子が三人で、何回飛べたか比べっ
  こをしている。飛んでいるうちにあつくなった、という
  内容の短い文章(詩)である。
 (2) 「かくれんぼ」 五人の友だちが家の庭先でかくれん
  ぼをしながら、おにになったり、かくれたりして遊んだ
  ことの書いてある文章。順序ということが、初め、中、
  終わりとはっきりでていて作文指導上の参考となる。
五 単元の指導計画(9 時間)
 (1) このごろの遊びについて話し合う┐
 (2) 「なわとび」を読む──────┴──(3 時間) 

151

 (3) 遊んだ経験を文章に書く(1 時間)
               (作文指導第1時)
  ・文集にのっている遊びを書いた作文を読んでもらう。
  ・わかるように書くことを話し合う。
  ・遊んだことの文章を書く。
 (4) 友だちの作品を読んで話し合う(1 時間)
               (作文指導第2時)
 (5) 「かくれんぼ」を読む(4 時間)
六 作文指導の展開
(一) 作文指導第1時間
 学習目標 遊びの楽しさを書いて知らせることにより、遊
  びの経験が深まる。
学 習 活 動   学習指導および留意点 
@遊びのことを書いた文
 章を読んでもらう。
       (10分)
 T みんなと同じ一年
  生が遊びについて書
  いた作文があります
  から読んであげまし
  ょう。
 T これはおにごっこ
  を書いた作文ですね
  みんなは、どんな遊
 
・文集の中から適当な作品(遊
 びの順序がはっきり書かれて
 ある作品)を選んで読んでや
 ることによって書こうとする
 気持ちを起こさせる。  
 
 
  びをしますか。
 C ボール投げ。
 C かくれんぼ。
 C あやとり。
 T どんなふうに遊ん
  だかお友だちに教え
  てあげられますか。
 C 教えてあげるよ、
  ぼくはね、きのう、
  武ちゃんと淳ちゃん
  とかくれんぼをした
  の。はじめ武ちゃん
  が鬼になったの……
 T みんなに教えても
  らいたいが全部の人
  がお話すると時間が
  かかるね。だから文
  章に書いて下さい。
  そしたらみんなでま
  わして読むことがで
  きますね。
A相手にわかるように書
 くために、方法を話し
 合う。   (5分)
 T さっき読んだ鬼ご
  













・どうして文章に書くかという
 必然性をはっきりさせる。こ
 こでは、話を聞くと時間がか
 かる。ということで文章に書
 くというふうにした。
○書く気持ちを養うこと。
・経験の順序にしたがって書く
 ことは、もうこのころの児童
 であれば可能である。
<板書>
・はじめは どうしましたか 
 

 152

  っこの文章は、初め
  にどんなことをした
  のでしたか。
 T 次は終わりは
 T そうですね、こう
  書くとみんなも読ん
  でなんの遊びをどう
  やったかがわかりま
  すね。だからはじめ
  はどうしてその次は
  どうした終わりはど
  うしたということを
  よく考えて書いてく
  ださい。
Bあそんだことを文章に
 書く。  (30分)
 
 
 
 T 書けた人はいっぺ
  ん読んでみてくださ
  い。
  あした、みんなの書
  いた作文を読んで、
  遊んだことのお話
  
・あそんでいるときは、どう
 でしたか。
・おしまいには どうなりま
 したか。 
○文字の形に注意して書くこと
・知らせたいことが中心になる
 のはもちろんだが、そうした
 ことがなぜ起きたか、始めは
 どうだったか、と結果に対す
 る原因をさぐらせるように机
 間巡視で指導する。
・始め、中、終わりの項目をた
 てて、それを児童に強制して
 はならない。あくまで指導者
 が含んでいるべきことであ
 る。能力の低い児童に対して
 は個別的、具体的に助言す
 る。
・興味の度合い、筆力の関係な
 どで完成の時間がまちまちで
 あろう。そこで読みなおした
 り、誤字を発見させたりする
 作業をさせる。
○遊んだことの順序にしたがっ
 
 
 
  しましょう。   て書くこと。
〇一つのことを中心に書くこ
 と。  
(2) 作文指導第二時間
 学習目標 友だちの作品を読んで、遊びの経験を広めるこ
  とができる。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@友だちの作品を読んで
 わかったことを話し合
 う。   (30分)  
 
 ……………………………………………………………………
<資料>
    がっこうごっこ
  かよう日の日、わたしは ねつをだしてしまいまし
 た。ふとんをだしてもらいました。けれどもねません
 でした。となりのけい子ちゃんがきたので、ちゃんち
 ゃんこをきてあそびました。ひでおがかえってきたの
 でいれてあげました。
  がっこうごっこをしました。わたしがせんせいにな
 りました。わたしはテストをつくって けい子ちゃん
 にだしました。やさしいので ひゃくてんです。
  ひでおはなんにもわからないので こうちょうせん
 せいにしました。そのうちに ひろ子ねえさんがかえ
 ってきたので、ひろこねえさんがせんせいになりまし
 
 

153

 た。テストをなんかいもやりました。ひゃくてんばか
 りなので、ひろ子ねえさんのせんせいにほめられまし
 た。  
 ……………………………………………………………………
 T 読んでわかったこ
  とをお話しましょ
  う。
 C ○○さんが先生に
  なった。
 C ひろ子ねえさんと
  いう人が先生になっ
  た。
 C テストが百点ばか
  りでほめられた。
 C ひでおって、わか
  らないのにどうして
  校長発生になったの
 T いろいろなことが
  わかりましたね。○
  ○さん、先生になれ
  てうれしかったでし
  ょう。はじめ○○さ
  んが先生になったん
  だね。それからどう
  したの。
 C ひろ子ねえさんが
 
・「わかったこと」という発問
 であるから児童の反応は内容
 的なものであるのは当然だ
 が、教師はそういうものを一
 応ふまえて、書かれた順序に
 ついて内容とはなれないよう
 に指導すべきである。 
 
 
  先生になったの。
 C ○○さんは生徒に
  なった。
 T そうですね。順番
  もよくわかりますね
A順序を正しく書く練習
 をする。  (10分)
 T ではここに三つの
  文がありますがどう
  書いたら順序よくな
  りますか。ノートを
  出して正しく書いて
  みましょう。
○順序正しく書くことが
 わかる。
B友だちと作品を読み合
 って話し合う。(5分)
 T では近くのお友だ
  ちととりかえっこを
  して、お互いに遊ん
  だことを知らせ合い
  ましょう。そのとき
  どんな遊びでどのよ
  うにやったかがわか
  るかどうか考えなが
  ら読みましょぅ。
 
  
  
  
  
  
<板書>(模造紙に書いてお
 いてもよい。)
・いっしょうけんめいにおし
 ました。
・たけちゃんと よし男ちゃ
 んとおしくらまんじゅうを
 してあそびました。
・とてもあったかくなりまし
 た。 
<板書>
・どんなあそび。
・どんなふうにやったか。 
○友だちの遊んだことを読んで
 わかること。
○おもしろかったところをどう
 書けばよいかわかる。
 
 

 154

 T きょうは、たくさ
  んの友だちととりか
  えられませんでした
  が、またとりかえっ
  こして家で読んでみ
  ましょう。終わった
  ら文集にとじておき
  ましょう。 
 

七 作文の処理と評価
 (1) 処理
  ・近くの友だちと交換して家で読む。
  ・五、六人のグループで、とじこみ文集を作り、家の人
   に見せたり、自分たちで読んだりする。(回らん)
 (2) 評価の観点と基準
  1 遊びのことがまとまって書かれているか。
   A 遊んだことの一つが中心になってくわしく書かれ
    ている。
   B いくつもの遊んだことが羅列的に書かれている。
   C 遊んだことがよくわからない。
  2 遊んだ順序がわかるように書かれているか。
   A 遊んだ様子が順序よく書かれている。
   B 途中で順序が乱れている。
   C 順序に関係なく書かれている。
  3 つぎのことについても評価する。 
     ・文字がていねいに書かれているか

  (9) 三 月

機  能 うれしかった経験を訴え深めるために書く 
学習活動 一ばんうれしかったことを文章に書く。 
学習事項 1 うれしかったことがわかるように書く
 こと。
2 よく思い出して書くこと。
3 文字をていねいに書くこと。 
題 材 例 うれしかったこと おもしろかったこ
と たのしかったこと  

    単元 うれしかったこと

一 単元について
 一年生も終わりに近づくと、はやく二年生になりたいとい
う気持ちがでて、生活も充実し、いわゆる「おにいさん、お
ねえさんになる」ことを意識してくる。こうした時に、自分
の今までをふりかえり、うれしかったことを書き、友だちや
先生に知らせる。知らされる友だちも、それをよろこんでう
けいれる。こうして楽しむと同時に、自分の経験をも深め、
心情を豊かにすることができるのである。
二 単元の目標  

155

 自分の経験でうれしかったことを文章に書いて、楽しみを
深める。
三 単元の学習内容
 (1) 学習活動
  1 うれしかったことを話し合う。
  2 友だちに知らせたいことを文章に書く。
  3 書いた作品をもとにして話し合う。
 (2) 学習事項
  1 うれしかったことがわかるように書くこと。
  2 よく思い出して書くこと。
  3 文字をていねいに書くこと。
四 単元の指導計画(2 時間)
 (1) 友だちに知らせたいことを文章に書く(1 時間)
               (作文指導 第1時)
  ・うれしかったことを話し合う。
  ・書くことをきめる。
  ・文章を書く。
 (2) 書いた文章をもとにして話し合う(1 時間)
               (作文指導 第2時)
  ・友だちと読み合う。
  ・友だちの作品を読んで話し合う。
  ・先生の話を聞く。
五 作文学習指導の展開
(一) 作文指導 第1時間 
   学習目標 うれしかった経験を書くことによって、経験を
  深めたり心情を豊かにしたりする。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@うれしかったことを話
 し合う。  (10分)
 T もうすぐ一年生が
  終わりますね。今ま
  でうれしかったなと
  思うことがあります
  か。
 C おかあさんにほめ
  られたときうれしか
  った。
 C お誕生日におとう
  さんが熊の人形をか
  ってくれた。
 C 夏休みに、おにい
  ちゃんがプールへつ
  れていってくれた。
  学校へあがるまでだ
  めだったの。
 C 通信簿があがった
  ので、おかあさんに
  いなかへつれて行っ
  てもらった。など。
  
・一年生の思い出というような
 大げさのものではないが、過
 去の経験を思い出して書く、
 それも、 「 うれしかったこ
 と」ということでしぼり、そ
 の中で自分で自由に書くこと
 はたいせつな学習である。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
・発表されたことをまとめて板
 書し、他の児童にも自分の経
 験を思い出させ る ように導
 く。  

156

 T 今みんなが言って
  くれたことは、短か
  くてよくわかりませ
  んね。きょうは、そ
  のときのことをくわ
  しく書いて友だちに
  知らせてあげましょ
  う。
A知らせたいことを文章
 に書く。 (30分)
 T よく思い出して書
  いて友だちに知らせ
  てあげましょう。ど
  うしてうれしかった
  かお話するように書
  きましょう。 
<板書>
 うれしかったこと
・おかあさんにほめられたと
 き。
・たんじょう日ににんぎょう
 をかってもらった。
・プールへいったとき。
・いなかへいったとき。
・おどりのかいのとき。 
○経験の中から、友だちに一ば
 ん知らせたいことをきめるこ
 と。
・進んだ児童は、うれしかった
 ことを抽象的に書いて、いわ
 ゆる「きれいな作文」になる
 おそれがあるので、常に具体
 的事実をおさえるように指導
 する。
・主題的なものをねらった作文
 では、ことがらをたくさん書
 いてしまう児童があり、一つ
 一つの事がらは表面的に流れ
 てしまいやすい。「その中で
 一ばんうれしかったことはな
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 T あしたは友だち
  と読み合って、いろ
  いろなお話しをしま
  しょう。 
 んですか」というような助言
 で、一つのことをわかりやす
 く書くようにさせる。
○うれしかったことを中心に書
 くこと。
○文字をていねいに書くこと。
○言おうとしていることが友だ
 ちにわかるように書くこと。 

(二) 作文指導第2時間
 学習目標 書いた作品を友だちと読み合ったり、作品を読
  んで話し合ったりして楽しむことができるようにする。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@友だちと読み合う。
      (15分)
 T きのうの作文を読
  み合って、何がうれ
  しかったのかお話し
  しましょう。また気
  がついたこともお話
  ししましょう。
 
・教師も児童の話し合いの仲間
 入りする。
・作文から発展して、ただの自
 慢話にならないように、話し
 合いの内容を、確認しながら
 グループで話させる。
・グループは四人ぐらいが適当
 である。 
 

157

 ……………………………………………………………………
 <資料>
 きのう おかあさんは おかおが いたくて はれ
ていたので おいしゃさんへいきました。 うちの
おじいちゃんは つりが すきなので えどがわばし
の しんせきの人が きて
「つりにいきませんか。」
といったら つりに いきました。わたしは ひとり
で あらいものやおぞうきんがけをしてあげました。
 おかあさんが かえってきました。あらいものを
しようとしたら、あらいもの がないので おかあさ
んはびっくりしました。だから、おじいちゃんや お
かあさんの いないときのことを はなしました。お
かあさんも おじいちゃんも ほめてくれました。そ
れで わたしは うれしくなりました。 
 ……………………………………………………………………
A友だちの文を聞いて話
し合う。  (25分)
 
 
 T ○○さんに読んで
  もらいますから聞い
  ていてわかったこと
  をお話ししましょう
 C おかあさんがおい
  しゃへいった。  
○うれしかったことをどのよう
 に書いたらよいかわかる。 
 
 
 C おじいさんがつり
  にいった。
 C おかあさんはあら
  いものがないのでび
  っくりした。
 C ○○さんはほめら
  れた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
B先生の話を聞く (5分)
 T ○○さんやみんな
  の作文はうれしかっ
  たことがよく書いて
  あって先生はたいへ
  ん感心しました。も
  う一年生も終わりで
  すね。こんなにうれ
  しいことがあったの
  だから、これからも
 
 
 
 
 
 
 


・気軽に作文を書こうという気
 持ちをもたせる。
・文章に書くと、知らせたいこ
 とがまとまって、認識され、
 相手に通じるという――書く
 ことの機能に少しずつ気づか
 せていきたい。  
 

158

  自分でよかったこと
  やおもしろかったこ
  とを大事にして、ま
  た友だちに知らせて
  ください。 
 
六 作文の処理と評価
(1) 処理
 ・「うれしかったこと」は、主題的な作文なので、一年生
  の最後のものとして、全点のガリ版文集を作って児童に
  保存させたり、家の人などに読んでもらう。
(2) 評価の観点と基準
 1 うれしかったことがわかるように書いてあるか。
  A 一つのことにしぼって、気持ちがくみとれるように  
     書いてある。
  B いくつかの事実をあげているが、気持ちがじゅうぶ
   ん読みとれない。
  C どういうことでうれしいのかはっきりしない。
 2 言おうとしていることがわかるか。
  A 正しい主述関係によって書かれている。
  B 主述の関係が乱れ、意味のとれないところがある。
  C 語句のまちがいが多く、全体として意味がわからな
   い。
 3  つぎのことについても評価する。
  ・「。」が正確にうってあるか。
  ・文字がていねいに書かれているか。 


        三  二年の機能的作文指導の実践

   
 (1) 四 月 

機  能  進級の喜びを深め、自覚を高め、学校生活
に適応するために書く。  
学習活動  進級にちなんだ経験について文章を書く 
学習事項  1 書くことを決めて書くこと
2 進級の気持ちがわかるように書くこと 
題 材 例   二年生になってうれしかったこと
 先生        新しい教室
 ××のかかり    一年生  

159

    単元   二 年 生

一 単元について
 二年に進級したことは、児童にとって大きな喜びである。
新しく一年生を迎えて、その行動の幼稚さに優越感を覚え、
自分の成長の喜びと学校生活に対する自信を深めていく時で
ある。この機会に進級のことをとり上げて学習し、二年生に
なった喜びを一層深め、自覚を高めたい。
二 単元の目標
 進級した喜びや、進級にちなんだ経験について読んだり書
いたりして、二年生としての自覚を高める。
三 単元の学習内容
 (1) 学習活動
  l 教材「一年生の入学」「わすれもののかかり」を読
   む。
  2 進級にちなんだ経験について文章を書く。
  3 書いたものを発表し合う。
 (2) 学習事項
  1 二年生になった喜びの気持ちを読みとること。
  2 書くことを決めて書くこと。
  3 進級の気持ちをすなおに書くこと。
  4 進級の気持ちがわかるように書くこと。
  5 書いたものを読み直すこと。
  6 「。」を正しくうつこと。  
  四 この単元に用意された教材
 (1) 一年生の入学
   一年生の入学式のようすを二年生の立場でかいた詩。
  一年生の不安や緊張からくる落着きのない様子を、二年
  生らしいあたたかい目で見ている。
 (2) わすれもののかかり
   二年生になって、忘れ物の係に選ばれたことを書いた
  児童作文。うれしい気持ち、はりきっている気持ちが具
  体的な行動をとおして詳しく表現されている。
 ※ 二つの教材を読むことによって、児童は自分の経験を
  ふりかえって、進級の喜びや自覚を刺激されるであろ
  う。
   (2) の教材には、作者の気持ちがどのように表現され
  ているかを読みとることによって、気持ちの書き表わし
  方を指導しようとする意図がある。
五 単元の指導計画(7 時間)
 (1) 二年に進級した気持ちを話し合う──┐
 (2) 教材「一年生の入学」を読む    ├─(4 時間)
 (3) 詩を視写する           |
 (4) 教材「わすれもののかかり」を読む─┘
 (5) 進級にちなんだ経験について文章を書く(1 時間)
  ・書くことを決める。(作文指導第1時)
  ・書く内容を考える。
  ・記述する。  

 160

  ・読み直す。
 (6) 書いたものを発表し合う。(1 時間)
  ・書いたものを発表する(作文指導第2時)
  ・どんなことがわかったか話し合う。
  ・気持ちがよく書けているところを話し合う。
  ・「。」を正しくうつ練習をする。
 (7) 単元のまとめをする。(1 時間)

六 作文学習指導の展開
 ※ 教材(2)の読みの過程で、次のような表現を書写し、何
  回も読む活動をさせて、気持ちの書き表わし方の指導を
  しておきたい。
 ・ わたしは、ちょっと あかい かおに なって、おべ
  んきょうを して いる ことも わすれてしまいまし
  た。
 ・ おやすみじかんに おぐちくんと わすれものちょう
  に ふたりの かかりの なまえを かきました。
 ・ 「わすれものの かかりが わすれものを したら
  おかしいわね。」
  「そうだよ、ぼくは ぜったいに わすれものを しな
  いよ。」
 ・ うちへ かえって、おかあさんに はなしたら、おか
  あさんは、
  「それは、よかったわね。しっかり やるのよ。」
  といいました。  
  (一) 作文指導第1時間
 学習目標
  二年生になったという自覚で、その気持ちや経験を書く
  ことができるようになる。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@書くことを決める。
        (5分)
 T きょうは、二年生
  になってうれしかっ
  たことを作文に書き
  ましょう。そして、
  次の時間に友だちに
  知らせてあげましょ
  う。
   みなさんは、二年
  生になって、どんな
  ことがうれしかった
  ですか。
 C 先生がかわらなか
  ったこと
 C 組がえにならなか
  ったこと
 C 妹が一年にはいっ
  たこと
 T うれしいことが  
  
 
・本時の学習を明示する。
 
・児童の発言が少ない時は、
 「一年生を見て、どう思いま
 すか。」
 「○○さんは給食がかりにな
 りたいと言っていたが、給食
 がかりになったでしょう。」
 「新しいぼうしを買ってもら
 ったのはだれでしょう。」な
 どと、例をあげてひきだして
 やる。
・うれしいことがないという児
 童は、困ったこと、心配なこ
 となどでもよい。
○進級の気持ちをすなおに書く
 こと。
・あれもうれしかった。これも
 
 

161

  つも三つもある人も
  いるでしょうね。そ
  の中で、一ばんうれ
  しかったことを一つ
  だけ書きましょう。
 T 書くことのきまっ
  た人は、先生のとこ
  ろから小さい紙を持
  っていって、題を書
  いてください。
 
A書く内容を考える(5分)
 T ○○さんは、妹の
  かよちゃんが一年に
  はいったので、その
  ことを書くのだそう
  です。みなさんは、
  ○○さんにどんなこ
  とを知らせてもらい
  たいと思いますか。
 C かよちゃんに勉強
  を教えてあげますか
 C 朝はいっしょに学
  校へ来ますか。
 C かよちゃんは名ま
  えが書けますか。 
 うれしかったと、ことがらの
 羅列にならぬように、一つの
 ことにしぼる。
○書くことを決めて書くこと。
 
・紙をとりに来た児童に文題を
 話させる。できるだけ具体的
 な文題にするように指導す
 る。内容が貧弱だと想像され
 る文題の者をチェックしてお
 く。
  
・内容が貧弱だと思われる児童
 に、どのような内容を盛れば
 いいか、具体的なヒントを与
 えるのが目的である。
  ここで注意しなければなら
 ないのは、友だちの注文に左
 右されて、自分の書きたいも
 のを捨ててしまったり、あれ
 もこれもと盛りたくさんにな
 ったりしないように配慮する
 ことである。それには、注文
 事項を教師が整理してやるこ
 とも必要である。
  児童から適切な注文がでな
 
 
 
 T いろいろな注文が
  でましたね。○○さ
  んは、むりに全部書
  かなくてもいいので
  すよ。このほかに
  も、あなたの書きた
  いことがあるでしょ
  う。それを忘れずに
  書いてください。
   ほかの人たちも、
  自分の題に友だちか
  らどんな注文がでる
  か考えましょう。そ
  して、二年生になっ
  て、これがうれしか
  ったのだということ
  が、みんなによくわ
  かるように書きまし
  ょう。
  「。」をうつことを
  忘れないように気を
  つけて書いてくださ
  い。
B記述する。(30分) 
 い場合は、教師が補ってや
 る。
 
