注 Web版作成に当たり、一部漢数字を算用数字に変更しました。また(ァ)〜(ヵ)等16Byt文字
 にない文字は@〜K等に変更してあります。明らかな誤字,誤植も訂正しました。   中澤敬彦

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輿水 実
     編著         明治図書刊
中沢政雄




機能的作文指導 −理論計画実践―



                     五・六年


T
      は し が き

 私どもは、この本で機能的作文教育の基礎理論を明らかにし、それにもとづいて、五・六年の作文年間指導計画
をたて、その実践指導例をあげた。これによって、理論・計画・実践と、一貫した高学年の機能的作文教育の全体
系を明らかにしたつもりである。
 いわゆる生活作文は、作文を人間教育の方法としてみていて、広い言語生活の指導を忘れている。教科作文は、
書く言語経験の形式や技術の指導に力を注いでいて、人間研究を忘れている。
 機能的作文教育は、生活作文、教科作文を乗り越え、それをも含めて、機能的・科学的・生活的に組織した作文
教育である。国語科の書くこと(作文)の立場をとりながら、ことばの全機能に即して、児童の書く生活を指導す
ることをねらっている。つまり、書くことによって、児童の人間性を開発し、育成する過程において、特に作文の
能力を身につけることを強調し、書く生活の充実発展をめがけている作文教育である。
 おおかたのご批判を得て、さらに理論的にも、実践的にも、いっそう深めたいと思う。
            *            *
 この本は、輿水実先生のご指導により国語教育科学研究会に所属する新進気鋭の人々が、一か年にわたって、熱
心に研究討議を重ねた結果をまとめたものである。昨年一月以来、毎週火曜日の夜、下北沢の私の研究室に集まっ
ては、時のたつのも忘れ、単元の構成、年間指導計画の編成、実践指導例の作成等について討議を重ね、検討を加
えた。第一章と第二章は私が書き、第三、四、五章は、林武男・中津留喜美男(五年)・相川正・永松真純(六年)
が分担執筆した。それについて、私と渡辺正・飯田清・中津留喜美男の四人で検討を加え、さらに輿水先生の助言


U
を得て整理し編集した。
 こうして、理論・計画・実践と、一貫した「機能的作文指導」はできあがった。
            *            *
 最近、国語教育の近代化が論ぜられているが、本書に述べた機能的作文教育こそ、科学性・生産性・技能性・合
理性の基礎の上に打ち立てられた近代的作文教育の一つであると思う。私どもは、これからさらに作文教育の近代
化をめざして、いっそうの努力、精進を重ねたいと思う。
 この機能的作文教育の確立を願って、終始討議に参加した人々は、次のとおりである。(本書の執筆者を除く)
   船越コト・大石賢治・伴定子・花見安憲・飯田清・井上潤・瀬川栄志・小川末吉・渡辺正
 なお、この本の出版にあたっては、明治図書の三枝久明さん、園田桂子さんおふたりに格別お世話になった。こ
こにしるして感謝の意を表したい。

   昭和三十八年三月二十三日

                                           中 沢 政 雄


V



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は し が き
 
第一章 機能的作文教育の考え方…………………………………………………………………1
 一 これからの作文教育…………………………………………………………………………1
  (一)これまでの作文教育……………………………………………………………………1
  (二)これからの作文教育――機能的作文教育……………………………………………5
 二 機能的作文指導の構想………………………………………………………………………8
  (一)機能的作文指導の目標…………………………………………………………………8
  (二)機能的作文指導の内容…………………………………………………………………10
  (三)機能的作文指導の方法…………………………………………………………………16
  (四)児童の作文の見方………………………………………………………………………22
 
第二章 高学年の作文………………………………………………………………………………25
 一 題材の発達……………………………………………………………………………………25
 二 主題意識・文章構成・思考の展開…………………………………………………………28
 三 題材に対する発想……………………………………………………………………………33


W

 四 主観的表現……………………………………………………………………………………35
 五 コンポジションの基礎としての段落にまとめて書く能力………………………………37
 六 六年生の記述過程の分析……………………………………………………………………38

第三章 高学年の機能的作文指導の方法…………………………………………………………44
  (一)目的に応じて書く指導の方法…………………………………………………………44
  (二)記録のために書く指導の方法…………………………………………………………51
  (三)伝達のために書く指導の方法…………………………………………………………56
  (四)自己表現のために書く指導の方法……………………………………………………63
  (五)作文の処理と評価の方法………………………………………………………………67
 
第四章 機能的作文指導の年間計画………………………………………………………………85
一 年間指導計画について…………………………………………………………………………85
  (一)年間指導計画の基本的な考え方………………………………………………………85
  (二)年間指導計画編成の方針………………………………………………………………86
  (三)年間指導計画の内容……………………………………………………………………87
二 五年の年間指導計画……………………………………………………………………………92
三 六年の年間指導計画……………………………………………………………………………97


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第五章 機能的作文指導の実践………………………………………………………………… 103
一 この実践指導の背景………………………………………………………………………… 103
 二 五年の機能的作文指導の実践…………………………………………………………… 106
  (一) 四 月                単元 工場見学……………………139
   単元 楽しい学級……………………106   (七) 十一 月
  (二) 五 月                単元 私のすすめたい本…………144
   単元 学習日記………………………110   (八) 十二 月
  (三) 六 月                単元 宣伝と広告…………………148
   単元 私の家族………………………118   (九) 一 月
   単元 文字の研究……………………123    単元 希   望…………………155
  (四) 七 月               (十) 二 月
   単元 林間学校………………………129    単元 学芸会………………………159
  (五) 九 月               (十一) 三 月
   単元 台   風……………………135    単元 卒業生を送る………………162
  (六) 十 月
 三 六年の機能的作文指導の実践………………………………………………………………169
  (一) 四 月               (二) 五 月
   単元 明るい学校……………………169     単元 わたしの失敗………………175


Y
  (三) 六 月                (八) 十二月
   単元 ことばの研究…………………178    単元 冬のくらし…………………199
  (四) 七 月                (九) 一 月
   単元 学校生活の反省………………183    単元 実験記録……………………205
  (五) 九 月                (十) 二 月
   単元 美しい心………………………187    単元 卒業記念文集………………210
  (六) 十月                 (十一) 三 月
   単元 家の職業………………………191    単元 おわかれ会…………………216
  (七) 十一 月
   単元 読書週間………………………195





                                                   1



     第一章 機能的作文教育の考え方



       一 これからの作文教育



 (一) これまでの作文教育


 わが国の作文教育は、これを歴史的に見ると次のように移り変わっている。
 1 文章形式の教授(作文)
 明治の初めの作文は、形式的な文章の書き方、実用的な日用書類の書き方などを教えた。それは文章の形式を形
式として教授したもので、書式や模範文を示してそれを模倣することが中心であった。したがって、今日の作文と
は全く違った内容・方法が考えられていた。
 2 心的内容の表現の指導(国語科綴り方)
 児童の生活・思想・感情等を全く無視して文章形式を教授したのに対し、作文は、児童自身の思想内容の表現の
しかたを指導すべきことが主張され、ここに児童中心・内容重視の作文教育が行なわれた。これは児童の発見であ
り作文教育の進歩であった。こうした、児童の心的内容の表現の指導が説かれ、児童中心の作文教育が主張される
に及んで、児童の真実の表現、感動の表現を説く、いわゆる文学的作文が登場した。これは、坪田譲治の児童文学
の主張、鈴木三重吉の「赤い鳥」の綴り方運動などの結果であった。これは、児童の思想表現の作文教育から児童


                                                   2

文学ヘ一歩を進めたものではあったが、言語の表現機能の一面だけを強調した作文であった。
 この文学的綴り方は、主観的立場に立つ表現の指導で主観的な文芸性の教育が中心であった。これに対して科学
的綴り方は、物象の観察・実験・測定等の客観的態度の養成、科学的精神の育成、科学的実践の方法の学習等を主
張した。これは、文学的作文が、言語の表現機能、精神的機能に基づく作文活動であるのに対し、科学的綴り方は、
言語の叙述的機能、文化的機能に基づく作文活動であった。しかし、いずれも、言語の機能の一面を担当する作文
教育に過ぎなかった。
 3 生活表現の指導(生活教育の方法)
 綴り方の本質は、生活の真実を表現することによって、自己の成長、生活の改造を計る、つまり、赤裸々の自己
の生活経験を表現することが強調された。これがいわゆる生活綴り方の主張である。
 この主張は、国語科の綴り方のわくから抜け出して、人間形成・人問改造・社会改造の方法つまり、国語科のわ
くづけを離れて、綴り方による教育方法として位置づけられるようになった。この生活綴り方は、終戦後の今日ま
で継承されているが、近代的作文教育の構想からみると、すでにその歴史的使命を果たして、その理論の反省・実
践の整理を必要とするにいたっている。
 4 表現技能の指導(国語科作文)
 太平洋戦争が終わると、国語教育は一大飛躍をした。作文も、従来の生活経験の表現を中心とした綴り方から日
常生活に必要な書く経験を与える国語科の一分節としての「書くこと」へと転換した。生活経験を表現する綴り方
から、日常生活に必要な文章形態の指導へと移り変わった。そして、文章形態に応ずる表現技能の学習が中心にな
ってきた。これは、「日常生活に必要な書く経験を与える」の真意が理解されなかったからである。
 日本の作文教育のたどったあとを、ごくかいつまんで述べたが、この歴史の流れを規定したものは、次の三点で


                                                   3

ある。
 一つは、「児童の発見からその成長発展へ」という方向である。
 二つは、「言語形式の教授から言語表現の指導へ」という方向である。
 三つは、「言語思想一体の言語観から、言語道具観を経て言語機能観へ」という方向である。
 この三つの流れのまにまに作文教育は移り変わってきた。
 言語形式の教授から言語表現の指導への方向が確立したときに、児童発見の契機があった。というよりも、児童
の発見が、形式から内容へ、形式教授から表現指導への方向をとらせたと考えたほうがいいかもしれない。この児
童の発見は当然児童の成長発展を助長する方向をたどった。一つは、文学者が押し進めた、文学的感動の世界の表
現、つまり文学的表現によって児童の文芸性を伸ばそうとする方向であった。こうした文学的綴り方の果たした役
割はきわめて大きかった。児童自身の文学を発掘し、創造するところまで発展した。しかしながらこれは、児童の
人間性のほんの一面の指導に過ぎなかった。それは同時に、ことばの観能の一面――表現機能――を強調したに過
ぎなかった。
 他の一つは、教育実践家が押し進めた、生活事実の表現――悪も、醜も、矛盾も撞着も、生活のありのままの実
感を表現する――つまり生活実態の表現を通して、児童の人間性の開発、進んでは社会改造を試みようとする方向
であった。生活綴り方が、国語科綴り方から、生活教育方法としての綴り方へと進んだのは当然の帰結であった。
 この生活綴り方には(1)言語観の古さがあった。自己の赤裸々な表現、見たまま、感じたまま、実感そのままの表
現を強調した生活綴り方は、いやでも児童の主観的表現を、事実そのまま、実感そのままとしてこれを見、これを
尊重せざるを得なかった。つまり言語事実一体、言語思想一体の言語観に立たざるを得なかった。そこから児童の
表現を真実とのみ見たり、拙劣な、幼稚な、あいまいな表現までも、これを素朴と感じ、稚拙と信じ、深遠と満足


                                                   4

するほどのあまさが――真実の生活の厳しさをも朧化するほどのあまさが生まれたりした。たしかに、児童の生活
を尊重し、児童の表現をたいせつにしてはいた。しかしそこには、最も基礎的な、言語の記号性・象徴性への考慮
が欠除していた。言語の本質の理解が足りなかった。
 (2)生活と自己とのコミュニケーションが考えられていなかった。自己表現、自己改造の綴り方は、自己中心の
綴り方であった。生活、生活環境と対決する自己主張はあっても、生活のありのまま、実感そのままを表現するこ
とが強調されたために、生活とのコミュニケーションによる発展が期待できなかった。
 (3)生活の狭さ、片寄りがあった。生活綴り方の取り上げた生活は、児童の一般的な生活であって、書く生活で
はない。書く言語生活の教育ではない。したがって、そこで取り上げられる生活は、書くことを――表現すること
を必ずしも必要としない生活である。だから、そこには児重の書くための積極的な目的はない。主体的な行為とし
ての書く行動は計画されない。書かされる生活がそこにあるだけである。したがって、児童の書く生活の全面にわ
たって学習することを期待できなかった。
 (4)言語機能の一面しか取り上げなかった。生活綴り方は消極的な自己表現の綴り方であった、指導者の指導理
念による自己深化、自己改造の綴り方であった。それはみずから計画し、みずから求めたものではなかった。それ
は言語の表現機能の一面を消極的にだけしか取り上げていなかった。ここに生活綴り方の別の意味での狭さがあっ
た。
 この人間性の文芸性への展開、思想性への発展の反動として主張されたのが、科学的綴り方であった。科学的綴
り方のねらったものは、主観的立場に立つ文芸性・思想性に対し、客観的立場に立つ科学精神・科学性の教育であ
ったことはすでに述べた。
 以上の綴り方は、それぞれ生活の一面、ことばの機能の一面だけしか取り上げなかったが、いずれも人間性の開


                                                   5

発――文芸性・思想性・科学性の教育を目がけていた。
 ところが、戦後の形式主義・技能主義の作文教育は、人間性の開発を忘れた全くの技術主義におちいってしまっ
た。技術を駆使する人間を忘れた、技術のための技術教育に進んでしまった。ことばを忘れ、人間を忘れ、社会を
無視したところに教育は成り立たない。そこには、言語道具観がある。思想と言語・言語内容と言語形式、内容と
技能の二元観だけがある。思想を忘れた言語形式・言語技術だけがある。もちろん、作文における表現技能の発見
は、作文教育の一大進歩であった。がそのために文芸性も捨てられ、科学性も忘れられ、まして思想性などは間題
にされていない。そのような大きな犠牲を払わざるを得なかったのは、いかにも残念なことであった。


 (二) これからの作文教育―機能的作文教育


 これまでの作文教育を、(1)人間性の開発の面から、(2)ことばの本質――言語観の面から、(3)表現技能の面か
ら、それぞれ歴史的にみてきた。それを結論的に言えば、
(1) 人問性の開発の面―文学的綴り方の文芸性・生活綴り方の思想性、科学的綴り方の科学性、それぞれみな人
間性の一面しか取り上げていない。文芸性、思想性、科学性それに社会性も含めてみんな寄せ集めでなく、それら
が有機的に結合した構造的全体としての人間性の開発が考えられる作文教育を考えなければならない。
(2) 言語観の面――生活綴り方の言語思想一体観では、児童の生活の真意が把握できない。ことがらとことば(事
実と記号)ことばと意味(記号と思想)の相互関係、相関関係がつかめないからである。戦後の表現技術指導の作
文の拠りどころとする言語道具観では、思想と思想を扱う技術とが二元的に考えられて、その技術面だけが強調さ
れて思想が軽視される。ことがらとことば、言語形式と言語内容、思想と技術との諸関係を正碓に、合理的に、一
元的に把握できる言語観に立たなければならない。


