戻る

注 Web版作成に当たって一部漢数字を算用数字に変更しました。中澤敬彦




輿水 実
中沢政雄 編著    明治図書刊



機能的作文指導   ―理論・計画・実践―


                 三・四年





       は し が き
1
 私どもは、この本で機能的作文教育の基礎理論を明らかにし、それにもとづいて、三・四年の作文年間指導計画
をたて、その実践指導例をあげた。これによって、理論・計画・実践と、一貫した中学年の機能的作文教育の全体
系を明らかにしたつもりである。
 いわゆる生活作文は、作文を人問教育の方法としてみていて、広い言語生活の指導を忘れている。教科作文は、
書く言語経験の形式や技術の指導に力を注いでいて、人問研究を忘れている。
 機能的作文教育は、生活作文、教科作文を乗り越え、それをも含めて、機能的・科学的・生活的に組織した作文
教育である。国語科の書くこと(作文)の立場をとりながら、ことばの全機能に即して、児童の書く生活を指導す
ることをねらっている。つまり、書くことによって、児童の人問性を開発し、育成する過程において、特に作文の
能力を身につけることを強調し、書く生活の充実発展をめがけている作文教育である。
 おおかたのご批判を得て、さらに理論的にも、実践的にも、いっそう深めたいと思う、
            ×         ×
 この本は、與水実先生のご指導により国語教育科学研究会に所属する新進気鋭の人々が、一か年にわたって、熱
心に研究討議を重ねた結果をまとめたものである。昨年一月以来、毎週火曜日の夜、下北沢の私の研究室に集まっ
ては、時のたつのも忘れ、単元の構成、年間指導計画の編成、実践指導例の作成等について討議を重ね、検討を加
えた。第一章と第二章は私が書き、第三、四、五章は、井上潤(三年)、瀬川栄志・小川末吉(四年)が分担執筆
した。それについて、私と渡辺正・飯田清・中津留喜美男の四人で検討を加え、さらに輿水先生の助言を得て整理



2

し編集した。
 こうして、理論・計画・実践と、一貫した「機能的作文指導」はできあがった。
            ×         ×
 最近、国語教育の近代化が論ぜられているが、本書に述べた機能的作文教育こそ、科学性・生産性・技能性・合
理性の基礎の上に打ち立てられた近代的作文教育の一つであると思う。私どもは、これからさらに作文教育の近代
化をめざして、いっそうの努力、精進を重ねたいと思う。
 この機能的作文教育の確立を願って、終始討議に参加した人々は、次のとおりである。(本書の執筆者を除く)
   船越コト・大石賢治・伴定子・花見安憲・飯田清・林武男・中津留喜美男・相川正志・渡辺正
 なお、この本の出版にあたっては、明治図書の三枝久明さん、園田桂子さんおふたりに格別お世話になったこ
こにしるして感謝の意を表わしたい。

  昭和三十八年三月二十三日
                                          中 沢 政 雄  



3
  目    次

は し が き

第一章 機能的作文教育の考え方……………………………………………………………………………………1
  一 これからの作文教育…………………………………………………………………………………………1
   (一) これまでの作文教育…………………………………………………………………………………1
   (二) これからの作文教育――機能的作文教育…………………………………………………………5
  二 機能的作文指導の構想………………………………………………………………………………………8
   (一) 機能的作文指導の目標………………………………………………………………………………8
   (二) 機能的作文指導の内容…………………………………………………………………………… 10
   (三) 機能的作文指導の方法…………………………………………………………………………… 16
   (四) 児童の作文の見方………………………………………………………………………………… 22
第二章中学年の作文………………………………………………………………………………………………… 25
  一 認識の発達と中学年の作文の特色……………………………………………………………………… 25
   (一) 線条的な文章から面的な文章へ………………………………………………………………… 25
   (二) 一般的な表現から精密な感覚的な表現へ……………………………………………………… 27
4
   (三) 自己中心的な表現から客観的な表現へ………………………………………………………… 27
  二 思考の発達と文型の発達………………………………………………………………………………… 29
  三 題材と発想………………………………………………………………………………………………… 31
  四 主観的表現………………………………………………………………………………………………… 36
  五 その他の表現形式………………………………………………………………………………………… 37
   (一) 児童の作文の文末の型の発達……………………………………………………………………… 37
   (二) 児童の書く文の発達………………………………………………………………………………… 38
第三章 機能的作文指導の方法…………………………………………………………………………………… 39
   (一) 目的に応じた書くことの指導の方法……………………………………………………………… 39
   (二) 感動を訴え、感覚をみがくために書く指導の方法……………………………………………… 46
   (三) 経験や思想を深めるために書く指導の方法……………………………………………………… 55
   (四) 研究や生活に役立てるために書く指導の方法…………………………………………………… 71
   (五) 練習のために書く指導の方法……………………………………………………………………… 86
   (六) 処理と評価の方法…………………………………………………………………………………… 88
第四章 機能的作文指導の年間計画……………………………………………………………………………… 94
  一 年間指導計画について…………………………………………………………………………………… 94
  二 三年の年間指導計画………………………………………………………………………………………104
5
  三 四年の年間指導計画………………………………………………………………………………………109
第五章 機能的作文指導の実践……………………………………………………………………………………115

  一 この実践指導の背景………………………………………………………………………………………115
  二 三年の機能的作文指導の実践……………………………………………………………………………119
   (一) 四 月
                       単元 おまつり…………………145
     単元 学級日記………………………119
        (七) 十一月
   (二) 五 月                       単元 かべ新聞…………………150
     単元 きょうだい……………………123       (八) 十二月
   (三) 六 月                       単元 友だち……………………155
     単元 びょうき………………………128       (九) 一 月
   (四) 七 月                       単元 なわとび…………………160
     単元 せみとり………………………131        (十) 二 月
   (五) 九 月                        単元 かわいいどうぶつ………163
     単元 お礼の手紙……………………136       (十一) 三 月
   (六) 十 月                       単元 学級文集を作ろう………169
     単元 わたしのかかり………………140
  三 四年の作文指導の実践……………………………………………………………………………………174
6
   (一) 四 月                       単元 運動会 …………………205
     単元 転校した友へ…………………174       (七) 十一月
   (二) 五 月                       単元 働く人 …………………210
     単元 おかあさん……………………181       (八) 十二月
   (三) 六 月                       単元 このごろの生活…………216
`    単元 学級新聞………………………187       (九) 一 月
   (四) 七 月                       単元 当番………………………223
     単元 わたしの研究…………………194       (十) 二 月
   (五) 九 月                       単元 私の読んだ本……………229
     単元 つり……………………………199      (十一) 三 月
   (六) 十 月                       単元 文集を作ろう……………236

                                                     1







     第一章 機能的作文教育の考え方




       一 これからの作文教育




 (一) これまでの作文教育



 わが国の作文教育は、これを歴史的に見ると次のように移り変わっている。
 1 文章形式の教授(作文)
 明治の初めの作文は、形式的な文章の書き方、実用的な日用書類の書き方などを教えた。それは文章の形式を形
式として教授したもので、書式や模範文を示してそれを模倣することが中心であった。したがって、今日の作文と
は全く違った内容・方法が考えられていた。
 2 心的内容の表現の指導(国語科綴り方)
 児童の生活・思想・感情等を全く無視して文章形式を教授したのに対し、作文は、児童自身の思想内容の表現の
しかたを指導すべきことが主張され、ここに児童中心・内容重視の作文教育が行なわれた。これは児童の発見であ
り作文教育の進歩であった。こうした、児童の心的内容の表現の指導が説かれ、児童中心の作文教育が主張される
に及んで、児童の真実の表現、感動の表現を説く、いわゆる文学的作文が登場した。これは、坪田譲治の児童文学
の主張、鈴木三重吉の「赤い鳥」の綴り方運動などの結果であった。これは、児童の思想表現の作文教育から児童

                                                     2

文学ヘ一歩を進めたものではあったが、言語の表現機能の一面だけを強調した作文であった。
 この文学的綴り方は、主観的立場に立つ表現の指導で主観的な文芸性の教育が中心であった。これに対して科学
的綴り方は、物象の観察・実験・測定等の客観的態度の養成、科学的精神の育成、科学的実践の方法の学習等を主
張した。これは、文学的作文が、言語の表現機能、精神的機能に基づく作文活動であるのに対し、科学的綴り方は、
言語の叙述的機能、文化的機能に基づく作文活動であった。しかし、いずれも、言語の機能の一面を担当する作文
教育に過ぎなかった。
 3 生活表現の指導(生活教育の方法)
 綴り方の本質は、生活の真実を表現することによって、自己の成長、生活の改造を計る、つまり、赤裸々の自己
の生活経験を表現することが強調された。これがいわゆる生活綴り方の主張である。
 この主張は、国語科の綴り方のわくから抜け出して、人間形成・人間改造・社会改造の方法つまり、国語科のわ
くづけを離れて、綴り方による教育方法として位置づけられるようになった。この生活綴り方は、終戦後の今日ま
で継承されているが、近代的作文教育の構想からみると、すでにその歴史的使命を果たして、その理論の反省・実
践の整理を必要とするにいたっている。
 4 表現技能の指導(国語科作文)
 太平洋戦争が終わると、国語教育は一大飛躍をした。作文も、従来の生活経験の表現を中心とした綴り方から日
常生活に必要な書く経験を与える国語科の一分節としての「書くこと」へと転換した。生活経験を表現する綴り方
から、日常生活に必要な文章形態の指導へと移り変わった。そして、文章形態に応ずる表現技能の学習が中心にな
ってきた。これは、「日常生活に必要な書く経験を与える」の真意が理解されなかったからである。
 日本の作文教育のたどったあとを、ごくかいつまんで述べたが、この歴史の流れを規定したものは、次の三点で

                                                     3

ある。
  一つは、「児童の発見からその成長発展へ」という方向である。
  二つは、「言語形式の教授から言語表現の指導へ」という方向である。
  三つは、「言語思想一体の言語観から、言語道具観を経て言語機能観へ」という方向である。
  この三つの流れのまにまに作文教育は移り変わってきた。
 言語形式の教授から言語表現の指導への方向が確立したときに、児童発見の契機があった。というよりも、児童
の発見が、形式から内容へ、形式教授から表現指導への方向をとらせたと考えたほうがいいかもしれない。この児
童の発見は当然児童の成長発展を助長する方向をたどった。一つは、文学者が押し進めた、文学的感動の世界の表
現つまり文学的表現によって児童の文芸性を伸ばそうとする方向であった。こうした文学的綴り方の果たした役
割はきわめて大きかった。児童自身の文学を発掘し、創造するところまで発展した。しかしながらこれは、児童の
人間性のほんの一面の指導に過ぎなかった。それは同時に、ことばの機能の一面――表現機能――を強調したに過
ぎなかった。
 他の一つは、教育実践家が押し進めた、生活事実の表現――悪も、醜も、矛盾も撞着も、生活のありのままの実
感を表現する――つまり生活実態の表現を通して、児童の人間性の開発、進んでは社会改造を試みようとする方向
であった。生活綴り方が、国語科綴り方から、生活教育方法としての綴り方へと進んだのは当然の帰結であった。
 この生活綴り方には、
 (1) 言語観の古さがあった。自己の赤裸々な表現、見たまま、感じたまま、実感そのままの表
現を強調した生活綴り方は、いやでも児童の主観的表現を、事実そのまま、実感そのままとしてこれを見、これを
尊重せざるを得なかった。つまり言語事実一体、言語思想一体の言語観に立たざるを得なかった。そこから児童の
表現を真実とのみ見たり、拙劣な、幼稚な、あいまいな表現までも、これを素朴と感じ、稚拙と信じ、深遠と満足

                                                     4

するほどのあまさが――真実の生活の厳しさをも朧化するほどのあまさが生まれたりした。たしかに、児童の生活
を尊重し、児童の表現をたいせつにしてはいた。しかしそこには、最も基礎的な、言語の記号性・象徴性への考慮
が欠除していた。言語の本質の理解が足りなかった。
 (2) 生活と自己とのコミュニケーションが考えられていなかった。自己表現、自己改造の綴り方は、自己中心の
綴り方であった。生活、生活環境と対決する自己主張はあっても、生活のありのまま、実感そのままを表現するこ
とが強調されたために、生活とのコミュニケーションによる発展が期待できなかった。
 (3) 生活の狭さ、片寄りがあった。生活綴り方の取り上げた生活は、児童の一般的な生活であって、書く生活で
はない。書く言語生活の教育ではない。したがって、そこで取り上げられる生活は、書くことを――表現すること
を必ずしも必要としない生活である。だから、そこには児童の書くための積極的な目的はない。主体的な行為とし
ての書く行動は計画されない。書かされる生活がそこにあるだけである。したがって、児童の書く生活の全面にわ
たって学習することを期待できなかった。
 (4) 言語機能の一面しか取り上げなかった。生活綴り方は消極的な自己表現の綴り方であった、指導者の指導理
念による自己深化、自己改造の綴り方であった。それはみずから計画し、みずから求めたものではなかった。それ
は言語の表現機能の一面を消極的にだけしか取り上げていなかった。ここに生活綴り方の別の意味での狭さがあっ
た。
 この人開性の文芸性への展開、思想性への発展の反動として主張されたのが、科学的綴り方であった。科学的綴
り方のねらったものは、主観的立場に立つ文芸性・思想性に対し、客観的立場に立つ科学精神・科学性の教育であ
ったことはすでに述べた。
 以上の綴り方は、それぞれ生活の一面、ことばの機能の一面だけしか取り上げなかったが、いずれも人開性の開

                                                     5

発――文芸性・思想性・科学性の教育を目がけていた。
 ところが、戦後の形式主義・技能主義の作文教育は、人開性の開発を忘れた全くの技術生義におちいってしまっ
た。技術を駆使する人間を忘れた、技術のための技術教育に進んでしまった。ことばを忘れ、人間を忘れ、社会を
無視したところに教育は成り立たない。そこには、言語道具観がある。思想と言語・言語内容と言語形式、内容と
技能の二元観だけがある。思想を忘れた言語形式・言語技術だけがある。もちろん、作文における表現技能の発見
は、作文教育の一大進歩であった。がそのために文芸性も捨てられ、科学性も忘れられ、まして思想性などは問題
にされていない。そのような大きな犠牲を払わざるを得なかったのは、いかにも残念なことであった。

 (二) これからの作文教育――機能的作文教育

 これまでの作文教育を、(1)人開性の開発の面から、(2)ことばの本質――言語観の面から、(3)表現技能の面か
ら、それぞれ歴史的にみてきた。それを結論的に言えば、
(1)人間性の開発の面――文学的綴り方の文芸性・生活綴り方の思想性、科学的綴り方の科学性、それぞれみな人
開性の一面しか取り上げていない。文芸性、思想性、科学性それに社会性も含めてみんな書せ集めでなく、それら
が有観的に結合した構造的全体としての人開性の開発が考えられる作文教育を考えなければならない。
(2)言語観の面――生活観り方の言語思想一体観では、児童の生活の真意が把握できない。ことがらとことば(事
実と記号)ことばと意味(記号と思想)の相互開係、相関開係がつかめないからである。戦後の表現技術指導の作
文の拠りどころとする言語道具観では、思想と思想を扱う技術とが二元的に考えられて、その技術面だけが強調さ
れて思想が軽視される。ことがらとことば、言語形式と言語内容、思想と技術との諸開係を正碓に、合理的に、一
元的に把握できる言語観に立たなければならない。

                                                     6

(3)表現技能の面――文学的綴り方の文学的表現、生活綴り方の実感的表現・科学的綴り方の科学的表現は、すで
に述べたように一面的である。これらの表現技術が総合的に考えられる作文教育が考えられなければならない。し
たがってこれからの作文教育は、これまでの作文教育と対立的に考えられるものではない。これまでの作文教育の
すべてが包含できる――理論的にも、実践的にも、内容的にもそれらを含み、統一し、一元化し得る作文教育でな
ければならない。それをなし得るのはただ一つ機能的言語観に立つ機能的作文教育である。(「機能的国語教育―
理論とその展開(中沢政雄著)」を参照されたい。)
(1) 機能的作文教育は、機能的言語観に立っている。
 まず、ことばの機能を、表現機能(人間形成の機能)叙述機能(文化形成の機能)伝達機能(社会形成の機能)
に三分類する。この三機能は、精神的機能・文化的機能・社会的機能とも考えられ、それぞれ、文学性・科学性・
社会性という特性を持ち、感情的・論理的・社会的特質をもっている。このことばの三機能に基づく人間性の開発
が計画され、ことばの三機能に基づく、記録・伝達・自己表現という書く経験の学習が組織され、文学的表現・科
学的表現・社会的表現の指導とが行なわれる。
(2) 機能的作文教育は、機能的立場を取っている。
 機能的作文教育は、機能的言語観に立って、言語の機能をじゅうぶんに発揮できるような作文教育を行なおうと
する。したがって、作文活動それ自体も機能的に考え、機能的に進める。つまり、文章を書くことによって、人間
性を開発・発展させる。――思考力を伸ばす。観察力を伸ばす。物の見方考え方――思想を育てる。物の感じ方――
感覚・感情を育てる。
 また、書くことによる人間性の開発――人間形成の過程において、作文能力――意図を書き表わす力、要点・要
件を押えて書く力、目的や内容に応じて書く力、目的に応じて文章を構成する力、相手に応じてことばを使い分け

                                                     7

る力、おっくうがらずに書く態度など、書く技能・態度・ことばに関する事項等――を養成する。このように、作
文活動は、人間形成(価値形成)の機能と能力の養成の機能とを持っている。
(3) 機能的作文教育は、機能的な題材・機能的な書く経験を組織する。
 機能的作文教育で取り上げる題材は、その背後に児童の生活があり、社会があり、思想があり、感情・感覚があ
り、言語文化がある。そのような価値のある機能的な題材である。
 また、書く文章・書く経験は、それによって価値が獲得され、人間性が開発される。好ましい技能・態度が養成
される。そのような価値のある機能的な文章・経験である。
 このような機能的な題材、機能的な書く経験が組織される。
(4) 機能的作文教育は、児童の主体性を尊重する。
 書かされる作文から書く作文へ。児童は、ある生活的・価値的な目的を持ち、その目的を達成するために、みず
から計画し、方法を考えて書く活動を行なう。その活動によって価値を獲得する。目的を達成する。そのような、
児童の目的的活動を組織したのが機能的作文教育である。
 このように、機能的作文教育は、従来のどの作文教育の理論も実践も、これを容易に、包み入れて余すところの
ない作文教育である。しかも、それは、従来の作文教育の寄せ集めや総合ではなく、それらを止揚した機能的立場
に立って、体系化されている理論であり、実践である。そこには一貫した教育理論の体系があり、それに基づく指
導理論の体系、実践指導の体系が、厳然として存するのである。

                                                     8

       二 機能的作文指導の構想



 機能的作文指導はどのように組み立てられているか、その全体構造を、目標・内容・方法に分けて述べてみたい。



 (一) 機能的作文指導の目標



 文章を書く時には必ず何らかの目的をもっている。手紙を書くのは社交のためや実用を便ずるためである。掲示
を書くのは、周知するためである。メモを書くのは備忘のためであり、心覚えのためである。研究記録は研究に役
だてるため、日記を書くのは、生活の反省や記録のためである。詩を書くのは、その感動を訴えるためである。生
活経験を書くのは経験を深める、認識を深めるためである。
 このように、文章を書くときには、必ず生活上の目的(生活目標)ことばの機能に即する目的(機能目標・価値
目標)をもって行なわれる。これを大きくまとめてみると、
(1) 研究や生活に役だてるため
(2) 知識や情報を伝えるため
(3) 行動させたり、意図に従わせたりするため
(4) 感動・感情・思想などを訴え伝えるため
 などことばの機能に即する目的をもって文章を書くことになる。このような目的をもって文章を書くことによっ
て、
 (1)思考力を伸ばす。      (2)心情を豊かにする。

                                                     9

 (3)個性を伸ばす。       (8)思想を深める。
 (4)社会性を増す。       (9)観察力を伸ばす。
 (5)経験を深める。       (10) 生活を明るくする。
 (6)認識を深める。       (11) 題材に内在する価値を獲得する。
 (7)感覚を磨く。
など、人間性を開発し伸長する。つまりいろいろな価値を生産する。
 これを要するに、文章を書くことによって(文章を書く経験を通して)生活上の目的を達成し、価値を生産する。
人間性を開発し、成長発展させる。ここに機能的作文教育の目標がある。
 このように、文章を書く活動、作文活動は価値を生産する活動、人間を形成する活動である。このような価値の
生産活動を処理するためには当然そのような書く活動(経験)を処理する作文能力――書く技能・態度・書くため
に必要なことばに関する事項その他――を必要とする。つまり、文章を書く学習の中には文章を書く能力の学習が
含まれている。文章を書く学習をすることによって、作文能力もともに学習することになる。文章の書き方を学習
することになる。
 昭和三三年の学習指導要領国語に各学年の学習の「内容」として、「書く態度・技能」が明示されているように
機能的作文指導においても、文章を書くために必要な作文の技能・態度・ことばに関する事項は、作文学習の内容
として学習活動の中に明確に位置づけている。(第五章実践例参照)
 最後に、機能的作文指導の目標を簡潔に述べると、ことばの機能をじゅうぶんに働かせて、人間性を開発し、伸
長させる。そのために、書く技能・態度を育て、書きことばを身につけて書きことばに対する関心意識を高め、書
きことばを大事にしようとする気持ちを育てる。そして、書く言語生活を改善し向上させるということになる。

                                                     10

 (二) 機能的作文指導の内容



 1 内容の構造
 作文教育の内容は書く経験である。価値の生産活動としての書く経験である。この書く経験は、必ず「何か」に
ついて書く。この「何か」が作文の「題材」である。「何か」が決すると、それについて、目的に応じ、題材に応
じて書き表わす。この書き表わされたものが「文章形態」であり、それを書き表わすことが「書く活動」である。
このある文章形態を書き表わすためには、そのような書く活動(経験)を処理する能力、つまり「作文能力」がな
ければならない。さらに、書く活動をささえる文字・語い・文法すなわち言語要素がなければならない。
 このように文章を書くという活動(経験)は、①題材 ②文章形態(書く活動の形態)③作文の技能・態度 ④
文字・語い・文法等の言語要素から成り立っていることがわかる。これらが有機的に統合されてはじめて文章を書
く経験が成立するのである。
 機能的作文教育の内容は、機能的な書く経験を組織したものである。つまり、①機能的な題材を取り上げ、②機
能的な書く経験をさせ、③機能的な作文能力を身につけ、④機能的な言語要素を習得させる。
 (1) 機能的な題材
 作文で取り上げる題材は、児童が関心、興味を持っていること、書く必要を感じていること、能力に合っている
こと、つまり児童がよく理解していること(事実)、経験したこと(生活)、思索したこと(思想)、感動したこと(感
動)などでその範囲は、家庭・学校・社会・自然・文化等多方面にわたっている。(「話題・主題の発達段階」――
「機能的国語教育」理論とその展開 明治図書」105ページ~ 114ページ「言語経験と話題・題材」を参照
されたい。)これらの題材の中から特に次のような条件を備えているものを選ぶことがたいせつである。それが機能

                                                     11

的な題材である。
ア 児童の人間性に培う価値をもっているもの。それについて書くことによって、理解が深まる。心情が育てられ
 る。思考力が伸ばされる。その他児童の精神形成の機能をもっているもの。(価値)
イ 児童の興味を刺激し、書こうとする欲求を持ち、必要を生じさせるもの。(欲求・目的)
ウ 児童のかっぱつな書く活動を誘発するもの。児童に必要な書く経験を与えるもの(活動・形態)
エ それについて書くことによって、好ましい作文力が養成されるもの。(能力)
オ それについて書くことによって、価値ある言語文化――書くために必要なことば――が身につくもの。(こと
 ば)
 (2) 機能的な活動 (経験)
 児童が文章を書く経験には、ア聞き取ったこと、読み取ったことをまとめて書く。イ研究や調査したことを記録
する。ウ学級日誌を書く。見学の報告を書く。エ読書感想文を書く。オ会議の記録を書く。力掲示を書く。キ学級
新聞の記事を書く。クお知らせを書く。ケ手紙を書く。コ心覚えを書く。サ伝言を書く。シ感動を訴えるために書
く。ス書きたくて書く。セ生活経験を書くなどいろいろなものがある。
 これらの経験のうち、次のような条件に合うものを選んで学習させる。それが機能的な活動(経験)である。
ア 児童の人間性に培う価値を生み出す経験であること。
イ 児童の現在の生活に必要な経験であること。
ウ 好ましい書く態度・技能等が育てられる経験であること。
エ 好ましいことば(言語文化)が習得される経験であること。
オ 書かされる作文活動でなくみずから書く作文活動であること。児童が、書く目的を自覚した主体的活動となり

                                                     12

 得ること。
 (3) 機能的な能力・機能的な言語
 言語要素(ことばに関する事項)は、言語活動をささえているものであり、言語能力は言語要素にささえられて
行なわれる言語活動を処理する能力である。言い換えれば、価値を生み出すための書く活動(経験)を内部からさ
さえているのが、文字・語い・文法であり、書く活動(経験)を遂行させるのが書く能力(技能・態度等)である。
このように書く能力を、書く経験を処理する能力・言語要素を書く経験をささえている要素と考えるところに機能
的立場がある。
 たとえば、「お礼の手紙を書く」経験をするためには、アお礼の心をこめて書くこと、イ相手に応じたことばづ
かいをすること。ウ要件を落さずに書くこと。エ書式に従って書くことなどの技能・態度・ことば等を欠くことは
できないし、これらによらなければ、この経験を満足に処理することはできない。
 だから、その経験を処理するに最もふさわしい、最も効果的な技能・態度・ことばを考えなければならない。
 観察記録を書くためには、的確な書き表わし方、主観的叙述と客観的叙述の別、観察記録の形式、科学的態度・
思考・科学的なことばなど機能的な技能・態度・機能的なことばを必要とするのである。
 2 内容の範囲
 指導の内容の決め方については明確な理論がない。文章形態によって決める、あるイデオロギーによって決める、
思いつきで決める、児童の生活経験によって決める、言語経験によって決めるなど、はっきりした根拠を持ってい
ないのが普通であった。したがって、その内容はばくぜんとしている、一面的で部分的である、体系的でない、あ
る面だけが強調されるなど、科学的・近代的作文教育に堪え得るものではなかった。
 機能的作文指導では、国語教育の本質に基づいて、次のような基礎理論に従って、科学的にその内容を決定して

                                                     13

いる
 まず、その内容の範囲を決める基準を「ことばの機能」に置く。国語教育の本質は、ことばの機能がじゅうぶん
に発揮できるように教育することだからである。
 そこで、ことばの機能に基づいて、次の三つの基準を立て、その範囲を決める。
(1)ことばの表現機能(精神的機能)に基づく書くこと。「自己表現」を中心とした書く経験を選ぶ。――精神形
 成のための書くこと。
(2)ことばの伝達機能(社会的機能)に基づく書くこと。「伝達」を中心とした書く経験を選ぶ。――社会形成の
 ための書くこと。
(3)ことばの叙述機能(文化的機能)に基づく書くこと。「記録」を中心とした書く経験を選ぶ、―文化形成の
 ための書くこと。
 このような、児童の書く言語生活の全領域にわたって、機能的な書く経験を選んで組織する。要するに、ことば
の機能に基づき、児童の生活に即し、言語能力の発達に応じた内容を選んで組織する。
 3 内容の機構
 (1) 「自己表現」のための作文の内容機構
自己表現のための作文は、次のような内容機構(全体構造)を持っている。
ア ことばの機能――「自己表現」は、ことばの叙述機能・精神的機能に基づく作文活動で、精神形成の機能を持
 っている。
イ 生活的・機能的な目的――自己表現は、①考えをまとめる。②感動を表わす。③訴える。④個性を伸ばす ⑤
 思想を豊かにする。⑥感覚をみがく。⑦心情を豊かにするなどのために書く経験である。

                                                     14

ウ 文章の形態・内容――自己表現の文章は、①感想、②意見、③思索、④感動、⑤感覚、⑥経験、⑦詩、⑧物語
 ⑨脚本等の内容や形態をもっている。
エ 表現――自己表現の文章は、文学的文章・思索的文章・生活的文章であるから、味わいのある表現・個性的表
 現・感動的表現・心理的表現をとるのが普通である。
オ 人間性の開発――自己表現の作文は、主として、内在的世界(心的世界)の認識に関する言語活動であるから
 題材の内容価値の獲得、つまり、①物の見方・考え方などの思想性、②物の感じ方・想像・感情・感動などの文
 芸性の開発、伸長に培い、思想、心情を豊かにし、個性を伸ばし、自己の改造・深化を進める働きをもっている。
カ 表現能力――自己表現の作文によって、情景・場面を書き表わす力、詳しく書き表わす力、味わいあるように
 書き表わす力、心理の動きを書き表わす力、考えや意見を書き表わす力、筋道を立てて書く力、意図・主題を書
 き表わす力などが養成される。
 (2) 「伝達」のための作文の内容機構
  「伝達」のために書く作文の内容は、次のような機構(全体構造)を持っている。
ア ことばの機能-「伝達」は、ことばの伝達機能、社会的機能に冓づく作文活動で、社会形成の機能を持って
 いる。社会関係を進め、社会性を増す機能をもっている。
イ 生活的・機能的な目的――「伝達」は、①人と交わる。②情報を伝える。③報告する。④周知する。⑤行動さ
 せる。⑥意図に従わせる。⑦説得するなどの生活的・価値的目的をもって行なわれる作文活動である。
ウ 文章の形態――「伝達」のための文章は ①手紙 ②掲示 ③標語 ④宣伝 ⑤報告 ⑥広報 ⑦かべ新聞 ⑧
 学級新聞 ⑨学校新聞 ⑩ポスター等の形態をもっている。
エ 表現――「伝達」のための文章は、いわゆる実用的な文章・社会的な文章であるから、その表現は、明確で、

                                                     15

 説得力を持った文章でなければならない。
オ 人間性の開発――「伝達」のための作文は、主として、社会的関係、社会的現象の認識を中心とした言語活動
 であるから、題材の内容的価値の獲得、生産、つまり、①思想の通達、コミュニケーションによる社会性、②周
 知・説得による社会的態度等の開発・発展に培い、社会関係の理解、改善、進歩、明確な思考を進める働きをも
 っている。
カ 表現能力――「伝達」のための作文によって、明確な表現力、説得力ある表現力、――要件を明確に書き表わ
 す力、筋道を通して書き表わす力、心に訴えるように力強く書き表わす力、簡潔に書き表わす力、わかりよく書
 き表わす力、読み手の気持ちを考えて書き表わす力、意図を書き表わす力などが養成される。
 (3) 「記録」のための作文の内容機構
 「記録」のために書く作文の内容は、次のような機構(全休構造)をもっている。
ア ことばの機能――「記録」は、ことばの叙述機能・文化的機能に基づく作文活動で、文化形成の機能をもって
 いる。文化を創造し、伝達する機能をもっている。
イ 生活的・機能的な目的――「記録」は、①忘れないため ②実態を知るため ③研究や調査をまとめるため
 ④経験をまとめるため ⑤研究に役だてるため ⑥生活に役だてるため ⑦文化を創造するため ⑧文化を伝達
 するためなどの生活的機能的目的をもって行なわれる作文活動である。
ウ 文章の形態――「記録」のための文章は、①説明 ②解説 ③生活日記 ④学級日記 ⑤飼育日記 ⑥栽培日
 記 ⑦観察日記 ⑧見学記録 ⑨研究記録 ⑩読書記録 ⑪生活記録 ⑫メモ等の形態をもっている。
エ 表現――「記録」の文章は、いわゆる科学的な文章、論理的な文章であるから、その表現は、的確で、論理の
 通った文章でなければならない。

                                                     16

オ 人間性の開発――「記録」のための作文は主として、自然現象、社会現象、文化現象等の客観的・事実的・理
 性的認識を中心とした言語活動であって、題材の内容的価値の獲得、生産、つまり、 題材を客観的に的確に認
 識する科学性、 題材を科学的に組織する論理性、 題材を科学的・論理的に処理する科学的態度等の開発・伸
 長に培い、客観的な観察力、論理的な思考力を育て、文化の獲得・生産を進める働きをもっている。
カ 表現能力――「記録」のための作文によって的確な表現力――感性的にとらえたものを正確に書き表わす力、
 よく観察するために書く力、細かいところを正確に書き表わす力、首尾を整え、筋道を立てて書く力、ことばを
 正しく使う力、客観的叙述と主観的叙述とを区別して書く力、要点を書き表わす力、要約して書く力などを養成
 することができる。                    
 (4)  編集すること
 機能的作文教育の内容として、「自己表現」「伝達」「記録」等のことばの機能に即した作文活動のほかに、児
童の言語生活の実態、国語教育の方法的立場から、「編集」のための言語経験を加えることにする。
 編集には、文集の編集(個人文集・学級文集・学校文集等)新聞の編集(かべ新聞・学級新聞・学校新聞)プロ
グラムの編集(誕生会・学芸会・読書会等)等がある。
 編集は、作文活動そのものではない。作文活動を側面から助けるものである。したがって編集技術・編集知識は
作文活動を助けるのに必要な程度でよく、その専門的な知識や技術を特に指導する必要はない。
 以上、機能的作文教育の内容の考え方、内容の範囲、内容の機構等について述べ、内容の全体構造を明らかに示
した。

                                                     17

 (三) 機能的作文指導の方法

 1 機能的作文指導の方法
 機能的作文指導に当たっては、次のような方法原理に従って、能率的に、合理的に、科学的に、児童の主体的な
作文学習を指導する。作文は、書くことによる価値の生産活動であるから、その全体的な構造――価値の生産過程
――の各部分を貫く、支配する、統制する方法原理、原則が考えられる。
 (1) 興味の原理
 作文の学習指導では、まず第一に書くことに興味を持たせること、書くことの必要を感ずることが根本になる。
この興味や必要感が、書くことへの強い欲求となるように指導する。単なる興味や必要を感じただけではまだじゅ
うぶんではない。
 (2) 目的の原理
 どんな書くことでも必ず書く目的があることはすでに述べた。書く目的を持つということは、作文活動の最も基
本的な、しかも作文の全過程を貫く原理である。書く目的は、言語生活上の目的、いわゆる生活的な目的、ことば
の機能に即する目的、いわゆる価値的な目的であり、それがどんなものであるかもすでに述べた。
 この目的によって、(1)何について書くか(題材) (2)どんな文章を書くか(形態)(3)だれに読んでもらうため
に書くか(相手)(4)どのように組み立てて書くか(構成) (5)どのような書き表わし方をするか(叙述)(6)
のように推考するか(推考) (7)どのように処理するか(処理)(8)どのように評価するか(評価)など、すべて
が規定される。作文の全過程のどの部分の活動も、目的をどのようにして達成するか、目的を達成するためにはど
のようにしたらよいかということで、すべての目的によって規定され、統制される。
 このように書く目的は、 どんな書く活動をするか。どんな方法で書くか。どんな立場で書くか。どんな
題材、どんな文章形態、どんな叙述で書くか。 どんな作文能力を必要とするかなどを規定する。

                                                     18

 また、作文に対する書き手の構え、書き手の主体的立場をも確立する。
 このように目的を持って書くことは、作文指導では最もたいせつな原理となるのであるから、書く前には、必ず
書く目的を明確に持たせる必要がある。
 (3) 活動の原理
 題材に内在する価値の獲得、生産は、書く活動によってはじめて行なわれる。また、作文の技能や態度、言語要
素は、書く活動に従属する、書く活動の中で初めて働くものであることは、すでに述べたとおりである。したがっ
て、作文がじょうずに書けるようにするためには、作文の技能や態度を伸ばすためには、また、書くために必要な
語句を増したり、正しい文を書いたりする力を伸ばすためには、文章を書くことを指導しなければならない。文章
を書く力を伸ばすためには、文章を書かせなければならない。文章を書かせないで、作文を読ませたり、作文の作
り方を書いた文章を読んで、それを理解させたり、作文や作文の書き方について話し合わせても、作文を書く能力
は身につかない。この至極あたりまえなことをはっきりと知ることがたいせつである。
 (4) コミュニケーションの原理
 作文は、書くことによって、書きことばによって、思想・感情・感動・感覚・知識・情報・意見等を通じ合う、
交換し合う、説得し合う、反応し合う活動である。したがって、そこにコミュニケーションの原理が働く。たとえ
ば、読み手と書き手との間には、次のようなコミュニケーションが行なわれる。手紙を書くことは、社交・社会性
のコミュニケーションであり、パーソナルコミュニケーションである。学級新聞・学校新聞を書くことは、知識・
情報のコミュニケーションであり、マスコミュニケーションである。また、感想・意見などを書く思想のコミュニ
ケーション、詩・物語・脚本などを書く、感情・感動のコミュニケーション、説明・解説・記録・報告などを書く
知識・科学のコミュニケーションなどが行なわれる。

                                                     19

 そこで、書く場合には、つねに、①書き手と読み手の立場の交換。②書き手の意図に対する読み手の態度・反
応。③書き手のことば(言語記号)と書く内容との関係、④ことば(言語記号)に対する書き手と読み手の理解の
相違等が考慮され、指導されなければならない。
 このように、書き手と書く対象、書き手と読み手のコミュニケーションによって、価値生産の作文活動は営まれ
るのである。
 (5) 系統の原理
 作文指導の内容も系統的に配列しないと、効果があがらない。
 たとえば、題材も児童の興味や関心や能力に応じ、内容的価値の発展に応じて選定し配列するとそこに題材の系
統が成り立つ。
 書く経験もその発達に応じて配列すると経験の系統が成り立つ。
 書く能力も、その発達に応じて、経験とあわせて配列すると能力の発達段階に応じて系統的な学習が成り立つ。
 表現の系統も、文型の発達・発想の発達・長さの発達・文章構成の発達・低学年の点的な文章・線的な文章から
中学年の面的な文章、高学年の立体的な、層的な文章への発達、それによって表現の系統的段階的指導が行なわれ
る。
 要するに、児童の精神発達・能力発達・経験の発達に応じて、学習内容を系統立てて指導する。学習の基本に系
統性を考えることがたいせつである。
 2 機能的作文指導の学習指導過程
 指導過程を二つの面から考えてみる。作文を指導する場合、その全体の指導過程と一時間の指導過程とがある。
 (1) 単元の中の作文の指導過程 (指導計画)

                                                     20

 作文指導にあたって、普通次のような学習活動が行なわれる。作文教材を読む 文章を書く。経験につい
て話し合う。書いた文章を読み合う(批評し合う)。書いた文章を処理する。
 これらの学習活動を、どんな順序に配列し組織するかが、指導計画、指導過程の問題である。次に二、三の例を
あげてみる。
 例1 作文教材を扱う場合の一般的な過程
 ア 作文教材を読む。――題材の価値を身につける=内部経験を深める。心情に培う。物の見方・考え方・感じ
  方を理解する。イ表現のしかたを理解する=文章の構成、正確な書き表わし方、気持ちの書き表わし方、会話
  の取り入れ方、味わいのある書き表わし方などを理解する。
 イ 目的に応じて作文を書く。――作文教材を読んで高められた観察力・考え方・感じ方・高められた心情等
  によって、つまり一段と高められた自己を確立して題材に立ち向かう。作文教材によって理解した表現の
  しかた――文章構成・叙述の方法等によって、題材について書く。
 ウ 目的に応じて、書いた作文を処理する。
   目的(知らせ合う)に応じて読み合う。
   手紙などは書いて出す。
   報告などは先生にそれによって報告する。
   記録しておく。
   文集にする。
 など、目的に応じた処理をする。
 例2 生活経験などを書く場合の一般的な過程-作文教材のない場合

                                                     21

 ア 目的に応じて、生活経験を取り上げる。
 イ 生活経験を書く。
 ウ 目的に応じて処理する。
 例3 生活経験などを書くとき、教材を利用する場合の過程
 ア 生活経験をとり上げる。
 イ 生活経験を書く。
 ウ 作文教材を読む。
 エ 書いた作文を推考する。
 オ 書いた作文を処理する。
 など、児童の実態に応じて指導の順序を考える。
 (2) 作文の一般的な指導過程
 作文のごく一般的な指導過程を児童の側に立ってみると、つまり学習の過程を考え、その各過程において学習を
どのように指導すべきかを考えてみると次のようになる。
 ア 目的を持つ――児童は、それぞれ何のために書くか、書く目的――生活的・機能的な――を持つ。ここで、
  価値への志向を明確にする。
 イ 目的を追求するための計画を立てる。――何について、どんな文章で、どのように書くか、書いた文章をど
  のように処理するかなどを考える。
 ウ 目的を追求するために書く。――計画に従って文章を書く。書いた文章を推考する。
 エ 目的を達成する。――目的に応じて処理する。書いた作文を読み合う。文集を作る。先生に提出する。

                                                     22

 この学習指導過程は、①目的 ②計画 ③追求 ④達成という四段階を踏んでいる。このように、全指導過程を
四段階に区分し、その各過程に、どんな学習活動を計画し、組織するかを学年に応じ、能力の発達段階に応じて考
えれば、いろいろな書く経験に応じた学習指導過程を編成することができる。
 この学習指導過程を機能的に価値的に考えれば、①価値的な目的を持つ。②価値追求の計画を立てる。③価値を
追求する。④価値を獲得する。という過程になる。
 (3) 作文の一般的な活動の過程
 作文の一般的な学習指導過程に従って、さらに具体的にその学習過程を述べると次のようになる。
 観       点  学  習  過  程 学    習    内    容 
(1) 何のために書く
(2) どんな計画で書く
(3) 何について書く
(4) どんな文章で書く
(5) どんな組立で書く
(6) どのように書く
(7) 効果的に書けたか
(8) どう処理する 
目的を立てる
計画を立てる
題材を選ぶ
文章の形態を決める
文章の構成を考える
表現をくふうする
推考する
作文を処理する 
生活的・価値的な目的を持つ
見通しを立てる。活動の順序を考える
目的に応じて題材を選ぶ
目的と題材に応じて文章の形態を決める
目的・題材・文章に応じて、文章の構成を考える
目的・題材に応じた表現をする
目的に照らして、内容・表現・表記等を訂正する
目的に従って処理する


 (四) 児童の作文の見方

 児童の作文を見る立場には、大きく分けると次の三つがある。
1 表現形式を中心とした見方


                                                  23

 表現の巧拙、適否を第一として児童の作文を見る。引きしまった表現、味わいのある表現、的確な表現――気持
ちがよく現われている、様子がよく書けている、感じがそのままに書き表わされているなどと、表現形式を中心に
して作文を見る立場がある。これは、表現技術の指導をねらう文芸的作文の立場である。作品主義・文芸主義の立
場である。
2 表現内容を中心とした見方
 表現されている生活感情・生活態度・生活経験を中心として児童の作文を見る。生活感情・実感がよく現われて
いる。生活の姿が――真実がよく描かれている。自己主張・自己反省・自己認識がよく表わされているなどと、表
現内容を中心にして作文を見る立場がある。これは、生活の深化・改造をねらう、作文を国語科の一分野と考えず
広く教育的方法と考える生活作文の立場である。内容主義、生活主義の立場である。
3 作文の機能を中心とした見方
 児童の作文は、必ず何らかの意味で、ある目的、ある意図のもとに、それを実現するために書いたものである。
そこで、その作文が書き手の目的・意図を実現しているかどうか、つまりその作文がその機能を果たしているかど
うかということを中心として見る。表現内容と表現形式とを離さず、つまり、内容と表現の両面を機能的にとらえ
て見る。たとえばお礼の手紙は、お礼の気持ちがそれにふさわしい表現形式を取って読み手に訴えているかどうか
を見る。観察記録は、対象の見方、とらえ方、つまり認識の広さ深さと、その客観的な観察と主観的な考察とが書
き分けられているかどうか、それが記録として価値があるかどうかなどを見る。これは、価値の創造、生産と表現
力養成とをねらって、書く生活の向上発展をはかろうとする機能的作文の立場である。機能主義・言語生活主義の
立場である。
 この機能的作文の立場では、


                                                     24

(1)児童の作文は、児童がある目的を実現するために書いたものである。ある価値的な目的を実現するために、価
 値生産の言語行為として書いたものである。価値生産行為の結果(製品)であると見る。
 書かされた作文、書きたいものを自由に書いた作文ではない。自由選題でも課題でもない。はっきりした目的を
持ち、必要の上に立って書いた作文である。これは、機能的作文における、児童作文の基本的な見方である。
(2)児童の作文能力も、文章をじょうずに書く能力、思想・感情がじょうずに書き表わせる能力と考えず、書く経
 験(活動)を処理する能力、目的を達成するために書く能力、生き生きと働く、価値を生み出す能力と見る。書
 く能力もそのように機能的に考える。


                                                     25





     第二章 中学年の作文


       一 認識の発達と中学年の作文の特色

 (一) 線条的な文章から面的な文章へ

 二年生の作文の特色は、一口で言えば線条的な文章であるということである。それは、糸筋のような文章、広が
りもない、深さもない、経験の羅列された文章である。これは、子どもたちの思考の型・認識の型、つまり、事象
を関係的にとらえることができるようになった結果である。経験の順序、時間的推移に基づいて、事象を関係的に
とらえ線条的に書き表わすことが可能になったからである。次の文章は、その代表的なものである。
    なつやすみにぼくはひとりでさぶちゃんちへいきました。さぶちゃんちにいくにはえどがわばしからたかだのばばまでと
   でんでいって、それからしょうせんで、めぐろまでいって、めぐろからめかませんおおおかやまでおりて、まっすぐいって
   すこしまがりかどがあって、そこのところをいくと、おふろやさんがあります。そこのところへいきました。てれびをみて
   おふろにさぶちゃんといっしょにはいって、せなかをあらって、足をあらって手をあらっててぬぐいでふいて、もういっか
   いてれびをみて、とどろきせんせいをみてねました。(二年生)

 これが中学年になると、次のような文章を書くようになる。
    いなかは朝早くおきて、ごはんをたいて、大いそぎでたべてからくわつみにいきます。かごいっぱいつんできてから、か
   いこにえさをあげます。わたしもかいこのてつだいをしてあげました。みんなおわるころにはさきにあげたほうがほとんど


                                                     26

   なくなっています。でも時間になるまではあげません。一日に五かいぐらいあげます。
   夜になって何だかサアーと雨がふっているようなおとがしたからびっくりしておきあがったら、
   「かいこがくわをたべているのよ。」とおばあちゃんがおっしゃいました。毎日毎日くわを畑からとってきてあげます。は
   じめいなかへ行ったときは、三センチぐらいでしたが、帰るころは五センチぐらいに大きくなりました。
    かいこは白ねずみいろをした毛のはえていないやわらかい虫でした。ものすごくたくさんいるのできもちわるいくらいで
   した。いなかのとっこちゃんは、へいきでかいこをつかまえています。さとるおにいちゃんと同じ五年生ですがよくお手つ
   だいをします。
    「かいこがなんびきぐらいいるの。」
   とおじいさんにきいたら
    「二十五万びきいる。」
   と教えてくれました。
    今ごろはどんなに大きくなっているかしら。かいこはまゆになったらじょうとうのきものになるそうです。


 この文章は中学年の作文の特徴をよく表わしている。
 それは、経験を説明的にとらえて記述しているということである。つまり場面を分析的に認識し表現していると
いうことである。したがって、文章に場面が出てくる、広がりがでてくる。もちろんそれは説明だから深まりはな
いが的確さが出てくる。また情景が書き出されるようになる。ふんい気、情緒が感じられる文章になってくる。た
とえば、
    かごいっばいつんできてから、かいこにえさをあげます。わたしもかいこのてつだいをしてあげました。みんなおわるこ
   ろにはさきにあげたほうがほとんどなくなっています。でも時間になるまではあげません。一日に五かいぐらいあげます。

 の部分などは、その特徴をよく表わしている。

                                                     27

 (二) 一般的な表現から精密な感覚的な表現へ

 また、事象の観察が細かくなる。つまりよく見て書くようになる。事象に対する感覚が鋭敏になってくる。つま
りよく感じて書くようになるという特徴がある。たとえば、
   ○夜になって何だかサアーと雨が降っているようなおとがしたからびっくりしておきあがったら、「かいこがくわをたべて
    いるのよ。」とおばあちゃんがおっしゃいました。
   ○かいこは白ねずみいろをした毛のはえていないやわらかい虫でした。ものすごくたくさんいるのできもちわるいくらいで
     した。

 このように、観察の鋭さ、感覚の鋭敏さが加わってくる。これは、一般的にいって、低学年の作文にはなかった
ことである。

 (三) 自己中心的な表現から客観的な表現へ

 低学年の作文では、書く対象は、つねに自己のうちにあった。自己の生活の中にあった。自己を離れることはで
きなかった。自己の生活の一要素であった。たとえば、「友だち」の作文に例をとってみると、一年では次のよう
な文章になる。
    がっこうで、先生とありがさんと、あけみちゃんと、いっしょに、なわとびをしました。それから、あけみちゃんが、お
   もちになりました。わたしは、とべたけれどおもちになりました。それからありがさんがとべなかったから、おもちになっ
   たりしました。そして、たのしくなってきたとおもったら、先生がおもちになっていました。先生は、さいごまでとべまし
   た。でも、先生がおもちになりました。こんどは、わたしがとぶばんになりました。そして、一かいでとべなかった。そし
   てありがさんがとぶばんになって、ありがさんは、おもちでいいわ。といいました。それから、ありがさんのつぎにとぶの


                                                     28

   は、あけみちゃんだからあけみちゃんがとびました。そしてあけみちゃんが五かいかとべなかった。それからもう一どとん
   でみたけれど、やっぱりあけみちゃんのおもちでした。それから先生がとぼうとしたら、おんがくがなってしまいました。
   そして、みんなもうならびました。それからもうすこし三人であそびました。そしてわたしがとぶことになりました。わた
   しがとぼうとしたら、ぜんぜんとべませんでした。それからもうならびにいこうとしたらみんなあるいていました。わたし
   はきょうしつにはいりました。それから三人でこういってはなしをしました。
   「また、このつぎのおやすみじかんに三人であそびましょうね。」とはなしました
。       伴定子さん指導)
 このように、自己の遊びの相手、遊びの一要素として、自己の生活の中でしか考えられなかった。ところが、中
学年の「友だち」の作文になると、次のようになる。
          はたらきものの大橋君
   大橋君はとてもよくはたらきます。いつもそうじのとき、そうじどうぐの上やげたばこの上をふいています。わたしは水
  がつめたいのに大橋君はへいきな顔をしてふいています。大橋君は先生がおっしゃらなくてもげたばこやそうじどうぐの上
  をふいています。わたしも大橋君のように水でふきたいけれど、一どやったら水がとてもつめたかったのでやめました。わ
  たしは、大橋君はよくがまんできると思っていました。
   大橋君はときどきわたしや河合さんのあだ名をいいます。わたしのあだなはもずです。河合さんのあだなはかっぱといい
  ます。だから、私たちも大橋君のあだなをいいます。大橋君のあだなは橋ゆきおです。わたしたちがあだなをいうと、大橋
  君もわたしのことを、とおくのほうでもずがキーキーないているといいます。わたしもまけずにいうと大橋君はおこってわ
  たしのつくえを押します。私も大橋君のつくえをおすとまた、大橋君がまたおします。それをくりかえしていると、先生が
  はいってきます。先生がくるとわたしも大橋君もやめます。
   大橋君はとてもしんせつです。いつもわたしがものさしをわすれてくると、大橋君がかしてくれます。
   わたしが大橋君のほうをみると、大橋君はすぐむこうを向いてしまいます。
   わたしは四年生になっても大橋君とわかれたくないと思います。
(花見安憲さん指導)
 この作文では、「友だち」を向こうに置いてみている。友だちを自己から突き效して、向こう側に立たせ、これ


                                                     29

を客観的にながめている。自己の生活の中でしか見られなかったのが、いまは客観的に、説明的に、自分の友だち
として眺めている。標題も「働き者の○○さん」「親切な○○さん」のようになる。したがって、友だちの性格も
事実を通して客観的にとらえるようになる。
 このように、低学年の自己中心的な認識・自己の生活の中での認識から、客観的な認識分析的な認識・さらに行
為・事象の裏にひそむ本質的なもの、法則的なものの認識へと発展する。それにつれて作文もまた、点的・線条的
な文章から、面的・場面的・説明的・客観性をもった文章へと発展する。

       二 思考の発達と文型の発達

 「○○が「○○○○」といいました。」という文型がある。この文型を使う人数の比率をみると、次のようにな
る。
  一年 23%  二年 43%  三年 80%
 また、この文型は次のように発達する。

文            型  1年
2年
3年
1 ○○が「――」といいました。  68  32 68
2 ○○が「――」というと、○○が「――」とい
 いました。 
24  17 17
3 ○○が「――」とほめてくれたので、私はうれしく
なりました。 
4 ○○は「――」といって○○しました。  13
5 「――」とおとうさんがいいました。  15
6 「――」といいました。 
7 「――」というので○○しました。 
8 「――」といいながら、 
9 わたしに「――」といいました。 
10 ○○さんがマイクでいいました。 
11 「――」と聞いたら「――」とおしえてくれた。 
12 ○○が「――」と○○に言いました。
13 ○○は○○に「――」といった。 
14 ○○と○○は「――」といいました。 
15 ○○が○○ので「――」といいました。 

  一年の文型は4種類で25例、
 二年の文型は10種類で44例、
 三年の文型は、12種類で69例
 となっている。児童の思考の発達
 に伴って、文型もしだいに複雑に
 なってくる。
                   30
  また、事象を関係的にとらえる
 ことができるようになると、接続
 詞の用例が目だってくる。次にそ
 の発達の状態を示す。
 この接続詞の使用状況を見ると
 そこに思考の発達を看取すること
 ができる。この接続詞の使用は、
 中学年になるとだんだん様相が変
 わってくる。「そして」「それか
 ら」は低学年で、「でも」は中学
 年以降で主として使われている。
 これらの接続詞を使用することに
 よって、児童は、急速に書く内容




接 統 訶   一  年   二  年   三  年  四  年 
 文 869  文 922  文922  文902
1 そして   31 15  11  14 
2 それから  17 17 
3 そしたら 
4 そうして 
5 それで 
6 すると 
7 そこで  
8 それでも 
9 また 
10 けれども 
11 でも  13 
12 だが 
13 ところが 

 を豊かにしていく。ところが、中学年に
 なると、これら接続詞のかわりに接続助
 詞を盛んに使うようになってくる。次の
 表をに参考されたい。
 このことは、事象を個々にとらえて、
 形式的、外面的に関係づけるために接続
 訶を用いて表現した結果である。それが  31
 さらに進んで、自己の内部で、観念構成
 上の進歩発展として、個々の事象を強固
 に関係づけるために、接続詞から接属助
 詞の使用へと発達したものである。ここ
 にも思考の内部的な深まりが感じられ
 る。








        三 題材と発想







                          

 学   年 1  2  3  4 
接続
 助詞 頻度
869の文
の中で 
863の文
の中で 
922の文
の中で 
902の文
の中で 
 ・・が  3 10  26  47 
 ・・ので  18 55  73  90 


  児童の作文の題材については、広がり
 と深まりの問題がある。題材の広がりは
 児童の生活領域の広がりと一致する。深
 まりは児童の精神発達、認識の発達と一
 致する。次に、題材の範囲の広がりにつ
 いてみる。
  一年生の題材は、家庭生活の中の経験
あるいは家庭生活の中の精神生活を具体的にとらえたものが大部分であり、これに社会生活の中での経験が加わ
っている。


                                                     32

 二年生の題材は、家庭生活・社会生活の中での諸経験をほぼ同じ程度にとらえており、これに、学校生活や自然
を対象とし、自然の中での経験等が同程度に加わっている。
 三年生の題材は、低学年に比べて、ずっとその範囲が広がり、複雑になってくる。家庭生活での経験が減り、社
会生活での経験が家庭生活を越え、それに、学校生活・自然生活が加わり、さらに、精神的・文化的・生物的な題
材へと発展している。
 四年生の題材では、社会生活の中に求めた諸経験がきわだって多くなり、学校生活・家庭生活から、自然現象・
自然生活へ、さらに精神的なもの、文化的なもの、生物的なもの、その他が加わってくる。
 このように中学年の作文の題材は、いちじるしく社会性をもってくるところに特徴がある。
 これらの題材については、一般に客観的に把握し、説明的に叙述している。したがって、その文章は、場面的に
広がり、事件的に展開されることが多く、そのため文章の長さもいちじるしく増してくる。つまり、題材に対する
発想が客観的である、説明的である、事件的であるということができる。
 三年生の作文「ともだち」について、文題の類型をみると次のようになっている。(花見安憲さんの指導例によ
る。)
 (1) ○○君(さん)        12%      (4) はたらきものの○○君     15%
 (2) ○○君のこと、        52%      (5) ○○君とあそんだこと     12%
 (3) ぼくの友だちの君(さん)    9%
 このように、三年生ではだいたいにおいてその八五%ぐらいは、友だちを客観的にながめ、説明的・事件的に述
べている。(5)の12%の児童がまだ低学年なみに、友だちを自己の生活から突き放して客観的にみることができな
いようである。