 
 
 
 
 
 
○進級の気持ちが相手にわかる
 ように書くこと。
 
 
 
 
 
 
 
 
○「。」を正しくうつこと。
 
 
 
・記述中の指導
 1 どんなことがらを内容に
  盛ったらよいかわからない
 
 

162













C読み直す (5分)

 T 次の時間に作文を
  読んでもらいますか
  ら、すらすら読める
  ように練習してくだ
  さい。「。」が正し
  くうってないと読み
  にくいですね。「。 」
  がおちていたら正し
  くうってください。
  最後に「。」の数を
  作文のおわりに書い
  てください。
D作品を提出する。 
  児童や、内容が貧弱だと思
  われる児童には、教師の方
  から話しかけて、材料をひ
  きだしてやる。
 2 いつも文脈が乱れたり、
  表記に負担を感じたりして
  いる児童には、内容を限定
  して、短くても筋のとおっ
  た文章を書かせる。
 3「。」をうつことを忘れが
  ちの児童に対しては巡視の
  回数を多くして指導する。
〇書いたものを読み直すこと
・この時期の児童にできる推考
 は、せいぜい、「。」を正し
 くうつことぐらいのものであ
 る。ここでは、「すらすら読
 む」という仕事の中で、「。」
 を正しくうつことの必要性を
 理解させようとした。「。」
 の数を数えることも、「。」
 に対する意識を高める方法で
 ある。
  すらすら読めるように練習
 させる場合も、その練習の必
 要な場を作ってやるようにし
 たい。  
  (二) 作文指導第二時間
  学習目標書いたものを発表し合って、進級の喜びを深
 める。 
学 活 活 動  学習事項および留意点 
@みんなの前で作文を読
 む     (3分)
 T きょうは、作文を
  読んで、二年生にな
  ってどんなことがう
  れしかったか、友だ
  ちに教えてあげまし
  ょう。
   はじめに、谷口く
  ん、読んでくださ
  い。 
・本時の学習を明示する。
・教師は前時に提出された作文
 に目をとおして、本時に発表
 させるものを選んでおく。
  そのほかに、個人別に内容
 をメモしておいて、紹介の資
 料にする。  
 ……………………………………………………………………
 <資料> プリント

   うんてい           谷口忠広
  ぼくは、一年のときより、うんていがじょうずにな
 ったので、とてもうれしいです。きのう、はじめては
 しからはしへできました。とちゅうで、おっこちそう
 になりました。ぼくは、おっこちそうになると、とま
 りました。それからまた、がまんしてうんていをつづ
 けました。やっとできたときは、むねがどきんどきん
  

 163

 して、かおがまっかになりました。
  きょうも、あきじかんにやりたいんですが、きのう
 やったおまめの、かわがむけたので、できません。ぼ
 くは、うんていができないので、かなしいです。なお
 ったら、またうんていをやりたいです。また、たいい
 くのじかんに、ぼくは、うんていをして、先生をおど
 かしてやりたいです。 
 ………………………………………………………………………
Aどんなことがわかった
 か、どこがじょうずに
 書けているか話し合
 う。    (12分)
 T 谷口くんは、二年
  になって何がいちば
  んうれしかったので
  しょう。
 C うんていがじょう
  ずになったこと。
 T きのう、はじめて
  うんていができた時
  のところを、谷口く
  ん、もう一度読んで
  ください。
 T そこをきいて、み
  なさんはどう思いま
  すか。
 C よくがんばってや
 
・この資料は上の部に属する作
 品である。


・数名にたしかめる。作者がう
 んていのことだけを書いてい
 ることに気づかせる。



きのう、はじめて できま
した。 



・児童の感想発表の根拠を求め
 て、表現のよいところをとり
 上げていく。たとえば、次の
 ような点。
 「おっこちそうになると、と
 まりました。」をとり上げて
  
 
  った。
 C 手がいたかったろ
  う。
 C むねがどきんどき
  んして、かおがまっ
  かになったと書いて
  あるから、うれしか
  ったことがよくわか
  る。
 T 谷口くんは、この
  作文を書いた時は、
  どんな気持ちでいま
  すか。
 C かなしい。
 C うんていができな
  いから、かなしい。
 T 手がなおったらど
  うしたいと書いてい
  ますか。
 C うんていをやりた
  い。
 C うんていをやって
  先生をおどろかして
  やりたい。
 T 黒板を見てくださ
  い。  
  1 こまかいところまでよく
  思い出していること
 2 この文によって、作者の
  がんばっている姿が想像で
  きること
  などを理解させる。
  また、
  「むねがどきんどきんして
  かおがまっかになりまし
  た。」の表現をほめてやる。
・児童にその部分を読ませて、
 表現をたしかめながら、話し
 合いを進める。
きょうは
……やりたいんですが、
できません。できないの
で、かなしいです。 





手がなおったら
また、やりたいです。
先生をおどろかしてやり
たいです。  






 
 

 164

  谷口くんは、きのう
  はじめてできたこと
  きょうはうんていが
  やれないのでかなし
  いこと、手がなおっ
  たら……をしたいこ
  と、と、三つのこと
  を、じょうずに書い
  ていますね。
 T 谷口くんがとて
  も苦心して、うんて
  いができるようにな
  ったのだということ
  がよくわかりました
  ね。谷口くんの、う
  れしい気持ちもよく
  わかりますね。谷口
  くん、おめでとう。
  みんなで拍手をして
  あげましょう。
B他の児童が発表する。
      (15分) 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
・この作文を書いたことは、作
 者に自信と希望を与える契機
 となるにちがいない。うんて
 いの成功は、級友の理解とは
 げましを得て、やがて、作者
 の体力に対する劣等感からの
 解放となる日につながるであ
 ろう。教師はそう願わずには
 いられない。
 
 
・二名ぐらい。発表されたもの
 について、全部このように扱
 わなくてもよい。発表をきい
 てどんなことがわかったか。
 どこがよくわからなかったか
 について話し合い、叙述にふ
  
 
 
C紹介をきく (5分)
 T ○○さんは、近所
  に△△さんがこして
  きて、なかよしにな
  ったことを書いてい
  ます。
D聴写をする。 (10分)
 T 「。」を正しくう
  つ練習をします。谷
  口くんが、はじめて
  うんていができたと
  ころを読みますか
  ら、ノートに書いて
  ください。 
 れていく。
・上のようにして、数名の児童
 の経験や気持ちを紹介してや
 る。
 
 
・「。」を正しくうつ練習をす
 る。次のように読む。
 
 きのう<テン>はじめて<テ
 ン>はしからはしへできまし
 た<マル>とちゅうで<テ
 ン>……略  

  七 作文の処理と評価
 (1) 作文の処理
  1 第二時間めに発表し合う。(C)
  2 進級の経験や気持ちが、具体的に書かれている作品
   を掲示したり、給食時に読んでやったりする。(T)
  3 個人文集としてとじこみ、友だちと交換して読む。
   (C)
 (2) 作文の評価(観点と基準)
  1 進級の気持ちが、みんなにわかるように書いている
   か。 

165

   A 進級の気持ちをすなおに、具体的に書いている。
   B 進級に関係のあることを書いているが、気持ちが
    十分読みとれない。
   C 二年になってどんな気持ちか、まったくわからな
    い。
  2 書くことを決めて書いているか。
   A 進級に関係のあることをひとつとり上げて書いて
    いる。
   B ひとつのことが中心になっているが、進級に関係
    のないこともまじっている。
   C 進級に関係のあること、ないことの区別なしに、
    羅列的に書いている。
  3 「。」を正しくうっているか。
   A 正しくうっている。
   B ところどころぬけている。
   C 「。」のうち方の誤りが多い。



機  能  学級の生活に役立てるために書く 
学習活動  1 簡単な掲示の文章を書く。
2 簡単な文章を見て書く。 
学習事項  1 知らせることや気をつけることがわか
 るように書くこと。
  
 
2 書く必然性を自覚すること。
3 だいじなことを短い文で書くこと。
題 材 例  みなさんへのお知らせ。  みなさんへ
のおねがい。  できごとのおしらせ。
まもってもらいたいこと。  そうだん
したいこと。など。 

    単 元  学きゅうえん

一 単元について
 みんなで相談して、学級園や花だんに種や球根をまき、自
分たちの手で世話をして、成長の様子を観察することは児童
たちにとって、大きな喜びである。
 また、これらの生活は理科の学習とも関連する。
 そして、それらの生活の中で、名札や掲示を書いたり、成
長の様子を観察して書きとめたり、みんなに知らせたりする
ことによって、言語生活を高め、学級の生活を向上させたい。
二 単元の学習目標.
 掲示や立て札などを注意して読んだり書いたりして、学級
の生活に役立てる。
三 単元の学習内容
 (1) 学習活動
  1 種まきの経験や学級園の様子について話し合う。
  2 教材「たねまき」を読む。
  3 名ふだや立札の文章を書く。
 

166

  4 教材「おしらせ」を読む。
  5 教科書の掲示文を見て書く。
  6 学級の掲示板を作る。
 (2) 学習事項
  1 みんなといっしょに聞いたり話したりすること。
  2 文章に即して書いてあるとおりに読み取ること。
  3 知らせることや気をつけることを相手にわかるよう
   に書くこと。
  4 書く必要性を自覚すること。
  5 だいじなことを短い文で書くこと。
  6 進んで書こうとすること。
  7 書いたものを読み直すこと。
  8 文字の形や筆順に注意して正しく書くこと。
四 この単元に用意された教材
 「たねまき」は、学級の花だんにみんなで種をまき、草花
の名札や注意の立札を立てる様子を書いた文章。
 この文章を読むことによって、児童たちは、「名札」や
 「立札」の必要性を認識し、自分たちも生活の中で実際に
 作ってみようという欲求を持つであろう。
 また、書くことが生活の役に立つ場面は、身近なところに
もあることを認識し、進んで文章を書こうとする意欲が高ま
るであろう。
 「おしらせ」は、ひとりの児童が、教室のうしろの「おし
らせこくばん」に、「花だんに草花の種をまいた」ことを書  
  き、もうひとりの児童が、画用紙に、「あさがおのめが出た
おしらせ」を書いてはり出したことを、簡単に説明し、両方
の実例を出した文章である。
 これらの文章を読むことにより児童は、生活の中での掲示
の働きを知り、また、「おしらせ」をみんなにわかるように
書くには、「何をどのように書けばよいか」を理解し、進ん
でお知らせを書こうとする意欲を高めるであろう。
五 単元の指導計画(5 時間)
 (1) 種まきの経験や学級園の様子につい─┐
  て話し合う。            |
 (2) 種まきをして、立て札や掲示板を作 ├(2 時間)
  ることを話し合う。         |
 (1) 「たねまき」を読む。───────┘
  ※読んだあとで、実さいに種まきをする。
 (2) 学級園に立てる名札や立札のことば
   を考えて書く。(1 時間)
              (作文指導第1時間〕
  ・立札を立てる理由や目的につい
   て話し合う。
  ・立札の文章について話し合う。
  ・立札の文章を書く。
  ・代表作を選んで立札の文章を決める。
  ・立札を作って立てる。
 (3) 教材「おしらせ」を読む。──┐
 (4) 教科書の掲示文を見て書く。─┴(1 時間)  

167

 (5) 学級の「おしらせ黒板」や
   「掲示板」を作る。(1 時間)
  ・掲示板の必要や目的を確かめる。
  ・各係ごとにお知らせの文章を書く。
  ・お知らせを読んで話し合う。
六 作文学習指導の展開
 (1) 作文学習指導第1時間
 ※書く学習にはいる前に教材「たねまき」の読解が行なわ
  れる。
  ・なぜ名札をつけたか。
  ・どんな名札を作ったか。
  ・なぜ立札を立てようとしたか。
  ・立札にはどのようなことを書けばよいか。
  学習目標 立札や掲示の書き方を理解し、書くことによ
   って学級生活の向上を計る。

 学 習 活 動 学習事項および留意点 
@立札を立てる理由や目
 的について話し合う。
       (5分)
 T きのう、いろいろ
  な立札を見て来まし
  たね。どんなことが
  書いてありましたか
 C しばふにはいらな
 
・理由については、学級園の場
 合は、教材を読んで理解して
 いるが、前時に公園・学校園
 その他の立札を見ておくこと
 を指示しておき、いろいろな
 目的のあることをおおよそつ
 かませておく。
・学級園に立札を立てる必要性
  
 
  いでください。
 C 公園の木をかわい
  がりましょう。
 T なぜ立札を立てて
  おくのでしょう。
 C きまりを守っても
  らうため。
 C みんなに注意して
  もらうため。
A学級園に立てる立札の
 文章について話し合
 う。   (10分)
 T 学級園の立札には
  どんなことを害いた
  らいいでしょう。
 C 学級園の中にはい
  らないでください。
 C この近くでボール
  遊びをしないでくだ
  さい など。
 T みんなによく守っ
  てもらうためにはど
  のように書いたらよ
  いでしょう。
 C わたしたちの気持
  ちがよくわかって  
・目的・立てる計画について
 は、たねまきをした直後、
 実際に即して、現場で話し
 合っておく。
・立札は、あらかじめ教師が
 用意しておく。
  
  
  
・必要に応じて学級園以外の
 場所に立てるものを計画し
 てもよい。
  
・日ごろ思っていること、考
 えていることを、実際に即
 して自由に発表させる。
・発表の要点を板書して書く
 時の参考にさせる。
  
  
○自分たちの切実な気持ちを
 具体的にうったえるように
 書くこと。  

168

  らえるようにくわし
  く書く。
 C 中にはいられると
  なぜ困るのかわけも
  書く。
 T 今話し合ったよう
  なことをよく考えな
  がら、立札の文章を
  書きましょう。
B立札の文章を書く。
      (20分)
C代表作を選んで立て札
の文章を決める(10分)
 T 書き終わったらグ
  ループごとに読み合
  って代表を一つ決め
  てください。友だち
  の文章で字のまちが
  いや気がついたこと
  があったら話してあ
  げましょう。
 T グループの代表の
  人に発表してもらい
  ます。よく聞いて、
  組の代表を決めてく
  ださい。 
  
  
  
  
  
・用紙は立てけいのものを用い
 大きく、のびのびと書かせる
・記述中は机間巡視により、文
 字や表紀について個人指導を
 行なったり、書く内容がわか
 らなくて困っている児童に相
 談にのってやったりする。
  
・グループの代表作を選ぶ場合
 には書く前に話し合った観点
 に合っているか、または、そ
 れに近いものを選ぶようにす
 る。
  
  
  
・代表に選ばれた作品を板書し
 て、みんなで話し合わせる。
 みんなで読んでなおせるとこ
 ろは、なおして、よりよいも
 のにする。  
 
 
 T もっとよくなおす
  ところがあったら言
  ってください。
 T では、この文章を
  ○○君に立札に書い
  てもらいます。 
・立札に書く児童は、みんなで
 話し合って、字のじょうずな
 者をあらかじめ決めておく
・立札は二か所ぐらい、異なっ
 た文章のものを立てるのもよ
 い。
・代表以外の全員の作品を掲示
 して、みんなで読み合うよう
 にする。  

この間に、教材「おしらせ」を読んだり、教材の文章を視写
したりする活動が行なわれる。
 ※読解指導の観点
  ○掲示の必要性や働きを知り、掲示を書こうとする意欲
   を持つ。
  ○掲示板の作り方や掲示文の書き方を知る。
  ○文字をていねいにきれいに書くようになる。
 (2) 作文指導第2時間
 学習目標 掲示板を作って、各係から、知らせたい事項を
  書くことにより、学級生活をより楽しく生き生きとした
  ものにする。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
○掲示板の必要や目的に
 ついて話し合ってたし  
・教材を読んだあとで、掲示板
 の必要性やその働き、作る計 
 

 169

 かめる。(5分)
  「お知らせ」にどん
  なことを書いて知ら
  せてあげたいです
  か。
 C 学級文庫係
 ○新しい本がはいった
  こと。本をていねい
  に読んでもらいたい
  こと。
 C 給食係
 ○食べ残しのないよう
  に、あとしまつをき
  れいにするようにお
  願いする。
 T 今のようなお知ら
  せを読むとみんなは
  どう思いますか。
 C いろんなことがわ
  かってべんりだ。
 C 注意などはよくま
  もろうと思う。
A書きぶりについて話し
 合う。   (5分)
 T どのように書いた
  らみんなによくわか
 
 画などはあらかじめ話し合っ
 ておき、それぞれの係ごとに
 どのようなことを書くか考え
 ておくようにする。
・それぞれの係の発表の要点は
 板書してまとめる。
  
<板書例> 
o学きゅう文こがかり
  o新しい本のこと。
  o本の読み方のこと。
o学きゅうえんがかり
  o花のめのこと。
oきゅうしょくがかり
  oたべのこしのこと。
  oあとしまつのこと。 
 
 
 
  ってもらえるでしょ
  う。
 C 気持ちや考えなど
  も書く。
 C 字をていねいに正
  しく書く。
B各係ごとにお知らせの
 文章を書く。(15分)
 T では、係ごとにど
  んなことについて書
  くか話し合って、め
  いめい文章を書きま
  しょう。みんなが代
  表になったつもりで
  書いてください。
  
  
  
  
Cグループごとに読み合
 って代表を決める。
      (10分)
 T みんなの書いたも
  のを読み合って代表
  を決めましょう。
 T 代表が決まった  
  
・かならずしも、時、場所にと
 らわれる必要はないが、知ら
 せたい事実をはっきりおさえ
 て書かせるようにする。
   
・それぞれの係のリーダーを中
 心に学習活動を進める。
・それぞれ考えてきたことをグ
 ループごとに話し合って、ど
 んなことについて書くかを決
 め、決めたことについてひと
 りひとりが文章を書くように
 する。
・用紙は、西洋紙か画用紙の無
 罫のものを用いる。
・必要に応じてグループでの話
 し合いや文章の書き方につい
 て相談にのってやる。
・グループの代表を選ぶ場合に
 は、次の観点から選ぶように
 する。
 ○みんなで決めたことについ
  て書いてあるか。
 ○知らせようとすることにつ
  いて、「いつ、どこで、何
  
 

170

  決められた場所には
  り出して、みんなに
  読んでもらいましょ
  う。
 
 
 
Dおしらせを読んで話し
 合う。  (10分)
 T 読んでどんなこと
  がわかりましたか。
 C 学級園係について
  給食係について、
 T 書きぶりについて
  気がついたことを話
  してください。 
  がどうした。」「いつ、どこ
  で、何をどうした。」などが
  はっきり書いてあるか。
 ○文字は正しく、大きく書い
  てあるか。
 ○気持ちや考えなども書いて
  あるか。
・書き方について、先に話し合
 った要点の板書を準備してお
 くのもよい。
・お知らせをみんなで読み、今
 後も継続してお知らせを書い
 ていくようにする。その際は
 できるだけ交代して書くよう
 にする。 

七 作文の処理と評価
 (1) 処理
  1 書き終わった立札の文章を読んで発表させる。
  2 立札にはって学級園に立てる。
  3 代表にならない児童の作品を壁面に掲示する。
  4 各係ごとにお知らせの文章を掲示してみんなで読み
   合う。
  5 代表にならなかった児童の文章は、できるだけみん 
     なの前で発表させる。
 (2) 評価
  1 評価の観点と基準
    知らせたいことや注意してもらいたいことが適切で
   読み手にわかるように書いてあるか。
   A 書かれていることが現実の生活問題から適切なも
    のが選ばれている。また掲示の目的に合わせて具体
    的に書かれている。
   B 取りあげた問題は適切であるが、知らせたりうっ
    たえたりする力が弱い。
   C 問題が適切さを欠き、目的がはっきりしない。
  2 文字の大きさが適当で、形が正しく書いているか。
   A 文字の大きさは過当で読みやすく、また、誤りも
    ない。
   B 大きさは過当であるが、形の乱れや誤りがある。
   C 大きさに適切さを欠き、乱れや誤りが多い。

  (2) 五 月

機  能  感動を訴え自己を伸ばすために書く。 
学習活動  1 子どもの日や母の日などの生活や行事
 について経験を書く。 
学習事項  1 進んで書こうとすること。
2 したこと、見たことの順序を思い出し
 て書くこと。
3 心に感じたことがわかるように書くこと。 
 

171

題 材 例  予どもの日 小運動会 こいのぼり
母の日 ぼくのおかあさん しょうぶゆ
かしわもち 五月人ぎょう。 

    単 元  子どもの日

一 単元について
 五月五日の子どもの日は、国民の祝日として、子どもの健
やかな成長と幸福を祝ったり祈ったりする日である。
 この日を中心として家庭や学校ではいろいろなお祝いや行
事が行なわれ、その中で児童は豊かな生活を経験する。
 これらの楽しい生活経験の中から、話題や題材を選定し、
それを中心として言語活動を組織することはきわめてだいじ
なことである。それは児童の興味や、欲求にあっているばか
りでなく、その感動を通して自己の成長発展を期することが
できるからである。
二 単元の学習目標
 子どもの日の書びや感動を書いて知らせ合うことによって
心情を豊かにする。
三 単元の学習内容
 (1) 学習活動
  l 子どもの日を中心にした生活や行事について話し合 
     う。
  2 教材「子ども会」を読む。
  3 好きなところやおもしろいところを抜き出して視写
   する。
  4 子どもの日や母の日などの生活や行事について経験
   を書く。
 (2) 学習事項
  l 順序をたどって読むこと。
  2 進んで書こうとすること。
  3 好きなところやおもしろいところを抜き出すこと。
  4 したこと、見たことの順序を思い出して書くこと。
  5 心に感じたことがあらわれるように書くこと。
  6 書いたものを読み直すこと。
  7 「。」を正しくうつこと。
四 この単元に用意された教材
 「子ども会」は、子どもの日に、近所の友だちと子ども会
を開いた作者が、楽しかったことを思い出して、自分のした
こと、友だちの歌やおどりを見たり聞いたりしたこと、会場
の様子などを経験の順序にしたがって書いた作文である。
 児童はこの教材を読むことによって、自分も子どもの日の
楽しかった経験を作文に書いて先生や友だちに知らせようと
する意欲を持つ。同時に、作者の書きぶりから、自分のした
こと、見たことの順序を思い出して書くための参考とするこ 