                                                   6

(3)表現技能の面――文学的綴り方の文学的表現、生活綴り方の実感的表現・科学的綴り方の科学的表現は、すで
に述べたように一面的である。これらの表現技術が総合的に考えられる作文教育が考えられなければならない。し
たがってこれからの作文教育は、これまでの作文教育と対立的に考えられるものではない。これまでの作文教育の
すべてが包含できる――理論的にも、実践的にも、内容的にもそれらを含み、統一し、一元化し得る作文教育でな
ければならない。それをなし得るのはただ一つ機能的言語観に立つ機能的作文教育である。(「機能的国語教育――
理論とその展開(中沢政雄著)」を参照されたい。)
(1) 機能的作文教育は、機能的言語観に立っている。
 まず、ことばの機能を、表現機能(人間形成の機能)叙述機能(文化形成の機能)伝達機能(社会形成の機能)
に三分類する。この三機能は、精神的機能・文化的機能・社会的機能とも考えられ、それぞれ、文学性・科学性・
社会性という特性を持ち、感情的・論理的・社会的特質をもっている。このことばの三機能に基づく人間性の開発
が計画され、ことばの三機能に基づく、記録・伝達・自己表現という書く経験の学習が組織され、文学的表現・科
学的表現・社会的表現の指導とが行なわれる。
(2) 機能的作文教育は、機能的立場を取っている。
 機能的作文教育は、機能的言語観に立って、言語の機能をじゅうぶんに発揮できるような作文教育を行なおうと
する。したがって、作文活動それ自体も機能的に考え、機能的に進める。つまり、文章を書くことによって、人間
性を開発・発展させる。――思考力を伸ばす。観察力を伸ばす。物の見方考え方――思想を育てる。物の感じ方――
感覚・感情を育てる。
 また、書くことによる人間性の開発――人間形成の過程において、作文能力――意図を書き表わす力、要点・要
件を押えて書く力、目的や内容に応じて書く力、目的に応じて文章を構成する力、相手に応じてことばを使い分け


                                                   7

る力、おっくうがらずに書く態度など、書く技能・態度・ことばに関する事項等――を養成する。このように、作
文活動は、人間形成(価値形成)の機能と能力の養成の機能とを持っている。
(3) 機能的作文教育は、機能的な題材・機能的な書く経験を組織する。
 機能的作文教育で取り上げる題材は、その背後に児童の生活があり、社会があり、思想があり、感情・感覚があ
り、言語文化がある。そのような価値のある機能的な題材である。
 また、書く文章・書く経験は、それによって価値が獲得され、人間性が開発される。好ましい技能・態度が養成
される。そのような価値のある機能的な文章・経験である。
 このような機能的な題材、機能的な書く経験が組織される。
(4) 機能的作文教育は、児童の主体性を尊重する。
 書かされる作文から書く作文へ。児童は、ある生活的・価値的な目的を持ち、その目的を達成するために、みず
から計画し、方法を考えて書く活動を行なう。その活動によって価値を獲得する。目的を達成する。そのような、
児童の目的的活動を組織したのが機能的作文教育である。
 このように、機能的作文教育は、従来のどの作文教育の理論も実践も、これを容易に、包み入れて余すところの
ない作文教育である。しかも、それは、従来の作文教育の書せ集めや総合ではなく、それらを止揚した機能的立場
に立って、体系化されている理論であり、実践である。そこには一貫した教育理論の体系があり、それに基づく指
導理論の体系、実践指導の体系が、厳然として存するのである。


                                                   8

       二 機能的作文指導の構想


 機能的作文指導はどのように組み立てられているか、その全体構造を、目標・内容・方法に分けて述べてみたい。


 (一) 機能的作文指導の目標


 文章を書く時には必ず何らかの目的をもっている。手紙を書くのは社交のためや実用を便ずるためである。掲示
を書くのは、周知するためである。メモを書くのは備忘のためであり、心覚えのためである。研究記録は研究に役
だてるため、日記を書くのは、生活の反省や記録のためである。詩を書くのは、その感動を訴えるためである。生
活経験を書くのは経験を深める、認識を深めるためである。
 このように、文章を書くときには、必ず生活上の目的(生活目標)ことばの機能に即する目的(機能目標・価値
目標)をもって行なわれる。これを大きくまとめてみると、
(1) 研究や生活に役だてるため
(2) 知識や情報を伝えるため
(3) 行動させたり、意図に従わせたりするため
(4) 感動・感情・思想などを訴え伝えるため
 などことばの機能に即する目的をもって文章を書くことになる。このような目的をもって文章を書くことによっ
て、
 (1) 思考力を伸ばす。      (2) 心情を豊かにする。


                                                   9


 (3) 個性を伸ばす。       (8) 思想を深める。
 (4) 社会性を増す。       (9) 観察力を伸ばす。
 (5) 経験を深める。       (10) 生活を明るくする。
 (6) 認識を深める。       (11) 題材に内在する価値を獲得する。
 (7) 感覚を磨く。
など、人間性を開発し伸長する。つまりいろいろな価値を生産する。
 これを要するに、文章を書くことによって(文章を書く経験を通して)生活上の目的を達成し、価値を生産する。
人間性を開発し、成長発展させる。ここに機能的作文教育の目標がある。
 このように、文章を書く活動、作文活動は価値を生産する活動、人間を形成する活動である。このような価値の
生産活動を処理するためには当然そのような書く活動(経験)を処理する作文能力――書く技能・態度・書くため
に必要なことばに関する事項その他――を必要とする。つまり、文章を書く学習の中には文章を書く能力の学習が
含まれている。文章を書く学習をすることによって、作文能力もともに学習することになる。文章の書き方を学習
することになる。
 昭和三三年の学習指導要領国語に各学年の学習の「内容」として、「書く態度・技能」が明示されているように
機能的作文指導においても、文章を書くために必要な作文の技能・態度・ことばに関する事項は、作文学習の内容
として学習活動の中に明確に位置づけている。(第五章実践例参照)
 最後に、機能的作文指導の目標を簡潔に述べると、ことばの機能をじゅうぶんに働かせて、人間性を開発し、伸
長させる。そのために、書く技能・態度を育て、書きことばを身につけて書きことばに対する関心意識を高め、書
きことばを大事にしようとする気持ちを育てる。そして、書く言語生活を改善し向上させるということになる。


                                                   10

 (二) 機能的作文指導の内容


 1 内 容 の 構 造
 作文教育の内容は書く経験である。価値の生産活動としての書く経験である。この書く経験は、必ず「何か」に
ついて書く。この「何か」が作文の「題材」である。「何か」が決すると、それについて、目的に応じ、題材に応
じて書き表わす。この書き表わされたものが「文章形態」であり、それを書き表わすことが「書く活動」である。
このある文章形態を書き表わすためには、そのような書く活動(経験)を処理する能力、つまり「作文能力」がな
ければならない。さらに、書く活動をささえる文字・語い・文法すなわち言語要素がなければならない。
 このように文章を書くという活動(経験)は、(1)題材 (2)文章形態(書く活動の形態)(3)作文の技能・態度
(4) 文字・語い・文法等の言語要素から成り立っていることがわかる。これらが有機的に統合されてはじめて文章
を書く経験が成立するのである。
 機能的作文教育の内容は、機能的な書く経験を組織したものである。つまり、(1)機能的な題材を取り上げ、(2)
機能的な書く経験をさせ、(3)機能的な作文能力を身につけ、(4)機能的な言語要素を習得させる。
 (1) 機能的な題材
 作文で取り上げる題材は、児童が関心、興味を持っていること、書く必要を感じていること、能力に合っている
こと、つまり児童がよく理解していること(事実)、経験したこと(生活)、思索したこと(思想)、感動したこと(感
動)などでその範囲は、家庭・学校・社会・自然・文化等多方面にわたっている。(「話題・主題の発達段階」―
「機能的国語教育―理論とその展開 明治図書」105ページ〜114ページ「言語経験と話題・題材」を参照
されたい。)これらの題材の中から特に次のような条件を備えているものを選ぶことがたいせつである。それが機能


                                                   11

的な題材である。
ア 児童の人間性に培う価値をもっているもの。それについて書くことによって、理解が深まる。心情が育てられ
 る。思考力が伸ばされる。その他児童の精神形成の機能をもっているもの。(価値)
イ 児童の興味を刺激し、書こうとする欲求を持ち、必要を生じさせるもの。(欲求・目的)
ウ 児童のかっぱつな書く活動を誘発するもの。児童に必要な書く経験を与えるもの(活動・形態)
エ それについて書くことによって、好ましい作文力が養成されるもの。(能力)
オ それについて書くことによって、価値ある言語文化――書くために必要なことば――が身につくもの。(こと
 ば)
 (2) 機能的な活動 (経験)
 児童が文章を書く経験には、ア聞き取ったこと、読み取ったことをまとめて書く。イ研究や調査したことを記録
する。ウ学級日誌を書く。見学の報告を書く。エ読書感想文を書く。オ会議の記録を書く。カ掲示を書く。キ学級
新聞の記事を書く。クお知らせを書く。ケ手紙を書く。コ心覚えを書く。サ伝言を書く。シ感動を訴えるために書
く。ス書きたくて書く。セ生活経験を書くなどいろいろなものがある。
 これらの経験のうち、次のような条件に合うものを選んで学習させる。それが機能的な活動(経験)である。
ア 児童の人間性に培う価値を生み出す経験であること。
イ 児童の現在の生活に必要な経験であること。
ウ 好ましい書く態度・技能等が育てられる経験であること。
エ 好ましいことば(言語文化)が習得される経験であること。
オ 書かされる作文活動でなくみずから書く作文活動であること。児童が、書く目的を自覚した主体的活動となり


                                                   12

 得ること。
 (3) 機能的な能力・機能的な言語
 言語要素(ことばに関する事項)は、言語活動をささえているものであり、言語能力は言語要素にささえられて
行なわれる言語活動を処理する能力である。言い換えれば、価値を生み出すための書く活動(経験)を内部からさ
さえているのが、文字・語い・文法であり、書く活動(経験)を遂行させるのが書く能力(技能・態度等)である。
このように書く能力を、書く経験を処理する能力・言語要素を書く経験をささえている要素と考えるところに機能
的立場がある。
 たとえば、「お礼の手紙を書く」経験をするためには、アお礼の心をこめて書くこと、イ相手に応じたことばづ
かいをすること。ウ要件を落さずに書くこと。エ書式に従って書くことなどの技能・態度・ことば等を欠くことは
できないし、これらによらなければ、この経験を満足に処理することはできない。
 だから、その経験を処理するに最もふさわしい、最も効果的な技能・態度・ことばを考えなければならない。
 観察記録を書くためには、的確な書き表わし方、主観的叙述と客観的叙述の別、観察記録の形式、科学的態度・
思考・科学的なことばなど機能的な技能・態度・機能的なことばを必要とするのである。
 2 内 容 の 範 囲
 指導の内容の決め方については明確な理論がない。文章形態によって決める、あるイデオロギーによって決める、
思いつきで決める、児童の生活経験によって決める、言語経験によって決めるなど、はっきりした根拠を持ってい
ないのが普通であった。したがって、その内容はばくぜんとしている、一面的で部分的である、体系的でない、あ
る面だけが強調されるなど、科学的・近代的作文教育に堪え得るものではなかった。
 機能的作文指導では、国語教育の本質に基づいて、次のような基礎理論に従って、科学的にその内容を決定して


                                                   13

いる。
 まず、その内容の範囲を決める基準を「ことばの機能」に置く。国語教育の本質は、ことばの機能がじゅうぶん
に発揮できるように教育することだからである。
 そこで、ことばの機能に基づいて、次の三つの基準を立て、その範囲を決める。
(1) ことばの表現機能(精神的機能)に基づく書くこと。「自己表現」を中心とした書く経験を選ぶ。――精神形
 成のための書くこと。
(2) ことばの伝達機能(社会的機能)に基づく書くこと。「伝達」を中心とした書く経験を選ぶ。――社会形成の
 ための書くこと。
(3) ことばの叙述機能(文化的機能)に基づく書くこと。「記録」を中心とした書く経験を選ぶ、――文化形成の
 ための書くこと。
 このような、児童の書く言語生活の全領域にわたって、機能的な書く経験を選んで組織する。要するに、ことば
の機能に基づき、児童の生活に即し、言語能力の発達に応じた内容を選んで組織する。
 3 内 容 の 機 構
 (1) 「自己表現」のための作文の内容機構
 自己表現のための作文は、次のような内容機構(全体構造)を持っている。
ア ことばの機能――「自己表現」は、ことばの叙述機能・精神的機能に基づく作文活動で、精神形成の機能を持
 っている。
イ 生活的・機能的な目的――自己表現は、@考えをまとめる。A感動を表わす。B訴える。C個性を伸ばす D
 思想を豊かにする。E感覚をみがく。F心情を豊かにするなどのために書く経験である。


                                                   14

ウ 文章の形態・内容――自己表現の文章は、@感想、A意見、B思索、C感動、D感覚、E経験、F詩、G物語
 H脚本等の内容や形態をもっている。
エ 表現――自己表現の文章は、文学的文章・思索的文章・生活的文章であるから、味わいのある表現・個性的表
 現・感動的表現・心理的表現をとるのが普通である。
オ 人間性の開発――自己表現の作文は、主として、内在的世界(心的世界)の認識に関する言語活動であるから
 題材の内容価値の獲得、つまり、@物の見方・考え方などの思想性、A物の感じ方・想像・感情・感動などの文
 芸性の開発、伸長に培い、思想、心情を豊かにし、個性を伸ばし、自己の改造・深化を進める働きをもっている。
カ 表現能力――自己表現の作文によって、情景・場面を書き表わす力、詳しく書き表わす力、味わいあるように
 書き表わす力、心理の動きを書き表わす力、考えや意見を書き表わす力、筋道を立てて書く力、意図・主題を書
 き表わす力などが養成される。
 (2) 「伝達」のための作文の内容機構
  「伝達」のために書く作文の内容は、次のような機構(全休構造)を持っている。
ア ことばの機能――「伝達」は、ことばの伝達機能、社会的機能に基づく作文活動で、社会形成の機能を持って
 いる。社会関係を進め、社会性を増す機能をもっている。
イ 生活的・機能的な目的――「伝達」は、@人と交わる。A情報を伝える。B報告する。C周知する。D行動さ
 せる。E意図に従わせる。F説得するなどの生活的・価値的目的をもって行なわれる作文活動である。
ウ 文章の形態――「伝達」のための文章は@手紙 A掲示 B標語 C宣伝 D報告 E広報 Fかべ新聞 G
 学級新聞 H学校新聞 Iポスター等の形態をもっている。
二 表現――「伝達」のための文章は、いわゆる実用的な文章・社会的な文章であるから、その表現は、明確で、