                                                     33

 それをさらに、具体的に書き出しの文についてみると
 (1) 「わたしが朝学校へくると、長塚君は外へ出て遊んでいました。」「わたしはいつも斉藤君とふざけっこをし
  ています。」「富田君とぼくは時々あそんだりべんきょうしたりしていつもふたりでいます。」「ぼくとむらきく
  んはなかがいいのですがおもしろくない時はときどきけんかをします。」などの型 一六人
 (2) 「大内さんはわたしのなかよしです。」「ぼくと北川君はなかよしです。」「わたしと妙子ちゃんはとってもな
  かよしです。」「わたしと井上さんは一年の時からのお友だちです。」などの型 十三人
 (3) 「山田さんはやさしい、いつもにこにこしています。」「大橋君はとてもよくはたらきます。」「山元君は家で
  とてもおもしろいのでいいと思います。」などの型 四人
 (4) その他 一人
 となっている。(1)の型は、事件的発想をとっている。(2)の型は、自分との関係を中心にして説明的発想をとっ
 ている。(3)は友だちをまったく自己の圏外において純粋客観的な説明的発想をとっている。
 こうした作品の中で、このころになると、主題で一貫した作文もぽつぽつ出てくる。

        むら木君のこと
    ぼくとむらき君はなかがいいですが、おもしろくないときは、ときどきけんかをします。
    ある日、ぼくがむら木君に「きょうじくにいくときむかえにきてな。」
    といったらむら木君は「OK!。」
    といいました。
    ほくが、かたのになにか、かいにいったらすこししてむら木君とおねえさんがきました。その時は四時近くでした。
    ぼくは、「こんなに早くいくの」といったら「そうだよ」といいました。「風間君をむかいにいこうと思っていたんだ。」
    ぼくは、その時犬をつれてきていました。


                                                     34

    ぼくが「ちょっとわるいけどコロをもってて。」といってむらき君にくさりのさきをわたしました。
    ぼくはむら木君のような、しんせつで、やくそくをやぶらない友だちをもって、ぼくはしあわせだと思いました。
    それからぼくが「じくにいくしたくしてくるからまってくれよね。」
    それから三人でじくにいきました。じくがおわってかえろうと思って、ほくとむら木君とむら木君のおねえさんとむら木
    君のおねえさんの友だちと四人で帰り道のさかの上のへんにいったとき、やすい君とわかい君とたての君の三人で大きい石
    をもってきて、ぼくたちめがけてなげましたが、むら木君がりょう手をひろげて「ストップ」といいました。
    そしたらぼくの足のほうへきたのでとびあがりました。やすい君やわかい君はむら木君のおねえさんにどなられまし
    た。
    むら木君が「ストップ」とやらなかったらほくの足にあたっていたと思います。そうしたらたおれてがけの下におちてい
    たことだと思います。もしかむらきくんがいなかったらがけにおちてけがかしんでいたかもわかりません。ふつうの人だっ
    たらじぶんだけいってほったらかしておいたと思います。おなじ友だちでもぼくは、じぶんのことだけでなく、人のことも
    かんがえてくれるといういい友だちをもってうれしいと思います。
    ぼくはこんな友だちとは一しょういてもいいと思います。でもわるいことに、ときどきけんかをすることがある。そうい
    うわるいくせはなくしたいと思う。(花見安憲さん指導)


 この作文は、むら木君の「親切」という主題意識で統一されている。そのコンポジションを見ると、
  (1) 「ぼくとむら木君はなかがいいですが、おもしろくない時はときどきけんかをします。」
 この書き出し文で自分とむら木君との関係を述べて、むら木君に対する構えを示している。
  (2) 「ある日、ぼくがむら木君に「きょうじくにいくときむかいにきてな。」
 とむら木君とじくへ行く約束をする。むら木君は、約束通り迎えにくる。
  (3) 「ぼくはむら木君のようなしんせつでやくそくをやぶらない友だちをもって、ぼくはしあわせだと思いました。」
 と、約束を守った事実を根拠として自分はしあわせだと述べて事実のまとめをしている。
  (4) 「じくがおわってかえろうと思って……むら木君がりょう手をひろげて「ストップ」といいました。」


                                                     35

 と、じくの帰り道に友だちにいじめられるところをむら木君に助けられる。
  (5) 「もしむら木君がいなかったら、………」
 と、むら木君に助けられた事実を受けてまとめている。
  (6) 「ふつうの人なら……そういうわるいくせはなくしたいと思う。」
 と、感想を述べて全体のまとめとしている。しかも、書き出しの文の、「ときどきけんかをする」と受けて「わ
 るいことにときどきけんかをすることがある。」と末尾に述べて、首尾呼応している。このように、
 (1) 発想――「なかがいいがけんかもする」と、ふたりの関係を全体的に紹介し
 (2) その実証として具体的な事実を述べる。
 (3) 事実にもとづいて感想を述べてまとめる。
 (4) さらに実証として事実を述べる。
 (5) 事実にもとづいて感想を述べてまとめる。
 (6) 書き出しを受けて、全体について感想、希望を述べ、書き出しに呼応させながら、文章全体をまとめてい
  る。
 というコンポジションをとっている。想を展開している。このことは、コンポジションの指導にいい示唆を与え
る。コンポジションは、児童の外に形式としてあるのではない。児童の中に――目的を持ち、その目的を実現する
ために必要な文章構成が、児童の内部から、書く目的意識から生まれてくる。つまりコンポジションは、児童のう
ちにある。それを引き出して指導するところにコンポジション指導の本質がある。
 このような想の展開が、中学年になると、次第にまとまりを持ち、いわゆる段落として内容上でも形式の上でも
まとまりを単位として表現するようになってくる。このころから、意識的なコンポジションの指導として段落にま


                                                     36

とめて書くことができるようになる。

      四 主観的表現

 作文の題材に対する児童の構えを、その叙情的・感覚的・意志的表現によって見ることができる。表現対象に対
する主観的表現の語を抽出し分類してみればそれがわかる。その点から中学年の児童の作文を見ていくことにす
る。
 一年生の作文についてみると、106人中主観的な表現をした児童が40人(38%)その異語数は16で、合
計60例ある。三年生の作文についてみると、58人中、主観的表現をした者が36人(62%)その異語数は
19語で合計77例ある。

用      例 一年(%) 三年(%) 8 おかしい 0 
1 思いました  16 62   9 びっくりした 0 
2 おもしろかった  13   10 おどろきました 
3 うれしい  12 10   11 いいきもち  1  2 
4 かわいい   5   12 きもちがわるい 
5 こわい   3   13 しんぱいしました  1 
6 きれい   3   14 あんしんしました  1 
7 たのしい   1   15 しんぱいです 
 37
16 くやしい    21 かわいそうだ  0  2 
17 すきです    22 いやです  0  2 
18 がっかりした    23 ほしい  0  2 
19 さびしい    24 あきらめる  0  2 
20 かなしい    25 がまんする  0  2 


 これらの語を通してみると、一年生では、「おもしろい」 「うれしい」「かわいい」といった単純な感情、「す
きです」 「きれいです」といった単純な感覚が述べられている。つまり個人的な単純な感情・感覚が述べられてい
て深みがない。ところが、三年になると、感情的表現も、「かなしい」 「さびしい」「かわいそう」といった新た
な語が加わってやや複雑な感情が述べられている。また、「あきらめる」「がまんする」 「ほしい」「いやです」
というような意志の表現が新たに加わってきている。このことは注意すべきであろう。このように、三年になると
はっきりした意志表示が行なわれて、自己が明確になっている。自己主張が見え始める。


       五 その他の表現形式                   



 (一) 児童の作文の文末の型の発達


                                                     38

学    年  1    2   3    4  
 型  頻度(文の数)  410  326  381  440 
1 「ます」型  32  19 
2 「ました」型  79  70   45  39
3 「です」型  5  6  8  8
4 「でした」型  12   3  4
5 「だ」型   0  3  1
6 「だった」型   0  0  1
7 「た」型   1  0  15
8 「いる」型   0  3  11
9 その他   5  1  3





   この表を見ると、過去型から現在型へ
  という方向に発達していることがわか
  る。中学年では、「ました」型「でした
  型」などが次第に勢力を失い、「です」
  型「ます」型が使われるようになる。そ
  して、中学年になると、はじめて「た」
  型「いる」型、いわゆる現在型が現われ
  てくる。









(二) 児童の書く文の発達

学  年  文 例 数  一 語 文  単   文  複   文  重  文 
 1  220  14%  66%  20%  0
 3  272  0.5%  76%  34%  0

                                                     39




     第三章 機能的作文指導の方法



 機能的作文指導の理論に基づいて、中学年における作文指導の方法を、次の項目について述べた。
 (一) 目的に応じた書くことの指導の方法
 (二) 感動を訴え、感覚をみがくために書く指導の方法
 (三) 経験や思想を深めるために書く指導の方法
 (四) 研究や生活に役だてるために書く指導の方法
 (五) 練習のために書く指導の方法
 (六) 処理と評価の方法


 (一) 目的に応じた書くことの指導の方法


 文章を書く(つくる)能力は、文章を書く(つくる)活動をとおして身につく。しかも、その活動は、最も実生
活の必要に近い経験であればあるほど、効果的である。児童が作文を書く場合、何のために書くかという、書く目
的を意識させると、児童自身、活動に対する意欲的な構えができ、その活動は、最も活発に、効果的に行なわれ
る。そうした活動をとおして文章を書く(つくる)能力を効果的に身につけていくことができる。
 従来、書く目的として、こういう種類の文章はこういう書き方(つづり方)をする、というように文章の形態を
目標にたてそれによって活動や能力を規定してきた。また、作文の技能を分析して、「段落のはっきりした文章を


                                                     40

書く」とか、「小見出しをつけて文章を書く」という技能を目的にして、それが書く目的に応じた作文指導である
かのような誤解を与えてきた。作文の形態や技能は、それ自身がいかなる立場においても自己目的とはならない。
それは必ず何かのために従属する、奉仕するためのものである。
1 ことばの機能に即した目的
 では、正しい意味の書く目的とは、何であるか。ことばの機能に即した目的がそれである。
 第一に、知識を求め、理解を深め、生活や学習に役立てる、ことばの文化的機能に即した目的。(記録の機能)
 第二に、人と交わり、思想を伝達し、情報を交換し、意図を訴え、社会性を深める、ことばの社会的機能に即し
  た目的。(伝達の機能)
 第三に、思想や、心情や経験を豊かにする、ことばの精神的機能に即した目的。(自己表現の機能)
 これらの、ことばの機能に即した目的が作文を書く目的となるのである。
 たとえば、次のように考えられる。
(1) 文化的機能――記録の機能
 (ァ) 忘れないために                  (ェ) 経験をまとめるために
 (ィ) 実態を知るために                 (ォ) 研究に役立てるために
 (ゥ) 研究をまとめるために               (ヵ) 生活に役立てるために     
(2) 社会的機能――伝達の機能
 (ァ) 人と交わるために                 (ェ) 周知するために
 (ィ) 情報を伝えるために                (ォ) 行動させるために
 (ゥ) 報告するために                  (ヵ) 意図に共鳴させるために


                                                     41

(3) 精神的機能――自己表現の機能
 (ァ) 考えをまとめるために               (ォ) 思想を豊かにするために
 (ィ) 感動を与えるために                (ヵ) 感覚をみがくために
 (ゥ) 訴えるために                   (キ) 心情を豊かにするために
 (ェ) 個性を伸ばすために
 作文活動は、このことばの機能に即した目的のもとに書く題材が選ばれ、文章の形態が選ばれ、それに必要な技
能がはたらいて目的が達成されるという一連の統一的活動である。それを、手紙文の書き方はどう、記録文の書き
方はどうということを直接の目標にして学習したとしても、児童の生活に意味(価値)のない架空の経験では真剣
な学習活動は望めない。また、作文のあるひとつの技能をとり出して、たとえば、段落のはっきりした文章を書く
ということを目標にして、いわゆる生活文を書かせているとする。なるほどちょっと見には、作文の技能が身につ
くかのような錯覚をもつが、生活に取材した文章を何のために書いているのか、どういう必要性があって書いてい
るのか、はっきりしないし、だいたい、そうした文章を書くのにひとつの強調した技能だけで作文が書けると思う
のは正しくない。作文活動は、先に述べた目的に統一された有機的な一連の活動であるから、生活に取材した作文
を書くための技能は複合された能力がそこにはたらく精神活動である。したがって、形態だけを強調したり、ひと
つの技能だけを強調したり、そういうばらばらの指導、片寄っだ指導によっては、とうてい作文の能力を身につけ
ることはできないのである。
2 目的に応じた作文の学習指導過程
 作文の学習活動を、次のような機構によって、有機的、統一的にとらえ、それに乗じた指導を行なうことが効果
的なのである。


                                                     42

  目的に応じて書くこと(作文)
 の指導は、このように作文の学習
 指導をすべて目的的に統一する。
 すなわち、書く目的を生活的、機
 能的にとらえ、それに応じて題材
 を選定し、目的に応じた文章形態
 を決定し、目的に応じた書き表わ
 し方をくふうし、目的に応じた推
 考、処理をする。これを実際の学
 習の流れに即していえば、次のよ
 うになる。
  (1)ことばの機能に即した書く
    目的をもつ

 まず、研究したことをまとめてお
 こうとする。これが、ことばの機
能に即していえば記録の機能である。
 (2) 目的に応じた題材を選定する

 研究したことをまとめるためには、必ず、何かについての研究である。まとめる内容(題材)がなければならな
い。たとえば、文字についての研究であるとか、豊機具の発達についての研究とか、まとめておこうとする内容
(題材)を選定する。
 (3) 目的に応じた表現形態を決定する


                                                     43

 研究したことをまとめておこうとする場合には、その目的と内容(題材)にふさわしい表現形態として研究記録
という形式をとる。
 (4) 目的に応じた文章の組み立てを考える
 目的・内容(題材)・形態にふさわしい文章の組み立て(構想)を考えることは、書いた作文が最も効果的に、
その機能を果たすための条件である。構想指導ということを特に強調する立場があるが、構想指導ということを特
に孤立的にそれだけを強調すべきではない。しかし、構想指導は重要である。それは、前述したように目的・内容
・形態にふさわしい構想という意味においてである。こうした位置づけをしっかり考え、その全体機構の中でする
構想指導は必要欠くべがらざる条件である。
 (5) 目的に応じた書き表わし方をくふうする
 目的・内容(題材)・形態・構想に応じ、それにふさわしい書き表わし方をくふうすることは、重要なことであ
る。作文を書く技能・態度は、こうした位置において、目的追求という書く経験の処理能力としてはたらく。研究
記録を書く場合、そこに当然、客観的、事実的、理性的認識をとおし、的確な表現、簡潔な表現という書き表わし
方、客観的な叙述と主観的な叙述とが区別される、すなわち、研究した事実と、それに対する作者の感想・意見・
解釈等を区別して書き分けるなど、表現上のくふうがなされる。
 (6) 目的に応じた推考をする
 目的が達成できるかどうかを文章について確かめ、内容・構想・表現を修正する。従来推考といえば、こうした
目的観機能観に立たず、ただ書いた文章について読み直せといっていたが、児童の方は一度書いたものを再び無目
的に読み返すことの苦痛をいやというほど味わってきた。しかし、目的に照らして、自分の書いたものが、それに
応じることができるか、どうかということであれば、児童にとっても推考は重要な活動になる。ここに自主的な推


                                                     44

考の活動が行なわれるのである。
 (7) 目的に応じた処理をする
 目的に応じた処理は、目的の達成である。研究をまとめておきたいという書く目的は、研究記録を書き上げるこ
とによって達成する。その処理は目的に応じて児童が自ら決定する。
 従来は、作文の処理といえば、書いた作文を教師に提出し、教師はそれに評語を書きこみ、採点をして児童に返
してやることであった。このため、作文を書かせることはいいが、処理がめんどうなので作文はにがてだ、という
教師が多い。これは、本稿で述べてきた、目的に応じた作文指導法の全く逆をいく立揚である。作文指導は、書い
てしまったものよりも、むしろ、書かせる事前指導(記述前の指導)と記述中の指導とが目的に応じた指導であれ
ば、記述後の処理は、それに即して効果的な処理を考えればいいわけである。(処理と評価は後述)
3 単元の中における作文指導
 以上が、学習の流れに即した作文の学習活動であるが、これをさらに、現場において、実際の作文指導をする場
合、単元の構成を十分考慮しなければならないということである。
 (1) 単元の目標
 単元の目標は、生活的、機能的、価値的な目標でなければならない。そうでなければ、ことばの機能に即した書
く目的は出てこない。たとえば「手紙文の書き方を理解させる」とか、「段落のはっきりした文章を書く技能をつ
ける」ということであれば、そこから出る作文の目標は、「手紙文の書き方」であり、「段落のはっきりした文章
を書くには」ということである。
 単元の目標を「夏休みを有効に過ごすために夏休みの生活設計をし、夏休みの生活をより楽しくする」とした場
合、たとえば生活設計の中で夏休み中、いなかの親類へ遊びに行くことにすれば、当然「夏休み中に親類の家へ遊


                                                     45

びに行くことを知らせて。お願いする」という書くことの生活的目的が立てられる。ここから書くことの目的に応
じた作文活動が開始される。
 (2) 単元の話題・題材
 話題・題材は、単元の学習を展開するための中心である。そのためには、児童が興味・関心をもち、それに対し
て活発に反応する話題・題材でなければならない。特に、ことばの機能に即した書くことの目的を考える場合、こ
の話題・題材の選定は重要である。輿水先生は、特に話題・題材を「機能的主題」として、もっと奥深いところを
ねらっておられるが、こうした「機能的主題」という考え方こそ、目的的作文指導の最も拠りどころとしたいもの
である。「機能的主題」それによって書く目的も機能的に打ち出され、目的に応じた作文活動が行なえるからであ
る。
 たとえば、「夏休みを楽しく」という主題のもとに、どうすれば楽しく過ごせるかということをめがけ、そのた
めに読んだり、話し合ったりして生活設計をする。平素、いなかへ遊びに行くことができないところは、夏休みを
いなかへ行って過ごそうとすることも楽しい生活のひとつであろう。そうすれば、「夏休みにいなかの親類の家へ
遊びに行くことを知らせ、お願いをする」という作文の目的も自然に出てくる。
 (3) 単元の学習活動
 単元の学習活動は、「機能的主題」のもとに、単元の目標が最も効果的に達成できるように組織されていなけれ
ばならない。そうでなければ、単元が、学習のまとまりとしての一貫性に欠けるからである。「機能的主題」のも
と、目標達成のために最も効果的に組織された学習活動では、作文の学習活動も目的に応じた、最も効果的な指導
が展開される。
 「夏休みにいなかの親類の家へ遊びに行くごとを知らせ、お願いをする」という書く目的は、その前提として夏


                                                     46

休みの生活設計という活動がなければ出てこない。また、手紙を書くという活動だけでは、夏休みを楽しくする主
題の解決にもならない。しかし、手紙を書くという活動が、この単元の主題解決に対して、その一翼をになってい
ることも事実である。このように、すべての活動が有機的に相互依存的に結び合っているところに、単元の学習活
動の真価がある。それ故に、作文活動も、単元の中でこそ最も効果的に、目的に応じた指導が展開されるというこ
とがいえるのである。

 (二) 感動を訴え、感覚をみがくために書く指導の方法

機      能  題        材  文 章 形 態  技 能 ・ 態 度 
(1) 感動を訴えるために
 書く
(2) 感覚を磨くために書
 く
(3) 個性を伸ばすために
 書く 
○うれしかったこと、苦しかった
 こと
○楽しかったこと、驚いたこと
○感心したこと
○美しかったこと、さびしかった
 こと
○悲しかったこと
○残念だったこと 

写生を主とした文章
感動を主とした文章
文集 
○よく見て書くこと
○感動をそのまま書くこと
○中心点をおさえて書くこと
○ことばを選んで使うこと 


 (A) 自己表現の機能一般

 あることに感動したことを誰かに訴えたり、物の見方、感じ方を磨いたりする機能、つまり、書くことによって
思想・感情などの内面的なものを表現し、それによってのぞましい精神形成をしていく機能である。人間はだれで
も内的感動を訴えようとする欲求をもっている。そうした欲求を満足させてやることは精神形成の重要な 面 であ


                                                     47

る。
 また、物の見方、感じ方の感覚を磨くことは、感動を訴えるためのもとにもなり、豊かな感情形成のもと に な
る。
 さらに、個性を伸ばすことは、人間は、それぞれ顔が異なると同様に、個性も、それぞれ特徴がある。個性を伸
                                        ばすことは、とりもなお
さず、人間形成の機能を
 果たすことである。
 1 自己表現の機能に立
  つ作文の目的

  これらを自己表現の機
 能、すなわち精神形成の
 機能――と呼ぶならば、
 自己表現の機能として考
 えられる作文の目的には
 次のものがあげられる。
 (1) ある問題やできご
 とについて、自分の意見
 を考えまとめる。
 (2) 何かについて感動
 したことを表わす。

(3) 自分の考えていること、感じてい
ることを訴える。
(4) 個性を伸ばし、育てる。
(5) 物の見方、感じ方の感覚を磨く。


                                                     48

(6) 思想を豊かにする。
(7) 心情を豊かにする。
(8) 経験を広めたり、深めたりする。
 このような、ことばの機能――自己表現の機能に即した作文の目的を達成する学習活動は、前掲(四七ぺージ)
のような内容機構によってとらえる。
2 自己表現の機能に立つ作文の学習指導過程
 (1) 自己表現の機能に即した、生活的、機能的目的をもつ
 自分の考えていること、感じていることをみんなに訴えたい、という目的をもつ。
 (2) 目的に応じた題材を選定する
 近ごろ、学級の掃除当番がどうもうまくいかない。いろいろな問題点がある。それに対して、自分はいろいろ考
えたり、感じていることがある。それを書いてみんなに訴えたい。この場合、特にたいせつなことは、この訴えた
いという題材が、児童にとって価値があるということである。自分自身、価値のないことを訴えるということで
は、書く意欲がおこらない。それを価値ありと認め、それを訴えたいという題材を選定してはじめて価値追求のた
めの、書く活動が開始される。
 (3) 目的に応じた書く活動をする
 (ァ) 目的に応じた文章形態をきめる。
 掃除当番についての、自分の考えや感じていることを書いて訴えるという目的のためには、その目的を効果的に
果たすために「意見」という文章形態をとる。一般に、作文指導といえば「意見文」として文章形態を取り上げ、
「意見文の書き方」を指導することが、より国語科的であるという立場が多い。しかし、これでは「意見文一般」


                                                     49

の知識・理解は得られるとしても、本当の意味の、意見を書いて訴える能力は身につかない。「意見文一般」の知
識・理解は、本当の意味の「意見」を書いて訴える経験処理の能力ではない。「これから意見文の作文を書きまし
ょう。意見文というのは、こういうものです。書き方は、こうするものです。みなさんも、さあ、意見文を書いて
みましょう。」とやっても、児童には書きようがない。作文は、形式的にいくらせめても、内容がなければ書きよう
がないからである。しかし、書く内容(題材)はある。けれども、書き方がわからない、という揚合、そこに真の
作文指導が成り立つのである。
 (ィ) 目的に応じた文章の組み立てを考える。
 掃除当番のことについて、自分の考えていることや感じていること(意見)を書いてみんなに訴える場合、その
文章は、どんな組み立て(構想)で書いたらいいかを考える。そこで構想指導が必要である。自分の意見をどんな
組み立て(構想)にしたら、みんなによく訴えることができるか、よりよい構想を考えることは、訴える目的達成
のための必要条件である。そこで、はじめに問題提起をし、次に、それをうけて問題点を解釈し、さらに問題解決
のための自分の意見を述べ、最後に解決された後の学級の掃除当番のあり方を予想して結びにするとか、最も適当
な構想を立てる。
 (ゥ) 目的に応じた書き表わし方をくふうする。
 掃除当番の意見を書いてみんなに訴える。そのためには、みんなの心に訴えるものがあり、それを読んだ人が、
それに共鳴し、同意して、掃除当番のことが解決されるように相手に行動させなければならない。あるいは、それ
を契機として学級会の問題として、みんなの話題になり、解決への道を開く説得力のある文章でなければならな
い。そのための文章の書き表わし方は、当然、自分の意見(みんなに訴えようとすること)が、みんなの心に訴え
るような表現でなければならない。そのため、次のような表現上の能力が必要である。


                                                     50

 ○自分の訴えようとする意見を明瞭に述べること、
 ○訴えている意見の根拠を明らかにすること。
 ○問題についての事実と、それに対する自分の意見を書き分けること。
 ○意見の筋道を通して書くこと。
 (4) 目的に応じた推考をする
 自分の意見がみんなの心に訴え、共鳴、同意させて、行動をさせるような文章であるか、どうかを文章に即して
構想・叙述を訂正する。強調する面は、文章の内容、表現の面が、目的に照らして適当か、どうかということであ
る。前項に述べた項目について推考することが必要である。
 (5) 目的に応じた処理をする
 自分の意見を書いてみんなに訴えるのであるから、それをみんなに読んでもらい、それに対する反応を得ること
が、この作文の処理である。この場合、注意しなければならないことは、掃除当番についての意見を書き、それを
みんなに訴えているのであるから、それを読んだ児童は、作文の内容(訴えていること)に対して反応するように
しなければならない。それと同時に、内容(訴えていること)をとおして表現上の気づいたことをも取りあげるこ
とが必要である。作文指導だから、といって、表現上のことをだけ取り上げたり、また表現上のことを強調して、
内容(訴えていること)のことは他の領域でということであってはならない。

  (B) 感動を訴え感覚をみがくための機能

 1 感動を訴えるために書く
 人間は、何かについて非常に感激したり、感動したりしたことを誰かに訴えたり、伝えたり、または、書き留め


                                                     51

ておいて、その情感をいつまでも思い出として残しておきたいものである。
 (1) 目的機能に応じた題材
 (ァ) うれしかったこと、苦しかったこと          (ェ) 美しかったこと、淋しかったこと
 (ィ) 楽しかったこと、驚いたこと             (ォ) 悲しかったこと
 (ゥ) 感心したこと                    (ヵ) 残念だったこと
 (2) 目的(機能)に応じた文章形態
 文章の形態としては、詩や感動を主とした文章などがあげられる。
 (3) 目的(機能)に応じた書く技能・態度
 感動を訴えるために書く作文の技能・態度として必要な事項は、次のものである。
 (ァ) 感動をそのまま書くこと。
 (ィ) ことばを選んで使うこと。
 (4) 指導の方法
 三年生になると、自我意識の発達につれて、周囲の人々の存在を意識するようになり、情緒の表現も統制できる
ようになる。すなわち、かんしやくをおこしたり、ふくれっつらをしたりすることも少なくなり、人知れず喜び、
悲しむという傾向が強くなってくる。これが四年生になると、さらに自己意識が高まってくる。また、感受性も強
くなってくる。情緒の移り変わりは早く、内気から大胆へと極端から極端へ変わってくる。たとえば、親に対して
は、怒りっぽくなる反面、親を誇り愛情を傾ける。感動することも多くなり、他人の不幸を自分の不幸のように悲
しんだりする感情移入の現われもみられてくる。
 このように、中学年の一般的特徴として、自我意識が発達し、感受性も高まり、情緒も落ち着いてくる。したが


                                                     52

って、児童の学校生活、社会生活、家庭生活において、感動し、感激する機会を与えてやることが必要である。そ
のためには、読書をしたり、映画をみたり、お話を聞いたり、学校・社会・家庭の行事に参加したりする。感動を
訴えるための作文(詩・感動を主とした文章)は訴える内容(題材)がなければ書けないから、児童の内面生活を
耕してやることが根本である。
 詩・感動を主とした文章は、感動したことを詩・感動を主とした文章という文章形態で訴えることであるから、
その中心になるものは感動そのものである。したがって、「感動をそのまま書くこと」の技能が中心技能である。
 「感動をそのまま書くこと」ということは、必ずしも文面どおりではない。感覚的な感動を、ことばによる表現を
とおして読者に訴えるのであるから、実際には感性的な感動そのものではなく、ことばという理性的認識をとおし
た表現である。しかし、その場合でも、より感動的な表現であることに詩・感動を主とした文章の生命がある。特
に、詩は短いことばの中に感動を盛りこむのであるから、ことばを選んで使う技能が重要である。その感動表現に
最も適切なことばを選ぶことは、詩の効果をいっそうあげることができる。
2 感覚を磨くために書く
 感覚を磨くことは、とりもなおさず、物の見方、考え方、感じ方を磨き、深めることである。
 (1) 目的に応じた題材
 題材としては、次のものがあげられる。
 (ァ) うれしかったこと、苦しかったこと       (ェ) 美しかったこと、淋しかったこと
 (ィ) 楽しかったこと、驚いたこと          (ォ) 悲しかったこと
 (ゥ) 感心したこと                 (ヵ) 残念だったこと
 (2) 目的に応じた文章形態


                                                     53

 文章の形態としては、詩・写生を主とした文章が適切である。
 (3) 目的に応じた技能・態度
 それに必要な技能・態度は、次の事項である。
 (ァ) よく見て書くこと。              (ゥ) ことばを選んで使うこと。
 (ィ) 中心点をおさえて書くこと。
 (4) 指導の方法
 感覚を磨くことによって、物の見方、考え方、感じ方が鋭く、深くなる。そのためには詩によって生活をみつめ
物の感じ方を鋭敏にし、ことばを選ぶことによって語感を鋭敏にする。豊富な感覚を、適切なことばによる表現を
とおして書く。ここにことばに対する感覚が磨かれる。
 写生を主とした文章は、対象をよく観察し、その物の見方、考え方を深めて文章に表現する。そのために、「よ
く見て書くこと」という技能が中心になる。また、中学年の児童に「全体をよく見さない」といっても、たいてい
は部分的になってしまう。そこで、特に全体の中から「中心点をおさえて書くこと」を指導する。特に中心になる
ところを示唆して、そこを特にくわしく観察させる。
 写生を主とした文章の題材として「美しかったこと」をとりあげ、ふだんの生活の中で、ばく然と見過している
ことでも、特に注意して見れば、そこに美しさがあることを発見させ、物の見方、考え方、感じ方を深める。物の
見方、考え方、感じ方が深められれば、いい写生を主とした文章が書けるし、また作文に書くことによって、いっ
そう物の見方、考え方、感じ方が深まっていくものである。
 この写生を主とした文章は、同じように対象を観察し、それを文章に表現したものであっても、記録の機能とし
ての、観察したことを記録する観察記録とでは、表現の性格がおおいに異なる。記録の表現は、的確な表現を生命


                                                     54

とする。自己表現としての写生を主とした文章は、味わいのある表現であり、個性的、感動的、心理的表現である
ところに、その生命がある。
3 個性を伸ばすために書く
 自己表現の機能をもつ作文は、その表現の特色が個性的表現にある。それによって、個性を伸長する精神形成の
機能をになっている。
 (1) 目的に応じた題材
 個性を伸ばすための作文では、次のような題材があげられる。
 (ァ) うれしかったこと、苦しかったこと       (ェ) 楽しかったこと、淋しかったこと
 (ィ) 楽しかったこと、驚いたこと          (ォ) 悲しかったこと
 (ゥ) 感心したこと                 (ヵ) 残念だったこと
 (2) 目的に応じた文章形態
 また、その文章形態としては、詩・写生を主とした文章・感動を主とした文章とさまざまの形態があるが、ここ
では、特に文章形態を規定しないで、文集として児童が自由に形態を選択できるようにすることも一策である。
 (3) 目的に応じた技能・態度
 さらに、技能・態度としては、文集という場合に、特にそれに必要な事項があるのではなく、前項に述べた「感
動を訴えるために書く作文」や「感覚を磨くために書く作文」の技能・態度と重複している。
 (4) 指導の方法
 文集という場合、作文を集めて編集するという「編集」に重点があるのではなく、この場合は、作文を書くとい
う「作文」に重点がある。したがって、何か文集のテーマを決めて、それに即した作文を書くようにする。その場


                                                     55

合、題材だけを統一して、文章形態を自由に選定するとか、あるいは文章形態を統一して、題材を自由に選定する
ということも考えられる。しかし、個性を伸ばすために書く作文であるから、題材も、文章形態も児童が自由に選
択して書くことが自然であるように考えられる。けれども、テーマを決め、それに即した題材を統一しても、個性
的表現ということはあり得るわけだから、作文指導としては、 題材だけを統一し、 文章形態は自由に選択して決
め、それに即した個性的表現をくふうさせることがのぞましい。


 (三) 経験や思想を深めるために書く指導の方法

機     能  題    材  文 章 形 態  技  能  ・  態  度 
(1)  経験を深めるために書く
(2)  思想を深めるために書く
(3)  生活を向上させるために
  書く
○できごと
○経験したこと
○考えたこと
○話し合ったこと
○意見
○読書したこと
○行事 
感想
意見
生活表現の文章
文集
 
○中心点をおさえて書くこと
○段落をおさえて書くこと
○書こうとすることがらをまとめて
 から書くこと
 


 自分で直接経験したことや、自分の考え、意見等を書くことによって、経験や認識を深め、思想・心情を深めて
いく。つまり、書くことによって、物の見方・考え方・感じ方を深め、思想・心情を豊かにして、個性を伸長し、
自己改造につながる精神形成の機能を果たすものである。これは、前項に述べた自己表現の機能であり、ここでは
特に経験や思想を深めるための作文についての指導法を考える。
1 経験を深めるために書く


                                                     56

 書くことによって経験を深め、物の見方、考え方を深め、生活を充実させていく。児童の生活といえば、学校生
活・社会生活・家庭生活、あるいは、自然生活、文化生活と範囲は多方面である。
 (1) 目的に応じた題材
 こうした多方面にわたる生活について、題材として考えられるものは次のとおりである。
 (ァ) できごと                (ゥ) 読書したこと
 (ィ) 経験したこと              (ェ) 行事
 「できごと」や「経験したこと」は、児童の日常生活の中では数多くある。たとえば、母と買物に行ったり家族
で親類のところへ行ったこと。学校で友だちと遊んだり、お掃除をしたりすること。また、自然生活では、海水浴
に行ったり登山をしたり、あるいは季節の移り変りといった中で梅雨とか、台風というような、「できごと」「経
験したこと」の題材が多くある。
 「読書したこと」は、文化生活の中から特に中学年の児童に必要な題材をとりあげた。読書は直接経験に対する
記号経験(代理経験)である。必ずしも直接経験だけをとりあげるのではなく、読書というような間接経験によっ
て得たものを、作文に書くことによりいっそう自分の経験を深めていくことができる。
 「行事」は、学校行事として、入学式から卒業式までの間に、遠足とか、運動会、学芸会、展覧会などさまざま
なものがあり、あるいは夏休み、誕生会、子ども会のようなものもある。家庭や社会行事としては、お正月、節分
ひなまつり、子どもの日、お祭り、縁日、年の暮れ(大売り出し)など、中学年の児童に興味・関心のある題材が
考えられる。
 (2) 目的に応じた文章形態
 経験を深めるために書く作文として、このような題材について書く文章形態としては、生活表現の文章が考えら


                                                     57

れる。生活表現の文章ははっきりした文章形態をとるものではなく、小学校段階における独特の作文形態である。
 (3) 目的に応じた技能・態度
 また、これらの文章を書く技能・態度としては、次の事項が必要である。
 (ァ) 中心点をおさえて書くこと。
 (ィ) 書こうとすることがらをまとめてから書くこと。
 (4) 指導の方法
 「中心点をおさえて書くこと」は、書く内容について、中心となることをきめ、それについて特にくわしく書く
技能である。文章の「中心」という場合、一般的には文章のテーマや作者の意図と同じになるのが普通である。文
章は、叙述としてはいろいろなことがらが述べたてられているように見えるが、実はそれらが断片的、こまぎれに
なっているものではなく、ある中心によって一貫性をもって統一されているのである。そういう文章が本当はいい
文章であって、そうでない文章は悪文なのである。それ故に文章の中心となって、表現を統一づけているもの、そ
れが文章のテーマであったり、作者の意図であったりする。
 「中心点をおさえて書くこと」は、「書こうとすることがらをまとめてから書くこと」と相互依存の関係にある。
(ァ)、(ィ)の技能・態度は、結局、構想指導になる。「中心点をおさえて書くこと」も、「書こうとすることがら
をまとめて書くこと」も、しっかり構想をたてて作文を書くことである。
 中学年の場合は、経験したことを、あれこれ書こうとして書くことがらをきめる。その中で、特にくわしく書く
部分をおさえたり、いらない部分をけずったりしておおまかな構想メモを書く。それにしたがって作文を書く。
 この場合、特に留意しなければならないことは、構想メモは、作文を書くために、よりよい構想をたてるという
ことが趣意である。それを本末転倒して、構想メモを書くためにそれを自己目的にして構想をたてさせ、作文を書


                                                     58

く場合、それに拘束されて、却っていい作文が書けないという結果になってはならない。たとえば、前の時間に教
室でいっしょうけんめいに構想メモを書かせ、それからしばらく経って実際に作文を書かせる場合、既に前にたて
た構想を忘れてしまったり、あるいは興味・関心が他に移ってしまったりして実際の記述にあたって、却って抵抗
になるような場合がある。したがって、構想をたてるということは、それが記述の抵抗になるような逆効果であっ
てはならない。そうならないためには、書こうとすることがらを、おおまかにおさえ、さらに中心をおさえておい
て記述にはいる。記述中でも、構想を自由に変え、書きつつ構想を修正していくことを認めなければならない。小
学校段階においては、そんなに構想を完全にたててから記述しなければならないような作文はあり得ない。しかも
児童は書くことによって考えをまとめ、書きつつ想を展開していくものであるから、構想指導の限界を知らなけれ
ばならない。
 経験を深めるために書く作文の指導法を実際例について述べてみる。
 (ァ) 書く目的を確立する。
 単元は「正月の心」として、新しい年を迎えた児童の喜びや楽しみの気持ちを読んだり、書いたりしていっそう
喜びや楽しみを増し、さらに生活をみつめてより高めていこうとする気持ちを育てていくことにする。
 教材は、新年に取材した児童詩と、正月に初もうでをした経験を書いた児童作文と、年賀状を中心にした会話を
記録した教材とがある。
 この三編の教材を学習することによって、新年を迎えた児童たちの喜び、楽しみの気持ちはいっそう増している。
そうした書く意欲を誘発しておいて、ここで「正月の経験を深めるために作文に書いてみたい」という書く目的を
確立する。このように、単元の指導過程によって、自然のうちに書く目的が確立するように単元の指導過程を編成
する必要がある。そういう配慮なしに、ただ「これから正月の作文を書きましょう」ときりこんでも、児童にとっ


                                                     59

ては、既に実際生活において正月を楽しく経験しているのであるから、あえて作文に書くまでもないのであり、む
しろ、そんなことはめんどうくさいことなのである。だから、やはり、単元の展開の中で、書こうとする意欲をお
こし、自然の形で作文活動へ誘導することが、作文活動を活発にさせるもとになるのである。自己表現の作文は、
その根本として、児童の内面を刺激し、外に表現しなければおれないように、そうした契機を与えるものが教材の
学習なのである。
 (ィ) 目的に応じて題材を選定する。
 「正月の経験を深めるために作文に書いてみたい」という書く目的のために、正月のどういう経験を書いたらい
いかを、経験の中から選定する。この場合、いろいろな題材が予想される。
 ○どこかへ行ったこと(映画、遊園地、年始まわり、はつまいり)
 ○遊んだこと(たこあげ、はねつき)
 ○来客
 ○正月の行事(かきぞめ、おぞうに、七草がゆ、でぞめ式、年賀状)
 これらの中から、最も書きたいという題材を選定する。できれば、「どこかへ行ったこと」とか「遊んだこと」
という、ばく然とした題材よりも「たこあげ」とか「はつまいり」というように題材をしぼった方が書きやすいこ
とを指導する。
 こういう題材で作文を書くことが、なぜ経験を深めることになるかというと、直接経験(実際経験)というもの
は、その経験についてたいていはぼんやりと、ただなんとなく経験したものが多い。しかし、作文に書くという場
合は、ぼんやりとした、ただ、なんとなくということでは書けないから、経験したことをよくふりかえり、その対
象をよく見、よく考えて書くことになる。したがって、ただ、なんとなく、ぼんやりした経験が、作文に書くこと


                                                     60

により、はっきりし、その経験に対する反省的思考が加わるから経験がぐんと深められるのである
 (ゥ) 目的に応じた文章の組み立てを考える
 書く目的・内容(題材)に応じて文章の組み立て(構想)を考える。特に書こうとする内容(題材)について、
そのうちからどこを中心として書くか、中心点をおさえる。「はつまいり」のことを書こうとすれば、その「はつ
まいり」にいった、すがすがしい気持ちを中心に書くとか、「たこあげ」であれば、たこがよくあがって、うれし
かった気持ちを中心に書こうと考える。そうして、「はつまいり」の「すがすがしい気持ち」であれば、それをど
のように展開したらいいか、「はじめ」「なか」「おわり」について簡単な構想を考えてみる。この構想は「行く
途中のようす」とか、「お宮の前で」とか、「帰りのようす」というように、書く順序を簡単に考えておく。しか
し記述の場合は、あまりこれにとらわれすぎないようにさせる。
 (ェ) 目的に応じた文章の書き表わし方をくふうする。
 経験を深めるために書く作文は、自分の行動や気持を中心に、情景を表現する。そのため、どのように書いたら
気持ちや情景がよくあらわれるかを考えさせる。書くこと、書く順序は文章の構想によって簡単なメモを書いてお
くが、さらにどこを詳しく書くか、その時の気持ち、情景はどうだったかを思い出し、書くことがらをまとめる。
書きたいという中心がぼやけないように書きながら、つねに想をまとめていく。中学年であれば、ある程度、主題
の一貫した作文が書けるようになるから、特に指導する。単に、用紙の枚数や字数だけを形式的に長く書くという
ことを要求すると、児童は内容面の、主題の一貫性を考えずに、長く書くことにとらわれてしまうから注意しなけ
ればならない。
 (ォ) 目的に応じた推考をする。
 推考ということを記述後に特別に取りたててやる前に、児童は既に記述中において、書きながら推考をしている


                                                     61

のが実態である。しかも、その推考は、従来記述後に行なう無目的な推考とは違って、目的に応じた書き表わし方
をする段階において、どう表現したら目的を達成することができるかを、つねに考慮にいれながら記述している。
その過程において、推考は行なわれているのである。したがって、これからの推考に対する考え方は、必ずしも記
述後という固定したものでなく、記述前の目的確立、構想指導を前提として記述中にもあることを認めてかからな
ければならない。そういう考え方がなしに、単に推考といえば記述後というように固定した場合、児童は書きあげ
ただけでもうほっとしてしまうから、いくら「読み直せ」「読み直せ」といっても、それ以上読み直す意欲がなく
なっている。
 そこで、「書きながら、いろいろ直したりして書き表わし方をくふうしてきたが、それでもう十分、自分が書き
たいと思ったことが書けているか、板書の事項をよくみて、もう一度読み直してみましょう」と、読み直す目的を
与える。さらに、友だち同士の作品を交換しあって読み合う。隣席と交換したり、グループごとに交換したりして
読み合う。その中から特にいい作品例として推せんされたもの二、三点についてみんなで読んで話し合う。この場
合は、できるだけいい作品をとりあげるようにする。そうでないと書く意欲を失うと困るので留意する。読んで話
し合う項目を板書する。たとえば次のような項目について話し合う。
 ○作者の書こうとしているところ(正月に取材しているので、その気持ちやようす)が、よく現われている
  か。
 ○特にどんなところがくわしく、その気持ちやようすが書けているか。
 ○書き表わし方のじょうずなところはどんなところか。
 この話し合いをもとにして、もう一度自分の書いた作文を読み直して推考させる。一度書いた自分の作文は、自
分がいいと思って表現したものであるから、何の反省もなしに読み返しても推考の役に立たない。けれども交換し


                                                     62

あって相手が読めば、そこにいろいろな訂正すべき点が発見されるものである。また、友だちの作品を読み、話し
合った後に読み直すことは、同じ自分が読むのであっても、また違った角度で読み直すわけであるから何らかの推
考もできるようになる。
 (ヵ) 目的に応じた処理をする。
 この場合は、経験を深めるために書いた作文であるから、書くこと自体が、既に目的の達成なのである。書くこ
とによって物の見方、考え方、感じ方が深まり、経験が深められた。機能的作文は、このように生活に即した目的
のもとにする作文活動であるから、児童にとっては書くこと自体が満足なのである。従来は作文を書き、教師に提
出し、教師の添削したものを返してもらうことによって満足していた作文であるから、あくまでも教師に添削して
もらうのが目的の作文であった。しかし、それでは作文活動の意義がない。作文活動はあくまでも、これまで述べ
てきたような目的観に立ち、それに即した目的的活動でなければならない。したがって、目的に即した処理もこの
場合は当然、書くことによって児童が満足するから、それが処理のもっともなものであるということができるので
ある。
 たとえば、正月の楽しかった経験を作文に書こうとする場合、書いてだれかに知らせるというのではなく、書く
ことによって経験を深めようとする。このことは、楽しかった正月の経験を作文に書くことにより、もう一度、そ
の楽しかった経験を思い出し、書くことによっていっそう楽しさが増してくるというものである。そういう意味
で、経験を深めるための作文は、それを書くことにより書きつつ思い出し、書いたことによって楽しみが増して満
足感を得るものである。お互いに交換して読み合うことにより楽しみや満足感を分かちあい、それを清書して、自
分の個人文集にとじ込むことによって思い出として保存する。
2 思想を深めるために書く


                                                     63

 中学年の児童は、学校生活にもすっかりなれ、社会性も発達して、集団で物を考えたり、作業をしたり、遊んだ
りすることができるようになる。それにしたがって、自分に対する反省や、また、他人に対する批判、あるいは、
日常生活のあり方や学級生活、学校生活のあり方についても自分なりに考えをもつようになる。
 そうした生活上のある問題について、自分の考えをまとめ、意見を述べることは、自分の思想を正確にしたり、
深めたりすることである。
 思想を深めるためには、生活をよくみつめ、その物についての見方、考え方を深めることである。そうした物の
見方、考え方が深まれば、そこに当然自分の考えというものが確立し、思想が深まることになる。
 (1) 目的に応じた題材
 思想を深めるために書く作文の題材としては、次のものが予想される。
 (ァ) 考えたこと(家庭生活や学校生活、社会生活の中から考えたこと)
 (ィ) 話し合ったこと(学級会や児童会などで話し合ったこと)
 (ゥ) 意見(何かについて)
 (ォ) 読書したこと
 この場合、「思想」ということを哲学的な「思想」という高度なものではなく、児童なりに考えるという作用の
結果、そこに得られた(生産された)ある思想(思考内容の意味)という程度に考えて差支えない。
 書くこと(作文)は、「考えをまとめることである」とする場合、単に「考える」ということは作用そのもので
あるから、書かれた作文が作用そのものということはあり得ない。だから「考えをまとめる」ということは「考え
る」ことによって「思想をまとめる」ことにほかならない。
 そういう意味で、題材例としてあげた「考えたこと」は、必ず「何か」について考えたことでなければならな


                                                     64

い。何かについて考えたこと、それを作文に書くことによって、そこにある思想が形成され、思想が深められる結
果になる。
 思考内容としての「何か」は、たとえば、次のようなものが考えられる。
 ○家庭生活
  ・自分の仕事 ・テレビの番組 ・おやつ ・きょうだい ・おこづかい ・近所の友だち ・両親
 ○学校生活
  ・給食 ・掃除当番 ・体育の時間 ・遊び時間 ・友だち ・係活動 ・学級文庫 ・遊び場 ・上級生
  ・座席 ・あだな
 ○社会生活
  ・交通―信号機 ・遊び場 ・公衆浴場
 「話し合ったこと」は、学級児童会や学校児童会などで話し合ったことをとりあげる。ここでは主として次のよ
うなことが考えられる。
 ○校舎内の生活について
  ・廊下の歩行 ・掃除のし方 ・給食のし方 ・休み時間 ・ストーブ ・ことばづかい ・礼儀 ・上級生
   と下級生
 ○校舎外の生活について
  ・遊び場 ・遊び道具 ・遊び一般 ・学校の行事 ・登校、下校 ・あいさつ ・はきもの
 「意見」は学級や学校の生活について訴える場合で、例えば次のような場合が予想される。ただし、前項と重複
しているものがほとんどである。


                                                     65

 ○学級生活について
  ・学級新聞 ・学級文庫 ・給食 ・座席 ・掃除 ・交友
 ○学校生活について
  ・上級生、下級生 ・登校、下校 ・遊び場
  「読書したこと」は、読書に対する感想が中心である。読書は、目的的行為であるから知識を得ようとしたり、
情報を得ようとしたり、経験を広め、心情を豊かにしたり、楽しみを求めようとして読書するのである。そうした
価値を得ようとして読書する場合、当然、その価値に対する反応があるはずである。それが一般的には感想という
形であらわされているものである。「読むことは、作者とともに考えることである」という命題も、文章は、必ず
何か(主題・要旨)について読者に呼びかけているのであるから、読者は、また、それ(価値)を得ようとするわ
けであるから、そこに「作者とともに考えること」が成立するのである。そうすれば、その結果、読者には必ず思
考の所産があるはずで、それを感想として、ひとつの思考内容と考えて差支えないものである。
 (2) 目的に応じた文章形態
 これらの題材について表現する場合、どんな文章形態を選ぶかは、次のように考えることが適切である。
 (ァ) 考えたこと、話し合ったこと、読書したことは、「感想」または「意見」。
 (ィ) 意見は「意見」。
 この場合「感想文」とか「意見文」といういい方はさけたい。「感想文」とか「意見文」といういい方は、文章
の形態面から見た分類で、文章一般を単に形態分類したにすぎない。しかし機能的作文は、そうした形態分類より
も、実際に思想を深めるためには「感想」そのもの、「意見」そのものが重要であって、けっして形態ではない。
感想や意見は、必ずしも書くばかりとは限らず、話される場合もある。この揚合は作文が前提であるから書かれた


                                                     66

「感想」書かれた「意見」なのである。
 (3) 目的に応じた技能・態度
 思想を深めるために書く「感想」や「意見」は、特に次のような技能・態度が必要である。
 (ァ) 中心点をおさえて書くこと。
 (ィ) 段落をおさえて書くこと。
 (ゥ) 書こうとすることがらをまとめてから書くこと。
 (4) 指導の方法
 「中心点をおさえて書くこと」は、感想や意見が、特に作者の思考の所産であるから、作者の考え方の中心、思
考の軸がはっきりしていなければ思想は深まらない。思想を深めるためには、特に思考の一貫性が重要なのである。
そういう意味から、題材に対して一貫した筋道をたて、そこに考え方の中心がはっきりおさえられなければならな
い。そのためには、表現のし方も「書こうとすることがらをまとめてから書くこと」の技能も必要なのである。
 「意見」は、それを書くことによって自分の思想が深められると同時に、その機能は、自分の考えを相手に訴え
相手の心を動かして共鳴・共感させたり行動させたりすることでもある。そうした場合、自分の考えが、相手によ
く訴えるような表現でなければ機能は発揮されないことになる。ここに、書くことは自分の思想を正確にし、深め
ることであるが、同時に、そのためには、その作文が相手にもよく訴える表現でなければならないからそういう作
文はまた、自分の思想がしっかりまとめられており、深められたものでなければ用を足さないということになる。
しかし、必ずしも書くだけで思想が深められるかというと、それだけではなく、意見を書き、それを発表すること
によって、他からその意見に対する反応を受け、それによって自分の考えが反省され、表現が修正されて、ますま
す深まっていくものである。


                                                     67

 訴える意図が明瞭になり、書くことがらが整理されれば、それを書き表わす場合に、段落をおさえ、意図がはっ
きり展開されるような構想のもとに表現する。訴えられる読み手のことを考え、事実と意見(感想)を区別して書
くこともたいせつな技能である。
 3 生活を向上させるために書く
 経験を深め、思想を深めることは、とりもなおさず生活を向上させることでもある。しかし、ここではもっと積
極的立場から生活を向上させるための作文を取りあげたわけである。
 (1) 目的に応じた題材
 現在の生活をみつめ、その生活を反省して自己を改造したり、集団生活を改善して向上させていくためには、家
庭生活・学校生活・社会生活の全生活について、それをみつめる態度を養わなければならない。そうした態度形成
なしには生活を向上させることはできない。もし、この生活の向上が、現在の生活が著しく異常に問題だという場
合に限られているとしたら、これは従来の生活作文と何ら変らない。特異な問題の生活とか、貧困生活という特別
なものだとしたら普通の生活状態では作文の題材がなくて書くことができないということになる。
 そうでなくて、平凡な、普通の生活であっても、現在の生活をみつめ、そこからよりいっそう向上させようとす
る態度がだいじなのである。
 そこで、題材としては次のような中から選択させる。
 (ァ) 考えたこと               (ゥ) 意見
 (ィ) 話し合ったこと             (ェ) 読書したこと
 家庭生活・学校生活・社会生活の中から「考えたこと」を見出したり、「話し合ったこと」を見出したりするこ
とは容易であろう。児童が四六時中生活している現状であるから、そうした現在の生活に目を向けることができれ


                                                     68

ば題材は容易に得られる。ただ、この場合留意したいことは、とかく児童は現実から遊離した空想にはしりたがる
から、あくまでもすなおに現実をみつめるようにさせたいのである。「意見」は、中学年の段階では、いわゆる意
見らしいものであってかまわない。題材は、前項(思想を深めるために書く題材例)に準じて予想する。
 「読書したこと」は、読書材料が特に生活に取材した文章である場合には、自分の生活や意見と比べて読み、そ
れによって得たものを題材にする。「読書したこと」を題材にした場合、特に留意すべきことは、読書材料が現実
生活とはるかに遊離したものを題材にしても価値がない。それは、自分の生活や意見と比べることが既にできない
条件にあるからである。
 (2) 目的に応じた技能・態度
 文章表現の技能・態度として次の事項が考えられる。
 (ァ) 中心点をおさえて書くこと。
 (ィ) 段落をおさえて書くこと。
 (ゥ) 書こうとすることがらをまとめてから書くこと。
 このほかに、特に「生活をみつめ、反省すること」の態度が必要である。
 (3) 指導の方法
 生活を向上させるために書く作文の機会はたとえば、次のような場合がある。
 (ァ) 「考えたこと」の中から
 家庭生活・学校生活・社会生活について児童が不満に思っていることをあげさせてみるとたとえば次のようなも
のがある。
 ○家庭生活


                                                     69

  ・おこづかいが少ないこと            ・父母がきょうだいによって差をつけること
  ・家族全員がそろって食事できないこと      ・どこへも連れて行ってもらえないこと
 ○学校生活
  ・あだなを言われること         ・給食の献立が気にいらないこと
  ・友だちがないこと           ・座席が男女に並ばされること
 ○社会生活
  ・買い物にいった場合、おとながばかにすること
  ・横断歩道でも車が止まってくれないこと
 これらの中には、本当に相手が改善しない限り問題は解決しそうもないものもあるが、たいていは自分の理解不
足であったり、他と比べてみると自分のわがままであるとか、そういう自分の側にある問題も多い。
 こうした問題をよく考え、それをまとめて作文に書くことにより考え方の間違いや、あるいは考え方を発展させ
て、よりよい理解に到達することもある。
 (ィ) 「話し合ったこと」の中から
 特に学級生活について、学級会で話し合ったことを取りあげる。
 ・掃除当番のこと  ・給食当番のこと
 ・各係活動のこと  ・学級文庫のこと
 ・学級新聞のこと  ・交友関係のこと
 ・座席のこと    ・遊びのこと
 これらの問題について作文に書くことにより、その問題点をよく把握し、問題の原因を解きほぐして、解決のた


                                                     70

めの方法を考える。そのことにより生活を反省し、より向上への道が開かれるのである。
 (ゥ) 「意見」
 学級生活や学校生活の中から「意見」を書く。「考えたこと」「話し合ったこと」と題材や機会が一致している
ことが多い。
 ・掃除当番について自分の意見を述べ学級生活を向上させようとする。
 ・係活動のあり方について自分の意見を述べ学級生活を向上させようとする。
 ・学級文庫や学級新聞のあり方について自分の意見を述べ学級生活を向上させようとする。
 ・学級や学校を美しくするための意見を述べて学級、学校生活を向上させようとする。
 ・運動場の遊び方について意見を述べ学級・学校生活を向上させようとする。
 ・給食の運搬のし方について意見を述べ学級・学校生活を向上させようとする。
 ・交友関係について意見を述べ学級、学校生活を向上させようとする。
 このように機会はいくらでもある。意見は、中学年では主として学級内の生活について考えさせ、高学年に進む
にしたがって学校生活や社会生活に発展させる。
 意見を書くことは、自分を含めた学級社会の生活を改善、向上させようとするために相手に訴えることであるか
ら、相手の心に訴え、相手の共感・共鳴が得られて生活が改善・向上するように書き方をくふうしなければならな
い。
 (ェ) 「読書したこと」の中から
 作文を書くために、事前に学級文庫や学校図書館を利用して読書する。この場合の読書材料としては生活に取材
した文章(本)、伝記、逸話、意見、感想等を選択する。


                                                     71

 たとえば生活に取材したものでは「兄弟愛」とか「強く生きようとする意志」「努力」「動物愛」等の主題に即
したものを選ぶ。伝記では野口英世とか並河成資とか、宮沢賢治といった偉人の伝記を選ぶ。逸話は「人類愛」や
 「機転」「動物愛」等に関したものを選ぶ。
 これらの文章や本を読んで、自分の生活や意見と比べ、自分の生活、意見を反省する。反省したことをまとめ、
作文に書く。この場合、「書こうとすることがらをまとめ」「段落をおさえて書くこと」を指導する。書いたもの
を発表し合って生活の改善・向上に資する。