172

とができるであろう。
 また、好きなところやおもしろいところを話し合ったり、
視写したりすることにより、よく思い出して、くわしく書く
ことの基礎学習ができよう。
五 単元の指導計画(4 時間)
 (1) 子どもの日を中心とした生活や
  行事について話し合う。────────┐
 (2) 学習の目的と見通しについて話し合う。├(2 時間)
 (3) 教材「子ども会」を読む。──────┘
 (4) 好きなところやおもしろいとこ────┐
  ろについて話し合う。         |
 (5) 好きなところやおもしろいとこ    ├(1 時間)
  ろを抜き出して視写する。───────┘
 (6) 子どもの日や母の日などの、生活
  や行事について経験を書く。(1 時間)
               (作文指導第1時)
  ・どんな経験を書くか決める。
  ・その時の様子を経験の順序に思い出して話し合う。
  ・思い出したことをもとにして作文を書く。
  ・書いたものを読み直す。
 (7) 書いた作文をみんなで読んで話(1 時間)
  し合う。
                (作文指導第2時)
展 開 例  略  
     作品例
    予どもの日
 きのうは、予どもの日で、男の子のおせっくです。それ
でわたしは、学校で作ったこいのぼりをたてました。しゅ
うちゃんもようちえんで作ったこいのぼりをあげていまし
た。
 かしわもちもうりにきました。けれどもかわないで、う
ちで作りました。三時になったのでうちの人たちといっし
ょにおちゃをのみました。わたしは、おもわず、「わあ、
かしわもちだ。」というと、おにいさんも、「わあ、ほん
とだ。」といいました。わたしもおにいさんもよろこんで
とびあがってしまいました。
 おとうさんが、「さあ、いくつずつかな。」とおっしゃ
ったので、わたしは、よくぼって、「五つずつ」といいま
した。すると、おかあさんは、三つずつくださいました。
 

 ※このような作品で、こいのぼりをどんなふうにたてた
  か、そのときの気持ちはどうだったかなどについて思
  い出して書くとなおくわしくなることに気づかせるこ
  とができる。


機  能  学校行事に参加した経験を深めるために書く。 

173

学習活動  1 遠足の注意を聞いて書く。
2 遠足や見学の経験を書く。 
学習事項  1 順序をたどって書くこと。
2 楽しい様子が感じられるように書くこと。
3 書いたものを読み直すこと。 
題 材 例  えんそく 山のぼり しおひがり 
○○公園。 

    単 元  えんそく

一 単元について
 この時期には、多くの学校で春の遠足が計画される。学校
の生活の中で遠足は、とくに低学年の児童にとってもっとも
楽しくうれしい行事のひとつである。
 したがって、それらについて表現しょうとする意欲はきわ
めて強く、また、内容も豊富である。この遠足の体験を、家
の人などに口頭で話すだけでなく、文章に書いて知らせるこ
とは、経験したことの断片的な印象をしっかりと定着させ、
さらに、それらの経験を深めていくのに役だつであろう。
二 単元の学習目標
 遠足の文章を読んだり、自分の経験を書いて家の人に知ら
せたりして、社会性を増し経験を深める。 
  三 単元の学習内容
 (1) 学習活動
  l 教材「森山ぼくじょぅ」を読む。
  ※遠足の計画を聞く。
  2 自分たちの遠足についての簡単な注意を聞いて書
   く。
  ※実際に遠足をする。
  3 遠足や見学の経験を書く。
 (2) 学習事項
  l 注意を集中して聞くこと。
  2 書いてあることの順序にしたがって読むこと。
  3 遠足や見学の文章を進んで書こうとすること。
  4 遠足の順序にしたがって書くこと。
  5 楽しい様子が感じられるように書くこと。
  6 書いたものを読み直すこと。
  7 書くために必要な語句を身につけること。
四 この単元に用意された教材
 (1) 「森山ぼくじょう」は遠足について、学校出発から目
  的地の森山ぼくじょうで見学したことまでを、経験の順
  序にしたがって書いた作文教材である。
  この教材を読むことによって、自分も遠足について書こ
  うとする態度や遠足で経験したことの順序をたどって書
  く能力を身につけることに役立てられる。
五 単元の指導計画(5 時間) 

 174

 (1) 遠足や見学のことを話し合う。──┐
 (2) 「森山ぼくじょう」を読む。───┴(1 時間)
 (3) 自分たちの遠足や見学についての簡単な注意を聞いて
  書く。───(1 時間)    (作文指導第1時)
  ※遠足や見学をする。
 (4) 遠足や見学に取材して作文を書く。───┐
  ・遠足や見学でおもしろかったことやめず |
   らしかったこと、わかったことなどを話 |
   し合う。               |
  ・出発から帰るまでの場所の順序を簡単に |
   メモする。              ├(1 時間)
  ・遠足のどのことを書くか決める。(「出発  |(作文指
   から帰るまで」か「その中でのあるとく | 導第2
   べつの場所や経験のことか」)     | 時)
  ・決めたことについて作文を書く。    |
 (5) 書き終わった作文を読み直す。─────┘
 (6) 家の人に読んでもらう。
 (7) みんなで読み合って話し合う。(1 時間)
               (作文指導第3時)

六 作文学習指導の展開
 (一) 作文指導第1時間
  学習目標 自分たちの遠足について簡単な注意を聞いて
   書くことにより、楽しくりっぱな遠足をしようとする
   気持ちを高める。 
    ※この前に、教材「森山ぼくじょう」を読む活動、こん
   ど行く遠足についての計画(行き先、時間、道順)な
   どについて聞く活動がある。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 遠足で注意すること
 を書く。  (10分)
 T 遠足に楽しく行っ
  て来るにはどんなこ
  とに注意したらいい
  でしょう。
 C あぶない所へ近よ
  らないようにします
 C いろいろなものを
  よく見てきます。
 T そのように気をつ
  けることを書いてみ
  ましょう。
A書いたことを話し合
 う。
 T それでは、書いた
  のを見ながら気をつ
  けることを話しまし
  ょう。
B 遠足の簡単な注意を
 聞いて書く。 (20分)
 
・この学習は目的からいっても
 遠足の前日か、二日前ぐらい
 に行なうのが効果的である。
・楽しく遠足に行くためという
 目的をはっきりさせてから、
 気をつけることを自由に書か
 せる。
・正しい文型で簡潔に書く。話
 すとおりに書いてよい。
○言おうとすることがわかるよ
 うに書くこと。
・話したことを中心にして注意
 をまとめて板書する。このま
 とめをもとにして、とくにた
 いせつな注意を教師があとで
 まとめて話す。
・聞いて書くことの必要性を自
 覚させる。 

 175

 T 今みなさんが言っ
  たことを先生がまと
  めて言いますからそ
  のとおりに書いてく
  ださい。それをうち
  の人にも見ていただ
  きましょう。
  
・用紙は西洋紙半分にたてけい
 を引いたものか、または、ノ
 ートでもよい。
・はじめにふつうの速さで話
 し、2回めにはゆっくり話し
 て聞かせ、時間の余ゆうをじ
 ゆうぶんとるようにする。
・できるだけ児童の使う文型を
 練習するようにして作文の役
 に立てるようにする。 
@ あつまる時間におくれないようにしましょう。
A みんなできめたことをよくまもりましょう。
B あぶないところへ近よらないようにしましょう。
C べんきょうのやくにたつことをよく見てきましょ
 う。 
B 書いたものを読みな
 おして確かめる(15分)
 T 書き終わったら読
  み直しましょう。
 T 先生が今のことを
  黒板に書きますか
  ら、自分の書いたも
  のとくらべてくださ
  い。まちがっていた
  ら直しましょう。字 
・漢字にはあまりこだわらない
 が、あとで読み直す時に知っ
 ている漢字は直してもよい。
 
○文字の形や筆順に注意して正
 しく書くこと。
 
・板書の正しい文とくらべて、
 まちがっていたところを正し
 く直させるようにする。 
 
 
  やかなづかいにも気
  をつけましょう。
 T 今の注意をよく守
  って楽しく遠足に行
  って来るようにしま
  しょう。 
 
 (2) 作文指導第2時間
  学習目標 楽しかった遠足の様子を書いて知らせること
   によって社会性を増し遠足の楽しかった経験を深める 
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@遠足で楽しかったこと
 などを話し合う。
       (5分)
 T 遠足の楽しかった
  ことをもっとよくわ
  かるように作文に書
  いて家の人に知らせ
  てあげましょう。
 T 楽しかったことや
  めずらしかったこ
  と、わかったことな
  どはどんなことでし
  ょうか。
 C 電車の中から外の
  景色を見たこと。  
 
 
・書くことによりさらに詳しく
 家の人に知らせてあげるとい
 う目的をはっきりさせる。
 
 
 
・活発に話し合わせて書く内容
 を豊富にさせる。
 
○遠足の様子をよく思い出すこ
 と。  

 176

 C 遊園地でいろんな
  乗物に乗ったこと
 C めずらしい動物や
  草花を見たこと。
A 遠足の順序を思い出
 してたしかめる。
       (5分)
 T いろいろあります
  ね。どんな順序で行
  って来たかもう一度
  思い出してみましょ
  う。  
 
 
 
 
 
・児童の発表を板書して書くと
 きの参考にする。
○遠足に行って来たことの順序
 に従って書くこと。
・思い出した順序ごとに場面や
 事物の略画のカードをさげる
 のもよい。  
学校出発―○○駅―○○ゆうえん地―しゃしんをと
る。―動物えん―乗物―おべんとう―温室―水ぞっ
かん―○○駅―○○駅―学校  
B 決めたことについて
 作文を書く。 (25分)
 T では、これから書
  いてもらいます。と
  くに、一つか二つの
  ところだけ書きたい
  人は、はじめから終
  わりまで全部書かな
  くてもいいですか
  ら、そのところをよ
  く思い出して、くわ  
・順序をあまり強調して、個性
 や内容の乏しい類型的な作品
 にならないように注意する。
 とくに印象に残った場面をよ
 く思い出させて具体的に生き
 生きと書くようにする。
・全部の順序について話し合っ
 ても、遠足のすべてを書くこ
 とは要求しない。それぞれ、
 書きたい場面にしぼって、た
 とえば「電車の中のこと」 
 
 
  しく書いて知らせて
  あげましょう。
 
 


 
 
 
C 書いたものを読みな
 おす。  (10分)
 T 書き終わった人
  は、遠足の様子が家
  の人によくわかるか
  どうかもう一度読み
  直してください。
 T では書き終わらな
  い人は、あすまでに
  うちでまとめてきて
  ください。そして、
  みんな、家の人によ
  く読んでもらいまし
  ょう。あすはみんな
  で、作文を読み合っ
  たり、家の人のお話
  を発表してもらった
  りします。 
 「○○ゆうえん地」などの題
 でもよいことにする。
・記述中はいちじるしく順序の
 ちがっているものに注意を与
 えたり、地名、場所、見学事
 項、ことば、文字などのわか
 らないものの相談にのってや
 る。



○書くために必要な語句を身に
 つけること。
・早く書きあげた児童は手もと
 に呼んで作品を読んでやった
 り、読ませて聞いてやったり
 する。おたがいに交換して読
 み合わせるのもよい。
・書き足りないところはない
 か、順序や文字はどうかなど
 に注意しながら読み直させ
 る。文字や表記のまちがいは
 自分ではなかなか気づかない
 ので、友だちに読んでもらう
 のもよい。
○書いたものを読み直すこと。
 

 177

 (3) 作文指導第3時間
  学習目標 遠足について書いた作文を家の人に読んでも
   らった時のことを発表したり、みんなの作文を読み合
   ったりして、遠足のときの楽しさをいっそう深めるこ
   とができる。
 学 習 活 動 学習事項および留意点 
@ 家の人に読んでもら
 った時のことについて
 発表し、話し合う。
      (25分)
 T きのうは遠足の作
  文を家の人に読んで
  もらいましたね。そ
  の時の様子を話して
  ください。
 T 家の人たちも遠足
  の様子がよくわかっ
  て喜んだようです
  ね。これからも、い
  ろんなところへ行っ
  たときは作文に書い
  てみんなに知らせて
  あげましょう。
A 友だちどうしの作文
 を読み合って話し合
 う。   (20分) 
・三、四人の児童に、自分の作
 品を読ませてから、家の人に
 読んでもらった時の様子や、
 その時言われたことば、批評
 などを話させる。
・発表の都度、他の児童にも、
 気がついたこと、思ったこと
 などを話させる。
・発表を聞く場合は、書く時に
 気をつけたところ、たとえば
 遠足に行って来た順序はどう
 か、その時の様子がよくわか
 るかどうかなどの観点をもと
 にして聞くようにする。
・児童たちの感想の要点を板書
 して次の話し合いのもとにす
 るのもよい。
・全員に発表させることはでき
 ないので、回覧したり掲示し
 
  
 
 T では友だちどうし
  作文を交換して読み
  合ってください。友
  だちの作文を読んで
  気がついたことや思
  ったことを話しても
  らいましょう。
 C ○○さんのはゆう
  えん地で遊んだこと
  がくわしく書いてあ
  ってよくわかった。
 C ○○君のは電車か
  ら見た外のけしきの
  様子がよく書いてあ
  った。
 たりして、できるだけ発表
 の機会を作るようにする。
・教師の感想批評も、全体的
 にまた個人指導の際などに
 できるだけ与えて、はげみ
 を持たせるようにする。

   作品例

 きのうは、えんそくでとしまえんへ行きました。しやしん
をとってからロケットにのりました。だんだんはやくなって
きて、ロケットはわたしたちをおっことすようなはやさで走
りだしました。
 みんなは、キャーキャーいいながらのっていました。わた
しは、はじめのうちは、「こわいなあ、あたしいやだなあ。」
といっていましたが、のったらとても元気がでてきて、うれ
しくてたまらなくなってきました。 

 178

 ロケットはぐるぐるまわって、上にいったり、下にきた
りします。下にくると、田村さんが、どっすんとわたしの
方へよっかかります。とってもはやいので、けが、とぶよ
うでした。
 わたしは、手をふりながらのっていました。発生もおも
しろそうに見ていらっしゃいました。 
 そして、おべんとうをたべてから、こいにえさをあげてい
たら、こいがたくさんよってきて、大きな口をあけて、ぱく
ぱくとおいしそうにたべました。
 ※――を引いた部分、   の部分などを視写させたり、
  作者の気持ちがよく出ていることなどを話し合ったりし
  て、この部分だけでも独立した文章になることを気づか
  せる。これらの扱いによって「短い文(詩)」を書くこ
  とへの芽生えを育てることができる。

七 作文の処理と評価
 (1) 処理
  1 書き終わった作文を家の人に読んでもらって遠足の
   時の様子をよく知ってもらう。
  2 できるだけ時間をとって学級の友だちに発表させる
  3 掲示したり回覧したりして発表の機会を作る。
 (2) 評価
  評価の観点と基準
   遠足の作文を読んだり学習の過程を観察したりして  
    次の観点と基準により評価する。
  l 遠足に行ったときの様子を読む人によくわかるよう
   に、書いているか。
   A 遠足のときの様子をよく思い出し、様子や行動が
    わかるように書いている。
   B 様子や行動は書いてあるが、具体的でない。
   C 行動だけしか書いてない。
  2 経験を行動の順序に従って書いているか。
   A 遠足に行ったことの順序に従って書いてある。
   B ところどころ順序の乱れがある。
   C 順序に乱れがある。
  この他、次の点について評価する。
  3 目的をはっきりして進んで書こうとしているか。

  (3) 六 月

機  能 友だちと遊んだ経験を深め社会性を育てる
ために書く。 
学習活動  友だちと遊んだことを文章に書く 
学習事項  1遊んだことを順序よく書くこと。
2「。」を正しくうつこと。 
題 材 例   ○○ごっこ    ままごと
 その他のあそび  
  

 179

    単 元  がっこうごっこ

一単元について
 この期の児童の遊びを調べてみると、学校ごっこ、お人ぎ
ょうごっこ、おみせやさんごっこ、ままごとなどのごっこ遊
びが多い。中でも、弟妹や近所の友だちとする学校ごっこが
多いのは、学校生活や学習に関心を持っている証拠である。
ここでは、学校ごっこをとり上げて、その遊びを意識化し、
経験を深めていきたい。
二 単元の目標
 ごっこに取材した文章を読んだり書いたりして、友だちと
なかよく遊ぶ楽しさを深め社会性を増す。
三 単元の学習内容
 (1) 学習活動
  l 友だちとごっこ遊びなどをした経験を文章に書く。
  2 書いたものを発表し合う。
  3 教材「がっこうごっこ」を読む。
 (2) 学習事項
  l 楽しいふんい気や場面を読みとること。
  2 どんな順序で書かれているかを読みとること。
  3 遊んだことを順序よく書くこと。
  4 「。」を正しくうつこと。
四 この単元に用意された教材
  がっこうごっこ 
     二年生の男児が先生になって、一年生の子や幼児とい
  っしょに学校ごっこをしている様子を書いた生活童話。
  犬が登場したり、幼児のあどけない質問があったりして
  楽しいふんい気をだしている。
  叙述面では、
 ○はじめに先生のことばをだして遊びの場面を設定し
 ○その後で、遊びの仲間を紹介し、
 ○それから学校ごっこが展開する。
  という順序になっている。また、会話が多いのも大きな
 特徴である。しかし、これらをただちに児童の作文にとり
 入れさせることは無理である。
五 単元の指導計画(5 時間)
 (1) このごろの遊びについて話し合う──┐
 (2) 友だちと遊んだことを文章に書く──┴(1 時間)
               (作文指導第1時)
  ・書くことを決める
  ・記述する
  ・読み直す
 (3) 書いたものを発表し合う(1 時間)
  ・隣の者同士で発表し合う。
  ・友だちの前で作文を読む。  (作文指導第2時)
  ・発表された作文について話し合う。
  ・「。」を正しくうつ練習をする。
 (4) 教材「がっこうごっこ」を読む(3 時間) 

180

六 作文学習指導の展開
 (一) 作文指導第1時間
    略
 (二) 作文指導第2時間
  学習目標 友だちと遊んだ経験を広め発表された作文に
   ついて話し合うことができる。

 学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 作文を隣の者同士で
 読み合って話し合う。
      (10分)
 T きょうは、はじめ
  に、作文をとなりの
  人と取りかえて読み
  合って、どんなこと
  がわかったか、どこ
  がよくわからなかっ
  たか話し合いましょ
  う。
A プリントされた作文
 を読んで話し合う。
 T こんどは、河野君
  の作文を読んで勉強
  しましょう。
  <資料> プリント
 
・まず、自分の作文をすらすら
 読めるように練習させてから
 取りかえ て読み合う。
○読み合うときに「。」の落ち
 ているところなどに気をつけ
 させる。 
 
 
    かんけり           河野岩男
  ぼくは、きのう、りょうへいくんと のはらくんと
 ぼくと三人で、かんけりをしました。
  はじめぼくがおにになりました。のはらくんをはじ
 めにみつけました。りょうへいくんもみつけました。
  こんどは、のはらくんのおにです。ぼくは、おもい
 きってかんをけりました。へいにあたって、かんはぺ
 ちゃんこになってしまいました。なおしてから、また
 やりなおしました。こんどはへいきでした。かくれま
 した。のはらくんは、かんをひろって、ぼくたちをさ
 がしています。ちょっとかおを出したらみつけられて
 しまいました。つかまえられないのは、りょうへいく
 んです。りょうへいくんははしらのかげにいます。ち
 ょっとあたまを出したから、みつかってしまいまし
 た。こんどもぼくのおにです。のはらくんがけりまし
 た。ぼくはおいかけました。そのときのはらくんが、
 ゆうがただからかえるといいました。ぼくもかえりた
 くなりました。みんなわかれてかえりました。  
 T 河野君の作文を読
  んで、どんなことが
  わかりましたか。
 C かんけりをしたこ
  と。
  C河野君がおににな
  った。  
・この資料は上の中の作品であ
 る。
 
 
・児童の発表した部分を読ませ
 て、前後の関係をとらえさせ
 る。 
 
  181

 C 河野君がけとばし
  たら、かんがぺちゃ
  んこになってしまっ
  た。
 T はじめはだれがお
  にになりましたか。
 C 河野君。
 T 二回めは
 C のはらくん。
 T 三回めは。
 C 河野君。
 T 一回めはどこから
  どこまでですか。
  二回はどこからどこ
  までですか。三回め
  はどこからどこまで
  ですか。
 T 二回めのことがい
  ちばん長く書いてあ
  りますね。○○さん
  そこを読んでくださ
  い。
 T かんをぺちゃんこ
  にしたり、ちょっと
  かおを出したらみつ
  かってしまったりし
  
1 はじめはぼくがおににな
 りました。
2 こんどはのはらくんのお
 にです。
3 こんどもぼくのおにです
 
 
 
 
・この作文は一回、二回、三回
 と、はっきり整理して書きわ
 けられている。各回のきれめ
 に「」をつけて、はっきりつ
 かませたい。
○できごとの順序をたどって書
 くこと。  
 