                                                   15

 説得力を持った文章でなければならない。
オ 人間性の開発――「伝達」のための作文は、主として、社会的関係、社会的現象の認識を中心とした言語活動
 であるから、題材の内容的価値の獲得、生産、つまり、@思想の通達、コミュニケーションによる社会性、A周
 知・説得による社会的態度等の開発・発展に培い、社会関係の理解、改善、進歩、明確な思考を進める働きをも
 っている。
ヵ 表現能力――「伝達」のための作文によって、明確な表現力、説得力ある表現力、――要件を明確に書き表わ
 す力、筋道を通して書き表わす力、心に訴えるように力強く書き表わす力、簡潔に書き表わす力、わかりよく書
 き表わす力、読み手の気持ちを考えて書き表わす力、意図を書き表わす力などが養成される。
 (3) 「記録」のための作文の内容機構
 「記録」のために書く作文の内容は、次のような機構(全休構造)をもっている。
ア ことばの機能――「記録」は、ことばの叙述機能・文化的機能に基づく作文活動で、文化形成の機能をもって
 いる。文化を創造し、伝達する機能をもっている。
イ 生活的・機能的な目的――「記録」は、@忘れないため A実態を知るため B研究や調査をまとめるため
 C経験をまとめるため D研究に役だてるため E生活に役だてるため F文化を創造するため G文化を伝達
 するためなどの生活的機能的目的をもって行なわれる作文活動である。
ウ 文章の形態――「記録」のための文章は、@説明 A解説 B生活日記 C学級日記 D飼育日記 E栽培日
 記 F観察日記 G見学記録 H研究記録 I読書記録 J生活記録 Kメモ等の形態をもっている。
エ 表現――「記録」の文章は、いわゆる科学的な文章、論理的な文章であるから、その表現は、的確で、論理の
 通った文章でなければならない。


                                                   16

オ 人間性の開発――「記録」のための作文は主として、自然現象、社会現象、文化現象等の客観的・事実的・理
 性的認識を中心とした言語活動であって、題材の内容的価値の獲得、生産、つまり、@題材を客観的に的確に認
 識する科学性、A題材を科学的に組織する論理性、B題材を科学的・論理的に処理する科学的態度等の開発・伸
 長に培い、客観的な観察力、論理的な思考力を育て、文化の獲得・生産を進める働きをもっている。
ヵ 表現能力――「記録」のための作文によって的確な表現力――感性的にとらえたものを正確に書き表わす力、
 よく観察するために書く力、細かいところを正確に書き表わす力、首尾を整え、筋道を立てて書く力、ことばを
 正しく使う力、客観的叙述と主観的叙述とを区別して書く力、要点を書き表わす力、要約して書く力などを養成
 することができる。
 (4) 編集すること
 機能的作文教育の内容として、「自己表現」「伝達」「記録」等のことばの機能に即した作文活動のほかに、児
童の言語生活の実態、国語教育の方法的立場から、「編集」のための言語経験を加えることにする。
 編集には、文集の編集(個人文集・学級文集・学校文集等)新聞の編集(かべ新聞・学級新聞・学校新聞)プロ
グラムの編集(誕生会・学芸会・読書会等)等がある。
 編集は、作文活動そのものではない。作文活動を側面から助けるものである。したがって編集技術・編集知識は
作文活動を助けるのに必要な程度でよく、その専門的な知識や技術を特に指導する必要はない。
 以上、機能的作文教育の内容の考え方、内容の範囲、内容の機構等について述べ、内容の全体構造を明らかに示
した。


 (3) 機能的作文指導の方法


                                                   17

 1 機能的作文指導の方法
 機能的作文指導に当たっては、次のような方法原理に従って、能率的に、合理的に、科学的に、児童の主体的な
作文学習を指導する。作文は、書くことによる価値の生産活動であるから、その全体的な構造――価値の生産過程
――の各部分を貫く、支配する、統制する方法原理、原則が考えられる。
 (1) 興味の原理
 作文の学習指導では、まず第一に書くことに興味を持たせること、書くことの必要を感ずることが根本になる。
この興味や必要感が、書くことへの強い欲求となるように指導する。単なる興味や必要を感じただけではまだじゅ
うぶんではない。
 (2) 目的の原理
 どんな書くことでも必ず書く目的があることはすでに述べた。書く目的を持つということは、作文活動の最も基
本的な、しかも作文の全過程を貫く原理である。書く目的は、言語生活上の目的、いわゆる生活的な目的、ことば
の機能に即する目的、いわゆる価値的な目的であり、それがどんなものであるかもすでに述べた。
 この目的によって、(1)何について書くか(題材)(2)どんな文章を書くか(形態)(3)だれに読んでもらうため
に書くか(相手)(4)どのように組み立てて書くか(構成)(5)どのような書き表わし方をするか(叙述) (6)ど
のように推考するか(推考) (7)どのように処理するか(処理)(8)どのように評価するか(評価)など、すべて
が規定される。作文の全過程のどの部分の活動も、目的をどのようにして達成するか、目的を達成するためにはど
のようにしたらよいかということで、すべての目的によって規定され、統制される。
 このように書く目的は、@どんな書く活動をするか。Aどんな方法で書くか。Bどんな立場で書くか。Cどんな
題材、どんな文章形態、どんな叙述で書くか。Dどんな作文能力を必要とするかなどを規定する。


                                                   18

 また、作文に対する書き手の構え、書き手の主体的立場をも確立する。
 このように目的を持って書くことは、作文指導では最もたいせつな原理となるのであるから、書く前には、必ず
書く目的を明確に持たせる必要がある。
 (3) 活動の原理
 題材に内在する価値の獲得、生産は、書く活動によってはじめて行なわれる。また、作文の技能や態度、言語要
素は、書く活動に従属する、書く活動の中で初めて働くものであることは、すでに述べたとおりである。したがっ
て、作文がじょうずに書けるようにするためには、作文の技能や態度を伸ばすためには、また、書くために必要な
語句を増したり、正しい文を書いたりする力を伸ばすためには、文章を書くことを指導しなければならない。文章
を書く力を伸ばすためには、文章を書かせなければならない。文章を書かせないで、作文を読ませたり、作文の作
り方を書いた文章を読んで、それを理解させたり、作文や作文の書き方について話し合わせても、作文を書く能力
は身につかない。この至極あたりまえなことをはっきりと知ることがたいせつである。
 (4) コミュニケーションの原理
 作文は、書くことによって、書きことばによって、思想・感情・感動・感覚・知識・情報・意見等を通じ合う、
交換し合う、説得し合う、反応し合う活動である。したがって、そこにコミュニケーションの原理が働く。たとえ
ば、読み手と書き手との間には、次のようなコミュニケーションが行なわれる。手紙を書くことは、社交・社会性
のコミュニケーションであり、パーソナルコミュニケーションである。学級新聞・学校新聞を書くことは、知識・
情報のコミュニケーションであり、マスコミュニケーションである。また、感想・意見などを書く思想のコミュニ
ケーション、詩・物語・脚本などを書く、感情・感動のコミュニケーション、説明・解説・記録・報告などを書く
知識・科学のコミュニケーションなどが行なわれる。


                                                   19

 そこで、書く場合には、つねに、(1)書き手と読み手の立場の交換。(2)書き手の意図に対する読み手の態度・反
応。(3)書き手のことば(言語記号)と書く内容との関係、(4)ことば(言語記号)に対する書き手と読み手の理解の
相違等が考慮され、指導されなければならない。
 このように、書き手と書く対象、書き手と読み手のコミュニケーションによって、価値生産の作文活動は営まれ
るのである。
 (5) 系統の原理
 作文指導の内容も系統的に配列しないと、効果があがらない。
 たとえば、題材も児童の興味や関心や能力に応じ、内容的価値の発展に応じて選定し配列するとそこに題材の系
統が成り立つ。
 書く経験もその発達に応じて配列すると経験の系統が成り立つ。
 書く能力も、その発達に応じて、経験とあわせて配列すると能力の発達段階に応じて系統的な学習が成り立つ。
 表現の系統も、文型の発達・発想の発達・長さの発達・文章構成の発達・低学年の点的な文章・線的な文章から
中学年の面的な文章、高学年の立体的な、層的な文章への発達、それによって表現の系統的段階的指導が行なわれ
る。
 要するに、児童の精神発達・能力発達・経験の発達に応じて、学習内容を系統立てて指導する。学習の基本に系
統性を考えることがたいせつである。
 2 機能的作文指導の学習指導過程
 指導過程を二つの面から考えてみる。作文を指導する場合、その全体の指導過程と一時間の指導過程とがある。
 (1) 単元の中の作文の指導過程 (指導計画)


                                                   20

 作文指導にあたって、書通次のような学習活動が行なわれる。@作文教材を読む A文章を書く。B経験につい
て話し合う。C書いた文章を読み合う(批評し合う)。D書いた文章を処理する。
 これらの学習活動を、どんな順序に配列し組織するかが、指導計画、指導過程の問題である。次に二、三の例を
あげてみる。
 例1 作文教材を扱う場合の一般的な過程
 ア 作文教材を読む。――題材の価値を身につける=内部経験を深める。心情に培う。物の見方・考え方・感じ
  方を理解する。@表現のしかたを理解する=文章の構成、正確な書き表わし方、気持ちの書き表わし方、会話
  の取り入れ方、味わいのある書き表わし方などを理解する。
 イ 目的に応じて作文を書く。――ア作文教材を読んで高められた観察力・考え方・感じ方・高められた心情等
  によって、つまり一段と高められた自己を確立して題材に立ち向かう。イ作文教材によって理解した表現の
  しかた――文章構成・叙述の方法等によって、題材について書く。
 ウ 目的に応じて、書いた作文を処理する。
  @ 目的(知らせ合う)に応じて読み合う。
  A 手紙などは書いて出す。
  B 報告などは先生にそれによって報告する。
  C 記録しておく。
  D 文集にする。
 など、目的に応じた処理をする。
 例2 生活経験などを書く場合の一般的な過程――作文教材のない場合


                                                   21

 ア 目的に応じて、生活経験を取り上げる。
 イ 生活経験を書く。
 ウ 目的に応じて処理する。
 例3 生活経験などを書くとき、教材を利用する場合の過程
 ア 生活経験をとり上げる。
 イ 生活経験を書く。
 ウ 作文教材を読む。
 エ 書いた作文を推考する。
 オ 書いた作文を処理する。
 など、児童の実態に応じて指導の順序を考える。
 (2) 作文の一般的な指導過程
 作文のごく一般的な指導過程を児童の側に立ってみると、つまり学習の過程を老え、その各過程において学習を
どのように指導すべきかを考えてみると次のようになる。
 ア 目的を持つ――児童は、それぞれ何のために書くか、書く目的――生活的・機能的な――を持つ。ここで、
  価値への志向を明確にする。
 イ 目的を追求するための計画を立てる。――何について、どんな文章で、どのように書くか、書いた文章をど
  のように処理するかなどを考える。
 ウ 目的を追求するために書く。――計画に従って文章を書く。書いた文章を推考する。
 ユ 目的を達成する。――目的に応じて処理する。書いた作文を読み合う。文集を作る。先生に提出する。


                                                   22

 この学習指導過程は、(1)目的 (2)計画 (3)追求 (4)達成という四段階を踏んでいる。このように、全指導
過程を四段階に区分し、その各過程に、どんな学習活動を計画し、組織するかを学年に応じ、能力の発達段階に応
じて考えれば、いろいろな書く経験に応じた学習指導過程を編成することができる。
 この学習指導過程を機能的に価値的に考えれば、(1)価値的な目的を持つ。(2)価値追求の計画を立てる。(3)価
値を追求する。(4)価値を獲得する。という過程になる。
 (3) 作文の一般的な活動の過程
 作文の一般的な学習指導過程に従って、さらに具体的にその学習過程を述べると次のようになる。

 観      点 学  習  過  程  学    習    内    容 
(1) 何のために書く
(2) どんな計画で書く
(3) 何について書く
(4) どんな文章で書く
(5) どんな組立で書く
(6) どのように書く
(7) 効果的に書けたか
(8) どう処理する 
目的を立てる
計画を立てる
題材を選ぶ
文章の形態を決める
文章の構成を考える
表現をくふうする
推考する
作文を処理する 
生活的・価値的な目的を持つ
見通しを立てる。活動の順序を考える
目的に応じて題材を選ぶ
目的と題材に応じて文章の形態を決める
目的・題材・文章に応じて、文章の構成を考える
目的・題材に応じた表現をする
目的に照らして、内容・表現・表記等を訂正する
目的に従って処理する 



 (四) 児童の作文の見方


 児童の作文を見る立場には、大きく分けると次の三つがある。
1 表現形式を中心とした見方


                                                   23

 表現の巧拙、適否を第一として児童の作文を見る。引きしまった表現、味わいのある表現、的確な表現――気持
ちがよく現われている、様子がよく書けている、感じがそのままに書き表わされているなどと、表現形式を中心に
して作文を見る立場がある。これは、表現技術の指導をねらう文芸的作文の立場である。作品主義・文芸主義の立
場である。
2 表現内容を中心とした見方
 表現されている生活感情・生活態度・生活経験を中心として児童の作文を見る。生活感情・実感がよく現われて
いる。生活の姿が――真実がよく描かれている。自己主張・自己反省・自己認識がよく表わされているなどと、表
現内容を中心にして作文を見る立場がある。これは、生活の深化・改造をねらう、作文を国語科の一分野と考えず
広く教育的方法と考える生活作文の立場である。内容主義、生活主義の立場である。
3 作文の機能を中心とした見方
 児童の作文は、必ず何らかの意味で、ある目的、ある意図のもとに、それを実現するために書いたものである。
そこで、その作文が書き手の目的・意図を実現しているかどうか、つまりその作文がその機能を果たしているかど
うかということを中心として見る。表現内容と表現形式とを離さず、つまり、内容と表現の両面を機能的にとらえ
で見る。たとえばお礼の手紙は、お礼の気持ちがそれにふさわしい表現形式を取って読み手に訴えているがどうか
を見る。観察記録は、対象の見方、とらえ方、つまり認識の広さ深さと、その客観的な観察と主観的な考察とが書
き分けられているかどうか、それが記録として価値があるかどうかなどを見る。これは、価値の創造、生産と表現
力養成とをねらって、書く生活の向上発展をはかろうとする機能的作文の立場である。機能主義・言語生活主義の
立場である。
 この機能的作文の立場では、


                                                   24


(1) 児童の作文は、児童がある目的を実現するために書いたものである。ある価値的な目的を実現するために、価
 値生産の言語行為として書いたものである。価値生産行為の結果(製品)であると見る。
 書かされた作文、書きたいものを自由に書いた作文ではない。自由選題でも課題でもない。はっきりした目的を
持ち、必要の上に立って書いた作文である。これは、機能的作文における、児童作文の基本的な見方である。
(2) 児童の作文能力も、文章をじょうずに書く能力、思想・感情がじょうずに書き表わせる能力と考えず、書く経
 験(活動)を処理する能力、目的を達成するために書く能力、生き生きと働く、価値を生み出す能力と見る。書
 く能力もそのように機能的に考える。



                                                   25


    第二章 高学年の作文



 児童の作文は、思考の発達、認識の発達、感情・想像・感覚等の発達、興味関心の発達、経験の発達、言語の発
達、言語表現力の発達などと深い関係をもっている。つまり、児童の精神発達、生活経験の発達・言語および言語
表現力の発達に依存して作文は成立する。そこに人間形成の過程において、作文力を養成し、書く言語生活の改造
発展をはかる作文指導の契機がある。そのような立場や観点に従って高学年の作文および作文学習の特色について
考えてみる。