 (四) 研究や生活に役だてるために書く指導の方法

機      能  題      材  文章形態  技 能 ・ 態 度 
(1) 学習に役立てるために書く
(2) 生活に役立てるために書く
(3) 研究に役立てるために書く
(4) 人と交わるために書く
(5) 情報を交換するために書く 
○学習したこと
○見学したこと
○研究したこと
○観察したこと
○毎日のこと
○知らせること
○学級のこと
○学校のこと
○読書したこと 
日  記
記  録
手  紙
メ  モ
学級新聞
文  集 
○必要に応じて経験したことを
 書くこと
○段落を考えて書くこと
○書こうとするものをよく見て
 書くこと
○だいじなことをおとさずに書
 くこと
○横書きになれること 

 学習や研究、また生活に役立てるために書くことは、ことばの叙述機能――文化的機能――記録の機能、および
社会的機能――伝達の機能に基づくものである。


                                                     72

 (A) 記録の機能一般
 記録は、ことばの叙述機能、文化形成の機能に基づくもので、その内容機構は次の図式によってあらわすことが
できる。(明治図書「機能的国語教育」316ページ)





 1 記録の機能に立つ作文の目的
  
記録の機能に立つ作文の目的には、次のものがあげられる。

 ア 忘れないために記録しておく。
 イ 実態を知るために記録する。
 ウ 研究をまとめるために記録する。
 エ 経験をまとめるために記録する。
 オ 研究に役立てるために記録する。
 カ 生活に役立てるために記録する。

 2 記録の機能に立つ作文の学習指
  導過程

 (1) 何のために書くか、書く目的を
   確立する

 学級のできごとや、学習したこと、毎日のこと、学級のことなどを記録し


                                                     73

ておいて学級の生活に役立ててたい、という書く目的を碓立する。つまり、何のために書くか、書く目的をはっきり
させることである。
 (2) どのように書くか、書く計画を立てる
 記録したことを学級の生活に役立てたい、という目的を達成するための計画を考える。これからの学習計画を立
てる。
  (ァ) 話し合い             (ゥ) 継続して書く
  (ィ) 教材の学習
 (3) 何について書くか、書く題材を選ぶ
 記録したものを学級生活に役立てるためには、どんなことを書くか、書く内容(題材)を選ぶ。
 (ァ) できごと              (ゥ) 毎日のこと
 (ィ) 学習したこと            (ェ) 学級のこと
 (4) どんな文章で書くか、文章の形態を決める
 学級の生活に役立てるためには、毎日の記録をつける。めいめいが、毎日学級のことを記録するのでなく、集団
としての学級の記録をつける。そのためには学級日記の形式をとる。
 (5) どんな組み立てで書くか、文章構造を考える
 学級の日記となった場合、個人の日記と違って共通の形式が必要である。だれでもがみてわかる役立つ形式をく
ふうする。だれでもが容易に記入できる枠組みを話し合って決める。
 (6) どのように書くか、書き表わし方をくふうする
 学級日記は、学級の事実や事件を客観的に記録しておくところに価値があるから、その表現は、感想や意見と区


                                                     74

別して客観的な記述をする必要がある。また、記録した以外の者が見てもよくわかるように簡潔に、的確な表現を
することが重要である。さらに、学級日記の場合、あとで生活に役立てる場合は、その日の記録にあたって、「だ
いじなことをおとさずに書くこと」の技能が必要であり、同時に、何を記録するか、その日の中から書くことを選
択する技能が必要である。
 (7) 目的が達成できるか、推考する
 書きっぱなしではなく、必ず目的に照らして、その目的が達成できるかどうか、文章に即して推考する。
 (8) 書いたものをどうするか、目的に応じて処理をする
 学級日記は、継続して記録したものを保存しておいて学級の生活に役立てる。たとえば、いつ、どんなことがあ
ったか、を知る必要が生じた時に学級日記を見る。前の学年ではどんな学級のあゆみをしたか、知る必要がおこっ
た時に学級日記を見る。このように、必要が生じた時に、それを調べることによって生活に役立てる。

 (B) 伝達の機能一般

 伝達は、相手に伝える、訴えるはたらきで、何かを知らせたり、訴えたりするが、それは必ず人と交わるためで
あったり、情報を交換したりして社会生活を円滑にするためのものである。
1 伝違の機能に立つ作文の目的
 伝達の機能に即した書く目的には次のものがあげられる。
 ア 人と交際するために伝え合う。            エ 周知するために伝える。
 イ 情報を交換し合う。                 オ 相手に行動させるために訴える。
 ウ 何かについて報告する。               カ 意図に従わせるために訴える。


                                                     75

2 伝達の内容機構
 伝達は、ことばの伝達機能、社会形成の機能に基づく言語活動で、次のような内容機構をもっている。

 (C) 研究や生活に役立てるための機能

                                    1 学習に役立てるために書く

  書くことが学習に役立つとい
 う場合は学習したことを記録し
 ておくことによって、後で記録
 したものを利用することによっ
 て役立つ場合と、書くこと自体
 が既に学習に役立つという場合
 がある。前者は、たとえば、工
 場を見学したことを記録してお
 いて、後でそれを社会科の学習
 のために活用したり、植物栽培
 を観察したことを記録してお



いて、後で理科の学習に役立てるというような場合である。後者は、学習したり、研究したり、観察したりしたこ
とを書くことによってそれが整理され、 学習がまとめられ、 深まることを予想する場合である。  この場合は


                                                     76

書くこと自体に価値がある。しかし、前者であっても、後で役立つことは当然であるが、書くこと、それ自体にも
書くことによって整理され、まとめられるから直接役立つことも含められているし、後者の場合であっても、後で
学習の役に立つ場合も予想されるからはっきり区別することはむずかしい。
 (1) 目的に応じた題材を選ぶ
 学習に役立てるために書く作文の題材は、次のものが予想される。
 (ァ) 学習したこと
 これは、時間割に即した教科の学習である。
 (ィ) 見学したこと
  主として社会科や理科に関連した実地見学として、工場・貯水池・浄水場・汚水処理場・公園・博物館・官庁
 ・わたしたちの町・名所旧跡等の場所、あるいは展覧会・学芸会・博覧会・催物等がある。
 (ゥ) 研究したこと
  教科や教科外の活動に関連して、たとえば文字の研究とか、交通量の研究、気温・風向・風力の研究、昆虫の
 研究、植物栽培の研究等である。
 (ェ) 観察したこと
  気象観察、植物栽培の観察、昆虫の生態観察等がある。
 (ォ) 読書したこと
  読書したことでは、科学的読物、社会科の参考書、図鑑、事典等、学習に役立つものが考えられる。
 (2) 目的に応じた文章形態を決める
  学習に役立てるために、前項にあげた題材例を書くには、次のような文章形態が適当である。


                                                     77

 (ァ) 「学習したこと」は、「メモ」 「見学記絃」 「学習記録」を選ぶ。
 (ィ) 「見学したこと」は、「メモ」 「見学記録」を選ぶ。
 (ゥ) 「研究したこと」は、「メモ」 「研究記録」を選ぶ。
 (ェ) 「観察したこと」は、「メモ」 「観察日記」 「観察記録」を選ぶ。
 (ォ) 「読書したこと」は、「メモ」 「読書日記」 「読書記録」を選ぶ。
 記録は、もともと事実や事件の継続的な記述であるから、記録する対象・性格によっては一回限りのものもあれ
ば毎日継続して記述する場合もある。日記は、そうした記録の継続的なものである。学習や観察、読書のような毎
日やるものは「日記」として、毎日記録することもあり、また一回限りの場合を予想して「記録」とする場合もあ
る。
 (3) 目的に応じた技能・態度
 学習に役立てるための「日記」「記録」に必要な技能・態度は、次の事項があげられる。
 (ァ) 必要に応じて経験したことを書くこと。    (ェ) だいじなことをおとさずに書くこと。
 (ィ) 段落を考えて書くこと。           (ォ) 横書きになれること。
 (ゥ) 書こうとするものをよく見て書くこと。
 このほかに、特に必要な技能、態度としては、「書こうとするものをよく見て書くこと」と同時に、「何を書く
か、書くことを選ぶこと」がたいせつである。なんでも記録することがいいことではなく、必要なことと、必要で
ないことを選択する技能がなければ「だいじなことをおとさずに書くこと」ができない。
 また、記録は、的確な表現、簡潔な表現を必要とするから、必要に応じて詳しく書いたり、あるいは省略して簡
単に書いたりする。


                                                     78

 さらに、日記のような継続的な記録には、「必要に応じて継続して書くこと」の態度がだいじである。
3 生活に役立てるために書く
 生活に役立てることは、書くことにより、生活を反省、改善したり、あるいはそれを活用することによって生活
に役立てるという場合がある。
 (1) 目的に応じた題材を選ぶ
 生活に役立てるための作文を書く場合には、次のような機会がある。
 (ァ) 毎日のこと(「できごと」 「学習したこと」を含む)
 (ィ) 学級のこと
 (ゥ) 学校のこと
 (ェ) その他(見学したこと、研究したこと、観察したこと、知らせること、読書したこと)
 「毎日のこと」は、日常生活の中で児童が毎日の生活をふりかえり、それを記録することによって生活を反省し
改善し、また記録を見ることによって後で生活に役立てるという場合である。
 「学級のこと」「学校のこと」は、児童の生活範囲を考えると、家庭生活、学校生活、社会生活の多方面にわた
っているが、特に学級・学校生活は共通の基盤をもち、書く題材としても共通問題を持つことができるから題材と
しては適当として取り上げた。
 (2) 目的に応じた文章形態を決める
 生活に役立てるためには、その題材から考えても、次の三とおりである。
 (ァ) 個人の生活日記(生活記録)        (ェ) 学級新聞(メモを含む)
 (ィ) 学級集団の学級日記(メモを含む)


                                                     79

 (3) 目的に応じた技能・態度
 生活に役立てるために書く「生活日記」「生活記録」「学級日記」 「学級新聞」は次の技能・態度が必要であ
る。
 (ァ) 必要に応じて経験したことを書くこと。   (ゥ) だいじなことを落さず書くこと。
 (ィ) 段落を考えて書くこと。
 このほかに、「何を書くか、書くことを選択すること」 「必要に応じて詳しく書いたり簡単に書いたりするこ
と」「必要に応じて継続して書くこと」 「小見出しをつけて書くこと」の技能・態度が必要である。
 (3) 指導の方法
 「生活日記」(生活記録)は、個人の私的な日記であるが「学級日記」は、学級集団の公的な日記である。その
相違をはっきりさせて指導しなければならない。
 「生活日記」(生活記録)は、特に何を書くといった制約のないものであるから、その個人の意志によって書く
内容(題材)を選べばいい。たとえば、日常生活の中から特に思想、感情だけを書こうとすれば、そういう生活日
記になる。また、逆に事件だけを取り上げて、思想・感情を抜いた場合も考えられる。しかし、前者だけの「生活
日記」というものは、かなり創作的(自己表現的)なものに近くなり、また、後者だけのものは、あまりに実用的、
形式的にすぎてしまうので「生活日記」としては、その両者をはっきり区別した上で兼ねあわせる必要がある。す
なわち、事件は事件としてそれは主として記録し、それに思想・感情を区別してつけ加えるということが適当であ
る。そうすれば記録の機能を果たしながら、そこに内面生活の記録をつけ加えられていっそう「生活日記」の価値
が高くなる。
 「生活日記」を指導する場合は、一日の生活の中から何を書く内容(題材)として取り上げるか、という題材選


                                                     80

択の指導がたいせつである。そうでなければ、毎日、とにかく何かを書けばいいのだという形式的な記録になって
しまう。それでは生活に役立てるという目的に応じられない。やはり、生活に役立てるという目的のために、何が
重要であり、何が重要でないのか、という題材選択の技能がだいじなのである。
 「生活日記」は、書いてだれかに読んでもらうものではなく、自分の生活に役立てるものであるから、あとで自
分が読んで、その時の生活やようすが思い出せるように書いておかなければならない。そのためには、詳しく書く
部分と、場合によっては簡単に書いておいてもいいものとがある。そうした表現上の技能も書くことによって身に
つけるようにする。
 「学級日記」は学級集団の公的なもの(全休のもの)であるから、そのことを確認させ、または学級日記の機能
を自覚させることが指導の第一である。「学級日記」は形式を決め、事実事件本位に、客観的に記述できるように
する。
 「学級新聞」は、学級生活について、それを改善し円滑にするためのはたらきを持っている。したがって、あと
で述べる「情報を交換するために書く」場合にも取りあげるが、「学級新聞」は、学校のニュースやお知らせ、伝
達などを書いたり、研究・調査したりした報告を書いたり、あるいは読書の感想や新刊の紹介をしたり、また詩、
生活表現の作文等を発表したりする書くことの総合的活動である。そうした総合的作文活動の所産としての「学級
新聞」は、結局、学級生活に役立てることが究極の機能である。
 「学級新聞」も、何を(内容)どう(形式)表現するか、という編集上の技能・態度が必要である。学級生活に
役立てるためには、どんな内容(題材)を選び、それをどのように組み立てたら役立つか、見出しをつけて読み易
くする。
 三年生では「かべ新聞」四年生で「学級新聞」をとりあげる。また、記事は中学年では主として学級生活を中心


                                                     81

に取材することが適当である。おとなの新聞をまねた世界ニュースや社会記事はさけるようにしたい。
3 研究に役立てるために書く
 研究に役立てるために書くことは、つまりそれによって研究がまとまり、研究がいっそう深まるという場合であ
る。
 (1) 題材を選ぶ
 研究に役立てるための題材としては、次のものがあげられる。
 (ァ) 研究したこと
 研究の題材として予想されることは、たとえば、ちょうの一生・かいこの一生・めずらしい動植物・チョコレー
トのできるまで・わたくしたちのことば・日本の文字・橋の種類・農機具の歴史・暮の町等がある。
 (ィ) 観察したこと
 研究したことと題材が重複するが、ここでは特に 虫、あり、ちょう、せみの生態観察とか、動物(うさぎ、に
わとり)の飼育、植物の栽培観察、あるいは実験の観察等がある。
 (ゥ) 読書したこと(調べたこと)
 研究したこと、観察したことに関連して、それらの参考書や年鑑、図鑑、事典等があげられる。
 (2) 文章形態を決める
 研究に役立てるためには、研究したこと・観察したこと・読書したこと(調べたこと)を次の文章形態によって
書く。
 (ァ) 研究記録(研究したこと、読書したこと)
 (ィ) 観察記録(観察したこと)


                                                     82

 (ゥ) メモ(研究したこと・観察したこと・読書したこと)

 (3) 技能・態度
 研究に役立てるための記録、メモに必要な技能・態度は次の事項である。
 (ァ) 段落を考えて書くこと。
 (ィ) 書こうとするものをよく見て書くこと。
 (ゥ) だいじなことを落さずに書くこと。
 (ェ) 横書きになれること。
 このほかに、必要な技能・態度として「小見出しをつけて書くこと」「個条書きにして書くこと」「図表や統計
グラフなどをいれて書くこと」「資料を整えて書くこと」などがある。いずれも学習指導要領では高学年に配当さ
れている技能・態度であるが、中学年はその前提段階として低次な技能・態度でもいいからおさえておきたい。
 (4) 指導の方法
 「研究記録」は、その前提として、研究したこと(内容)がなければ書けない。作文指導としてとりあげる場合
前提としての研究に、ある程度時間をとらなければならない。しかも、実際の研究となれば短時間ではまとまらな
いので、中学年の場合は、参考図書によって調べたことを前提として「研究記録」を書かせる。参考書によって研
究する(調べる)場合、書くための資料(調べたこと)を整えることがだいじな指導である。単に、参考書の模写
であったり、研究の深まらないものであっては役に立たない。ここに「資料を整えて書くこと」の指導がある。
 また、そのためには「メモ」の効用についても考えさせ、資料を整えるためには「メモ」を活用することを指導
する。
 さらに、「研究記録」を本当に研究に役立てるためには、あとで見てもよくわかるように「段落を考え」、「小見


                                                     83

出しをつけて書き」、「個条書きにして書くこと」や「図表や統計グラフなどをいれて書くこと」を指導する。「だ
いじなことを落さずに書くこと」は特にだいじな技能・態度であり、また、「研究記録」は「横書きになれること」
も必要である。
4 人と交わるために書く
 伝達の機能は、「伝える」「訴える」意識が根底にあって、人と交わり、社会生活を円滑にしていくためのはた
らきである。
 「伝える」「訴える」という意識がはっきりしていて、伝達の機能を自覚するのは高学年の児童からであるが、
中学年では、そうした前提段階として発達段階に応じた指導をする。
 (1) 題材を選ぶ
 人と交わるため、伝達のために書く題材は次のような場合が予想される。
 (ァ) 何かの会への案内、招待をする。
 (ィ) 友だちの病気見舞、先生、知人への暑中見舞、寒中見舞をする。
 (ゥ) 年頭のあいさつ、進級の喜びを訴える。
 (ェ) 相手の都合を問い合わせたり依頼をしたりする。
 (ォ) お礼をいう。
 (2) 文章形態を決める
 人と交わるために、前項の題材を書く場合には、「手紙」の形式をとる。しかし、単なる手紙一般の形式ではな
く前項の題材に応じた、それにふさわしい「手紙」の形態でなければならない。
 (3) 技能・態度


                                                     84

 人と交わるために書く「手紙」の技能・態度としては、次の事項が必要である。
 (ァ) 段落を考えて書くこと。
 手紙は、どんな場合でも、必ず書く相手がある。自分の用件、気持ちを相手に伝えて読んでもらうためのもので
ある。そのため、相手に読みやすい文章の組み立てを考えて書く。段落を考えて書く。
 (ィ) だいじなことを落さずに書くこと。
 手紙には、必ず相手に伝える用件がある。何かの会への案内・招待をする場合、その案内、招待の理由、日時、
場所、会の要領等が書かれていなければ、その機能が果たせない。また、お見舞いの手紙であれば、相手のことを
心配しているとか、はげましとかの自分の気持ちが書かれていなければ、見舞いの手紙として用に立たない。
 (ゥ) 文字の大きさや配列に気をつけて書くこと。
 特に手紙は自分だけの記録(メモ)といったものとは違い、書いたものを相手に伝えるところにその機能があ
る。したがって、手紙を書く場合、書く内容ばかりに気をとられず、文字の大きさや配列にも気をつけて書くこと
が必要である。
 (4) 指導の方法
 人と交わるために書く手紙は、そのことによって人間関係が深まり、社会生活が円滑にしていくことを予想し
ている。したがって、一般的にいわれる手紙の用件ということも、この場合の用件は、人と交わるための用件であ
る。そこで、どういう場合における手紙かということを最初に考えさせる。そうした必要の上に立たなければ正し
い意味の手紙は指導できない。手紙一般の書式、つまり、前書き(前文)、本文、結び(結語)、日付、差出人、あて
先、というような形式は、どんな場合でも共通な書式であるから中学年である程度身につけておく必要はある。し
かし、それよりも、やはり手紙の場合に必要なものは、手紙を書くことによって、人と交わるようになった、社会


                                                     85

的な態度が身についたということであり、そのためには、やはり実際生活の場に立たせることが必要である。
5 情報を交換するために書く
 これは書くことによって情報を交換する、その結果、情報価値を得て生活に適応するという場合である。
 (1) どんな題材があるか
 (ァ)学習したこと (ィ)見学したこと (ゥ)研究したこと (ェ)観察したこと (ォ)毎日のこと (ヵ)学級のこと
(ク)学校のこと (ヶ)読書したこと。など学校生活・家庭生活・社会生活・自然生活・文化生活の多方面にわたって
いる。
 (2) どんな文章形態によるか
 主として学級新聞をとりあげる。あるいは、手紙の場合も予想されるが、この場合はむしろ実用的な面を強調し
た手紙を考える。
 (ァ) どんな技能・態度が必要か
 (ィ) 必要に応じてくわしく書いたり、簡単に書いたりすること。
 (ゥ) 相手にわかりやすく見出し、まとめ、本文をくふうして書くこと。
 (ェ) だいじなことを落さずに書くこと。
 (4) 指導の方法
 自分が情報価値と考えたことを相手に伝えて、情報交換をするためには学級新聞という形態をとる。学級新聞と
いえば、たいてい一般の新聞をまねたものになり易い。しかし学級児童がお互いに情報を交換し合って学級生活を
円滑にしていく機能を発揮させるためには、もっと児童にふさわしいものを考えていかなければならない。取材
は、児童の学級生活・学校生活・家庭生活を中心に自然や文化などのあらゆる範囲から選択する。選択したものを
どのように書いたら効果的かと考え、表現をくふうする。この場合、みんなによくわかる表現形式として見出し、


                                                     86

まとめ、本文をくふうする。


 (五) 練習のために書く指導の方法


 機能的な目標を持ち、その目的を達成するために学習の計画を立て、その目的に即応した題材を選び、文章形態
を選び、内容をもりこむための文章の組み立てを考える。さらに表現をくふうし、目的の達成をする。このような
統一的な言語活動によって書く能力を身につけていくことが理想である。しかし、時間的制約やその他の条件によ
って、必ずしも理想どおりにいかない場合がある。
 このような場合は、単元学習の過程で一度学習した能力を練習によって補強策を講ずることは必要な措置であ
る。ここに練習の必要性がある。
1 練習の内容
 作文指導における練習として、中学年でとりあげたものは次の例である。
 (1) メモをもとにして書くこと。
 (2) 表現のこまかいところ、的確なところを見て書くこと。
 (3) 構想を立てること。
2練習の方法
 (1) 一般的な方法
 単元の学習指導計画に従って学習を進める過程において、その単元でめがけている作文の能力を確実に身につけ
るために必要に応じて練習する。
 たとえば、研究に役立てるために書く作文の単元を学習した結果、観察したことをメモする技能が不十分である


                                                     87

とわかったならば、メモをとる練習をすればいいわけである。
 さらに学習中、特につまずいた場合、そのつまずきについて練習する揚合も考えられるが、その際は児童の思考
を中断しないように配慮をすることがたいせつである。
 このように、練習は、いつ、何を指導するかということを明確にしておかなければならない。
 練習は、特に技能についての指導が重要であることはいうまでもない。それが確実に身につくまで、くり返し練
習する必要がある。しかし、変化に乏しい、形式的な練習ではなく、興味や意欲を失わないように留意して計画を
たてることがたいせつである。
 次に練習を行なうにあたっての一般的な留意点をあげておく。
 (ァ) 能力の習得は、個人差が大きい。したがって個人差に応ずるような練習の計画も必要である。
 (ィ) なぜ練習するのか、その必要性や目的を自覚させ、主体的な練習をさせなければ効果がない。
 (ゥ) 練習したことによって、どれだけ向上したか、その効果がはっきり測定できるようになっていることは練習
  の効果を増大する。
 (ェ) 形式的、機械的な練習にならないよう、つねに単元学習との関連を考えた機能的な練習であること。
 (ォ) 一回の練習にあまり時間をかけず、短時間で、くり返し、回数を多く練習する。
 (ヵ) 一度に多くの技能を練習させず、一回一技能が適当である。
 (2) 練習の実際
 (ァ) メモをもとにして書く練習
  ○きのうの生活についてメモをとる。
  ○メモをもとにして、きのうの生活を書く。


                                                     88

 (ィ) 表現の細かいところ、的確なところを見て書く練習
  ○観察の細かな文章、的確な表現の文章を視写する。
  ○花、植物、人物を観察して書く。
  ○観察の視点をきめて、それに従って書く。
 (ゥ) 構想を立てる練習
  ○一日の生活(日曜日)の構想メモを書く。
  ○あるできごとのアウトラインを書く。

  (六) 処理と評価の方法

1 作文の処理のし方
 従来の処理のし方は、教師が作文を添削し評語を加えて返すことが主であった。
 これからの処理のし方は、教師がその後の指導に役立てたり、児童の作文意欲を向上させるように配慮すること
は当然であるが、書く目的に応じた、児童自身の処理でなければならない。
 もちろん、中学年の児童には、はじめからそうした処理のし方ができるわけではないから、教師の指導によって
児童を誘導し、そうした自覚を持たせて処理させるようにする。
 たとえば、単元「学級文集」の処理について考えてみると、次のようになる。
 (1) 学級文集は何のためにつくるか、目的を確立する
 ア 記念文集としてとっておくため。      ウ 学習や生活に役立てるため。
 イ 発表のよろこびを得るため。        エ 友だちの書いたものを読んで参考にするため。


                                                     89

 オ 父兄にみせるため             カ 卒業生に送るため。
 (2) 書く目的に応じた処理の方法
 ア めいめいがとっておいて記念にする。    エ それを活用する。
 イ 発表したことによって喜びを得る。     オ 父兄にみせる。
 ウ 読んで参考にする。            カ 卒業生に送る。
2 評価のし方
 評価の目的には、実践の結果に照らして、教師の指導計画のたて方がどうであったかを反省、評価するためと、
もう一つは、児童の学習の効果がどれだけあがったかを判定、評価するためとがある。
 指導計画を中心にする評価は、年度当初に立てた指導計画を学級の実態に即して指導した結果、単元の話題、目
標、学習活動、学習事項は、児童の興味、必要、能力に合ったものであったか、どうかの観点から評価し、指導計
画の改善に資するものである。
 児童の学習効果を中心にする評価は、その単元で指導すべき知識・技能・態度・言語要素が身についたか、どう
かを評価して、児童の学習成績の実態を把握し、児童の学習意欲をたかめ、自主的な学習をするための手がかりと
する。
 このように、何のために、何を評価するのかを明確にしておかなければならない。
 また、評価は、児童の作文能力に即して行なわれなければならない。
 (1) 三年生の作文
ア 作文の特徴
 この時期の児童は、行動や経験の範囲が急に拡大される。したがって話題の傾向も、家庭中心から次第に社会の


                                                     90

はたらき、しくみに目を向け、また自然生活や文化生活への目も開けてくる。
イ 作文の能力
 経験や話題の拡大とともに、物の見方、考え方が客観的になり、表現も説明的表現となり、長い文章が書けるよ
うになってくる。
ウ 三年生のまとめ
 (ァ) 話題、題材の範囲が低学年より急速に広がってくる。
 (ィ) やや、長い文章が書けるようになる。
 (ゥ) 本で読んだこと、お話を聞いたことなどが作文に表われてくるようになる。
 (ェ) 使用する語い数が多くなる。
 (ォ) 教師や親のいうことに妥協しないで、自分自身の考え方がでてくる。
 (ヵ) 友だちの書いた作文を批判的に読むようになる。
 (キ ) 語の重複、文脈の書き表わし方などはまだ不十分なところがある。
 (ク ) 形容詞や副詞を使うことがめだってくる。
 (2) 四年生の作文
ア 作文の特徴
 物事のとらえ方が客観的になってくる。したがって、自分や他人に対して反省的、批判的になり、文章も論理的
になってくる。
 話題の傾向は、三年生の活動的、集団的なものに引き続き、冒険的なもの、明朗なもの、英雄的なもの、自然的


                                                     91

なもの、文化的なものに興味・関心を持ってくる。
イ 作文の能力
 三年生に引き続き、物の見方、考え方が客観的となり、表現もよりいっそう説明的になり、まとまりのある表現
ができるようになる。
ウ 四年生のまとめ
 (ァ) 客観的論理的文章が書けるようになる。
 (ィ) 取材の範囲がひろがり、文章の種類も多くなる。
 (ゥ) 書こうとする目的意識、必要意識がはっきり表われるようになる。
 (ェ) 観察が細かになってきて、描写の力もついてくる。
 (ォ) 手先の運動もたくみになり、書写、記述に興味をもつようになる。
 (3) 評価の方法
ア 評価の観点
 書く目的に応じ、それが効果的に表現されているかどうかを評価する。たとえば、生活に役立てる目的で記録
 (学級日記)を書いたとすれば、その記録(学級日記)が生活に役立つような表現であることが評価の根本であ
る。それをもっと具体的に見ると、次のようになる。
 (ァ) 目的に応じた内容(題材)を選んでいるか。
 (ィ) 目的に応じた文章形態を選んでいるか。
 (ゥ) 目的に応じた文章の組み立て(構想)であるか。
 (ェ) 目的に応じた文章表現をくふうしているか。
 (ォ) 目的に応じた処理をしているか。


                                                     92

イ 評価の基準、尺度
 書かれた作品についての評価は、品等尺度法により内容・形式について、次の三段階の尺度にあてはまる見本を
用意して評価する。
  (ァ) 上の作品
内容面 ○主題・意図がはっきりしていて統一性がある。
    ○機能(目的)に応じた内容のとらえ方をしている。
形式面 ○機能(目的)に応じた表現形式をとっている。
    ○文字の書き方、句読点、語法等の表記が正しい。
  (ィ) 中の作品
内容面 ○主題・意図はややつかめるが、はっきりした統一性が不足している。
    ○機能(目的)に応じた内容のとらえ方が浅い。
形式面 ○機能(目的)に応じた表現形式をとっているが、むだがある。
    ○文字の書き方、句読点、語法等の表記にやや誤りがある。
  (ゥ) 下の作品
内容面 ○主題・意図の統一性がなく、思想のまとまりがない。
    ○機能(目的)に応じた内容のとらえ方をしていない。
形式面 ○機能(目的)に応じた表現形式がとられていない。
    ○文字の書き方、句読点、語法等の表記が正しくない。
ウ 評価の方法


                                                     93

 (ァ) 教師の評価
   ○品等尺度法による作品の評価
   ○教師作成による客観的テスト
   ○教師による直接の観察
   ○学習帳、その他資料による観察
 (ィ) 児童の評価
   ○自己評価
   ○相互評価
 (ゥ) 評価の機会
   ○学習の進行中(教師の観察、児童の評価)
   ○学習の終末(作品評価、客観的テスト、児童の評価)


                                                     94





    第四章 機能的作文指導の年間計画




       一 年間指導計画について



 (一) 年間指導計画の基本的な考え方


1 この年間指導計画は、機能的国語教育の原理、基礎理論にもとづいて編成したものである。(機能的国語教育
 論を背景とし)
2 機能的作文指導は、すでに述べたように、ことばの表現機能、叙述機能、伝達機能にもとづいて、書くことに
 よって児童の人間性を開発し、発展させる――つまり、価値を習得し生産する人間を形成するとともに、その過
 程において作文能力を養成し、書く言語生活の向上を図ることをねらっている。(機能的言語観に立ち)
3 その目的を達成するために必要な作文指導の内容――題材、書く態度・技能・ことばに関する事項等を、聞く
 ・話す・読む各領域との関連を考えて、単元とし、組織し、系統的に配列したのが、この年間指導計画である。
 (機能的な目標・内容を組織し、機能的方法にもとづいている。)

 (二) 年間指導計画編成の方針

1 児童の興味、必要、能力の発達を考え、現在の生活の中から、積極的、意欲的な書く活動が営まれるような、


                                                     95

 機能的な題材を選んだ。
2 機能的な題材を中心として、児童の人間性に培い、生活に適応しまた改善するのに役だつ機能的な書く経験を
 組織した。
3 作文能力およびそれを含む書く経験を、系統的に配列し、活発な作文活動を通して、効果的にその技能、態度
 言語等を身につけるように計画してある。
4 原則として、書くこと(作文)は、各単元の中に組織してあるが、必要に応じて、随時随所で、作文単元を組
 織して学習することができるようになっている。
5 児童の書く生活の全面にわたって広く指導できるようにした。
6 この指導計画の書くこと(作文)に割り当てた時間数は、次のようになっている。(指導例掲載分)
  三年   一学期   11┐           四年   一学期   11┐
       二学期   15 >計  37          二学期   12 >計  33
       三学期   11┘                三学期   10┘
    備考 指導計画の「月、時間」の欄の( )の中の数字は、書くことに割り当てた時間数を示す。

 (三) 年間指導計画の内容

1 この年間指導計画で取り上げてある題材例
 中学年の児童の書く題材の一般的傾向については、第二章中学年の作文の項において述べたので、ここでは、こ
の指導計画の中で考えられる題材をあげてみる。
 (1) 三年の題材


                                                     96

 ア 家庭生活の中から
  びょうき、おねえさん、おにいさん、きょうだいげんか、しかられたこと、ほめられたことなど。
 イ 学校生活の中から
  私たちの先生、もうすぐ四年生、学習のこと、学校のこと、そうじ当番、学級のできごと、ねんどざいく、も
  けい作り、ちょうこく、給食当番、学級の情報など。
 ウ 社会生活の中から
  お祭り、町の運動会、お礼の手紙など。
 エ 自然生活の中から
  小動物(もんしろちょう、めだか、つばめ、みつばち、あり、うちの動物、学校の小鳥)家畜など。
  自然生活(水遊び、山登り、魚つり、せみ取り、海水浴、遊び、雪がっせん、草花など。)
 オ 遊びの中から
  遊び、おにごっこ、なわとび、はねつき、たこあげなど。
 (2) 四年の題材
 ア 家庭生活の中から
  手つだい、おそうじ、すいじ、お使い、ペンキぬり、はいたつ、いねかり、草取り、いもほり、子もり、子と
  りの世話、にわとりのせわ、おかあさん、おばあさん、おじいさんなど。
 イ 学校生活の中から
  新しい学級、新しい先生、学級の情報、学校の情報、そうじ当番、日直のしごと、給食当番、反省会、学習、


                                                     97

  教室、部活動など。
   徙競争、団体競争、紅白リレー、ダンス、地域対抗リレー、遠足など。
 ウ 読書
  物語、童話、伝記、科学的物語など。
 エ 研究
  郷土の交通、郷土の自然、水のはたらき、海べの植物、夏の星座、むかしの生活、虫の一生、自然と人々の生
  活など。
 オ 自然
  海水浴、林間学校、登山、しおひがり、つり、ボートなど。
 カ 遊び
2 この年間指導計画で取りあげた児童の生活経験(書く)
 この指導計画で取り上げた児童の書く生活経験(言語経験)は次の通りである。
 (1) 三年の言語経験
 ア 記録を書く
  (ァ) 観察記録を書く(観察記録)
  (ィ) 学級日記を書く(学級日記)
 イ 自己を表現する
  (ァ) 生活経験を書く(生活表現の文)
     (兄弟、病気、自然、社会行事、遊び、生き物、当番)
  (ィ) 感想を書く(感想)


                                                     98

  (ゥ) 意見を書く(意見)
 ウ 伝達する
  (ァ) 手紙を書く(手紙)
 エ 編集する
  (ァ) かべ新聞を編集する(かべ新聞)
  (ィ) 学級文集を編集する(学級文集)
 (2) 四年の言語経験
 ア 記録を書く
  (ァ) 研究記録を書く(研究記録)
  (ィ) 読書記録を書く(読書記録)
  (ゥ) 生活日記を書く(生活日記)
 イ 自己を表現する
  (ァ) 生活経験を書く(生活表現の文章や詩)
     (自然生活、行事、勤労)
  (ィ) 感想を書く(感想)
  (ゥ) 意見を書く(意見)
 ウ 伝達する
  (ァ) 手紙を書く(手紙)
 エ 編集する


                                                     99

  (ァ) 学級新聞を編集する(学級新聞)
  (ィ) 文集を編集する(学級文集)
3 この年間指導計画で学習するおもな技能、態度、ことばに関する事項
 次には、各単元の中で、主として学習する書くことの技能・態度・ことばに関する事項について述べる。
 (1) 三年の技能、態度、ことばに関する事項
 ア 主として記録の指導によって養成する技能
  (ァ) 書こうとすることがらをよく見て書くこと。
  (ィ) 必要に応じて継続して書くこと。
  (ゥ) 大事なことを落とさずに書くこと。
  (ェ) 横書きになれること。
  (ォ) 書こうとすることをはっきりさせてから書くこと。
  (ヵ) よく見て書くこと。
  (キ ) 大事なことを落とさずに書くこと。
  (ク ) 段落を考えて書くこと。
  (ケ ) 要点をおさえて書くこと。
 イ 主として自己表現の指導によって養成する技能
  (ァ) 心に感じたことを書くこと。
  (ィ) 気持ちを書き表わすこと。
  (ゥ) 心に強く感じたことを書くこと。


                                                    100

  (ェ) 自分の考えや気持ちを書くこと。
  (ォ) おもしろかったことをくわしく書くこと。
  (ヵ) 経験をよく思い出して書くこと。
  (キ ) 自分の感じや考えを書くこと。
  (ク ) 自分の考えを進んで文章に書くこと。
  (ケ ) 友だちに対する考えや感じを書くこと。
  (コ ) 段落を考えて書くこと。
  (サ ) 書こうとすることをはっきりさせて書くこと。
 ウ 主として伝達の指導によって養成する技能
  (ァ) 大事なことを落とさずに書くこと。
  (ィ) 気持ちを書き表わすこと。
  (ゥ) お礼の気持ちがわかるように書くこと。
  (ェ) 用件を落とさずに書くこと。
  (ォ) 手紙の書き方がわかること。
  (ヵ) 知らせたいことをはっきりさせてから書くこと。
 エ 一般的に指導する技能
  (ァ) 文字の形を整えて書くこと。
  (ィ) かなり長い文章を書くこと。
  (ゥ) 「、」 「。」に注意して書くこと。


                                                    101

  (ェ) 書いたものを読み返して語句や文字を直すこと。
  (ォ) 送りがなに対する初歩的な意識をもつこと。
  (ヵ) すいこうすること。
  (キ ) 原稿用紙の書き方に慣れること。
  (ク ) 書くために必要な文字や語句を増すこと。
 オ  その他
  (ァ) 編集すること。
 (2) 四年の技能、態度、ことばに関する事項
 ア 主として記録の指導によって養成する技能
  (ァ) 文章の組み立てを考えて書くこと。
  (ィ) 段落を考えて書くこと。
  (ゥ) メモをもとにして書くこと。
  (ェ) 要点をおさえて書くこと。
  (ォ) 事実と考えとを区別して書くこと。
  (ヵ) 横書きになれること。
  (キ ) 学級生活を向上させるために書くこと。
  (ク ) 必要なことを選んで書くこと。
  (ケ ) 生活が思い出せるように書くこと。
  (コ ) 内容のあらましを書くこと。


                                                    102

 イ 主として自己表現の指導によって養成する能力
  (ァ) 気持ちをこめて書くこと。
  (ィ) 気持ちや様子が現われるように書くこと。
  (ゥ) 中心点をおさえて書くこと。
  (ェ) 文章の組み立てを考えて書くこと。
  (ォ) 書こうとすることをまとめて書くこと。
  (ヵ) 情景がよくわかるように書くこと。
  (キ ) 場面や気持ちがわかるように書くこと。
  (ク ) 段落を考えて書くこと。
  (ケ ) 書こうとすることをまとめて書くこと。
  (コ ) 読後の感想を書くこと。
 ウ 主として伝達の指導によって養成する能力
  (ァ) 気持ちをこめて書くこと。
  (ィ) 気持ちが相手にわかるように書くこと。
  (ゥ) 相手を考えて書くこと。
  (ェ) 手紙の書式がわかること。
  (ォ) 用件を落とさずに書くこと。
  (ヵ) 文字の大きさや配列に気をつけて書くこと。
  (キ ) おっくうがらずに進んで手紙を書くこと。


                                                    103

  (ク ) 文章の組み立てを考えて書くこと。
 エ 主として、報道等において指導する技能
  (ァ) 学級生活を向上させるために書くこと。
  (ィ) 必要なことを選んで書くこと。
  (ゥ) 要点をおさえて書くこと。
  (ェ) 中心点をおさえて書くこと。
  (ォ) 新聞記事を書くこと。
  (カ ) 学級新聞を編集すること。
  (キ ) 事実と考えを区別して書くこと。
  (ク ) メモをもとにして書くこと。
 オ 一般的に指導する技能
  (ァ) 書く目的に応じて推考すること。
  (ィ) 「、」を正しく打つこと。
  (ゥ) 読み返して誤りを直すこと。
  (ェ) 「、」やその他の符号を正しく使うこと。


                                                    104



        二 三年の年間指導計画
                                                  104~109




単元
名 
学 習 目 標  学 習 活 動  学   習   事   項  備考(形態)




 







 
観察記録を書くこ
とによって観察力
を高め、小動物に
対する愛情を育て
る。 
1 「おたまじゃくしのかんさ
 つ」を読む。
 小動物の観察記録を書く。
 虫をそだてて、観察記録を
 書く。 
1 要点をおさえて読むこと。
2 読みとったことを抜き出すこと。
 書こうとすることがらをよく見て書くこ
 と。
 必要に応じて継統して書くこと。
 だいじなことを落とさずに書くこと。
 横書きになれること。 
○観察記録
 (指導例
  省略)
 







 




 
学級生活の向上に
役立つような学級
日記を書く習慣を
つける。 
1 「学級日記」を読む。
 「学級日記」の書き方や内
 容について話し合う。
 当番をきめて学級日記を書
 く。
 学級日記を書く。(練習) 
 だいじなことを落とさずに書くこと。
 必要に応じて、継続して書くこと。
 文字の形をととのえて書くこと。
 横書きになれること。
5 要点をおさえて読むこと。 
○学級日記
 







 





 
きょうだいに対す
る親愛な気持ちを
書くことによって
愛情を深める。 
1 きょうだいについての感想
 を話し合う。
2 「ぼくの弟」を読む。
 きょうだいについて作文を
 書く。
 書いた作品について話し合
 う。 
1 要点をおさえて読むこと。
2 読みとったことについて感想をもつこと。
 書こうとすることがらをはっきりさせて
 から書くこと。
 かなり長い文章を書くこと。 
 気持ちを書きあらわすこと。
 「、」や「。」に気をつけて書くこと。
O「きょう
 だい」に
 ついての
 経験を書
 いた文章
 











 
 病気になった時
の経験を書いて、
病気の時の心情を
訴えたり、家族の
心づかいに感謝す
る気持ちを育て
る。 
1 「はいしゃさん」を読む。
 病気の経験を書く。
 作文を読み合い感想を話し
 合う。
 推考する。
 心に強く感じたことを書くこと。
 書こうとすることがらをはっきりさせて
 から書くこと。
 自分の考えや気持ちを書くこと。
 書いたものを読みかえして、書きたした
 
り語句や文字を直すこと。
5 読みとったことについて感想をもつこと 
O「びょう
 き」につ
 いての経
 験を書い
 た文章
 







 




 
 夏の自然生活に
取材した文章を読
んだり、書いたり
して生活を楽しく
する。 
 このごろの遊びについて作
 文を書く。
2 「かいすいよく」を読む。
 作文を読み合い、感想を話
 し合う。
 作文の内容や書きあらわし
 方をくふうする。 
 書こうとすることがらをはっきりさせて
 から書くこと。
 かなり長い文章を書くこと。
 おもしろかったことをくわしく書くこ
 と。
 よく見て書くこと。
 送りがなに対する初歩的な意識を持つこ
 と。
6 読みとったことについて感想をもつこ
 と。 
O「自然生
 活」の経
 験を書い
 た文章
 











 
 夏休みの間にせ
わになった人々に
お礼の手紙を書く
ことにより、感謝
の気持ちや人間関
係を深めるように
する。 
1 「お礼の手紙」を読む。
 手紙の書き方をまとめる。
 お礼の手紙を書く。
4 手紙を出す。  
1 お礼の気持ちを読みとること。
 書こうとすることがらをはっきりさせて
 から書くこと。
 お礼の気持ちがよくわかるように書くこ
 と。
 用件を落とさずに書くこと。
 手紙の書き方がわかること。 
○手紙 




 






 
 図工的な学習の
経験について書い
た文章を読んだり
書いたりして、学
習に対する喜びを
深め、学校生活を
充実するようにす
る。 
1 学習について書いた文章を
 読む。
 ねん土ざいくについて書く。
 読み直したり書き直したり
 する。 
1 くわしく書いているところを読みとるこ
 と。
 書こうとすることがらをはっきりさせて
 から書くこと。
 経験をよく思い出して書くこと。
 「、」や「。」に気をつけて書くこと。
 書いたものを読み直したり書き直したり
 すること。 
○「学習経
 験」につ
 いて書い
 た文章
 (指導例
  省略)
 
10






 







 
 自分のかかりの
仕事について文章
を書いて知らせ合
い、みんなで楽し
い学級を作ろうと
する態度を養い社
会性を育てる。 
 学級の係について考えたり
 話し合ったりする。
 係について、考えたこと感
 じたことを書く。
 書いたものを読み合い推考
 する。
4 よい学級を作るために書い
 た作文を読み合い話し合う。 
 自分の考えや感じを書くこと。
 書こうとすることがらをはっきりさせて
 から書くこと。
 だいじなことを落とさずに書くこと。
 書いた作文を読み返して文字や語句を直
 すこと。
5 「、」や「。」や送りがなについての意
 識をもつこと。
6 わからないときは聞き返すこと。
7 適切な大きさの声で話すこと。
8 要点を聞きとること。
9 読みとったことについて感想をもつこ
 と。 
○経験、意
 見、感想
 
10






 




 
 お祭りのことを
書いた文章を読ん
だり、楽しかった
おまつりの経験を
書いたりして生活
を明るく豊かにす
る。 
 お祭りについて話し合い、
 書くことをはっきりさせる。
 おまつりについての経験を
 書く。
 作文を読み合い、感想を話
 し合う。
 作文を直す。
5 「(一)おみこし」を読む。
6 「(二)おまつり」を読む。 
 書こうとすることがらをはっきりさせて
 から書くこと。
 かなり長い文章を書くこと。
 おもしろかったことをくわしく書くこと
 感じたこと考えたことを書くこと。
 送りがなについて初歩的な意識を持つこ
 と。
 「、」に注意して書くこと。
7 読みとったことについて感想を持つこ
 と。
○「社会行
 事」の経
 験を書い
 た文章
 
11






 




 
 みんなでかべ新
聞を作って学級生
活の向上に役立て
るようにする。 
1 かべ新聞を作ることを決め
 る。
2 「(一)みどり新聞第一号」
 を読む。
3 「(二)かべ新聞を作りまし
 ょう」を読む。
 かべ新聞の記事を書く。
 グループごとに編集する。
 かべ新聞を読み合い話し合
 う。
7 計画的にかべ新聞を発行す
 ることを決める。 
1 要点を聞きとること。
2 必要なところを注意して読むこと。
 知らせたいことがらをはっきりさせてか
 ら書くこと。
 だいじなことを落とさずに書くこと。
 自分の考えを進んで文章に書くこと。
 横書きになれること。
 「、」や送りがなに注意して書くこと。
 編集すること。 
○かべ新聞
 
12






 



 
 友だちについて
の文章を読んだり
書いたりして、交
友関係を深め、親
しみを増す。 
1 「よしおくん」を読む。
2 「友だち」の作文の書き方
 について話し合う。
 友だちについて書く。
4 家の人に読んでもらい、家
 の人と話し合う。 
 友だちに対する考えや感じを書くこと。
 よく考えて書くこと。
 書こうとすることがらをはっきりさせて
 から書くこと。
 かなり長い文章を書くこと。
 推考すること。
 「、」「。」や送りがなに注意して書く
 こと。
7 読みとったことについて感想を持つこ
 と。 
○「友だち」
 について
 の経験を
 書いた文
 章
 







 




 
 冬の遊びについ
て書いた文章を読
んだり、自分の経
験を書いたりして
生活経験を楽しく
豊かにする, 
 遊びの経験を文章に書く。
2 「スキー」を読む。
 自分の作文を直す。
4 書いた作文を読み合って楽
 しむ。 
 楽しかったことをくわしく書くこと。
 かなり長い文章を書くこと。
 書こうとすることをはっきりさせてから
 書くこと。
 心情を書き表わすこと。
 推考すること。
 「、」や送りがなに注意して書くこと。
7 読みとったことに感想を持つこと。
8 文章を読んで、よく書けているところを
 抜き出すこと。 
○「遊び」
 の経験を
 書いた文
 章
 







 






 
 身近にいる動物
についての文章を
書いたり読んだり
して動物に対する
親しみや愛情を育
てる。 
 動物のせわをしたことや感
 じたことを書く。
 書いた作文をみんなで読み
 合う。
3 「いなくなったしじゅうが
 ら」を読む。 
 気持ちを書きあらわすこと。
 書こうとすることがらをはっきりさせて
 から書くこと,
 よく見て書くこと。
 「、」や「。」や、送りがなに注意して
 書くこと。
5 読みとったことについて感想をもつこ
 と。 
○「生物」
 について
 の経験を
 書いた文
 章
 







 








 
 三年生の思い出
を主題にした学級
文集を編集して、
学級生活を楽しく
豐かにする。 
1 「わたしたちの文集」を読
 む。
 文集を作る計画を立てる。
 文集にのせる作品を書く。
 文集を編集する。
5 でき上がった文集を読み合
 い話し合う。 
 書こうとすることがらをはっきりさせて
 から書くこと。
 編集のしかたについて基礎的なことがら
 がわかること。
 原稿用紙の使い方になれること。
 自分の考えや感じを書こうとすること。
 文章を書くために必要な文字や語句をい
 っそう確実に身につけるようにすること。
 段落を考えて書くこと。
7 要点をおさえて読むこと。
○学級文集
 



     
三 四年の年間指導計画

 

                                                  
                                                  109~111




単元
名 
学 習 目 標  学  習  活  動  学   習   事   項  備考(形態)







 






 
 よその学校のお
友だちと新学期の
気持ちや学級の様
子を手紙で知らせ
合うことによって
友だちに対する親
しみや協力する気
持ちをのばし生活
を楽しく豊かなも
のにする。
1 転校した友だちに手紙を出
 す計画を立てる。
2 「(一) 西田君の手紙」を
 読む。
3 「(二) みんなの返事」を
 読む。
4 「てん(、)まる(。)の
 うちかた」を読む。
 手紙を書く。
 清書して投函する。 
1 考えをまとめながら話すこと。
2 読み取ったことについて話し合うこと。
3 必要なところを細かい点に注意して読む
 こと。
4 気持ちをこめて書くこと。
 相手を考えて書くこと。
 手紙の書式がわかること。
 用件を落とさずに明確に書くこと。
 文字の大きさや配列に気をつけて書くこ
 と。
 書く目的に応じて推考すること。
10 おっくうがらずに進んで手紙を書くこと。 
○手紙 







 





 
 「おかあさん」
を主題にした文章
を読んだり、作文
に書いたりして、
「おかあさん」を
理解し、「おかあ
さん」に対する愛
情を深める。 
1 「母の日」について話し合
 う。
2 「おかあさん」について話
 す。
3 「(一)母のかた」を読む。
4 「(二)おかあさんのてのひ
 ら」を読む。
 「おかあさん」について書
 く。(文章・詩)
 よく書けているところを話
 し合う。
 
1 必要なところを細かい点に注意して読む
 こと。
2 読み取ったことについて話し合うこと。
 気持ちや、ようすがあらわれるように書
 くこと。
 中心点をおさえて書くこと。
 書こうとすることがらをまとめて書くこ
 と。
 段落を考えて書くこと。
 「、」を正しくうつこと。
○『おかあ
 さん』に
 ついて書
 いた詩や
 文章
 







 




 みんなで協力し
て学級新聞を発行
することによって
学級の生活を充実
させることができ
る。 
1 「学級新聞『たけのこ』第
 三号」を読む。
 学級新聞を作る計画を立て
 る。
 行事やできごとを書く。
 学校の知らせや、学級生活
 および学習の知らせを書く。
 学級新聞を作る。
 できあがった新聞について
 話し合う。 
1 読み取ったことについて話し合うこと。
2 聞いたことをまとめること。
3 考えをまとめながら話すこと。
4 必要なところを細かい点に注意して読む
 こと。
5 要点をおさえて読むこと。
 メモをもとにして書くこと。
 書こうとすることがらをまとめて書くこ
 と。
 要点をおさえて書くこと。
 新聞記事を書くこと。
10 学級新聞を編集すること。
11 文字の配列や大きさに気をつけて書く
 こと。
12 読み返して誤りを直すこと。
13 てん(、)やその他の符号を正しく使
 うこと。 
○学級新聞
 







 




 
 研究を記録する
ことによって知識
を確かにし、それ
を学習に役立てる
ようにする。
 
1 何を研究するか考え、単元
 の学習計画を立てる。
2 「(一)交通の発達」を読む
3 「(二)研究記録を書いてお
 こう」を読む。
4 学級で作った「わたしたち
 の研究」を読む。
 研究をする。(メモをする)
 研究の記録を書く。
 
1 意味のまとまりごとにくぎりをつけて話
 すこと。 
2 知るために本を読むこと。
3 段落ごとにまとめて読むこと。
 事実と考えとを区別して書くこと。
 書こうとすることがらをまとめて書くこ
 と。
 文章の組み立てを考えて書くこと。(段
 落)
 メモをもとにして書くこと。
 横書きに書くこと。
 知識を整理して学習に役立てようとする
 こと。
10 いろいろな符号を正しく使うこと。
 
〇研究記録
 







 




 
 自然生活の経験
を書いた文章を読
んだり、自分の経
験を書くことによ
り、自然生活の経
験を深め、生活を
豊かにする。 
1 このごろの楽しかった経験
 を話し合う。
2 「つり」を読む。
3 よく書けているところを調
 べる。
 海・山・川などに行った経
 験を書く。(文章・詩)
 自分の作文を推考する。 
1 自分ばかりで話さないこと。
2 読み取ったことについて話し合うこと。
 情景(ようす・場面)がよくわかるよう
 に書くこと。
 中心点をおさえて書くこと。
 書こうとすることがらをまとめて書くこ
 と。
 段落を考えて書くこと。
7 「、」「。」を正しくうって書くこと。
○海・山・
 川などに
 行った経
 験を書い
 た詩や文
 章
 
10






 



 
 運動会について
話したり聞いたり
あるいは運動会に
ついて書いた文章
を読んだり書いた
りすることによっ
て、学校生活の経
験を深め、学校生
活を豊かにする。 
1 運動会の経験を話し合う。
2 「楽しい運動会」を読む。
 「運動会」について書く。
 よく書けているところを話
 し合う。
 
1 自分ばかりで話さないこと。
2 読み取ったことについて話し合うこと。
3 文章を段落ごとにまとめて読むこと。
 気持ちがよくあらわれるように書くこ
 と。
 中心点をおさえて書くこと。
 書こうとすることがらをまとめて書くこ
 と。
 段落を考えて書くこと。
 「、」「。」を正しくうって書くこと。
 
○「運動会」
 について
 書いた文
 章
 
11






 



 
 働いた時の失敗
・苦労・満足・成
功感などを主題に
して文章を読んだ
り書いたりするこ
とによって働くこ
とのよろこびと尊
さがわかり経験を
深めるようにする 
1 「(一)機関車」(詩)を読
 む。
2 「(二)町の鉄工場」を読む
3 「(三)いねのとり入れ」を
 読む。
 働いた時のことを書く。
  (文章・詩)
 作文を読み合う。 
1 読み取ったことを話し合うこと。
2 必要なところを細かい点に注意して読む
 こと。
 気持ちが相手にわかるように書くこと。
 書こうとすることがらをまとめて書くこ
 と。
5 中心点をおさえて書くこと
 段落を考えて書くこと。
 進んで仕事をし、生活を高めていくため
 に書くこと。
8 文の中の意味の切れめやことばのかかり
 方にいっそう注意すること。
9 「、」「。」その他の符号の使い方がわ
 かること。 
○自分の働
 いた経験
 や働く人
 のことを
 書いた詩
 や文章
 
12






 







 
 日常生活や学習
のことを書いた文
章を読んだり書い
たりすることによ
って、生活を反省
し、生活を向上さ
せる。 
1 このごろの生活を反省する
2 「このごろの生活から」を
 読む。
 自分たちの生活を書く。
 生活日記を書く。
 
1 考えをまとめながら話すこと。
2 読み取ったことについて話し合うこと。
3 必要なところを細かい点に注意して読む
 こと。
 必要なことを選んで(なにを記録するか
 考えて)書くこと。
 生活が思い出せるように書くこと。
 書こうとすることがらをまとめて書くこ
 と。
 てん(、)をうち、また、その他の符号
 を正しく使うこと。
 
○生活日記
 







 


 
 当番について書
くことによって、
みんなが協力し、
責任を果たすこと
の大切さがわかり
よい学級を作るよ
うにする。 
1 学級の当番、係の仕事につ
 いて反省する。
2 よい学級にするにはどうし
 たらいいかを話し合う。
3 「係と責任」を読む。
 当番について、感想や意見
 を加えて書く。
 書いたものをもとにして、
 考えたこと、感じたことを話
 し合う。 
1 考えをまとめながら話すこと。
2 聞いたことをまとめること。
3 読み取ったことについて話し合うこと。
4 必要なところを細かい点に注意して読む
 こと。
 文章の主題を読み取ること。
 中心点をおさえて書くこと。
 書こうとすることがらをまとめて書くこ
 と。
 考えたこと、感じたことを書くこと。
 段落を考えて書くこと。
10 学級生活を向上させるために書くこと。
11 「、」や「。」その他の符号の使い方
 にいっそう注意すること。
12 文の中のことばのかかり方に注意する
 こと。 
O「当番』
 について
 書いた経
 験・意見
 ・感想
 







 