 
  たことがよくわかり
  ますね。
B「。」をうつ練習をす
 る。   (10分)
 T もうひとつ、作文
  をプリントしておき
  ましたから、読んで
  ください。  
○「。」を正しくうつこと。
・まだ、「。」を正しくうてな
 い児童が多い。ここでは、句
 点を正しくうたないと読みに
 くいことを認識させて、練習
 にはいる。  
  おやつをたべてから、また、おはじきをしましたわ
 たしはじゃんけんにまけたので、よう子ちゃんがさき
 にやりましたよう子ちゃんがあうとになったので、こ
 んどは、わたしのばんですわたしのほうがうまいの
 で、いっぱいとれますそのうちに、ごはんのよういが
 できましたよう子ちゃんは、うちでごはんをたべてい
 くのです
  きょうのおかずは、ちゃわんむしですわたし、ちゃ
 わんむしがだいすきですよう子ちゃんもだいきだそう
 ですおいしい、おいしいといって たべました 
 T どうですか、すら
  すらと読めましたか
 C 読みにくい。
 T なぜでしょう。
 C 「。」がうつてな
  いから。
 T では「。」を正し
 
 
 

 182

  くうちましょう。
 T 「。」がいくつう
  てましたか。作文の
  終りに、「。」の数
  を書いてください。
C 自分の作文を読み直
  して、「。」を正し
  くうつ。(10分)
 T 自分の作文をもう
  一度読み直して、
  「。」を正しくうっ
  てください。できた
  人は、友だちと交換
  して、「。」がぬけ
  ていないかどうか調
  べてもらいましょ
  う。
    以下略  
 
・「。」は十個になる。
・教師が作文を読み、「。」の
 ところで、「まる」といわせ
 て、正しくうてたか検討す
 る。 



機  能  学級生活に適応し改善するために書く 
学習活動  給食で経験したことを書く。 
学習事項  1 よく思い出して書くこと。
 
2 様子をくわしく書くこと。 
題 材 例  おいしかったきゅうしょく。
パンくばりのこと。
きゅうしょくとうばん。 

    単 元  きゅうしょく

一 単元について
 給食の時間は、一日の学校生活のうちで、もっとも楽しく
うれしい生活のひとつである。この時期の児童は、ほとんど
が、みんなといっしょに食事をする時間を無邪気に楽しみに
している。
 また、二年になってからは、配膳や食事の分配なども当番
を決めて、自分たちでする。
 したがって、学校や家庭においても、給食についての話題
は豊富であり、表現意欲もさかんである。
 給食の献立のこと、おいしかったか、まずかったか、食べ
残しをしたかどうか、係になって働いた様子など、断片的に
話していることを、文章にまとめて書くことは、給食につい
て関心を深め学校生活全般をより楽しいものにするばかりで
なく、かっぱつな表現を通して作文力を高めるのに適当であ
る。
二 単元の学習目標
 給食の楽しさや給食の係になって働いた経験を作文に書き
 

 183

家の人に知らせて、より充実した楽しい給食の時を過すこと
ができるようになる。
三 単元の学習内容
 (1) 学習活動
  l 教材「ミルクくばり」を読む。
  2 給食で楽しかったことや係になって働いたときのこ
   とを思い出して作文に書く。
  3 できあがった作品をみんなで読んで話し合う。
  4 作品を家の人に読んでもらう。
  5 家の人に読んでもらったときのことや家の人のこと
   ばを発表し合う。
 (2) 学習事項
  l 書いてあることの順序をたどって読むこと。
  2 好きなところやおもしろいところを抜き出すこと。
  3 経験をよく思い出して書くこと。
  4 「、」に注意し、また、「。」を正しくうつこと。
  5 かたかなを書くこと。
  6 書いたものを読み直すこと。
四 この単元に用意された教材
 「ミルクくばり」は給食の時間に、作者がミルクを配った
経験について、そのときの服装、どのように配ったか、友だ
ちの様子、先生の様子などを、詳しく具体的に書いた文章。
これを読んで、児童は、自分も給食の時のことを書いてみよ
うという意欲を高めると同時に、くわしい書き表わし方がわ 
  かる。また好きなところやおもしろいところを抜き出して書
くことにより、食品名や料理名などから、かたかなを読み書
く能力をのばすことに役立てることができる。
五 単元の指導計画(6時間)
 l 給食で楽しかったこと、働いたことなどの経験を話し
  合う。────────────────┐
 2 学習の見通しについて話し合う。   ├(3時間)
 3 教材「ミルクくばり」を読む。────┘
 4 給食で楽しかったことや働いたときのことを思い出し
  て作文に書く。(1時間)
                  (作文指導第1時)
  ・給食について作文を書くことを話し合う。
  ・給食の何のことについて書くかを決める。
  ・そのときの様子をくわしく思い出して話し合う。
  ・思い出したことについて作文を書く。
  ・書いたものを読み直す。
 5 作文を家の人に読んでもらう。
 6 家の人に読んでもらったときのことを
  発表し合う。(1時間)     (作文指導第2時)
 7 代表作を読んで好きなところやおもしろ┐
  いところを書きぬく          |
 8 かたかなで書くこと (作文指導第3時)├(1時間)
  ば集めをする。────────────┘
六 作文学習指導の展開 

 184

 この前に教材「ミルグくばり」を読む活動が行なわれる。
 ○作文学習と関連ある読解指導の要点
  ○作者はミルクくばりの時のどんなことをよく思い出し
   て書いているか。
  ○どのようにしてミルクをくばったか、その時の服装や
   くばり方、友だちの様子や自分の気持ち、先生や友だ
   ちのことばなど、くわしくいきいきとした書きぶりな
   ど。

 (一) 作文指導第1時間
  学習目標 給食で楽しかったこと、働いたことなどを書
   いて給食の楽しさを味わうことができるようになる。

 学 習 活 動 学習事項および留意点 
@ 給食の何のことにつ
 いて書くかを決める。
       (5分)
 T きょうは、給食の
  時のいろいろなこと
  を思い出して作文に
  書き、家の人に知ら
  せてあげるんでした
  ね。どんなことを書
  くか考えてきました
  か。
 C 給食のおいしかっ
  
・単元の最初にばく然といだい
 ていた「家の人に知らせてあ
 げる。」という目的をこの段
 階で再確認させる。
 
・前日、きょうの学習について
 予告しておき、何について書
 くかを考えてくるようにす
 る。
○書く目的をはっきりさせるこ
 と。
・決めてきたことを自由に発表
 
 
 
  たこと。おかずやミ
  ルクをくばったこ
  と。あとかたづけを
  したこと。
A その時の様子をくわ
 しく思い出して話し合
 う。    (5分)
 T そのときはどんな
  様子だったでしょ
  う、よく思い出して
  話してください。
 C 自分のしたこ
  と。先生や友だちの
  様子、気持ちなど。
B 思い出したことにつ
 いて作文を書く。
       (25分)
 T では、書くことが
  決まった人は、その
  時の様子をよく思い
  出して書いてくださ
  い。まだ何を書いて
  いいかわからない人
  は先生に相談してく
  ださい。
C 書いたものを読み直
  
 させ、文題を板書しておくと、
 書くことが決まらない児童に
 参考にさせることができる。
 
 
・二、三の児童に発表させ、ま
 た、他の児童から質問をさせ
 たりして、みんなの書く内容
 が豊かになるようにする。し
 かし、書く場合には、次々う
 かんでくる想が事前の発表に
 よってしばられないように注
 意してやる。
○経験をよく思い出して書くこ
 と。
・何を書いていいかわからない
 もの、想が中断して困ってい
 るものなどは、机間巡視をし
 たり、そばへ呼んだりして助
 言を与える。
・文字・表記については、とく
 に、献立・食品名のかたかな
 書き、「。」や「、」などに
 注意して観察、指導を行な
 う。  
 

 185

  す。(10分)
 T 書き終わった人は
  書き足りないところ
  はないか、文字や
  「。」はどうかなど
  に注意して読み直し
  ましょう。
 
 T 書き終わらなかっ
  た人は家でまとめて
  ください。
 
 T では、きょうの作
  文を家の人によく読
  んでもらいましょ
  う。家の人が読んで
  どのようにおっしゃ
  ったかあす発表して
  もらいます。 
・自分の知らせたいことが、家
 の人によくわかるように、く
 わしく書いてあるか、かたか
 な書きや「。」は正しいかと
 いう点に重点をおいて読み直
 しさせる。「、」については
 注意する程度にとどめる。
○書いたものを読み直すこと。
 
 
 
 
・家の人にはあらかじめ学習に
 ついて連絡しておき、作文を
 読んだ場合は、適切な指導や
 助言を与えてもらって、児童
 にはげみと満足感を持たせる
 ように配慮しておくのも効果
 があろう。
・適切な評やはげましのことば
 を書いてもらうのもよい。 
 (二) 作文指導第2時間
  学習目標 給食について書いた作文を家の人に読んでも
   らった時のことを発表したり、作文を読み合ったりし
   て、より楽しい給食をしようとする気持ちを高める。  
 
学 習 活 動  学習事項および留意点   
@ 家の人に読んでもら
 ったときのことについ
 て話し合う。 (25分)
 T きのうは給食の作
  文を家の人に読んで
  もらいましたね。家
  の人は何といいまし
  たか。発表してもら
  いましょう。
 C 楽しく、おいしく
  食べられてよかった
  ね。
 C 給食のおいしそう
  な様子がよく書けて
  いるね。
 C いっしょうけんめ
  い働いてよかった
  ね。
 
 
 
T 家の人にいろいろ
  ほめていただいてよ
  かったですね。発表
   
・三、四人の児童を指名して、
 作品を読んでから、家の人に
 読んでもらった時の様子や家
 の人のことば、批評などを話
 させる。
・発表のつど、他の児童に質問
 や感憩を言わせるのもよい。
 
 
 
・全員に発表させることはでき
 ないので、発表児童の話と同
 じょうなものは、挙手させた
 り、家の人の評だけを発表さ
 せたりする。
・発表を聞く場合は、くわしく
 思い出して書いているとこ
 ろ、いきいきと書いていると
 ころなどの観点をもとにして
 聞き、それらについても感想
 を言わせるようにする。
・発表できなかった分は、とじ
 て回覧したり、適当なところ
 に掲示したりして、全員に発
           
 

186

  できなかった人のは
  あとで交かんして読
  み合いましょう。
 
A おたがいに作品を交
 換して読み合う。
      (20分)
 T では友だちどうし
  作文を交換して読み
  合ってください。
 T 読んで気がついた
  ことや思ったことが
  あったら話してあげ
  ましょう。  
 表の機会を与える。また教師
 の感憩、批評を口頭でものべ
 るようにする。
 
 
 
 
・能力の同程度の者どうしで交
 換させるのも場合によっては
 一方法である。
・形式的な面だけでなく、内容
 の面についてもできるだけ感
 想意見を言わせるようにす
 る。  

 (三) 作文指導第3時間
  学習目標 児童文「パンくばり」を読んで好きなところ
   やおもしろいところを書きぬいて給食の楽しみをさら
   に深める。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 作品「パンくばり」
 の中の好きなところや
 おもしろいところを書
 きぬく。 (15分)
 T 前の時間には、家
 
 
・前時に読み合ったとき、児童
 に候補二、三点を選ばせて、
 その中から教師が選ぶように
 する。本時のねらいが達成で
 
 
 
  の人に読んでもらっ
  たときのことを話し
  合ったり、友だちの
  作文を読み合ったり
  しましたね。きょう
  は、○○さんの「パ
  ンくばり」を印刷し
  ておきました。よく
  読んで、ここは好き
  だなあ、ここはおも
  しろいなあと思った
  ところをノートに抜
  き書きしてもらいま
  す。書く時はかたか
  なのことばに気をつ
  けましょう。
 
 
 
 
 
 
 
A 書き扱いたものを発
 表して話し合う。
       (15分)  
 きる作品でなければならな
 い。
・なぜ好きなのか、なぜおもし
 ろいと思ったのか理由をはっ
 きりさせる。
 
・自分の書いた作文とくらべな
 がら読んで書き抜くようにす
 る。
・食品名・献立名など、かたか
 なで書いてあることばの書き
 方に注意して指導す
 る。
・読むときに、おもしろいとこ
 ろ、好きなところに――を引
 かせるのもよい。
・「。」や「、」にも注意して
 書き抜くようにする。
○かたかなを書くこと。
○「、」に注意し、また「。」
 を正しくうつこと。
・児童が書いている間は、机間
 巡視により、かたかな、「。」
 「、」などに重点をおいて指
 導する。また、書き抜いた理
 由を聞いてやるのもよい。 
 

 187

 T では、どんなとこ
  ろを書き抜いたかみ
  んなに発表してもら
  いましょう。その時
  は、書き抜いたわけ
  も話してください。 
・グループごとに書き抜いたも
 のを読み合って話し合うのも
 よい。
・なぜそのところを書き抜いた
 のか理由もはっきり話させる
 ようにする。 

    抜き書きの発表例
○わたしは、白いエプロンをかけて、あたまにも白い
 ずきんをかぶりました。エプロンをかけるとき、ひ
 もがなかなかむすべないでこまりました。みち子さ
 んがむすんでくれました。
   ○わたしもおなじようなことがあったから。
○パンばさみでパンをはさんで、一つ一つおさらにの
 せました。はじめのうちはなかなかうまくはさめな
 いでこまりました。もし、おっことしたらどうしよ
 うと思ったとたん、つるっとパンがすべりました。
 はっとしましたが、うまくおさらの中にはいったの
 でほっとしました。
   ○パンがうまくはさめないでこまっているよう
    すがよくわかるから。 
B 「パンくばり」を読
 んで味わう。
 T いろいろなことを
  書きぬきましたね。  
 
  
 
  これで、好きなとこ
  ろおもしろいところ
  がわかりましたか
  ら、「パンくばり」
  をはじめからずっと
  読んでみましょう。  
 

七 作文の処理と評価
 (1) 処理
  1 書き終わった作文を家の人に読んでもらう。
  2 給食のときなどを利用してできるだけおおぜいの者
   に発表させる。
  3 適当な場所に掲示するか、とじて回覧する。
  4 とじたものを家庭に回覧する。
 (2) 評価
  評価の観点と基準
    作品を読んだり学習の過程を観察したりして、次の
   観点と基準により評価する。
   1 経験をよく思い出し、くわしく具体的に書いてい
    るか。
    A 給食の時の自分の書こうとした経験について、
     自分の行動、他人やまわりの様子、心情などをよ
     く思い出し、具体的にくわしく書いている。
    B 自分の行動はよく思い出しているが、まわりの
     様子が書いてない。 

 188

    C 経験がよく思い出されていない。また、書こう
     とすることがはっきりしない。
   2 文字、とくにかたかなが正しくていねいに書かれ、
    文末には「。」をうっているか。
    A 食品名、献立名などがかたかなで正しく書かれ
     また文字もていねいで「。」も正しくうってい
     る。
    B 書きぶりはていねいであるが「。」のうちかた
     にあやまりがある。
    C 文字、「。」が不正確で乱雑である。

 (4) 七 月 

機  能  遊びの経験を豊かにし、自己を伸ばすため
に書く。 
学習活動  水遊びや虫とりなど、このごろの遊びに取
材して作文を書く。 
学習事項  1 できごとの順序をたどって書くこと。
2 遊びの様子をくわしくいきいきと書く
 こと
3 書いたものを読み直すこと。 
題 材 例  水あそび、海水よく、虫とり、
ほたるがり、魚つり、花火、
ぼんおどり、など。 
 
 
    単 元  夏のあそび

一 単元について
 楽しい夏休みも近づき、ギラギラかがやく太陽の下で、子
どもたちは、シャツ一枚で元気にとびまわっている。
 夏は、子どもたちにとって、うれしい活動の季節である。
 プールや川、海などでの水あそび、野山での虫とり、魚つ
りなど、都会地と、農村・漁村と、地域のちがいはあって
も、予どもたちの季節の遊びは多い。
 また、一年生のときとくらべて、その活動領域も広まり経
験も豊富になってくるので、それらについて表現しょうとす
る意欲も盛んであり、その内容も豊富である。
 したがって、この機会に、自分の遊んだ経験を作文に書い
て、おたがいに知らせ合うことは、かれらの生活をますます
豊かにし、充実した日々を送らせることができよう。
 楽しい夏休みへの期待を深めながら活発な学習を行なわせ
たい。
二 単元の学習目標
 季節の遊びについて書いた文章を読んだり、それらについ
て作文を書いたりして、遊びの経験を豊かにすることができ
る。
三 単元の学習内容
 (1) 学習活勒
  1 教材「水あそび」を読む。  

 189

  2 このごろの遊びに取材して作文を書く。
  3 書いたものを発表し合う。
 (2) 学習事項
  l 書いてあることの順序をたどって読むこと。
  2 遊びの順序をたどって書くこと。
  3 遊びの様子をくわしくいきいきと書くこと。
  4 書いたものを読み直すこと。
  5 「、」に注意し、また、「。」を正しくうつ
   こと。
四 この単元に用意された教材
 「水あそび」は作者が夏休みのある午後、高校生の兄とと
もに、川に水あそびに行き、およぎをおしえてもらったこと
を経験の順序にしたがって書き表わした作文。
 この教材を読むことによって、児童は、自分の遊びの経験
も書いてみようという意欲を高め、また、行動の順序に従っ
て書くことや場面場面における気持ちやまわりの人の様子な
どのくわしい書きぶりに注意して、自分が実際に書く場合に
役立てることができるであろう。
 しかし、この教材は、この期の児童の作品としては、かな
りの長文であり、描写もかなり高度と思われるので、実際に
書く場合の意欲をそこなわないよう、注意して扱いたい。
五 単元の指導計画(5 時間)
 l このごろの生活や遊びにづいて話し合
  う。─────────────────┐
 2 学習の目的と見通しについて話し合う。| 
   3 「水あそび」を読む。────────┼(3 時間)
 4 作者の行動の順序を調べて話し合う。─┘
 5 このごろの生活やあそびについて作文を書く。
  (1時間)
                (作文指導第1時)
  ・書くことを決め、どのように書いたらいいか話しあ
   う。
  ・作文を書く。
  ・書いたものを読み直す。
6 作文を読み合う     (1 時間)
                (作文指導第2時)
  ・おたがいに読み合って話し合う。
  ・「。」「、」のうち方について練習する。
  ・夏休みで遊んだことも作文に書くことを話し合う。

六 作文学習指導の展開
 この前に、教材「水あそび」を読む活動が行なわれる。
 ○作文学習と関連ある読解指導の要点
  ○作者は水あそびに行ったことをどんな順序に書いてい
   るか。
  ○はじめて水にはいる時、おにいさんにおよぎを教えて
   もらう時、ひとりで少しうくようになったときなどの
   様子のいきいきとした書きぶりなど。
 (一) 作文指導第1時間
  学習目標 このごろの生活や遊びの様子をくわしく書い
 

 190

    て生活経験を豊かにし深める。
 学 習 活 動  学習事項および留意点
@ 目的を確認して書く
 ことがらを決める。
       (5分)
 T きょうは、このご
  ろ遊んだことなどを
  作文に書いて、みん
  なに知らせてあげる
  のでしたね。どんな
  ことを書くか決めて
  きましたか。
 C 遊びのこと、生活
  のこと、行事のこと
  など。
A どのように書いたら
 よいか話し合う。
       (5分)
 T みんなによくわか
  ってもらうにはどん
  なところに注意して
  書いたらよいでしょ
  う。
 C 遊んだり何かした
  ことの順序に書いて
  いく。 
・書く目的をはっきりさせる。
・前日、きょうの学習を予告し
 ておき、何について書くかを
 決めておくようにする。
〇書く目的をはっきりさせるこ
 と。
・決めてきたことを自由に発表
 させる。かならずしも季節の
 遊びと限定しないで、経験の
 ないものは、一般的な遊びや
 生活でもよいことにする。
・発表された文題を板書してお
 いて、書くことが決まらない
 者の参考にさせるのもよい。
○遊んだことの順序にしたがっ
 て書くこと。
 
 
 
 
○「、」に注意し、また「。」
 を正しくうつこと。
 
・技能面の注意をあまり強く要
 
 
 
 C ほかの人やまわり
  の様子も書く。
 C そのときの気持ち
  も書く。
 C 字・「。」・「、」
  などに注意して書
  く。
B 作文を書く。(30分)
 T では書くことが決
  まった人は、どんな
  ふうに遊んだかその
  時の様子をよく思い
  出して書いてくださ
  い。何を書いていい
  かわからない人は、
  先生に相談してくだ
  さい。
 
 
 
 
 
C 書いたものを読み直
 す。 (5分)
 T 書き終わった人は
  「。」や字のまちが
 
 求して、書こうとする意欲を
 そこなわないように注意す
 る。
・事前指導はなるべく簡潔に短
 時間で行なう。
 
 
 
・机間巡視により書きあぐんで
 いる児童に助言を与えたり、
 そばに呼んで相談にのってや
 ったりする。
 
 
 
 
・用具類、とくにえんぴつの適
 不適に注意する。
・とくに「、」「。」のうちか
 たに重点をおいて観察し、必
 要があれば想を乱さないてい
 どに注意を与える。
 
 
・書き終わった者は手もとに呼
 んで、作品を読ませたり、読
 
 

 191

  いなどに気をつけ
  て、はじめから読み
  直しましょう。読み
  直した人は先生に読
  ませてください。
 T 書き終わらなかっ
  た人は、うちで書い
  てきてもらいましょ
  う。次の時間は、み
  んなに読んでもらっ
  て、あなたたちがど
  んな遊びをしたか知
  らせてもらいましょ
  う。  
 んでやったりして充足感を持
 たせると同時に、必要な注意
 を与える。とくに、順序の乱
 れ、「、」「。」のうち方な
 どに重点をおく。
 この際、「。」については文
 末にかならず打たせたいが、
 「、」についてはあまり細か
 く要求しない。
○書いたものを読み直すこと。 

 (二) 作文指導第2時間

  学習目標 おたがいの作文を読み合って友だちの遊びの
   様子を知り、ますます楽しい生活をすることができる
   ようになると同時に、練習によって「、」に注意し
   「。」を正しくうつ能力をのばす。
 学 習 活 動 学習事項および留意点 
@ おたがいに作文を読
 み合って話し合う。
      (15分)
 T きょうは前の時間 
・読み合う場合には、一応観点
 をはっきりさせて読むように
 する。  
 