       一 題材の発達


 高学年児童が書いた、あるいは書こうとする題材は何か、その広がりと深まりについてみると次のようになって
いる。
1 題 材 の 範 囲
 一般的にいって、高学年児童の書く題材は学校生活、家庭生活、社会生活、自然生活(自然現象)、精神生活、
文化現象(文化的事象)、生物に関する事項など広い範回にわたっている。これらのうち特に自然生活、自然現象や
精神生活に関するものがいちじるしく多くなっている。一九六〇年に、東京都教育研究員が、七月上旬、九月上旬
九月下旬、十月上旬、十一月上旬の五回にわたって、一年から六年までの見童が自由に書いた作文の題材を分類整


                                                   26


理したものによると、高学年の取材の範囲度合は次のようになっている。
     領域      五年      六年
    学校生活  約  8%  約  13%
    家庭生活    32%     21%
    社会生活    29%     23%
    自然生活    11%     24%
    精神生活    17%     14%
    生物       3%      4%
    文化               1%
    その他              1%
 このように、児童の生活の広がりがそのまま題材の広がりと一致していることはいうまでもない。
2 題 材 の 深 さ
 題材の範囲の広がりとともに、題材に対する理解・認識の深さもまた加わっていく。
 一九六〇年に東京都教育研究員が、小学校一年〜六年の児童に、「おかあさん」「ともだち」という題材で書
かせた場合の文題を類別整理してみると、次のようになっている。

類     型  文     題     例  五   年
  (204人) 
六   年
 (243人) 
@ 一般的  おかあさん・私の毋・おかあさんについて  44% 65%
A 仕 事  おかあさんの仕事、工場で働く母  31% 12%
B 性 格  やさしいおかあさん、おかあさんのくせ  15% 3%
C 容姿  おかあさんの手・おかあさんのふとさ  2% 5%
D その他  おかあさんの病気  8% 15%
類   型  文     題     例  五   年
  (223人) 
六   年
 (245人)
@ 一般的  友だち、級友、新しい友だち.わたしの友だち  56% 68%
A 個人の名前  ○○君・○○さん・○○君とぼく  16% 8%
B 性 格  いじわるな友だち、おもしろい人。  19% 7%
C 遊び  プール、野球、自転車  3% 3%
D その他  いじめっこ、なかなおり、夏みかん  6% 14%

                                                   27


 また、一九六二年に井上潤さん(東京都目黒区宮前小学校)が六年生に書かせた「友だち」の作文の文題を見る
と次のようになっている。
@ 友だち、わたしの友だちの類          68%
A 三人の友だち、四人の友だちの類        11%
B ぼくとT君のなか、転校した高松君の類     11%
C ほんとうの友だち、明るい友だちの類      11%
 これらの文題を見ると、題材に対する認識の広さと深さがわかる。「おかあさん」「友だち」に対する接近の様
相を知ることもできる。自己中心的で、自分の生活の中でしか対象を把握することができない低学年、表現対象を


                                                   28


自己からつき放して、向こう側において、客観的事件的に認識できる中学年、表現対象を客観的にながめながら事
象の裏がわ、奥へとはいりこんで内面的なものを認識できるようになる高学年へと、しだいに深まっていく相を確
認することができる。また、高学年になると、諸事象の共通面を抽象することができるようになり、それを組織的
に記述する児童も現われてくる。「友だちとは何ぞや」という方向で認識できる児童も増してくる。


       二 主題意識・文章構成・思考の展開


 昭和三四年度、東京都国語科教育研究員が、作文における主題意識の発達について都内の児童を対象にして調査
したものがある。この調査では、主題の表わし方を次の九項目に分類整理している。
1 主題意識をはっきりともって書いている。         6 内容が混乱している。
2 主題意識はもっているが、観念的である。         7 主題から全くかけ離れている。
3 事実を書き並べているだけで主題意識がはっきりしない。  8 何を書こうとしているかはっきりしない。
4 途中で主題から離れていく。               9 文章が未完成でまとまらない。
5 自分のことを中心として書き、その中に僅かに主題がうかがわれる。
 この項目の立て方には、なお、間題は殘されいるが、参考にその調査の結果を採録してみると次のようになる。
 被調査児童と題材
五年 おかあさん――204人       六年 おかあさん――243人
   友だち  ――223人          友だち  ――245人
 調査の結果


                                                   29

学年  六     年 五      年 
題材

類型
おかあさん  ともだち   おかあさん  ともだち 
52人 21% 52人 21% 18人 9% 8人 4%
48 20 49 20 5 2 8 4
56 23 78 32 83 41 102 45
9 4 12 5 13 6 19 9
60 25 42 17 10 5 0 0
1 0 0 0 38 19 59 26
16 7 8 4 30 15 10 4
1 0 1 0 7 3 15 7
0 0 3 1 0 0 2 1
243 100 245 100 207 100 223 100
備考 昭36.6調査 昭36.7調査 昭36.6調査 昭36.7調査

  昭和三七年四月に、国語教育科学研究会で会員の
 井上潤さんが、六年生児童三六名に「友だち」とい
 う題材について書かせた文章をみると、次のように
 なっている。
  1 文章全体が主題で統一されている作品
               7人…………19%
  2 あることがらで統一されている作品
              26人…………72%
  3 ことがらを羅列的に書いているもの
               5人……………9%
  4 ことがらが入りまじっているもの。
  このように、高学年になると、主題意識をはっき
 りともって、それによって統一的に文章を書く児童
 がしだいに増してくる。次にその例をあげてみる。
       友  だ  ち
   私は今までずいぶんおおぜいの人たちと親しみ合っ
  てきました。みんなそれぞれいい人でしたが、ほんと
  うに私のことを考えてくれた人、私の気持のよくわか
  ってくれた人は、ほんのわずかでした。そこで私はだ
  れもがいつでも考えている「ほんとうの友だち」とい


                                                   30


  うのはどういうものか、ということについてこの文を進めていきたいと思います。
   人間はみんな、ひとりひとり心がちがう。その人によって友だちもいろいろある。いくら仲よしでも、勉強ができても、
  心の悪い友だちをもったなら自分もだんだん悪くなる。
   そのような人々と友だちになるのはほんとうにつまらない。仲よくなっても意味がない。
   ほんとうの友だちというのは、おたがいにはげまし合い、たすけ合いながら正しい道を進んでいく。それがほんとうの友
  だちではないだろうか。
   しかし、そのような人はなかなか見つからない。「このクラスには私と気の合う人はいない」、「うちの近所にはほんとう
  の友だちはいない」といってさがしにいくわけにもいかない。
   そういう時はやはり自分が一番大切だと思う。自分で人をよくしていかなければならない。
   「しゅにまじわればあかくなる」、ということわざがあるように、自分は友だちしだいでかわっていく。友だちは自分で作
  るものだ。自分が正しければ友だちもよくなっていく。おたがいに心が高まるであろう。そういう人々こそ、ほんとうの友
  だちだと私は思う。
(井上潤さん指導)

 このように、「ほんとうの友だち」という主題を明確に意識して、それを中心として、課題を中心として思考が
進められている。すべて、ほんとうの友だちとはどんな友だちかを明らかにするために、一貫して、統一的に考え
が述べられている。このように主題意識が明確で、それによって文章が統制されるようになるのは、このころの児
童が、抽象的に物を考える力がしだいに伸びてくるからである。「友だち」という同じ題材について、一年、三
年、六年、各学年の児童に文章を書かせて、その結果を分析してみると、次のようなことが言える。
 一般に低学年では、「友だち」を友だちとして客観的に認識することができない。自分の生活の中の、遊びの仲
間として、だれと何をして遊んだ、だれと何をしたいという形でしか認識できない。自分の生活の一分節として友
だちを見ている。
 中学年になると、「私の友だち○○さん」というように、自分からつき離して、向こう側において客観的に見る


                                                   31


ことができるようになる。「親切な人」「すぐ怒る人」「やさしい人」というように、冷静に、自己の外の人とし
て客観的にみる、客観的に扱う、具体的な行為の裏にある性格までも認識できるようになる。
 それが、高学年になると、「友だちとは何か」「よい友だちとはどんな友だちか」というように、友だちの持つ
諸性格を抽象化して、かくあるべき友だちを考えることができるようになってくる。このように「友だち」を抽象
的にとらえ、友だちの定義や解釈をしている児童は、井上さんの学級では36人のうち、4人の11パーセントに
なっている。この数は、主題によって統制された文章を書いている児童の数に近い。
 この主題をどのように展開するかが文章構成、いわゆコンポジションの間題である。一般に文章構成・コンポジ
ションの間題を形式的に考え、形式を整えることの指導に重点が置かれがちである。しかし、コンポジションは文
章の形式、外形の問題ではない。外にあって、内容をわくづけるものと考えるべきではない。コンポジションは児
童の内側にある表現意図に、その基礎を求めるべきである。つまり文章を書く目的・文章の機能によっておのずか
ら構成されるものである。段落の問題も、たとえば、序論・本論・結論、起承転結、前文・本文・末文、頭括式構
成・尾括式構成・あるいは、日記の形式、記録・報告の形式など、すべて外がわから考えやすい。書き手の書く目
的によって文章形態を考えたり、その目的・文章の機能に即してコンポジションを考えたりすべきである。
 一般に、四年生になると、一学級のうち何人かが段落を分けて書くようになると調査の結果が報告されている。
井上さんの学級の36名が「友だち」について書いたとき、(1)内容のまとまりごとに段落を考えて改行して書いた
もの20名(55%)(2)内容のまとまりはあるが、まとまりごとに改行しないもの、14名(30%)(3)内容をま
とめて書けないもの、二名(六%)となっていた。
 しかし、このような形式的なことよりもさらに大事なことは、その文章がどのように展開されているかというこ
とである。


                                                   32


 それを、前にあげた「友だち」の作文についてみると、次のように主題が展開されている。
 (1) 課題の設定―課題設定の理由
  ア 「ほんとうの友だち」というのはどういうものか。
 (2) 課題解決のための思考―思考の展開過程
  ア ほんとうの友だちでないもの。
   @ 心の悪い友だちをもつと自分も悪くなる。
   A 悪い友だちをもつのは意味がない。
  イ ほんとうの友だち
   @ おたがいにはげまし合い、たすけ合い正しい道を進んでいく。
   A そのような人はなかなかみつからない。
 (3) 課題の解決――思想の深化
  ア 自分で人をよくしていく。
  イ 友だちは自分で作るものだ。
  ウ おたがいに心が高まる。
  エ それがほんとうの友だちである。
 この作文においては、課題設定から課題解決まで、理路整然としている。思考が論理的に展開されている。そし
て書くことによって思想がいっそう深められている。その論理をたどってみると、
(1) 思考の課題性――思考活動がかっぱつに行なわれるような課題を設定している。
(2) 思考の即物性――具体的な問題をあげて考えを進めていく。


                                                   33


(3) 思考の一貫性―課題を中心として統一的に思考が展開されている。
(4) 思考の生産性――課題に対する結論が得られ、思考の結果それだけ思想が確かになり、深められている。
 というようになっている。また、その思考過程、思考展開の過程をたどってみると、
(1)課題を設定し、その解決のしかた、思考の進め方として、(2) 課題に対する反価値 (心の悪い友だち)をあげ
て立論し(起)(3) それをうけて、反価値を否定し(承)(4) 新たに課題に対する価値を設定する。(はげまし合
い、たすけあい、正しい道をいく友だち)(転)(5) それを受けて再び価値を否定し(承)(6)課題に対する第二
の価値を設定し(友だちは自分で作るものだ)で結論としている。(結)
 このように思考が展開されるたびに思想もしだいに深まって結論に達し、いよいよ正碓に合理的に思想が深めら
れていく。
 児童のうちにある思考過程――思想形成の過程がそのまま文章構成(コンポジション)となって現われる。コン
ポジションの指導は、児童の側・児童の内部にある思想形成の順序段階に、いっそう秩序を与え、まとまりを与え
て、その目的とする思想表現が合理的に行なわれるようにすべきである。思想表現に、あらかじめ用意された形式
をあてはめていくことではない。
 だからこそ、文章を書くことによって、思考を正確にし、論理的にし、思想を確かにし深めることができるので
ある。


       三 題材に対する発想


 発想は、書こうとする題材に対する姿勢・構えである。題材を認識し、解釈するためにそれに接近する構え、型                                                     


                                                   34


である。この発想は作文の最初のセンテンスを見ると、その大体を知ることができる。その文型には、題材に対す
る認識・思考の型があり、それがその発達の様相を示している。さきにあげた六年生の「友だち」の作文の発想を
見ると次のようになっている。
1紹介的発想
 (1) 「佐山君はぼくの友だちだ。」の型、10人――24%
 (2) 「ぼくには友だちがふたりいる。」の型、2人―6%
2 説明的発想
 (1) 「私の友だちのなかで一番仲がよい友だちは砂山さんだ。」の型(自分との関係を説明する)7人――16%
 (2) 「ぼくの友だちの長瀬君はたんきで、自分の思ったようにならないとすぐふくれます。」の型(友だちの性格
  を説明する)4人――11%
3 事件的発想
 (1) 「私が松下さんに会ったのは、去年の四月六日だった。」の型、6人―14%
4 論理的発想
(1) 「私はまず初めに学校での友だちについて考える。」の型、5人―13%
5 その他   2人――6%
 これによって友だちへの構えを見ると、友だちを総括的・全体的にとらえる総括的発想(三〇%)友だちを客観
的にながめ、説明的にとらえている説明的発想(27%)友だちを自己との関連においてとらえ、具体的な事件・
事象の中に位置づけて見ている事件的発想(14%)友だちを、具体的な友だちから離れて、友だちの持つ諸性格
を抽象してとらえる論理的発想(13%)の順になっている。これは、単に友だちに対する発想というよりも、一


                                                   35


般的にいって高学年児童の事実認識の型とその発達を示しているといっていい。高学年で特に注意することは、論
理的発想の児童たちである。これらの児童は抽象的思考が進んできたものである。事象の一般性、普遍性を認識し
把握し表現できるようになった児童である。これは一進歩である。精神発達の一面である。概念操作が自由に論理
的に、一般的にできるようになる証拠である。したがって、事象を説明的・事件的にとらえないで、普遍的・抽象
的な面をとらえて表現するから、いきおい文章も短くなる。概念的になる。りくつっぽくなる。そこで、ややもす
ると、具体的表現・文芸的表現を強調して、簡潔な論理的な表現を押えがちになる。このことは、事象を外面的・
全体的にながめ、概念的にしか表現できない、いわゆる深い考え、深い思索、細かい観察、綿密な観察・鋭い感覚
・などを経ない表現とはおのずから別である。
 そこで、事象を具体的に確実に把握して表現する。事象を客観的に観察し、説明的に表現する。事象に対する思
考を深め整えて表現するなどの指導をじゅうぶんに行なわないままで高学年にくると、心も目も感覚もじゅうぶん
に働かせず、事象を表面的に見、全体的にとらえて表現する概念操作の文章が多くなってくる。いわゆる概念くだ
きを必要とする文章はこのようにしてできた文章である。事象とことばを対応させることによって、それを明確に
認識することができると同時に、われわれはそこで成立した概念、つまりことばによってしばられるという結果に
なるからである。