 
 読書会を開いて
読んだ本を知らせ
合うことにより、
読書の経験を深め
生活を豊かにする 
1 四年生になってから読んだ
 本について話し合う。
2 読書会を開く計画をたてる
3 読書会を開く。
4 「(一)読書会」を読む。
5 学校図書館の本を読む。
6 「(二)わたしの読書ノー
 ト」を読む。
 読書ノート(あらましと感
 想)を書く。 
1 正しい発音で話すようにすること。
2 考えをまとめながら話すこと。
3 知るため、楽しむために本を読むこと。
4 学校図書の利用のし方がわかること。
 内容のあらましを書くこと。
 読後の感想を書くこと。
 書こうとすることがらをまとめてから書
 くこと。
 メモをもとにして書くこと。
 横書きに書くこと。 
○読書記録
 







 






 
 四年生の生活や
学習をふりかえっ
て、心に残ったこ
とを作文に書き、
学級文集を編集す
ることによって、
経験を深め、四年
生の生活を意義あ
らしめるようにす
る。 
1 「(一)学級文集」を読む。
2 「(二)学級文集。”わたし
 の生活”」を読む。
 学級文集を作る計画を立て
 る。
 学習や生活の中から心に殘
 ったことを書く。(文章・詩)
 学級文集を作る。
 できあがった文集について
 話し合う。 
1 読み取ったことについて話し合うこと。
2 必要なところを細かい点に注意して読む
 こと。
3 文章を段落ごとにまとめて読むこと。
4 目的に応じた読み方ができること,
 場面や気持ちなどがわかるように書くこ
 と。
 書こうとすることがらをまとめて書くこ
 と。
 中心点をおさえて書くこと。
 段落を考えて書くこと。
 横書きになれること。
10 文字の大きさや配列に気をつけて書くこ
 と。
11 生活を反省し、向上させるために書く
 こと。
12 「、」「。」その他の符号の使い方が
 わかること。 
○文集
 

                                                    115



     第五章 機能的作文指導の実践


       一 この実践指導の背景

 この機能的作文指導の実践は、次のような計画・理論・実態・技術を背景として成りたっているきわめて科学的
なものである。
(一) 年間指導計画にもとづいた実践
 第四章の機能的作文指導の年間計画にもとづく、各学年一年間の細密な指導実践である。したがって、これは言
語の機能を生かした機能的作文指導の実践系統・実践体系を示したものでもある。
(二) 学習指導理論を生かした実践
 第三章に述べた機能的作文指導の方法論を生かした実践である。単なる思いつきの実践、気のきいた指導技術、
名人芸的な勘に頼る方法ではない。機能的国語教育論を背景とし、機能的・科学的・系統的に考えられた方法論の
上に打ち立てられた実践である。入門期の作文指導一つとりあげてみても、そこには、経験の言語化・文章化の過
程が、児童の思考・認識の発展過程に即して実践されていることがわかる。思考の具体的表現である文型の学習を
通して経験そのものの認識のしかたの指導が行なわれていることがわかる。
 このように、この実践の背後には、国語教育科学研究会の会員の協同研究による方法論・実践論が厳然として存


                                                    116

するのである。
(三) 児童の実態にもとづきその立場を尊重した実践
 書かされる作文から書く作文ヘ――これは機能的作文指導のあいことばである。このあいことばを生かして、児
童の書く生活の実態の把握(児童の精神発達・書く能力の発達等)と児童みずから進んで目的的に書く主体的態度
との上に築いた実践である。
 そこに取りあげた経験・題材の範囲・系統を見ると、児童の経験の発達、興味関心の発達がわかり、題材に対す
る認識の広さが明らかにされる。指導すべき技能「何をいおうとしているかがわかるように書くこと(一年)」を
取りあげてみても、筋の通った意味のよくわかる文を書くことを基礎として、「何をしたかがわかるように書くこ
と」「知らせたいことがわかるように書くこと」「楽しかったことがわかるように書くこと」などと系統的、発展
的に技能の学習が行なわれるようになっている。
 児童の主体的立場はつねに尊重されている。いかなる場合でも、児童は、ことばの機能に即した目的を持って作
文活動をし、その目的が最後の作品の処理にいたるまでの全作文過程を統制している。たとえば、一年生の忘れ物
をしないために書く、夏休みの学級作品展では、自分の作品を理解してもらうために説明を書いて作品に添えるな
ど、書くことの必要性の自覚がおのずから主体的な作文学習の態度を築き上げるように考えられている。
(四) 聞くこと・話すこと・読むことなどの関連を考えた実践
 いわゆる作文の先生の教室のように、作文だけが孤立した実践ではない。つねに聞くこと・話すこと・読むこと
の関連において行なわれる実践である。つまり、ある題材についての認識が、聞く話す活動によって行なわれたり
読む活動によって行なわれたり、書く活動によって行なわれたりする。そうした全体的・総合的・有機的な認識活
動の一環として書く活動が行なわれる。ある話題・題材についての知識・理解・感動・想像・思索等の内容的なも



                                                    117
の、心的なものの獲得・生産と、それらを獲得し生産する技能の養成とが、聞く・話す・読む・書く言語活動の総
合的・有機的関連によって行なわれるように考えられている。
 このことは、別のことばで言えば、単元の中において作文学習が行なわれているということである。最近、作文
と読解との関連などということが言われ、主としてコンポジションの面でその関連が説かれている。これは誤りで
ある。ほんとうの単元の学習の分節として作文学習が行なわれることによって、内面的な深いところで、人間性に
連なるところで、心的なものと、能力的なものとが、聞く・話す・読む学習と結びつくのである。
 この実践は、それを証明している。
(五) 人間形成と能力養成との調和のとれた実践
 いわゆる生活綴方の人間形成、実感尊重中心の考え方、戦後の誤れる技能主義の技能中心の考え方を止揚した機
能中心の考え方にもとづいた実践である。作文による人間形成の過程において作文能力を養成することをねらって
いる実践である。
 それは、人間形成中心でもない、技能中心でもない。二者を機能によって統一的にとらえた、まさに新生活作文
ともいうべきである。
 また、ここでは技能の練習が強調されている。学習した技能を確実にし、固定するために、技能の学習後にその
練習が随時随所に計画されている。そこにも一貫した系統と方法がある。
(六) 学習指導過程の明確な実践
 機能的作文の学習指導過程を生かした実践である。作文学習の単元の中での位置づけ――学習指導計画――作文
教材と作文活動との前後関係の決定が、単元の中での指導過程の問題である。また、作文を書き始める準備の段階
から、記述の段階、処理の段階この過程が指導過程の問題である。また、作文の時間一時間の学習活動をどんな順



                                                    118
序で、どのように編成するかが、一時間の指導過程の間題である。ここには、指導過程を示すことばを使わなかっ
たが、(1)目的を持つ、(2)目的を追求する、(3)目的を達成する、 (4)目的に応じて処理するという学習指導過程
がとられている。
(七) 実践例の解説
1 単元の実践例の前に、その単元の中の作文の機能、機能にもとづく学習活動、その学習活動によって養成しよ
 うとする主たる技能・態度・ことばに関する事項、作文学習の中心となる題材例等が示されている。つまり、そ
 のあとに示されている単元の学習の中で行なう作文活動の機能・活動・能力・題材を示して、その全休構造が概
 観できるようにしてある。
2 単元について――ここには、その単元を学習する意義が、児童の興味・必要・能力・児童の身につく価値など
 の面から述べられている。
3 単元の学習目標――ここには、その単元全体の学習目標が書かれている。学習目標は、学習活動とその学習活
 動を通して身につく価値――価値目標があげてある。
4 単元の学習内容――ここには、この単元で学習する内容、つまり、学習活動、学習活動によって養成される技
 能・態度・ことばに関する事項があげてある。そのうち作文に関する技能・態度等はその番号をゴシックにして
 ある。
5 この単元に用意された教材――ここには、読解教材・作文教材等があげてある。そのだいたいの解説・作文と
 の関連などについて述べてある。
6 作文学習指導の展開――その単元のうち、作文学習のみの指導の実際例があげてある。



                                                    119
       二 三年の機能的作文指導の実践



   (一) 四  月

機  能  学級の生活に適応し、改善するために書く。  
学習活動
学習事項


題材例 
 学級日記を書く。
1 だいじなことを落とさずに書くこと。
2 必要に応じて、継続して書くこと。
3 文字の形をととのえて書くこと。
  学習したこと    そうじ当番
  学級のできごと

   単元 学級日記

一 単元について
 この単元は、学級日記の必要性を意識し、学級生活に役だ
つような日記を書くいとぐちをつくるためのものである。
二 単元の学習目標
 学級日記を書くことによって、学級生活を改善し向上させ
るようにする。
三 単元の学習内容
 (一) 学習活動   
    1 教材「学級日記」を読む。
  3 学級日記の書き方や内容について話し合う。
  3 当番をきめて学級日記を書く。
  4 学級日記を書く。(練習)
 (二) 学習事項
  1 要点をおさえて読むこと。
  2 だいじなことを落とさずに書くこと。
  3 必要に応じて継続して書くこと。
  4 文字の形をととのえて書くこと。
  5 横書きになれること。
四 この単元に用意された教材
  学級日記――(1) 学級日記の目的や必要性、内容や書き
  方についての解説文。
 (2) 形式、内容や書きかたの参考とするための記録例、学
  級日記について、話し合うための参考として、読解させ
  るようにしたい。
五 単元の指導計画(総時数 5時間)
 1 教材「学級日記」を読む。………………………1
 2 学級日記の目的・必要性・書きかたや内容について話
  し(合う。作文指導第一時…………………………1
 3 当番をきめて学級日記を書く。   

120

   (時間を特設しないで当番が放課後書くようにする。)
 4 教材とくらべ、自分たちの書いたものを反省し、共同
  で推考する。作文指導第二時……………………………1
  ・当番になった児童の書いた反省をきく。
  ・教材の学級日記とくらべる。
  ・友だちの学習日記を共同で推考する。
 5 練習のために学習日記を書き、学級日記の役目、必要
  性を確認して、継続して書くことを話し合う。
     (作文指導第三時)…………………………………1
 ○前時までの「学級日記」の読解は、次のような観点から
  行なった。
  ・学級日記は何のためにつけるのか。
  ・どんなことを書いておいたらよいか。
  ・どんな形式で書いているか。
 (一) 作文指導第一時
  学習目標 学級生活を向上させるための学級日記はどん
   な内容・形式がよいか理解する。

学 習 活 動  学習事項および留意点 
①学級日記は、何のた
 めに書くのか話し合
 う。    (10分)
T わたしたちが、学級
 日記を書いていくのは
 
・教材「学級日記」で読みとっ
 たことをもととして、自分た
 ちの学級日記を書く必要性を
 意識させる。
・目的がはっきりしない児童に
 
 なんのためですか。






② 書く内容について話
 し合う。  (10分)
T どんなことを書いて
 おけばよい学級の生活
 に役だちますか。
 (児童の意見の要点を
  板書してまとめる)







③ 書く形式について話
 し合う。  (15分)
T どんな形式の日記に
 するか、めいめいで紙
 に書いてみましょう。 
 は、教材を開いて黙読させ
 る。
・教材に書かれていることだけ
 でなく、自分たちの学級に適
 した必要性を考えさせる。
・児童の意見をもとに要点を板
 書して整理する。
○学級日記を書く目的や内容を
 はっきりすること。
<板書例>
・学級日記にかくこと
 ・学習のこと
 ・休み時間のようす
 ・給食のこと
 ・集会での話やようす
 ・学級(学校)のできごと
 ・一日のはんせい、かんそ
  う
 ・当番のようす
 ・きろくしゃのなまえ 
○学級日記の形式や横書きの書
 きかたを理解すること。
・教材を参考に、日誌の形式を
 考えさせる。この場合、話し
 合うより、各児童に考えさせ 

121

形式をグループで話し合
う。
T グループで一番よい
 のはどれか話し合って
 決めましょう。
T 七枚でましたが、こ
 の中でどれがよいか先
 生も考えます。
それを印刷しておきます
から当番を決め交替で書
きましょう。 
 る意味で用紙を配布して。形
 式を作らせる。
・日記の用紙は、教師が印刷し
 て準備してやる。 
 (二) 作文指導第二時
  学習目標 当番が書いた学級日記を共同で推考すること
   によって、学級日記に適した内容と表現を理解する。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
① 本時の学習について
 話し合う。 (5分)
② いままでに書いた学
 級日記を読み、気のつ
 いたことを書く。
       (20分)
T 友だちの書いた学級
 日記を読み、板書した
 ことについてわかった 
・この時間に学習することはど
 んなことかをはっきりする。
・当番が書いた学級日記をプリ
 ントしておく。

<板書例>
学級日記を読んで
・くふうして書いてあること
 はどこか。
 
 ことをノートに書きま
 しょう。

③ 学級日記の内容や書
 きかたについて話し合
 う。    (10分)
T ノートにまとめたこ
 とを発表してもらいま
 しょう。

④ プリントした学級日
 記を推考する。
       (10分)
T 四月一七日の学級日
 記をみんなで書きなお
 してみましょう。意見
 があったらだしてくだ
 さい。
C 二時間目の算数の時
 間のようすがその書き
 かたでは、よくわかり
 ません。
T では、ここをどうな
 おしたらよいかみんな
 ノートに書いてみなさ
 い。 
・よくわかるように書いてあ
 るところはどこか。
・自分が書こうと思ったこと
 や書きかたで同じところ、
 ちがうところ。 

・児童の発表した要点を板書し
 ておく。
○大事なことを落とさずに書く
 こと。
○書こうとすることがらをはっ
 きりさせてから書くこと。
・教師がもぞう紙に書いて準備
 しておいた四月一七日の学級
 日記を掲示して、共同で推考
 させる。
・児童の発言から、学級日記は
 大事なことをおとさずに書く
 ことがたいせつであることを
 理解させる。
・児童の発言から、文章の形式
 面や文字や文のあやまりの指
 導にも及ぶようにする。
・とくに横書きの書きかたに留
 意させる。 

122

T このつぎの時間には
 きょうの学習をもとに
 して、みんなで学級日
 記を書いてみましょ
 う。 
・学級日記がどう生活に役だっ
 たかは、このつぎの時間に話
 し合うように教師は予定して
 おく。 
 (三) 作文指導第三時間
  目標 学級生活に役だつような学級日記が書けるように
   なる。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
① 学級日記が生活に役
 だったことを話し合
 う。    (10分)
T いままでに、学級日
 記があることによって
 何かよかったことがあ
 りますか。
C 書くとき一日の学校
 の生活をもう一度思い
 たすのでよい反省にな
 った。
C ボールのことで男女
 の意見が対立したとき
 学級日記の記録がしょ
 うこになった。 
・学級日記が、ただ一日の記録
 として書きっぱなしにならな
 いように、機会あるごとに学
 級日記を学級の生活に役だて
 ていくようにする。
  ここではまだ、二、三日し
 かたっていないので、記録の
 機能が発揮されたとは考えら
 れないが、書くことによって
 少しでも効果があったという
 ことを自覚させることが必要
 である。これが、継続して書
 くという気持ちをもたせるも
 とにもなる。 
 
C 休んだときの学校の
 ようすを知ることがで
 きた。
② 学級日記を書く。
       (25分)
T きのうのことを学級
 日記に書いてみましょ
 う。書くまえに一日の
 ようすを思いだして、
 大体のみとおしをつけ
 て書いてください。


③ すいこうする。
       (5分)


④ 今後も、当番制で毎
 日、継続して書くこと
 をやくそくする。
        (5分)



○大事なことをおとさずに書く
 こと。
○書くことがらをはっきりさせ
 て書くこと。
○横書きになれること。
・練習のためだから、全員正規
 の学級日記用紙に書かせる。
・記述中は、とくに、大事なこ
 とを書きおとしていないか、
 横書きへの抵抗はどの程度か
 に留意して机間巡視する。
・学級全体のためのものであり
 いつまでも記録として殘るも
 のであるから、とくにていね
 いに書く習慣をつける。 
※ 今後一年間、当番制で書くので、おしつけにならないよ
 うに留意し、機会をみては、学級日記を学級生活のために
 役だてるようにする。
七 作文の処理と評価 

123

  (一) 処理
 1 当番制で記録した学級日記は、大事な学級の備品と
  して保管する。そのためには、責任者もきめておくが
  つねに、学級日記は学級全員のもちものであるという
  意識をもって大事に取り扱うようにする。
 2 教師は、原則として毎日検閲するようにする。
 3 ときどき、学級日記を活用するような場を設定し、
  学級日記を使うようにする。
(二) 評価の観点と基準
  全員が練習のために書いたものや毎日書いている学級
 日記によって評価する。
 1 大事なことはおとさず書けたか。
  A 学級のできごと学習のことで大事なことだけを簡
   潔に書いている。
  B 大事なことが書いてあるが不必要なことも書いて
   ある。
  C 大事なことがぬけている。
 2 文字の形を整えて書いているか。
  A 正確な形で読みやすいように書いている。
  B 文字の形に注意して書いている。
  C 文字の形など気を配らず乱雑な書き方である。

   (二) 五  月 
 
機  能  家庭生活における愛情を深めるために書く。 
学習活動
学習事項



題  材 
兄弟・姉妹について書く。
1 書こうとすることをはっきりさせてから書
 くこと。
2 気持ちを書き表わすこと。
3 かなり長い文章を書くこと。
きょうだいのはなし きょうだいげんか うち
のおねえちゃん にいちゃんのけが 

    単元 きょうだい

一 単元について
 このごろの児童は、自己中心からしだいに社会性を増し、
家族の一員であることが自覚されてくる。それにつれて、自
分のきょうだいをよく見つめることにより肉親の愛情も育ち
兄弟愛も深まって行く。この時兄弟を中心とした生活経験を
表現し、愛情に培うとともに作文力を伸ばすことは適切な学
習であると考えられる。
二 単元の目標
 きょうだいに対する親愛なる気持ちを書くことによって、
愛情を深めるようにする。
三 単元の学習内容
 (一) 学習活動
  1 きょうだいについての感想を話し合う。 

124

    2 教材「ぼくの弟」を読む。
  3 きょうだいについて作文を書く。
  4 書いた作品について話し合う。
 (二) 指導事項
  1 要点をおさえて読むこと。
  2 読みとったことについて感想を持つこと。
  3 書こうとすることがらをはっきりさせてから書くこ
   と。
  4 かなり長い文章を書くこと。
  5 気持ちを書き表わすこと。
  6 「、」や「。」に気をつけて書くこと。
四 この単元に用意されている教材
 教材「ぼくの弟」は、よくけんかをする弟だが、去年の夏
セキリにかかって病院に入院しなくてはならなくなり、とて
もかわいそうになった気持ちが、ユーモラスにえがかれ、入
院当日、救急車が来て保健所のおじさんが事務的につれさっ
ていくのを兄としていきどおりをもって、弟を送る児童作品

 教材と作文との関連
 文章構成が整っており、叙述にも確かなものが感じられ
る。心理の動きもはっきりしている。この作品の読解によっ
て兄弟の愛情を知り、自分も作文を書いてみようとする意欲
を誘発するのに十分な作品である。
 抽象的に兄弟をとらえているのでなく、具体的な経験を叙 
  しているので、表現上、内容上の指導のたすけとなる。
五 単元の指導計画(総時数8時間)
 1 家族の人々について話し合う。
  父・母について話しているうち
  兄弟のことについて話し合う
 2 教材「ぼくの弟」を読む
 3 「きょうだい」について書く……作文指導第一時……1
 4 「きょうだい」の作文を処理する…作文指導第二時…1
六 作文指導第一時
 学習目標 「きょうだい」について書くことによって、兄
  弟間の愛情を深める。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
① 作文の計画を立て
 る。    (5分)
T 「ぼくの弟」を読ん
 で一番心に殘っている
 ことは何ですか。
C やさしいにいさん
 だ。
C 病気になった弟がか
 わいそうだ。
C 弟ってにくらしい時
 もあるが、かわいいこ
 ともある。 
・自然な態度で話すこと。
 兄弟がいないとき、友だちに
ついて書かせることがあるが、
単元の趣旨から考えると望まし
いことではない。
 兄弟のない場合は、兄弟がい
たらこんなふうに思ったり考え
たりするのだがなあということ
とか、家庭内の自分の位置など
について書かせるようにした
い。すくなくとも、家庭という
ことを頭において書くようにし 

125

T わたしたちも「きょ
 うだい」について作文
 を書いてみましょう。
T 作文を書く時、どん
 なことに注意して書き
 ますか。
C だれのことを書くか
 きめる。
C どんなことを書くか
 きめる。
C 自分でよく順序を考
 えて書く。
T 自分で思ったことや
 感じたことも書くとよ
 いです。
T ほかにまだ注意する
 ことがありますか。
C 「、」や「。」を入
 れる。
② 作文を書く(30分)
T 書こうとすることが
 らがはっきりした人は
 書いてください。
③ 推考する。(10分)
T できた人は、黒板を
 見ながら、よく読み直 
たい。





 ○書こうとすることをはっき
  りさせてから書く。




 ○気持ちを書き表わすこと。

<板書例>
○だれのことを書くか。
○どんな時のことを書くか。
○一番書きたいことは何かき
 める。
○気持ちや感じたことも書こ
 う。
・字をていねいに。 
 
 
 して、悪い所は書き直
 しましょう。
T では、出してくださ
 い。 
  となりの席の者と交換して
 読み合い、わからないところ
 を板書事項と比べながら、書
 き直させてもよい。 
七 作文指導第二時
 学習目標 作文を推考することによって兄弟を中心とした
  生活経験を改めて想起して兄弟愛を深め作文力も伸ばす
  ようにする。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
① 作文をみんなで読む
       (5分)
T この間書いた作文を
 読み直しましょう。ど
 んなことに気をつけて
 読んだらよいですか。
C だれの、どんな事が
 書いてあるか考えて読
 む。
C よく様子がわかると
 ころはどこか考える。
T では次のようなこと
 を考えながら読んでく
 ださい。
 〇「きょうだい」のこ 
 作文の推考の初歩としては、
読み返す時の観点を書く目的に
即してはっきりとつかませてか
ら推考するとよい。この時形式
的なことより、内容に重点をお
くことは言うまでもない。三年
生の五月という段階において
は、学級の実態に応じて観点を
もう少し、しぼってもよい。
○書こうとすることをはっきり
 しているか。
○気持ちが書き表わされている
 か

<板書例>
 

126

 とがよくわかるよう
 に書けているか
○思ったこと感じたこ
 とが書けているか。
・「、」「。」に気を
 つけて書いている
 か。今、別府さんの
  「いもうと」という
 作文をプリントして
 ありますのでみんな
 で考えて読んでみま
 しょう。 
 よみなおすために
・だれのことを書いたのか
・ 「きょうだい」のどんな
 ことを書いたのか。
・思ったことや感じたことは
 書いてあるか。
・字はていねいか。
・「、」や「。」は正しくう
 ってあるか。 
前時に書いた作品の中から適当
なものを印刷しておくとよい。
ない場合は次の作品を利用して
もよい。
 
    いもうと    三ノ四 別府幸江
 わたしと、いもうとのかずえはよくけんかをします。
 かずえはきんじょの人やお客さんがくると、いつもお
 となしいので、おばさんたちが、「かずえちゃんは、
 おとなしいわね。」といってほめます。でも、きんじょ
 の人や、お客さんが帰ると、自分からけんかをしに来
 たのに、「おねえちゃんは、いじめるの」といって人
 のせきにんにしてしまいます。それだけでなく、こっ
 そり、「ばか」とか、「おねえちゃんは、「さ」がつ
 くからさんりん車だ。」といっています。
  わたしもあまりいうので、「かずえはかがつくから
 
 かんづめだわ。」と大きな声でいってやります。私がお
 かあさんにいいつけると、おかあさんが、「かずえは
 人前ではおとなしくして、こっそりいじわるをするな
 んていけませんよ。」といってしかります。でも二月二
 十三日はかずえのたんじょう日なのでどんなことをい
 われても、だまっているようにして、けんかをしない
 ようにしたいと思います。 
T 別府さんの「いもう
 と」を読んで感じたこ
 とをいってください。
C 妹をかわいがってい
 るようすがわかった。
C ぼくの家とちがうと
 ころがある。わけはど
 うでも兄のぼくがしか
 られる。
C 字のまちがいがない
 のはよい。
② 何をどんなふうに書
 いたらよいか話し合う
       (10分)
T くわしく書いてもら
 いたいなあと思う所の
 ある人は発表してくだ
 さい。 
 学級内の作品を利用する場合
は、欠点のみに意見の集中する
ようなことのないよう注意しな
くてはならない。
 感じを発表しなさいといって
もなかなか話しにくい場合は、
友だち同士で話をさせておいて
から発表させたり、板書した
り、「推考のしおり」などの項
目にしたがって、話し合いを進
めるのも効果がある。
 この場合作者に答えさせたり
教師が作者のかわりになって答
えたりして、くわしく書くとい
うことの指導をする。
 児童の考えの中には、枝葉末
節的な意見を述べるものも多い
のでよく注意しなくてはならな

127

C 自分からけんかをし
 に来たのに、というと
 ころ。
C 人前でおとなしいよ
 うすをくわしく書くと
 いい。
③ 推考する。 (30分)
T 自分たちの作文もこ
 んなふうに考えながら
 読みなおしてみましょ
 う。直した方がよいと
 思う人はその横に直し
 てください。できた人
 は友だちと交換して読
 んで話し合ってくださ
 い。 
 い。
 
 
○読みとったことについて感想
 を持つこと。
 
○気持ちを書き表わすこと。
○様子をくわしく書き表わすこ
 
O「、」や「。」を正しくうつ
 こと。 

七 作品の処理と評価
 処理について
  1 作品をプリントして作品集をつくり、どの作品が一
   ばん気にいったか、話し合わせる。その時なぜ気にい
   ったか発表させる。読んでみてじょうずだと思う所に
   赤線をひかせることなども計画したい。
  2 内容のまとまっているものを声を出して読ませる。
 評価の観点 
  1 書こうとすることがはっきりわかるか。
 A 兄弟愛があふれ家庭のようすがよくわかり、記述
  の順序も正しく書かれている。
 B 兄弟のようすよりも自分の行動やようすに視点を
  集めすぎているもの。
 C 書こうとすることがはっきりしない作品で順序も
  みだれがちですじがわからない。
2 気持ち・を書き表わすこと
 A 行動の叙述に従って自分の気持ちや、周囲の人々
  の気持ちがよくわかるように記述されているもの。
 B 自分の気持ちのみ記述されているもの。
 C 行動の叙述のみに終わっているもの。
3 文字や句読点などについて
 A 句読点がある程度正しく書け、拗音、捉音のまち
  がいのないもの。
 B 既習文字を使わないで、全体にかな書きが多い。
 C 誤字脱字が多く、文の区切りさえよくわからない
  もの。

  (三) 六  月

機 能  自己をみつめ、自己を深めるために書く。 
学習活動
学習事項
 病気についての生活経験を書く。
1 心に強く感じたことを書くこと。

128



題材例
2 書こうとすることがらをはっきりさせてか
 ら書くこと。
  自分の考えや気持ちを書くこと ほめられ
 たこと しかられたこと びょうき けんか

   単元 びょうき

一 単元について
 自己の生活を見つめ、自己を向上させるために作文を書く
ことは、この期の児童にはかなりむずかしいことではある。
 しかし、どの児童も多かれ少なかれ病気になった経験をも
っている。
 病気になった時、人は初めて、ごまかすことも、逃げるこ
ともできない自分、だれにもかわってもらえない自分自身を
体験するものである。このような体験をとおして三年生の児
童にも自己を見つめる機会はある。
 この単元は「びょうき」を題材にして自分の経験を書き、
またみんなと読み合い、自己の生活を向上させる機能をもっ
ている。
二 単元の学習目標
 病気になった時の経験を書いて病気の時の心情を訴えたり
家族の心づかいに、感謝する気持ちを育てる。
三 単元の学習内容
 (一) 学習活動  
    1 教材「はいしゃさん」を読む。
  2 病気の経験を書く。
  3 作文を友だちどうしで読み合い、感想を話し合う。
  4 推考する。
 (二) 学習事項
  ― 心に強く感じたことを書くこと。
  2 書こうとすることがらをはっきりさせてから書くこ
   と。
  3 自分の考えや気持ちを文章に書くこと。
  4 書いたものを読み返して足りない所を書き足したり
   語句や文字を直すこと。
  5 読みとったことについて感想をもつこと。
四 この単元に用意された教材
 この単元に用意された教材「はいしゃさん」は、ある児童
が虫歯の痛みから、ひごろこわいと思っている歯医者さんへ
行ってみてもらったら、とてもやさしく親切にされひどいい
たみもとれ、うれしかったことを書いた作文である。
 この教材を作文活動への導入教材として取り扱う。病気の
時の苦しかったことや、まわりの人たちの心づかいなどを中
心に、自分の考えたこと、感じたことを文章に書きあらわす
ように指導する。
五 単元の指導計画(総時数6時間)
 1 教材「はいしゃさん」を読む。……………………┐
 2 病気の経験の中で何を書くかを        ├3
   はっきりさせる。……………………………………┘ 

129

 3 病気の経験を書く。……作文指導第一時……………1
 4 何人かの友だちと読み合い
   推考する。………………作文指導第二時……………1
 5 みんなの前で読み合い感じ
   たことを話し合う。……作文指導第三時……………1
六 作文学習指導の展開
 (一) 作文指導第一時
  学習目標 病気をした時の苦しみや、まわりの人たちの
   心づかいなどを文章に書いて、生活経験を深めるよう
   にする。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
① 書くことがらを確か
 める。   (3分)
T きょうは、病気をし
 た時のことを作文に書
 いてもらいますが、そ
 の時の様子や苦しかっ
 たこと、つらかったこ
 とをできるだけくわし
 く書きましょう。また
 考えたり感じたりした
 ことも書きましょう。
② 病気の経験を作文に 
○書こうとすることがらをはっ
 きりさせてから書くこと。
○よく思い出して書くこと。
・病気の経験はだれもがしてい
 ることではあるが、時間的に
 へだたりが大きく記憶のうす
 れたような者については、自
 己を深めるために書くものと
 しては、両親や、先生におこ
 られたり、注意をうけたりし
 たことなどをとり上げて書か
 せてもよい。
 
 書く。   (30分)
T 書くことがらの決ま
 った人から書きはじめ
 てください。
  わからない漢字はあ
 とで書きなおしましょ
 う。
③ 書いた作文を読み直
 す。    (10分)
T 書けた人は黒板を見
 て作文をなおしましょ
 う。
  でき上がったら先生
 に出してください。
④ 次時予告 (2分)
 次の時間にはみんなで
 作文を読み合いましょ
 う。 
○自分の考えや感じを文章に書
 くこと。
<板書事項> 
1 苦しかったことや、つら
 かったことを書く。
2 考えたり感じたりしたこ
 とを書く。
3 おうちの人や、おいしゃ
 さんにみてもらったことを
 書く。 


○書いたものを読みかえして足
 りない所を書き足したり語句
 や文字を直すこと。
 (三) 作文指導第二、三時
  学習目標 病気についての経験を書いた作文をお互いに
   読み合い、その書きぶりについて話し合ったり推考す
   ることによって生活経験を深める文章の書き方を理解
   する。 

130

学 習 活 動  学習事項および留意点 
① 前時に書いた作文を
 読み合う。 (30分)
T 前の時間に書いた作
 文をきょうは三人以上
 のお友だちと取り加え
 て読み合いましょう。
  どんなことに気をつ
 けて読み合えばよいで
 しょう。
C 病気の苦しかったこ
 となどがくわしく書け
 ているか。
C 考えたり感じたりし
 たことが書けているか
C 「、」や「。」や
 「 」が正しく書けて
 いるか。
T 読んで感じたことや
 
・友だちの作文を読む時のめあ
 てとなる話し合い事項は板書
 しておくとよい。
<板書事項>
1 病気の苦しかったことが
 書けているか。
2 考えたこと感じたことが
 書けているか。
3 「、」や「。」や「 」
 が正しく書けているか。
4 漢字で書くところやぬけ
 た字などはないか。 

・字がぬけたり、表記のあやま
 りなど、特に問題のある児童
 には、相互に読み合うこの機
 会を利用して個別的な指導が
 望ましい。
○読みとったことについて感想
 
 
 気づいたことなど後ろ
 に書いてあげましょう
② 推考する。(15分)
T 取りかえて読み終え
 た人は、お友だちから
 注意されたことをもと
 にして文をなおしまし
 ょう。 
 をもつこと。
・感想や注意事項を相互に記入
 する場合、記入者の氏名を明
 記するように指導すること。
・書く作業は一応ここで終了す
 る。あとはお互いの作品を読
 み合い、その経験を深めるこ
 とに重点をおく。 
① みんなの前で作文を
 読む。    (45分)
T この前の時間に取り
 かえて読んだ作文の中
 で、自分の考えがよく
 書けていた人はだれで
 したか。
T では○○さん前に出
 て読んでください。
T どこがよかったか。
C しんとした家の中で
 ひとりでねていると、
 学校でみんなが勉強し
 ていることがいろいろ 
・作文第三時

・指名して読ませる場合、児童
 作品を前もって読んでおくと
 適当な作品がとりあげられる
 ので好都合である。

・「、」や「。」や送りがなに
 ついて全般的に共通なあやま
 りが目立つときは、その具体
 例を黒板に示して、一せいに
 練習をする必要がある。
 また改行についても簡単な
例をとりあげて練習をするよ 

131

思い出されているとこ
ろです。
 (以下 同様にして
数点読んで話し合う)
 うにしたい。

七 作文の処理と評価
 (一) 処理
  1 作文第二時間めに書いた作品は教師が集め、くわし
   く書けた作品、考えたことや感じたことがよく書かれ
   ている作品、問題のある作品などを一応記録しておい
   て、みんなの前で読ませる場合の参考にしたり、問題
   作品は相互に読み合う時に個別的に指導するようにし
   たい。
  2 教師は、児童が相互に読み合う以前に作品に評を書
   かないようにするが、最終的には評を書いてかえすの
   がよい。
  3 かえしてもらった作品を児童はとじて個人文集にす
   るのもよい。
  4 よい作品は励みのために校内放送や掲示する場合も
   考えられる。
 (二) 評価の観点と基準
  1 病気の時の考えや気持ちがくわしく書かれている
   か。
   A 病気の苦しみや様子がくわしく書かれ、自分の考 
      えや感じが実感をこめて表現されている。
   B 病気の時の様子はかなり書かれているが自分の考
    えや感じがあまり書き表わされていない。
   C 書いたことがらも少なく、考えや感じも書かれて
    いない。
  
    (四) 七  月 

機  能  夏の自然に対する認識を深め、生活を豊かに
 するために書く。
学習活動
学習事項
 
 
 
 
題材例 
 自然生活の経験を書く。
1 書こうとすることがらをはっきりさせてか
 ら書くこと。
2 かなり長い文章を書くこと。
3 よく見て書くこと。
 送りがなに対する初歩的な意識を持つこと。
 水遊び 山のぼり 魚つり せみとり 海水
 浴

   単元 せみとり

一 単元について
 夏休みをま近にひかえたこのごろの児童の日常生活は、山
や海の大自然に親しむ活気にあふれた時期であるといえよ  

132

う。林や草むらに虫をおい、小川に魚やかにをとる生活は児
童の最も楽しいものの一つであろう。
 この単元は、夏の自然の中で過ごした楽しい生活を文章に
書いて、いっそう生活経験を広める機能をもっている。
二 単元の学習目標
 夏の生活に取材した文章を読んだり、書いたりして生活を
楽しく豊かにする。
三 単元の学習内容
 (一) 学習活動
  1 このごろの遊びについて作文を書く。
  2 教材「海水よく」を読む。
  3 みんなで作文を読み合い感想を話し合う。
  4 内容や書きあらわし方を直す。
 (二) 学習事項
  1 書こうとすることがらをはっきりさせてから書くこ
   と。
  2 かなり長い文章を書くこと。
  3 おもしろかったことをくわしく書くこと。
  4 よく見て書くこと。
  5 送りがなに対する初歩的な意識を持つこと。
  6 読みとったことについて感想を持つこと。
四 この単元に用意された教材
 この単元に用意された教材「海水よく」は、児童の書いた
作文である。 
   この教材は、作文を書くための導入教材として用いてもよ
いが、この場合、まず児童が実際に作文を書いて、そのあと
で自分の書いた作文と比較しながら読んでみるという立場で
取り扱いたい。
五 単元の指導計画(総時間7時間)
 1 夏の自然を対象にして遊んだことの中で、作
  文に書くことを決める。……作文指導第一時(15分)
 2 夏の遊びの経験を作文に書く。……作文指導第二時1
 3 教材「海水よく」を読む。……………………………3
 4 書いた作文を友だちと読み合い気づいたこと
  を教え合う…………………………┬作文指導第三時…1
 5 作文を推考する…………………┘
 6 みんなの前で作文を読み合い感じたことを話
  し合う。……………………………………………………1
六 作文学習指導の展開
 (一) 作文指導第一時(15分)
  学習目標 夏の楽しい遊びの中から、何を書くかをたし
   かめることによって、そのことを進んで文章に書こう
   とする心構えをもつようにする。
学 習 活 動  学習事項および留意点
①夏の遊びについて話
 し合う。  (5分)
T おうちでどんな遊び
・この単元の学習目標や機能に
 明らかなように、児童の生活
 経験の中で、夏の自然に関す

133

 をしていますか。
C せみとり。
C 水あそび。
C 川で、さかなをとり
 ます。
C 原っぱへ虫とりに行
 きます。
T せみはどこにたくさ
 んないていますか。
C お宮の森です。
C ぼくのうちの木によ
 くきます。
T どんなせみがたくさ
 んいますか。
C にいにいぜみ。
C あぶらぜみ。
② 書くことがらを考え
 る。    (8分)
T 山や川で遊んだり原
 っぱで虫をつかまえた
 りしたことの中で、い
 ちばんおもしろかった
 り、うれしかったりし
 たことを次の時間に作
 文に書いてもらいます
 どんなことを書きたい
 るものがとりあげられなけれ
 ばならない。従って、遊びに
 ついての話し合いの中で「お
 にごっこ」や「まりなげ」な
 どのようなものは、その対象
 とならない。
・上記の話し合いでは、一応単
 元名に従って「せみとり」の
 例を展開したが、その土地に
 よっては、それぞれ異なった
 ものについての話し合いが行
 なわれることは当然である。
○書こうとすることがらをはっ
 きりさせる。
・書く前の話し合いは「何に取
 材するのか」ということと
 「書きたいと思っている主な
 ことがら。」について行なう
 ようにする。
  書くことがらを くわしく
 具体的に話してしまっては、
 時間的にも多くの時間をとり
 すぎるし、聞いている児童の
 書こうとする自由な気持をな
 くす心配も出てくる。
  この場合の話し合いの要領
 
 か考えましょう。
C 友だちと山へ行って
 木のぼりをしたことを
 書きたい。
C 原っぱできりぎりす
 をとったことを書きた
 い。
③ 次時予告 (2分)
T まだいろいろあると
 思いますが、次の時間
 までにみんな書くこと
 を決めてきましょう。
 の結論は、話し合いながら、
 各児童が、それぞれ自分自身
 の経験を追体験し、その中か
 ら自分自身が書こうとするこ
 とがらを自由に選び出すこと
 にある。
・書くことがらを前もって考え
 ておくようにいっても、何人
 かの児童は忘れていて書く時
 にならないと考えないことも
 あるので、この時間内に、せ
 めて書く題名だけでも各自の
 ノートに書かせるようにして
 おくとよい。


 (二) 作文指導第二時
   学習目標 夏の自然の中で楽しく遊んだことを文章に
    書いて、いっそう経験を広め、生活を豊かにする。
学 習 活 動 学習事項および留意点
① 書くことがらを確か
 める。   (5分)
T きょうは何について
 作文を書くのでしたか
C 山や川で遊んだこと
○書こうとすることがらをはっ
 きりさせてから書くこと。
・ほとんどの児童が、書くこと
 がらがはっきりしているよう
 な時には、ここでの話し合い

134

C 虫や魚をとったこと
T 何という題をつけま
 すか。
C せみとり
C 魚つり
C 川で遊んだこと。
② 夏の遊びの経験を作
 文に書く。 (30分)
T 遊んだ時のことをよ
 く思い出して、できる
 だけくわしくたくさん
 書いてください。
 「 」をつけて、お話
 したことばも入れまし
 ょう。
③ 書いた作文を読み直
 す。    (8分)
T 書けた人は、黒板の
 注意を読んで直してく
 ださい。
T できた人から先生に
 出してください。
④ 次時予告 (2分)
T 次の時間は、きょう
 書いた皆さんの作文と
 比べながら教科書の
 は時間をむだにすることにも
 なるので省くことがよい。




○六〇〇字から八〇〇字程度の
 長い文章が書けること。
○おもしろかったことが、くわ
 しく書けること。
○送りがなに注意すること。
<板書事項>
よく思い出して、くわしく書
くこと。

・児童がまだおおぜい書いてい
 る場合に教師が全体に注意を
 与えたり、指示したりするこ
 とは、児童の想の展開をさま
 たげることにもなるので、で
 きれば、小黒板に書いておい
 て掲示する程度にとどめるこ
 とがよい。
<板書事項>
・おもしろかったことや、う
 
 「海水よく」を勉強し
ますから読んでおいて
ください。
 れしかったことがくわしく
 書けたか。
・「、」や「。」や「 」や
 もじにまちがいはないか。

 (三) 作文指導第三時
  学習目標 お互いの作文を読み合い、感じたことや気づ
   いたことを教え合う学習活動をとおして、夏の楽しい
   生活経験を広めるとともに、よい文章の書き方を理解
   する。

学 習 活 動 学習事項および留意点
① お互いの作文を読み
 合う。   (28分)
T 教科書の「海水よく」
 で、どんなところがよ
 く書けていましたか。
C 海岸でねころがった
 り、砂あそびしたとこ
 ろがおもしろい。
C おとうさんに泳ぎ方
 を教えてもらったとこ
 ろ。
C 書きはじめがよい。
T きょうは、自分の書
○読みとったことについて感想
 をもつこと。

・お互いの作文を読み合う場合
 教師は、前もって児童作品を
 一応読んでおいた時のメモを
 もとにして、問題点を個別的
 に指導するとよい。
・教材を読んでいくうちに、教
 材のよいところがわかってく
 る。そして次に自分の作品の
 短所も見えてくるものである
 から、教材の学習後は、お互

135

 いた作文を三人以上の
 お友だちと取り替えて
 読み合いましょう。
  おもしろかったとこ
 ろや、様子のくわしく
 書けたところはほめて
 あげましょう。よくわ
 からないところや、も
 っとくわしくかいてほ
 しいところや字がちが
 っていたりぬけている
 ところなど気づいたこ
 とは後ろに書いてあげ
 ましょう。
② 推考する。(15分)
T 取り替えて読み終え
 た人は、お友だちから
 注意されたことをもと
 にして作文を直しまし
 しょう。
③ 次時予告 (2分)
 できた人は出してく
 ださい。次の時間は、
 よかった人の作文をみ
 んなで読んで話し合い
 ましょう。
 いに作文を読み合わないで自
 分自身で推考させるのもよい
・よく書けたところには「○―」
 よくわからないところには
 「?―」もっとくわしく書い
 てほしいところには「△―」
 といったような学級で共通の
 記号を決めてお互いに読み合
 う時や、教師が評を入れる時
 に利用するのもよい。
・児童が評を後ろに記入する時
 記入者の氏名を必ず書かせる
 ようにするとよい。
  これは、あとで、その評に
 よって記入者の作文に対する
 見方の評価資料ともなる。
 
  七 作文の処理と評価
 (一) 処理
  1 一回めに書いた作品は教師がひととおり目をとおし
   ておく。特に問題があったり、個別的に指導の必要の
   あるものは、相互に読み合う時に個人的に指導すると
   よい。
  2 推考の後は、よい作品を見つけ出し、全体で読み合
   うために指導する点をメモしておくとよい。
  3 評は児童が相互に記入するので教師は書かない。た
   だ最終的には書く必要のあるものについては記入する
   ようにしたい。
  4 児童が相互に記入した評は、評を書いた児童の評価
   ともなる。
  5 完成した作品は表紙をつけて教室の適当な場所にお
   いてみんなが読めるようにしておくとよい。
 (二) 評価の観点
  1 書こうとしたことがらがまとめられ、はっきりと書
   かれているか。
   A 遊んだり楽しい様子がいきいきと書かれている。
   B ことがらのら列である。
   C 書こうとしていることがらがはっきりしない。
  2 自然生活の経験がくわしく、かなり長く書けている
   か。
   A 遊んだ様子がくわしくまとめられ、かなり長く書 

136

     けている。(六〇〇字~八〇〇字くらい)
   B かなり長く書けているが、いらないことがらが多
     い。
   C 書くことがらが少なく、短い。

    (五) 九  月 

機  能  親しく交わるために書く。
学習活動
学習事項



題材例
 お礼の手紙を書く。
1 書こうとすることがらをはっきりさせてか
 ら書くこと。
2 お礼の気持ちがよくわかるように書くこと
3 要件を落とさずに書くこと。
 せわになったお礼の手紙。
 物をもらったお礼の手紙。

    単元 お礼の手紙

一 単元について
 長い夏休みの間に、各地へ旅行したり、しんせき、知人の
家などへ宿泊したりした児童も多い。
 また、いっしょに勉強したり、動植物の採集をしたりして
友だちにせわになった経験を持つ児童もいる。
 新学期がはじまって間もないこの時期に、休み中せわにな
ったこれらの人々にお礼の手紙を書くことは、生活経験の範 
  囲も広がり、人と人とのつながりを意識しはじめた児童たち
にとっては、おせわになった人々に対して感謝の気持ちを深
め、おたがいの人間関係を深める上からもきわめて意義のあ
ることと思われる。
二 単元の学習目標
 夏休みの間にせわになった人々にお礼の手紙を書くことに
より、感謝の気持ちを深め親しみを増す。
三 単元の学習内容
 (一) 単元の学習活動
  1 教材「お礼の手紙」を読む。
  2 手紙の書き方をまとめる。
  3 お礼の手紙を書く。
  4 手紙を出す。
 (二) 単元の学習事項
  1 お礼の気持ちを読みとること。
  2 書こうとすることがらをはっきりさせてから書くこ
   と。
  3 お礼の気持ちがよくわかるように書くこと。
  4 要件を落とさずに書くこと。
  5 手紙の書き方がわかること。
  6 文字の組み立てや基本に注意して形を整えて書くこ
   と。
四、この単元に用意された教材
 教材「お礼の手紙」は、都会に住む三年生の男子の一児童 

137

が夏休みの間に。いなかのおじさんの家に旅行したときの楽
しかった経験を思い出しながら、おせわになったことに対し
て、感謝の気持ちをこめて書いたお礼の手紙である。
 この文章を読むことにより、同じような経験を持つ児童は
手紙を書こうとする意欲を高め、手紙の書き方に対する知識
理解を深め、実際に書く場合の参考にすることができる。
五 単元の学習指導計画(総時数6時間)
 1 夏休みに旅行したり、ほかの人にせわになったりした
  経験や手紙を書いたりもらったりした経験について話し
  合う。
 2 夏休み中おせわになった人や友だちにお礼の手紙を書
  くことを話しふ合う。……………………………………1
 3 教材「お礼の手紙」を読む。…………………………2
 4 手紙の書き方や書く時の注意などをまとめる。
 5 お礼の手紙を書く。……………………………………2
  ・だれにあててどんなことを書くか決める。
  ・どんなことをどんな順序で書くか考える。
  ・ことがらや順序を発表して話し合う。
  ・お礼の手紙を書く。
  ・読み直して推考する。
  ・友だちと交換して読み合う。
  ・便箋に清書する。
 6 書き終わった手紙を読み合って話し合う。
 7 封筒に入れてポストに入れる。 
  六 作文学習指導の展開
 (一) 作文学習指導第一時
  学習目標 お礼の手紙を書いて感謝の気持ちを深め親し
   みを増す。
 学 習 活 動 学習事項および留意点 
① だれにあててどんな
 ことを書くか話し合う
       (5分)
T 夏休みにおせわにな
 った人にお礼の手紙を
 書くことにしましょ
 う。だれにあててどん
 なことを書くか考えて
 みましょう。
C いなかのおじさんに
 お祭の見物をさせても
 らったお礼を書きます
C いなかのおじさんに
 めずらしい山の草花の
 採集や研究をおしえて
 いただいてありがたか
 った。
② どんなことをどんな
 順序で書くか話し合う
・前時に、だれにどんなおせわ
 になったことについてお礼の
 手紙を書くか考えてくるよう
 に予告しておく。
・その時のことを具体的に思い
 出して自分の気持ちを書くよ
 うにする。
O書こうとすることがらをはっ
 きりさせてから書くこと。
○お礼の気持ちがよくわかるよ
 うに書くこと。

・発表の要点を簡単に板書する




・手紙文の一般的な形式として
 の

138

       (5分)
T では、どんな順序で
 書こうと思いますか。
C 九月になってだいぶ
 涼しくなりました。お
 じさんのところはどう
 でしょう。
○二学期がはじまったこ
 と。家の様子。
○お祭を見物した時の楽
 しかったこと。おせわ
 になったお礼。
○おとうさんおかあさん
 のことば。終わりのあ
 いさつ。
③ お礼の手紙を書く
       (35分)
T 書くことも書き方も
 決まったらお礼の手紙
 を書きましょう。下書
 きをしてから便せんに
 清書してもらいます。
④手紙を提出する。
○書き出し(相手の安否、時候
 のこと)
○本文(用件、主として伝えよ
 うとすること)
○むすび(終わりのあいさつ)
 は教材を読む過程で一応理解
 しているが、書く時には、あ
 まり形式にこだわらせる必要
 はない。


<板書例>
書きはじめ 気こうのこと。
あいさつ そちらはどうです
か。こちらの様子。
お礼 おせわになった時の
様子とその時の気持ち。
あいさつ 終わりのあいさつ
・ことばづかいやこまかい注意
 は前にもまとめて学習してい
 るのでこの際は取りあげず、
 読み直しの段階で扱うように
 する。
人名、行事名など特殊な語句や
 
漢字については清書のとき指導
する。
 (二) 作文指導第二時
  学習目標 書いた手紙を読み直して清書することにより
   おせわになった人への感謝の気持ちをさらに深める。
学 習 活 動 学習事項および留意点
① 手紙の書き方につい
 て練習する。(15分)
T きょうはお礼の手紙
 の下書きを読んで、直
 してから、清書しても
 らいます。書く順やな
 まえ、日附など、どの
 ように直したらよいで
 しょうか。
○読み直す前に、手紙文として
 の文章構成や名前、日付など
 が乱れている練習文をくばっ
 て、手紙の書き方とくに、だ
 いたいの文章の組み立て、氏
 名、日付の書き方について練
 習する。
○記述中に観察してつかんだ問
 題点の傾向をもとにして教師
 が作成するのがよい。
練習文の例(発表をもとにして番号や矢印をつける)
  おじさんお元気ですか。一郎君もみち子さんもお元
 気ですか。いなかはもうすずしくなりましたか。ぼく
 もお元気です。こちらはまだまだあついです。けれど
 も、家の人はみんな元気ですから安心してください。
 九月一日から二学期がはじまったので、学校でいっし
 ょうけんめい勉強しています。

139

  それから、夏休みにはいろんなところへつれていっ
 てくださってありがとうございました。とてもおもし
 ろかったです。こんどの夏休みにも行きたいと思いま
 す。おとうさんもおかあさんもよろしく言っていまし
 た。
 おじさん、お正月には、きっとみんなで遊びに来て
 ください。みんな待っています。
    九月十日        さようなら
     おじさんへ        山 本 大 吉
T 読んで、直したほう
 がよいと思うことを言
 ってください。
C 夏休みのときのお礼
 とお正月にきてくださ
 いというところを入れ
 かえる。
C どんなところがおも
 しろかったのか。その
 ときの様子や気持ちを
 もっとくわしく書く。
C 日付とあて名を入れ
 かえる。
C 「ぼくもお元気で
 す。」はおかしい。
② 自分の書いた手紙を
・練習の例文を小黒板か模造紙
 に書いておき、児童の発表を
 もとにして矢印か番号などに
 より順序を訂正するようにす
 る。
・とくにお礼の手紙であるとい
 うことから、お礼のところを
 本文にして、もっともくわし
 く書くことに気づかせる。
○手紙の書き方の初歩を理解す
 ること。

○なぜそのほうがよいのか理由
 もはっきり言わせる。
○相手の人に自分の気持ちがよ
 くわかってもらえるようにと
 
 読み返して直す。
       (18分)
T いろんなことに気が
 つきましたね。では、
 今のようなことに気を
 つけて自分の手紙を直
 してください。
③ 手紙を便箋に清書す
 る。    (12分)
T 直し終わったら友だ
 ちに読んでもらいまし
 ょう。そして、まちが
 いがなかったら便箋に
 清書してください。も
 らった人に喜んでもら
 えるように、ていねい
 に書きましょう。

T では、あす、封筒に
 あて名や自分の住所、
 名前を書いてもらいま
 すからあて名をはっき
 り聞いてきてください
 いう目的をはっきりさせて、
 読み直しや清書の必要性を確
 認して行なうようにする。
○直すところは――を引いて、
 横に書いてもよい。
○友だちの作文を読むときは、
 とくに、文字、ことば、日付
 やあて名を書く位置などに気
 をつけて読むようにする。内
 容的にいちじるしく不足して
 いるようなところは指摘させ
 る。
○お礼の気持ちが現われるよう
 に、失礼にならないように、
 文字をていねいに書くように
 する。
・文字の組み立てや基本に注意
 して形を整えて書くこと。
○あて名は地名などむずかしい
 ものも多いので、家で書いて
 もらってもよいが、自分の住
 所氏名は自分で書かせたい。
 また、あて名がむずかしいと
 きは、かな書きでもよい。

○発表と、封筒のあて名を書く学習例は省略する。 

 140

七 作文の処理と評価
 (一) 処理
  1 お礼の手紙をそれぞれの相手にあてて出す。
  2 清書したものを発表して話し合い、相互に評価す
   る。
  3 各自交換して読み合い、感想を述べ合う。
  4 下書きをとじて回覧したり、掲示したりする。
 (二) 評 価
  次の観点と基準により評価する。
  1 書こうとすることがら(要件)を落とさずにはっき
   りと書いているか。
   A おせわになったお礼を中心にして、近況などがわ
    かるように書かれている。
   B 相手の安否や近況報告などが主となって、お礼の
    方が簡単になっている。
   C 何について知らせようとしているのかはっきりし
    ない。
  2 お礼の気持ちが相手によくわかるように書いている
   か。
   A おせわになったときの様子や気持ちが具体的に書
    いてあり、お礼の気持ちがにじみ出ている。
   B お礼の気持ちはわかるが、書きぶりに具体性がな
    い。
   C お礼の気持ちがあまりはっきりしない。
  ○このほかに文字の書き方についても評価する。

    (六) 十  月 

機  能   学級生活に適応し、改善するために書く。
学習活動
学習事項



題材例
 
 学級の係の経験について書く。
1 みんなにわかってもらいたいことを、はっ
 きりさせてから書くこと。
2 だいじなことを落とさずに書くこと。
3 自分の考えや感じを書くこと。
 そうじ当番 きゅうしょく当番

   単元 わたしのかかり


一 単元について
 学級の係には、毎日いそがしい係や、時々必要な係、よく
目だつ係、あまり目立たない係とさまざまであると同時に、
それぞれ異なった問題を持っているものである。そこでこれ
らの問題点について、お互いに知らせ合い、考えてみる必要
がおこってくる。
 この単元は、自分の係について作文を書くことによって、
自分の係について認識を深めるとともに、みんなにも自分の
仕事を伝えて協力を呼びかけ、学級生活を向上させる機能を
もっている。
二 単元の学習目標 

 141

 自分の係の仕事について文章を書いて知らせ合い。みんな
で楽しい学級を作ろうとする心を育てる。
三 単元の学習内容
 (一) 学習活動
  1 各係の仕事について考えたり話し合ったりする。
  2 自分の係について考えたり感じたりしたことを作文
   に書く。
  3 書いたものを係ごとに読み合い推考する。
  4 よい学級を作るために、書いた作文を読み合い話し
   合う。
 (二) 学習事項
  1 自分の考えや感じたことを書くこと。
  2 書こうとすることがらをはっきりさせてから書くこ
   と。
  3 だいじなことを落とさずに書くこと。
  4 書いた作文を読み返して文字や語句を直すこと。
  5 「、」や「。」や送りがなについての意識を持つこ
   と。
  6 わからないときには聞き返すこと。
  7 要点を聞きとること。
  8 適切な大きさの声で話すこと。
  9 読み取ったことについて感想を持つこと。
四 この単元に用意された教材
 この単元には読解教材を用意しなかった。学級での係活動
  の反省を、作文に書いたり、それを読み合ったりして学級生
活の向上をはかろうと考えた。
五 単元の指導計画  (総時数6時間)
 1 学級の係について話し合いながら作文の目あ
  てを決める。……………作文指導第一時………………1
 2 各係について問題点を係ごとに集まって考え
  る。………………………作文指導第一時………………1
 3 自分の係の仕事について書く…作文指導第二時……1
 4 係ごとに集まって書いた作文を読み合い推考
  する。……………………作文指導第三時………………1
 5 学級全体で係の作文を読み合い話し合う。…………1
 6 再び、係について話し合う……………………………1
六 作文学習指導の展開
 (一) 作文指導第一時
  学習目標 学級生活を向上させるために、係のことを作
   文に書きみんなで考え合おうとする態度を育てる。
学 習 活 動 学習事項および留意点
① 学級の係について話
 し合う。(15分)
C 給食の係の人はもっ
 と早く配ってほしい。
C 小鳥の世話係は大へ
 んよくやっています。
・最初は友だちのやっている係
 の仕事について感想を話し合
 い、その後、係としての立場
 から問題点もふくめて作文で
 訴えるという学習過程を考え
 た。