 
  に書いた作文を友だ
  ちどうし読み合って
  もらいます。どんな
  ことに気をつけて読
  んだらいいでしょ
  う。
 C 友だちがどんな遊
  びをどんなふうにし
  ているかということ
  に気をつけて読む。
 C どんな順序で遊ん
  だか。
 C 様子がよく書けて
  いるところはどんな
  ところか。
 C 文字や「、」「。」
  のあやまり。
 T 読んで気がついた
  ことやわかったこと
  を発表してください
A すいせんされた作品
 についてみんなで話し
 合う。  (10分) 
・児童の発表をまとめて板書す
 る。また、あらかじめ観点を
 印刷した用紙を用意して読ん
 だことについて記入させるの
 もよい。
 
 
 
 
 
・となりどうし交換しても、グ
 ループで交換し合ってもよ
 い。
・代表作を印刷して、みんなで
 話し合うのもよい。 
   <作品例> 
    海水よく
  きょうは朝からとても天気がよかったのでおとうさ  

 192

んとおかあさんとぼくとたえ子と会しゃの人とビーチ
パラソルを持って海におよぎに行きました。
 おとうさんがビーチパラソルを持ってぼくとたえ子
はうきぶくろを持って行きました。海がんにはビーチ
パラソルがたくさんあってかぞえきれませんでした。
やっとビーチパラソルをたてるところをみつけまし
た。ぼくはうきぶくろをはめておとうさんとおきの方
へ行っておよぎました。長いあいだおよいでいたので
さむくなってはまべにあがりました。そしてすこしは
まべにいました。
 もうさむくなったのでおとうさんに「いっしょにあ
そびに行こう。」といったらおとうさんが「ゴムボート
にのろう。」といったのでおとうさんの会しゃの人と一
しょにゴムボートにのりました。そしておきの方へ行
きました。おかあさんや会しゃの人たちがつかまりま
した。あんまりバチャバチャやったので水がいっぱい
はいりました。そして水がおゆのようにあたたかくな
りました。水がたくさんはいったのであけました。そ
れから海にはいりました。そしてぼくほうきぶくろで
ういていました。たえ子はおとうさんにだいてもらい
ました。みんなといっしょにおよいだりつかまったり
してあそびました。つかれたのでみんないっしょにか
えりました。 
 T 友だちの作文を読
  んでみて、この作文 
 
 
 
  はみんなに読んでも
  らいたいというのが
  あったら言ってくだ
  さい。
 T では○○さん読ん
  でください。
 T 聞いて、よく書け
  ているなあと思った
  ところやもっとくわ
  しく書いたらいいと
  思ったところはどこ
  でしょう。
 T 最初の文を黒板に
  書きました。○○さ
  ん読んでごらんなさ
  い。長くて息が続か
  ないでしょう。どこ
  に「、」をうったら
  よいでしょうか。
 T 先生がうちますか
  らみんなのうったも
  のと比べてごらんな
  さい。
 T 友だちの遊びでい
  ろいろなことがわか
  りましたね。夏休み
 
 
 
・四人一グループの編成で読み
 合わせる。そのグループから
 一点ずつすいせんするように
 する。
 これはその一例である。  
 

 193

  にもいろいろな遊び
  をして、楽しく過し
  ましょう。そして、
  夏休みに遊んだこと
  も作文に書いて、先
  生や友だちに知らせ
  てください。
B 「。」や「、」につ
 いての練習をする。
        (20分) 
 
 ぼくはおよいでみようとおもっておもいきってから
だをまえにたおしましたするとからだが水の中にしず
んではなと口から水をのみそうになりましたおわって
立ったらはながつんとして大きなくしゃみがでました  
 T ここに「。」や
  「、」のついてない
  文章があります。読
  んでどう思います
  か。
 C 「。」や「、」が
  ついてないのでとて
  も読みづらい。
 C 読みちがえる。
 T では読みやすくす
  るように、「。」と 
・「。」「、」のつけてない文
 章を印刷してくばり、「。」
 「、」を記入させる。
・文章は簡単なものにする。教
 材から、または児童の作品の
 中からとってもよい。
・「。」「、」がないと、読み
 づらいことに気づかせ、その
 働きに注意を向けさせる。

・「。」は文末にうつことをは 
 
 
  「、」をつけてくだ
  さい。
 T 黒板に今と同じ文
  章があります。だれ
  かに「。」と「、」
  をつけてもらいまし
  ょう。
 T ほかの人は自分の
  つけたのとくらべて
  みましょう。
 T 作文を書くときも
  「。」や「、」に気
  をつけて書きましょ
  う。  
 っきり指導するが、「、」に
 ついては注意を向けさせる程
 度にとどめる。
・あらかじめ小黒板に印刷と同
 じ文章を書いておき、指名し
 て「。」「、」を記入させ、
 自分のとくらべさせて、理解
 を深めさせる。
 
○「、」に牲意し、また「。」
 を正しく打つこと。 

七 作文の処理と評価

 (1) 処理
  l 書き終わった作文をみんなで読み合って友だちの生
   活や遊びを知る。
  2 給食の時間などをとらえて、おおぜいの者に読んで
   発表させる。
  3 適当な場所に掲示するか、とじて回覧する。
  4 教師が読んでやって感想や評を話したり、書いてや
   ったりする。
 (2) 評価  

 194

  評価の観点と基準
   1 楽しかったこと、おもしろかったことなどをくわ
    しく生き生きと書いているか。
    A 楽しかったこと、おもしろかったことなどをよ
     く思い出し、自分のしたこと、まわりの人の様子
     などについてくわしく生き生きと書いている。
    B ことがらのら列にとどまって具体性がない。
    C 書こうとすることがらがはっきりせずよくわ
     からない。
   2 「。」のうち方が正しく遊んだことの行動の順序
    に書いているか。
    A 経験の順序に書かれ、「。」「、」文字ともにま
     ちがいなくていねいに書かれている。
    B 順序に書かれているが文字その他が乱れている
    C 順序、文字、「。」ともに整わない。

 (5) 九 月 

機  能  日常生活の経験を広めたり深めたりして生
活を豊かにするために書く。 
学習活動  休みの日にどこかへつれて行ってもらった
経験を書く。  
  1 知らせたいことが先生や友だちにわかる
 ように書くこと。 
 
 
学習事項  2 経験したことの順序をたどって書くこと。
3 場面をよく思い出して書くこと。  
題 材 例  日よう日のこと  どうぶつえん
山のぼり うおつり ○○へ行ったこと。 

    単 元  日よう日のこと

一 単元について
 休みの日に家族とともに外出したり、遊びにつれて行って
もらったりすることは、子どもたちにとって、この上なくう
れしい生活のひとつである。
 また、家族でなくとも、近所やしんせきの人、友だちの家
族などといっしょに行く経験も数多くあると思われる。
 休みのあくる日の教室は、これらの話題でにぎわうことが
多い。
 このように、学校をはなれたところでの経験は、先生や友
だちに知らせたいという意欲がきわめて強い。
 したがって、これらの機会をとらえて、そのような経験を
書いた文章を読んだり、経験をよく思い出し、先生や友だち
に知らせるために作文に書いたり、友だちの作文を読んでそ
の生活を知ったりすることは、児童たちの経験を広げ、生活
をますます豊かにするためにきわめて役立つことになろう。
二 単元の学習目標 

 195

 休みの日にどこかへつれて行ってもらった経験を書いた文
章を読んだり、作文に書いたりして経験を広め生活を豊かに
する。
三 単元の学習内容
 (1) 学習活動
  l 教材「日よう日のこと」を読む。
  2 休みの日などにどこかへつれて行ってもらったこと
   を書く。
 (2) 学習事項
  l 書いてあることの順序をたどって読むこと。
  2 知らせたいことが先生や友だちにわかるように書く
   こと。
  3 経験したことの順序をたどって書くこと。
  4 場面をよく思い出して書くこと。
  5 書いたものを読み直すこと。
  6 「、」に注意し、また「。」を正しくうつこと。
四 この単元に用意された教材
 「日よう日のこと」は、作者が、ある日よう日の一日、父
や姉につれられて○○遊園地に遊びに行ったことを、自分の
行動の順序に従って書いた文章。
 児童は、自分の楽しかった経験と思い合わせながら、作者
の経験や心情に共感して読むであろう。そして、自分がつれ
て行ってもらった経験も、書いて知らせたいという気持ちを
高めるであろう。同時に、自分の経験をよくわかってもらう 
  ために、行ったことの順序に従って、様子をくわしく思い出
して書くための参考とすることができるであろう。
五 単元の指導計画(5時間)
  l 休みの日などにどこかへつれていってもらった経験
   を話し合う。────────────┐
  2 つれて行ってもらったことを作文に書|
   くことを話し合う。         |
  3 「日よう日のこと」を読む。    ├(3 時間)
  4 好きなところやおもしろいところにつ|
   いて話し合う。───────────┘
  5 休みの日などにどこか、つれて行ってもらったこと
   を作文に書く。(1時間)  (作文指導第1時)
   ・どこへ行ったことを書くか決める。
   ・どんな順序で行ってきたかを話し合う。
   ・その時、したり、見たりしたこと、楽しかったこと
    などをくわしく思い出して話し合う。
   ・思い出したことについて作文を書く。
   ・書いたものを読み直す。
6 作品をみんなで読み合って話し合う。――1 時間
                 (作文指導第2時)
  展 開 略
  <作品例>
     日よう日のこと。
 わたしは、日よう日に、うちのおばあちゃんやおじいち 

 196

やんとうえのへ行きました。
 わたしは、おじいちゃんにちょ金ばこをかってもらいま
した。おばあちゃんは、わたしのすきなようふくをかって
くれました。にいちゃんとわたしに本もかってくれまし
た。
 それからまもなくうちへかえる時間になりました。うち
へかえったら、うちはからっぽみたいでした。でも、にい
ちゃんだけのこっていました。すこしたってから、うすく
らさんのおばさんがきました。
 おばさんが「まちへおつかいにいきませんか。」といいま
した。「あたしたち、いま行ったばかりなのです。」とうち
のおばあちゃんがいいました。でも、いっしょに行ってあ
げました。ごはんをたべてから、うすくらさんのおばさん
のうちへ行きました。おばさんは、うんとごちそうをして
くださいました。すぐかえってきてねました。   
 ※作品を読み合って話し合うときに、このような作品をと
りあげ、いろんなものを貰ってもらったときのまわりの様
子、おじいちゃんやおばあちゃんのことばや自分の気持ちな
ども書けば内容もくわしくなり、読み手にもよくわかること
に気づかせることも一方法である。

 (6) 10 月

 機  能  学校行事に参加した経験を深め学校生活に
適応するために書く。  
 
 
学習活動  学校行事に参加した経験を書く。 
学習事項  1 できごとの順序をたどって書くこと。
2 情景や気持ちをくわしく書くこと。  
題 材 例   運動会  遠足  

    単 元  うんどう会

一 単元について
 運動会は、学校行事の中で最も大がかりな行事である。お
おぜいの観客、あふれるような応援の中で、児童たちは、か
けっこや団体競技に全力をふりしぼる。きょうまでには、長
い、きびしい練習がつづいた。それをとおして、児童は、協
力、規律、忍耐等の精神を学びとり、心身ともに一段と成長
してきている。
 このころになると、学校でも家庭でも、運動会が話題にな
って話がはずむ。また、この期の児童は、運動能力の劣って
いる者でも、さして劣等感を持たずに運動会を楽しんでい
る。
 ここでは、運動会を話題として言語活動を組織し、学校行
事に参加した経験を一層有意義なものにしたい。それを通し
て学校生活に適応していくようにさせたい。
二 単元の目標
 運動会について書いた文章を読んだり、運動会で楽しかっ
たことを書いたりして、その経験を深め学校生活に適応して 

 197

いくことができるようになる。
三 単元の学習内容
 (1) 学習活動
  1 教材「かけっこ」「すずわり」を読む。
  2 運動会のことを文章に書く。
  3 くわしく書く練習をする。
 (2) 学習事項
  l どんな順序で書かれているかを読みとること。
  2 情景や気持ちを読みとること。
  3 できごとの順序をたどって書くこと。
  4 情景や気持ちをよく思いだして、くわしく書くこと
  5 書いたものを読み直すこと。
四 この単元に用意された教材
 (1) かけっこ
   かけっこに参加した経験を書いた児童作文、走る前、
  走っている時、決勝の時などの様子や気持ちがくわしく
   書けている。
 (2) つなひき
   一年生のつなひきを見て書いた作文。一進一退でなか
  なか勝敗がきまらない様子、紅白の応援の様子などがく
  わしく書かれている。
   児童も同じ経験をしているので、教材を読むことによ
  って、自分も書こうという意欲をおこさせる。記述面で
  は、次の学習事項を含んでいる。 
    l ひとつのことをえらんで書いている。
  2 順序よく書いている。
  3 その時の様子や気持ちをよく思いだして書いている
五 単元の指導計画(7 時間)
 (1) 運動会で楽しかったことや、おもしろか┐
  ったことについて話し合う。      ├(5 時間)
 (2) 教材「かけっこ」「つなひき」を読む。┘
 (3) 運動会のことを文章に書く。(1 時間)
  ・書くことを決める。(作文指導第1時)
  ・どのように書けばよいか考える。
  ・記述する。
  ・読み直す。
 (4) スライドを見て書く。(1 時間)
  ・友だちの作文を読んで書きたりないところを話し合
   う。       (作文指導第2時)
  ・共同で書く。
  ・つづきを書く。
六 作文学習指導の展開
  読解指導の段階で、とくに、競技の様子やその時の気持
ちが表現されている個所を、何人もに読ませたり、視写させ
たりして、くわしく思いだして書く力を養いたい。
 (1) 作文指導第1時間
  学習目標 運動会のことをよく思いだして書き、運動会
   の経験を深める。  

 198

   展開……略
 (2) 作文指導第2時間
  学習目標 スライドを見て、その時のことを思いだし、
   情景をくわしく書くことができる。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 友だちの作文を読ん
  で、書きたりない点
  を話し合う。(5分)
 T ○○さんの作文を
  読んでみましょう。 
 

  <資料>  プリン卜

  先生たちのたまいれがはじまりました。先生は赤で
 す。ぼくも赤です。ぼくは赤をおおえんしました。は
 じめはなかなかはいりませんでしたが、それからうん
 とはいりました。ドンとピストルがなりました。みん
 な、わあとっいいました。かぞえてみたら、白のかち
 でした。ぼくは、
 「ざんねん」
  といいました。 

 T よく思いだして書
  いているのはどこで
  しょう。 
・作品を尊重して扱うことを忘
 れてはならない。 
 
 
 C 先生は赤ですとい
  うところ。
 C ピストルがなって
  みんながわあっとい
  ったところ。
 T もっとくわしく書
  いたらいいと思うこ
  とはありませんか。
 C 白がばんざいをし
  たところ。
 C 先生たちが、なら
  んではいってくると
  ころ。
B スライドを見て、共
 同で書く。(12分)
 T きょうは、よく思
  いだして様子をくわ
  しく書く勉強をしま
  しょう。○○さんの
  書いた、「先生たち
  のたまいれ」を、み
  んなでいっしょに書
  きましょう。


 T はじめに、どこか 
 
 
 
 
 
・これは、次の練習への導入で
 あるから、あまりくどくなら
 ないように扱う。
 
 
 
 
 
 
 
・何の練習をするのかはっきり
 つかませる。
・ここでは、スライドを使って
 くわしく書く練習をする。ス
 ライドのかわりに、大きな絵
 を使ってもできる。
・運動会の教師の競技などは、
 児童の注意が集中し、印象に
 も残っているので、このよう
 な練習の材料になる。
○書く範囲を決めること。 
 

 199

  らどこまで書くか決
  めましょう。
   どこから書き始め  ますか。
 C 先生たちが入場す
  るところから。
 C 先生たちが、なら
  んだところから。
 T それでは、ならん
  だところから書きま
  しょう。
 T はじめに、先生た
  ちがならんだところ
  を、文にしていって
  ください。
 C 先生たちが、なら
  びました。
 C 先生たちが、ジャ
  ングルジムのところ
  にならびました。
 C ……
 T どれがいいです
  か。
 T こんどは、スライ
  ドを見て、いろいろ
  思いだして書きまし 
 
 
たまいれ
―ならんだところ

―ばんざいをしたところ
 
 
 
 
・同様にして、どこまで書く
 かを決める。
 
・数名に発表させて、決まっ
 た文を、カードに書いては
 り出す。
 
先生たちが、にゅうじょ
うもんのところに、なら
びました。 

 1
 
 
 
 
 
・教師がならんで入場してくる
 スライドをうつす。  
 
 
  よう。
 C 先生たちが、なら
  んではいってきまし
  た。
 C 行進曲にあわせて
  二列にならんである
  いてきました。
 T それから、先生た
  ちはどうしました
  か。
 C 赤と白にわかれて
  まるくならびました
 T AとBの間で、何
  か気のついたことは
  ありませんか。
 C 赤の先頭は校長先
  生でした。
 C 白の先頭は飯田先
  生でした。
 C ぼくたちの先生
  は。白の三ばんめ
  でした。
 T このスライドに出
  ていないことでも、
  思いだしていってく
  ださい。 

○その時の様子をくわしく思い
 だすこと。
 こうしんきょくにあわ
せて、二れつにならん
で、あるいてきました。 




 とちゅうで、白と赤に
わかれて、まるいわをつ
くりました。




 赤のせんとうは、こう
ちょう先生でした。 



 白のせんとうは、いい
だ先生でした。 



 ぼくたちの先生は、白
の三ばんめでした。 


 
 

 200

 C 先生たちは、にこ
  にこ笑いながらある
  いてきました。
 C みんなが、赤かつ
  ように、白かつよう
  にと、大きな声で応
  援しました。
 
 
 
 
 T たくさんでました
  ね。さあ、カードを
  順序よくならべまし
  ょう。
 T みんなで考えたの
  で、とてもくわしく
  書けました。どんな
  作文ができたか読ん
  でみましょう。
Aつづきを書く。
        (10分)
 T こんどは、このス
  ライドを見て、いま
  のつづきをくわしく
  書いてごらんなさ  
・教師は前と同じように、児童
 の発表をたしかめながら、カ
 ードに書いてはりだす。
・児童の発表には、次のように
 反応してやる。
 「先生たちの顔のことまで、
 よく気がついたね。」
 「自分のことも思いだした
 ね。」
 「みんなの様子も思いだした
 ね。」
○できごとの順序にそって書く
 ことがわかる。
・話し合いをしながら、カード
 をならべかえる。ここで文脈
 にあわないものはけずる。ま
 た、接続のことばを考えさせ
 たり主語をけずったりする。
・自由読みをさせたり、指名読
 みをさせたりする。

 
 
 
  い。
 
 
 
 
 
B つづきの作文をグル
  ープで読み合う。
        (8分)
 T グループで読み合
  って、だれが、くわ
  しく書けたか話しあ
  ってください。
C グループ代表の作文
 を発表して、くわし書
 けているところを話し
 合う。    (10分)
 T でグループの代表
  の人に読んでもらい
  ます。どこがくわし
  く書けているか、よ
  くきいていてくださ
  い。
 T ○○さんの作文で
  は、どこがくわしく
  書けていましたか。 
・たまいれをしているスライド
 をうつす。
・ばんざいをしたところまで書
 く。
・これからは、個人の作文にな
 る。
 
・四人ぐらいのグループがよ
 い。
 
 
 
 
・各グループで、いちばんくわ
 しく思いだして書いた者を代
 表にえらぶ。
 
 <例文>
 まるいわのところに、たま
がたくさんまいてあります。
先生たちは、たまをひろっ
て、なげるよういをしまし
た。ピストルがなると、どん
どんたまをなげました。××
先生は、ひろったたまを、一
どにみんななげてしまいまし
 

 201

 C わのところに、た
  まがたくさんまいて
  あった。
 C ××先生は、一ど
  にみんななげてしま
  った。  
た。わたしは、
「白かつように、白かつよう
に。」
と、大きなこえで、おおえん
しました。
 ピストルがなってかぞえた
ら、白が三こかちました。わ
たしたちは、先生といっしょ
に、ばんざいをしました。 
・同じようにして、他の代表者
 の作文について話し合う。 
七 作文の処理と評価
 (1) 作文の処理
  l 第一次の作文、第二次の作文とも個人文集にとじて
   家庭で読んでもらう。
  2 よく思いだしてくわしく書けた作文を掲示する。
 (2) 作文の評価(観点と基準)
  1 できごとの順序をたどって書いているか。
   A 一つの競技を中心にして、順序よく書いている。
   B だいたいはできごとの順序にそって書いているが
    乱れているところもある。
   C 順序がはっきりしない。
  2 よく思いだして、くわしく書いているか。
   A 場面がまとまっており、情景や気持ちをよく思い 
      だして書いている。
   B 場面としてはまとまっているが、情景や気持ちの
    書き方が不十分である。
   C 行動の羅列におわっている。
 
 
機  能  身近かな生き物に対する愛情を訴え心情を
育てるために書く。 
学習活動  身近かな生き物についで経験したことを書
く。  
学習事項  1知らせたいことがわかるように書くこ
と。
2生き物の様子がわかるように書くこと
3生き物に対する気持ちを書き表わすこ
と。   
題 材 例   ねこ   いぬ   うさぎ   牛
 小とり  
 
    単 元  うちのねこ
 
一 単元について
 犬、ねこ、小鳥をはじめとして、生き物を飼っている家庭
が多い。それも、子どもの要求によって飼うようになったケ
ースが多い。この期の児童にとっては、自分のうちの犬やね 