       四 主観的表現


 児童の作文の中に現われる、主観を直接現わしていることばを拾ってみると、それぞれの学年の児童の内面的な
精神生活の特色を知ることができる。


                                                   36


 一年・三年・五年の児童に自由に書かせた作文によってみると、あとに述べるような主観的なことばを使ったも
のは、一年生では37%、三年生では62%、五年生は100%であった。
 その内容についてみると、一年生では16語、延べ60例、三年生では19語、延べ77例、五年生では35
語、述べ123例である。
 一年生の使った語は、「思いました」という形式語を除いて、「おもしろい・うれしい・たのしい・かわいい・
こわい・おかしい、くやしい・びっくりした・しんぱい・あんしん・くやしい」などの感情表現の語、「きれい・
いい気持ち」などの感覚的な語が使われている。
 これによって、一年生の個人的な、単純な感情・素朴な未分化な感覚がうかがわれる。そこには深まりもない広
がりもない極めて単純な感情・感覚だけがある。多くの作文は、ことがらを述べることが精いっぱいで、自分の感
情・感覚を表現対象として明確に意識するほどになっていないからである。
 三年生の使った語には、一年生の使った語以外に「さびしい・かなしい・かわいそうだ、がっかりした。」などの
感情表現の語がある。このほかに、「いやです・ほしい・あきらめる・がまんする」などの意志表現の語が新たに
加わっている。
 一年生に比べるとやや複雑な感情が表現され、意志を現わす語が使われ出して、自己主張が明確になってくる。
 五年生になると、「はずかしい、にくらしい、うるさい、あわてる、こまる、ざんねん」など感情表現が複雑に
なり、微妙になり、多方面にわたってくる。しかもそれが「なさけなくなる、待ちどおしい、落ちつかない、感心
した」など、強い感動、心の躍動となってそのまま表現され、感情・感動が表現対象としてはっきり意識されてい
る。
 感覚的表現も鋭さを増し、新鮮さを加え、個性的な色を増してくる。意志もしだいに明確に表現されて自己の意


                                                   37

見として提出されるようになってくる。特に注意すべきことは「同情する、うらやましい、じまんする、感心し
た」など社会的な心情表現の語が増してきていることである。社会的に目が開かれ、社会的な事象に対する関心が
高まっていることである。また、「……と思う、心配です、安心する」などの語がしばしば使われて、文章が思索
的になっていることも注意すべきである。
 このように高学年児童は、複雑な感情の世界への認識もしだいに広がり深まってくると同時に、思索的傾向も加
わっている。この辺にも高学年作文指導の重要な契機がある。


       五 コンポジションの基礎としての段落にまとめて書く能力


 表現内容のまとまりごとに段落に分けて書く力は、コンポジションの基礎的な能力である。そこで段落にまとめ
て書く力の実態を知ることは、コンポジション指導をどうするかを決める鍵と考えてよいであろう。高学年児童の
段落にまとめて書く力の実態はどうなっているであろうか。
 昭和三四年度の東京都小学校国語教育研究員が、二年から六年までの各学年ごとに無作為抽出によって得た45
人計225人について調査した結果が報告されている。作文は、課題「おかあさん(六月上旬)」「きのうあったこ
と(六月中旬)」「私の家族(七月上旬)」「自由題(六月下旬)」の四編である。これらの作文について「内容と形
式」の関係を、(1)表現内容が一貫していない文章、(2)表現内容は一貫しているが形式の伴わない文章、(3)まとま
り(区切り)をつけて書いてある文章に分類し、そのうち(3)をさらに、A内容と形式とが一致していない文章B
内容にまとまりのある文章 C内容のまとまりと形式のまとまりとが一致している文章の三類型に分けて集計し
た。そのうち、本稿では、「C」、の文章がどの程度書かれているかという点だけについて参考にあげてみる。


                                                   38


    学年(パーセント」
題 材 
五  六 
お か あ さ ん(六月上旬)   2  15 27
きのうあったこと(六月中旬)   0   8 18
自  由  題(六月下旬)   2 11  38
私 の 家 族(七月上旬)   2  10  21

  このように内容のまとまりごとに段落に分けて書く力
 は、五、六年で急激に伸びていることがわかる。この結
 果は国立国語研究所で調査したものと一致している。
  これによっても、五、六年の高学年は、コンポジショ
 ンの学習の準備ができている。つまりコンポジションの
 指導が可能であることを物語っている。(ここに示した




数字は、文章全体を通して、内容のまとまりと形式のまとまり(段落)とが一致しているものである。内容のまと
まりと段落とが必ずしもすべて一致しないが、段落のある文章の数を加えると、五年生では前記四作品を通じて平
均50%、六年生では68%に及んでいる。)


       六 六年生の記述過程の分析


 六年生の作文記述の実態を正確にとらえて分析してみると、記述過程における書く速さ、推考の様相・文字を書
く抵抗、疲労の進行、想の展開などを明らかにすることができる。また、その実態に即して指導法をくふうするこ
ともできる。
 次に、さきにあげた井上潤さん指導の「ともだち」の作文について、国語教育科学研究会のかたがたがその記述
過程を細かく調べたものがあるから参考にあげておく。



 (一) 記述時間と文章の長さ、疲労との関係


                                             39




 



 
時間(分)

児童 
 5 10  15 20 25 30 35 合計








 上  A  118 131 105 51 88 70 89 652
B   132  178  72  75  17  42  0 531
C   127  164  85  0  0  0  65  442
 中  D   86  109  96  95  89  93  3  571
E   125  124  138  187  175  125  0  874
F   50  103  126  81  114  68  101  643
下   G   73  114  127  132  85  25  0  556
H   90  112  84  73  83  103  13  558
I   35  40  57  96  55  80  3  346
  平 均  93  119  99  84  80  67  31  

  (二) 記述過程における記述停止の実態

 
停止 能力  同左表  5  10 15 20 25 30 35 合計










  
9  9  9  6  8  6  7  54
5  7  3  2  2  4  -  24
 10  8  2  0  0  0  1  21

  
 6  8  8  6  5  5  0  38
 0  3  3  3  5  4  -  18
 7  6  7  6  8  6  7  46

 6  9  5  11  8  2 -  41
 19  11  11  12  7  13  4  68
 15  13  11  9  11  6  0 65
 平 均  7  8  7  6  6  5  2  



                                                   40


 被調査児童は能力上・中・下のもの各三名ずつ選び、その記述の全過程を観察し記録したものである。表中の数
字はそれぞれの時間内に書いた文字数を示す。
 この表によって、記述速度の実態・記述と疲労度・記述と書こうとする構え、個性的記述、記述時間の長さと作
文の長さとの関係についてその実態を知ることができる。



 (三) 記述過程における記述停止の目的



 これらの表によってわかることの一つは、考えながら書き、書きながら考える。つまり推考は記述中にしばしば
効果的に行なわれるということである。作文は、書くことがあらかじめ決まっていても。それをそのままに表現し
ていくというような単純な活動ではない。高学年になると、一たん思想(感情)を文字に定着して後、さらに書き
進める(文脈を作る)ことによって、すでに定着した思想を文脈を作るために随時変えていくことがしばしば行な
われる。書きながらいわゆる推考をする。想を展開する。思考を正確にし、組織していく。そのために、立ち止ま
って考えたり、ゴムを使って語や文を正していく。その回数が非常に多い。あまり厳格にいわゆる構想指導をする
と、自由なのびのびとした、幅のある、深みのある文章が書けないなどと言われるのも、こうした実態を老慮に入
れて指導しないからであろう。
 なお、その推考の方法は、単に考えるというのでなく、すでに書いた大部分を読みかえしては次の表現を考える
というやり方をとっている。その意味では、想の展開は、すでに定着した思想をもとにして、新たに文脈を作るこ
とによって行なわれる。そこに新しい思想・価値が生み出される。
 その二は、高学年になってもなお、文字を書く――思想を文字化する抵抗が非常に大きいということである。特
に漢字の抵抗は大きい。高学年になってもやはり文字を書く基礎練習の必要なことが痛感される。おっくうがらず


                                                   41


 停止の目的 能 力
想の展開のために  60 44 64  168
文字を思い出すために   0  1  3  4
句読点を打つために   0  0  8  8
その他   0  3  0  3
ゴム使用  文字の誤りを直すため   2  35  33  60
語・文を訂正するため   35  11  41  87
文字をきれいに書くため   0  1  2  3
友だちと話すために   0  1  0  1
疲れたので休むために   0  1  2  3
原稿紙を取りかえるために   1  3  1  5
鉛筆をかえるために   1  1  0  2
読み直すために   0  0  6  6
合   計    99  101  160  360

   に文章を書く態度・習慣を養う
   うえにはやはり書写が自由にで
   きるようにならなければならな
   いであろう。
    その三は、高学年になると、
   文章を書くことが個性的に行な
   われるということである。それ
   だけに学級児童の作文の記述活
   動は複雑である。思考力や想像
   力を働かせるというような精神
   活動・認識活動とその遅速・文
   字を書く運動の遅速、児童のパ
   ーソナリティの異同などによっ
   て、表現内容も表現行為も個性
   的になってくる。個性的表現を
   伸ばすことは、高学年において
   は特に注意して指導すべき点で
   ある。





 (四) 文末の形態と思考


 作文の文末の形態を見ると、そこに思考・認識の型が見られる。次に、文末の型の発達を各学年に位置づけてみ


                                                   42


ると次のようになる。

総   文   数  410 326 381 326 389 472
1 「○○ます」型    8  7  32  19  10  3
2 「○○ました」型  79 70 45 39 30 16
3 「○○です」型   5 6 8 8 5 4
4 「○○でした」型  6 12 3 4 3 2
5 「○○だ」型  0 0 3 1 5 4
6 「○○だった」型  0 0 0 1 1 2
7 「○○た」型 1 1 0 15 29 46
8 「○○ている
(用言終止形)」型 
0 0 3 11 11 17
9 その他 0 5 1 3 6 5
 型  頻度 パーセント
 学    年   1 2 3 5 6

  この表を見ると、「だ型」「た型」「いる型」
 は、主として中学年以降に現われ、発達すること
 がわかる。これらは、経験の回想的・主観的表現
 から、経験の直接的・客観的表現への移行の相を
 物語っている。と同時に、思考の型の変化・発達
 を物語っている。
  六年生の書いた「映画についての研究報告」の
 文末の形態を分析してみると、次のようになって
 いる。

  文の総数  53
 (1) 判断(断定)
  ア……だ型   15┐┌―事実の直接判断
  イ……です型  03├┤    29
  ウ……ます型  13|└―事実の間接判断
  エ……でした型 07|     11
  オ……ました型 02┘    (意志表示)





(2) 推理
 ア……でしょう型     4


                                                   43


 イ……だろう型      1
(3) 疑問
 ア……でしょうか型    3
(4) 試行
 ア……みました型     3
(5) 希望
 ア……ほしい型      1
 イ……もらいました型   1
 このような「研究」における思考は、(1) 事実に対する直接判断と(2) 事実に対する間接判断である価値判断と
から成り立っている。また、その価値判断が、推理の形・疑間の形・希望の型で行なわれている。「研究」におけ
る思考活動がこのように文末の表現形態として示されている。
 これによっても、ある現象の認識における研究という立場からの思考の様相がはっきりとわかる。
 高学年児童の作文をみる場合、書く目的に応じた文章形態だけが強調されがちであるが、それとともに、このよ
うに目的に応じた認識・思考のしかたとその表現の指導が強調されなければならない。


                                                   44


     第三章 高学年の機能的作文指導の方法




 機能的作文指導の理論に従って、高学年の機能的作文指導の方法を、次の項目にわたって述べた。
 (一) 目的に応じて書く指導の方法
 (二) 記録のために書く指導の方法
 (三) 伝達のために書く指導の方法
 (四) 自己表現のために書く指導の方法
 (五) 作文の処理と評価の方法



 (一) 目的に応じて書く指導の方法



 1 目的を確立すること
 手紙を書く場合には、何かについて相手に伝えなければならないという目的がある。それは、病気見舞、依頼の
手紙、日頃のぶさたをわびて近況を知らせる手紙など、それぞれ知らせるという目的をもっている。記録の場合で
も備忘のため、研究や学習に役だてるため、自分自身の生活を反省し生活に役だてるためなど、それぞれの目的を
もって書くことになる。
 つまり何のためにという目的が明確にされ、目的意識が書き手に強く作用したとき、書き手は、何のことを、ど
のように書いたらいいかという、題材選定や表現の方法が、そこに産み出されてくる。


                                                   45


 それでは、書く目的にははどのようなものがあるだろうか。
  指導要領の「書くこと」についての学習の内容を、大きく分けて、次の三点が考えられるであろう。
 (1) 自己表現のために書くということ。
 (2) 記録のために書くということ。
 (3) 伝達のために書くということ。
 これらは、いずれも言語を、機能的にとらえる立場から言えることである。
 (1)の自己表現のために書くという場合でも、次のような場合が考えられる。
 1 日常生活の経験を深めるために書く。
 2 思想を深めるために書く。
 3 感動を訴え、自己を伸ばすために書く。
 また、(2)の記録のために書く場合でも、
 1 生活に適応し、改善するために書く。
 2 学習や研究に役だてるために書く。
などが考えられる。
 また、(3)の伝達のために書くことも、
 1 人と交わるために書く。
 2 生活に適応し、改善するために書く。
などが考えられる。
 これらの目的によって、題材の選び方、表現の形態や、表現のしかたが決まり、書くことの活動が活発に展開さ


                                                   46


れる。
 要するに、児童の書く活動を活発にするには、「何のために」という目的を明確にもたせなければならない。
 2 目的に応じて題材を選ぶこと
  「何のために」という目的が決まると、その目的を達成するのにふさわしい題材を選ぶ。
 次に学級新聞に例をとってみる。
 学級新聞は、学級社会のいろいろのニュースや様子を知らせたり、学級の仲問に新聞を通じて呼びかけたり、み
んなの声や、考えを伝え合ったりするはたらきをもっている。このように人間関係を深めたり、学級社会のマス・
メディアとしての働きをもっている。そこでそのようなはたらきをじゅうぶんに発揮できるような題材を選ばなけ
ればならない。
 1 自分たちの生活に役だつような題材
 2 興味をもって読んでもらえるような題材
 3 学級(学校)社会のできごとで、伝えたいような題材
 4 自分たちの生活に直接関連のある題材
などである。学級新聞を作るにあたっては、このような取材の指導が行なわれなければならない。
 考えを深めるために書く場合でも、どんな題材でも書けば考えを深めることができるというものではない。学年
によって思想の深まりもちがえば、興味、欲求、関心も異なっている。どのような題材で書かせた場合、効果があ
るかということを、じゅうぶん考えて指導する。題材についても、五年になると、感動的なもの、科学的なもの、
実際的なもの、集団生活的なもの、伝記的なもの、自然的なものなどへの興味・欲求・関心が高まってくる。さら
に六年になると、思索的なもの、社会的なもの、科学的なもの、美的なもの、世界的なものなどへと発達してい