 142

C 掲示係はもっとよく
 やってほしい。




② 係からみんなに訴え
 るためにどんなことを
 書くか話し合う。
        (15分)
T 次の時間には、係の
 立場から組のお友だち
 にいいたいことを書い
 てもらいましょう。
C どんな仕事をしてい
  るかを書く。
C 係で困っていること
 を書く。
C うれしかったことを
 書く。
T それでは同じ係の人
 たちが集まって自分の
 係はどんなことを書い
 たらよいか相談しまし
 ょう。
③ 書くことがらをまと
・係の仕事が、地味で目立たな
 いのは、問題とならない場合
 もあるので、黒板に全部の係
 の名を全部書き出しておい
 て、それを見ながら話し合う
 ほうがよい。
○書こうとすることがらをはっ
 きりさせる。


・黒板に
 1 係の仕事を知らせる。
 2 係としてうれしかったこ

 3 困っていること。
 4 守ってもらいたいこと。
 5 これからもがんばりたい
  こと。
 などを明記しておくとよい。
  この板書はあとで何回も使
 うので小黒板に書いておいて
 その都度掲示してもよい。



・係ごとで話し合う時、自分自
 
 
 める。(15分)
T 次の時間までにもう
 一度考えてみて、すぐ
 書けるようにしておい
 てください。
身の困ったり、うれしかった
りした経験をいかして書くよ
うにしたいもの。全員が同じ
ことを書いては書く必要性が
うすくなる。

 (二) 作文指導第二時
  学習目標 作文を書いて自分の係の仕事について級友に
   知らせたり、訴えたりして学級生活を向上させようと
   する。

学 習 活 動 学習事項および留意点
① 書くことを確かめる
       (5分)
T 自分の係について、
 どんなことを作文に書
 くのでしたか。
C 自分の係の仕事。
C 係として困っている
 こと。
T 書いた作文をみんな
 で読み合えばどうでし
 ょう。
C ほかの係の人の苦
 労、考えていること、
 していることなどがわ
○書こうとすることをはっきり
 させる。






・この作文を書く価値を児童自
 身で考え、主体的な学習活動
 への意欲をもり上げる。

143

 かります。
② 自分の係について作
 文を書く。 (35分)
T それでは、この前の
 時間にまとめておいた
 ノートを見て、係のこ
 とを作文に書いてみま
 しょう。
  あとでみんなで読み
 合いますから何を言っ
 ているかがわかるよう
 に気をつけて書きまし
 ょう。
③ 書いた作文を読み返
 す。    (5分)
T 書けた人は黒板を見
 て読み返しましょう。
T できた人から出して
 ください。次の時間に
 は係の人たちどうしで
 読み合ってなおし合い
 ましょう。
○自分の考えや感じを作文に書
 くこと。
○大事なことを落とさずに書く
 こと。
○原稿用紙を使って、読む人に
 よくわかるように書くこと。
O「、」や「。」に気をつけて
 書くこと。
・できごとや、あったことを書
 くのとちがい、係についての
 考えや感じを書くのであるか
 ら、あまり長文は期待できな
 い。(平均原稿用紙一まい)
○書いたものを読み返して文字
 や語句を直すこと。
・黒板に掲示した書く目あてに
 更に『「、」や「。」に気を
 つけて書くこと』を加えるよ
 うにする。 
 (三) 作文指導第三時
  学習目標 同じ係が書いた作文を読み合い、伝えたいこ
   とがみんなに正しくわかってもらえるような文章の書
     き方がわかる。

学 習 活 動 学習事項および留意点
① 係ごとに読み合う目
 的をはっきりさせる。
       (10分)
T どんなことに気をつ
 けて読めばよいでしょ
 う。
C 何を言っているかが
 はっきりしているか。
C その係がどんな仕事
 をやっているかがよく
 わかるか。
② 係ごとに作文を読み
 合う。   (30分)
T 今から係ごとに集ま
 って作文を読み合いま
 すが、なおす所は書い
 た人と話し合ってなお
 しましょう。
③ 次時の計画を立てる
       (5分)
T 次の時間には係ごと
 に読んでもらいますか
・左記の児童の発言の要点が評
 価の観点にもなる。

・このことばは、係ごとに集ま
 って読み合う時の立場でもあ
 るので板書しておくほうがよ
 い。

・係ごとに読み合う時、能力の
 低い児童や、困っている係に
 は教師がまわっていって「○
 ○の時、困っていたのにその
 ことを書いてないね。」「みん
 なに何といえばわかってもら
 えるかな。」などと相談にのる
 ことが必要である。
・読み合う時は、何をどのよう
 にみんなに伝えることが必要
 かを最も重要に考えてグルー
 プ学習の行なわれることが望
 ましい。

144

 ら係の中で読む作文を
 決めておきましょう。

* 次時は係ごとによい作品をみんなの前で読み、表現面で
 説明のたりないところなどを質問し合い、どのように書け
 ばみんなによくわかるかを話し合う。
七 作文の処理と評価
 (一) 処理
  1 教師が作品を評価するのは、第二時間めが終わった
   時に一たん作品を集めて行なえばよい。係ごとに読み
   合ってできた作品は個人の作品としての評価とはなら
   ない。作品に教師は評を記入しないようにすること。
  2 児童が係ごとに読み合い、書きなおした作品は、そ
   の係としては或る程度類型化しているので、返す場合
   評を書かないでもよい。
  3 係ごとに代表作を一点ずつ取っておき、学期の終わ
   った時の反省などに利用するのもよい。
 (二) 評価の観点と基準
○ みんなにわかってもらおうとすることが明りょうで訴え
 る力があるか。
  A 書く目的がはっきりしていて具体的で、相手に強く
   訴えるもの。
  B
  1 書く目的はあるが、書かれていることが不明りょう
     なもの。
  2 不必要なことがらが書かれているもの。
  3 自分の仕事の紹介にとどめたもの。
  4 具体性に欠けるもの。
  C
  1 目的意識の薄いもの。
  2 何を書いているのかよくわからないもの。
  3 要点だけで、相手に訴える力の低いもの。

 <作品例>

    学級新聞係三の二 高城 芳昭
  ぼくたちのグループは、学級新聞係です。新聞を書こ
 うと思ってぼくの家へあつまった。一回めはまちがえて
 しまったけれでも二回めはうまくいった。本のおもしろ
 いところを書きぬいたり、クイズをつくっていそがしか
 った。
  つぎの日新聞を学校へ持ってきた。まだはってもいな
 いのに、だれかが答を書いてしまった。そのうえやぶけ
 ていた。ぼくたちはがっかりした。
  これからは、やぶいたり、まだはらないうちに答をか
 かないということをまもってほしいです。そして、みん
 なでたのしく新聞を読んでください。
  またぼくたちは、いっしょうけんめい新聞を書きます。
 

145

機 能  社会的行事についての生活経験を広め、
 深めるために書く。
学習活動
学習事項




題材例
 社会行事についての生活経験を書く。
1 おもしろかったことを、くわしく書くこ
 と。
2 書こうとすることがらをはっきりさせてか
 ら書くこと。
3 かなり長い文章が書けること。
 町の運動会 おまつり こどもすもう大会

   単元 おまつり

一 単元について
 この単元は、おまつりの楽しかった自分の経験を作文に書
いて、みんなと読み合い、社会的行事に対する生活経験をい
っそう広め、深める機能をもっている。
二 単元の学習目標
 おまつりのことを書いた文章を読んだり、楽しかったおま
つりの経験を作文に書いて、経験を深める。
三 単元の学習内容
 (一) 学習活動
  1 おまつりについて話し合う。
  2 おまつりについての経験を書く。
  3 作文を読み合い、感想を話し合う。
    4 友だちの感想や、話し合ったことをもとにして、自
   分の作文をなおす。
  5 教材(一)「おみこし」を読む。
  6 教材(二)「おまつり」を読む。
 (二) 学習事項
  1 書こうとすることがらをはっきりさせてから書くこ
   と。
  2 かなり長い文章を書くこと。
  3 おもしろかったことを、くわしく書くこと。
  4 感じたこと考えたことを書くこと。
  5 送りがなについての初歩的な意識を持つこと。
  6 「、」や「。」に注意して書くこと。
  7 読みとったことについて感想を持つこと。
四 この単元に用意された教材
 この単元には、(一)「おみこし」(児童詩)(二)「おまつり」
 (生活文)の二つの教材が用意されている。
 (一) 「おみこし」(児童詩)は、おみこしをかついだ時の
  作者のよろこびが短いことばで表現されている。
 (二)「おまつり」も、おまつりに行った時の店や人たちの
  様子が書かれている作品である。
五 単元の指導計画(総時数7時間)
 1 まつりについての経験を書く。……作文指導第一時1
 2 書いた作文を読み合い話し合う。…作文指導第二時1
  ・おもしろかったところはどこか。 

146

  ・くわしく書けているところはどこか。
  ・感じたことや、考えたことが書けているのはどこか。
  ・よくわからないところはどこか。
 3 話し合ったことをもとにして、自分の作文を
  直す。……………………………………作文指導第三時1
 4 教材(一)「おみこし」(児童詩)を読む。…┬……4
 5 教材(二)「おまつり」を読む。………………┘

六 作文学習指導の展開
 児童が、おまつりに参加する前に、「おまつり」の作文を
書くことを前もって予告し、おまつりの様子や、おまつりで
したことに注意させて、書かせるようにしたい。
 (一) 作文指導第一時
  学習目標 楽しかった祭りのことを作文に書いて社会行
   事についての経験を深める。

学 習 活 動 学習事項および留意点
① 書こうとすることが
 らをはっきりさせる。
        (5分)
T きのうの、おまつり
 のことを作文に書いて
 あとで読み合いましょ
 う。
  どんなことを書きた
・祭りを題材にして作文を書く
 時、書くことがらで困るとい
 うことはないはずである。ど
 んなことを、どんな順序で書
 いて行くかという準備をさせ
 る。
 
 いですか。
C お宮で、いろいろな
 ものを買ったこと。
C おみこしや、だしの
 こと。
C ししまいのこと。
T まだいろいろあると
 思いますが、これらの
 ことを参考にして書き
 ましょう。
 また、あったことば
 かりでなく感じたり考
 えたりしたことも書き
 ましょう。
② 祭りのことを作文に
 書く。   (35分)
T 書くことがらが決ま
 った人から書きはじめ
 ましょう。
③ 書いた作文を読み直
 す。    (5分)
<板書例>

・おもしろかったこと
 がくわしく書けてい
 るか。



○書こうとすることがらをはっ
 きりさせてから書くこと。
○お祭りのおもしろかったこと
 をくわしく文章に書くこと。
○感じたことや考えたことも、
 書きましょう。
・ある部分だけを特にくわしく
 書く指導をすることは、この
 ころの児童では必ずしも適切
 ではない。





○かなり長い文章を書くこと。
・書いたものを読み直す時の観
 点は、前もって小黒板などに
 板書しておくとよい。また、
 三年生としていくつかの、予
 想される推考の観点を印刷し
 て、全児童に持たせ、作文学
 習のたびに、その単元の学習

147

・感じたり考えたりし
 たことが書けたか。
・「、」。や「。」に
 気をつけて書いてあ
 るか。

T 書けた人は黒板を見
 て直しましょう。
T できた人から先生に
 出してください。
事項などを参考にして、その
時間の推考の観点をきめさせ
ると便利である。
  (二) 作文指導第二、三時
  学習目標 お祭りの作文を読み合い、その書きぶりにつ
   いて話し合ったり、自分の作文を推考したりして、い
   っそう楽しかった経験を広め、深めるようにする。
学 習 活 動 学習事項および留意点
① 前時に書いた作文を
 読み合う。 (20分)
T きょうは、はじめに
 前の時間に書いた作文
 の中から寺中君の作文
 をみんなで読んでみま
 しょう。
  おまつりのおもしろ
 かったこと、うれしか
・前時に書きあげた作品の中か
 ら適切な作品をとりあげてプ
 リントにしておいて学習す
 る。
・おまつりの様子がよく書けて
 いるところや、おもしろかっ
 たことが書けているところに
 線を引かせたり、ぬき書きを
 させたりしてあとで話し合う
 
 ったことがどこに書か
 れていますか。
 参考にするとよい。

<作品例>

   おまつり        三年 寺中由紀夫
きょうは おまつりだ。
 朝から心がわくわくして、勉強も手につかない気持ち
だ。
 町会じむ所の前には赤白のまくがしてあって、その中
に、おみこしが、大きいのと小さいのと二つおいてあっ
た。ことしは大きなおみこしはでないので、小さいのだ
けだそうだ。それをぼくたちが、かつぐのだと思うと、
うれしくてうれしくて、何度もおみこしの前をいったり
きたりした。
 おみこしの前には、おさけや、くだものが、おさんぼ
うの上にのせてあった。
 うらの町会じむ所では、町会の人がゆかたを着て、お
さけをのんで、赤い顔をしてわらったり大きな声でしゃ
べったりしてみんなたのしそうだ。
 二時ごろ、おみこしが出た。ぼくたちは、うれしくて
「わあ、わあ」といいながら、おみこしにぶらさがって
「わっしょい」 「わっしょい」さわいだ。
 町会のおじさんが、ゆかたにたすきをしてジャラ、ジ
ャラ音のするぼうを持って、 

148

 「わっしょい。わっしょい。」
と、大きな声でいったので、ぼくたちも声をあわせて、
 「わっしょい。わっしょい。」
と、すすみだした。
だしのたいこが、トーン、トーンと、おなかにひびく
ようになる。ぼくはもうむちゅうでおみこしをかついだ。
あまり力をいれたので、くたくたになってきた。せが
ひくいので、かたのところにぼうしを入れて、また、力
をいれてかついだ。
 「わっしょい。わっしょい。」
まわりの家の人も、わらいながらこちらを見ている。
 ぼくは、とくいだ。
 「わっしょい。わっしょい。」
大通りを行く自動車の中の人もこちらを見ている。
 おまわりさんが、「ピー。ピー。」ふえで、交通せいり
をしてくださっている。
 「わっしょい。わっしょい。」
 おみきしょで、なしとジュースをもらった。
 また来年のおまつりにも、おみこしをかつぎたいなあ。

② 友だちの作品を読ん
 でよく書けているとこ
 ろを話し合う。(25分)
T おまつりのうれしか
 った様子がどんなこと



・「おまつり」を題材にして、
 児童のよろこびを短い文(児
 
 ばで書かれていました
 か。
C 「朝から心がわくわ
 くして勉強も手につか
 ない気持ち。」
C 「おみこしをかつぐ
 のだと思うと、うれし
 くて何度も何度もおみ
 こしの前を行ったりき
 たりした。」など。
T そのほか、よかった
 ことや、気づいたこと
 を話してください。
C 「だしのたいこが、
 おなかにひびくように
 なる。」というところは
 よく書けている。
C 「せがひくいので、
 かたのところにぼうし
 を入れて、またかつい
 だ。」は、おもしろく書
 けているなど。
童詩)に表現する学習もこれ
と平行して行なわれてよい。
 そのための参考に前記の作
品例を引用してみる。
 この作品の中には、児童の
いきいきとした感動のリズム
がある。それは、ァィゥェ
四つの部分から成り立ってい
る。この部分だけを取り出し
て、味わわせることによって
児童詩への指導がある程度な
されることになろう。
 このような例は、児童作品
の中に数多く散見するもので
あるから、教師の注意力によ
って、いくらも指導の機会は
ある。
① 友だちどうしで作品
 を読み合う。(20分)
T 自分の作文を友だち 
O「、」や「、」や送りがなに
 注意して読んだり、書いたり
 すること。

149

 と取りかえて読み合い
 ましょう。うれしかっ
 たことや、おもしろか
 ったところをみつけま
 しょう。感じたこと
 や、気づいたことは後
 ろに書いてあげましよ





② 推考する。(25分)
T 後ろに書いてもらっ
 たことや、話し合った
 ことを参考にして、自
 分の作文をなおしまし
 ょう。
T できた人は先生に出
 してください。みんな
 の作文はまとめてとじ
 ておきますからあとで
 読んでください。
<板書事項>
・うれしかったことや、おも
 しろかったところは、どこ
 か。(………… をつけるこ
 と。)
・くわしくかいてほしいとこ
 ろはどこか。
・「、」や「。」や送りがな
 もみてあげましょう。
・気づいたことを後ろに書く場
 合、書いた児童名を書かせて
 おくと、参考になる。
・時間が許せば何人かの児童の
 よいところや、不十分なとこ
 ろを発表させ話し合うのもよ
 い。
<よくない作品の例>
おくの方へ行って見ると、だ
いの上のおじさんが、*おもし
ろいこと
をいっていた。
*―――のところは、くわしく
書かせるように。

七 作文の処理と評価
  (一) 処理
 1 初めに書いた作文は、作文指導第二時間めに扱うプ
  リントの作文を見つけるために一通り目を通してお
  く。この場合、特に問題作は、友だち相互で読み合う
  時に教師は個別的に指導するようにする。
 2 完成した作品はまとめてとじ、教室の後ろにさげて
  おいて、みんなが読めるようにしたり、特に何点かは
  掲示するのもよい。
 3 個人別に作品はとじさせて、一年の終わりに表紙絵
  などをつけ加えて個人文集にするのもよい。
 4 よい作品は校内放送の原稿にするのもよい。
(二) 評価の観点と基準
 1 うれしかったことや、おもしろかったことがくわし
  く書けているか。
  A うれしかったことや、おもしろかったことがくわ
   しく書かれていて、したことばかりでなく、見たこ
   とや思ったことが書かれている。
  B うれしかったことや、おもしろかったことを書こ
   うとしているが羅列的で、具体性に乏しい。
  C 書いたことがらも少なく、よろこびも感じられな
   い。
 2 書こうとしたことがはっきりしていて長く書けてい
  るか。
  A 書こうとしたことが、くわしく、はっきりしてい 

150

 て600字から1000字くらいの文章。
B かなり長く書けているが、祭りに無関係のことが
 書かれていたりして統一性を欠き、書こうとしてい
 ることがはっきりしない。
C 書いてあることがきれぎれで、思いつきで短い。

   (七) 十一  月

機  能  情報を交換し学級生活を向上させるために
 書くこと。
学習活動
学習事項




題材例
 学級新聞を作る。
1 知らせたいことを、はっきりさせてから書
 くこと。
2 要点をおさえて書くこと。
3 文字の形や大きさを考えて書くこと。
4 学級新聞を編集すること。
 学級のできごと 学級の情報 学習のこと

   単元 かべ新聞

一 単元について
 児童たちは、学校のろうかや掲示板などにはられた学校新
聞を毎日見ていることだろうし、上学年の教室でも作文や、
学校、学級の二ュースなどを書いて編集した学級新聞を見か
けることだろう。従って、かべ新聞についての興味や関心は
  すでにできていると考えられる。
 三年生の児童は、かべ新聞を作る経験は初めてで、少しむ
ずかしいことではあるが、自分たちで記事を集めたり、見出
しを考えたり、カッ卜をくふうしたりして編集しようという
欲求はある。
 この単元は、みんなで記事を集め、記事の配列をくふうし
てかべ新聞を編集し、学級の生活を楽しく豊かにしようとす
る機能をもっている。
二 単元の学習目標
 みんなでかべ新聞を作って、学級生活の向上に役だてるよ
うにする。
三 単元の学習内容
 (一) 学習活動
  1 かべ新聞を作って学級や家のできごとなどを知らせ
   合うことを決める。
  2 教材(一)「みどり新聞第一号」を読む。
  3 教材(二)「かべ新聞を作りましょう」を読み、編集の
   し方について話し合う。
  4 かべ新聞の記事を書く。
  5 グループごとに編集する。
  6 作ったかべ新聞を読み合い話し合う。
 (二) 学習事項
  1 要点を聞きとること。
  2 必要なところを注意して読むこと。
 

 151

  3 書くための記事をととのえて書くこと。
  4 知らせたいことがらをはっきりさせてから書くこ
   と。
  5 だいじなことを落とさずに書くこと。
  6 自分の考えを進んで文章に書くこと。
  7 横書きに慣れること。
  8 文字の形や大きさを考えて書くこと。
  9 「、」や「。」や送りがなに注意して書くこと。
  10 編集すること。
四 この単元に用意された教材
 この単元に用意された「みどり新聞第一号」は、かべ新聞
の一資料として、いくつかの記事がのせられたものである。
 次の「かべ新聞を作りましょう」には、児童が学級でかべ
新聞を作るために、グループに分かれることや、どんな記事
をのせるかなどについて話し合った様子が書かれている教材
である。
 児童は、かべ新聞を作る立場に立ってこれを読み、自分た
ちでかべ新聞を実際に作る活動ができるようになっている。
五 単元の指導計画(総時数9時間)
 1 かべ新聞を作って学級や家のできごとを知ら
  せ合うことを決める。……………………┬作文指導…3
 2 教材「みどり新聞第一号」を読む。…┘第二時
 3 教材「かべ新聞を作りましょう」を
    読む。………………………………………┬作文指導第
 4 かべ新聞の編集のし方について話し │二、三時…2
  合う。………………………………………┘
 5 かべ新聞の記事を書く。……………作文指導第四時1
 6 グループごとに編集する。…………作文指導第五時1
 7 作ったかべ新聞を読み合う。…………………………1
 8 計画的にかべ新聞を発行することを決める。………1
六 作文学習指導の展開
 (一) 作文指導第一時
  学習目標 友だちや、学級のことを知らせ合うかべ新聞
   作成の計画について話し合うことによって、進んでか
   べ新聞を作ろうとする心構えをもつ。
学 習 活 動 学習事項および留意点
① お知らせ板について
 話し合う。 (10分)
T わたしたちの教室に
 あるお知らせ板には、
 どんなことが書かれて
 いますか。
C あしたのしゅくだい
 のこと。
C おかね集めのこと。
C 子どもニュース。
C 工作の時にじゅんび
・かべ新聞への導入には教材を
 読ませてからはいる方法もあ
 るが、ここでは教室の中で毎
 日使いなれているお知らせ板
 の話し合いからかべ新聞には
 いる方法をとった。


・かべ新聞は、学級の社会的機
 能を果たすものであるから記
 事の選択、編集の方法等のす

152

 してくるもの。
T いそいで知らせなけ
 ればならないものはお
 知らせ板に書くことに
 して、あまりいそがな
 いけれど、みんなで知
 らせ合ったらよいと思
 うことにどんなものが
 ありますか。
C みんなの家のこと。
C 学校であったこと。
T そんなことをみんな
 で紙に書いてかべ新聞
 を作りましょう。
② かべ新聞について話
 し合う。  (15分)
T かべ新聞は学校の中
 にもありますが、あれ
 はだれが作っているの
 でしょう。
C 五、六年生の新聞部
 の人たちです。
T だれが読みますか。
C 学校のみんなが読み
 ます。
T では、わたしたちだ
 べてそこから出発しなければ
 ならない。
・どんな記事がよいかについて
 の話し合いはここではあまり
 具体的でなくてもよいが、教
 科書を読んでの話し合いでは
 かなり具体的に話し合い、児
 童が記事の取材に困らないよ
 うな指導が望ましい。
 具体例
 家のこと
  小鳥が、ひなをかえしたこ

  だいくさんが、きているこ

 友だちのこと
  新しくはいった友だちの住
  所や電話番号。
  友だちの病気のこと。
 学級のこと
  テストの成績
  学級文庫でふえた本の紹介
 その他
  係からのお願い。
 
 けのかべ新聞をみんな
 で作ってみましょう。
③ 「みどり新聞第一号」
 を読む。  (20分)
T かべ新聞にどんなこ
 とを、どのように書い
 たらよいか、教科書を
 調べてみましょう。
○必要なところを注意して読む
 こと。
・児童は記事の見出しを書くこ
 とは初めてなので、特に見出
 しの働きや、つけ方や字の大
 きさなどに気をつけて読みと
 らせるようにする。

*教材「みどり新聞第一号」を読む場合の観点は、この記事
 が、おもにどのような角度から、どのような場面(学校
 家庭、その他)の取材がなされているか。また、その表現
 はどのような特徴があるか。ニュースの表現方法について
 も初歩的な取り扱いをする。(「だれが・いつ・何を・どこ
 で・どのように」)
 (二) 作文指導第二、三時
  学習目標 かべ新聞の作り方について理解し、みんなで
   作ろうとする心構えをもつ。

学 習 活 動 学習事項および留意点
① 「かべ新聞を作りま
 しょう」を読む。
       (20分)
T 教科書では、どのよ
○必要なところを注意して読む
 こと。

・教科書に書かれているかべ新
 

153

 うにしてかべ新聞を作
 っていったかを調べて
 みましょう。
② 教科書には、かべ新
 聞の作り方がどのよう
 に書かれていたか話し
 合う。   (25分)
T 本には、どんな順序
 で作ったと書いてあり
 ましたか。
C はんごとに分かれる
C 決められた紙に記事
 を書く。
C 同じ種類の記事をあ
 つめる。
C 見出し、カット、さ
 し絵などを入れて台紙
 にはって仕上げる。
 聞の作り方の順序をノートに
 まとめさせる。

<板書事項>
 かべ新聞を作るじゅんじょ
1 はんごとに分かれる。
2 決められた紙に記事を書
 く。
3 同じ種類の記事を集め
 る。
4 見出し┐ を入れて、台紙
  カット├─にはって仕上げ
  さし絵┘ る。
③ この学級で編集する
 にはどうするか話し合
 う。    (20分)
T 教科書には仕事を進
 めていく上でのおよそ
 のことが書かれていま
 すが、このこと以外に
・教材では、はんごとに分れて
 作るようになっているが組の
 実情によっては新聞係を作っ
 てかべ新聞を発行していく場
 合も考えられる。しかしその
 場合も学習として、一応全員
 が作る経験を積むようにした
 
 どんなことを考えなけ
 ればならないでしょう
 か。
C かべ新聞の名前を決
 める。
C 記事を書く紙の大き
 さを決める。
C はんごとに、どんな
 記事をのせるか話し合
 い、手分けする。
④ はんごとに書くこと
 がらについて話し合う
       (25分)
T はんごとに分かれて
 それぞれ一つずつかべ
 新聞を作ってあとで読
 み合いましょう。どん
 なことを書くか話し合
 ってください。次の時
 間に記事を書きますか
 ら、書くことをしらべ
 て、集めておきましょ
 う。
 い。
・かべ新聞の名前をみんなで話
 し合って決めるようにする。


・はんごとに作るかべ新聞の台
 紙は、もぞう紙半まいくらい
 の大きさにする。


・継続して出すことを考え、学
 級全体で話し合って、台紙の
 大きさを一定にし、何段に組
 むかもきめるようにする。そ
 の計画にもとづいて、その形
 式や大きさに合わせた用紙を
 印刷してそれに原稿を書きつ
 け台紙にはっていくようにす
 る。 
 (三) 作文指導第四、五時
   学習目標 みんなで協力してかべ新聞を作り、学級生活 

154

   の向上をはかるようにする。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
① 記事を書く。(25分)
T はんごとに相談した
 ことをもとにして記事
 を書きましょう。








<板書事項>
○文字の形や大きさを
 考えて書くこと。
O「、」や「。」に気
 をつけて書くこと。
○だいじなことを落と
 さずに書くこと。 
② みんなで読み合う。
       (20分)
T 書けたらはんの人た
 ちと読み合って直しま 
○書くための記事をととのえる
 こと。
○知らせたいことがらをはっき
 りさせてから書くこと。
○だいじなことを落とさずに書
 くこと。
○自分の考えを進んで文章に書
 くこと。
○文字の形や大きさを考えて書
 くこと。
O「、」や「。」や送りがなに
 注意して書くこと。
<記事例>
 ぼくたちのせわをしている
 うさぎの名前がきまりまし
 た。
○おとうさんうさぎ「キャロ
 ン」
○おかあさんうさぎ「チェロ」
○子うさぎ
 1「ピョン。」 2「ラビッ
 ト。」 3「ミミ。」
 とよんでください。 
 
 しょう。
③ 編集する。(40分)
T 記事ができたら、同
 じ種類のものを集めて
 見出しを書いたり、カ
 ットやさし絵を入れて
 台紙にならべてみて、
 うまく組めたらのりで
 はって、仕上げましょ
 う。
④ 次時予告 (5分)
T 次の時間は、はんご
 とに取りかえあって話
 し合いましょう。 

○編集すること。
・見出しを書くことは初めての
 児童にとってはかなりむずか
 しいと思われるので、具体的
 に一、二の例を実際の記事の
 中から取り上げて指導したり
 子ども新聞などを実際に示し
 たり、教材の中のものをもう
 一度見なおさせるようにする
 のもよい。 


七 作文の処理と評価
 (一) 処理
  1 書きあげたかべ新聞は、教室のかべなどで読みやす
   い場所を選んで掲示するようにしておく。
  2 継続して出す場合、ややもすれば児童の作る側も、
   読む側も興味が次第に薄くなってくるので、教師は特
   に気を配り、その記事についての話題を全児童の前で
   取り上げ励ますようにしてやることが望ましい。
  3 掲示の終えたかべ新聞は、まとめてとじておいて年
   末に作る文集の記事にしたり、来年度の三年生のかべ 

 155

   新聞の学習の参考にしたりする。
  4 児童の書いた記事については、はんごとの相互推考
  によってかなりよいものとなる。
 (二) 評価の観点と基準
  1 記事としておもしろさや必要性があるか。
   A 記事としての着想や内容がおもしろい。
   B くわしく書かれているが、二ュース性に乏しく、
    あまりおもしろみがない。
   C 記事としての価値の極めて低いもの。
  2 要点をおさえて書けているか。
   A 要点をつかみ、必要なことがらがまとめて書かれ
    ている。
   B ことがらがくわしく書けてはいるが、むだが多く
    要点のぼやけているもの。
   C 記事として必要なことがらが書けていないもの。

   (八) 十二  月

機  能   交友生活について反省し、その向上を
 はかるために書く。 
学習活動
学習事項 
 友だちについての生活経験を書く。
1 友だちに対する自分の考えや感じを書くこ
 と。
2 よく考えて書くこと。 
 


題材例 
3 かなり長い文章を書くこと。
4 すいこうすること。
 けんか なかよし 遊んだこと 

   単元 友だち

一 単元について
 学校生活にもすっかり慣れた三年生も後期になると、作文
でも友だちと遊んだことを中心に書いた時期から、友だちを
自分との関係の上で見ていこうとする客観的な態度が生まれ
はじめる時期にきている。それだけに友だちについての関心
も極めて強いものがある。
 この単元は「友だち」についての文章を読んだり、家の人
に自分のすきな友だちのことを作文に書いて知らせたりして
自分と友だちとの間がらを確かめ、いっそうよい人間関係を
作り、交友生活の向上に役だてる機能をもっている。
二 単元の学習目様
 友だちについての文章を読んだり書いたりして、交友関係
を確かめ、お互いに親しみ合うようにする。
三 単元の学習内容
 (一) 学習活動
  1 教材「よしおくん」を読む。
  2 友だちのことを家の人に知らせる作文について話し
   合う。 

 156

  3 友だちについて、作文を書く。
  4 家の人に書いた作文を読んでもらい友だちについて
   話し合う。
 (二) 学習事項
  1 友だちに対する自分の考えや、感じを書くこと。
  2 よく考えて書くこと。
  3 書こうとすることがらをはっきりさせてから書くこ
   と。
  4 かなり長い文章を書くこと。
  5 すいこうすること。
  6 「、」や「。」や送りがなに注意して書くこと。
  7 読みとったことについて感想を持つこと。
四 この単元に用意された教材
 この単元では読解教材として「よしおくん」をとりあげ
た。この教材には、作者がいじめっ子にいじめられていると
き、よしおくんがとめてくれたという事件を中心にして、よ
しおくんがやさしくて勇気のある友だちであることが書いて
ある。
 ここでは、これを特に作文に直接結びつける必要はない。
 この教材をきっかけにして自分と友だちとの関係について
考えたり書いたりして、いっそう交友関係を向上させようと
考えた。
 三年生の書く作文には、自己を中心に書く形態が多いが、
この教材は、進んだ児童が書くように、相手を客観的に描い
  た作品である。
五 単元の指導計画(総時数7時間) 
 1 教材「よしおくん」を読む。…………………………4
 2 どんなことを作文に書くか考える……………
  …………………………………作文指導第一時(10分)
 3 家の人に知らせるために、友だちのことを書
  く………………………………作文指導第一時…………1
 4 作文を推考し清書して家の人に読んでもらう。
  …………………………………作文指導第二時…………1
六 作文指導の展開
 (一) 作文指導第一時(10分)
  学習目標 友だちといっしょに遊んだことや、その友だ
   ちの性質などを思いうかべ、作文に書こうとする心構
   えをつくる。

学 習 活 動  学習事項および留意点 
① 近ごろ、だれと、ど
 んな遊びをしているか
 話し合う。 (5分)
T 前の時間に勉強した
 「よしおくん」のよう
 に元気でやさしいお友
 だちを持つといいです
 ね。 
・前時に取り扱った「よしおく
 ん」は、作文の導入教材とし
 ての大きな地位をあたえては
 いけない。左記のことばの程
 度で軽く扱うようにしたい。
・結果的には、友だちのだれか
 を決めて作文を書くようにな
 るのであるが、最初からだれ  

 157

  ところで皆さんは、
 近ごろ学校で、お友だ
 ちとどんなことをして
 遊びますか。
C なわとび。
C ドッジボール。
T いちばんよく遊ぶ友
 だちや、自分のいちば
 んすきな友だちはだれ
 でしょうか。
② 家の人に知らせるた
 めに、どんなことを書
 くか話し合う。
       (5分)
T この次の時間に、友
 だちのことを書いてお
 うちのおとうさんやお
 かあさんに読んでもら
 いましょう。おうちの
 人は皆さんが学校でど
 んな友だちとどんなこ
 とをして遊んでいるか
 よくわからないので、
 よくわかるように書い
 ておしえてあげましょ
 う。 
 を書くかについて話し合わな
 いで、まず、最近、自分たち
 でどんなことをして遊んでい
 るかに目を向けさせ、そして
 その遊びは、いつもだれとよ
 く遊ぶのかについて考えさせ
 たほうが書く場合にも材料が
 豊かであるし、適当な人物が
 自分の友だちとして意識され
 る。
・従来は「友だち」について作
 文を書く場合、先生に見せる
 ためのものが多かったが、こ
 こでは、自分の父母に読んで
 もらうという立場で作文を書
 く学習過程を取り入れてみ
 た。
  先生に読んでもらうのであ
 れば「○○さん」と書いただ
 けでその人物の顔やある程度
 の性格その他のことは省略し
 ても通じるということになる
 が、家の人に読んでもらうた
 めには、相当多くの紹介面が
 出てくることに配慮がなされ
 なければならない。 
 
T どんなことを書けば
 よいでしょうか。
C いっしょに遊んだこ
 と。
C お友だちのうちへ遊
 びに行った時のこと。
C どんな顔をしている
 か。



T 何という題にしたら
 よいかを、考えましょ
 う。
C ○○さんのこと。
C なかよしの○○さん
C しんせつな○○くん
T 皆さんといっしょに
 いろいろ話をしている
 間に自分でだいたい書
 くことが決まったと思
 いますので次の時間に
 はすぐ書けるようにし
 ておいてください。 
○書こうとすることがらを、は
 っきりさせること。
・このころの児童は、友だちと
 いっしょに遊んだりしたこと
 を具体的に書くことは容易で
 あるが、それだけにとどめな
 いで、友だちの性格や、顔形
 などについても書き、友だち
 を客観的にみていく生活態度
 を身につけさせることも必要
 である。
・題のつけ方については、「○
 ○くんのこと」「○○さんと
 遊んだこと」といったものが
 多い。これに対し「親切な○
 ○さん」「勇気のある○○く
 ん」などという主題的なもの
 は実際は極めて程度の高いも
 のである。全体を、「親切」
 「勇気」などの抽象的な主題
 で統一して文章を書くことは
 むずかしい。 

 (二) 作文指導第二時 

 158

  学習目標 友だちのことを作文に書いて家の人に知らせ
   友だちとの間がらを確かめ、交友生活を向上させる。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
① 書くことがらを確か
 める。   (5分)
T 友だちのことを作文
 に書いておうちの人に
 読んでもらいますが、
 書く前にもう一度どん
 なことを書くか自分自
 身でノートを出して考
 えてみましょう。
② 「友だち」について
 作文を書く。(35分)
T あったことばかりで
 なく、友だちについて
 考えたり感じたりした
 ことも、書いてくださ
 い。書くことがたくさ
 んある人は長く書いて
 ください。
③ 書きあげたら読みな
 おす。    (5分)
T 書き終わったらノー 
○書く目あてをはっきりさせて
 から書くこと。
○友だちについて書こうとする
 ことをはっきりさせてから書
 くこと。
・書く時間をできるだけ多く持
 たせるために書く以前の話し
 合いは短時間にとどめる。
・時間内に必ず書きあげるよう
 に注意を与えてから書き始め
 る。
○友だちに対する考えや感じを
 文章に書くこと。
○かなり長い文章を書くこと。
<板書事項>
1 だれのこと
2 どんなこと
  かおや、からだつき。
  くせ。遊んだこと。
  せいしつ。
3 思ったり考えたりしたこ 
 
 トや黒板を見て読みな
 おしましょう。
T できた人は次の時間
 にもう一度推考して清
 書しますので先生に出
 してください。 
 と。
4 なんというだいにするか 

・板書事項は、前時に扱った程
 度のことがらを書いておくよ
 うにすること。
・集めた作品は、大体目を通し
 て、題名と内容と異なるもの
 や短くて内容の少ないものな
 どには適当な注意を記入して
 次時に備えるようにしたい。 
 (三) 作文指導第三時
  学習目標 目的に従って作文を推考することができる。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
① 推考する。(20分)
T 黒板を見て作文をな
 おしてください。あと
 で新しい紙に書きなお
 してもらいますからき
 れいになおさなくても
 いいです。
<板書事項>
○家の人が読んでわか 
・前の時間には漢字を使おうと
 するために想が停止すること
 を防ぐ意味で、わからない漢
 字は、ひらがなを使わせて書
 いたので、この時間にはそれ
 を漢字になおしたり、「、」
 や「。」を落としたり、文字
 をぬかしてあるところなど表
 記の面を中心に文を読みなお 

 159

 るように。
○感じたこと、考えた
 ことが書けたか。
○題のつけ方はよいか
○「、」や「。」はお
 としていないか。
○お話に「 」がある
 か。 

② 清書する。(20分)
T 下書きができた人は
 用紙に清書してくださ
 い。
③ 家の人に読んでもら
 う。     (5分)
T 清書した人は下書き
 を先生に出してくださ
 い。清書したものは、
 先生のプリントを上に
 つけて家の人に読んで
 もらいましょう。 
 させるようにする。
・組全体に共通した表記のあや
 まりがある時は、黒板に例を
 あげみんなで練習してから自
 分自身の作品を推考するとよ
 い。
O「、」や「。」に注意して書
 くこと。
○文字の形を整えて書くこと。
・作品につけるプリントには学
 校ではどんな友だちとどのよ
 うに生活しているかを読みと
 ってほしいとか、「友だち」
 を作文に書かせたねらいなど
 を書いておくとよい。 
七 作文の処理と評価
 (一) 処理
  1 下書きとして最初に書いた作品は、できれば教師が
   ひととおり見て、次の時間の推考に役だつような評を 
     書いておくとよい。
  2 清書した作品には、前述したように教師が前もって
   プリントをしておいた印刷物をつけて父母に見せるよ
   うにする。家の人に評を書いてもらうのも一つの方法
   だろう。
  3 下書きとして残った作品は教師が評価に役だてる。
  4 児童の学習や、学級生活の向上に役だつと思われる
   作品は、当人の了解を得て発表するのもよい。しかし
   原則としてはその必要はない。
 (二) 評価の観点と基準
  1 友だちに対する気持が書かれているか。
   A 友だちに対して感じたこと、考えたことが作文を
    通じて深められている。
   B 友だちに対して感じたことや考えたことは書かれ
    ているが断片的で浅い。
   C 友だちについて書くことがらも少なく、感じたこ
    とや考えたことが書かれていない。
  2 考えをまとめて、長くかけているか。
   A よくまとまり、かなり長く書けている。
   B 長く書けているがまとまっていない。
   C 書いていることが断片的で短い。

   (九) 一   月  

160

機  能  日常生活の経験を広め深めるために書く。 
学習活動
学習事項



題材例 
 遊びの経験を書く。
1 書こうとすることがらを、はっきりさせて
 から書くこと。
2 心情を書き表わすこと。
3 すいこうすること。
 おにごっこ 雪がっせん たこあげ はねつ
 き なわとび 

    単元 なわとび

一 単元について
 冬休み、そしてお正月と、さまざまな行事や遊びの多いこ
のころの季節は児童たちにとって、豊かな、楽しい経験でみ
ちみちている日々といえるだろう。
 この単元は、このような児童の家庭や近所での遊びの経験
を文章に書いたり、遊びのことを書いた児童の生活文を読ん
だりして、日常の生活経験を広めたり深めたりする機能をも
っている。
二 単元の学習目標
 冬の遊びについて書かれた文章を読み、自分の経験を書い
て、経験を深め豊かにする。
三 単元の学習内容
 (一) 学習活動 
    1 遊びの経験を文章に書く。
  2 教材「スキー」 (児童文)を読む。
  3 自分の作文を直す。
  4 書いた作文を読み合って楽しむ。
 (二) 学習事項
  1 楽しかったことをくわしく書くこと。
  2 かなり長い文章を書くこと。
  3 書こうとすることをはっきりさせてから書くこと。
  4 心情を書き表わすこと。
  5 推考すること。
  6 「、」や「。」]や、送りがなに注意して書くこと。
  7 読みとったことに感想をもつこと。
  8 文章を読んで、よく書けているところを抜き出すこ
   と。
四 この単元に用意された教材
 この単元に用意された「スキー」は、東北地方の児童が冬
の生活経験を書いた文章である。
 この作品は、作文を書く導入教材として取り扱わないで、
まず自分たちで作文を書き、次に友だちの作文としての教材
を読み、その表現の内容や、方法を参考にして再び自分の作
文の表現について考える指導過程を計画した。
五 単元の指導計画(総時数7時間)
 1 遊びの経験を文章に書く。……作文指導第一時……1
 2 教材「スキー」読む。…………………………………4  

 161

 3 自分の書いた作文を直す。……作文指導第二時…┬2
 4 書いた文章を読み合って楽しむ……………………┘
六 作文学習指導の展開
 (一) 作文指導第一時
  学習目標 遊びの経験を作文に書いて、日常生活を楽し
   く豊かにする。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
① 書くことがらをはっ
 きりさせる。(5分)
T うちでこのごろどん
 な遊びをしますか。
C たこあげ
C なわとび
C こおりすべり
T きょうは、うちで遊
 んでおもしろかったこ
 とを作文に書いてみま
 しょう。どんなにおも
 しろかったかをくわし
 く書いてください。
② 遊びの経験を作文に
 書く。   (35分)
T 書くことが決まった
 人から書きはじめまし
 う。
○書こうとすることがらをはっ
 きりさせてから書くこと。
・三年生も終わりに近づいたの
 であるから、「きのう遊んだ
 こと」のように、時間の流れ
 のままに書くことなく、おも
 しろかったこと、楽しかった
 ことを中心にした一つの遊び
 の経験に焦点をおいてまとま
 った文章を少しずつ書かせる
 ような学習が必要になってく
 る。そして、その中で特にく
 わしく書く部分を考えて書く
 ようにしたい。
○楽しかった遊びのことを文章
 にくわしく書くこと。
○かなり長い文章を書くこと。
 
 
  できるだけ書くこと
 を一つの遊びにきめて
 書きましょう。
③ 書き終わったら読み
 直す。   (5分)
T 書けた人は黒板を見
 て自分の作文を直しま
 しょう。
T 自分が書こうと思っ
 たおもしろかったとこ
 ろの右がわに線を引い
 て読みかえしてみまし
 ょう。書きたりないと
 思ったら書き加えまし
 ょう。
T できた人は出してく
 ださい。
○心情を書き表わすこと。

<板書事項>
・たこあげ  ・こま
・なわとび  ・○○ごっこ
・こおりすべり ・はねつき
・かるたとり ・雪だるま

<板書事項>
・おもしろかったことを書い
 たところに――を引きまし
 ょう。
・「、」や「。」や漢字を見
 なおしましょう。
・だいのつけ方はよいか。
・書きたりないところはない
 か。いらないことばはない
 か。 
*教材「スキー・」を読む時、作者の楽しい様子や、遊んだこ
 とがくわしく適切に表現されている部分を抜き書きさせた
 り話し合ったりすることによって前時に書いた自分の作品
 に対する反省ともなるような指導がなされなければならな
 い。特に、前時に書いた作文の中で、おもしろかったこと
 を書き表わそうとした部分(――の所)で表現不十分な点 

 162

 や特に注意を必要とする部分は一斉に全児童の前でとりあ
げて表現についての練習が必要である。
 (二) 作文指導第二時
  学習目標 自分で書いた作文を読み直し、書く目的に応
   じた推考ができるようにする。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
① みんなで推考の練習
 をする。  (20分)
T 次のような文はどう
 なおせばよいでしょう
 か。
イ おとうさんが帰っ
 てきておもしろいこ
 とを言ったのでみん
 な大わらいしました
ロ うらのにわで、み
 んなでさわいでいま
 した。
 
C イは「おもしろいこ
 と」というのをどんな
 ことをいったのか言っ
 たように書けばよくわ
 
・三年生後期になると、児童は
 「おもしろい」とか「きれい」
 といったことばを多く使うよ
 うになる傾向がある。したが
 って、表現を具体的にするよ
 うに指導しなければならな
 い。ここでは、自分の作文を
 推考する前に、教材「スキ
 ー」を読み、そのよい表現を
 抜き書きしたり、話し合った
 りして学習すると同時に、よ
 くない例「イ、ロ」を示して
 考えさせ推考の練習をさせ
 る。
・このころになると児童も大部
 分が無意識のうちにことがら
 ごとにまとめながら文章を書
 くようになってくるので、プ
 
 
 かる。
C ロは、「で」という
 字が三つもあるからか
 えればよい。
② 自分の作文を推考す
 る。    (25分)
Tこの前に書いた作文
 をもう一度読み返して
 みましょう。おもしろ
 かったことや、感じた
 ことがくわしく書けて
 いるかどうかみてくだ
 さい。
 「、」や「。」や漢字
 にも気をつけましょう
③ 次時予告
T 次の時間は、みんな
 で友だちの書いた作文
 を読んでみましょう。
 リン卜などで短い単純な児童
 文を示し、初歩的な文章構造
 (段落)を考えさせてもよい。

○自分の作文を推考すること。
○「、」や「。」や送りがなに
 注意して書くこと。
○心情を書き表わすこと。
・前もって見ておいた児童作品
 の中に特に個別指導を必要と
 する者のところに行って注意
 を与えるように心がける。
・推考の観点は一時間めに書い
 た項目でよい。
  小黒板にでも書いておくと
 便利である。
 

七 作文の処理と評価
 (一) 処理
  1 作文指導第一時に書いた作品は、児童自身が楽しか
   った遊びの描写の部分に線を引いてあるので、これを
   手がかりにして表現の不十分な点やよい点を見つけ、 

 163

  次の推考のための手がかりに利用するとよい。
 2 よく書けた作品は、最後の指導時間(第七時)に指
  名して読ませるようにする。
 3 完成した全作品は、とじて教室内におき、だれでも
  読めるようにしておく。
 4 学級文集にのせたり、個人文集として各自に持たせ
  るのもよい。
(二) 評価の観点と基準
 1 おもしろかったこと、楽しかったことがよく表現さ
  れているか。
  A おもしろかったことや楽しかったことが適切に表
   現されている。
  B おもしろかったことや楽しかったことは書かれて
   いるが具体性に乏しい。
  C 遊んだことがらの羅列である。
 2 書こうとしたことがらをよくまとめて書いている
  か。
  A まとめてよく書けている。
  B 長く書けているが、まとまりがない。
  C 書いていることが断片的である。


   (十) 二  月
 
機  能   生物に対する愛情を育て、心情を豊かにす
るために書く。 
学習活動
学習事項



題材例
 
 生物についての経験を書く。
1 気持ちを書き表わすこと。
2 書こうとすることがらをはっきりさせてか
 ら書くこと。
3 よく見て書くこと。
 お花のせわ うちのどうぶつ 学校の小鳥
 牛 いぬ 

    単元 かわいい どうぶつ

一 単元について
 このごろの児童の傾向として、動物に対する興味や関心が
強い。家に飼われている小動物のせわをしたり、いっしょに
遊んだりした経験は、ほとんどのものがしていると考えてよ
い。
 この単元は、このような児童の生活経験を書くことによっ
て、動物への愛情をいっそう深める機能をもっている。
二 単元の学習目標
 身近にいる動物についての文章を書いたり読んだりして、
動物に対する親しみや愛情を育てる。
三 単元の学習内容
 (一) 学習活動 

164

  1 動物のせわをしたことや、感じたことや考えたこと
   を文章に書く。
  2 書いた作文をみんなで読み合う。
  3 教材「いなくなった しじゅうがら」を読む。
 (二) 学習事項
  1 気持ちを書きあらわすこと。
  2 書こうとすることがらをはっきりさせてから書くこ
   と。
  3 よく見て書くこと。
  4 「、」や「。」や送りがなに注意して書くこと。
  5 読みとったことについて感想をもつこと。
四 この単元に用意された教材
 この単元では「いなくなった しじゅうがら」を読解教材
としてとり上げた。
 この教材は、しじゅうがらに対する作者の愛情が中心にな
ってえがかれている児童作品である。
 一般には、初め、教材を読んで後に自分たちの身近な動物
のことを作文に書くという学習計画を立てている。ここで
は教材を作文の導入として取り扱わないで、まず自分たち
の生活経験を文章に書いてみんなで読み合い、その発展と
して教材を読んでいっそう動物への愛情を深めようと考え
た。
五 単元の指導計画(総時数8時間)
 1 自分たちの身近に飼われている動物について 
    話し合う。………………………………作文指導第一時
  ・どんなものがいるか。         (15分)
  ・何について書きたいか。
 2 動物を題材にして作文を書く。……作文指導第二時1
 3 できあがった作品をみんなで読み合う。……
  ………………………………作文指導第三時……………1
  ・みんなの前で読んだり、おたがいに読み合ったりして
  気づいたことを話し合う。
 4 作文をまとめる。………作文指導第四時……………1
  ・話し合ったことをもとにして自分の作文をまとめる。
 5 「いなくなった しじゅうがら」を読む。…………3
 6 動物のことについて再び話し合う。…………………1
  ・考え方、見方がどうかわったかなど。
六 作文学習指導の展開
 (一) 作文指導第一時(一五分)
  学習目標 自分たちの身近に飼われている動物たちにつ
   いて、せわをしたことや、感じていることなどを作文
   に書こうとする心構えができる。

学 習 活 動  学習事項および留意点 
① どんな動物が家や近
 所に飼われているか話
 し合う。  (2分)
・飼っている動物の名を発表す
 る程度にとどめる。くわしく
 説明させたり話し合わせたり 
 

 165

T みなさんのうちでは
 どんなものを飼ってい
 ますか。
C うさぎ
C 小島
C 牛
② なんについて書くか
 を考える。 (8分)
T せわをしたり、かわ
 いがっている動物の作
 文をこの次の時間に書
 きましょう。
  どんなことについて
 書いたらよいかきめま
 しょう。





T 作文のだいのきまっ
 た人から、ノートに書
 いてみましょう。
T ノートに書けた人は
 発表してください。
 
 してしまっては作文に書いて
 伝え合う必要性が少なくなる




○書こうとすることがらをはっ
 きりさせる。
・かわいい動物ばかりでなく牛
 や馬などのように家の仕事の
 役にたつ動物などについても
 目を向けさせ、書かせるよう
 に指導するのもよい。
・自分のうちや近所に、書こう
 とするものがいないものには
 学級や学校で飼っている動物
 について書かせたり、家でま
 えに飼ったことのある動物に
 ついて書くように指導するの
 もよい。
・ノートに書いている状況を見
 て、困っている児童には相談
 にのるようにする。
・題名には「いぬ」「とり」な
 どから「うちのいぬ」「学校
 の小鳥」や、さらに主題が題 
  
<板書事項>
・うちのうさぎ
・手のりぶんちょう
・病気になったクロ
・よくはたらくうちの
 牛 





③ どんなことを書いた
 らよいか考える。
       (5分)
T みなさんはだいたい
 書くことがらもきまっ
 ていると思いますが、
 もう一度考えてみよう
 どんなことを書きたい
 か、簡単に話をしてく
 ださい。
C えさを あげるとき
 や、小屋のそうじをし
 てあげたときのことを
 書きたい。 
 名にあらわれた「よくはたら
 くうちの牛」[かわいいクロ」
 まである。「いぬ」 「とり」
 などはよくないとしても、主
 題的な題名をつけて主題で内
 容を統一して書くことは、こ
 の学年としては困難であるか
 ら、これにこだわらず、「う
 ちの○○」の程度にとどめ、
 ここでは書こうとする動物を
 きめることに重点をおいたほ
 うがよい。
・児童が題名を決定する過程は
 題名をきめてから書く内容を
 きめるのではなく、まず書く
 内容がきまってから、その内
 容をまとめる題名が考えられ
 るのが普通である。
  従って、ここで題名につい
 て軽くではあるが取り扱うこ
 とは、書くことがらについて
 次第に具体的に考えさせるこ
 とになる。
・ばく然とではあるが、書くこ
 とがらが、それぞれきまって
 きたとみてよい。このような 

 166

C いぬの散歩に行くと
 きのことと、病気にな
 ったときのことを書き
 たい。
T まだ いろいろある
 ことでしょうが、どん
 なことを書いたらよい
 かをこんどの時間まで
 にはっきりきめてから
 書くようにしましょう
 
 時、発表させることによって
 いっそう 書くことがらを明
 確化できる。また、書く対象
 は、それぞれ異なっても友だ
 ちの発表を聞くと、自分の書
 くことがらについての観点を
 決めるうえに参考になる。
 
 (二) 作文指導第二時
  学習目標 身近に飼われている勳物たちについて作文を
   書き、動物に対する愛情を育てる。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
① 書くことがらを確か
 める。   (5分)
T きょうは、どんなこ
 とについて作文を書く
 のでしたか。
C うちや、学校にいる
 動物のことを書く。
T 書き終わったら、み
 んなで読み合いましょ
 う。きっと、友だちの
 
○書こうとすることがらをはっ
 きりさせる。
・前時に、各自が書く題名と書
 くことがらをノートに記録し
 てあるので、これを出させて
 もう一度、確かめさせるよう
 にするのがよい。
・ここでまた前時に扱ったこと
 を長く繰り返すことはさけて
 児童に書こうとする意欲を持
 
 うちにどんな動物がい
 て、どんなことがあっ
 たかがよくわかります
 よ。
② かわいい動物につい
 て作文を書く。
       (30分)
T 今から作文を書きま
 すが、書くことがたく
 さんある人は長く書い
 てください。また、つら
 かったことや、うれし
 かったことなど思った
 ことも書きましょう。
③ 書いたものを読みな
 おす。    10分)
<板書事項>
・感じたこと考えたこ
 とが書けたか。
・書き落としや、書き
 たりないところはな
 いか。
・「、」や「。」を落
 としてはいないか。
・お話のところに「 」
 
 たせればよい。そして。でき
 るだけ作文を書く時間を多く
 するように心がけたい。
○かなり長い文章を書くこと。
○動物に対する自分の気持ちが
 文章に表現できること。
○「、」や「。」や、送りがな
 に注意して書くこと。
・ノートのメモを見ながら書か
 せるほうがよい。
・漢字を多く使おうとか表記の
 面で気を使いすぎないように
 配慮する。
・記述中は、書き出せない児童
 や想の停止して書けない児童
 に「何と言ったの。」[だれと
 行ったの。」「メモを見て…」
 などと助言する。
・何人かの児童が書き終えたこ
 ろを見はからって上記の、推
 考のための観点を板書する。
 このとき、まだ書いている児
 童のじゃまにならないように
 する。
 

167

をつけたか。 


T 読み返して、できた
 人から先生に見せてく
 ださい。
T この次の時間は、み
 んなの前で、書いた作
 文を読んでもらったり
 友だちと作文を取り替
 えて読み合いましょ
 う。
 
 (三) 作文指導第三、四時
  学習目標 友だちの作品をみんなで読み合い、感じたこ
   とや気づいたことを話し合い、動物に対する愛情を深
   めるとともに、正しい文章の書き方を理解する。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
① 前時に書いた作文を
 読み合う。 (25分)
T 自分の書いた作文を
 三人以上の友だちと取
 り替えて読み合いまし
 ょう。
  読んで感じたことや
 気づいたことは後ろに 
○読みとったことについての感
 想を持つこと。
○「、」や「。」のうちかたや
 送りがなについて注意して読
 むこと。
・時間的にできるだけ多くの児
 童と交換させるとよい。
・後ろに書く時は、書いた人の 
 