 202

こはたんなる遊び相手ではなくて、愛情の対象なのである。
しかし、また、飼主のない犬やねこに石を投げたりしていじ
める一面も彼等はもっている。ここでは、生き物に対する正
しい愛情を深めたい。
二 単元の目標
 身近な生き物について読んだり書いたりして、愛情を深め
ることができる。
三 単元の学習内容
 (1) 学習活動
  1 教材「うちのねこ」を読む。
  2 身近かな生き物について経験したことを書く。
  3 書いたものを発表し合う。
 (2) 学習事項
  1 ねこのかわいい様子、作者がかわいがっている気持
   ちを読みとること。
  2 知らせたいことがみんなにわかるように書くこと。
  3 生き物の様子がわかるように書くこと。
  4 生き物に対する気持ちを書き表わすこと。
  5 「時制」を使いわけること。
四 この単元に用意された教材
 家のねこ
  友だちの家から子ねこをもらって来て飼っていることを
 書いた児童作文。次のような記述上の学習事項を含んでい
 る。  
    1 学校から帰るとねこがいないので心配して探したこ
   とを中心にして、子ねこのかわいい様子や作者の愛情
   が書き表わされている。
  2 子ねこの習性や細かい挙動をよく見て書いている。
  3 過去・現在の時制がよく使いわけられている。
五 単元の指導計画(5 時間)
 (1) 身近かな生き物について話し合う。─┐
 (2) 教材「家のねこ」を読む。─────┴(1 時間)
 (3) 身近かな生き物について経験したことを文章に
  書く。(1 時間)
  ・書く内容を考える。   (作文指導第1時)
  ・どの経験を中心に書くかをきめる。
  ・記述する。
  ・書いたことを読み直す。
 (4) 書いたものを発表し合う。 (1 時間)
               (作文指導第2時)
  ・グループの中で発表する。
  ・みんなの前で発表する。
六 作文学習指導の展開
 教材を読む過程で、自分も書きたいという意欲を十分も
り上げて、あとで作文を書こうと約束しておく。なお次の
ような指導をしっかりしておく。
1 作者が家のねこについてどういうことを知らせようと
 しているか、項目をノートに書く。これは児童が書く内  

 203

  容を考えるさい参考になる。
2 どんなできごとを中心に書いているか理解する。
3 ねこの様子をよくみているところ、作者の気持ちのよ
 く表わされているところを視写する。
4「ます。」「ました。」の使いわけを理解する。
5 作文を書く前時に、次時の予告をして、題名と書くこ
 とがらをメモさせておく。
 (1) 作文指導第1時間
  学習目標 身近かの動物に対する愛情を深める。

学 習 活 動 学習事項および留意点
@ 書く内容について話
 し合う。  (5分)
 T きょうは、みなさ
  んのうちや近所で飼
  っている動物につい
  て書くのでしたね。
  題と書くことをメモ
  して来ましたか、○
  ○さん発表してくだ
  さい。
 C 題は、うちのジロ
  ー、書くことは、い
  ろいろな鳴き方とい
  たずら。それから散 
 
・本時の学習を明示する。
 
・家で書いて来たメモをもとに
 して話し合う。
  このメモは、教材の扱いの
 さいノートにとったメモを参
 考にして作ったもので、どん
 なことを書くか、書くことが
 らがあげられている程度でよ
 い。また実際に書くときに、
 必ずしもこのメモにとらわれ
 る必要はない。記述前に、ど
 んなことを書こうかと予想を 
 
 
  歩に連れていった
  時、のら犬とけん
  かしたこと。
A どんなできごとを中
 心にして書くか話し合
 う。   (10分)
 T ○○さんは、この
  中で、どのことをい
  ちばんくわしく書こ
  うと思いますか。
 C さんぽに行った時
  のこと。
 T そこがあなたの作
  文の中心になるので
  すね。のら犬とけん
  かしたのでしたね。
  その時のことを簡単
  にお話してくださ
  い。
 C ……
 T 今のお話をきい
  て、こういうことも
  書くといいなあと思
  うことがあったら、
  いってあげてくださ
  い。  
 たてる態度を、少しずつ養っ
 ていきたい。
・二、三名に発表させる。

うちのジロー
いろいろな、なきかた
いたずら
○さんぽにいったときのこと 

○中心をきめて書くこと。
・このような題材で書く場合、
 児童には、ただ経験を書くと
 いうだけでなく、友だちや教
 師に紹介したいという意識が
 はたらく。そのため、ややも
 すると、具体性のない文章に
 なりがちである。それを救う
 ために、あるできごとに文章
 の中心をおいて書かせたい。
 
・その時の様子をくわしく思い
 ださせるための話し合いであ
 る。児童から適当な注文が出
 ない場合は、教師が補ってや
 る。  
 

 204

 C そののら犬はどの
  くらいの大きさだっ
  たの。
 C ○○さんがジロー
  を抱き上げたら、の
  ら犬はどうしたの。
 C ……
 T みなさんも、中心
  に書くところを決め
  て、その時のことを
  よく思いだして書き
  ましょう。
    以下略  
・二、三名発表させる。  
七、作文の処理と評価  以下略

 (7) 11 月 

機  能  進んでおてつだいをし、毎日の生活を充実
するために書く。  
学習活動  家庭や学校でお手伝いをしたり働いたりし
た経験を書く。 
学習事項  1 手伝いや働いた時の様子がわかるよう
 に書くこと。
2 会話を入れていきいきと書くこと。  
 
題 材 例   おてつだい。 るすばん。 おつかい。
 おそうじ。 子もり。 

    単 元  おてつだい

一 単元について
 自分の仕事がおとなに認められ、何かの役にたったという
ことを意識することは、とくに低学年の児童にとって大きな
喜びである。
 なかでも単元の主題である「おてつだい」は、かれらにと
ってきわめて興味と関心のある題材の一つであって、しかも
その興味は、中・高学年になるにしたがって次第に低下する
と言われている。
 したがって、この時期に、「おてつだい」を中心として読
む書く言語活動を組織し、「おてつだい」に対する経験を深
めることは、児童たちのよりよい生活態度を育て作文能力を
高める上に適切なものと思われる。

二 単元の学習目標
 手つだいの文章を読んだり書いたりして、てつだいの経験
を広げ、進んでてつだいをしようとする気持ちを高めること
ができるようにする。

三 単元の学習内容
 (1) 学習活動  

 205

  1 教材「おつかい」を読む。
  2 おてつだいの経験を書く。
  3 作品を読み合って話し合う。
 (2) 学習事項
  l おつかいの順序をたどって読むこと。
  2 おつかいの様子や作者の気持ちを読みとること。
  3 おてつだいの様子がわかるように書くこと。
  4 会話を入れていきいきと書くこと。
  5 基本的な文型を使うこと。
  6 かなづかいに注意すること。
四 この単元に用意された教材
 「おつかい」は一児童が母親から買いものを頼まれたとき
の経験を行動の順序に従って書いた文章。これを読むことに
よって児童は、自分もいろいろなおてつだいをしたときのこ
とを書いてみようという気持ちを持つであろう。また、会話
文を豊富に取り入れた書きぶりから、読み手によくわかるよ
うな生き生きとした具体的な書き表わしかたを読みとり、実
際に書く場合に役だてることができよう。
 ただし、この場合、教材の内容や書きぶりについてとらわ
れすぎ、模倣的になったり、類型的になったりしないように
注意する必要がある。
五 単元の指導計画(5 時間)
 (1) おてつだいをした経験を話し合う。──┐
 (2) 教材「おつかい」を読む。──────┼(2 時間)
 (3) 作者の行動の順序やその時の様子、作者|  
    の気持ちなどを読みとって話し合う。──┘
 (4) おてつだいの経験を書く。(1 時間)
               (作文指導第1時)
 (5) 教材の書きぶりとくらべる。(1時間)
               (作文指導第2時)
 (6) 作品を読み合う。(1 時間)
               (作文指導第3時)
六 作文学習指導の展開
 (一) 作文指導第1時間
  学習目標 おてつだいの経験を書いて先生や友だちに知
   らせ、これからも進んでおてつだいをしようとする気
   持ちを育てる。
   ※この前に教材「おつかい」を読む活動がある。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ おてつだいをした時
 の様子をよく思い出
 し、何をどのように書
 くか話し合う。(10分)
 T どんなおてつだい
  のことを書くか決め
  てきましたか。
 C おつかい、おるす
  ばん、おもり、いね
  はこび、たきざとり 
・前時におてつだいのうちの何
 をしたことを書くか決めてお
 くように予告しておく。
○何を書くかをはっきりさせる
 こと。
・教材「おつかい」にとらわれ
 ないで、自分の経験のうち、
 もっとも印象に残っているも
 のを選ぶようにする。
・発表された文題を板書してお 
 

 206

  など。
 T そのときどんな気
  持ちでしたか。
 C 働いて気持ちがよ
  かった。
 C ほめられて嬢しか
  った。
 C つかれてたいへん
  だった。
 T 先生や友だちに読
  んでもらってよくわ
  かるように書くには
  どのように書いたら
  いいでしょう。
 C 自分のしたことや
  その時の様子をよく
  思い出して書く。
 C 自分やほかの人の
  言ったことばを入れ
  て書く。
 C 思ったことも書
  く
A おてつだいの作文を
 書く。    (25分)
 T 書くことが決まっ
  たら、その時のこ
  をよく思い出して、 
 いて、あとで参考にさせる。
・おてつだいをした時の満足し
 た気持ちを思い出させて、進
 んで書こうとする気持ちを高
 める。
 
 
 
○おてつだいの様子がよくわか
 るように書くこと。
○会話の文を入れて生き生きと
 書くこと。
 
・その時の様子をよく思い出さ
 せて、自分やほかの人物の行
 動、会話などを具体的にくわ
 しく書くようにする。
・順序ということをあまり強く
 表面におし出さないでよく思
 い出すことに重点をおくよう
 にする。
 
 
・経験の順序を個条書きにメモ
 してから書くことは、この時
 期では無理のようである。 
 
 
  みんなによくわかる
  ように書いてくださ
  い。
 T 書くことがどうし
  ても決まらない人は
  先生に相談してくだ
  さい。
 
 
 
 
 
 
 
 
B 書いたものを読みな
 おす。    (10分)
 T 書きあがった人は
  読みなおして、字や
  ことばのまちがいを
  なおしましょう。  
 
 
 
 
 
 
・記述のはじめに書くことや文
 題の決まらない児童には、さ
 きに話し合った文題などを参
 考にさせるのもよい。
・記述中、書きあぐんでいる児
 童で、文字のわからない者、
 想の発展しないものなどには
 机間巡視によって適時助言を
 与える。
・とくに手もとへ呼んで相談に
 のってやるのもよい。
 
〇書いたものを読みなおすこと
・先に書きあげたものは、自分
 で読みなおすと同時に、教師
 が読んでやって、文字のまち
 がいを指摘してやるのもよ
 い。また、教師の前で読ませ
 たりする。この場合は、はげ
 ましのことばをかけて、充足 
 
 

 207

 T 次の時間は、教科
  書の「おつかい」を
  もう一度読んで自分
  の書いた作文と書き
  ぶりをくらべること
  にします。 
 感を与えるようにする。
○次時の予告をして、心がまえ
 を作っておく。 
 (二) 作文指導第2時間
  学習目標 教材「おつかい」の書きぶりと自分の書きぶ
   りをくらべて直すことにより、いっそういきいきとし
   た具体的な書きぶりを身につけ、おてつだいのよろこ
   びをさらに深めることができる。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 教材「おっかい」を
 読んで書きぶりについ
 て話し合う。 (10分)
 T きょうは「おつか
  い」の書きぶりを調
  べて、みんなの作文
  とくらべましょう。
  読む人によくわかる
  ようにくふうしてい
  る書きぶりに気をつ
  けて読んでくださ
  い。  
・教材を読む活動は、一時、二
 時で行なっている。したがっ
 て本時は、その時の再確認と
 して、とくに書きぶりについ
 て復習的に取り扱う。
 
〇自分の作文とくらべるために
 読むという目的意識をはっき
 りさせる。
・人物の様子が具体的にくわし
 く書いてあるところに――を
 引かせるのもよい。 
 
 
 T この文章を読んで
  「おつかい」の様子
  がよくわかるのはな
  ぜでしょう。
 C おっかいをした時
  の順序に書いてあ
  る。
 C 自分だけでなくほ
  かの人の様子もよく
  思い出してくわしく
  書いてある。
 C 人の言ったことば
  をたくさん入れて生
  き生きと書いてい
  る。
 
 
 
 
 
 
 <板書例>  
 ・その時の様子をよく思い出し
 て具体的にくわしく書いてあ
 るからよくわかるのだという
 ことを再確認させる。
 
 
 
 
 
 
 
・会話の書きぶりでは「○○が
 ○○と言いました。」「○○と
 言って○○が○○しました。」
 「○○と○○が言いました。」
 などの基本的な文型をおさえ
 て再確認させる。
○会話をふくんだ基本的な文型
 を理解する。
・発表の要点を板書にまとめて
 めいめいが作品とくらべる時
 に利用できるようにする。 
 ○おつかいのじゅんじょ
  l おかあさんにおつかいをたのまれたこと。 
 

 208

  2 おとうとがついてきたこと。
  3 みかわやさんで買いものをしたこと。
  4 かえってくるとちゅうのこと。
  5 家についたときのこと。
 ○出てくる人のようすやことば
  1 おかあさんのこと。
  2 みかわやさんのおばさんのこと。
  3 おとうとのつぎおのかわいらしいようす。  
A 教材の書きぶりと自
 分の書いたものとをく
 らべてなおす。(25分)
 T 自分の作文を読ん
  で、今調べたことと
  くらべてください。
  直すところやいらな
  いと思うところがあ
  ったら――を引きな
  がら読みましょう。
 T 読んで気がついた
  ことを話してくださ
  い。
 C ○○の様子をもっ
  とくわしく書く。
 C 出てくる人のこと
  ばももっとたくさん 
 
 
 
・友だちの発表を聞いて、自分
 もそういうところがないかた
 しかめるようにする。 
 
 
  入れる。
 T たくさん気がつき
  ましたね。ではなお
  してください。
 T それでは、うちで
  作文用紙に清書して
  きてください。あし
  た友だちどうし読み
  合ったり、みんなに
  発表したりしてもら
  います。  
〇書いたものを読み直すこと。
・直す時は、けしゴムを使って
 もよいが、原文の右横に書き
 なおしてもよい。
・机間巡視をしながら、文字、
 かなづかい、文型などについ
 て個人指導をする。
・下書きと清書といっしょに提
 出させると、児童がどのよう
 なところを直したかがわかる
 ので、指導の参考にすること
 ができる。  

 (三) 作文指導第3時間
  学習目標 友だちの書いたおてつだいの作文を読み合う
   ことにより、どんなおてつだいをしたかを知らせ合っ
   て、おてつだいの経験を深め進んでおてつだいをしよ
   うとする気持ちを高める。

学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ おたがいの作品を読
 み合う。   (25分)
 T きのうは作文をな
  おして、家で清書し
  てもらいましたね。  

・友だちはどんなおてつだいを
 しているだろうかという期待
 感を持って読むようにする。 
 

 209

  きょうは、友だちの
  作文をグループで読
  み合ったり、みんな
  に発表してもらった
  りします。読む時に
  はどんなことに気を
  つけて読んだらいい
  でしょう。
 C 友だちがどんなお
  てつだいをしている
  か。
 C おてつだいの時の
  様子や気持ち。
 C 書きぶりがいきい
  きしているところ。
 T では、今のような
  ことに気をつけてグ
  ループごとに読み合
  ってください。
 T 読んでわからない
  ことや気がついたこ
  とがあったら、書い
  た人に小さな声で聞
  いたり話してあげた
  りしてもいいです。 
A読んで気がついたこと
・まん然と読まないで、観点を
 はっきりさせて読むようにす
 る。そのため、読む時に気を
 つけることを発表させ、要点
 を板書して参考にさせる。
 
  <板書例>
oどんなおてつだいか。
oおてつだいの様子。
oおてつだいをしている時の
 気持ち。
o書きぶりのうまいところ。
o人のことば。 
・かならずしもひとり一点だけ
 ではなく、読めるものは二点
 三点を読んでもよい。
・なるべく観点にてらして、気
 のついたことを知らせ合うよ
 うにする。
○友だちのおてつだいの様子が
 わかる。
○くわしくいきいきとした書き
 ぶりに気づく。  
 
 
  を話し合う。(20分)
 T 友だちの作文を読
  んで、気がついたこ
  とがあったら話して
  ください。
 C ○○さんは、おつ
  かいをして、ほめら
  れた時のうれしい気
  持ちがよく書けてい
  た。
 C ○○君は、赤ちゃ
  んのおもりがじょう
  ずにできて、えらい
  と思った。赤ちゃん
  のことばや様子がよ
  く書けていた。
 T 自分の読んだなか
  で、組全部の人に読
  んでもらいたいと思
  う作文があったら、
  書いた人に読んでも
  らいましょう。 
・おたがいに気がついたこと、
 思ったことを発表し合って、
 書くことの喜び、おてつだい
 の喜びを深めるようにする。
・文字、表記よりも、この場合
 は、主として内容・書きぶり
 などに重点をおいて話し合
 う。
 
 
 
 
 
 
 
 
・二、三の作品を推せんさせて
 作者に読ませ、組全体で話し
 合う。
・事前に教師の選んだものを印
 刷しておいて読ませてもよ
 い。
・全体で話し合うときも、前に
 話し合った観点をもとにして
 感想や気がついたことを発表
 
 

 210

 T みなさんがいろい
  ろなおてつだいをし
  ていることがよくわ
  かりました。これか
  らもしっかりおてつ
  だいをしていきまし
  ょう。  
 させるようにする。
・作者に作品を発表させる際
 に、はじめに書いたものを、
 内容の上からけずったり書き
 加えたりしたところがあった
 ら話させる。また、できるだ
 け理由も言わせるようにす
 る。  

七 作文の処理と評価
 (1) 処理
  1 書き終わった作文をグループや全体に発表しておて
   つだいの様子を知らせる。
  2 回覧や掲示によって全員に読ませる。
  3 社会科や道徳の時間などの資料にする。
 (2) 評価
  評価の観点と基準
   1 手伝いや働いたときの様子が相手にわかるように
    書いているか。
    A おてつだいをしたときの様子や気持ちが読み手
     にわかるように会話などを入れて生き生きと書い
     ている。
    B おてつだいの経験や様子は一応書けているが具
     体性がない。
    C 内容に一貫性がなく、どのようなおてつだい  
       したのかよくわからない。
   2 おてつだいをしたときの行動の順序に書いている
    か。
    A 時間の推移にしたがって行動の順序どおりに書
     いている。
    B だいたい順序どおりであるが一部前後している
     個所がある。
    C 順序が乱れていてすじがとおらない。

  (8) 12 月 

機  能  学級生活を楽しく豊かにするために書く。 
学習活動  たんじょう会などに友だちにおくる作文を
書く。  
学習事項  1 親しみの気持ちがわかるように書くこ
 と。
2 かなづかいに注意すること。
3 「、」に注意し、また「。」を正しく
 うつこと。
4 書いたものを読み直すこと。 
題 材 例  ○○さんのこと。  ○○君と遊んだこと 

    単 元  たんじょう会

一 単元について 

 211

  たんじょう会、なかよし会などを開いて楽しんだりおたが
いに祝い合ったりすることは、学校生活の中でも子どもたち
がたいへん喜ぶことのひとつである。
 学級内の人間関係は、これらの経験を通して、一段と密に
なり、学級生活はいっそう明るく豊かになっていく。
 なかでもたんじょう会は、祝われる方も祝う方も、その目
的がはっきりしているだけに、教育上の意義はきわめて大き
いものがある。そして、それらの行事の中で、友だちを祝っ
てあげるために、お祝いのことばや作文を書くことは、たん
じょう会をより充実させ、よりよい学級づくりのために役だ
つことになろう。
二 単元の学習目標
 たんじょう会やなかよし会に読む作文を書くことにより学
級生活を楽しく豊かにする。
三 単元の学習内容
 (1) 学習活動
  1 たんじょう会を開く計画を話し合う。
  2 教材「たんじょう会」「おめでとう」を読む。
  3 おいわいのことばを練習する。
  4 教材「さとうくんとあそんだこと」を読む。
  5 たんじょう会に友だちにおくる作文を書く。
  6 教材「橋の上のおおかみ」を読む。
  7 たんじょう会にする童話を練習する。
  8 たんじょう会をする。  
   (2) 学習事項
  l みんなといっしょに聞いたり話したりすること。
  2 みんなに聞えるようにはっきりと話すこと。
  3 書いてあることのだいたいを読みとること。
  4 親しみの気持ちが相手にわかるように書くこと。
  5 かなづかいに注意すること。
  6 「、」に注意しまた「。」を正しくうつこと。
  7 書いたものを読み直すこと。
四 この単元に用意された教材
 「たんじょう会」はある学校で開かれた誕生会の様子を簡
単に説明した文章。これを読むことによって児童は、誕生会
についての興味と関心を高め、実際に計画を立てる上の参考
とすることができよう。
 「おめでとう」は誕生会に友だちを祝ってあげるために話
すことの教材として用意されている。
 「さとうくんとあそんだこと」は、誕生会に祝ってあげる
友だちにおくるための作文で、その友だちと遊んだ経験を親
しみの気持ちをこめて書いた文章。児童はこれを読むことに
よって、進んで書こうとする意欲を高めるとともに、実際に
書く場合に、自分の祝意や親しみの気持ちが相手にわかるよ
うに書くための参考とすることができよう。
 「橋の上のおおかみ」は、誕生会当日に話す童話の一例と
して用意されているが、また同時に進んで読みものを読もう
とする意欲を持たせるための教材でもある。  