                                                   47


く。これらの学年的特色を考え、どのような題材で、どんなことを書かせたらよいかを考える。
 低学年では、おとうさん、おかあさんを題材にして書くことが指導される場合が多いが、高学年では、単に父・
毋というだけでなく、家業のこと、家庭生活の問題や、家での自分の立場とか、家族の一員としての協力といった
面を題材にして書かせたほうが、児童の発達段階に即したものといえる。
 3 目的に応じて構想を立てること
 目的、題材が決まると、その目的に応じて、どのように書けば目的を達成するのにふさわしいものが書けるか、
その構想を立てて主旨のはっきりした文章を書くように指導する。主題意識も五年ごろから急激に発達すること
は、児童の作品を分析し研究してみるとよくわかる。
 書き手の主旨や意図をはっきりさせるためには、何のために、何をどう書くか。どのように文を組み立てて書き
表わすかが大事なことになる。
 研究記録などを書く場合にも、@研究の動機 A研究の経過 B研究の方法 C研究の結果 D今後の研究、あ
るいは、まとめなどというように書く場合もある。意見を書く場合にも、結論を述べてから理由を述べるものもあ
るし、理由を述べて結論を述べる場合もある。理由を明確にするため、例話を組み入れて書くこともある。それら
の構想は、書き手の目的に応じていろいろ変わってくる。
 ただ、構想を立てて指導をする際に、注意しなければならないいくつかのことがある。
 たとえば、構想をきちんと立てて書かせればよい文章が書けると思いこんで、どのようなことを書くか、こと細
かに個条書きをさせ、それに基づいて書かせたりすることがある。しかし、これは児童が書くというときの実態を
よく知らないものであって、必ずしもよい方法とは言えない。
 児童は、ある発想で書き始めると、書きながら構想を考えて、そして書き進めているのである。児童は書きなが


                                                   48


ら、停止したり、読み返したり、せっかく書いたものを長々と消してしまったりしながら書いていく。決してはじ
めから、きちんとした構想を立てて書いているわけではない。論文や、研究記録などの場合とはちがっている。
 細かに構想メモなどを書かせてやると、そのために、かえって児童の書く意欲をそいでしまう結果になりやす
い。「先生、ちがうことを書いていいですか。」などという児童の発言を聞くこともある。まして数日前に立てた構
想メモで書けといっては、児童はかえってとまどってしまうであろう。
 作文といえば、取材・構想・記述・批正という指導過程をとるのが普通のようである。これは、何もない所から
作文を書かせようとする場合で、その作文を書けばそれで終わりという場合のことである。しかし、国語科の単元
の中で作文活動が行なわれる場合には、記述前に取材・構想についての特別の学習がなく記述にはいる場合、つま
り、読んだりしたことから、直ちに記述にはいる場合がある。教材の学習が、記述前の構想指導になっている場合
などもある。このような点を考えて、構想を立てて書く指導というものが行なわれなければならない。
 4 目的に応じて表現をくふうすること
 児童の作品を読んで、その評語に「もっとくわしく書きなさい」「見たり聞いたりしたことを、そのまま書きな
さい。」などということを書いて児童に返した経験は、ほとんどの教師がもっているであろう。
 作文が文芸的作品主義のころには、「気もちを表わして」とか「詳しく」とか「よく思い出して」とかいう評語
を書きそえ、教師が読んで興味や関心をもった作品が、じょうずな作品とされ、模範文とされた。何のために詳し
く書かなければならないのかは追求されず、したがってじゅうぶん納得しないままに、作文は、細かに表現すれば
いいのだという結果だけが頭に殘されていく。
 主題や主旨のはっきりした文章を書くためには、書こうとする内容を整理したり、材料を整えたりする。そして
ある場合には詳しく書いたり、ある場合には思いきって簡潔な文章で書いたりしなければならないこともある。そ


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れは、書く目的によって表現がくふうされるということである。
 記録のようなものは、その目的からして、正確で簡潔な文章、そして客観的な表現をするという指導が必要にな
ってくる。主観的な情景描写の表現手法では、記録としての機能をじゅうぶんに果たすことはできない。
 たとえば客観的な正碓な表現が要求されるので、「とても大きい」というような表現でなく、もっと具体的な表
現、あるいは数量などで示して表現するような配慮も必要になる。また、実際に見たり、やったりして調べたこと
(……であった。……だ。)人に聞いたり、本で調べたりしたこと(……だそうだ。……ということだ。……と書い
てあった。)推定したこと、不明碓なこと(……らしい。……と思った。……だろう)などの表現のことばを使い分
けることも必要になってくる。
 詩のようなものであれば、語句の選び方、韻律などを考えた表現、対比的な表現など、きびしい表現のくふうが
必要となる。
 これらは、すべて書く目的が決める。高学年の指導事項に、
 ・主旨のはっきりした文章を書くこと
 ・必要に応じて詳しく書いたり、簡単に書いたりすること
 ・効果的に表現しようとすること
 ・目的に応じた書き方を考えること
などが挙げられているが、いずれも目的に応じて表現をくふうすることである。
 5 目的に応じてすいこうすること
 児童が記述している姿を観察すると、読み返したり、文字や文を直したりしながら書き進めている。つまり推考
しながら書いているわけである。しかし、書きあげたものが、それでじゅうぶん目的を達しているかというと、必


                                                   50


ずしもそうではない。普通には、児童は誤字の訂正、脱字の部分の挿入、表現の部分的修正程度に終わりやすい。
 そこで推考指導の場合には、何を、どのように推考したらよいかの指導が必要である。つまり、書いた作文がそ
の目的を達成できるようにするには、どこをどのように直したらよいかをくふうする。
 たとえば、日常生活の経験を深めるために、家庭の職業について書かせたとする。その場合、自分の家の職業は
どのようなものか、家の人はどのような仕事をしているかなどを書く。これだけならば記録でもいい。しかし、目
的が生活経験を深めるというのであるから、家の者はその仕事に対してどう考えているのか、自分は家の仕事に対
してどう思っているか、それはどうしてなのか、などについて表現しなければならない。そこで、自分の書いた文
章でいいかどうか、説明を加えたり、具体的な描写にしたほうがよい個所はないか、必要のない個所を詳しく書き
すぎてはいないか、などについて推考する。
 研究記録ならば、研究の結果がわかるように書けているか、研究の目的、経過などが簡潔で読み手にわかるよう
な文章になっているか、まぎらわしい表現はないか。数量的なものに誤りはないかなどが推考の一つの観点として
あげられる。
 児童は一度書いてしまったものはあまり読み返しをしたがらないものである。推考もともすると形式的になるお
それがある。そこで、作品を相互に交換しあい、読み手の立場にたっていろいろ批評したり、意見や感想を述べあ
い、さらに推考を加えるといった方法も考えられる。
 推考の指導にあたっては、どのような観点で推考するかを明瞭にしておくことがたいせつである。そのために観
点を板書して明示して、書きあげた者から、その観点に立って推考させるのもよい。しかし、その際注意すべきこ
とは、作者が、何のために、何を書こうかということをよく理解した上で批正しあい。感想や意見を言うことが大
事である。


                                                   51


 6 目的に応じて処理をすること
 作文の処理については、「作文の処理と評価」の項に詳しく述べてあるので、ここでは省略する。



 (二) 記録のために書く指導の方法



 1 生活に適応し改善するために書く
 生活に適応し、生活改善するために書く記録には、生活日記、学級会、児童会の記録、各部会の記録・報告・反
省記録・読書記録などがある。
 集団生活や日常生活を深めたり反省したりして、生活に役だて生活を改善する記録の一つとして日記があげられ
る。従来、日記は個人的な生活記録として取り上げられ、生活指導の手段として利用された面が多かった。しか
し、私的なこれらの日記は、本来自分のために書くものであって、公表すべき性格のものではない。
 公的な機能をもつ、学級日記、週番日記、あるいは、学級会、児童会、各部部会の記録などは、学校生活を円満
にし、向上、発展させることに役だつものとして指導が重視される。指導上たいせつなことを次にあげてみる。
 学級会や各種会議の記録などは、公のものであり、個人の日記や記録とちがう性格と目的をもったものであるこ
とを自覚させる。そのような目的に応じて、そこに書くべきことも明確になってくる。たとえば学級日記では、個
人的で学級の共通の間題とならないような記事は書くべきでないことが理解できる。学級日記や会議の記録など
は、後になって、読み返えされたり、事実碓認のために利用されたりするものであるから、定まった書式に従い、
定められた事項はもれなく正確に記録する。つまり書式に従って書くことの指導が重要になってくる。また、これ
らの記録は、個人のものではなく、長く保存し利用するものであるから、文字も正碓に美しく書くという書写面の
指導も重視する。


                                                   52


 また、学級日記や会議の記録などは、簡にして要を得た記述が要求される。また、正確な記録をとるために、メ
モの利用も考えられる。メモをとるには、要点を聞きとる指導が十分になされていなければならない。本来メモは
自分の備忘のために用いるものであるから、その記述に一定の形式はない。短い語句、記号で速く書く技能が要求
される。
 また、これらの記録は、わかりやすい表現、表記ということが大切である。そのために、個条書きにすること。
事実と感想・意見を明瞭に区別すること、などの指導が必要である。
 これらの記録は、単に書いただけでは、目的を達することはできない。たとえば、会議の記録は、級の者に口頭
で報告したり、掲示してみんなに知らせるようにする配慮が必要である。
 2 学習や研究に役だてるために書く
記録の機能の一つとして、学習や研究に役だてるということがある。
 観察記録、見学記録、研究記録などがそれである。
 (1) 目的を明確にして書かせる。
 高学年の観察記録としては、動植物の育成・栽培を記録したもの、自然現象の雲、雪、雨など気象の発生状態、
変化などを観察記述したものなど、理科的なもの、社会科的なものなどが取りあげられる。
 これらの記録は、学習に役だてるという目的からいって、何を観察し、研究しようとしたか、その目的が明確で
なければならないのはいうまでもない。
 (2) 目的に合った表現・記述がとられること。
 記述にあたっては、その目的からして、何を観察し、研究しようとしたのかが、読み手にはっきりわかるように
なっていなければならない。そのためには、小見出しをつけて、研究の目的というような一項目を立てることもよ


                                                   53


い方法である。
 次は、その研究が、どのような方法で行なわれたかが明確でなければならない。その研究の結果を左右するもの
は、この方法にあるわけで、どのようなよい結果が出ていても、その方法が適切でなければ、その信ぴょう性は少
なく、研究としては意義の少ないものになってしまう。これは研究の方法とか、研究過程などという形で示される
こともある。
 研究や観察が学習に最も役だつのは、研究の結果であり、観察途上における状態の変化の様相である。観察が綿
密詳細で、鋭く深く、その叙述が正確で客観的であることが観察記録ではたいせつになってくる。また観察は書く
ことによって深まるものであるから、観察しては書き、書いては観察することがたいせつである。
 これらの記録は、客観性をもった表現がたいせつで、事実や感想を混同して書くことがないような指導が必要で
ある。また、観察記録などでは、必要に応じて詳しく書いたり簡単に書いたりすること、観察の目的に応じて書く
ことなどが必要となってくる。
 (3) 記録を書くことにおいて養われる技能
 観察記録は継続して書くことに大きな意義をもつものであり、そのためには、変化のいちじるしいものが題材と
しては適当であろう。また、毎日同じような記録を書くのではなく、目的に応じて、必要なことをくわしく書く、
あまり変化のないときは、筒単に書いたりするということもあるわけである。
 また、記録は、わかり易いことが必要であり、段落や項目を考えて書くという技能も養われなければならない。
研究のすじみちが通っていることが大切であり、段落相互の関係や、段落にまとめて書くことも要求されるであろ
う。なお、文章の正確さが要求されるこの種の文章においては、断定や推量のことばの用法も大切なことになる。
「である」と「だそうである」「……らしい」「……かもしれない」など文末の用語が読み手に与える影響は大き


                                                   54


く、学習や研究に役だてるという目的からいっても慎重でなければならない。
 研究記録にまとめる場合などには、材料を整えて書くということが必要になってくる。不備な材料から、簡単に
結論を導き出すことは、学習や研究に役だてるという意味からも好ましいことではない。
 なお研究記録などには、図表が用いられたり、資料が示されたりすることが比較的多いが、その出典、時代など
を明記する指導も行なわれなければならない。図表などを使用することは、たいへんよいことであるが、国語科の
指導として大事なことは、多くの図表などを引用することでなく、それらの図表からどのようなことがわかったの
か、その図表をどうみるかということを、文章表現によって、読み手にわからせることが大切なのであって、あく
までも、ことばの働きということを重視して表現することの指導が加えられなければならない。
 (4) 教科書の記録教材との関連
 教科書の記録教材には、読み物としての要素が多分に感じられる。そのため、児童がそのままの形式・表現をま
ねて書くことがいいとは言えない。また、教科書の題材が、そのまま書く題材とならない場合もある。
 たとえば、「かいこの観察記録」が教材としてのっていても、蚕を知らない都会の児童の題材とはなり得ない。
それならば、ほかの観察記録ならなんでもいいかといえば、それも考えものである。蚕の観察記録だったら、やは
り、なるべくそれに近い昆虫の観察などを取り上げた方が、学習には好都合であろう。観察の方法、観点なども、
次に自分が書く観察記録にうまく結びつきやすいであろう。それを、まるでちがった植物や自然現象などの観察記
録などを書かせては、単元学習としての有機的な結びつきというものが弱くなってしまうであろう。
 このことは、教科書で観察記録を扱ったら、それに続けて書かせなければならないということではない。またあ
る科学的な題材の説明文を学習し、その理解から興味がわき、その発展として、記録や報告を書くということも起
こり得ることである。


                                                   55


 報告を書くということが六年生になると出てくる。報告は、あることがら、問題などについて、それに関心や期
待をもっている特定の相手になされるというものである。児童会の報告とか、組の代表として見舞に行ってきたこ
との報告とか、夏休みの生活報告とか、研究調査の報告などがあるであろう。多くは、メモや記録をもとにして口
頭で報告されることのほうが多いと思うが、小学校の教材の中には、記録とも報告とも考えられる教材が出ている
ことがある。報告が記録と異なる点は、相手がはっきりしていて、報告すべきこと、相手が何を期待し、関心をも
っているかを知り、それについてだけ、よくわかるように知らせようとしてまとめたものであるということであ
る。したがって、文章も客観的事実が重要になり、その判断は読み手にまかせられる面が強い傾向をもってくる。
 以上のことの要点をまとめてみると次のようになる。
  ・何のために記録するかという目的を自覚する。
  ・研究や学習に役だてるためには、どのような事がらを書いたらよいかを考えさせる。
  ・読み手の利用ということを考えて組み立てをくふうする。
   ・項目を立てたり、個条書きを利用する。
   ・段落ごとにまとめて書く。
   ・研究や観察した結果わかったこと、
   ・問題点などを明確にしておく。
  ・表現に注意して書く
   ・断定・推量などを明確に使い分ける。
   ・客観的で正確な記述、しかも要点をおさえ簡潔なる文で書く。
   ・出典・資料などを明示する。


                                                   56


   ・事実と感想、意見などを区別して書く。
   ・必要なことがらを詳しく、他は簡単に書く。
   ・数量的なものを正確に書く。
   ・図表などを用いるだけでなく、わかったことなどを、ことばで表現してわかるようにする。
 学習や研究に役だているという目的からいって、整った形式よりも、内容が重視されなければならない。したが
って、何を観察し、何を記録としてまとめるかの指導が、書く以前の指導として計画的に行なわれていなければな
らない。