 書いてあげよう。
② みんなの前で読む。
       (20分)
T いま皆さんが読み合
 った作品の中でよかっ
 た作品をいってくださ
 い。
T ○○くんに読んでも
 らいます。みんなで聞
 いて、よいところや思
 ったことをあとで話し
 てください。
T よかったことや、気
 づいたことを話してく
 ださい。
C ○○くんは小鳥をと
 てもかわいがっている
 のでえらいなあと思い
 ました。
C えさを食べるときの
 様子がよくわかってお
 もしろかった。
T 次は○○さんに読ん
 でもらいます。 
 名を書かせると参考になる。
・教師は、参考例となるいくつ
 かの作品を前もって調べてお
 くとよい。
 
 
 
・読む児童は、前に出て読ませ
 るようにする。
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
・こうして同じように三、四編
 くらい読み、話し合う。
 
①推考する。 (40分)  ・ここから第四時になる。 

 168

T 後ろに書いてもら。
 たことや、読んで話し
 合ったことをもとにし
 て、もう一度読み返し
 て書き加えたり、いら
 ないところはけずった
 りしてください。
T できた人は先生まで
 出してください。みん
 なの作品をまとめてと
 じておきますからあと
 で読んでください。
② 次時予告 (5分)
 次の時間は教科書の
 「にげたしじゅうがら」
 を読みます。 
 
 
 
 
 
 
 
・表紙をつけ、適当な題と日付
 を書いて教室の読みやすい場
 所にさげておく。
 

七 作文の処理と評価
 (一) 処理
  1 第一回に書いた作品は教師が一とおり目をとおし
   て、参考となるものを書きとめておいて、次の時間に
   指名して読ませるようにする。
  2 評は、児童がお互いに書き入れるので教師は書かな
   いようにする。
  3 完成した作品は、まとめて教室の後ろにさげておい
    て、みんなが読めるようにしておく。
  4 一年の終わりになって急に文集を作ったりしないで
   これらをあとでまとめて個人文集に加えるとよい。
  5 よい作品は、校内放送などで放送したり、掲示した
   りするのもよい。
 (二) 評価の観点と基準
  1 動物に対する心情が表現されているか。
   A 動物に対する深い認識がえがかれている。
   B 動物に対する愛情は深いが表現不十分
   C 動物への関心がうすく、経験も、書くことがらも
    少ない。
  2 よく見て書いているか。
   A 動物について習慣や形や特徴などがくわしく書か
    れている。
   B 動物の形や行動について書かれてはいるが具体性
    に乏しい。
   C 動物についての描写が浅く、観念的である。


   (十一) 三  月

機  能   生活経験を広め、深めるために書く。 
学習活動
学習事項
 
 学級文集を作る。
1 書こうとすることがらをはっきりさせてか
 

169

 
 
 
 
題材例
 
 ら書くこと。
2 編集のしかたについて基礎的なことがらが
 わかること。
3 原稿用紙の使い方になれること。
 わたしたちの先生   もうすぐ四年生
 

    単元 学級文集を作ろう

一 単元について
 三年生もやがて終わろうとする三月、児童は学校生活の一
年間をまとめる時期にきている。また多くの学校では三年生
から四年生にかけて、クラスの編成がえの時期にもあたって
いる。
 このような時に三年生の一年間、場合によっては一年生の
入学の時から三年間のことを後の思い出のために文章に書い
たり、今までに書いた作品を集めたりして記念の文集にする
必要もおきてくる。
 この単元は、このような立場から文集を作ってみんなで読
み合い、日常の生活経験を広めたり、深めたりする機能をも
っている。
二 単元の学習目標
 三年生の思い出の学級文集を編集して、学級生活を楽しく
豊かにする。
 (一) 学習活動
  1 教材「わたしたちの文集」を読む。
 
    2 文集を作る計画を立てる。
  3 文集にのせる作品を書く。
  4 文集を編集する。
  5 でき上がった文集を読み合い話し合う。
 (二) 学習事項
  1 書こうとすることがらをはっきりさせてから書くこ
   と。
  2 編集のしかたについて基礎的なことがらがわかるこ
   と。
  3 原稿用紙の使い方になれること。
  4 自分の考えや感じを文章に書こうとすること。
  5 文章を書くために必要な文字や語句をいっそう確実
   に身につけるようにすること。
  6 段落を考えて書くこと。
  7 要点をおさえて読むこと。
三 この単元に用意された教材
 この単元では「わたしたちの文集」を取り上げた。この教
材は、二部から成り立っていて、前半は文集を学級で作ろう
とする必要性や作品の題材についての話し合いにはじまり、
文集作成上の留意事項が書かれている。後半は文集の児童作
品例が三つ書かれていて、教材全体としては、学級文集を作
るための導入教材としての機能をもっている。
四 単元の指導計画(総時数10時間)
 1 教材「わたしたちの文集」を読む。…………………4
  

 170

 2 学級文集を作る計画を立てる。……作文指導第一時1
 3 文集にのせる作文を書く。……作文指導第三、四時3
 4 文集を編集する。……………………作文指導第五時1
 5 でき上がった文集を読む。……………………………1

五 作文学習指導の展開
 教材「わたしたちの文集」を読む場合の児童の構えは、自
分たちが文集を作るという立場から文集作成の必要性や文集
の組み立てをとらえていくような読みや話し合いが必要であ
る。
 (一) 作文指導第一時
  学習目標 三年生の時の思い出として、みんなで学級文
   集を編集する計画を立てる。

学 習 活 動  学習事項および留意点 
① 学級文集にのせる作
 品について考える。
        (25分)
T 「わたしたちの文集」
 を読んできましたが、
 わたしたちも三年生の
 時の思い出として文集
 を作ってみましょう。
  みなさんは、どんな
 ものを書きたいですか
C 先生のこと
 
・ここでは主題文集としての立
 場をとる。従って単に作品を
 集めるのではなく三年生の思
 い出となることがらをみんな
 で手分けをして書いたりそれ
 までに書いておいた作文を選
 び出したりし、編集する方向
 に学習を進める。
 
 
C 友だちのこと
C わたしたちの教室の
 こと。
T その中からどれかき
 めて書くことにしまし
 ょう。
T 文集には、これより
 ほかに今までに書いて
 とってある作品もあり
 ます。どんなものがあ
 りますか。
C「わたしのかかり」
C 「ねんどざいくの時
 間」
T それらの中からもい
 くつかを選んでのせま
 しょう。ほかにまだの
 せたいものはありませ
 んか。
T 選んだり書いたりす
 る作文はだいたいきま
 りましたが、ほかにの
 せるものはありません
 か
C 学級日記を見て学級
 の一年間のおもなでき
 
・のせる作品は、左記の話し合
 いのような題材ばかりでなく
 特に一年間を通じて、クラス
 や学校としての大きなできご
 となどがあれば書いておくの
 もよい。時間的にあまり過去
 のものについては、児童自身
 のなまなましい記憶もうすれ
 ているので考慮する必要があ
 る。

・この文集が思い出としての働
 きを果たすためには、いわゆ
 る生活作文ばかりではなく手
 紙があったり、詩があったり
 できごとが記録されてあった
 りすることも望ましい。
  そこで上記のように、でき
 ごとに伴う手紙、詩、一年間
 のおもなできごとを客観的に
 記録したものなどを選ぶ。た
 とえば
 四月
  山田光男君が東京から転校
  してきた。めがねをかけて
  せいが高い。よくできそう
 

171

 ごとをのせるとよい。
C 先生のことばがある
 といい。
②作品以外で考えてお
 くことについて話し合
 う。    (15分)
T あと、どんなことに
 気をつければよいでし
 ょうか。
C 文集の名をきめる。
C カットを入れる。
C 表紙を書く人をきめ
 る。
C 文集の委員をえらび
 作品の順序などをきめ
 る。
T これらのことは、作
 品ができあがってから
 みんなで協力してしま
 しょう。
③ 次時予告  (5分)
T 次の時間にはみんな
 で作文を書いてもらい
 ます。
 
  だ。
 七月
  みんなで待ったぼくたちの
  プールがやっとできた。す
  きとおった青い水にみんな
  の笑っている顔がうつって
  のびたりちぢんだりした。
 といった記録もおもしろい。
 
 
 
 
 
 
 
 
○書くことがらをはっきりさせ
 る。
 
 (二)、作文指導第二、三、四時 
    学習目標 三年生の思い出として文集にのせるための作
   文を書き、学級生活の経験を広め深める。

学 習 活 動  学習事項および留意点 
① 書くことがらを確か
 める。    (25分)
T きょうは文集にのせ
 るための作文を書きま
 しょう。先生のことを
 書く人は、どんなこと
 を書こうと思っていま
 すか。
C 先生の顔や、せいの
 高さや、勉強を教えて
 くれる時のこと。
 
 
 
 
T 友だちのことを書く
 人はどんなことを書き
 ますか。
C OOくんと遊んだ時
 のこと。
C OOくんとけんかを
 
○書こうとすることがらをはっ
 きりさせてから書くこと。
○自分の考えや感じを文章に書
 こうとする態度を育てるよう
 すること。
○目的をはっきりさせて書くこ
 とができるようにすること。
○段落を考えて書くこと。
・児童は、いくつかの題材を例
 にあげると、書く範囲がひろ
 がって書きいいようにも考え
 られるが、実際はそのために
 どれにしようかと迷い、不安
 定なままで書きはじめる児童
 の出ることも考えられる。
・書く以前に、書くことがらに
 ついて確かめたり、どんなこ
 とについて書くかを前もって
 メモさせたりして心構えをし
 っかりと作らせ、迷わずに書
 き進めるような配慮も必要で
 

172

 して悪かったと思って
 いること。
 ┌「ぼくたちの教室」
 │「四年生になったら」
 │についても同じよう
 └に扱う。
② 作文を書く。(50分)
T 書くことが決まった
 人からメモを見て書き
 はじめてください。
<板書事項>
・考えたことや感じた
 ことが書けているか
・話のまとまりごとに
 行をかえて書けてい
 るか。 
③ 書いたものを読み返
 す。     (15分)
T 書けた人は板書を参
 考にして直しましょう
T 次の時間には、みん
 なで読み合って直し合
 い、清書しますので一
 度先生に出してくださ
 い。 
 ある。
・教師は書き出せない子や想の
 停止して発展しない者の所に
 行き、「だれのことを書くの
 か。」「どこで遊んだか。」「ど
 んなことを言ったか。」など具
 体的な話を持ちかけ書くこと
 がらを発展させるように仕向
 けてやることもたいせつであ
 る。
・推考する目あては静かに板書
 するか、あらかじめ黒板に書
 いておくかしたほうがよい。
 
 
 
 
○文章を書くために必要な文字
 や語句をいっそう確実に身に
 つけるようにすること。
・作文の二、三時間は連続した
 時間を取って書かせるように
 計画を立てた。作文を書いて
 いる途中で時間が切れるとい
 うことのないようなくふうが
 望ましい。
 
④ 友だちどうしで作文
 を読み合う。(15分)
T 三人以上の友だちと
 作文を取り加えて読み
 合いましょう。気づい
 たことを後ろに書いて
 あげましょう。
⑤ 清書する。(25分)
T 三人以上の友だちに
 見てもらった人から新
 しい原稿用紙に清書し
 て出してください。
⑥ 次時予告 (5分)
T 次の時間は文集の名
 前と、文集の編集委員
 と表紙絵を書く人など
 を決めますので考えて
 おいてください。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
○原稿用紙の使い方になれるこ
 
 
○段落を考えて書くこと。
 
 (三) 作文指導第五時
  学習目標 文集の名前や項目について話し合い、協力し
   て文集を編集する学習をとおして、その基礎的なこと
   がらがわかる。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
① 編集委員や表紙絵  ○文集の編集について基礎的な 
 

173

 カットを書く人や文集
 の名前などを決める。
       (25分)
⑧ 文集の編集について
 話し合う。 (15分)
T 文集に、どんな順序
 で作品をのせるとよい
 でしょうか。
C 初めは先生のことば
C 次は作品
C 次は三年生の時のお
 もなことがら。
T 前の時間に書いた作
 文よりほかに前から取
 ってある作文やお見舞
 の手紙などから何を選
 んで出すかは編集委員
 にまかせましょう。ほ
 かに何か付け加えるも
 のはありませんか。
C 前がきやあとがきが
 あるとよい。
C 目次もあるとよい。
C 前がきは「先生のこ
 とば」があるのでなく
 てもよいと思う。
 ことがらがわかる・
・文集には、学級文集、グルー
 プ文集、個人文集が考えられ
 るが、ここでは学級文集をと
 りあげてきた。
  学級文集でも、原稿用紙に
 清書したものに、表紙をつけ
 たりカットを入れて一冊にと
 じて回覧するものと、これを
 印刷して私物にする場合が考
 えられるが、三年生としては
 印刷能力も低いし、実際には
 困難なことなので、ここでは
 前者をとった。しかし学級が
 解散するとかの特殊事情や、
 予算の裏づけがあるなら印刷
 物にして、記念として長く個
 人で保存することも望ましい
 ことである。
・文集の名の例
  つくし あしあと
  思い出 たんぽぽ
・言うまでもないが作品は全員
 のものをのせるようにしなけ
 れば意味がない。
・作品を載せる順序であるが、 
 
T それでは、あとがき
 や目次を編集委員の人
 に書いてもらいましょ
 う。
<板書事項>
・もくじ
・先生のことば
・作文
・三年生の時のこと
 がら
・終わりのことば 
③ 次時予告 (5分)
T きょう決まった係の
 人たちで編集してもら
 います。次の時間は、
 でき上がった文集をみ
 んなで読み合って話し
 合いましょう。
 
名簿順に載せる場合と「題材
ごとにまとめて載せる場合が
考えられる。
 後者の場合には、最も多く
書かれた題材を中心にして、
他のものを変化を与えるため
に適当におりまぜて編集する
方法もくふうすればおもしろ
い。
六 作文指導
 (一) 処理
  1 教師は、最初に書きあげた作品をひととおり見て、
   児童の共通的な問題点について書きとめておき、児童
   が互いに推考する時の手がかりとして指示する。
  2 児童が相互に読み合うことによって、かなり行きわ 

 174

   たった推考が行なわれる。
 3 評は、児童がお互いに書き入れるので教師は書かな
  いようにする。
 4 でき上がった文章は、みんなで読み合い、編集のし
  方や題材や内容について話し合い、反省する。
 5 印刷して、各自で文集を持った場合は、思い出とし
  て長く保存して学校生活をいっそう価値あるものにす
  る。
(二) 評価の観点と基準
 1 考えたり感じたりしたことが文章に書けているか。
  A 自分の考えたことや感じたことが卒直に表現され
  ている。



   三 四年の作文指導の実践 

     (一) 四  月

機  能   心情を伝達するために書く。 
学習活動
学習事項
 
 
 
題材例
 
 転校した友だちに手紙を書く。
1 なつかしい気持ちや親しみの気持ちをこめ
 て書くこと。
2 用件を落さずに明確に書くこと。
 学校の様子 新しい学級
 
   B 考えていることや感じていることが明らかでな
  い。
 C 自分の考えたことや感じたことが、ほとんど書か
  れていない。
2 話のまとまりごとにわけて書けているか。
 A 話のまとまりごとに段落を考えて書けている。
 B かなり長くは書けているが書くことがらがまとま
  っていない。
 C 書くことがらも少なく、まとまっていない。









  新しい先生と友だち 北海道の様子
鹿児島の様子 わたしたちの学級新聞
 

   単元 転校した友へ

一 単元について
 児童は転校した友だちや、見知らぬ友だちの生活に親近感
や好奇心を持ち、文通することに興味を抱くものである。
 これは、単なる好奇心ではなく、友情や協力などの社会的
   

 175

意識が芽ばえてきたものだと考えられる。
 この単元は、学級の様子を知らせ合う活動をとおして、遠
く離れた友だちと友情を温め合って、生活を高め、豊かにし
て児童の社会意識を育てていくためのものである。
二 単元の学習目標
 よその学校の友だちと新学期の気持ちや学校の様子を手紙
で知らせ合うことによって、友だちに対する親しみや協力の
気持ちをのばし、社会性を育てる。
三 単元の学習内容
 (一) 学習活動
  1 「(一)西田君の手紙」を読む。
  2 「(二)みんなの返事」を読む。
  3 「「、」や「。」のうち方」を読む。
  4 手紙を書く。
  5 清書して投函する。
 (二) 学習事項
  1 考えをまとめながら話すこと。
  2 必要なところ、細かい点に注意して読むこと。
  3 なつかしい気持ちや、親しみの気持ちをこめて書く
   こと。
  4 相手を考えて書くこと。
  5 用件を落とさずに明確に書くこと。
  6 手紙の書式がわかること。
  7 文字の大きさや配列に気をつけて書くこと。 
    8 相手の気持ち、知らせる用件などの観点から推考す
   ること。
  9 進んで手紙を書くこと。
四 この単元に用意された教材
 (一) 「(一) 西田君の手紙」
   転校した学校の様子、学級生活の近況や、交歓の気持
  ちをこめて級友の手紙や写真を同封したことを知らせた
  手紙。この教材を読むことによって、西田君への友情を
  感じ、返事を書こうとする意欲が高まってくる。また、
  消息をわかりやすく伝えたりするためには、どんなこと
  に注意して書いたらよいか。自分の気持ちを相手にわか
  らせるためには、どんな書き方をしたらよいか。等を理
  解する。
 (二) 「(二) みんなの返事」
   西田君とその学級の友だちへのお礼の手紙。この教材
  を読むことによって、これからなかよく手をつないでい
  くことのたいせつなことがわかる。
 (三) 「「、」 「。」のうち方」
   正しい句読点のうち方について述べた文章である。こ
  の文章を読むことによって、意味を正しくつかむため、
  読みやすくするために句読点のうち方にはくふうが必要
  だということを理解し、手紙文の推考に役だてる。
五 単元の指導計画(総時数8時間)
 (一) 転校した友だちに手紙を出す 

176

  計画を立てる………………………………………1
 (二) 教材 「西田君の手紙」を読む……………2
 (三) 教材 「みんなの返事」を読む……………2
 (四) 手紙を書く。……作文指導第一時…………1
  1 手紙を書く計画を話し合う。
  2 書く内容について話し合う。
  3 手紙を書く。
 (五) 推考する。………作文指導第二時…………1
  1 どんなことに注意して推考したらよいか話し合う。
  2 前に書いた手紙を交換して読む。
  3 相互推考をする。
  4 各自、推考する。
 (六) 清書して投函する。……作文指導第三時…1
  1 清書する。
  2 封筒にあて名を書く。
  3 投函する。

六 作文の学習指導の展開
 (一) 作文指導第一時
  学習目標 友情を深めるための手紙は、どのような内容
   をどんな書式で書けばよいかを理解する。

学 習 活 動  学習事項および留意点 
① 本時の学習の目的に
 ついて話し合う(5分) 
・本時の学習目標をはっきりつ
 かませる。そのためには、現
 
 
T この時間の学習の目
 あては何ですか。
C 転校した友だちへ手
 紙を書いて、これから
 もなかよくする。
T 山川君から来た手紙
 を読みましょう。
T この手紙を読んでど
 んな気持ちがしました
 か。
C 山川君の生活の様子
 がわかって、ほっとし
 た。
C 山川君に手紙を出し
 て、はげましてやりた
 い。
T きょうは、山川君に
 手紙を書くことにしま
 しょう。
 
 
 
 
② 書く内容について話
 し合う。  (10分)
T どんなことを書いた 
 在までの学習の流れを話させ
 この時間に何をするかを予想
 させる。
 (ここでは、三年のとき転校
 した山川君から学級一同へ手
 紙が来たという仮定で展開す
 る。)
・山川君からの手紙はプリント
 して配布しておく。
・手紙をもらったときの気持ち
 をはっきり話させるようにす
 る。
・(一)、(二)の教材と関連させ
 て学習を進める。
 (転校した児童がいない場合
 は、違った地域の特性が理解
 できるように、できるだけ、
 離れた地方の学校の児童と文
 通するように計画を立てる。)
・手紙は何のために書くか。そ
 の必要を感じさせるように配
 慮し、この時にどんなことを
 したらよいか自覚させる。
○どんな内容を書いたらよいか
 考えること。
・山川君の手紙の内溶に対して 
 

177

 らよいと思いますか。
C 山川君が知らせてほ
 しいと書いてあること
 について書きます。
C 山川君の学級の友だ
 ちのために、この地方
 の様子やこのごろので
 きごとも知らせたい。
・山川君の知りたいこ
 と。(用件)
・山川君との思い出。
・学級のこと。
・学校のこと。
・この地方の様子。 
 
 
 
③ 手紙を書く(30分)
T 今まで話し合ったこ
 とをもとにして、山川
 君に手紙を書きましょ
 う。
T 次の時間には、推考
 します。
 どんなことを書いたらよいか
 をはっきりさせる。
・教材「(二) みんなの返事」を
 黙読によって内容を分類させ
 てみる。(知らせること。お
 願いすること。近況報告など)
○何のために、どんなことを書
 けばよいかを理解すること。
・転校した山川君にどんなこと
 を知らせれば喜び、おたがい
 の友情を深めていくことがで
 きるか、また学習に役だつか
 をはっきりさせて指導する。
・児童が発表したことをまとめ
 て板書する。
・板書した項目について、もう
 一度具体的にどういう内容か
 を考えさせる。
○山川君に対するなつかしい気
 持ちや、親しみの気持ちをこ
 めて書くこと。
○用件を落とさず、明確に書く
 こと。
○相手を考えて書くこと。
・時間がきたら、書くのをやめ
 させ次時の予告をする。
   (二) 作文指導第二時
  学習目標 自分の書いた手紙を推考することによって、
   目的に即した手紙の内容と形式がわかり、なおいっそ
   う友だちへの友情を深める。

学 習 活 動  指導事項および留意点 
① 本時の学習の目あて
 をつかむ。 (5分)
T きょうの学習は、こ
 の前の時間に書いた手
 紙を推考します。
  推考は何のためにす
 るのですか。
C 山川君に知らせたい
 ことが、書かれている
 か。また、読みやすい
 ように句読点がうって
 あるかを見直します。
T 隣りの友だちと手紙
 を交換して読みなさ
 い。

・山川君への手紙の返
 事がはっきり書かれ
 ているか。 
○何のために推考するかを考え
 ること。
・友だちと手紙を交換して書く
 ことによって、書く目的に即
 した書き方であるか。自分の
 作文と比較して、内容、形式
 ともにすぐれた書き方である
 かを確かめる。
・相互に推考する場合、推考の
 観点がどの児童にもわかるよ
 うに、児童の発表をまとめて
 板書しておく。
・読むときは、板書の事項に注
 意しながら推考したり、気づ
 いたことをメモしたりする。
○手紙の書式の書き方がわかる
 こと。
・誤字・脱字・句読点・ことば
 の使い方・改行などについて
 

178

・知らせたいこと、学
 校や学級の様子など
 がよくわかるように
 書かれているか。
・改行や句読点はどう
 か。 
T ノートを見ながらお
 たがいの作文について
 話し合ってみましょ
 う。

② 推考したことを話す
        (20分)
T 話し合ったことをま
 とめて発表してくださ
 い。
C ○○さんの書いた内
 容は、山川君の知りた
 いことがはっきりわか
 りやすく書いてありま
 した。
C ○○君の手紙は、書
 く順序がばらばらで読
 むのに苦労しました。
C ○○君の手紙は、用 
 も気をつけて推考するように
 指導する。
○手紙を読んで不十分な点を推
 考することができること。
○相手の気持ち、知らせる用件
 などの観点から推考すること
・推考が十分できない児童には
 個別指導をする。
・友だちの評価が妥当であるか
 どうかを考え、反省の資料に
 する。また、相手の作品に対
 して積極的に意見を述べる態
 度を養うようにする。
○目的に即した推考のしかたを
 しているかを見分けること。
・推考の観点をしっかりおさえ
 ているかを発表の内容で確か
 めることが肝要である。
・推考の指導を十分に行なって
 いない学級においては基礎的
 なことから指導しなければな
 らないであろう。
・児童の発表したことをまとめ
 て板書する。
・よく書かれている作文を読ん
 で、推考のしかたがよかった 
 
 件や、知らせいことが
 変わるごとに行を改め
 ていたのでたいへん読
 みやすかった。
 
 
 
 
 
③ 自分の書いた作文を
 推考する。 (20分)
T 今までに話し合った
 ことや、友だちの推考
 してくれたことをもと
 にして、自分の手紙を
 推考しましょう。
T 「、」や「。」のう
 ち方を読み、それを参
 考にしながら自分の作
 文を推考しましょう。
T 次の時間には、清書
 してポストに投函しま
 
 かどうかを考えさせることも
 よい。
・どういう手紙の書き方がよい
 か的確に把握させるようにす
 る。
・推考は、形式面のみでなく内
 容の面まで及ぶようにする。
 また目的に応じた推考のしか
 たについてはっきり理解させ
 る。
○友だちの意見を尊重し、目的
 に即した推考をすること。
・かんたんな校正記号は教えて
 おくことがのぞましい。
・なつかしい気持ち、親しみの
 気持ちがうまく表現されてい
 るか。また、知らせることが
 的確に書かれているか等。推
 考の観点をはっきりさせて推
 考させる。
・教材「てん(、)まる(。)
 のうち方」を読ませ、自分の
 作文の句読点のあやまりを正
 しく直させる。
O「。」のうち方を理解するこ
 と。 

179

  ・次時の学習内容と、学習に必
 要な準備(封筒・切手)を予
 告する。 
 (三) 作文指導第三時
  学習目標 手紙を清書し投函することによって、手紙の
   書式や、はたらきを理解し、これからも必要に応じて
   進んで手紙を書く態度を養う。 

学 習 活 動  学習事項および留意点 
① 前の時間に推考した
 手紙を清書する(20分)
T この時間の学習は、
 前の時間に推考した手
 紙を清書してポストに
 入れましょう。
T まだ、書き直したほ
 うがよいと思われる個
 所があったら訂正しな
 がら清書しましょう。
② 清書した手紙を読み
 直す。   (5分)
T 清書したら、まちが
 いがないか、おかしい
 点はないかを確かめな
 がらもう一度読み返し
 
・前時に推考した観点を発表さ
 せて、この時間の学習の導入
 とする。
・ただ機械的に清書するのでな
 く、清書しながら推考するよ
 うに指導する。
○文字の大きさや配列に気をつ
 けて書くこと。
○手紙の書式がわかること。
 
○手紙を読み直し、目的に応じ
 た書き方をしているか考えな
 がら訂正すること。
・手紙は、正確にきれいに書か
 なければ相手に失礼になった
 り、書いた用件やお知らせが
 
 
 ましょう。
 
 
③ 友だちの手紙を聞き
どんな点がよいかを考
える。    (7分)
T 手紙を二つほど読ん
 でいただきます。どん
 なところがよいかを聞
 いてください。
T A、B君の手紙につ
 いて、どんなところが
 よく書けているか発表
 してください。
C A君の手紙は、何を
 書くかということがは
 っきりしています。ま
 た、書く順序もわかり
 やすく、段落もはっき
 りしています。
C Bさんの手紙には山
 川君から知らせてほし
 いといわれたことが細
 かく説明してありま
 す。
④ 封筒の表書き、裏書
 はっきりしないで、その目的
 を達することができないとい
 うことをわからせる。
○どんな手紙文がよいかわかる
 こと。
・よく書けている手紙を二点ほ
 ど選んで、それをみんなの前
 で読ませる。そのすぐれた作
 品を聞いて、自分の作品と比
 較し、どんなところがよいか
 考えさせる。また読み手の山
 川君の立場に立って、手紙を
 聞くことも指導する。
 
・ここでは、この単元のまとめ
 としての性格をもっている。
 そこで、よい手紙文とはどん
 な要素を備えていなくてはな
 らないかを確認させる。
・順序・段落についての用語は
 その意味をわからせておいた
 ほうが学習を能率的に進めら
 れる。
 
○文字の大きさや、配列に気を
 つけて書くようにすること。

180

 きをする。 (8分)
T 全体のつり合いを考
 えながらはっきりきれ
 いに山川君の住所と氏
 名を書きましょう。
T 次に自分の住所と氏
 名を書きましょう。
⑤ これからも、必要に
 応じて手紙を書くこと
 を話し合う。(5分)
 
・山川君の住所氏名を、板書す
 る。よく書けない子どもに個
 別指導するために巡視する。
・書き終わったら、封をしてと
 なりの友だちと見せ合って形
 式通り書けたかを確認するよ
 うに指導する。
○必要に応じて自分から進んで
 手紙を書かなければならない
 ことを理解すること。
・手紙の重要性、はたらきにつ
 いて話し合わせる。 

七 作文の処理と評価
 (一) 処理
  1 書いた手紙をポストに投函する。
  2 作文指導第二時で推考した手紙文を集め、指導に役
   立てるために評価したり、分類したりする。とくに指
   導を要する手紙文については、推考したり、批評を加
   えたりしておく。
 (二) 評価の観点と基準
  1 なつかしい気持ちや親しみの気持ちをこめて書くこ
   とができたか。
   A 友だちに対するなつかしい気持ちや親しみの気持
    ちがよく表現されており、相手を喜ばせたり、感動
     させることができる。また、進んで手紙を書こうと
   する意欲がうかがわれる。
  B 友だちに対する親しみやなつかしさを抱いていて
   もそれが相手に伝わるような表現ができていない。
  C 友だちと親しく交わろうとする積極的な意欲がみ
   られず、内容も統一されていない。
 2 用件を落とさず明確に書くことができたか。
  A 知りたいこと、知らせたいこと、お願いしたいこ
   とが、順序立てて、わかりやすく書かれている。
  B 用件だけはら列してあるが、なぜそれが知りたい
   のか、または知らせたいのかがはっきりしない。
  C 全体的にまとまりがなく、何を伝えようとしてい
   るのかはっきりしない。

  (二) 五  月

機  能   母を理解し、母に対する感謝の心や愛情
 を深めるために書く。 
学習活動
学習事項
 
 
 
題材例  
 おかあさんについて書く。
1 中心点をおさえて書くこと。
2 書こうとすることがらを、まとめて書
 くこと。
3 段落を考えて書くこと。
・おかあさん おばさん おじいさん
 

 181

    単元 おかあさん

一 単元について
 ふだんは、水や空気と同様に、あまりに近い存在である
「おかあさん」であるが、「母の日」の社会的、家庭的行事
を機会に、児童は、自分の「おかあさん」をあらためて認識
するものである。
 その認識は、低学年までは自分を中心とした生活の中で
「おかあさん」をとらえてきた。けれども、この時期の児童
は、自分から離れたところで「おかあさん」をとらえるか、
あるいは、家庭内の中心としての「おかあさん」をとらえる
ようになる。
 こうした児童の時期をふまえ、「母の日」の行事を機会に
家庭における「おかあさん」を、生活の中でとらえ、「おか
あさん」に対する理解を増し、いっそう愛情を深めていくこ
とは意義深いものといえる。
二 単元の学習目標
 「おかあさん」を主題にした文章を読んだり、作文に書い
たりして、「おかあさん」を理解し、「おかあさん」に対す
る愛情を深める。
三 単元の学習内容
 (一) 学習活動
  1 「母の日」について話し合う。
  2 「おかあさん」について話す。 
    3 「(一) 母のかた」を読む。
  4 「(二) おかあさんのてのひら」を読む。
  5 「おかあさん」について書く。
  6 よく書けているところを話し合う。
 (二) 学習事項
  1 必要なところを細かい点に注意して読むこと。
  2 読み取ったことについて話し合うこと。
  3 自分の気持ちや「おかあさん」のようすがあらわれ
   るように書くこと。
  4 中心点をおさえて書くこと。
  5 書こうとすることがらをまとめて書くこと。
  6 段落を考えて書くこと。
  7 「、」 「。」を正しくうって文章を書くこと。
四 この単元に用意された教材
 (一) 1 「(一) 母のかた」
   母への感謝の気持ちを主題にした児童の詩である。こ
  れを読解・鑑賞することにより、母への感謝の気持ちを
  読み取り、自己の生活を反省することができる。
    2 「(二) おかあさんのてのひら」
   「おかあさんのてのひら」に象徴された、公平な母の
  愛情を主題とした教材である。これを読解することによ
  り、母を理解し、母への愛情を深めることができる。
 (二) 教材の読解をしてから作文を書く場合、教材にひか
  れて、作文が類型的になりやすい。ここでは、教材提出 

182

  の順序として、先ず「おかあさん」について作文を書か
  せて次に教材の読解をすることにより、自分の書いた作
  文を推考させるのが適当である。
五 単元の学習計画(総時数8時閧)
 (一) 「母の日」について話し合う。……………………1
 (二) 「おかあさん」について経験を話す。
 (三) 「おかあさん」について書く。…………作文指導第
  一時…………………………………………………………1
  1 なんのために書くか、めあてをきめる。
  2 なんについて書くか、書くことをきめる。
  3 どのように書くか、書き方を考える。
  4 作文を書く。
  5 書いたものを読み直す。
 (四) 書いた作文を読み合う。……作文指導第二時……1
  1 学習のめあてを確認する。
  2 交換して読み合う。
  3 よく書けているところを発表する。
  4 感想を述べ合う。
 (五) 「(一)母のかた」を読む。………………………… 1
 (六) 「(二)おかあさんのてのひら」を読む。3
 (七) 「おかあさん」について感想を述べ合う…………1
六 作文学習指導の展開
 (一) 作文指導第一時
  学習目標 「おかあさん」について作文を書き、「おか
  
    あさん」に対する認識理解を深める。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
① なんのために書くか
 書くめあてをきめる。
  (目的確認) (5分)
T きょうは「おかあさ
 ん」のことについて作
 文を書いてもらいます
 が、この作文を書くこ
 とによって、どんない
 いことがありますか。
C ふだん、なんとなく
 感じている「おかあさ
 ん」のことを、作文を
 書くときによく考えて
 みるなど。
T お互いに書く作文を
 読み合う場合はどうで
 しょう。
C 友だちの「おかあさ
 ん」のことがよくわか
 る。
C 自分の家の「おかあ
 さん」と比べて読むと
・「おかあさん」についての作
 文を書こうとする意欲は、前
 時において「母の日」につい
 て話し合ったり、「おかあさ
 ん」について話したりしてい
 るので、盛り上がってきてい
 る。
<板書>
なんのために
 ・「おかあさん」について
  考える。
 ・「おかあさん」がはっき
  りする。
 ・「おかあさん」のことが
  よくわかる。 
・ここでの話し合いは、書く目
 的性、必要性を意識させるこ
 とに、ねらいがある。
・特に、前時において「おかあ
 さんについて経験を話す」活
 動をしているので、そのあと

 183

 なお、よくわかってく
 る。
 
 
 
② なんについて書くか
 書くことをきめる。
  (目的追求)(5分)
T それでは、「おかあ
 さん」の、どんなこと
 を書こうと思いますか
C 「おかあさん」はと
 ても働きものだという
 ことを書きたい。
C わたしは、「おかあ
 さん」の、とてもやさ
 しいことを書いてみた
 い。
C ぼくは、「おかあさ
 ん」のいい点と、なお
 してほしい点を書きた
 いなど。
③ どのように書くか書
 き方を考える。(5分)
T 自分が書きたいこと
 を作文に書くとき、ど
 に、また「おかあさんについ
 て書く」という活動をする場
 合、作文の目的性、必要性を
 十分意識させておかないとい
 い作文が書けない。
○書こうとすることがらをまと
 めて書くこと。
<板書>
なんについて
 おかあさん
 ・働きもののおかあさん。
 ・ごはんのしたくで、たい
  へんなおかあさん。
 ・やさしいおかあさん。
 ・おかあさんのいい点。
 ・おかあさんとおつかいに
  行った時のこと。
 
・この学年では「おかあさん」
 を家庭の中心としてとらえる
 のが一般的傾向である。
<<板書>
どのように
 ・自分の思っていること感
  じていることがはっきり
 
 
 のように書けばよいか
 を考えてみましょう。
C 自分の思っているこ
 とや感じていることが
 はっきりわかるように
 書く。
C 「おかあさん」のよ
 うすが読んでよくわか
 るように書く。
T では、そういうよう
 に書くためには、ほか
 にどんなことを考えた
 らいいでしょう。
C あんまり、いろいろ
 なことをだらだら書か
 ないで、自分で一番書
 きたいことをはっきり
 させて、それを中心に
 くわしく書けばいい。
C 自分の書きたいこと
 をきちんときめてそれ
 をメモにしておいて、
 段落ごとにまとめて書
 くといい。
 
 わかるように。
・「おかあさん」のようす
 がよくわかるように。
・中心になることをくわし
 く。
・段落を考えて。
・「てん」「まる」に注意
 して。
 
○自分の気持ちや、おかあさん
 のようすがよくあらわれるよ
 うに書くこと。
・「自分の気持ちや、おかあさ
 んのようすがよくあらわれる
 ように書く」ということは、
 この期の児童から一般的にい
 って概念的、抽象的に「おか
 あさん」を書こうとする傾向
 があらわれるので、もっと具
 体的に書くということを取り
 上げておきたい。
○中心点をおさえて書くこと。
・形式的には「はじめ」「中」
 「おわり」の順序を考え、内
 容的には、それが書きたいこ
 

 184

 
 
 
 
 
 
④ 作文を書く。(25分)
T それでは、自分で書
 こうときめたことをわ
 すれないで、書きたい
 ことがよくわかるよう
 に注意して書いてくだ
 さい。
⑤ 書いたものを読み直
 す。    (5分)
T 読み直すときはどん
 なことに気をつけて読
 んだらいいでしょう。
C 自分でくわしく書き
 たいと思っとたころが
 よく書けているかどう
 かを確かめる。
C 「おかあさん」のよ
 うすがよくわかるかを
 確かめてみるなど。 
 との中心と一致するように構
 想を考えさせる。つぎの「段
 落」とも関連する。
○段落を考えて書くこと。
○自分の気持ちや、「おかあさ
 ん」のようすがあらわれるよ
 うに書くこと。
○中心点をおさえて書くこと。
○書こうとすることがらをまと
 めて書くこと。
○段落を考えて書くこと。
○書く目的に応じた推考をする
 こと。
・記述前の板書事項を中心に、
 反省的に話し合い、板書事項
 を推考の観点とする。
・特に「自分の思っていること」 
 と「おかあさんのようすがよ
 くあらわれているかどうか」
 を観点とする。
○中心点をおさえて書くこと。
○自分の気持ちや、おかあさん
 のようすがよくあらわれるよ
 うに書くこと。
・記述時間が不足して書きあが
 らない場合は、次の時間につ
 
 
   づけて書くことを指示する。
 確かめてみるなど。
・次時は読み合うことを確認す
 る。
 (二) 作文指導第二時
   学習目標 「おかあさん」の作文を読み合って、「お
    かあさん」を理解し合う。 
学 習 活 動  学習事項および留意点 
① 学習のめあてを確認
 する。(目的確認)
        (5分)
T きょうは、みなさん
 の書いた作文を交換し
 合って読んだり、発表
 したりします。なんの
 ためにするか、また、
 どんな点に注意したら
 いいか考えてみましょ
 う。
C 友だちの作文を読む
 と、友だちの「おかあ
 さん」のことがよくわ
 かる。
C 自分の[おかあさん」
 と比較してみることが
 
・前時に作文が書きあがらなか
 った場合は、この時間の前半
 に、前時につづけて書き、読
 み合う活動はそれによってお
 こなう。
<板書>
なんのために
 O友だちの「おかあさん」
  のことがよくわかる。
 ○自分の作文のいいところ
  わるいところに気づく。
 ○目分の「おかあさん」と
  くらべる。
 ○よく書けているかどうか
  がわかる。
  ・自分の気持ち
 

185

 できる。
T よく書けている作文
 はどんな作文ですか。
C 「おかあさん」に対
 する自分の気持ちがよ
 くあらわれているのは
 いい作文だ。
C 自分が書きたい中心
 のところがくわしく書
 けている作文はいい。
C 段落を考えて書いた
 作文はいい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
② 作文を交換して読み
 合う。(目的追求)
       (10分)
T それでは、今みなさ
 
  ・ 「おかあさん」のよう
   す
  ・中心点をおさえて
  ・段落を考えて 
○自分の気持ちや、「おかあさ
 ん」のようすがよくあらわれ
 るように書くこと
・「おかあさんは、やさしい」
 とか「おかあさんはえらい」
 「おかあさんは、たいへんだ」
 という書きあらわし方ではそ
 のようすがよくあらわれない
 ことに気づかせる。
○中心点をおさえて書くこと。
・あれも、これもと、ただら列
 的に書いてあるだけでは、中
 心的な統一がない。自分で最
 も書きたいということを中心
 にして、そこをくわしく書け
 ばいいということを話し合い
 を通じて理解させる。
○段落を考えて書くこと。
・今までに話し合った観点をも
 とにして、作文を読み合う。
<板書>
 
 
んから発表してもらっ
 たことを注意しながら
 となりの友だちの作文
 を読んでください。
③ よく書けているとこ
 ろを発表する。(15分)
T 友だちの作文を読ん
 で、よく書けていると
 ころを発表してくださ
 い。
C ○○さんの作文は、
  「おかあさん」のやさ
 しいようすが、例をあ
 げて書かれているので
 とてもいいなど。
T それでは、今いくつ
 かいい例が出されまし
 たが、自分の作文をも
 う一度読み直して、直
 すところがあったら訂
 正しなさい。
④ 感想を述べ合う。
  (目的達成) (5分)
T それでは、グループ
 ごとに読み合って各自
 のグループから一点だ
よく書けているところ
 ◎「おかあさん」のやさし
  いところ
 ◎自分の思ったことがはっ
  きり。
 ◎ひとつのことをくわしく 
○自分の気持ちや、「おかあさ
 ん」のようすがよくあらわれ
 るように書くこと。
○書く目的に応じた推考をする
 こと。
○中心点をおさえて書くこと。
・ここで発表する作品は、話し
 合った観点にふさわしいもの
 を選ぶことが必要である。
 
 
 
 
 
・感想を述べ合う場合は、自由
 に、思いつくままに述べると
 いうことではなく、書くめあ
 てに即した観点から感想を発
 表するようにしたい。
 

186

 け、いい作文を選んで
 発表してください。
T 発表するときは、そ
 の理由を述べてから、
 次に作文を朗読してく
 ださい。
  聞いている人は、感
 じたことや思ったこと
 があったらメモをして
 おいて、あとで感想を
 発表してもらいます。
T つぎの時間は、教科
 書の「母のかた」を読
 みましょう。
 
・その場合、ただ「いい」とか
 「わるい」という抽象的なこ
 とではなく、必ず根拠をあげ
 具体的に感想を発表させる。
・グループから一点ずつ発表す
 る作文は、その推せん理由を
 叨らかにしてから、朗読させ
 る。
 
 
 
・教材の学習をとおして、自分
 の書いた作文を書き直したり
 推考したりすることを予告し
 ておく。
 

*作文指導二時間の後、教材「母のかた」(詩)を読解・鑑
 賞する。この教材は作文教材としてよりは、読解・鑑賞の
 ために活用する。
  次に、「おかあさんのてのひら」を読解する。この教材
 は、作文指導に直接影響はないが、内部経験を通じて「お
 かあさん」に対する理解・愛情を深め、自分の書いた作文
 を読み直して、いっそう自分の気持ちがよくあらわれるよ
 うに、「おかあさん」のようすがよくあらわれるように推
 考することに発展できる。
  
  七 作文の処理と評価
 (一) 処理
  ○推考し、清書したあとは「文集」にして教室にさげて
   おき、自由に閲覧できるようにしておく。
 (二) 評価の観点と基準
  ○「おかあさん」に対する自分の気持(感謝の心や愛情)
   がよくあらわれているかどうか。
   A 「おかあさん」のようすがよくわかり、また自分
    の気持ちがよくあらわれている作品。
   B やや観念的であるが、自分の気持ちがあらわれて
    いる作品。
   C 観念的で、事柄のら列にすぎない作品。


    (三) 六  月

機  能   情報を交換し生活に適応するために書く。 
学習活動
学習事項
 
 
 
題材例 
 学級新聞を作る。
I メモをもとにして書くこと。
2 要点をおさえて書くこと。
3 新聞記事を書くこと。
4 学級新聞を編集すること。
 社会や学校 学級ニュース
 来週の行事 各部のお知らせ
  学校のお知らせ 研究発表
  校外学習のお知らせ 図書の紹介 

 187


    単元 学級新聞

一 単元について
 この時期の児童は、学校や学級生活において、社会性が次
第に高まり、学校、学級のいろいろな問題を話し合ったり、
学級の諸活動に熱中したりする。この単元は、このように社
会性の芽生えた児童たちに、学級新聞を作るために、学校、
社会のニュースや、伝達を書いたり、研究や調査を発表した
り、テレビの番組や図書の紹介をして、学級生活に役立てて
いくためのものである。
二 単元の学習目標
 みんなで協力して、学級新聞を発行することによって、学
級の生活を充実させるようにする。
三 単元の学習内容
 (一) 学習活動
  1 学級新聞「たけのこ」第三号を読む。
  2 学級新聞を作る計画を立てる。
  3 記事を書く。
  4 学級新聞を作る。
  5 できあがる新聞について話し合う。
 (二) 学習事項
  1 聞いたことをまとめること。
  
    2 考えをまとめながら話すこと。
  3 必要なところ、細かい点に注意して読むこと。
  4 要点をおさえて読むこと。
  5 メモをもとにして書くこと。
  6 新聞記事を書くこと。
  7 書こうとすることがらをまとめて書くこと。
  8 要点をおさえて書くこと。
  9 学級新聞を編集すること。
  10 学級生活を充実、向上させるために、みんな協力し
   て書くこと。
四 この単元に用意された教材
 (一) 「(一) 学級新聞『たけのこ』第三号」
    「開校記念日」「学級園」「各部のお知らせ」「わた
  しの研究」「図書の紹介」等、主として学級生活を中心
  とした記事を編集したものである。この教材を読むこと
  によって、どんな記事がおもしろく 学級生活に役立つ
  か。それぞれの記事は、どのようにまとめられているか
   (見出しのつけ方、記事の書き方)等、学級新聞の編集
  がわかるであろう。
 (二) 「メモをもとにして書こう」
   メモの必要性とそのとり方を説明した文章である。
   この教材を読むことによって、記事をとるときのメモ
  のとり方と、それをもとに記事を書くことがわかるであ
  ろう。
  

188

五 単元の指導計画(総時数 11時間)
 (一) かべ新聞や子ども新聞について話し合い、学
  習の計画を立てる。……………………………………1
 (二) 「(一)学級新聞『たけのこ』第三号」を読む。…5
 (三) 「(二) メモをもとにして書こう」を読む。……1
 (四) 学級新聞を発行する計画を立てる。
            作文指導第一時………………1
  ○学級新聞を発行することを話し合う。
  ○学級新聞の名前、内容、体裁、編集の仕事の分担等に
   ついて話し合う。
 (五) 新聞の記事を書く。作文指導第二時……………1
  ○学習の計画を立てる。
  ○記事を書く。
  ○記事を整理する。
 (六) 新聞を発行する。…作文指導第三時……………1
  ○学習の見通しを立てる。
  ○記事を清書する。
  ○新聞のできぐあいを話し合う。
 (七) メモをもとにして書く練習する。
            作文指導第四時………………1
  ○何の記事をどのように書くか話し合う。
  ○メモをもとにして記事を書く。
六 作文学習指導の展開
  
   (一) 作文指導第一時
  学習目標 学級新聞発行の計画を話し合うことによって、
   よりよい学級にしようとする意欲を高める。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
① 学級新聞を発行する
 ことについて話し合う
        (5分)
T わたしたちの学級も
 新聞を発行したいです
 ね。みなさんはどう考
 えますか。
T なぜ発行したらよい
 か、話しましょう。
C 学級や、学校のでき
 ごとがわかるからべん
 りです。
C 研究発表や、読書感
 想文をのせると学習に
 役立つ。
 
・教材(一)との関連をもたせなが
 ら、わたしたちの学級にも新
 聞を発行することがたいせつ
 であること。また、学級新聞
 のはたらきについて理解させ
 るようにする。
 (すでに学級新聞を発行して
 いる学級では、学級新聞をよ
 りよくするために、どうした
 らよいかを相談することもよ
 い。)
・学級新聞を発行することによ
 って、生活や学習に役立ち、
 また、発行するという仕事を
 とおして、おたがいが責任を
 果たし、協力して、学級全休
 の活動が活発化することを理
 解させる。
・この単元で記事の書き方、発
 行のしかたを学習し終わった
 

 189

② きょうはどんなこと
 をどのような順序で学
 習するか話し合う。
       (5分)
T 学習の計画を立てま
 す。どんなことを学習
 するか、また、どんな
 方法で進めていくかを
 発表しましょう。
C どんな記事をのせる
 か、どんな仕事がある
 か、それをどう分担す
 るか、等をきめたらよ
 いと思う。
③ 学級新聞の名前・体
 裁・記事の範囲、仕事
 の分担について話し合
 う。    (25分)
T 学級新聞の名前を考
 えてみましょう。
T どんな記事が、おも
 しろくて、役に立ちま
 
 ら、報道部または新聞部等
 児童会の各部活動の一環とし
 て継続発行することがのぞま
 しい。
○学習の目的にそって学習の計
 画を立てること。
・新聞を発行するには、どんな
 仕事があるか。それをどう進
 めていくか等、教材(一)を参考
 にしながら発表させる。
 
 
 
 
 
 
 
 
・新聞を発行するには、どんな
 ことをどんな順序で進めてい
 くかをみんなにわからせるよ
 うに配慮する。
・学級新聞の名前は、学級に即
 した、しかも親しみのあるも
 のを、話し合いか、または投
 票できめるとよい。
  
 
 すか。
C 研究発表や、図書案
 内のようなものも必要
 だと思う。
C 自分の家や、各地区
 でおこったニュースも
 のせたらよいと思う。
おもしろい記事
役に立つ記事
 
T 記事の取り方、書き
 方について考えましょ
 う。
記事の取り方
記事の書き方
 
T どんな記事をのせた
 らよいと思いますか。
 
 
T どんなことに気をつ
 けて書けばよいと思い
 ますか。
C 見出しのつけ方を考
 えます。
 
・どんな記事をのせたらよいか
 という発問に対して、児童は
 自由に話すであろう。したが
 って、なぜ、その記事をのせ
 たいかという理由をはっきり
 いわせるようにしたい。
・記事の種類や内容によって取
 材・書き方がいろいろあるこ
 とを大体わからせる。
・記事の取り方や、書き方につ
 いて説明した個所を(教材(一))
 を読ませてあらためて確認さ
 せてもよい。
・ニュースは、「いつ、どこで
 だれが、何を、どうした」と
 いう五つをおさえなくてはな
 らないことも理解させる。
・ここでは記事の種類でなく、
 その記事が読者からみて、ど
 う役に立つかという観点から
 考えさせることがのぞましい
・よい記事の条件を教材(一)で理
 解したことをもとにして書く
 かまえをつくる。
○必要な記事を選んで書き、新
 聞にふさわしい配列のしかた
 

 190

C 内容をまとめる。
C 読みたい気持ちをお
 こさせるように書きま
 す。
③ 記事の範囲や分担を
 きめる。  (10分)
T だれが、どの記事を
 書くかきめましょう。
・学校・学級の行事や
 ニュース
・各部の知らせ
・物語
・観察や研究
 
<まとめ>
4 きょうの学習のまと
 めをする。
 を理解すること。



・記事の範囲がきまり、よい記
 事についての理解ができたら
 記事を分担する。全児童が書
 くようにする。
・グループ編成をし、大体の編
 集の見通しをつけて記事を配
 分する。
○新聞の様式は、その学級の実
 態に応じて決める。ここでは
 模造紙に書くかべ新聞とす
 る。これには、直接模造紙に
 書く方法もあるが、全員に同
 時に書かせるためには、別の
 用紙に書いてはってもよい。
 (このほか、とう写印刷新聞
 もある)

 (二) 作文指導第二時
  学習目標 必要な記事を選んで書くことによって、記事
   の選び方や内容のまとめ方を理解し、みんなに親しま
   れる新聞を作るようにする。 
 
学 習 活 動  学習事項および留意点 
① 本時の学習の目あて
 を確認する。(5分)
T きょうの学習は、よ
 い学級新聞を作るため
 の記事を書きます。
② 学習の計画を話し合
 う。    (5分)
T どんなことをどんな
 順序で学習したらよい
 か話し合いましょう。
C メモをもとにして記
 事をまとめます。
C さいごに、その記事
 についてよいかどうか
 を話し合います。
③ 記事を書く。(25分)
T では、めいめい記事
 を書きましょう。
 
 
④ 記事をせいりする。
        (10分)
T 書いた記事について
 考えてみましょう。ど
○学習の目あてをつかむこと。
・広く記事を書く場合、メモを
 もとにして書く活動も考えら
 れるから、前時の学習との関
 連を考えて指導する。
○学習の計画が自主的に立てら
 れること。  
・児童から発表された、学習の
 内容とその順序をまとめて板
 書する。
・よいメモと、わるいメモの例
 をとりあげ板書して話し合わ
 せるのもよい。
 
 
○メモをもとにして書くこと。
○書こうとすることがらをまと
 めて書くこと。
○要点をおさえて書くこと。
O「、」「。」を正しく使うこと
○記事を書くこと。
 ・メモをもとにして書く場合
 は小見出しのつけ方に留意す
 る。だいじな点をおさえさせ 

 191

 ういう点に気をつけて
 記事を見たらよいか。
C 小見出しはこれでよ
 いか。記事のまとめ方
 はどうかをみます。
C 「、」や「。」を正
 しくうってあるかもみ
 ます。
T みなさんの発表した
 ことを、まとめてみま
 す。
○見出しのつけ方
 1 読む人の注意をひ
  くことばであるか。
 2 内容がわかるか。
 3 できるだけ短かい
  ことばや文で表わし
  ているか。
○記事のまとめ方
1 ニュース
 いつ、どこで、何が
 どうして、どうなっ
 た。
2 お知らせ
 いつ、どこで、どう
 ることは、記事の機能と読み
 手の目的、必要に応じて書く
 ようにする。いずれも高度の
 技能であるから、個別に指導
 することがたいせつである。
・おもしろい記事、役に立つ記
 事であることをつねに念頭に
 おくようしむける。
・板書事項の観点から、自分の
 記事を検討して気づいた点を
 ノートに書いておくように指
 導する。
・「、」「。」のつけ方。改行
 ・脱字・誤字を直して相手に
 わかるようにすることがだい
 じてあることを指導する。記
 事は、学校、学級生活、行事
 ニュース、お知らせ、学習や
 研究、それぞれ記事の種類に
 よって書き方がちがうことを
 はっきりさせる。
・すべての児童が、どの種類の
 記事も書くように配慮するこ
 とも必要である。
  しかし、このことが、時間
 的にむりであったら、二号、
 
 
 いうことがある。だ
 から、どうしてくだ
 さい。
3 しょうかい
 いつ、どこで、何が
 ある。その内容。
T 板書していることに
 注意して、各自記事を
 推考しましょう。
 
 三号でその機会が与えられる
 よう計画を立てる。といった
 方法も考えられる。



○目的にそった記事にするため
 推考すること。
・この次の学習には、編集をす
 ることを予告する。
 

 (三) 作文指導第三時
  学習目標 学級新聞を編集し発行することによって、新
   聞のはたらきや、みんなの協力のだいじなことがわか
   り、発行のよろこびを味わうようにする。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
① 本時の学習の目あて
 をつかむ。 (5分)
T この時間の学習は、
 この前書いた記事を清
 書し、編集したいと思
 います。
② 学習の計画を立てる
        (5分)
T どういう順序で学習
・新聞の編集は、みんなが協力
 することがたいせつであるこ
 とを自覚させる。また、仕事
 の手順や分担を明確に把握さ
 せる。
・はじめての段階であるから、
 (第一号)全部の記事の中か
 らよいものを選んで編集する
 といった方法よりも、四グル

 192

 を進めていったらよい
 でしょうか。
C グループごとに新聞
 を作ったほうがよい。
C どの記事をどの面に
 のせるか話し合う。
C 次には記事を清書し
 ます。
C できあがった新聞に
 ついて話し合いをしま
 す。
T 今みなさんが発表し
 た学習の計画をまとめ
 てみます。
1 記事を読み直す。
2 わりつけをする。
3 清書(印刷)する
4 発行する。
5 反省する。


③ わりつけをする。
        (5分)
T どの記事をどこにの
・せるか。わりつけをし 
 ープで各一つの新聞が発行さ
 れることにする。したがって
 全児童の記事が記載されるよ
 うにする。
○学習の計画が自主的に立てら
 れること。
・各グループごとに、具体的に
 は、どのような仕事をすれば
 よいかを相談する。
  グループでは、司会(編集
 長)が中心になって編集をす
 るように指導する。
○よい新聞ができるように、み
 んなで協力すること。
・各自が責任を果たさなければ
 ならないこと。協力すること
 の意義を理解することなど、
 共同作業の過程の中でなされ
 るように配慮する。
・事情が許せば、孔版印刷にし
 て、ほかの学級や、家の人に
 見せることもよい。
○新聞のわりつけのことがわか
 ること。
・わりつけの語については、教
 師が説明する。 
 