 212
五 単元の指導計画      (10時間)
 (1) たんじょう会を開く計画を話し合う。─┐
 (2) 「たんじょう会」「おめでとう」を読む├(3時間)
 (3) お祝いのことばを練習する。─────┘
 (4) 「さとうくんとあそんだこと」を読む。┐
 (5) おもしろいところや書きぶりのよいとこ├(2時間)
  ろを話し合う。────────────┘
 (6) 誕生会に友だちにおくる作文を書く。 (1時間)
                (作文指導第1時)
  ・何のために書くかを話し合う。
  ・誰におくるかを決める。
  ・何のことについて書くかを決める。
  ・どのように書いたら気持ちがよくわかってもらえるか
   話し合う。
  ・おくる相手との経験をよく思い出す。
  ・思い出したことがらについて作文を書く。
 (7) 表記上の誤りを直して清書する。(1時間「
  ・書いたものを読み直す。
                (作文指導第2時)
  ・表記上の誤りを直す。
  ・作文を清書する。
  ・グループで読み合ってたんじょう会に読む代表を決め
   る。
 (8) 「橋の上のおおかみ」を読む─────┐
 (9) たんじょう会にする話を練習する───┴(2時間)  
   (10) たんじょう会をする。 (4時間)
六 作文学習指導の展開
 (一) 作文指導第1時間
  学習目標 たんじょう日を祝ってあげる友だちとの経験
   をよく思い出して作文を書くことにより、友だちとの
   親しみの気持ちを深め、学級生活を楽しく豊かにす
   る。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 何のために書くか話
 し合う。   (5分)
 T きょうの作文は何
  のために書くのでし
  たか。
 C お祝いする人にお
  くってあげるため。
 C たんじょう会のお
  友だちをお祝いする
  ため。
A だれにおくるか、何
 のことについて書くか
 などを確かめる。10分)
 T 今月生まれた人た
  ちは○○さんと○○
  君と○○さんでした 
・きょうの作文はたんじょう会
 で祝いを受ける友だちにあげ
 るために書くことを予告して
 おき、目的、題材、書きぶり
 などについて記述前にたしか
 めるようにする。
・あらかじめグループを構成し
 ておいて、代表に誕生会で読
 んで発表してもらうようにし
 ておく。しかし、書く場合は
 みんなが代表になったつもり
 で書くようにする。
・おくる人があまりかたよらな
 いようにしたい。そのために
 は、その人が所属しているグ
 ループの者は、その人に書い 
 

 213

  ね。この中の誰にお
  くるか決めてきまし
  たか。
 C ○○さん、○○君
 T その人と何をした
  ことを書きますか。
 C 遊んだこと、ボー
  ルなげしたこと。い
  っしょにべんきょう
  したこと。おとうば
  んをしたこと。
B どのように書いたら
 気持ちがよくわかって
 もらえるか話し合う。
        (5分)
 T どのように書いて
  あげたら喜んでもら
  えるでしょうね。
 C いっしょに遊んで
  楽しかったこと。う
  れしかったこと。そ
  の人のしたこと。言
  ったことなど。
C 決めたことについて
 作文を書く。 (25分)
 T では、みんながグ 
 てやるようにするのも一方法
 であろう。
・二年生の段階では、友だちに
 ついて客観的に観察して書く
 ことは無理である。したがっ
 て、その友だちとの何らかの
 経験を具体的に書かせる方が
 書きやすいであろう。この場
 合、経験は、あまり遠いもの
 でなく、できるだけ近いもの
 で印象の新しいものの方が書
 きやすいと思われる。
 
・喜んでもらうように書くこと
 が書く目的に合うことを確か
 める。
・第一回はたてけいの用紙に自
 由に書かせ、友だちにおくる
 ためにあとで清書するように
 する。
・記述中は机間巡視により、個
 人個人の記述状態を観察す
 る。とくに単元での指導のね
 らいを重点的に観察しメモし
 ておくのがよい。かなづか
 い、「。」「、」について観 
 
 
  ループの代表になっ
  たつもりで書きまし
  ょう。
 T では書き終わらな
  い人は、あすまでに
  うちでまとめてきて
  下さい。あすはグル
  ープで読み合って清
  書してから代表の人
  をきめてもらいま
  す。 
 察し、清書の場合の指導の手
 がかりとする。
・早く書きあげた児童は手もと
 に呼んで作品を読んでやる。
 あまり早く終わる児童は、内
 容的に貧弱なものがよくある
 ので適時助言を与え、書きた
 させたり、文字・表記のあや
 まりをなおさせたりする。ま
 た書き終わったものどうし交
 換して読み合わせるのもよ
 い。 

 (二) 作文指導第2時間
  学習目標 グループごとに作品を読み合ったり友だちに
   おくるために清書をしたりして、よりよい作文にする
   ことにより、お祝いや親しみの気持ちをさらに高める
   ようにする。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@練習問題により、かな
 づかいや句読点につい
 て練習する。 (10分)
 T きょうは、昨日書
  いた作文をグループ
  で読み合ってから、 
・かなづかい、「。」「、」の
 あやまりのある文章をあらか
 じめ小黒板などに用意してお
 いて、みんなで直すことによ
 り意識を高めるようにする。
 この際、記述中の観察により 
 

 214

  そのあとで清書をし
  て代表を決めてもら
  います。読み合う時
  には、文字のまちが
  いや「。」「、」な
  どに注意しましょ
  う。もしこのような
  文章だったらどうで
  しょう。 
 誤りが多いと思われるものを
 重点的に扱うようにするとよ
 い。とくに、助詞「は」「を」
 「じ」と「ぢ」「ず」と「づ」
 オ列長音などに注意するよう
 にしたい。
・「、」はあまり細かく要求し
 ないが、「。」は文末にかな
 らず打つようにしたい。 
 はたしわおひる、の休み時間に。こおていでよし子
さんとさち子さんとなはとび、おしてあそびました、
はぢめに。はたしとさち子さんがゴム、おもってよし
子さんがとびました、よし子さんわはたしのあたまの
高さまでとびました、はたしわづえぶん高くとべるな
あとおもえました、  
 T この文章で、かな
  づかいや「、」や
  「。」のうち方のお
  かしいところはどこ
  でしょう。
 C 「は」と「わ」の
  まちがい。
 C 「お」と「を」の
  まちがい。
 C 「い」と「え」「じ」  
・それぞれに誤りを指摘させ
 て、誤りの横に色チョークで
 訂正する。次のように板書に
 まとめて理解を探める。
o……を┐   o……は┐
o……お┘   o……わ┘
   ×       ×
oわたし┐   oこうてい
oはたし┘   oこおてい
 ×        ×  
 
 
  と「ぢ」「ず」と「づ」
  のまちがい。
 C 「あそびました。」
   「とびました。」「お
  もいました。」のとこ
  ろは「。」をうつ。
A友だちの作文を読み合
 う。(8分)
 T それでは今のよう
  なことに注意して友
  だちの作文を読み合
  いましょう。気がつ
  いたところは、その
  横にしるしをつけて
  おいてください。
B書いたものを読み直
 す。(7分)
 T では、友だちにし
  るしをつけてもらっ
  たところをどうなお
  せばよいかを考えて
  自分の作文を読み直
  しましょう。わかっ
  たら直してくださ
  い。わからなかった
  りおかしいところは 
oずいぶん┐  oはじめ┐
oづえぶん┘  oはぢめ┘
  ×       × 
o……しました。
o……しました、
       ×
 
・友だちどうし交換して読み合
 うときには、だいたい同じ能
 力のものと交換する方がよい
 場合もある。
・観点をはっきりさせてから読
 み合うようにする。この際は
 一応「かなづかい」と「。」
 「、」に観点をおくことにす
 る。
・児童どうしであるから、まち
 がってしるしをつけているか
 もしれないので、机間巡視を
 しながら気をつけるようにし
 たい。前時の記述中に観察し
 た結果を参考にして重点的に
 注意をするのもよい。 
 

 215

  先生にきいてくださ
  い。
C作文を清書する(10分)
 T 直し終わった人は
  作文用紙に清書して
  ください。友だちに
  あげるのですからき
  れいに書きましょう
  ね。
Dグループで読み合っ
 て、誕生会に読む代表
 を決める。  (10分)
 T 清書が終わったら
  グループごとに読み
  合って代表を決めて
  ください。代表の人
  には誕生会の時に読
  んでもらうことにし
  ましょう。あとの人
  のぶんは、おくる人
  ごとにとじて表紙を
  つけ、誕生会の時に
  あげることにしまし
  ょう。 
 
 
・何のために書き直すのかをは
 っきりさせて、目的を持って
 清書するようにする。 

七 作文の処理と評価  
   (1) 処理
  1 たんじょう会にお祝いとして読んであげる。
  2 発表できない作品もいっしょにして、祝ってあげる
   人ごとに一冊にまとめ、記念として贈呈する。
 (2) 評価
  評価の観点と基準
   (1) 祝ってあげる人に対して親しみの気持ちがわかる
    ように具体的に書いているか。
    A 友だちとの経験を、よく思い出し、親しみとお
     祝いの気持ちがよくあらわれるように、書いてい
     る。
    B お祝いの気持ちはわかるが内容がやや概念的で
     具体性にとぼしい。
    C 書こうとすることがはっきりせず、親しみの気
     持ちがあらわれていない。
   (2) かなづかいや「。」「、」に注意してていねいに
    書いているか。
    A かなづかい、文字の誤りがなく、書きぶりがて
     いねいである。また、「。」「、」のうち方が適
     切である。
    B かなづかい、文字、表記など誤りは少ないが、
     書きぶりにていねいさがない。
    C 文字・表記に誤りが多く、書きぶりが乱雑であ
     る。  

 216


  (9) 一 月 

機  能  正月や冬の生活経験を深め社会性を育てる
ために書く。 
学習活動  正月や冬の生活経験を書く。 
学習事項  1 おもしろかったことや楽しかったこと
 がわかるように書くこと。
2 会話を入れて、生き生きと書くこと。 
題 材 例  たこあげ  はねつき  元日まいり
お年玉  ○○へ行ったこと
冬のあそび  

    単 元  お正月

一 単元について
 今日では、都会でもその他の地域でもむかしのような正月
気分を味わうことができなくなったが、それでも、児童は正
月になると特殊な、楽しい経験をしている。そして、その経
験を友だちや教師に知らせたい気持ちにかられている。また
友だちの経験発表に対してもきわめて積極的に反応するのが
この期の児童である。
 ここでは、楽しかった正月の経験をとり上げて、その楽し
さを一層深く味わわせたい。 
  二 単元の目標
 正月の生活や遊びについて書いた文章を読んだり、自分の
経験を書いて知らせ合ったりして、正月の楽しさを深める。
三 単元の学習内容
 (1) 学習活動
  1 教材「たこあげ」「かまくら」を読む。
  2 正月の経験について文章を書く。
  3 書いたものを発表し合う。
 (2) 学習事項
  1 どんな順序で書かれているかを読みとること。
  2 好きなところやおもしろいところを抜き出すこと。
  3 とくに書きたいことを選んで書くこと。
  4 おもしろかったことや楽しかったことがわかるよう
   に書くこと。
  5 会話を入れて生き生きと書くこと。
  6 文字の形や筆順に注意して書くこと。
四 この単元に用意された教材。
 (1) たこあげ
   たこあげをした経験を書いた児童詩。
 (2) かまくら
   友だちといっしょに、かまくらを作ったことを書いた
  児童作文。
 ※(2) の教材は、児童に書きたい意欲をおこさせるととも
   に、次のような紀述上の学習事項を含んでいる。 

 217

  1 経験の順序をたどって書いていること。
  2 自分の行動だけでなく、まわりの様子や友だちのこ
   とも書いていること。
  3 会話を入れて、生き生きと書いていること。
五 単元の指導計画(6 時間)
 (1) 正月の生活や遊びについて話し合う。┐
 (2) 教材「たこあげ」を読む。─────┤
 (3) 「たこあげ」を視写する。─────┼(4 時間)
 (4) 教材「かまくら」を読む。─────┘
 (5) 正月の経験を書く(1 時間)
  ・経験の中から書くことをえらぶ
                (作文指導第1時)
  ・どのように書けばよいか考える。
  ・記述する。
  ・書いたものを読み直す。
 (6) 書いたものを発表し合う。(1 時間)
  ・グループで読み合う。
                (作文指導第2時)
  ・印刷された作品を読む。
六 作文学習指導の展開
 ※ ここでは、正月の経験をふつうの長い文章に書かせる
  ことを本体としながら、希望者には詩的な表現をも認め
  てやりたい。このようなやり方は、学習事項の不徹底に
  陥りやすいが、この期の児童に詩的表現を強制すること
  はできないし、また詩的表現の芽ばえを二年生のころか
  ら作ってやることもたいせつなことだと考えて、あえて 
    両者を認めることにしたのである。
 (一) 作文指導第1時間
  学習目標 正月の経験をよく思いだして書いて、その楽
   しさを深めることができる。
 学 習 活 動 学習事項および留意点 
@経験の中から書くこと
 をえらぶ。(5分)
 T きょうはお正月の
  ことを書くのでした
  ね。どんなことを書
  いて友だちや先生に
  知らせたいと思いま
  すか。
 C うちの人と浅草へ
  いったこと。
 C しんせきの子とト
  ランプやはねつきを
  して遊んだこと。
Aどのように書けばよい
 か考える。(5分)
 T おもしろかったこ
  とや楽しかったこと
  が、みんなによくわ
  かるように書くには
  どんなことに気をつ 
○とくに書きたいことをえらん
 で書くこと。
・本時の学習を明示する。
  
 
 
 
・教師は児童の発表に反応して
 やりながら、板書する。内容
 が貧弱だと思われるような場
 合は、質問をして材料をひき
 だしてやる。
・二年もこの時期になると、今
 までの指導で、次のような事
 項はよく理解されている。
1 一つのことをえらんで、
2 じゅんじょよく
3 よく思い出して、くわしく
4 おはなしをいれて 
 

 218

  けたらよいでしょ
  う。
 C たこあげなら、た
  こあげのことだけを
  書く。
 C その時のことをよ
  く思い出して書く。
 
 
 T きょうは、とくに
  (3)と(4)に気をつけ
  て書きましょう。そ
  の時、どんなお話し
  をしたか、よく思い
  出して書いてくださ
  い。
 T 教科書の「たこあ
  げ」のように、おも
  しろかったところだ
  けを短く書きたい人
  は、それでもいいで
  すよ。

B記述する  (30分) 
 
 
  また、そのおのおのについ
 ても、何回か重点的に取り上
 げて指導しているので、その
 要求に応ずる記述のしかたも
 かなり会得している。ここで
 は板書事項の(3)、(4)をとり
 上げる。
・詩的表現をしようとする児童
 を集めて、次の点について指
 導する。
 1 うれしかったこと、おも
  しろかったこと、びっくり
  したこと……その時の気持
  ちをすなおに書くこと。
 2 具体的な「ある場面」で
  の気持ちを書くこと。
・表現技術などは要求しない。
 自分の気持ちを素直に、自由
 に書かせる。
・記述中の指導
 1 机間を巡視して、文題が
  「お正月」のような包括的
  なものの場合は、具体的な
  ものにするよう指導する。 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
C書いたものを読み直
 す。 (5分)
 T 次の時間に友だち
  の前で読んでもらい
  ますから、すらすら
  読めるように練習し
  てください。お話し
  がいくつはいってい
  るか数えて、作文の
  おわりにその数を書
  いてください。  
 2 書くことのきまらない児
  童には、相談にのってやる
 3 記述能力の低い児童には
  内容の豊富さは要求せず、
  文脈の整った文章を書くこ
  とを指導する。
 4 「。」の使い方を個別指
  導する。
〇書いたものを読み直すこと。
 
・読み直す場合も目的を持たせ
 る。この場合は
 1すらすら読む
 2「。」の点検
・読み直しの早く終った児童
 は、教師の前で読む。教師は
 板事事項の(3)、(4)について
 指導する。 

 (二) 作文指導第2時間
  学習目標 作文を発表し合って正月の経験を広めること
   ができる。
 学 習 活 動 学習事項および留意点 
@前時に書いた作文をグ   
 

 219

 ループで発表し合う。
      (15分)
 T はじめに、グルー
  プごとにわかれて、
  発表し合いましょ
  う。発表がおわった
  ら、わかったことを
  話したり質問したり
  しましょう。
A印刷された、友だちの
 作文を読む。(20分)
 T 半田くんの作文を
  読みましょう。

  <資料>  
 
 
・グループは四人ぐらいがよ
 い。
・教師もグループを回って、感
 想をきく。友だちの作文の中
 から、おもしろかったことや
 楽しかったことをとり上げる
 ように指導する。 

      たこあげ       半田久男
  ぼくは、一月二日に、きょう会のとなりのあき地
 で、たこあげをしました。
  おねえさんにもってもらってあげましたが、ちっと
 もあがりませんでした。川口くんは、
 「へただなあ」
 といいました。こんどは、川口くんがかわってやりま
 したが、やっぱりあがりませんでした。
  一じかんぐらいたって、また三人であげにいきまし
 た。こんどもおちてしまいました。石のところにおち
 たのをむりにひっぱったので、たこはこわれてしまい  
 
 
 ました。それで、ぼくは、                        
 「もう一つ、かおうかな。」
 といいました。
 すると、川口くんは、
 「もう、たこなんかかうな。」
 といいました。
  でも、ぼくはたこをかいました。そして、またおね
 えさんとあげました。こんどは、すごくあがりまし
 た。でも、糸はぜんぶ出しませんでした。ぼくは、
 「もう、やめようよ。」
 といいました。
 おねえさんは、
 「まだあげていましょうよ。」
 といいました。でも、ぼくはやめてしまいました。家
 にかえってから、すこしあそんで、また、
 「たこあげにいこうよ。」
 というと、おねえさんは、
 「だから、さっき、もっとあげましょうといったでし
 ょう。」
 といいました。
  あげにいくと、かぜがつよくふいていました。たこ
 はものすごくよくあがりました。糸をどんどんだして
 いくと、糸まきにとめてなかったので、十五円の糸ご
 とたこがとんでいってしまいました。
  それを、おねえさんとぼくでおっていきました。で
 もおいつきませんでした。ワシントンハイツのほうま
 でとんでいって、木にひっかかってしまいました。
  たこ五円、もめん糸十五円、ごうけい二十円そんを 
 

 220

 しました。家にかえって、そのことをはなしました。
  おばあさんたちは、わらっていました。おじいさん
 が、
 「たこと糸をかいなさい。」
 といって、二十円くれました。 
 T 半田くんの作文を
  読んで、どんなこと
  がわかりましたか。
 C たこがとんでいっ
  てしまった。
 C 半田くんは一日の
  うちに四回もたこあ
  げをした。
 C おじいさんに二十
  円もらった。
 T たくさんでました
  ね。半田くんは四回
  もたこあげをしまし
  たが、たこがよくあ
  がったかどうか、一
  回めから調べてみま
  しょう。一回めはど
  うでしたか。
 C あがらなかった
 T 二回めは  
・ここで技能的なことばかりと
 り上げると、経験の深まりは
 望めない。書く技能・理解な
 どは、内容と結んで扱う。

・児童の読みとったことを、作
 文の文中でしっかりおさえさ
 せる。
一かい あがりませんでし
    た。
二かい おちてしまいまし
    た。
三かい すごくあがりまし
    た。
四かい ものすごくよくあ
    がりました。 
・上の板書をみて、どんな順序
 で書かれているかを理解させ
 る。
 
 
 T こんどは、少しく
  わしく調べていきま
  しょう。一回めのと
  ころが書いてあるの
  は、どこまでですか
 C 「やっぱりあがり
  ませんでした。」ま
  で。
 T そこのところを半
  田くんはお話を入れ
  て、じょうずに書い
  ています。××さ
  ん、読んでくださ
  い。
 T 一回めのところ
  で、もっとこんなこ
  とも書くとよかった
  なあと思うことはあ
  りませんか。
 C 川口くんがやって
  もあがらなかったの
  だから、こんどは、
  半田くんが川口くん
  の悪口をいったと思
  う。それを書くとい
  い。  
 
○順序よく書けていることを理
 解する。
・しっかりおさえさせる。
 
 
 
 
・二名ぐらいに読ませる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
・上のようにして、作者にその  
 

 221

 C 書いた方がいい。
 T 半田くん、その時
  のことをよく思い出
  してください。 
 時の会話を発表させる。
・作者の発表を板書して、原作
 とくらべ、二つの会話がはい
 ったことによって、その場の
 様子がよくわかるようになっ
 たことを理解させる。
「きみがやっても、あがらな
いじゃないか」
と、ぼくがいうと、川口くん
は、
「かぜがふいてこないからだ
よ。」といいました。 
○会話がはいることによって表
 現がいきいきとすることに気
 づく。
○くわしく書くということを具
 体的に理解する。
・内容を話し合いながら、くわ
 しく思い出して書いているこ
 とと結びつけて扱っていく。
  りくつではなく、作者はこ
 んなことまで思い出して書い
 ている。こんなお話もよく思
 い出している。だから、その
 時のことがよくわかるのだ  
 
 


 T 半田くんがとても
  くわしく書いてくれ
  たので、たこあげの
  様子や、そのときの
  きみの気持ちがよく
  わかりましたね。
B友だちの詩を読む。
     (10分)
 T 山田さんが、お正
  月のことを短い文に
  書きましたから、こ
  んどは、それを読み
  ましょう。  
 ということを実際の表現に即
 して理解させる。
・作文を書き、学習の材料にな
 ったことについての喜びを作
 者に与えることを忘れないよ
 うにしたい。  

  <資料> プリント 
    きもの    山田京子
 お正月のあさ
 おかあさんに、きものをきせてもらいました。
 かがみを見たら、
 いつもの京子とちがっていました。
 わたしは、
 「あなたは、山田京子さんですか。」
 とききました。
 そしたら、  
 

 222

 かがみの中のわたしが、
 くすくすわらいだしました。 

 T みなさんの中にも
  お正月にきものをき
  て、鏡をみた人がい
  るでしょう。
 C わたしもみた。
 C 先生、新しい服を
  買ってもらった時に
  も見にいきます。
 C ぼくは、ぼうしを
  買ってもらったと
  き、鏡をみた。
 T 山田さんは、鏡を
  みて、どんなことに
  気がつきましたか。
 C いつもの京子とち
  がっていた。
 T どうしてちがって
  みえたのでしょう。
 C いつもは洋服ばか
  りきているでしょ
  う。だけど、この時
  は、きものだから、
  ちがう感じなの。  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
・「いつもの京子とちがってい
 ました。」
 これに気がついたことが、こ
 の詩的表現のモチーフになっ
 ている。
・他の児童も作者と同じような
 経験をしているにちがいな
 い。そういう経験をどんどん
 発表させて、その時の異和感
 を心にとめておいた作者をほ
 めてやりたい。  
 