 (三) 伝達のために書く指導の方法


 伝達のために書く学習活動は、手紙を書く、学級・学校新聞の記事を書く、掲示を書くなどがある。
 伝達のために書く文章は、自己表現のために書く文章や、記録をしておくために書く場合と異なり、相手に伝え
るという直接的な目的がはっきりしている。そのため、児童が文章を書く場合も、その目的がはっきりしているの
で意欲的に書くことができる。
 学習計画を立てるとき、伝達の機能を生かすような書く活動を計画すれば、適切な指導の機会が得られる。
 伝達の言語活動の内容機構を示すと次のようになる(「機能的国語教育 中沢政雄(明治図書)」参照)
 伝達するには、かならず生活的な目的(たとえば人と交わるためとか、情報を伝えるため)がある。その目的に
よって、書く題材が決定される。またその目的によって文章形態も決まっている。そして、文章表現をすることに
よって、言語能力を駆使するので言語能力が高まるのである。書いた文章を適切に処理されることによって目的が
達成され、価値が生産され、人間性が開発されていく。この一連の関係が、伝達のために書く活動の内容機構であ


                                                   57





る。
 この文章を書く指導に当って、十分この機構図を頭に入れておいて指導することが必要である。さもないと、伝
達は相手意識があるから意欲的に文章を書くであろうと考え、先生に伝えるために書かせるとか、友達に知らせる
ために文章を書くとか、物語の主人公に手紙を書くなどの学習活動を設定し、それで伝達のために書く文章の指導
を行なったと考えるのは誤りである。伝達のために書く文章は、伝達の機能を発揮できる学習活動でなければなら
ない。
 1 人と交わるために書く指導


                                                   58


 人と交わるために書く学習活動は、だいたいが手紙を書く活動である。
 手紙を書くことによって、遠くはなれた人と交わって、親密度を深めたり用件を伝えたり、情報を交換したりす
るのが手紙の機能である。
 (1) 手紙を書く機会と指導法
 イ 依頼の手紙                               ’
 学習活動として手紙を書く機会は、物ごとを依頼するために書く場合である。
 たとえば、工場見学などで、見学依頼の手紙を書く、林間学校や臨海学校に行く前に宿舎の人々にお願いしてお
く手紙を書く、または、他の学校の友だちに方言調査などのお願いの手紙を書くとか、親類のおじさんおばさんに
夏休みに訪問する手紙を書くなどがある。
 この場合に、どのような点に注意して指導するかというと、まず、お願いする気持ちが伝わるように書かなけれ
ばならない。自分勝手なことばかり書いて、相手の意向を無視し、一方的にお願いすることがないようにしなけれ
ばならない。
 また、必要な事項を落とさず書くように指導しなければならない。見学のお願いの手紙を書く場合、月日、時間、
目的、どんなことを見て、どんなことを聞きたいかということは最少限書いておかなければならない。そして最後
に、相手の都合を聞くような心構えをもって書くように指導する。
 イ お礼の手紙
 次によく行なわれるのは礼状を書く活動である。見学後の礼状、依頼したことに対する礼状などは、学習計画の
中に位置づけ、全員が書くことのできる活動である。
 この場合は、自分の感謝の気持ちが相手にわかるように表現されなければならない。そのためには、ことばの使


                                                   59
い方、即ち敬語を適切に使うことが必要である。また文体も敬体で書くように指導しなければならない。
 次は、工場見学の礼状の例である。
   十月十五日、○○牛乳工揚を見学させてもらったとき、牛乳についていろいろなことを教えてくださったり、えい画を見
  せてくださってありがとうございました。
   たいへん勉強になりました。
   牛乳の中には、どのくらいの栄養がふくまれているか、また、牛乳のできるまでや、牛乳の種類などいままで知らなかっ
  たことなどがよくわかりました。
   それに、工場の中まで見せてくださって、わたしは、いろいろな機械のしくみが、よくわかりました。
   牛乳の工場へ見学に行ったのは、はじめてだったので、たいへん勉強になりました。
   これからも、おいしい牛乳をたくさんつくってください。さようなら
       十月二十日                      広瀬志津江
     工場のみなさんへ

 これは六年生が書いた作品である。見学などのお礼には、ただありがとうございました、をくり返し書くことよ
り、自分が理解したことの要点を書いて送ることにより、感謝の気持ちを伝えることができる。
 このように目的に応じて、書く内容の選択をさせることが必要である。
 ウ 近況を知らせる手紙
 転校した友だちや、転任した先生、親類の人に近況を知らせることによって、交わりを続けて行くことも必要で
ある。
 伝える相手によって、どんな生活を選んで知らせたらよいかを考えさせることが必要である。
 エ 見舞の手紙
 友だちが病気で長く欠席した場合など、特に単元に位置づけられていなくても、生活指導の一環として見舞の手


                                                   60


紙を書く場合がある。これは、その時々に応じて指導できるようにしておく。
 病気見舞の手紙などは、特に相手の立場を考えて書く。病気でねている友だちに、自分の楽しいこと、友だちと
遊んだことなどばかりを書くと、かえって友だちをうらやましがらせるばかりになることもある。
 オ 案内の手紙
 学級学芸会、誕生会、学級展覧会、または学校の運動会・学芸会などの案内状を書く場合がある。この場合も必
要な事項をおとさず書くことはもちろん、相手がきてくれるような気持ちを起こすように表現を考えて書く。
 (2) 手紙を書くのに必要な能力と指導法
 以上、手紙を書く機会と、それに応じた指導内容をあげたが、手紙一般について、次の能力をしっかりとおさえ
ておく。
 ア 書式に従って書くことに慣れること。
 一般に手紙文の形式として、前がき。本文、むすび、それに日付け、あて名、自分の名を書くようになってい
る。この形式に従って書くことができるようにする。また封筒の表書き、裏書きが正しく書けるように指導する。
 イ 敬語が正しく使えること。
 敬語の指導は手紙文を書かせる機会に行なうのが一番適切である。
 手紙は読み手が決まっているから、それに応じたことばを使う。目上の人に出す場合には、正しい敬語を使うよ
うにその場面場面に応じて指導する。
 ウ 文字の形・大きさ、配列を考え、正しく、美しく書くこと。
 手紙は相手に読んでもらうものである。相手が読めないような文字を書いたのでは、たとえ目的に従った内容で
効果的な表現をしていても相手に伝わらない。また感謝の気持ちをこめたものでも、文字が乱れていては礼を失す


                                                   61


る。このような観点から、特に文字の正しさ、美しさが、表現内容とともに強く要求される。
 (3) 手紙の指導過程
 単元に選定された学習活動により、指導過程は異なるであろうが、伝達のために書く指導過程は一般的に次のよ
うなことが考えられる。
・目的を持つ………だれに何のために手紙を書くのか、その必要性を話し合う。
・計画を立てる……どんな題材で、どんな形式で書くか話し合う。
・目的追求…………手紙を書く。
          ・推考の観点を決める。
          ・教材があればそれを読んで、形式、表現、文体などを考える。
          ・推考する。
          ・清書して投函する。
          ・目的獲得
 (4) 処  理          ・
 手紙文の処理は、書きあげたら清書してそれを投函し、相手に届くようにする。
 2 生活に適応し改善するために書く指導
 学級新聞や学校新聞に記事を書いたり、掲示や標語の書き方を練習するのが目的ではない。
 記事を書くことによって学級なり学校なりの友だちに伝え、それによって仲間づくりをしたり、学級・学校生活
を改善したりする。
 また掲示を書くことも同じで、指示通りに行動させ、生活に適応し、生活を改善するためのものである。そのた


                                                   62


めに、新聞の記事を書く指導や、掲示・標語の指導には、つねに生活的・機能的な目的をはっきりとおさえる。
 (1) 学級・学校新聞の記事の指導
 ここでは主として新聞記事の文書を書くときの指導に重点をおく、もちろん編集も前に述べたように、生活的・
機能的目的に従って記事を選び割りつけをする。。
 学級新聞の記事は、学級を改善していくために適する内容でなければならない。記事を書くとき、児童にこの点
をはっきりさせる。何のために学級新聞を作るのかを話し合わせる。
 目的を認識したら、どのような方法で新聞を発行し、編集するかをさきに決めておく。書いた記事を読んで編集
する方法もあるが、これでは目的がはっきりしない。やはりどんな記事を編集するかを決めて、目的に従って記事
を書くようにする。ここに目的に応じた書き方の指導がある。
 五・六年になれば、新聞記事の形式についても指導することが必要である。読解と関連し、新聞記事は、見出し
要約、本文と三回くり返して内容を報道していること、これが新聞の機能に即した形式であることを理解させる。
また本文は、「いつ」「どこで」「だれが」「何を」「どうして」「どうなった」という五W一Hがそなわってい
なければ確実に意図していることが伝達できないことを、記事を書きあげ、推考させる段階でわからせることが必
要である。
 どのくらいのスペースに記事を書くのか、あるいは書きあげた文章から、スペースの中にちょうどおさまるよう
にするにはどう書き直すかを考えさせる。ここで必要に応じて文章を詳しく書いたり簡単に書いたりすることがで
きる技能を高めることができる。文章を詳しくする揚合は、どこを詳しくするか、また、簡単にする場合、どこを
簡単にしたらよいかを理解させることは大事なことである。
 言語能力、ことばに関する事項で、次のことを指導内容として考えておく。


                                                   63


○かなづかいに注意して正しく書くこと。
○文の主語述語の関係を正しく書くこと。
○だらだらと長い文を書かず、簡潔に書くこと。
○文と文の接続を正しく書くこと。
 新聞記事を書く場合、練習以外は、書かれた記事をかならず新聞にのせるように考えておく。児童に伝達する目
的をもって書かせておいて、後で特定の児童の記事だけを掲載すると、掲載されなかった児童は、文章を書く意欲
をなくしてしまう。そこで、全員に記事を書かせるためには、グループで一つぐらいの割りで新聞を発行する。
 (2) 掲示を書く
 学習指導要領には、掲示を書く活動がのせられていないが、実際生活上において、掲示を書く機会は多い。
 教室内においても、背面黒板を利用して、学級の目あてや、また学級の係活動からのお知らせやお願いなどがあ
る。
 学級園や廊下などの掲示もあるであろう。これらの機会を利用して、掲示はただ書くだけでなく、相手にその指
示に従って行動してもらうには、どのような書き方がよいかを考えさせる。
 特に掲示は書写との関連が深い。正しく、美しく、しかも読み手がそれに従うような文または簡単な文章で、伝
達することを表現できるように指導する。


 (四) 自己表現のために書く指導の方法


 1 日常生活の経験を深めるために書く指導
 高学年の児童は、中学年の児童に比べ、生活領域が広い。家庭、学校近隣の社会生活だけにとどまらず、地方


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の生活というように空間的な領域の広まりも見られる。
 また、同じ社会生活についても、低中学年では、お使いとか、お祭り、近所との交わりなどが、題材として取り
上げられるが、高学年では、募金運動とか、○○週間といったものから、町や村のできごと、新聞の記事などまで
題材として取り上げられる。家庭生活にしても低・中学年のおとうさん、おかあさんなどから、家の職業とか、わ
たしの仕事とか、弟妹や家畜の世話などというように、内面的な深まりが見られる。
 たとえば「わたしの仕事」という題材で書く場合、ただ単に「自分が家でどんな仕事をしているか書きなさい」
でなく、何のために書くのかを意識させる必要がある。自分が家庭において、どのような仕事をしているのかを、
クラスの者に知ってもらうために書くという目的をもたせると、児童は、目的と読み手というものがはっきりする
ので、書く構え、自分の家の様子をどのように書いて自分の立場を理解してもらおうか、自分の仕事を知ってもら
うためには、どのようなことを書いたらいいか、自分のやっている仕書が非常につらい仕事であることを理解して
もらうためにどのような例を上げて書こうか、どのような場面を浮きぼりにして書こうかなどと考えながら書き進
める。
 このような書く活動を通して、「主旨のはっきりした文章を書くこと」とか「必要に応じて詳しく書いたり、簡
単に書いたりすること」という技能が身につく。また児童は、書きながら思考し、書くことによって、毎日、毎日
の仕事についての認識や考えを深める。さらに、家族の一員としての自分の立場や家庭への協力、奉仕によって、
家庭がうまくいっていることなどに気づき、そこに新しい価値が生産される。
 また、その作品がみんなに読まれることによって、自分の生活を反省したり、今まで気づかなかった級友への理
解、愛情が深まることも考えられる。このように、書かれた作文が、児童の生活にはねかえり、生活化され、行動
化されるところに機能的作文の真価が発揮されるのである。


                                                   65


 2 思想を深めるために書く指導
 児童も自然現象や社会現象を見聞きし、経験することによって、それらについて感想をもったり、意見をもった
りする。学校生活においても、学校の美化について考えたり、危険な遊びをみては、危険防止について考えたり、
児童は児童なりの感想や意見をもっている。それらを題材に取りあげ、書くことによって児童の思想も深まってい
く。ここでいう思想とは、思想の内容面、思考されたものであって、思考は活動面である。
 思想を深めることは、感想や意見を書くことによって達せられる。
 特に小学校では感想を作文に書かせる場合が多い。感情を書く機会としては、読書後の感想、映画やテレビを見
た感想、あるいは新聞などで大きく取りあげられた書象についての感想などを書かせる場合が多い。しかし感想を
書く前には、感想を書きたくなるような、あるいは感想が書けるだけの経験がなければならない。ところが実際に
は、そのような経験が与えられないままに、書かされることが多い。
 ある本を読んで、その感動を書かずにはいられない、訴えずにはいられないというような場合が感想を書くのに
最もよい機会である。しかし、実際には感想を書かされる場合も起きてくる。そのようなときには、何について、
何のために、まただれのためにという意識をはっきりさせて書かせる必要がある。たとえば、クラスの全員が学習
している教材の物語についての感想ならば、その話はだれも知っているという立場で書くから、物語のあらすじな
どを書く必要はないであろう。もし、感想を書こうとする本が、みなによく知られていないものならば、あらすじ
を加えたり、あるいは場面を書いて感想を加えるといった配慮がなされなければならない。
 また、物語の主人公の行為、性格などについて感想を書くとしても、その主人公のどのような行為をとらえる
か、あるいは、主人公の勇敢な行為に対して自分はどう感じたか、それを読み手にわかってもらうためには、どの
ように表現したらいいかなどを考える。つまり、書くことによって効果的に表現する技能が育てられる。