 なさい。

④ 清書する。(15分)
T わりつけがきまった
 ら清書しましょう。
  文字の大きさ、配列
  全体のつり合いを考
  えて書きましょう。
⑤ 新聞を発行し、その
 できぐあいについて話
 し合う。  (10分)
T どんなことに気をつ
 けて読んだらよいと思
 いますか。
C その記事がどんな役
 に立つかを考えます。
C 新聞のていさいはよ
 いか。また、読みやす
 いか。もっと、くふう
 する点はないかをみま
 す。
1 おもしろい記事
2 何の役に立つか。
3 ていさいはよいか
4 読みやすいか。
・グループごとに、わりつけの
 しかたを指導する。
○文字の大きさや配列に気をつ
 けて書くこと。
○学級新聞を編集すること。
・各自の記事を良質の紙に書か
 せ模造紙にはることにする。
 紙面に直接書かせたほうが体
 裁はよいが、全員に活動させ
 るためこの方法をとる。
・第二号からは報道部が中心に
 なり記事をぼ集し編集する。
○新聞の記事はどんな要素が必
 要であるかを考えること。
○新聞の体裁はどうしたらよい
 かを理解すること。
○親しみやすいみんなの新聞に
 するため努力すること。
・まず各グループごとにそのグ
 ループで作った新聞について
 反省する。次に、グループで
 交換し、板書の要項にそって
 ノートにまとめさせる。
・次号の発行はどうするかを話
 し合わせる。この時期の児童
 は社会性も発達し、児童会活 

 193

 ・見出し
 ・ 「、」「。」
 ・改行
 ・文字の大きさ
 
 
動もかっぱつになってくる。
したがって、児童会活動の一
環として編集発行する。しか
し記事は全員からぼ集して、
すべての児童が書く機会が得
られるようにする。
 
 (四) 作文指導第四時
  学習目標 記事を書くことによって、メモのとり方や、
   書こうとすることがらをまとめて書く力をつけるよう
   にする。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
① 本時の学習の目的を
 話し合う。 (5分)
T きょうは、メモをも
 とにして書くことを勉
 強しましょう。
③ 教材「メモをもとに
 して書こう」を読む。
        (10分)
T メモはなぜ必要か。
 そのとり方はどうすれ
 ばよいかを考えながら
 読みましょう。
T メモはなぜ必要です





○メモの必要性が理解できるこ
 と。
・教材を中心に、メモのとり方
 はくわしく指導する。
・メモについての指導事項は、
 次のとおりである。
  四年では、「メモをもとに
 して書くこと。」五年では「聞 
 
 か。
C メモをもとにして文
 章を書いたり、発表し
 たりします。
T メモのとり方はどん
 なことに注意したらよ
 いか。
C だいじな点をおとさ
 ない。
C 特に数字などは忘れ
 やすいからメモする。
④ メモをとり、それを
 もとにして記事を書く
        (30分)
T これから、先生がお
 話しをします。メモに
 取りましょう。
T メモをもとにして記
 事を書きましょう。
 
 いたことをメモに取ること。」
 とある。
  ここでは、四年の指導事項
 を重点的に指導する。







○メモをもとにして書くこと。
・練習として、全児童に同じ記
 事を書かせる。
  教師はあらかじめ用意して
 おいた、記事を読む。
・メモのとり方は必要に応じて
 何回でも練習させる。
・メモをもとにして記事を書か
 せる場合、うまく書けない子
 どもに個別指導をする。
 
七 作文の処理と評価
 (一) 処理
   各グループで発行した新聞を教室の背面掲示板、また
  は、ろうかのかべ等に貼る。 

194

      (二) 評価の観点と基準
 1 要点をおさえて書いているか。
  A いつ、どこで、だれが、どうして、どうなった。
   ということがはっきりわかる。
  B 全休の内容はだいたいわかるが、何がいちばんだ
   いじかという点がぼやけている。
  C 要点は何か、何を伝えようとしているのかがはっ
   きりしない。また順序も前後して内容がとらえにく
   い。
 2 学級新聞を編集することができたか。
  A 学級新聞の役目を理解し、学級生活に適応するた
   めに新聞を利用したり、記事を集めたり、編集した
   りする仕事に積極的である。また、記事の選び方も
   適確で、記事も早く、わかりやすい文章である。
  B 記事を集めたり、編集したりする仕事にはやや積
   極的であるが、どんな記事がよいのかを十分に理解
   していない。
  C 新聞の編集に興味と意欲を示さず、グループごと
   の作業にも協力的でない。


   (四) 七  月  

 
 
機  能   研究を記録し、学習に役立てるために書く。
学習活動
学習事項




題材例 
 研究記録を書く。
1 調べたこと(事実)と自分の考え(意見)
 とを区別して書くこと。
2 書こうとすることがらを、まとめて書くこ
 と。
3 文章の組立を考えて書くこと。
  郷土の交通    郷土の自然
  虫の一生     自然と人々の生活
  水のはたらき   海べの植物
  むかしの生活   夏の星座
 

   単元 わたしの研究

一 単元について
 このころの児童は、社会的なできごとや、自然現象、また
は、科学的なものに対して興味や関心をもち始める。そして
自分で実際調べたり、観察したり、本や参考書を読んで調べ
たりする欲求が強くなってくる。したがって、理科や社会科
などにおいても、これに関連する学習経験が多くなる。
 この単元は、このような時期に興味のある研究課題を選び
研究の計画を立て、その研究の記録を書くことによって、研
究に対する意欲をちも、知識を豊かにし学習に役立てるため 

 195

 のものである。
二 単元の学習目標
 研究記録を書くことによって、知識を確かにし、それを学
習に役立てるようにする。
三 単元の学習内容
 (一) 学習活動
  1 何を研究するか考え、学習の計画を立てる。
  2 教材「(一)交通の発達」を読む。
  3 教材「(二) 研究記録を書いておこう」を読む。
  4 研究の題材を選び、計画を立て研究を進める。
  5 研究の記録を書く。
  6 「わたしたちの研究」を作る。
 (二) 学習事項
  1 意味のまとまりごとにくぎりをつけて話すこと。
  2 知るために本を読むこと。
  3 段落ごとにまとめて読むこと。
  4 事実と意見を区別して書くこと。
  5 書こうとすることがらをまとめて書くこと。
  6 文章の組立を考えて書くこと。
  7 メモをもとにして書くこと。
  8 横書きになれること。
  9 進んで研究に取り組み、知識を整理して学習に役立
   てようと努力すること。
  10 「、」や「。」の使い方がわかること。 
  四 この単元に用意された教材
 (一) 「(一) 交通の発達」
   交通がどのように発達してきたか。また、これからの
  交通は科学の進歩に伴ってますます発達していくであろ
  う――ということを説明した文章である。
   この教材を読むことによって、研究の動機や研究の方
  法がわかり、自分たちも研究記録を書こうという意欲が
  高まってくる。また、研究記録の書き方や、研究発表の
  方法も理解する。
 (二) 「(二) 研究記録を書いておこう」
   研究記録の必要性や、その書き方について述べた説明
  的文章である。
   この教材を読むことによって、研究記録のはたらきや
  その書き方がわかる。

五 単元の指導計画(総時数 11時間)
 (一) 単元の学習計画を立てる。………………………┐
 (二) 「(一) 交通の発達」を読む……………………┴6
 (三) 「(二) 研究記録を書いておこう」を読み、何
  を記録するか話し合う。…………………………………2
 (四) 研究記録を書く。…作文指導第一時………………1
  1 何を記録するか話す。
  2 どのようにまとめたらよいか考える。
  3 研究記録を書く  

196

  (五) 研究記録を訂正し合う。…作文指導第二時………1
  (1) どういう観点から訂正するか話し合う。
  (2) 研究記録を訂正する。
 (六) 研究記録を集め、「わたしたちの研究集」を
  作る。夏休みの研究について話す。……………………1
六 作文学習指導の展開
*教材(一)(二)については、次の観点から読解させた。
 (一) 交通の発達
  ・交通はどのように発達したか。
  ・研究の動機は何か。
  ・どのような方法で研究したか。
  ・どんな項目で書いているか。
 (二) 研究記録を書いておこう
  ・何のために研究記録を書くか。
  ・メモはどのようにとったらよいか。
  ・研究記録はどのように書いたらよいか。
*前時の学習で何を研究し記録するかを話し合っている。
 (一) 作文学習指導第一時
  学習目標 研究したことを記録しまとめることによって
   知識を確実にし、学習の態度を養う。

学 習 活 動  学習事項および留意点 
① 本時の学習の目あて  ・この時期にあらためて研究す 
 
 
 をつかむ。 (5分)
T この時間は、みなさ
 んが研究したことを忘
 れないうちに書いても
 らいましょう。
C わたしは、文字はど
 のように発達してきた
 か知りたかったので、
 この前の週に図書室で
 文字の発達について調
 べました。それを記録
 したいと思います。
C わたしは、理科の学
 習の時間に実験したで
 んぷんのとり方やその
 性質について、かんた
 んなメモをしているだ
 けですのでそれを記録
 します。
②本時の学習の計画を
 立てる。  (5分)
T どんな順序で学習を
 進めていったらよいか
 を考え、まとめて発表
 してください。
③ 研究記録を書く。
 るものでなく、他教科で学習
 したり、自分で調べたものを
 記録させる。
・前時の学習で何を研究し記録
 するかきめている。しかし、
 調べたりない点をもう一度確
 かめさせ、メモをつけ加えさ
 せるために資料を用意させ
 る。
・二、三の児童に、何の研究を
 記録するかを発表させて自分
 の書こうとする記録と、友だ
 ちのものと比較させる。
○研究記録は、どんなとき書く
 のがよいかがわかること。
・細かい計画を立てることはむ
 りであるが、大体の見通しを
 立てさせることはこの学年で
 は特に必要である。
・研究のめあて
 なぜこの研究をするのか。
・研究の方法
・研究の内容
・反省、感想
・各自に研究記録をどんな組み

 197

       (30分)
T では、今まで話し合
 ったことに注意しなが
 ら研究記録を書きまし
 ょう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
④ 本時の学習のまとめ
 をする。  (5分)
 
 立てで書くかを考えさせ、そ
 れをかんたんにメモさせる。
○書こうとすることがらをまと
 めて書くこと。
○文章の組立を考えて書くこ
 と。
○メモをもとにして書くこと。
○横書きになれること。
○事実と意見を区別して書くこ
 と。
○進んで研究に取り組み、知識
 を整理して学習に役立てるよ
 うに努力すること。
・各自、研究のテーマ、内容が
 ちがうので、個別指導をす
 る。
・はじめの計画どおり進んだ
 か。思うように書けなかった
 点はなかったか。その理由は
 何かを発表させる。
 次の学習では、研究記録を訂
 正し合うことを予告してお
 く。 

 (二) 作文指導第二時
  学習目標 研究記録を訂正し合うことによって、研究記 
     録の書き方がわかり、進んで記録を書こうとする態度
   を養う。

学 習 活 動  指導事項および留意点 
① 学習のめあてをつか
 み、計画を立てる。
        (5分)
T この時間には、前に
 書いた研究記録の書き
 たりないところ、おち
 ているところを書き加
 えたり、よけいなとこ
 ろをけずったりして、
 もっとよい研究記録に
 します。
C まず、どんなことに
 気をつけてなおしたら
 よいかを、話し合いま
 す。次に自分の研究記
 録をなおし、それから
 友だちの研究記録と交
 換して読みます。


② 訂正の観点について 
・研究記録を訂正する意義を理
 解した上で、本時の学習をど
 のように進めたらよいか考え
 させる。
・前に書いた研究記録は、一応
 教師が集め一とおり目をとお
 しておく。個別に、または学
 級全体として、研究記録を書
 く能力についての傾向をつか
 んでおき、本時の指導に役立
 てるようにする。
・よくまとまっている研究記録
 を、二、三プリントしてみん
 なに配布し、訂正するときに
 役立てることもよい。
・訂正の過程には、研究の内容
 について補足することも予想
 される。したがって、研究に
 関係する資料やメモは各自準
 備させておく。
・研究記録は何のためにするか
 
 
198

 話し合う。 (5分)
T では、どんなことに
 気をつけて研究記録を
 なおしたらよいか発表
 してください。
C 何のために研究した
 かがはっきり書かれて
 ある。
C 研究したことをでき
 るだけわかりやすく書
 いている。また、研究
 についての反省や感想
 も書いている。




③ 研究記録を訂正する
       (10分)
T まず、自分の研究記
 録を読み、書き加えた
 り、けずったりしまし
 ょう。
 という基本的なことをふまえ
 た上で、それでは、どんな研
 究記録がよいのかを考えさせ
 る。
・児童が発表した訂正の観点を
 まとめて板書する。
 よい研究記録
・研究のめあて
・研究の方法
・研究したこと
 ・くわしく書いている
 ・読みやすいようにくふう
  して書いている。
 (見出し・行かえ・「、」
 「。」・順序)
・反省や感想
 
・板書の観点を参考にしながら
 各自の記録を推考するように
 指示する。
○研究記録を、研究の目的に応
 じて推考すること。
○書こうとすることがらがまと
 めて書いてあるかがわかるこ

○文章の組み立てはどうかを考
 
④ 同じような研究をし
 た友だちの研究記録と
 交換して訂正し合う。
        (5分)
⑤ 友だちの研究記録を
 読んで気づいたことを
 発表する。  (5分)
 
 えながら推考すること。
○事実と意見・感想が区別して
 書いてあるかがわかること。
○正しい横書きのしかたをして
 いるかがわかること。
・よい研究記録を読ませ、(プ
 リントした文章を利用しても
 よい)研究記録の書き方につ
 いてはっきり理解させ、本時
 のまとめとする。
 

七 作品の評価と処理
 (一) 処理
  1 研究記録を集め「わたしたちの研究集」を作り、社
   会科や理科等の学習に役立てる。また、夏休みの研究
   のときの参考資料にする。
  2 参観日や校内放送の時間に、「わたしたちの研究」
   と題して発表する。そして父母に児童の学習のようす
   を理解してもらったり、全校の児童の研究意欲を高め
   ることに役立てる。
 (二) 評価の観点と基準
  ○文章の組立を考えて書いてあるか。
   A 必要と思われることを客観的に、しかも正確に書
    いてあり、研究の目的、動機、方法内容、感想がは
    っきり書かれ、表現もかんけつで読みやすい。 

199

   B 調べたこと、研究した内容は豊富であるが、順序
    や段落がはっきりしていない。
   C 何をどう研究したかがはっきりせず、表現もあい
    まいで、調べたこと、研究したことを断片的に書い
    ている。

 (五) 九  月

機  能  自然生活の経験を深め、生活を豊かにするた
 めに書く。 
学習活動
学音事項



題材例
 
海・山・川などに行った経験を書く。
1 中心点をおさえて書くこと。
2 書こうとすることがらを、まとめて書くこ
 と。
3 段落を考えて書くこと。
  海水浴   登山   林間学校
  潮干狩   つり   ボート 

    単元 つ り

一 単元
 児童にとって、夏休みといえば、その全期間をつうじて海
へ行ったり、山へ行ったり、川へ行ったりした自然生活の経
験が豊富であろう。
 文化生活の向上とともに、人間生活は、しだいこ自然生活  
  の面から離れていくのが現実である。このような現実とは逆
に、この期の児童の自然生活に対するあこがれは根強いもの
がある。したがって、自然生活を話題にした学習は、興味関
心が深く、いきいきとした学習が展開されよう。
 こうした点から、夏休みの終わったこの時期に、自分の経
験を整理することによって、いっそう自然生活の楽しさがわ
いてくるであろう。
二 単元の学習
 自然生活の経験を書いた文章を読んだり、自分の経験を書
くことにより、自然生活の経験を深め、生活を豊かにする。
三 単元の学習内容
 (一) 学習活動
  1 このごろの楽しかった経験を話し合う。
  2 海・山・川などに行った経験を書く。
  3 「つり」を読む。
  4 よく書けているところを調べる。
  5 自分の作文を推考する。
 (二) 学習事項
  1 自分ばかりで話さないこと。
  2 読み取ったことについて話し合うこと。
  3 情景や、気持ちがよくわかるように書くこと。
  4 中心点をおさえて書くこと。
  5 書こうとすることがらをまとめて書くこと。
  6 段落を考えて書くこと。
  

 200

   7 「、」「。」を正しくうって書くこと。
四 この単元に用意された教材
 (一) 「つり」
   弟をつれて、川へ「つり」にいった経験を具体的に書
  いた児童作品である。
   この教材を学習することによって、「つり」の情景が
  よくわかり、読解によって自然生活への代理経験をする
  ことができる。
  
 (二) 教材の学習によって、よく情景がわかるように書くこ
  との理解は得られるが、この場合、夏休みも終わって自
  分たちの経験が豊富にあるので、先ず書かせ、その後、
  教材を学習させ、自分の書いた作文を推考するというこ
  とが適当であろう。
五 単元の学習計画(総時数8時間)
 (一) このごろの楽しかった経験を話し合う。…………1
 (二) 海・山・川などに行った経験を書く。………
 ………………………………………作文指導第一時………1
  ・なんのために書くか、書くめあてをきめる。
  ・なんについて書くか、書くことをきめる。
  ・どのように書くか、書き方を考える。
  ・作文を書く。
  ・書いたものを読み直す。
 (三) 「つり」を読む。……………………………………3
 (四) よく書けているところを調べる。 ………………1  
   (五) 自分の書いた作文を推考する。……………………
     …………………作文指導第二時…………………1
  ・学習のめあてをきめる。
  ・作文を書き直す。
 (六) 書いた作文を読み合って感想を述べ合う。…
    ……………………作文指導第三時…………………1
 ・学習のめあてをきめる。
  ・交換して読み合う。
  ・発表して、感想を述べ合う。
六 作文学習指導の展開
 (一) 作文指導第一時
  学習目標 海・山・川などに行った経験を書くことによ
   り、自然生活の経験を深め、楽しくする。

学 習 活 動  学習事項および留意点 
① なんのために書くか
 書くめあてをきめる。
 (目的確認) (5分)
T この前の時間は、夏
 休みに海・山・川で経
 験したことを話しても
 らいましたが、きょう
 は、それを作文に書い
 てもらいます。
 
・前時に、夏休み中の楽しかっ
 た経験を話し合っている。や
 はり、楽しかった経験といえ
 ば自然生活に関したものが圧
 倒的に多い。たとえば、海へ
 行ったこと、川へ行ったこと
 山へ行ったことなどである。
・前時において、夏休み中の楽
 しかった経験を話してしまっ
 

 201

C 話し合ったときはだ
 いたいのことがわかっ
 たけれど、作文に書け
 ばくわしいことがわか
 る。
T いまのことは友だち
 の作文を読んだ場合で
 すね。作文に書く人の
 場合は、どうでしょう
 ね。
C 作文に書くとき、し
 たことをもう一度思い
 出すから、その時の楽
 しかったことがもっと
 楽しくなってくる。
T では、作文に書くと
 きは、もう一度よく思
 い出しながら、書くこ
 とをはっきりさせて書
 きましょう。
  では、これから作文
 を書くめあてを、書い
 た人もそのことがはっ
 きりわかり、読んだ人
 もよくわかるからいっ
 そう楽しくなるように 
 た。ここで再び。同じ経険を
 文章や詩に書くという目的が
 はっきりしていなければなら
 ない。
・したがって、ここでの話し合
 いは、「なんのために書く
 か」という目的を確立してお
 くことがねらいである。
・そこで、ここでの書く目的は
 「詩や文章に書くことによっ
 て一層自分の経験が深まる」
 ということと、「書くことに
 よって、もう一度楽しみを味
 わう」ことを目的にして詩や
 文章を書かせることにした。
・単元全体の指導過程としては
 本時の作文活動のあとに教材
 の読解活動があり、さらにそ
 のあとに、本時の作文学習で
 書いた作品を推考するという
 活動を組織しているので、そ
 の位置づけも理解させてお
 く。
 
 
 して作文を書きましょ
 う。
② なんについて書くか
 書くことをきめる。
 (目的追求) (5分)
T それでは、書くめあ
 てがきまったので次に
 どんなことを書くか発
 表してください。
C ぼくは、海水浴に行
 ったことを書く。
C ぼくは、林間学校に
 行ったことを書きたい
 など。
 
 
 
 
③ どのように書くか書
 き方を考える。(5分)
T みなさんの書きたい
 ことは、どれも楽しそ
 うなことばかりです
 ね。それでは、その楽
 しそうなようすをどう
・やって作文に書いたら

○書こうとすることがらをまと
 めて書くこと。
<板書>
なんについて
 ・海水浴
 ・○○林間学校
 ・貝ひろい
 ・すいかわり
 ・登山
 ・つり
 
・ここに示した板書の例は、題
 材をこれに限定して書かせる
 という意味ではない。題材を
 板書することによって、児童
 が気づかなかった題材を発見
 することもできよう。
○書こうとすることがらをまと
 めて書くこと。
 <板書>
どのように
 ・楽しかったようすをくわ
  しく。
 ・あったこと、したことを 

202

 いいか、みんなで考え
 てみましょう。
C ただ「楽しかった、
 楽しかった」と書いた
 だけでは、読んだ人は
 どこがどのように楽し
 かったのか、少しもわ
 からないから、楽しか
 ったその時のようすを
 くわしく書けばいいと
 思う。
C あったこと、したこ
 とをくわしく書けば、
 読んだ人も自然楽しい
 とわかります。
 
 
 
 
 
 
 
C 段落を考えて書けば
 なおよくわかります。
T そうすると、自分の
 気持ちは、そのまま書
 
 くわしく。
・中心を一つきめて、それ
 をくわしく。
・段落を考えて。
 
○情景(ようす、場面)がよく
 わかるように書くこと。
・自然生活の経験を作文に書く
 場合は、「楽しかった」その
 情景(ようす、場面)をくわ
 しく書くことによって、経験
 の再構成ができる。それを読
 んだ人は、追体験をすること
 ができることを理解させる。
・自分の気持ち(楽しかった、
 うれしかった)をそのまま、
 ことばに書かなくても、でき
 ごと(経験)のようす、場面
 をくわしく書くことによって
 おのずから、その気持ちがあ
 らわれるものであることを理
 解させる。
○段落を考えて書くこと。
○中心点をおさえて書くこと。
・段落は、時間的、場面的変わ
 りめを考え、それを段落に区
 
 
 かなくても、ことがら
 をくわしく書けば、自
 然読み手にわかるので
 すね。
 
④ 作文を書く。(25分)
T それでは、自分で書
 こうときめたことをよ
 く整理して、みんなに
 よくわかってもらえる
 ように書き方を考えな
 がら作文を書きましょ
 う。
  黒板の注意をよく読
 みながら、注意を守っ
 て書いてください。
 
⑤ 書いたものを読み直
 す。    (5分)
T 書いた人は、友だち
 と読み合って、なおす
 ところがあったら訂正
 してください。その場
 合、気をつけることは
 どんなことでしょう。
C 黒板に書いてあると
 
 切って書くようにする。生活
 表現の文章では、気持ちとし
 て一つづきであるから時間や
 場面的変わりめに注意させる
 必要がある。
○情景(ようす・場面)がよく
 わかるように書くこと。
○中心点をおさえて書くこと。
○段落を考えて書くこと。
・記述前の指導が記述にいかさ
 れるように、特に記述の観点
 をはっきり確認させてから作
 文を書かせる。
・たんに長いだけがいい作文で
 はないから、記述時間の実熊
 に応じて字数を制限して書か
 せることも考えられる。
・推考は、書く目的に応じ、そ
 れに適した推考であることが
 必要である。
○情景(ようす・場面)がよく
 わかるように書くこと。
・「楽しかったようす」がよく
 あらわれているか、特に注意
 させる。
・記述の時間が不足して書きあ
 

203

 おり、楽しかったよう
 すがよくわかるかどう
 か気をつけて読む。
T それでは、楽しかっ
 たようすがよくわかる
 かどうか読んで確かめ
 てください。その時、
 「、」や「。」なども
 いっしょに気をつけて
 なおしてください。
 
げられない場合でも、次時は
 「つり」(教材)の読解をす
る。そのあと、書いた作文を
推考して読み合う時間が用意
されていることを予告する。
 
*作文指導第一時のあとに、教材「つり」を読解する。この
 教材「つり」は、児童作品であり「つり」の楽しい情景が
 よくわかる作品である。
  この教材を読解させ、経験を深めると同時に、この種の
 表現のし方を考えさせ、自分の書いた作文と比べながら調
 べることにより、次に自分の作文を推考させる活動へ発展
 させたい。
 (二) 作文指導第二時
  学習目標 書いた作文を推考して、いっそう経験を深め
   楽しさを増す。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
① 学習のめあてをきめ
 る。(目的確認)
 
・作文指導第一時に書いた作文
 が未完成の場合は、ここで第
 
 
        (15分)
T 今までに、「つり」
 を読みながら、よく書
 けているところを調べ
 てきましたが、特にど
 んなところがよく書け
 ていましたか。
C つりに行って、大き
 な魚をつりおとした時
 のようすがくわしく書
 けているので殘念だっ
 た気持ちがよくわかっ
 たなど。
T まとめていえばきょ
 うだいがつりのきょう
 そうをした、その時の
 ようすを特にくわしく
 書いていますね。その
 ようすから「つり」の
 楽しさがよくわかって
 つりをしない人でも自
 分が実際につりをした
 ような気になります
 ね。作文は、このよう
 に、作文を読んだだけ
 でも実際に経験したよ 
 一時につづいて書きそえるこ
 ともいいし、推考の時に不足
 部分を書き足してもいい。
 <板書>
なんのために
 ・ようすが、よくあらわれ
  るように
・楽しかったようす
・あったこと、した
 こと。
・中心点をおさえて
・段落を考えて
・本時は、教材「つり」を読解
 して得た表現上の理解をもと
 にして作文を推考する。
・推考の観点は、特に板書でと
 りあげたように「情景(よう
 す・場面)がよくあらわれる
 ように書くこと」を主にして
 どうしたら、情景がよくわか
 るように書くことができるか
 を再確認する。
・この場合、教材「つり」の書
 きあらわし方を参考にして理 

204

 うにわかるというはた
 らきがあります。
  きょうは、そういう
 たいせつな作文のべん
 きょうをするために、
 前に書いた作文をもっ
 とよくようすがあらわ
 れるように書き直して
 みましょう。


② 作文を書きなおす。
        (30分)
T では、めあてが達成
 できるようにいろいろ
 な注意を守って作文を
 書き直してください。
 解させる。
・情景がよくわかるように書く
 ためには、中心点をおさえる
 こと、段落を考えて書くこと
 も必要なことを再確認する。
○情景(ようす・場面)がよく
 あらわれるように直すこと。
○中心点をはっきりさせるこ
 と。
○段落をくぎること。
 
 (三) 作文指導第三時
  学習目標 書いた作文を読み合って、発表したり、感想
   を述べあうことにより、いっそう経験を深め、広める
   ようにする。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
① 学習のめあてをきめ
 る。(目的確認)
・本時のめあては、作文を読み
 合って、感想を述べ合い、い 
 
 
        (5分)
T きょうは、お互いに
 書いたものを読み合っ
 て、みんなで感想を話
 し合いましょう。
② 交換して読み合う。
        (20分)
T グループごとに読み
 合って、よく書けてい
 る作文を発表してくだ
 さい。
③ 発表して、感想を述
 べ合う。  (20分)
 
 っそう自然生活の経験を深
 め、楽しさを増すところにあ
 る。


・交換して読み合う場合、読む
 観点をきめておく。
・観点は、「情景がよくわかる
 か」「中心点がおさえられて
 いるか」、「段落が考えられ
 ているか」の三点とする。
・発表したり、感想を述べる場
 合は、必ずその根拠をはっき
 りさせて聞いている人に理由
 がよくわかるようにさせる。

七 作文の処理と評価
 (一) 処理
  ○作品を清書し、「文集」にして教室にさげておく。
 (二) 評価の観点と基準
  ○経験した情景・場面がよくあらわれているかどうか。
   A 経験したことのようす(情景・場面)がいきいき
    と書かれていて、そこから気持ちが推測できる作
    品。
   B なにを書こうとしたか、ねらいがはっきりしない 

205

    が、ようすは、ややくわしく書かれている作品。
   C ら列的であり、観念的に気持ちを書こうとしてい
    る作品。

  (六) 十  月

機  能  学校生活の経験を深め、学校生活を楽しくする
 ために書く。 
学習活動
学習事項



題材例
 
運動会について書く。
1 中心点をおさえて書くこと。
2 書こうとすることがらを、まとめて書くこ
 と。
3 段落を考えて書くこと。
  徒競走   団体競技   紅白リレー
  ダンス   地域対抗リレー
 

   単元 運動会

一 単元について
 児童にとって、運動会は、学校生活の中でも最も楽しい学
校行事のひとつである。それだけに興味・関心の深いもので
ある。
 しかし、運動会は、学校行事として毎年くりかえされてい
るだけに、毎年、同じ話題ではマンネリズムになるという懸
念もあるが、この時期における児童の関心は、学校生活にや 
  やなれ、運動会への積極的参加の態度も加わって、自覚的な
ものがある。
 こうした児童の関心に乗じて、運動会を話題にし、この話
題をめぐって話したり、聞いたり、読んだり、書いたりする
ことによって、積極的に運動会に参加する楽しみが、いっそ
う増してくるものである。
二 単元の学習目標
 運動会について話したり聞いたり、あるいは運動会につい
て書いた文章を読んだり書いたりすることによって、学校生
活の経験を深め、学校生活を豊かにする。
三 単元の学習内容
 (一) 学習活動
  1 運動会の経験を話し合う。
  2 「楽しい運動会」を読む。
  3 「運動会」について書く。
  4 よく書けているところを話し合う。
 (二) 学習事項
  1 自分ばかりで話さないこと。
  2 読み取ったことについて話し合うこと。
  3 文章を段落ごとにまとめて読むこと。
  4 自分の気持ち(よろこび)がよくあらわれるように
   書くこと。
  5 中心点をおさえて書くこと。
  6 書こうとすることがらをまとめて書くこと。 

206

  7 段落を考えて書くこと。
  8 「、」「。」を正しくうって書くこと。
四 この単元に用意した教材
 (一) 「楽しい運動会」
   楽しかった運動会に取材して、自分たちの経験を具体
  的に書いた児童の作品である。
   この教材の読解をとおして運動会の楽しさを味わい、
  学校生活をより楽しくすることができる。
 (二) この種の経験を書く場合、とかく経験の羅列になった
  り、あるいは概念的な作文になったりする。そこで、こ
  の教材を読解し、具体的な追経験をとおして、気持ち
   (よろこび)が十分あらわれるように書く素地をつくる
  ための導入教材として取扱うことが適当である。
五 単元の学習計画(総時数8時間)
 (一) 「楽しい運動会」を読む。……………………………3
 (二) 「楽しい運動会」を読んで、よく書かれてい
   るところを話し合う。……………………………………1
 (三) 運動会について話し合う。……………………………1
 (四) 「運動会」について書く。…作文指導第一時………1
  1 なんのために書くか、めあてをきめる。
  2 なんについて書くか、書くことをきめる。
  3 どのように書くか、書き方を考える。
  4 作文を書く。
  5 書いたものを読み直す。
  
   (五) 書いた作文を読み合う。…作文指導第二時…………1
  ・交換して読み合う。
  ・感想を述べ合う。
  ・学習のめあてをきめる。
 (六) 運動会について反省する。……………………………1
六 作文学習指導の展開
 (一) 作文指導第一時
  学習目標 「運動会」について作文を書き、「運動会」
   の経験を深め、楽しさを増す。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
① なんのために書くか
 書くめあてをきめる。
  (目的確認)(5分)
T きょうは「運動会」
 について作文を書いて
 もらいます。
  なんのために作文を
 書くか、みんなで考え
 てみましょう。
  きょうは運動会のこ
 とで、みなさんが最も
 書きたいということを
 一つ選んで書いてもら
 います。今まで「楽し
 
・本時は、作文に書くことによ
 り、いっそう経験を深め、楽
 しさを増すことをねらってい
 る。そのためには、作文のね
 らいをはっきりさせ、目的に
 あった作文活動をさせる。
 <板書>
なんのために
 ・運動会の楽しさを
  いっそう深める。
 
・ここでは、「運動会」の経験
 を作文に書くことにより「運
 動会の楽しさを増す」という
 

207

 い運動会」を読んで、
 他校の運動会の楽しい
 様子を知ることができ
 ましたが、自分たちの
 運動会についてもよく
 思い出して、その様子
 を書くことによりいっ
 そう運動会の楽しさが
 増してくると思いま
 す。





② なんについて書くか
 書くことをきめる。
  (目的追求)(5分)
T それでは、運動会の
 中で、どんなことにつ
 いて書きたいと思いま
 すか。発表してくださ
 い。
C ぼくは、徒競走が一
 番楽しかったので、そ
 の様子を書きたい。
 
 点に、書く目的をおき、それ
 に即した記述前の指導をする
 ことが必要である。
・そのために、「なんのために
 書くか」(目的確認)「なん
 について書くか」(目的追求)
 「どう書くか」という記述前
 の指導に時間を多くとってあ
 る。
・特に自己表現の機能をもった
 作文についてその目的性、必
 要性に立たせるためには、記
 述前の確認があいまいだと、
 書く技能の指導もおろそかに
 なる。
○書こうとすることがらをまと
 めて書くこと。
 <板書>
なんについて
 ・徒競走のこと。
 ・ダンスのこと。
 ・つなひきのこと。
 ・一年生の玉入れ。
 ・ぼうひきのこと。
・あらかじめ、自分の書く題材
 
 
C わたしは一年生の玉
 入れがとてもかわいか
 ったので、それを書き
 たいなど。






③ どのように書くか、
 書き方を考える。
       (5分)
T 運動会は楽しかった
 わけですが、その中で
 も徒競走などで一等を
 とったことを書くとす
 れば、どんな気持ちを
 書けばいいですか。
C うれしい気持ち、
T そういう、うれしい
 気持ちはどうやって作
 文に書きあらわします
 か。「ぼくは一等にな
 って、うれしかった。」
 とだけ書けばいいです
 
 を考えさせておくが、本時の
 話し合いをとおして、題材を
 決定させる。
・題材を、ただ「運動会」とし
 てばくぜんとした題材にする
 ことは、作文を書くときに中
 心点のぼやけた作品になるの
 で、できるだけ、題材をくだ
 いて具体的な題材をとらえさ
 せる。
○自分の気持ち(よろこび)が
 よくあらわれるように書くこ
 と。
 <板書> 

どのように
 うれしい気持ち
 ・そのようすをくわしく
 ・くわしく書くところ
   ――メモをする――
 ・「てん」「まる」を正
  しく。 

・板書例に掲げたように、特に
 「うれしい気持ち」をあらわ

 208

 か。
C やっぱり、うれしい
 気持ちを書きあらわす
 には、一等をとったそ
 の様子をくわしく書け
 ばいいなど。
T そのためには、自分
 の書こうとすることを
 しっかりきめて、それ
 をどのように、どこを
 くわしく書いたらいい
 かをメモしておいて、
 それから作文を書きま
 しょう。
④ 作文を書く。
        (25分)
T それでは、書くこと
 がきまったら、板書の
 注意をよく守って作文
 を書いてください。
 
 
 
⑤ 書いたものを読み直
 す。    (5分)
T 書きおわった人は友
 
 すために、そのときのようす
 をくわしく書くことが大切で
 あることを自覚させる。
○中心点をおさえて書くこと。
・くわしく書くところは、どこ
 かを考えさせる。そのために
 は書こうとすることを簡単に
 メモをとり、その中から、特
 にくわしく書きたいところを
 考えさせる。
○段落を考えて書くこと。
○メモをもとにして書くこと。
 
 
○自分の気持ち(よろこび)が
 よくあらわれるように書くこ
 と。
○中心点をおさえて書くこと。
○段落を考えて書くこと。
○メモをもとにして書くこと。
・記述の観点を板書して、それ
 に従って書くことを指示す
 る。
・推考は作文を書く目的に応じ
 て、それに適切な観点でおこ
 なう。
 
 
 だちと交換して読み合
 いましょう。その場合
 注意することはなんで
 すか。
C 中心になることをく
 わしく書いているかど
 うか確かめる。
C 段落を考えて書いて
 いるか確かめて読むな
 ど。
T それでは確かめなが
 ら読み直して訂正する
 ことがあったら直して
 ください。
 
・記述前に話し合って確認した
 板書の観点を再確認して、そ
 れに応じて自分の作文を読み
 直すようにする。
・自分の気持ち(よろこび)が
 よくあらわれているかどうか
 に注意して推考をする。
・そのためには、中心になるこ
 とをくわしく書いているかど
 うかを碓かめさせる。
・時間、場面の変わりめに注意
 して段落を考えさせる。
・この時間で書きあがらない場
 合は、次時の作文指導第二時
 につづけて書くことを予告す
 る。
 
 (二) 作文指導第二時
  学習目標 書いた作文を交換して読み合い、感想を述べ
   合うことにより、運動会の経験を深め、楽しさがいっ
   そう増すようになる。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
① 学習のめあてをきめ
 る。(目的確認)
       (5分)
 
・前時に時間不足で完成しない
 場合は、ここで時間をとり前
 時につづけて書かせる。作文

 209

T きょうは、みなさん
 が運動会について書い
 た作文を、みんなで読
 み合って、感想を述べ
 合うことになっていま
 す。
  友だちの作文を読む
 のはどんないいことが
 ありますか。
C 運動会はみんなが同
 じようにやっていたの
 だからそのようすは同
 じように知っている。
 しかし作文では、めい
 めい自分の考えを書い
 ているから、それを読
 むことによって、いろ
 いろな見方や感じ方が
 あるのでおもしろい。
 
 が書き終えていなければ、本
 時学習の目標に到達できな
 い。
・書いたことにより、既に児童
 は、ある程度満足している。
 それに対して本時の学習を展
 開するためには、話し合いに
 よってめあてを十分確認して
 おかなければ活発な学習活動
 が期待できない。
 <板書>
なんのために
 ・いろいろな見方、感じ方
  がわかっておもしろい。
 ・自分の気づかないところ
  が教えられる。
 ・楽しさがいっそう増して
  くる。 
・書いた作文をみんなで読み合
 い、いい作品を発表し合って
 感想を述べ合うのは、自分の
 書いた作文と友だちの作文を
 比較したり、あるいは読むこ
 とによって経験が深まり、い
 っそう楽しさが増すことを確 
 
② 交換して読む。(目
 的追求)   (20分)
T それでは、これから
 グループごとに作文を
 交換して読み合いまし
 ょう。あとでよく書け
 た作文を一点だけ発表
 してもらいます。どこ
 がいいのか、よくグル
 ープで話し合っておき
 なさい。
③ 発表して、感想を述
  べ合う。
      (目的達成)
        (20分)
T グループから一点ず
 つ、いい作文を発表し
 てください。その場合
 理由もはっきり述べて
 ください。
C わたしたちのグルー
 プから「徒競走」の作
 文を発表します。この
 作文はスタートに並ん
 でから決勝線を一番で
 テープを切るまでの自 
 認し合う。
・交換して読む場合、読み合う
 観点を話し合いによって確認
 しておく。また、あとでよく
 書けた作文を推せんする場合
 のし方についても話し合って
 おく。
・共同で読み合い、発表する作
 文は、いつでも、よく書けて
 いる作品をとりあげることが
 必要である。もし、短所を例
 にする場合は、他の学級児童
 の作品をとりあげる配慮がほ
 しい。
・発表する場合は、観点に応じ
 た推せんの理由をはっきり述
 べてから朗読させる。
・感想は記述前に「どのように
 書くか」を話し合ってきめた
 観点に即して述べること。
・特に「よろこびの気持ち」「楽
 しいようす」が作品をとおし
 て感じとられるかどうか、重
 点にして話し合う。
・さらに中心点がはっきりして
 いるかどうか、段落を考えて 

210

分の気持ちちがくわしく
書かれていて、一等に
なったよろこびがとて
もよくあらわれていま
すなど。
 
 書いているかどうか、につい
 ても話し合う。
・感想は具体的に表現を指摘さ
 せるようにする。
・話し合った後は、自分の作文
 を再度推考しながら清書して
 保管させる。清書の場合は書
 写のし方に注意し、正しく表
 記させる。
 
七 作文の処理と評価
 (一) 処理
  ○推考のあとは清書して文集にして、教室にさげてお
   く。
 (二) 評価の観点と基準
  ○運動会のよろこび、楽しさの気持ちがよくあらわれる
   ように書けているか。
   A よろこびや楽しさの気持ちが表現をとおしてあら
    われている作品。
   B たんに、ことがらの説明になっていて、よろこび
    楽しさの気持ちがあらわれていない作品。
   C ら列的で、観念的な気持ちの表現や、何をいおう
    としているのか、その意図がわからない作品。


    (七) 十一  月 
 
機  能   勤労に対する経験を深めるために書く。 
学習活動
学習事項


題材例
 
 自分で働いた経験や、働く人のことを書く。
1 中心点をおさえて書くこと。
2 書こうとすることがらを、まとめて書くこ

  おそうじ   すいじの手伝い
  おつかい   ペンキぬり
  はいたつ   いねかり
  くさとり   いもほり
  子もり    にわとりのせわ
 


    単元 働く人

一 単元について
 この時期の児童は、社会的な意識が芽ばえ、社会生活にお
ける勤労の重要性や意義についても関心が高まってくる。
 したがって、単に「ほめられるから……」という受身のも
のから生産的勤労を進んでやるようになってくる。この単元
は、児童に自分の働いた経験を書かせることによって、働く
ことのよろこびを感じ、その尊さを認識させるためのもので
ある。
二 単元の学習目標
 働いた時の失敗・苦労・成功等を主題にした文章を読んだ
り書いたりすることによって、働くことのよろこびと尊さが 

211

わかり経験が深まる。
三 単元の学習内容
 (一) 学習活動
  1 「(一) 機関車」の詩を読む。
  2 「(二) 町の鉄工場」を読む。
  3 「(三) いねのとり入れ」を読む。
  4 働いたときのことを書く。
  5 働く人のことを書く。
  6 作文を読み合い感想を話す。
 (二) 学習事項
  1 心要なところ、細かいところに注意して読むこと。
  2 自分の気持ちが相手にわかるように書くこと。
  3 書こうとすることがらをまとめて書くこと。
  4 中心点をおさえて書くこと。
  5 進んで仕事をし、生活を高めていくために書くこ
   と。
  6 文章の中の意味の切れめやことばのかかり方にいっ
   そう注意すること。
  7 「てん」「まる」その他の符号の使い方がわかるこ
   と。
四 この単元に用意された教材
 (一) 「(一) 機関車」
   機関車を動かす人間、働く人への情感を力強くもり上
  げているリズム感、力動感にみちた詩である。この詩を
  
    読み味わうことによって、生活と、詩に対する経験を豊
  かにし、生活を見る目が確かになってくる。
 (二) 「(二) 町の鉄工場」
   町の鉄工場で、たくましく、生き生きと働いている人
  たちのすがたをよくとらえ、しかも、仕事の手順に従っ
  て描写している。この教材を読むことによって、働くこ
  との尊さ、意義、または、働く人への感謝の気持ちを抱
  くであろう。
 (三) 「(三) いねのとり入れ」
   いねのとり入れを手伝って、仕事をすることの喜び、
  仕事を完成した充実感、そういった気持ちの一貫した文
  章である。児童たちは、この教材を読むことによって、
  進んで働こうとする作者の意気込み、つかれや苦しみに
  も負けないがんばり等を感じとり、勤労を高めるであろ
  う。
五 単元の指導計画………………………(総時数12時間)
 1 手伝いをした経験や、働く人を見て感じたことを話し
  合い、学習の計画を立てる。……………………………1
 2 「(一) 機関車」の詩を読む。………………………2
 3 「(二) 町の鉄工場」を読む。………………………4
 4 「(三) いねのとり入れ」を読む。…………………2
 5 働いた時のことを書く。…作文指導第一時…………1
  ○自分が働いた時のことを話す。
  ○働いた時のことを書く。
  

 212

  ○書いたものを読み直す。
 6 工場見学をする。
   (工場で働く人を観察する。社会、理科、校外見学等
  で見学したときのことを書くのもよい)
 7 働く人のことを書く。……作文指導第二時…………1
  ○見学したことを話し合い、書く計画を立てる。
  ○メモを整理し組み立てを考える。
  ○構想をメモし、それをもとにして書く。
  ○書いたものを読み直す。
 8 作文を読み合い感想を話す。……………………
     …………………………作文指導第三時…………1
  ○学習の目的をつかむ。
  ○友だちの作文を読む。
  ○読んで気のついたことを話す。
  ○友だちの作文について話し合う。
六 作文学習指導の展開
 (一) 作文指導第一時
  学習目標 自分が働いた時のことを書くことによって、
   働く喜びを味わい、勤労の尊さを理解する。

学 習 活 動  学習事項および留意点 
① 働いた経験を話し、
 本時の学習の目あてを
 つかむ。  (10分)
 
・前の学習で働くことのよろこ
 びや尊さについて理解もし、
 関心もたかまっている。した
 
 
T 家でどんな仕事をお
 てつだいしますか。
C おそうじ、おつかい
 などをします。
C 畑の仕事の手伝いや
 妹のめんどうをみます
 など。
T その時の様子や、考
 えたこと、感じたこと
 を発表しなさい。
C この前の日曜日、畑
 の草取りの手伝いをし
 ました。暑いのと、土
 ぼこりでたいへんでし
 たが、がまんしてやり
 ましたなど。
② 学習の計画を立てる
        (5分)
T きょうは、働いたこ
 とを作文に書きます。
 どんな順序で学習を進
 めていったらよいか考
 えましょう。
C わたしは、はじめに
 書くことをきめ、次に
 どう書くかをメモし、 
 がって前の学習との緊密な関
 連を保ち、発展的に進める。
・働いた経験を文章や詩に書く
 ことを目あてとして考えさせ
 発表させる。
・働いた時の様子、苦しかった
 こと、うれしかったことなど
 自由に話させる。
・いちばん印象にのこったこと
 を文章や詩に書かせるように
 する。
 
 
 
 
 
○自主的に学習の計画を立てる
 こと。
・今までの学習の流れで、何を
 どのように学習するかは、だ
 いたい見通しがついている。
 したがって、ここでは、その
 考えを自由に出させ、それを
 まとめて話しておく程度にす
 る。
・学習の順序

213

 それから書きますな
 ど。

③ 働いたときのことを
 書く。   (25分)
T 書くことがらをきめ
 順序を考え、それをメ
 モしましょう。

 ・その時の様子。
 ・その時の気持ち。
 ・何をどんな順序で書
  くか。
 ・どんなことをくわし
  く書くか。

T メモをもとにして書
 きなさい。メモにたよ
 りすぎないように、書
 く途中で思いだしたら
 どんどん書き加えてい
 きましょう。


<整理・適用>
④ 書いた作文を読み返
 
 ① 構想を立てる。
 ② 書く。
 ③ 書いたものを読み返す。
○中心点をおさえて書くこと。
○書こうとすることがらをまと
 めて書くこと。
○メモによって構想をねるこ
 と。
・ノートに書くことがらをメモ
 し、全体の組み立てを見通し
 てから書くようにする。
・働くことの苦しさ、楽しさ、
 尊さを単に知識として観念的
 に文章に書くのでなく、具体
 的な経験を生き生きと書くこ
 とによって身につけるという
 ことを念頭におく。
・各児童の能力に応じて、指導
 を考えるが、最後の段階で
 は、初め、中ごろ、終わり、
 の三段階ぐらいをおおまかな
 順序ときめ、中心点になると
 ころをくわしく書くようにす
 る。

○推考すること。
 
 
 す。    (5分)
T 推考するときは、ど
 んなことに注意したら
 よいでしょうか。
C くわしく書きたいと
 思ったところはどう
 か。
C 働いたときの様子や
 気持ちがよく表われて
 いるか、を考えながら
 読みます。
 
・推考のときは、その観点をは
 っきりさせることがだいじで
 ある。
・各自で推考が終わった人はと
 なりの友だちと相互に読み合
 い批正し合うこともよい。
・次の学習は工場を見学したあ
 とで働く人のことを書くのだ
 ということを予告する。
 
  国語の学習時間か、または、他教科(社会科・理科等)
 の学習時間に、工場を見学する機会をつくる。指導計画
 上むりがあれば、日常観察している働く人を書いてもよ
 い。
 (二) 作文指導第二時
  学習目標 働く人を観察し、それを生き生きと描写する
   ことによって働く人への感謝の気持ちや尊さがわかる
   ようになる。

学 習 活 動  学習事項および留意点 
① 見学したことを話し
 合い学習の目あてをつ
 かむ。   (5分)
 
・社会科や理科で見学する場合
 の見学の目的と、この単元の
 目的から考える見学のねらい
 

214

T この前の工場の見学
 で、働く人たちを見学
 しました。
  この時間では、「働
 く人」を書きます。
② 学習の計画を話し合
 う。    (5分)
T どんな順序や方法で
 学習を進めていきます
 か。
C この前見学したとき
 のメモを整理します。
C 観察したことを書
 く。
C 書いた作文を読み直
 します。
③ メモを整理し、文章
 の組み立てを考える。
        (10分)
T では、はじめに、メ
 モを整理し、全体の組
 み立てを見通しましょ
・どんな順序で書く
 か。
 
 は異なるが、授業時間の関係
 もあり、他教科の見学の場合
 にも「働く人」を観察する目
 的をもたせて見学させる。

○自主的に学習の計画を立てる
 こと。
・学習の計画は、児童の発表し
 たことをまとめて板書してお
 き、仕事の進みぐあいをいつ
 でも検討できるようにして、
 自主的活動が展開できるよう
 にする。
 
 
 
○メモを整理しながら、構想を
 ねること。
・何と何をどんな順序で書いた
 らよいか、どんなところをく
 わしく書いたらよいか、を考
 えさせる。
・実際に書くときは、はじめに
 用意した、構想を立てたメモ
 にとらわれないようにするほ
 うがよい。すなわち、児童は
 
・仕事の順序、内容、
 働く人の様子。
・何のために働いてい
 るか。
・中心点。
・働く人に対する気持
 ち。
 
④ 働く人のことを書く
        (20分)
T メモをもとにして書
 きましょう。


⑤ 書いた作文を読み返
 す。    (5分)
T はじめ各自書いたメ
 モや黒板に書いてある
 項目にしたがって推考
 しましょう。
 
 書き進む過程において構想を
 立てていくことがある。した
 がって途中に思い出したこと
 は書き加えていくようにす
 る。


○中心点をおさえて書くこと。
○書こうとすることがらをまと
 めて書くこと。
○働く人の苦労やよろこびがよ
 くわかるように生き生きと表
 現すること。
○推考すること。
・推考の観点をはっきりさせ
 て、不十分と思われるところ
 を書き加える。
・次の学習の予定をする。
 
 (三) 作文指導第三時
  学習目標 作文を読み合ったり、発表したりすることに
   よって作文を見る力を養い、働くことの意義を理解す
   る。
  

215

学 習 活 動  学習事項および留意点 
① 本時の学習の目あて
 をつかむ。 (5分)
T この時間の学習は、
 今まで書いた二つの作
 文「働いた経験を書い
 た作文」「働く人を書
 いた作文」を交換して
 読んだり、発表したり
 します。
  どんなことに気をつ
 けて学習したらよいか
 考えてください。
C 友だちの作文と比べ
 て、よい点、悪い点を
 見つけ、書きなおした
 り、書き加えたりしま
 す。
T よい作文とはどんな
 作文ですか。
C 働くことに対する自
 分の考えがよくでてい
 る作文です。
C 働くようすが生き生
 きと書かれてある作文 
○学習の目的をつかみ、学習の
 見通しを立てること。
・この時間の学習は、友だちの
 作文と、自分の作文を比較
 し、よりよい作文に書きなお
 すこと。また、働くことに対
 する関心や感謝の気持ちをい
 っそう深めることをねらいと
 している。
 
 
 
・児童から出た問題をまとめ
 て、作文を見るときの基準を
 明確にし、それを板書して参
 考にさせる。
 
 
 ですなど。
② 本時の学習の計画を
 立てる。  (5分)
T きょうは、どんな順
 序と方法で学習します
 か。
③ 友だちの作文を読む
        (10分)
T では、何に注意して
 読むかをおさえて友だ
 ちの作文を読みましょ
 う。
④ 読んで気づいたこと
 を話す。  (10分)
T 友だちの作文につい
 て気づいたところを話
 し合いなさい。
T 気づいたことを発表
 してもらいます。
C ○○さんの作文は、
 働く人に対する気持ち
 が、よく表われていま
 す。そのよく書き表わ
 されているところを読
 んでみます。「……」
 また書く中心がはっき 
○自主的に学習の計画を立てる
 こと。
・児童の発表したことを板書す
 る。
○推考する観点に即して、その
 長所、短所が見分けられるこ
 と。
・疑問点は友だちに聞き、書き
 手も納得できる推考ができる
 ようにする。


○内容・形式面が目的によって
 統一されているかをおさえな
 がら話すこと。
・となりの友だちと気づいた点
 を自由に話し合い、気楽に訂
 正し合う。
・相互評価が一応すんだところ
 で、二、三の児童に発表さ
 せ、自分の作文の推考のしか
 たは正しかったかを考えさせ
 る。
・発表させるときは、○○さん
 の作文は、こういう観点か
 ら、こんなところがよく書け 

216

 りしています。それは
 こういうところです。
 「……」。
⑤ 友だちの作文を聞い
 て感想を話す。(15分)
T 各グループからよい
 作品を選びます。その
 作文がなぜよい作文な
 のか考えましょう。
T 気づいたことはメモ
 してください。あとで
 発表してもらいます。
 
 ている。といったような「紹
 介読み」をさせるとよい。

○よい作文とはどういう作文
 か、書く目的に照らして考え
  ること。
・各グループから一、二点すぐ
 れた作文を選び(または事前
 にプリントしておく)それを
 読んで感想を話させる。
・この時間はまとめの段階であ
 るから、書く目的、「勤労へ
 の感謝、生活にその考えをど
 う生かすか」へ方向づけなが
 ら学習を進めること。
 

七 評価の観点と処理
 (一) 処理
  1 働くことのよろこびや尊さがよく書き表わされてい
   る作品を校内放送の時間に放送する。
  2 作文を集め一冊にして学級図書に備えておく。その
   際、感想、意見らんを設けて気づいたら気軽に記入す
   るように指導しておく。
  3 参観日等の機会をとらえて、作文を発表させ、父母
   に働くことに対する児童の考えを理解してもらい、家 
     庭での仕事のさせ方や、生活設計に協力してもらう。
  4 見学した工場に一括して送る。
 (二) 評価の観点と基準
  ○中心点をおさえて書くこと。
   A 何を中心にするかをはっきりおさえ、文章の組み
    立てをくふうしている。
   B 中心点がぼやけ、段落もはっきりしていない。
   C 何を中心としているかがはっきりせず、全体とし
    て統一していない。

   (八) 十二 月

機  能   日常生活を反省し、生活に役立てるために書
 く。 
学習活動
学習事項




題材例
 
生活日記を書く。
1 書こうとすることがらを、まとめて書くこ
 と。
2 中心点をおさえて書くこと。
3 「、」(てん)をうち、その他の符号など
 の使い方を理解すること。
  あそび   学習   てつだい
 


   単元 このごろの生活

一 単元について  

217

 年の暮れになって、児童たぢは、一年間の生活をふりかえ
り、やがて来る新年を待ち望んでいる。日ごろ、なにげなく
過ごしている生活であるが、なにかの時期にふりかえってみ
るものである。
 日常生活を、つねにふりかえってみることは人間にとって
たいせつなことであるが、しかし、いつでもそれができると
は限らない。やはり、なにかの契機が必要である。
 さらに、この期の児童には、自分の生活をみつめる態度や
自ら反省し思考する能力も育ってきている。こうした実態に
乗じて、自分の生活をみつめ、自ら反省し、思考することの
意義も大きいものである。
二 単元の学習目標
 日常生活や学習のことを書いた文章を読んだり、書いたり
することによって、生活を反省し、生活を向上させるように
する。
三 単元の学習内容
 (一) 学習活動
  1 このごろの生活を反省する。
  2 自分たちの生活を書く。
  3 「このごろの生活から」を読む。
  4 生活日記を書く。
 (二) 学習事項
  1 考えをまとめながら話すこと。
  2 読み取ったことについて話し合うこと。
  
    3 必要なところを細かい点に注意して読むこと。
  4 必要なことを選んで(なにを記録するか考えて)書
   くこと。
  5 あとで読んで、生活がわかるように(思い出せるよ
   うに)書くこと。
  6 書こうとすることがらをまとめて書くこと。
  7 「、」(てん)をうち、また、その他の符号などの
   使い方を理解すること。
四 この単元に用意された教材
 (一) 「このごろの生活から」
   このごろの生活から取材した生活日記である。
   ・12月12日のもの  早く起きて、学校へうさぎ
              当番の仕事をしに行ったこ
              と。
   ・12月15日のもの  まき運びの道具を考案した
              こと。
   ・12月19日のもの  ほんとうに寒い朝で、氷点
              下二度になったこと。
   ・12月23日のもの  東京のみよ子さんから、ク
              リスマスカードが届いたこと
              アンデルセン童話集を読んだ
              こと。
   ・12月25日のもの  紙はん画で年賀状を刷った
              こと。 