 
 T 山田さんは、その
  時の感じを、心にと
  めておいて書いたか
  ら、こんないい作文
  ができたのですね。
 T いつもの京子さん
  とちがう京子さんを
  みて、山田さんはど
  うしましたか。
 C あなたは山田京子
  さんですかときい
  た。
 T だれに
 C 鏡の中の山田さん
 T 山田さんがふたり
  いるんですね。おも
  しろいね。山田さん
  は、どんな気持ちで
  きいたのでしょう。
 C ふざけてきいた。
 C きものをきたから
  うれしくて、ふざけ
  たの。
 T みなさんは、鏡を
  みて、山田さんのよ
  うに、おもしろいい 
・おもしろいなあ、ふしぎだな
 あ、めずらしいものをみつけ
 たぞ……二年生の詩的表現の
 中核になるものは、このよう
 な感動である。単純であり、
 素朴であるが、この感動をだ
 いじにしてやりたい。ただ何
 でも短くくぎって書けばよい
 というような指導はさけるべ
 きである。二年生は二年生な
 りに、感動のこもった文章を
 書くよう指導する。
 
 
 
 
 
 
 
 
・着物をきたので、うれしくて
 ふざけた――これが、この詩
 の生命である。  
 

 223

  たずらをしたことは
  ありませんか。
 C 鏡をみながら、体
  そうのように首をま
  げたり、口をあけた
  りした。
 C 鏡の中のぼくとに
  らめっこをした。
  C舌を出したり、百
  面相をやったりし
  た。
 T そういうのを書く
  と、いい作文になり
  ますよ。こんどそう
  いうことがあった
  ら、書いて、先生に
  見せてください。 
 
〔備考〕
※ ここに出した詩的表現の資料は、散文体のものを、教
 師が行をわけて書き直したものである。二年生としてほ
 優秀の部で、他の児童の作品は次の程度のものが多い。 
  元日のあさ、ぼくはくみ子ちゃんとおもちをやき
 ました。
  そっとみていたら、おもちが、おすもうさんみた
 いにふくらみました。 
 
 
  くみ子ちゃんが、キャアキャアいってよろこびま
 した。 
  一月一日のあさ、めいじじんぐうにおまいりをし
 ました。
  おかねをなげました。
  おかねのおとが「チャリン」としました。
  パパにだっこしてもらって、おさいせんばこをみた
 ら、おかねがいっぱいはいっていました。
 「わあ、いっぱい、はいっている。」
 とわたしは、大きなこえでいいました。  

七 作文の処理と評価
 (1) 作文の処理
  1 第2時間めに発表し合う(C)
  2 給食の時を利用して教師が読んでやる(T)
  3 よく書けているものを掲示する(T)
  4 詩的表現のいいものを、大きく清書させて掲示する
   (T)
  5 個人文集にとじる。(C)
 (2) 作文の評価(観点と基準)
  l おもしろかったことや楽しかったことがよくわかる
   ように書いているか。
   A 正月の生活の中から、とくに印象の深い経験をえ
    らんで、それを中心に細かいところまでよく思い出

 224

    して書いているので、楽しかったことがよくわか
    る。
   B 印象の深い経験を中心に書いてはいるが、くわし
    く思い出していないために、楽しさが十分読みとれ
    ない。
   C いくつもの経験を羅列しているだけである。
  2 会話を入れて生き生きと書いているか。
   A 場面をおさえて、会話を入れて生き生きと書いて
    いる。
   B 場面をおさえてはいるが、会話も少なく、生き生
    きとした書き方ではない。
   C 会話がまったく使われていない。


  (10) 2 月 

 機  能 家庭行事の経験を深め家庭生括に適応する
ために書く。  
 学習活動 このごろの家庭行事で経験したことを書く。 
学習事項 行動や様子がわかるようにくわしく書くこ
と。  
題 材 例 まめまき  おにいさんのたんじょう日  
 
      単 元  せつぶん

一 単元について
 一家そろってのせつぶんの行事は、児童にとって楽しい経
験である。この期の児童は、このような経験を話題にすると
ひじょうな興味をもって、活発に発表する。そこで、せつぶ
んの行事について言語活動を組織して単元を構成し、家庭生
活に適応し、さらに楽しさを深めさせたい。
二 単元の目標
 せつぶんについて経験したことを読んだり書いたりするこ
とによって、家庭生活の楽しさをいっそう深め、家庭生活に
適応していくことができるようになる。
三 単元の学習内容
 (1) 学習活動
  1 教材「まめいり」「まめまき」を読む。
  2 せつぶんの経験について文章を書く。
  3 書いたものを発表し合う。
 (2) 学習事項
  1 どんな順序で書いてあるかを読みとること。
  2 好きなところやおもしろいところを抜きだすこと。
  3 行動や様子を、わかるように書くこと。
  4 書いたものを読み直すこと。
  5 かなづかいに注意すること。
四 この単元に用意された教材  

225

 (1) まめいり
   せつぶんのまめいりの様子を書いた児童の詩。いって
  いる時のまめの音や匂いをよくとらえている。表現がき
  わめて素朴で、詩的表現へのみちびきになる。
 (2) まめまき
   兄とまめまきをした経験を書いた作文。児童に自分の
  経験を思いださせ、その表現意欲を刺激する。次のよう
  な記述上の学習事項を含んでいる。
  l 特に印象の深かった場面を中心に書いていること。
  2 自分と兄の行動を中心としながら、妹、父、母を書
   きわけていること。
五 単元の指導計画(8 時間)
 (1) まめまきをした経験を話し合う。─┐
 (2) 教材「まめいり」を読む。────┼(2 時間)
 (3) 「まめいり」を視写する。────┘
 (4) 教材「まめまき」を読む。(4 時間)
 (5) せつぶんの経験を文章に書く。(1 時間)
  ・書くことを決める      (作文指導第1時)
  ・中心になるところを決める
  ・記述する
  ・読み直す
 (6) 作文を発表し合う。
  ・どんなことがどんな順序で書かれているか話し合う。
  ・くわしく書いてあるところを視写する
                 (作文指導第2時) 
    ・表記上の誤りを直す。
六 作文学習指導の展開
 ※作文を書くことを予告して、何について書くかメモに書
  かせておきたい。
 (一) 作文指導第一時間
  学習目標 楽しかった経験をくわしく思いだして書くこ
   とによって、楽しかった経験がいっそう深くなる。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@書くことを決める。
       (3分)
 T きょうは、せつぶ
  んのことを作文に書
  くのでしたね。何を
  したことを書い
  て、友だちや先生に
  知らせたいと思いま
  すか
 C 豆まきをしたこと
 C 豆を、みんなで食
  べたこと。
 C 鬼のめんを作った
  こと。
A書くことの中心を決め
 る     (7分)  
・本時の学習をはっきりさせ
 る。
〇書くことを決めること。
・メモをもとにして発表させ
 る。児童・発表は板書して、
 同じことを書く児童がどのく
 らいいるかたしかめる。
 
 
 
 
 
 
○書くことの中心を決めるこ
 と。
・数名に発表させる。時々、教 
 

  226

 T その中で、いちば
  んおもしろかったの
  は、どんなことでし
  たか。
 C おにいさんとふざ
  けて、鬼はうち、福
  は外とあべこべにい
  った。
 C おとうさんが、大
  きな声を出して豆を
  まいたところ。
 C にいさんがはずか
  しがって、大きな声
  を出せなかったこ
  と。
 C 豆を年の数だけ食
  べる時、おばあちゃ
  んが困ったこと。
 T きょうは、そのお
  もしろかったところ
  をよく思いだして、
  くわしく書いてくだ
  さい 
 師が質問誘導して、内容をひ
 き出してやる。
 (例)Cの発表について
 T それは、どっちがさきに
  やったの
 C おにいさんが、ふざけて
  さきにやったからね、ぼく
  もおもしろくなって、いっ
  しょにどなったの。
 T おしまいまであべこべに
  やっていたの。
 C あべこべにやっていた
  ら、おかあさんがとんで来
  てね。
 T そこまで。さあ、おかあ
  さんが、とんで来ました
  よ。みなさん、○○くんと
  おにいさんは、どうしたで
  しょう。このあと、とても
  おもしろそうだね。
・児童の発表の間に、類似の経
 験をした者を挙手させたりし
 て、他の児童にも中心をつか
 ませるように配慮する。
○細かいところまで思い出し
 て、くわしく書くこと。  
 
 
D記述する。 (30分)
 T 「まめいり」のよ
  うに、短く書きたい
  人は、それでもいい
  ですよ。
C書いたことを読み直
 す。    (5分)
 T 書きおわったら読
  み直して、字のぬけ
  ているところや、ま
  ちがいを直してくだ
  さい。

D作文を提出する。  
・記述中は机間巡視をして、書
 きあぐんでいる児童や能力の
 低い児童に、材料をひき出し
 てやったり、経険を順序だて
 て思い出させたりする。
・はやく書けた児童は教師の前
 で読ませて、書きたりないと
 ころなどを指摘してやる。
○書いたことを読み直すこと。
○かなづかいの誤りを正すこと
・誤りやすい助詞や、ぬけやす
 い促音を板書かカードによっ
 て示しておく。(次時にも使
 用する) 

 (二) 作文指導第二時間
  学習目標 友だちの作文を読みせつぶんの楽しさを味
   わうことがせきるようにする。

学 習 活 動   学習事項および留意点
@友だちの作品を読む。
       (5分)
 T きょうは、友だち
  の作文を読んで勉強
  しましょう。 
 
 
・本時の学習を明示する。 
 

 227


  <資料> プリント

    ま め ま き       山田まさみ
  きょうは、せつぶんです。ぼくと、おかあさんと、
 おにのめんをかわりばんこにかぶって、やりました。
 ぼくがおにになって、おかあさんがまめをまきまし
 た。
 「ふくはうち、おには外」
 とやりました。ぼくにまめがあたるので、ぼくは、
 「いたい、いたい。」
 といいました。
 ぼくがまくとき、おかあさんが、
 「少しまきな。」
 といいました。ぼくはひとつかみに十こぐらいとって
 なげました。おかあさんは、すみっこににげました。
 うちでまめまきをやめると、となりの家から、
 「ふくはうち、おには外。」
 ときこえてきました。おかあさんとぼくで、
 「うふふ」
 とわらいました。ぼくはまめを
 「ポリポリ」
 たべました。そのうちにねむくなりました。でも、ぼ
 くはがまんをして、テレビを見ていましたが、ねむく
 てがまんがなりません。ぼくは、
 「もう、ねるよ。」
 といいました。おかあさんが、 
 
 
 「もう、ねなさい。」
 といいました。ぼくは
 「おやすみ。」
 といいました。おかあさんも、
 「おやすみ。」といってくれました。 
Aどんなことが、どんな
 順序で書いてあるか話
 し合う。 (10分)
 T この作品を読んで
  どんなことがわかり
  ますか。
 C おかあさんとかわ
  りばんこにおにのめ
  んをかぶって、やっ
  た。
 C おかあさんが、す
  みっこににげていっ
  た。
 C ふたりでわらっ
  た。
  T山田くんが、どん
  な順序で書いている
  か、たしかめましょ
  う。 
・児童の発表したことをまとめ
 てカードに書く。 
一かわりばんこにやりまし
 た。
 @おかあさん……まきまし
 た。
 ぼく……「いたい、いた
 い。」
 Aぼく……なげました。
  おかあさん……すみっこ
  ににげました。
二となりの家から……きこえ
 てきました。おかあさんと
 ぼくでわらいました。
三まめをたべました。
四テレビを見てねました。 
・叙述の順序にカードをならべ
 かえる。ならべながら、そこ 
 

 228

 
 
Bくわしく書けていると
 ころを視写する(10分)
 T まめまきの時の様
  子がよくわかるよう
  に書けているのはど
  こでしょう。
 C となりの家から豆
  まきの声がきこえて
  きたので、ふたりで
  わらったところ。
 T そこを赤い線でか
  こみましょう。先生
  は少し行をかえて、
  書きます。
 T これだけでも、短
  い、おもしろい作文
  になりますね。
 C 「ふふ」とわらっ
  たところがおもしろ
  い。
 T ノートにきれいに
  書きましょう。
C友だちの作文の発表を
 きいて話し合う(10分)  
 に該当する部分を読んで、書
 き方を話し合う。
・くわしく書けているところで
 は、
 (1) 作者が豆をまいたところ
 (2) 隣家の声をきいて笑いあ
 ったところ。をとり上げた
 い。
○よく思いだしてくわしく書い
 てあることがわかる。 
うちでまめまきをやめると、
となりの家から
「ふくはうち、おには外。」
ときこえてきました。
おかあさんとぼくで
「うふふ」
とわらいました。 
・詩的表現への導きとして扱
 う。
 
 
・二名ぐらいに発表させる。
・話し合いの内容を板書してお 
 
 
 T こんどは○○さん
  に読んでもらいまし
  ょう。黒板に書いた
  ことに気をつけて聞
  きましょう。
C友だちと交換して読み
 表紀上の誤りを教え合
 う。 (10分)
 T 隣の人と交換して
  読みましょう。特に
  きょうはかなのつか
  い方に注意しましょ
  う。まちがっていた
  ら、赤鉛筆で印をつ
  けてあげましょう。
 T かえしてもらった
  ら、そこを直しまし
  う。  
 き聞く目的をはっきりさせて
 から聞かせる。
  <板書> 
l どんなことがわかったか
2 どこがおもしろかったか
 どこが楽しそうだったか
3 様子がよくわかるように
 書けていたのはどこか 
・この時期の児童には自力で誤
 字・脱字を直すことは困難で
 ある。そこで相互に教え合う
 方法をとった。
・前時に使用した。助詞、促音、
 拗音のカードを掲示してどん
 な点に注意するかはっきりさ
 せる。
○かなづかいに注意すること。 

七 作文の処理と評価
 (1) 作文の処理
  1 第2時間めに発表し合う。
  2 よく書けたものを掲示する。
  3 個人文集にとじて、家の人に読んでもらう。
 (2) 作文の評価(観点と基準)
  1 せつぶんの行事を楽しんでいる気持ちや、家族に対 

 229

   する親しみの気持ちがみられるか。
   A 楽しんで、積極的に、せつぶんの行事に参加して
    いることがわかる。
   B せつぶんの行事に参加した楽しさが十分読みとれ
    ない。
   C せつぶんの行事に関心をもっていない。
  2 その時の行動や様子をくわしく思いだして、生き生
   きと書いている。
   A 最も印象の深い場面を中心にして、家族の人の行
    動や会話などを入れて、生き生きと書いている。
   B 印象の深い場面が中心になっているが、ほとんど
    が自分の行動だけを書いている。
   C 中心もなく、ただ行動の羅列におわっている。
  3 誤字、脱字はどうか。

  (11) 三 月

機  能  自然に親しみ心情を豊かにするために書く  
学習活動  春の自然や生活について文章を書く。 
学習事項  1 知らせたいことがみんなにわかるよう
 に書くこと。
2 よく見たとおりに書くこと。 
題 材 例   春のあそび  春の仕事  春の自然
 (草木、川や山、雪どけ) 
 
 
    単 元  うれしい春

一 単元について
 三月になると、ひと雨ごとに暖かさが増し、木や草の芽が
育ってくる。長い間きびしい寒さにとじこめられていた者に
とって、春ほど待たれるものはない。児童も季節の変化を敏
感に感じとり、戸外に出て活発に活動を始める。思いきり手
足をのばし、動かし、心も解放的になっている。ここでは、
このごろの自然や生活を題材としてとり上げて、早春の喜び
を深め、自然に親しむ態度を養いたい。
二 単元の目標
 このごろの自然や生活に取材した詩や文章を読んだり書い
たりして、春を迎える喜びを深めることができる。
三 単元の学習内容
 (1) 学習活動
  l 教材「ねこやなぎ」「たんぽぽ」「春が来た」を読
   む。
  2 このごろの自然や生活について文章を書く。
  3 書いたものを発表し合う。
 (2) 学習事項
  1 春の喜びを読みとること。
  2 好きなところやおもしろいところを抜き出すこと。
  3 春の喜びがみんなにわかるように書くこと。
  4 経験の順序をたどって書くこと。  

 230

  5 よく見たとおりに書くこと。
  6 書いたものを読み直すこと。
  7 文字の形や筆順に注意して書くこと。
四 この単元に用意された教材
 (1) ねこやなぎ
   あたたかい春の日に照らされて、氷はとけ、ねこやな
  ぎはぴんとのびている――春のうれしい気持ちを書いた
  詩である。
 (2) たんぽぽ
   明るくたんぽぽのさいている道を歩いていたら、急に
  走りたくなった――はずんだ気持ちを書いた詩である。
 (3) 春が来た。
   犬をつれて、すすむくんと大川の土手へ遊びに行った
  ことを書いた作文。麦ばたけの道を走る。土手からころ
  がりっこをする。あたたかい土のにおいがする。もちぐ
  さの芽が出ている。川にすがたがうつる――冬から解放
  された作品の喜びにあふれた文章である。
  ※ この教材は三編とも作著の目が自然に向けられ、作
   者の行動の中で自然を捉えている。道を歩いていた
   り、庭の掃除をしたり、遊んだりしている時に、ふと
   気づいた――この教材は、そういう形で自然の変化に
   気づくことを児童に期待しているのであろう。しか
   し、自然に対する関心の程度によって、気づく度合い
   も異なる。そういう意味で、これらの教材を読むこと 
     によって、自分の身辺の自然に関心を向けさせること
   が、作文指導の基礎になると考える。
五 単元の指導計画(8 時間)
 (1) このごろの自然の変化や生活について話し
   合う。───────────────┐
 (2) 教材「ねこやなぎ」を読み、視写する。┤
 (3) 教材「たんぽぽ」を読み、視写する。─┼(6 時間)
 (4) 教材「春が来た」を読む。──────┘
 (5) このごろの生活について文章を書く(1 時間)
  ・書くことを決める    (作文指導第1時)
  ・どんな順序で書くか考える。
  ・記述する。
  ・読み直す。
 (6) 書いたものむ発表し合う。(1 時間)
  ・グループで読み合う。
               (作文指導第2時)
  ・グループの代表が発表する。
六 作文学習指導の展開
    略
 ※ 指導上の留意点
  (1) ここでは、ふつうの文章でも詩的表現でも、自分の
   好きな形で書かせるようにしたい。
  (2) 作文の導入としては
   1 身辺の自然の変化に気づかせる――気づいた経験
    を思いださせる。  

 231

   2 季節の変化による生活や遊びの変化に気づかせ
    る。
   などの指導を、児童の経験発表をもとにした話し合い
   によって十分行ないたい。
  (3) あくまでも、児童の経験を書くように指導したい。
   「木のめも大きくなりました。ももの花もさきまし
   た。」のような概念的な文章でなく、具体的な経験の場
   面で木の芽のふくらみに気づいたことを書かせたい。
   そのためには、遊びが主になり、春の季節感が稀薄で
   あっても止むを得ない場合もあろう。
    そこで教材を読ませる。次のような表現を児童の経
   験とからませて、ていねいにとり扱いたい。
   ・麦ばたけの 中の 道を ぼくが 先に かけて
    行きました。
   ・黒い 土の 道は、ゴムで できて いる ように
    やわらかでした。
   ・あたたかい 土の においが しました。
   ・すすむくんが、「かわいいめが出ているよ。」
    と いいました。見ると、もちぐさの めが たく
    さん 出て いました。
   ・川に、ふたりの すがたが うつりました。
    これににた「春」の発見を児童の経験の中から堀り
   起こして、作文を書かせたい。  
    (4) 詩的表現をする児童には、「春」の発見の具体的な
   場面をきりとって書かせたい。「いつ、どこで、どん
   な場面で」感動を受けたのか、即物的に、具象的に書
   くように指導したい。
    教材の「ねこやなぎ」「たんぽぽ」は、あくまでお
   となの作った詩で、直接児童の作詩の参考にはならな
   い。そこで、指導者はまえもって「春」に取材した児
   童の詩を集めて、掲示しておくぐらいの用意をしてお
   きたい。
  (5) 詩の形の整った作品を要求する必要はない。だいじ
   なのは、その中核になっている感動である。ふつうの
   作文の中にも、作者の気持ちのよくあらわれた表現が
   部分的にあるものである。それをきりとり、独立させ
   て、一作品として認めさせてやるような指導をくりか
   えしすることもだいじである。
七 作品の処理と評価−詩的表現について
 (1) 作文の処理
  l 第2時間めに発表し合う。
    感動が具象的に書かれている作品を大きく清書させ
   て掲示したり、朗読してやったりする。
  2 作文の中に詩的表現が含まれている場合は、その部
   分を赤の枠で囲み、それを教師が行わけして書いたも
   のとならべて掲示してやる。
  3 個人文集にとじる。  

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 (2) 作文の評価
   形式面であまりやかましいことをいわず、内容面で春
  の喜びが個性的に表現されているかどうかで評価する。
  A 春を迎える気持ちが具象的に表現されていて、読者
   に訴えるものを持っている。
  B 気持ちは書かれているが、読者に訴えるものが稀薄
   である。
  C 事実が書かれているだけで、作者に何の感動もなく
   読者に訴えるものもない。  
   
 




          <編著者紹介>
       輿 水  実  国立国語研究所第二研究部長
       中 沢 政 雄  東京都教育委員会指導主事










       機能的作文指導 理論・計画・実践1・2年
           輿 水  実
      編著者
           中 沢 政 雄
      発行者  藤 原 政 雄          _
      印刷所 新興印刷製本株式会社
      発行所 明治図書出版株式会社
          東京都中央区入船町3−3
          振替東京151318電(551)8266(代))
     1963年5月刊           600円