 218

 (二) 日記の形態は、この学年になって初めて提出されたも
  のであるから、「このごろの生活から」を読むことによ
  って、ある程度の形態を理解し、「生活日記」の書き方
  を理解することができる。したがって、ここでは「生活
  日記」を書く活動の導入教材として位置づけることが適
  当である。
五 単元の学習計画        (総時数10時間)
 (一) このごろの生活を反省する。………………………1
 (二) 自分たちの生活を書く。……作文指導第一時……1
  1 なんのために書くか、書くめあてをきめる。
  2 このごろの生活の、なにを書くかをきめる。
  3 どのように書くか、書き方を考える。
  4 作文を書く。
  5 書いたものを読み直す。
  6 書いたものを読み合う。
 (三) 「このごろの生活から」を読む。…………………5
 (四) 生活日記を書く。…………作文指導第二時………1
  1 なんのために書くか、書くめあてをきめる。
  2 なにを書くか、書くことをきめる。
  3 どのように書くか、書き方を考える。
  4 生活日記を書く。
  5 書いたものを読み直す。
 (五) 書いたものを読み合う……作文指導第三時………1
  1 学習のめあてをきめる。  
    2 交換して読み合う。
  3 感想を述べ合う。
 (六) このごろの生活について話し合う。………………1
六 作文学習指導の展開
 (一) 作文指導第一時
  学習目標 「このごろの生活」について書き、生活を反
   省するようになる。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
① なんのために書くか
 書くめあてをきめる。
  (目的確認)(5分)
T きょうは、このごろ
 の生活を書いてもらい
 ましょう。何のために
 書くのでしょう。
C 作文をよく書こうと
 すると、自分の生活し
 ていることをよくふり
 かえったり、みつめた
 りするから自分の生活
 がよくわかるなど。
T 自分が書いた場合は
 生活をよくふりかえっ
 てみることができます
・「生活日記」を書く前提とし
 て、まず自己の生活をみつ
 め、自己の生活を反省する態
 度を養うことを主眼として、
 本時は、「このごろの生活」
 を作文に書くことにより、い
 っそう深く生活をみつめ、反
 省することを期待して、この
 作文活動を用意した。
<板書> 
なんのために
 ・生活をふりかえってみる
 ・自分の生活がよくわかっ
  てくる。
 ・友だちの生活もよくわか 

219

 が友だちの作文を読む
 場合はどうでしょう。
C 自分の生活と友だち
 の生活を比べてみると
 自分の生活がなおよく
 わかる。
T きょうの作文は、自
 分が書く場合は自分の
 生活をふりかえるため
 に、また、友だちの作
 文を読み合うと、自分
 の生活が、なお、いっ
 そうよくわかるという
 こともありますから、
 書いたものを友だちに
 も読んでもらうことを
 予想して書くことにし
 ましょう。
 
 ってくる。
・自分の生活とくらべてみ
 る。 

  最初の作文は、このごろの生
 活を反省して話し合うことによ
 り、書く意欲を盛り上げ、まず
 作文を書かせて生活をいっそう
 深くみつめさせる。それに対し
 て、教材は「生活日記]という、
 「生活表現」の機能にやや「記
 録」の機能、形態をもったもの
 であるから、これを十分読解す
 ることにより、「生活日記」の
 機能とその形態を理解すること
 ができる。
  教材の読解をとおして、次に
 「生活日記」を書くという作文
 活動を組織したものである。
  第一次の作文と、第二次の作
 文とには以上のような関係があ
 ることを念頭において指導す
 る。
・本時の作文活動は、あとで友
 だちに読んでもらうことを前
 提として、それに応じた取
 
 

② このごろの生活のな
 にを書くかをきめる。
 (目的追求) (5分)
T このごろの生活や学
 習の中で、どのような
 ことを書きたいと思い
 ますか、発表してくだ
 さい。
C 実行しようとして、
 できなかったことを書
 く。
C べんきょうのことに
 ついて書きたい。
 
③ どのように書くか、
 書き方を考える。
        (5分)
T それでは、書くとき
 に、どのようなことに
 注意したらいいでしょ
 う。
C 書こうと思ったこと
 について、その中でも
 特にどんなことを中心
 にして書くか考えるこ 
 材、書き方をくふうさせる。
○書こうとすることがらをまと
 めて書くこと。
 <板書> 
なんについて
 ・友だちとの遊びのこと。
 ・実行しようとしてできな
  かったこと。
 ・べんきょうのこと。
 ・おてつだいをしたこと。 

・なにを書くか、一日の生活の
 中からなにを選んで書くか、
 題材選択の技能に発展するの
 で、よく考えさせる。
○必要なことを選んで書くこ
どのように
 ・中心になることを選ぶ。
 ・そのようすをくわしく。 


○書こうとすることがらをまと
 めて書くこと。
○中心点をおさえて書くこと。
・記述前におおまかな見当をた

 220

 となど。
T このごろの生活の中
 からこれを書くときめ
 ても、まだまだばく然
 としていて書けませ
 ん。特に中心にして書
 くことをきめ、そこを
 くわしく書くようにし
 ましょう。

④ 作文を書く。(20分)
T それでは、書くこと
 がきまったら書きはじ
 めてください。


⑤ 書いたものを読み直
 す。    (5分)
T 書いた人は黒板の注
 意をよくみて、読み直
 してください。



⑥ 書いたものを読み合
 う。(目的達成) 
 てることは当然だが、前時に
 構想をこまかにたて、それに
 従って書くという場合は、児
 童の書く考えが変わってきて
 いるから、かえって害にな
 る。
・あらかじめ構想をきめている
 場合は、それにあまりこだわ
 らずに、構想を変えたいとき
 は自由に変えさせる。
○中心点をおさえて書くこと。
○あとで読んで生活がわかるよ
 うに(思い出せるように)書
 くこと。
○書こうとすることがらをまと
 めて書くこと。
・推考の観点をはっきりさせて
 から目的にあった推考をさせ
 る。
・観点は、記述前に板書したも
 のを、もう一度確認させてお
 く。
・表記(「てん」「まる」)につ
 いても観点に加える。
○目的に応じた推考をするこ
 と。 
 
        (5分)
T 書いて、読み直した
 人は、友だちと交換し
 て、読み合ってくださ
 い。


T 次の時間は「このご
 ろの生活から」を読み
 ましょう。
 
・時間がないので隣席の児童と
 交換して読む程度にする。い
 つも同じ児童にならないよう
 に交換する組み合わせに変化
 をつけて、なるべくおおぜい
 の友だちが読めるようにす
 る。
・次は、教材を読んで、さらに
 生活日記へ発展することを予
 告する。
 
*このあと、五時間にわたって「このごろの生活から」の
 教材を読解する。この教材は日記形態であるから、作
 文指導第二時に用意している「生活日記」を書く活動
 のためには、この教材の読解が大切な契機になってい
 る。
  この教材については、特に内容の読解をとおして、①
 なんのために「生活日記」を書くのか、その必要性・目
 的性を理解させ、②生活の中からなにを選んで書くの
 か、必要なことの選び方を理解させ、③あとで読んで生
 活が思い出せるような書き方を理解させる。
(二) 作文指導第二時
 学習目標 「生活日記」を書き、生活をみつめ、生活に
  役立てるようにする。 

221

学 習 活 動  学習事項および留意点 
① なんのために書くか
 書くめあてをきめる。
 (目的確認) (5分)
T 日記はなんのために
 書くかを考えてみまし
 たね。もう一度復習し
 てみましょう。
C 書くことによって、
 生活をふりかえってみ
 る。
C あとで生活を思い出
 すことができる。
 
 
② なにを書くか、書く
 ことをきめる。(目的
 追求)   (5分)
T なんのために書くか
 書くめあてがきまった
 ので、次になにを書く
 か考えてみましょう。
  きのうの一日の生活
 のうちで、特に書きた
 いと思うことを発表し 
・作文指導第一時には、このご
 ろの生活をふりかえって作文
 を書いた。そのあと、「この
 ごろの生活から」(教材)を
 読解し、「生活日記」の書き
 方を理解させた。本時はその
 あとをうけて、実際に「生活
 日記」を書く活動を展開す
 る。
 <板書>
なんのために
 ・生活をふりかえる
 ・生活を思い出す
○書こうとすることがらをまと
 めて書くこと。
 <板書>
なにを
  一日の中から
 ・こたつをつくったこと。
 ・日の出、日の入りのよう
  す。
 ・デパートへ買い物に行っ
 
 
 てください。
C ぼくの家でこたつを
 つくったこと。
C 日の出、日の入りの
 ようすなど。
 
 
 
 
③ どのように書くか、
 書き方を考える。
        (5分)
T あとで読んだ時、生
 活が思い出せるように
 書くにはどう書いたら
 いいでしょう。
C 書きたいと思って選
 んだことを、特にだい
 じなところはくわしく
 書いておく。
C あとからも読めるよ
 うにきちんと書いてお
 く。

④ 生活日記を書く。
       (25分) 
 たこと。
・社会科の勉強時間のこと 
○必要なことを選んで(なにを
 するか考えて)書くこと。
・一日の生活をすべて記録する
 のではなく、その中から必要
 なものを選んで書くことの必
 要性を理解させる。
○中心点をおさえて書くこと。
○必要なことを選んで書くこ
 と。
○あとで読んで、生活がわかる
  (思い出せる)ように書くこ
 と。
 <板書>
どのように
 ・選んだことをくわしく。
 ・あとからも読めるように
  きちんと。
・文字
・ 「てん」 「まる」 

○あとで読んで、生活がわかる
 ように(思い出せるように) 

 222

T それでは注意を守っ
 て書いてください。


⑤ 書いたものを読み直
 す。(目的達成)
        (5分)
T 書いた人は、あとで
 読んでも生活が思い出
 せるかどうか、よく注
 意して読み直しましょ
 う。
 書くこと。
○中心点をおさえて書くこと。
○必要なことを選んで書くこ
 と。
・推考の観点は、記述前に板書
 した目的(なんのため)と、
 方法(どのように)により、
 目的にあった推考をさせる。
○目的に応じた推考をするこ
 と。
○句読点に注意して書くこと。
 
 (三) 作文指導第三時
  学習指導 書いたものを読み合って、感想を述べ合い、
   生活を反省し、生活に役立てるようにする。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
① 学習のめあてをきめ
 る。(目的確認)
        (5分)
T みんなで読み合って
 感想を発表し合い、自
 分の生活を考えてみま
 しょう。
② 交換して読み合う。
 
・前時までに書きあげられない
 場合は、本時の前半をつかっ
 て記述する。
・みんなで作品を読み合い、感
 想を述べ合って、生活をふか
 めていくめあてを確認する。
 
  (目的追求) (20分)
T グループで読み合い
 最もいい作文を一点だ
 け選んであとで発表し
 てください。
③ 発表して感想を述べ
 あう。(目的達成)
        (20分)
T どこがいいのか理由
 をはっきりさせて発表
 してください。あとか
 らみなさんが感想を発
 表する場合も、どこが
 どうだからいいとか、
 悪いとか、はっきりさ
 せて感想を発表しても
 らいます。 
・グループごとに、まわし読み
 をしながら、よく書けている
 作品を選び出す。

・作品を読んで感想を述べ合う
 場合、ただ「いい」 「わる
 い」というだけでなく、「な
 ぜ」いいか、「なぜ」わるい
 のか理由をはっきりさせて述
 べ合うようにする。
・冬休みに継続して「生活日
 記」を書くことをやくそくす
 る。
 

七 作文の処理と評価
 (一) 処理
  ○冬休みに継続して書くことを予想して、「日記帳」に
   清書させて各自に保管させる。
 (二) 評価の観点と基準
  1 生活の中から選んだことをまとめて書くことができ
   たか。
  

223

 A 書こうとしたことがらが部分ごとにまとめられて
  いる作品。
 B 書こうとしたことがらが、やや部分ごとにまとめ
  られているが混乱している作品。
 C 書こうとしたことが、ら列的で、まとまりのない
  作品。
2 中心点をおさえて書くことができたか。
 A 一日の中から何を書こうとしたかがよくわかる作
  品。
 B 一日の中の何を書こうとしたかは、だいたいわか
  るが、いらないこともまじえている作品。
 C 一日の生活をばく然と、ら列し、なにを書こうと
  したか、ねらいのない作品。


  (九) 一   月

機  能   学級生活を改善するために書く。 
学習活動
学習事項


題材例
 
当番について書く。
1 書こうとすることがらを、まとめて書くこ
 と。
2 考えたこと、感じたことを書くこと。
  そうじ当番   日直のしごと
  給食当番    反省会
 
 
 
   単元 当 番

一 単元について
 四年生も終わりに近づいたこのごろの児童は、自分の行な
った非行に対してすなおに受け入れ、自己反省の傾向が大分
強くなってくる。また、集団には積極的に参加し、その集団
の中で、はっきりした責任分野のあることをのぞむ。そして
集団行動の中では、物事を合理的に運ぶことを強調し、友だ
ちが、この約束に従わぬ場合は、強く非難することさえあ
る。
 この単元は、このような発達の条件をそなえている児童に
学級当番の経験や、反省を書く活動をとおして当番の意義や
学級における各自の責任・協力の重要性を認識し、学級生活
を向上させるためのものである。
二 単元の学習目標
 当番について書くことによって学級生活を反省し、向上さ
せるようにする。
三 単元の学習内容
 (一) 学習活動
  1 学級の当番や係の仕事について反省する。
  2 「係と責任」を読む。
  3 よい学級にするためにはどうしたらよいか話し合
   う。
  4 当番について感想や意見を加えて書く。
    

224

  5 書いたものをもとにして、考えたこと、感じたこと
   を話し合う。
 (二) 学習事項
  1 考えをまとめながら話すこと。
  2 聞いたことをまとめること。
  3 読み取ったことについて話し合うこと。
  4 必要なところ、細かい点に注意して読むこと。
  5 文章の主題を読み取ること。
  6 中心点をおさえて書くこと。
  7 考えたこと、感じたことを書きそえること。
  8 書こうとすることがらをまとめて書くこと。
  9 段落を考えて書くこと。
  10 自分の生活を見つめ、反省して、学級生活を向上さ
   せるために書くこと。
  11 「てん」や「まる」その他の記号の使い方にいっそ
   う注意すること。
  12 文の中のことばのかかり方に注意すること。
四 この単元に用意された教材
  「係と責任」
 学級生活を明るく、しかも充実させるためには、各自が自
分の仕事の分野を明確に把握し、それを遂行しなければなら
ないこと。各自が責任を果たし、協力し合っていくことが必
要であること等を解説した文章である。この教材を読むこと
によって、社会協調の精神の重要性がわかり、これからの学
 
  級生活を改善していこうという意欲がおこる。
 学級生活を改善し向上させるためには、どのような角度か
ら自分を見つめなければならないかをはっきりと意識させる
ための教材である。
五 単元の指導計画         (総時数8時間)
 (一) 学級の当番、係の仕事について反省し、学習の計
  画を立てる。………………………………………………1
 (二) 「係と責任」を読む。………………………………4
 (三) 日直について書く。…………………………………1
               作文指導第一時
  ○よい学級にするにはどうすればよいか話し合う。
  ○日直のことを書く。
  ○作文をみんなで読み合う。
 (四) 自分の係について反省を書く。……………………1
               作文指導第二時
  ○自分の係について話す。
  ○書こうとすることがらをメモする。
  ○メモをもとにして書く。
 (五) 推考する。……………………………………………1
               作文指導第三時
  ○友だちの作文を読む。
  ○読んで気づいたことを話す。
六 作文学習指導の展開
 (一) 作文指導一時
  

225

  学習目標 よい学級にするためにどうすればよいか話し
   合い、みんなが経験している日直のことを書くことに
   よって、学級生活を向上させようという意欲をたかめ
   るようにする。

学 習 活 動  学習事項および留意点 
① 本時の学習のめあて
 を話し合う。(10分)
T わたしたちの学級を
 もっとよくするために
 どんなことをどうすれ
 ばよいか、考えてみま
 しょう。
C 当番の仕事がはっき
 りきまっているのに責
 任を果たしていない。
 朝などもう少し早く来
 て、その仕事をしてく
 ださい。
C おそうじの時、まじ
 めにやっていないこと
 があるなど。
T これから、当番につ
 いて考えましょう。は
 じめに、日直の仕事に
 
・よい学級にするために、とい
 う話題にすると、学習のこ
 と、そうじのこと、保健衛生
 のことなど、生活全般といっ
 たような広範囲になる。した
 がって、そうじ、または、学
 習のことといったように、あ
 ることがらに問題をしぼると
 よい。
・問題は、学級をよりよくする
 ために、各自の係の仕事、役
 割りを完全に果たしている
 か、または、その各係の人た
 ちの立場を理解して協力して
 いるかを反省させることにあ
 る。
・学級の実態に即して適当と思
 われる話題にしぼっていくよ
 うにする。
 
 
 ついてはっきりさせま
 しょう。
C 学習の準備ができた
 ら、朝の話し合いの司
 会をします。
C 一日じゅう責任をも
 って学級の仕事を進め
 ますなど。
② 日直をした経験を書
 く。    (25分)
T 日直をしたときのこ
 とを思い出して書きま
 しょう。
  そのときどう感じた
 か、日直の仕事を十分
 果たしたか、どんなふ
 うに反省したか、を書
 きましょう。



③ 書いた作文をみんな
 で読んで話し合う。
        (10分)
T どんなことに注意し
 て、読んだらいいです
 
・単元の目標から考えて、みん
 なが経験している日直と、児
 童会組織と、そうじ、その他
 の係について考えることに
 する。この時間では、当番
 (日直)について話し合わせ
 る。

○書こうとすることがらをまと
 めて書くこと。
○中心点をおさえて書くこと。
○考えたこと、感じたことを書
 きそえること。
○段落を考えて書くこと。
・各自の経験や反省事項を発表
 させると、それを参考にする
 児童がいて、個性のない類型
 的なものになりかねない。内
 容、書きぶりとも自分のもの
 として生き生きと書き表わす
 ように配慮する。
○書くことによって自分を反省
 し、学級生活を向上させるこ
 と。
・気づいたことを友だちに話し
 おたがいに推考する。
 

226

 か。
C 中心がはっきりして
 いるか。

C 考えたこと、感じた
 ことがよく書き表わさ
 れているか。
 
 
 (二) 作文学習指導第二時
  学習目標 自分の係について作文を書き、学級生活がい
   ちだんと楽しくなるようにする。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
① 本時の学習の目あて
 をつかむ。 (10分)
T 自分の係について話
 しましょう。まずどん
 な仕事をしなければな
 らないか、まとめて発
 表してください。
C わたしは、整美部で
 す。この部の仕事は、
 教室をきれいにし、学
 習が気持ちよく進めら
 れるようにするための
 部です。教室のそうじ、
 そうじ道具の整とん、
 
・まえに読んだ教材「係と責
 任」を参考にして、自分の係
 について考える。
 ① どんな仕事の内容か。
 ② 学級全体の活動とどんな
  関係があるか。
 ③ 今まで責任を果たしてき
  たか。
・学級日誌や各部の記録を参考
 にして、この学級でぜひ改め
 なければならない点を、各部、
 各係の立場や仕事と結びつけ
 て発表させる。
 
 
 そうじのあとしまつな
 どをします、など。
 
② 書こうとすることを
 メモする。 (5分)
T どんなことを、どう
 いう順序で書くかを考
 え、メモしましょう。
 
③ 自分の係について書
 く。     (30分)
T 自分の係についての
 反省や、これからどう
 するということを書き
 なさい。
 
 
 
 
○構想をたてること。
・どんなことを、どんな順序で
 書くか、どこを中心にして書
 くか、また、感想や意見をど
 う書くかを個条書きにメモす
 る。
○書こうとすることがらをまと
 めて書くこと。
○考えたこと、感じたことを書
 きそえること。
○中心点をおさえて書くこと。
○段落を考えて書くこと。
・この時間は、書き終わったら
 集めておく。
 

 (三) 作文学習指導第三時
  学習目標 自分の書いた作文または友だちの作文を読ん
   で、気づいた点を話し合い、もっとよい文章の書き方
   を理解する。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
① 本時の学習の目あて
 をつかむ。 (5分)
 
○本時の学習の目あてを把握し
 自主的に学習に取り組むかま
 

227

T この前の学習のとき
 書いた「係の仕事」を
 読み直し、もっとよい
 文章にするようくふう
 します。
② 学習の計画を立てる
        (5分)
T 何をどんな順序で学
 習したらよいかを話し
 なさい。
C どんな点を書き直し
 たらよい文章になるか
 を考えます。
C 次には、友だちと交
 換して読み、気づいた
 点を注意し合います。
C グループ別によい作
 文を選び、それを読ん
 でほしいと思いますな
 ど。
③ 作文を交換して読む
        (10分)
T となりの友だちと作
 文を交換して読みなさ
 い。気づいたことをノ
 ートに書きましょう。
 
 えをつくること。




○自主的に学習の計画を立てる
 こと。
○人の話を聞いて、自分の考え
 と比較し、自分なりの意見を
 もっこと。
・児童から発表された学習の順
 序を教師の意図する方向にま
 とめながら板書する。
・学習の手順は、すべての児童
 に理解させる。
・目的をつかみ、仕事の手順や
 方法を考え、それにしたがっ
 て自主的に学習を進めていく
 ようつねに配慮することがだ
 いじである。
・友だちの作文を読み、気づい
 た点を注意する。
○書く目的に応じて推考するこ
 と。
○相手の立場を考えながら話す
 こと。
 
 



④ 気づいたことを話す
        (15分)
T では、作文を読んで
 気づいたことを自由に
 話してください。


T 次には、グループご
 とによい作文を選びな
 さい。その時、その作
 文はどんなところがす
 ぐれているのかも話し
 合いなさい。
⑤ すぐれた作文を読み
 感想を話す。(10分)
T これから、各グルー
 プで選んだ作文を読ん
 でもらいますが、その
 前に、どんな点に気を
 つけて聞いたらよいか
 を考えてみましょう。
T わたしたちのグルー
 プでは、①何を書こう
  
・作文を読む場合、どういう点
 に注意して見るかは、各自考
 えさせる。
○よい作文とはどういう条件を
 備えていなければならないか
 がわかること。
・わたしならこう書くという点
 を指摘してもらい、それに対
 して同感であれば、その場で
 推考させる。
・グループごとにまわし読みを
 させ、よい作文を選出する。
 選出基準もグループ内で話し
 合いさせ、作文をどう見るか
 についての考え方を育ててい
 くようにする。
○どんな点がすぐれているかが
 わかること。
・作文を読ませる前に、作文を
 読む観点をはっきりさせる。
・各グループごとに意見をまと
 めて発表させる。
・発表をせいりして板書してお
 く。
・ほかのグループの発表を聞い
 て、その内容をまとめ、自分
 

228

としているかがはっき
りしているか。②それ
を、どんな順序でまと
めているか。③中心が
くわしく書かれている
か。④自分の反省や感
想がよく表われている
か。などを考えてみる
ことにしました。
・書く目的は何か。
・中心点はどこか。
・順じょはどうか。
・感想や意見はどう
 か。
 
T では、今話し合った
 ことをもとにして作文
 を聞き、気づいたこと
 はメモしておきましょ
 う。




<整理・適用>
⑥ まとめをする。
 たちのグループの考えと比較
 してみる。
・各グループには、能率的に学
 習を進めていくために、司会
 者、書記などをきめておく。
・教材「係と責任」と比較さ
 せ、内容形式の面から友だち
 の作文を聞くように注意をう
 ながすことも考えられる。
・形式面だけを聞く観点とせず
 この作文の書く目的である、
 「学級をよくするため」が、
 どこに、どのように書き表わ
 されているかにも気をつけさ
 せるようにする。
○友だちの作文と自分の作文を
 比べて、その長所に気づくこ
 と。
・鑑賞や批正の基準、観点をし
 っかりつかみ、それに即して
 作文を聞き、気づいた点をメ
 モする。そのメモはあとで発
 表のとき使うことも指示して
 おく。
・読み終わったら、気づいた点
 を発表させ、まとめとする。
 
 
  よい学級にするため
 わたしたちはどうすれ
 ばよいかをもう一度考
 えましょう。
 
この次の時間までに清書する
ように指示する。
 

七 作文の処理と評価
 (一) 処理
  1 ここで書いた作文を集めて文集をつくり、「学級づ
   くりをどうしたらよいか」の資料にする。
  2 学級会や代表委員会(学年代表委員会・学校代表委
   員会等)の機会に発表する。
  3 「わたしの文集」(個人文集)にとじこみ、うちの
   人たちに読んでもらい、気づいたことを話してもら
   う。
  4 学級会運営や、道徳教育に役立てる。
 (二) 評価の観点と基準
  ○書こうとすることがらをまとめて書いてあるか。
   A 書こうとすることがらを順序よく、しかも、文章
    の組立をくふうし、全体的にまとまっている。
   B 書こうとすることがらは一応書かれているが、全
    体的に統一していない。
   C 何をどんな順序で書こうとしているかがはっきり
    せず、まとまりがない。
  

229


   (十) 二  月 

機  能   読書生活の経験を深め、生活に役立てるた
 めに書く。 
学習活動
学習事項




題材例
 
読書の記録を書く。
1 内容のあらましを書くこと。
2 読んだ本の感想を書きそえること。
3 書こうとすることがらを、まとめて書
 くこと。
4 メモをもとにして書くこと。
  物語  童話  伝記  科学的読物
 

    単元 私の読んだ本

一 単元について
 この期の児童は、読書意欲が旺盛で、読書量も急激に増加
し、その範囲も極めて広くなるものである。こうしたときが
また、読解力の最もよくつく時期でもある。
 そこで、こうした児童の興味・関心に応じ、いろいろな読
み物に親しませ、読書の楽しさを味わわせることによって、
正しい読書の態度を身につけるとともに、読書生活をいっそ
う向上させていくことができよう。
 「読書会」を開いて、読んだ本の話をしたり、図書の紹介
をしたりするためには、読書の記録が必要である。ここでは
 
 


「読書の記録」が生活に役立つことが体得されよう。
二 単元の学習目標
 読書会を開いて、読んだ本を知らせ合うことにより、読書
の経験を深め、生活を豊かにすることができる。
三 単元の学習内容
 (一) 学習活動
  1 四年生になってから読んだ本について話し合う。
  2 読書会を開く計画をたてる。
  3 読書会を開く。
  4 「(一) 読書会」を読む。
  5 学校図書館の本を読む。
  6 「(二) わたしの読書ノート」を読む。
  7 読書ノート(あらましと感想)を書く。
 (二) 学習事項
  1 正しい発音で話すようにすること。
  2 考えをまとめながら話すこと。
  3 知るため、楽しむために本を読むこと。
  4 学校図書の利用のし方がわかること。
  5 読み取ったことについて話し合うこと。
  6 必要なところを細かい点に注意して読むこと。
  7 内容のあらましを書くこと。
  8 読んだ本の感想(考えたこと・感じたこと)を書き
   そえること。
  9 書こうとすることがらをまとめてから書くこと。
  

230

  10 メモをもとにして書くこと。
  11 横書きに書くこと。
四 この単元に用意された教材
 (一)1 「(一) 読書会」
   これは楽しい読書会の様子を知らせようとする意図を
  もった教材である。
   内容は (1) 読書調べの結果の報告
       (2) 読んだ本の話
         「ロビンソン=クルーソー物語の話」
         「野口英世の話」
       (3) 新しく買った本の紹介
         「植物のめずらしい話」の紹介
         「アラジンとふしぎなランプ」の紹介
   2 「(二) わたしの読書ノート」
   これは読書記録の書き方を示した教材である。
   内容は (1) 読んだ日
       (2) 本の名
       (3) 書いた人
       (4) 内容のまとめ(あらまし)
       (5) 感想
 (二) 「(一) 読書会」は、実際に読書会を開いて、読んだ本
  について、どのようにまとめて発表したらいいかを指導
  するために適切な教材である。
    「(二) わたしの読書ノート」は、読書の記録を書く活
  
    動のために、その書き方を理解させるのに適当な教材で
  ある。
五 単元の学習計画         (総時数21時間)
 (一) 導入
  1 四年生になってから読んだ本について話し合う。
  2 読書会を開く計画をたてる。………………………1
 (二) 展開
  1 「(一) 読書会」を読む。………………………… 4
  2 「(二) わたしの読書ノート」を読んで、書き方を調
   べる。……………………作文指導第一時……………1
   ・学習のめあてをきめる。
   ・読んで形式を調べる。
   ・内容について調べる。
  3 学校図書館で本を読む。……………………………2
  4 読書ノートを書く。……作文指導第二時…………1
   ・なんのために書くか、書くめあてをきめる。
   ・なんについて書くか、書くことをきめる。
   ・どのように書くか、書き方を考える。
   ・メモをもとにして読書ノートを書く。
   ・書いたものを読み直す。
  5 読書会を開く。………………………………………2
 (三) まとめ
  ○ 読書のし方について反省する。……………………1
六 作文学習指導の展開
 

231


 (一) 作文指導第一時
  学習目標 「(二) わたしの読書ノート」を読み、読書記
   録の書き方を理解することができる。

学 習 活 動  学習事項および留意点 
① 学習のめあてをきめ
 る。(目的確認)
       (10分)
T 読書会を開いて、自
 分の読んだ本について
 発表する場合、読書ノ
 ートがあれば便利です
 ね。そこで、みなさん
 がこれから読書ノート
 を書く場合、その書き
 方を研究する必要があ
 ります。
  教科書の「(二)わた
 しの読書ノート」を読
 めば、どんなことがわ
・ かりますか。
C 読書ノートの書き方
  がわかります。
T それでは、これから
 読書ノートの書き方を
 
・前時までは、読書会を開く計
 画をたて、そのために参考と
 なる教材を読解させ、自分た
 ちの読書会と比較させた。
 『読書ノート』は、読書会を
 開くために、その機会に記録
 の機能を応用させ、読書記録
 を書く意義を確認させる。
<板書>
読書ノート 
 なんのために
 ・「読書ノート」の書き方
  がわかる。

・自主的な学習をさせるために
 は、必要性、目的性を十分自
 覚させておくことが必要であ
 る。
 
 
 調べてみましょう。
② 読んで形式を調べる
  (目的追求) (10分)
T この「読書ノート」
 には、どんな項目が書
 かれていますか。
C 月日・曜日・本の名
 ・書いた人・内容のあ
 らまし・感想。
T そうですね。この項
 目は、ぜったいになけ
 ればならないときめら
 れたものではありませ
 んが、しかしどれもな
 ければ、困る項目です
 ね。
C みんなあった方がい
 い項目です。
③ 読んで内容を調べる
        (25分)
T それでは、それぞれ
 の項目についてどんな
 ことが書いてあるか調
 べてみましょう。
 月日・曜日・本の名・
 書いた人は、きまりき
 
 <板書>
どんな項目で書いてあるか
  ・月日、曜日
  ・本の名、書いた人
  ・内容のあらまし
  ・読んだ感想
 
・「読書ノート」として、最低
 限度の書式をおさえ、それを
 理解させる。
・書式や形式にとらわれること
 なく自由に書かせることを主
 張する考え方もあるが、記録
 の機能からいえば、書式や
 形式はある程度必要条件であ
 る。

・作文教材を読解する段階では
 たんに、読書ノート(記録)
 の形式や書き方の知識・理解
 にとどまるもので、作文の技
 能は実際に書く活動をとおし
 てのみ身につくものである。
・本時では、読書ノートを書く
 必要性・目的性を自覚させる
 

232

 ったことが書かれてい
 ますが内容のまとめは
 どうなっていますか。
C この読書ノートは野
 口英世のことを書いて
 いますが、内容のまと
 めでは、「野口英世が
 苦しさにも負けずに勉
 強したこと、アメリカ
 にわたって、次々とり
 っぱな研究をして、つ
 いに自分が研究してい
 る黄熱病の病気のため
 に、死んでしまったこ
 と」がまとめられてい
 ます。
T それに対して読んだ
 人のはどういっていま
 すか。
C 内容のまとめにつづ
 けて、「英世がこんな
 にりっぱになれたのも
 やさしいおかあさんと
 はげましてくださった
 小学校時代の小林先生
 のおかげだと思う」と
 
 とともに、自分たちも読書ノ
 ートを書こうとする意欲を盛
 り上げておくことがねらいで
 ある。それと同時に、次時で
 実際に読書ノートを書く時に
 必要な書き方の知識・理解を
 させておく。
<板書>
内容のまとめ 
・その本の内容が全体として
 わかるように。
読んだ感想 
・自分の感想を書きそえる。 
・「読書ノート」(教材)に書
 かれた文章の内容をよく理解
 させる。そのことによって、
 内容のまとめの部分と、読ん
 だ自分の感想の部分とがはっ
 きり区別されていることに気
 づかせ、記録の場合は、内容
 のまとめと感想を区別して書
 きそえるようにする。
○読んだ本の感想(考えたこ
 と、感じたこと)を書きそえ
 
 
 言っています。
T たんにその本のあら
 すじではなく、内容全
 体のまとめをあらまし
 程度にまとめて書き、
 次に自分の感想を書き
 そえています。
 
 ること。
・一般の記録の機能から考えれ
 ば、感想を書いておくことは
 必要条件ではない。しかしこ
 こでは「読書の記録」という
 性格から、内容のあらまし
 に感想を書きそえることは意
 義のあることを理解させる。
 
*このあとに、実際に学校図書館へ行って本を読む。その
 活動は、読書会のために発表する資料を得るためであ
 る。
  そのためには、読書ノートを活用し、それに記録して
 おくことにより、発表も容易にできる。学校図書館で本
 を選んで読み、そのあとに、読書ノートを書く作文指導
 第二時を用意している。
  学校図書館で本を読む場合はメモをとり、そのメモに
 よって作文指導第二時を展開する。
(二) 作文指導第二時
 学習目標 読書ノートを書き、読書の経験を深め、生活
  に役立てることができる。

学 習 活 動  学習事項および留意点 
① なんのために書くか
 書くめあてをきめる。
 
・前時(作文指導第一時)にお
 いて、「読書ノート」の書き
 

233

 (目的確認) (5分)
T この前「(二) わたし
 の読書ノート」を読ん
 だ時に「読書ノート」
 の書き方を研究したの
 ですが「読書ノート」
 はなんのために書くの
 ですか。
C ぼくたちが読書会で
 発表する時に、なにも
 もとになるものがない
 と発表できない。
C 読書ノートを書くと
 読んだ本のことが、な
 おはっきりわかるよう
 になる。
C あとで読書ノートを
 読んだ時に思い出にな
 る。
C あとで調べてみたい
 時に役に立つことがあ
 る。
② なんについて書くか
 書くことをきめる。
  (目的追求) (5分)
 
 方を研究した。本時は、それ
 をうけて実際に「読書ノー
 ト」を書く活動をさせる。そ
 のためには、書く目的を再確
 認させ目的性、必要性を自覚
 した作文活動をさせる。
<板書>
なんのために
 ・読書会に役立てるため。
 ・読んだ本のことがはっき
  りする。
 ・あとで思い出せる。
 あとで調べる時に役立つ。 
・既に前時(作文指導第一時)
 において、「読書ノート」を
 書くめあては、話し合ってい
 る。ここでは再確認という意
 味で軽くふれる程度でいいが
 要点だけは、きちんとおさえ
 ておく必要がある。(板書)

○書こうとすることがらをまと
 めて書くこと。
 <板書>
 
T 書くめあてがきまっ
 たので、次にどんなこ
 とについて書こうと思
 いますか。メモをもと
 にして発表してくださ
 い。
C 「ピノキオ」につい
 て書く。
C 「せむしの子馬」を
 書きたい。
C 「野口英世」のこと
 を書く。
C 「二十一世紀への旅
 行」について。
C 「宇宙の科学」を書
 きたい。
③ どのように書くか、
 書き方を考える。
       (10分)
T それでは、「読書ノ
 ート」を書く場合どう
 しても書いておかなけ
 ればならない項目はな
 んでしょう。
C 読んだ日。
C 本の名と書いた人の 
なんについて
 ・「ピノキオ」
 ・「せむしの子馬」
 ・「野口英世」
 ・「二十一世紀への旅行
 ・「宇宙の科学」
 
・なんについて書くか、題材は
 既に前時(学校書図館で本を
 読む活動)において読んだ本
 はメモしてあるから、ここで
 は軽く取扱うだけでいい。
・事前に一覧表にして教室に掲
 示しておくのもいい。


 <板書>
「読書ノート」
 ・読んだ日
 ・本の名、書いた人の名
 ・内容のあらまし
 ・読んだ感想 
・「読書ノート」の形式は、教
 材の形式にならってプリント
 しておいてもいいし、また学 

234

 名まえ。
C 本の内容。
C 読んだ人の感想。
T ここに出た項目はみ
 んな必要なものばかり
 ですね。では「本の内
 容」は、どのように書
 いたらいいでしょう。
C まだその本を読んで
 いない人でもその「読
 書ノート」を読めば、
 本の内容がだいたいわ
 かるように書けばい
 い。
T それはたいへんいい
 ことです。そのために
 は、どんな書き方をす
 ればいいでしょう。
C その本をよく読んで
 書いてあることのあら
 ましをまとめて書く。
T 読んだ人の感想をま
 じえて書くことはどう
 でしょう。
C 内容のあらましと読
 んだ感想をまじえると
 
 級独自のものを考えてプリン
 トしてもいい。いずれにして
 も一定の形式を決めて、プリ
 ントを与えることがのぞまし
 い。
・ここでは教材にならった形式
 をプリントして与えるように
 してある。
○内容のあらましを書くこと。
 <板書>
内容のあらまし
 ・知らない人にも本の内容
  がよくわかるように。
 ・書いてあることのあらま
  しを書く。 
・内容のあらましは、読んだ感
 想をまじえないで、書いてあ
 る内容のあらまし(大意)を
 書く。一般的には、読書感想
 文と混同して、内容と感想を
 雑然と書く方法がとられてい
 るが、ここでは記録の機能を
 重視して、内容のあらましと
 感想を区別して書く。
 ○内容のあらましと感想とを区
 
 どっちがどうだかはっ
 きりわからなくなるか
 ら、区別して書いた方
 が書きいい。
T その方がいいと思い
 ます。はじめに内容の
 あらましをまとめ、次
 に、自分の感想を書き
 そえることにしましょ
 う。
  書く場合には、みな
 さんが学校図書館で取
 ったメモをもとにして
 書きましょう。
 
 
 
 
④ メモをもとにして読
 書ノートを書く。
        (20分)
 
 
⑤ 書いたものを読み直
 す。(目的達成)
        (5分)
 
 別して書くこと。
<板書>
あとで読んでもわかるように
書く 
○読んだ本の感想(考えたこ
 と、感じたこと)を書きそえ
 ること。
 <板書>
内容のあらまし┐
       ├ 区別して
読んだ感想――┘ 書く
・学校図書館で本を読む時、あ
 とで「読書ノート」を書くこ
 とを予想しながら各自、自由
 にメモをとっている。それを
 いかして「読書ノート」を書
 けばいいことを指導する。
○メモをもとにして書くこと。
○横書きに書くこと。
・机間巡視して、メモをどのよ
 うにいかしているか確かめ、
 指導する。
・推考の観点としては、記述前
 の板書事項をもとにしなが
 ら、次の話し合いによって観
 

235

T 書いたものを読み直
 す場合、どんなことに
 注意したらいいでしょ
 う。
C 必要な項目を全部き
 ちんと書いているかど
 うか確かめてみる。
C 内容のあらましと感
 想とが区別して書かれ
 ているかどうか。
C 内容のあらましは、
 その本の内容全体をあ
 らわしているかどうか
 確かめる。
T それでは以上のこと
 に気をつけて読み直し
 てみましょう。
 
 
 
 
T 次の時間はこの「読
 書ノート」をもとにし
 て読書会を開きます。
 
 点を確かめる。
○目的に応じた推考をするこ
 と。
○あとで読んでもわかるように
 書くこと。
○読んだ本の感想(考えたこ
 と、感じたこと)を書きそえ
 ること。
○内容のあらましと感想とを区
 別して書くこと。
・特に目的に応じた推考を重視
 する。推考といえば、とか
 く、句読点などの形式的なこ
 とにばかり注意しがちであ
 る。読書記録という機能が果
 たせるためには、どんな書き
 方をしていればいいかを中心
 に板書事項に留意しながら推
 考する。
・交換して読み合いながら推考
 するようにしてもいい。
・次時は、「読書ノート」をも
 とにして読書会を開くことを
 予告する。
 

七 作文の処理と評価
  
   (一) 処理
  ○ 今後、継続して「読書ノート」を書くことを予想し
   て、「わたしの読書ノート」を用意し、それに清書し
   て保管させる。
 (二) 評価の観点と基準
  ○ 内容のあらましに感想をそえて書いているか。
   A 読書ノートの形式をふみ、内容のまとめが簡潔に
    要領よくまとめられ、感想がはっきり書きそえられ
    ている作品。
   B 読書ノートの形式はふんでいるが、内容のまとめ
    と感想とがはっきり区別できていない作品。
   C 読書ノートの形式をふまず、内容のまとめも、ら
    列的で、感想が書きそえられていない作品。


    (二) 三  月


機  能   心情を豊かにし経験を深めるために書く。 
学習活動


学習事項
 
○生活の中から心に残ったことを書く。
○学級文集を作る。
1 情景・場面・気持ちなどがわかるように書
 くこと。
2 中心点をおさえて書くこと。
3 書こうとすることがらを、まとめて書くこ
 と。

236

題材例  楽しかった学習   やさしい先生
わたしの生活    わたしの友だち
美しい教室     力を合わせた部活動
遠足の思い出 

    単元 文集を作ろう

一 単元について
 いよいよ四年生の生活も終わりに近づき、五年生への進級
を目前にひかえた児童にとって、この一年閤の生活は、楽し
い思い出によって満たされているであろう。したがって、い
まそれをふりかえって思い出を書き、学級文集を編集する欲
求も高まっていると思われる。この単元は、このような時期
に、四年生における全期間をとおしての生活や学習をふりか
えり、特に心に残ったこと、協力・友情・責任の主題のもと
に作文を書き、学級文集を編集することによっていっそう生
活を豊かにする。
二 単元の学習目標
 四年生の生活や学習をふりかえって、心に残ったことを作
文に書き、学級文集を作ることによって、経験を深め、この
学年としての生活を意義あるようにする。
三 単元の学習内容
 (一) 学習活動
  1 教材「(一) 学級文集」を読む。
  
    2 教材「(二) 学級文集″わたしの生活″」を読む。
  3 学級文集を作る計画を立てる。
  4 学習や生活の中から心に残ったことを書く。
  5 学級文集を作る。
  6 できあがった文集について話し合う。
 (二) 学習事項
  1 読み取ったことについて話し合うこと。
  2 必要なところ、細かい点に注意して読むこと。
  3 目的に応じた読み方ができること。
  4 情景・場面・気持ちなどがわかるように書くこと。
  5 書こうとすることがらをまとめて書くこと。
  6 中心点をおさえて書くこと。
  7 段落を考えて書くこと。
  8 横書きで書くこと。
  9 文字の大きさや配列に気をつけて書くこと。
  10 生活を反省し、向上させるために書くこと。
  11 「、」を正しくつけること。
四 この単元に用意された教材
 (一) 「(一) 学級文集」
   四年一組の学級文集「わたしの生活」を作っているよ
  うすと、そのできあがりに期待をかける気持ちを述べた
  教材である。この教材を読むことによって、学級文集の
  もつ意味とその編集のしかたがわかり、また、文集を作
  ろうとする意欲が高まってくるであろう。
  

237

 (二) 「(二) 学級文集”わたしの生活”から」
   (1) 金魚(観察日記) (2) ぼくの失敗(生活文)
  (3) わたしの研究(観察記録)(4) 私の読んだ本(図
  書紹介と読後感想)の四編を用意している。この教材を
  読むことによって、それぞれの作文の意図や主題がわか
  り、いろいろの文章の書き方も理解できる。
五 単元の指導計画        (総時数14時間)
 (一) 文集を読んだり、作ったりして経験を話し合
  い学習の計画を立てる。…………………………… 1
 (二) 学級文集を作る計画を立てる。
       作文指導第一時………………………… 1
  ○文集を作る目的について話し合う。
  ○文集を作る具体的計画を立てる。
 (三) 「(一) 学級文集」を読む。………………… 4
 (四) 「(二) 学級文集″わたしの生活から”」を読
  む。…………………………………………………… 4
 (五) 今までの学習や生活の中から心に残ったこと
  を書く。…………………………
             作文指導第二時………… 1
  ○何をどう書くかはっきりさせる。
  ○一年間の思い出を話し合い書くことがらをきめてメモ
   する。
  ○メモをもとにして作文を書く。
 (六) 書いた作文を読み直し、清書する。………… 1
  
    ○推考する。
  ○清書する。
 (七) 文集を作る。…………………………………… 2
  ○文集を編集する。
  ○でき上がった文集について話し合う。
六 作文の学習指導の展開
 (一) 作文指導第一時
  学習目標 何のために文集を作るのか目的をはっきりさ
   せ、編集の計画を立てる。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
① 文集を作る目的につ
 いて話し合う。(5分)
T これから学級文集を
 作ります。何のために
 作るかを、考えましょ
 う。
C 四年生も終わりに近
 づいたから、この学年
 の思い出をのこしたい
 ために作りますなど。
 学級文集
何のために、
1 思い出を殘す。
 
○何のために学習するかを考え
 ること。
○みんなで協力してよい学級文
 集を作ろうとする意欲をたか
 めること。
・ここでは、まず最初に、文集
 編集の経験を話し合ったり、
 学習計画を立てたりして、進
 んで文集を作ろうという意欲
 をたかめる。次に、文集を作
 るための参考として教材(一、
 二)を読む。さいごに、文集を
 編集する。といったような方
 法をとった。

238

2 生活や学習を反省
 する。
3 よい学級にする。
4 次の学年に読んで
 もらう。
 
 
② 学級文集を作る計画
 を立てる。 (30分)
T きょうは学級文集を
 作る計画を立てます。
 どんな順序や方法で文
 集を作るか発表しまし
 よう。
C はじめに文集の名前
 を考えます。
C どんな作品をのせる
 か話し合います。
C 次には、カッ卜、表
 紙はどんなものを書く
 か相談します。
C 作文を書き編集しま
 す。
C できあがった文集に
 ついて話し合います。
 
・文集を作る目的がはっきりす
 ると、何を書くかという文集
 の内容がわかる。ある仕事を
 進めるには、どんな目的で、
 どんな内容を、どういう方法
 で進めるかというプロセスを
 四年生なりに理解させておく
 こともたいせつである。
○何のために、どのような計画
 で文集をつくったらよいか考
 えること。
○自主的に文集を作る計画を立
 てること。
・文集の名前は、内容と関係が
 あるので、集録する作品をき
 めてから、そのあとで名前を
 考えてもよい。
・編集はあまり複雑にならぬよ
 うかんたんなものにする。
・編集の順序をノートに書かせ
 る。この場合、機械的な転記
 にならぬように、それぞれの
 項目について、どんな仕事が
 あるのかを具体的に考えさせ
 ることがだいじである。
・ノートに書く作業がすんだ児
 
 
文集の編集
1 文集名
2 どんな作品をのせ
 るか。
3 編集の方法はどう
 するか。
4 だれが、どんな仕
 事をするか。
5 作文を書く。
6 編集をする。
7 文集を読んで話し
 合う。
T どんな名前にしたら
 よいか。
T 次にのせる作品につ
 いて考えてみよう。
C 今までの生活や学習
 をふり返って、その中
 から思い出になるよう
 なものをのせたらよい
 と思います。
C 運動会や学芸会の思
 い出など。
C 日記の中からよいも
 のがあったらのせても
 
 童から、教材(一、二)を読ませ
 る。この場合、自分たちがこ
 れから文集を作るのだという
 主体的なかまえをもたせて、
 どんな内容をどう編集してい
 るか参考として読ませるよう
 にする。また、ここでは、内
 容的な読解活動を目ざすので
 なく、文集作成の計画を立て
 るために必要なことだけ読み
 取らせればよい。
・今までの学校生活でとくに、
 思い出にのこることという
 と、学校や地域の行事などが
 多く出やすいかもしれない。
 しかし、それらはすでに書い
 ていることなので、できるだ
 け、そのほかの題材を選ばせ
 作者の個性がにじみでるもの
 を期待したい。
・生活に取材した文章だけでな
 く、日記文、研究記録、物語
 学習記録、等、いろいろな文
 章ができるように配慮する。
・その学級の児童会組織に合わ
 せて、これからの学習活動が
 

239

 よいと思います。
T どんな方法で編集し
 ますか。
C だれかに編集委員に
 なってもらう。
C 作文は、みんなが書
 く。
C カット・表紙は、絵
 のうまい人に書いても
 らったほうがよい。
T では係をきめましょ
編集委員。
カット。
表紙。
目次。
まえ書き。
あと書き。
 円滑に進むようにする。
・四年生の場合、印刷を予想す
 ることはむずかしいから、各
 自が清書したものととじ合わ
 せ、表紙を作ることにする。
 
 
 
 
 
・グループごとの役割りや、仕
 事の分担は、本人の特技をい
 かすようにする。
 ・各係名を板書し、その学級の
 実態に応じた組織を作るよう
 にする。
 

*以上の学習活動の次に、教材(一)「学級文集」を読む。教
 材(二)「わたしたちの生活から」を読む活動が予定されて
 いる。この活動によって児童たちは、どんな題材でどん
 な内容をどう書くかを学習する。したがって、次の、
 「今までの学習や生活の中から心に残ったことを書く」
 という学習活動と密接な関連をもつ。ただし、教材にと 
    らわれて、類型的な文章を書かないように配慮すること
  をわすれてはならない。
 (二) 作文指導第二時
  学習目標 学級文集を作る目的で、一年間の思い出を書
   くことによって、文章を書く意欲を高め、ある程度整
   った文章を書くことができるようにする。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
① 本時の学習の目あて
 をつかむ。 (5分)
 
 
 
 
 
② 何をどんな順序で学
 習するか話し合う。
        (5分)
T 学習の計画を立てま
 しょう。何と何をどう
 いう順序で学習します
 か。
C 書き終わったら推考
 します。
③ 一年間の思い出を話
・文集を作る計画をもう一度は
 っきり思い出させ、本時の学
 習の関連をもたせるために前
 に書いた計画を見させる。
・学級文集にのせるために作文
 を書くのだという目的意識を
 はっきりもたせる。
○学習の計画を自主的に立てる
 こと。
・きょうの学習は、各自、心に
 残った思い出を書くことが中
 心的な活動である。
 
 
 
 
○心に残ったことで、文集にの

240

 し、書くことをきめて
 文章の組み立てをメモ
 する。   (10分)
T 一年間の思い出の中
 でどんなことを書きま
 すか。
C 学習の楽しかったこ
 とを書きます。
C 音楽会の思い出。
T ではどのように書く
 かをメモしましょう。
T メモしたことを発表
 してください。

④ 思い出を書く。
        (25分)
T メモをもとにして書
 きましょう。
 
 せる題材をえらぶこと。
・学習のこと。研究のこと。行
 事のこと。おそうじのこと。
 お友だちのこと。黒板へのお
 礼、などを、努力、友情、協
 力、希望の主題で書くように
 指導する。
・文集にのせる作品は、前に書
 いたものと、このごろ書いた
 作品をのせて対比させ、その
 成長のあとをふりかえらせて
 みるのもよい。ここでは、こ
 の学習で書いた作品だけをの
 せることにする。
○情景・場面・気持ちなどがわ
 がるように書くこと。
○中心点をおさえて書くこと。
○書こうとすることがらをまと
 めて書くこと。
○段落ごとにまとめて書くこ
 と。
・生活を反省し、向上させるた
 めに書くように指導する。
 
 (三) 作文指導第三時
  学習目標 生活や学習など心にのこったことを書いた作 
    文を読み直し清書することによって、自分の作文の内
  容や書き方を検討し、よりよい文章を書くようにす
  る。

学 習 活 動  学習事項および留意点 
① 本時の学習のめあて
 をつかむ。 (5分)
T この前の学習で書い
 た作文を推考し、清書
 します。

② どんな順序で学習し
 たらよいか話し合う。
        (5分)
T 何をどんな順序で学
 習したらよいですか。
③ 推考する。(10分)
T どんな点に注意して
 推考したらよいと思い
 ますか。
1 書くことがら。
2 順序。
3 中心。
4 情景・場面・気持
 
・ただ、作文を清書するという
 ことだけでなく、それは学級
 生活を反省し向上させるため
 の文集づくりの一環としての
 仕事であるということを忘れ
 させないようにする。
・はじめに、二、三点の作品を
 読ませ、その作品の長所、短
 所をあげさせ、そこから作文
 推考の観点をしぼり出すのも
 一方法である。
○推考の観点をはっきりつかむ
 こと。
・となりの友だちと自由に交換
 して推考させてもよい。この
 方法は四月以来の作文指導で
 実行してきたことであるか
 ら、必要に応じて、自己評価
 相互評価をさせる。 

241

 ち。
5 目的にそった書き
 方であるか。 
T 推考してください。
④ 清書する。(25分)
T もう一度読み直し清
 書しましょう。
  字をきれいに、句読
 点などあやまりのない
 ように書きましょう。
 
 
 
 
 
 
○文字の大きさや配列に気をつ
 けて書くこと。
○書くことがらをまとめて書く
 こと。
○必要に応じてカットを入れる
 こと。
O「、」「。」の使い方がわか
 ること。
・書き終わったら、次時の学習
 は文集を編集することを予告
 する。 
 (四) 作文指導第四時(二時間続けて学習する)
  学習目標 みんなで協力して自主的に文集を作り、それ
   を読んだり、文集について話し合ったりすることによ
   って、学級に対する愛情がまし、生活を豊かにするよ
   うにする。

学 習 活 動  学習事項および留意点 
<目的の確認>
① 本時の学習の目あて
 
○何のために文集を作るのかを
 再確認すること。
 
 
 を話し合う。(5分)
T これから、文集を作
 りますが、何のために
 作るか、もう一度考え
 てみましょう。
② 編集の計画を立てる
        (5分)
T どんな順序で編集し
 たらよいか各グループ
 で相談し、まとまった
 ら発表してください。
 文集の編集
1 各グループで作
 る。
2 作文を分ける。
3 各係をきめる。
 ・カット・表紙
 ・目次・とびら
 ・まえ書き
 ・あとがき
4 できあがった文集
 を読む。
 
③ 各グループごとに編
 集する。
T 各グループごとに編
 
・はじめ立てた計画に基づいて
 文集を作るのであるが、ここ
 でもう一度単元の目標をふり
 かえってみて、文集作りの意
 義を理解させる。
・編集の仕事が順調かつ、能率
 的に進むように編集委員を選
 出しておく。編集委員は各グ
 ループに一名ずつ配置してお
 くようにし、中心になって編
 集の仕事を進めるようにす
 る。
・編集は、学級全体で一冊にす
 る方法もあるが、ここでは、
 みんなに参加させるという立
 場からグループ一冊ずつとい
 う方法を考えた。この方法は
 各自に責任と自覚をもたせる
 上から意義のある方法であ
 る。
・編集の手順は児童の発表した
 ものをまとめて板書する。
 
○各自、各係の責任を果たし協
 力して文集を作ること。
○文字の大きさや配列に気をつ
 

242

 集をはじめなさい。


④ できあがった文集に
 ついて話し合う。
        (10分)
T できあがったところ
 は文集を読んで気づい
 たところをノートに書
 きましょう。
 
 けて書くこと。
・各グループごとに指導・助言
 を加える。
○編集の計画と実行したことを
 考え合わせてうまくいったか
 どうかを反省すること。
○これを契機に学級生活をもっ
 と高めるよう努力すること。
・教科書の文集と比較したり、
 ほかのグループの文集をみた
 りして、よい点、反省すべき
 点を話し合う。
・ゆっくり読むのは、放課後
 や、図書の時間を利用する。
 
七 作文の処理と評価
 (一) 処理
  1 各グループの文集をまとめて、教室の背面か前面に
   そなえておき、自由に読ませる。この場合、各作品に
   対する感想や意見が書きこめるような用紙を用意して
   おき、気軽に記入できるようにしておく。
  2 順番や、日限をきめて輪読させることもよい。学級
   で読んだら、ほかの学級と交換して読むことも考えら
   れる。
  3 印刷できれば、各自に配布したり、三年生におくっ 
    たりすることも考えられる。
 4 教師は一年間の作文の評価に役立てる。
(二) 評価の観点と基準
 ○ 情景・場面・気持ちなどがわかるように書いている
  か。
  A 効果的なことばを選び、情景や場面、気持ちがは
   っきりといきいきと表現されている。
  B 情景・場面・気持ちがばくぜんとしか表現されて
   いない。
  C 何をどう表わしているかがはっきりせず、効果的
   な表現がみられない。
  
 
 

           <編著者紹介>
   輿 水   実  国立国語研究所第二研究郡長
   中 沢 政 雄  東京都教育委員会指導主事









 機能的作文指導 理論・計画・実践 3・4年

      編著者  輿 水  実
           中 沢 政 雄
      発行者  藤 原 政 雄

      印刷所  新興印刷製本株式会社
      発行所  明治図書出版株式会社
           東京都中央区入船町3-3
           振替東京151318電(551)8266(代)
 1963年5月刊                600円