                                                   66


 感想文は、ともすると目的や相手ということが意識されずに書かされることが多い。「読書はいいが感想を書か
されるのでいやだ」などという児童を作ってはならない。
 自分の読んだ本を友だちに納介する。勧めるという目的で書かせることによって、感想を書くという経験を与え
て効果を上げた例もある。友だちに、読んだ本を紹介し、勧めるという目的を達成するために必然的にその文章の
中に感想を含めて書くようになる。これは目的を達成しようとする意欲が、感想を書かされるという気持を感じさ
せなかったためである。児童も「自分の書いた文章で、勧めたい本を読んでもらえるかと思うと、張り合いがあ
る。」と言っている。
 意見を書くということには、相手を説得し、納得させるという目的がある。その目的を達成するためには、文章
の組み立てを考えて書く必要がある。そのことについて、自分はどんな考えを持っているか、その結論が相手にわ
からなければならない。またその結論が導き出される背景となった事実が明瞭に示されなければならない。つまり
事実と意見を書き分けることという技能が要求される。
 こうして書き手は、書くことによって、莫然としていた考えが明確なものになり、思想が深まっていく。また、
それらの文章をお互いに読むことによって、他人の考えもわかってくる。そこに思想の発展がある。
 3 感動を訴え自己を伸ばすために書く指導
 児童が日常生活において、自然の美しさにうたれたとき、あるいは、働く喜びを感じたとき、あるいは楽しい経
験、つらい経験をしたとき、ふだんはさほど感じてもいなかったことに「おやっ」と思うとき、児童はその心を訴
えたい気持ちになる。それがあるときは、詩となり、詩的な文章となって表現される。
 詩や詩的な文章を書く指導にあたって特に留意しなければならない点の一つは、自分の身についたことばを使っ
て書くということである。高学年のこの期の児童は、ことばの抽象化の能力が進んで来る時期で、それ自身はたい


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へんよいことであるが、ともするとことばを飾ったり、ととばの遊戯におちいったりする傾向が見られる。第二は
大胆率直に表現することを指導する。それが誇張ではなく、真実性のあることばで表現することのたいせつさを認
識させる。詩などを書く場今には、自分のうけた感動を何よりも大事にする。このためには、児童の理解し得るよ
うな、生活感情の濃く出ているもの、表現の豊かなものなど、よい詩をなるべく多く読む機会を作ってやる。その
ような経験の積み重ねによって、豊かな感情、鋭い目、鋭敏な感覚が養われる。ただ留意しなければならないこと
は、教材などで詩を扱ったあと作詩する場合、その手法、表現をまねて作りやすいということである。他人の意見
や手法にまどわされず、自分のことばとして書くことの指導をおこたってはならない。
 このようにして、詩や詩的な文章を書くことによって、児童は、効果的に表現する技能が身についてくる。また
効果的に表現するために、一字一句について、じゅうぶん考えて書くようになる。
 作られた詩や詩的な文章は、再び児童の生活に返さなければならない。学級の詩集、あるいは、学級新聞、ある
いは学級の掲示板などに展示するのもよい。教師が、機会を作って朗読して聞かせる方法もある。何等かの形で児
童の生活に返してやる配慮が、次の指導への礎石ともなり、児童の生活を豊かにしてやることにもなるのである。
 詩などの指導においては、単に、形式的なことを重視したり、知的に理解させるようなことだけではじゅうぶん
ではない。詩を読む場合でもじゅうぶん読み浸って感動を味わうようにし、黙読だけでなく朗唱なども加え、リズ
ムや感覚をからだで感じとらせるようにして、書く以前の素地に培っておくことが大切である。


 (五) 作文の処理と評価の方法


 1 処理のしかた
 (1) 処理の必要性


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 現場で作文を書かせる機会を少なくする理由の一つに処理がめんどうであるということがある。今までの作文指
導は、児童は目的もはっきりもたずに書かされていた。教師は書き上げた作品を読み、表記や表現の誤りを訂正し
たり、評点、評語をつけたりして返すことが主に行なわれていた。またあるときは文集を編集して発行することが
最大の処理であるように考えられていた。しかし、機能的作文指導は、まず児童に書く目的を意識させ、その目的
にそった文章形態で、作文活動させるのである。そのために、書きあげた作品は、目的に添うような処理を行なわ
なければならない。
 機能的作文指導においては、目的―文章(形態)―作文活動(推考を含め)―処理 この一連の関係のうち、ど
の活動もおろそかにしてはならない。特に、この処理を効果的に行なうことができれば、児童は文章を書くことに
よって目的を達成した書びを感ずる。また文章を書く必要性をもつようになる。このような必要感や満足感から次
の作文活動を、積極的な意欲をもって行なうようになる。積極的な意欲をもって作文活動を行なうとき、作文能力
も高まるわけである。
 このような効果をもつ処理は、新しい観点から老え、学習過程の中にはっきりと位置づける必要がある。
 処理は、児童が行なうものと、教師が行なうものと二つにわけて考えられる。
 教師が行なう処理のうち、特に、学習効果を評定したり、学習能力を調査するために行なう処理を評価と考え
る。
 (2) 処理の観点
 作品の処理の第一の観点は文章を書かせた目的に即するように行なうことである。
 具体的な例をあげて説明すると。単元「鉛筆工場見学」において、工場見学後、学習に役だてるために工場の見
学記録を書くこと、見学後、工場の人々にお礼の手紙を書く活動が設定されている場合を考えてみる。


                                                   69
 見学記録を書く目的は、学習に役だてるために記録し、あとでそれを読み返し、鉛筆の製作過程や、その工場の
設備なり、生産などを知ること、また、そのときの見学方法を、次の見学のとき参考にするために行なうのであ
る。そのような目的のために書いた記録文は、教師が読んで採点をして返したのでは、文章を書いた目的は達成で
きない。そこで、このようなとき、書いた文章を清書して綴じ込み、いつでも見られるようにしておいたならば、
その記録が学習のために役だち、書いた目的を達成することができるわけである。また、見学後に工場の人々にお
礼の手紙を書く場合、この目的は、いろいろお世話になったお礼の気持ちを相手の人に伝えるために書くのであ
る。そのため、文章によって自分の気持ちが工場の人々に伝わらなくては、目的が達成できない。この場合は、実
際にポストに投函することが目的にそくした処理である。
 このように処理は、文章を書いた目的が達成できるようにさせることである。
 次に必要な処理の観点は、児童が文章を書いた書びを感じ、文章を書く意欲を起すようにさせることである。
 学校のことについて、児童が感想や意見を文章に書いたとき、この文章を書く目的は、学級生活を改善し、向上
させようということが目的である。この場合、書きあげた作品を処理する場合に、学級掲示板に掲示し、自分の意
見をみんなに知ってもらうという方法がある。また、書いた文章をもとにして、学級会を開き、お互いに意見を交
換することもできる。学級新聞を発行しておれば、その意見を掲載することも処理の方法である。このように目的
に即した処理はただ一つではなく、いろいろなものが考えられる、この場合、一番書いた書びを感じるのはどれか
を考えなければならない。このどれが書びを感じるかは児童の実態をつかんで考えていかなければならない。
 第三の観点は、なるべく経済的な処理をとることである。前に述べた二つの観点が達成される数種の処理方法が
あれば、その中から時間的に簡単な処理を選ぶべきである。文集をつくるにも、グループ文集、学級文集、印刷文
集といろいろあるが、どの文集でも目的を達成できるならば、一番簡単に行なえるものが適当である。処理に労力


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や時間がかかると、作文を書かせることがおっくうになりがちである。書かなければ作文能力は高まらない。その
ためにも処理は簡単に行なえるものを選ぶべきであろう。
 (3) 処理の方法
 (1) 教師が処理する
 一般的に行なわれているのは、児童の作品を読んで、評点や評語をつけて返す方法である。
 評点をつけることは児童に満足感を与える方法であるが、高学年になると、ただよい点をもらえば満足するとは
いえない。時々は効果的であるが、いつも評点をつけて返さねばならないということはない。
 評語(短評)をつけて返すことは、一般に自己表現のために書いた文章には効果がある。
 短評は、次のようなことが書かれている。
(1) 内容について教師が共鳴したり、もっと考えたりする点を簡単に書く。
(2) 文章の構成について気付いたことを書く。
(3) 表現のじょうずな点をほめる。
(4) 表現のあいまいな点を指摘し、間題をなげかける。
(5) 表現について誤りを指摘する。
 実際は、以上述べたことを、おりまぜて書かれている。
 (3)や(5)は特に練習のために書いた作品につける場合が多い。
 また、学級全体の文章を読んで、共通的な欠陥をとらえ、それについて文話をする処理の方法も行なわれる。こ
れも練習の目的で書いた文章の処理としては効果のあることである。文章も、目的に即して書いてあるかどうかと
いう点、また目的に即して書くためにはどんな内容をとりあげ、どんな文章構成でどんな表現が適切かという点な


                                                   71


らば、どのような目的で書かせた文章の処理にも通用する。しかしその場合は、この処理だけでは満足できない。
やはり、書いた目的に即して、その文章の働らきから処理する必要がある。
 (2) 児童が中心になって行なう処理方法
 ・文集を作る、(個人文集・グループ文集・学級文集)
 自己表現のために書く文章は、書くこと自体によって目的が達成されるものである。文章を書くことによって日
常生活で経験したことが一層深くなる。また、自分の考えが確実になり、深まってくる。しかし、そのために、た
だ書きっぱなしでよいわけではない。経験したことをどの点から見たり、どのような感想を抱いたらよいかを自分
でわかり、それが次ぎの作文のときに役だつようにしなければならない。そのために、文集を作ることは効果のあ
る処理である。一番簡単な文集は個人個人の作品を綴じ込んで作る個人文集である。これは自己の成長のあとがは
っきりし、物の見方、考え方がどのように深まり、高まってきたかがわかる。
 グループ文集は、グループの児童の文章をとじこんで回覧するようにすれば、これも簡単に行なえる。自己表現
でも、感動を訴える文章を書いたとき、このような処理方法を行なうことが効果があがる。その場合、作品の後に、
読んだ児童の感想を書きこめるようにすることによって、作者の反省の材料となり、また、グループの児童が、そ
れによって結びつき、仲間づくりの一方法となる。
 学級文集は、綴じ込んで回覧するものと、印刷文集にする方法とがあるが、前者は回覧に日数がかかってあまり
適切な処理方法とはいえない。印刷文集は、手数がかかるが、友だちの考えや、経験したことを知り、自分の文章
を書く参考になる点で長所がある。
 また、一枚文集などの処理方法が行なわれているが、一枚文集にのせる作品の選定が数名の児童に限られるので
その他の児童の作品の処理を考えなければならない。


                                                   72


 ・綴じ込んで保存しておく
 記録文は、後で生活や学習に役立てるために書いた文章である。そのために、後でいつでも參考にできるように
綴じ込んで、学級に保存しておくことが処理の最書の方法である。
 ・作文の発表会をする
 読書感想文で、特に「私の勧めたい本」というような目的で書かせた文章は、書きあげたものを発表させること
が必要である。それによって書いた目的を達成させると同時に、友だち同志で批評し合い、どのような表現が効果
的であるかを反省させることが必要である。
 ・掲示をする
 意見を述べる文章、友だちに伝える文章などは、掲示をして、学級の児童に読ませることが必要である。また研
究、報告などの文章も綴じ込んでおくほかに掲示をしておくことも目的に即した処理方法である。意見や感想を述
べる文章には、ただ掲示をするだけでなく、それを読んだ児童にまた感想や意見を黒板に書けるようにしておけば、
なお目的に即した処理方法である。自分の意見がただ書いただけでなく、他人に伝わり、自分の意見について、友
だちが考えてくれたと知ったとき、自分の述べた意見の効果が推測できるのである。
 この他の処理方法を箇条書きに述べる。
 @ 家庭へ回覧する                 C 読んで聞き合う。
 A 父母に評を書いてもらう             D 相互に批評し合う
 B 読書をさせる                  E 交換して読み合う
などが考えられる。
 2 評価のしかた


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 (1)作文の見方
 作文を評価する場合、一般に取材力、文章の構想・表現力・表記などの方面から評価をしているが、どの作文も
同じような観点から評価をしたのでは、一番必要な目的をもって文章を書いた意味が見失なわれてしまう。
 まず、評価する場合は、その文章によって目的が達成できたかどうかということが一番重要なことになる。その
目的によって、取材力、構想力、表現力、書写力などの配点を老えなければならない。たとえば、自分の経験を表
現した文章と手紙文とでは、評価する場合にその作品の見方が変わってくる。経験を表現した文章は、書くことに
よって、自己の経験を明確にし、物の見方、考え方が深まるように書けていることが必要なことである。ところが
手紙文は、その手紙によって用件が確実に伝わることが必要なことなのである。そのため、経験を表現する文章は
取材力、表現力に重点をおくが、手紙文は、文章構成や、書写力に重点がおかれるべきである。
 そのために、作品を評価するときは、まず第一に作文を書いた目的が達成されているかどうかという観点から見
ていく必要がある。
 つぎには、その作文によってどんな言語能力を指導しようと計画しているかという観点から、見ていかなければ
ならない。一般的に文章の取材、構想、表現、表記という面からでなく、単元の中で書いた文章はその単元の指導
内容がどれだけ身についたかを評価するのである。指導事項がたくさんある場合は、その中で作文活動と密接な関
係をもつ指導事項を中心にして見ていく必要がある。
 作文を評価する場合、学級における評価と同時に個人における評価(絶対評価)を考えなければならない。その
個人の知能指数、生活環境、言語能力などを考え、前の文章とどのくらい向上したかも老えながら作文を見ていく
ことが必要なことである。
 評価は指導とうらはらの関係にある。評価したことが、次ぎの指導に生かされるように、考えていかなければな


                                                   74


らない。
 (2) 作文の能力
 作品を評価する場合、教師は、児童の作文能力をおさえておく必要がある。
 作文能力を、記述前の問題(取材・構想)記述の問題(叙述力)記述後の問題(推考力)とに分離して考えてみ
る。
@ 記述前の間題
 1 目的に応じた題材を選択することができる。
 五・六年になると、書く目的に適した題材を選ぶことができるようになる。
 学習のために役だてるために記録をしておこうという目的をもって学習日記を書く場合、どの教科について、ど
んな内容を記録しておけば後で役だつかを考えることができるようになる。
 学級生活を向上させるために、意見や感想を書く揚合でも、自分が一番述べたい問題を選らんで書くことができ
るようになってきている。
 2 主題に即して、どんな題材を選んだら効果的であるかが考えられるようになってきた。
 自己表現の文章で、自分の気持ちを訴える場合、どんな題材をとりあげて書いたら自分の気持ちが訴えられるか
を考えることができるようになってくる。
 「進級した喜び」などを書く揚合、一番効果的に進級した喜びを表現できるのは、どんな題材について書いたら
よいかを考える能力である。
 3 材料を集め、それを整理してから書くことができる。
 漫然とだらだら書くのでなく、題材なり主題なりについて、どんなことを書いたらよいかを考え、それを組み立


                                                   75
てて、文章を書きはじめることができる。
 たとえば「遊びの説明」を書く場合でも、遊びの方法、人数、場所、準備するもの、ルール、どんなとき行なえ
ば効果があるか、などと、材料を集め、それを整理して、目的に即した文章構成を考えることができるようになっ
てきている。

記述の問題
@ 目的に即した書き出しを考えることができる。
 書き出しは、文章全体を規制するといわれている。
 自分の気持ちを表現する場合、人に訴える場合、人に勧める場合と、それぞれどんな書き出しをしたら効果的で
あるかを考えることができるようになる。
 読書感想文に例をとって説明すると、同じ感想文でも、読書帳に記入しておく場合と、読書紹介のような目的で
文章を書く場合とでは、書き出しの部分を考えて書かねばならない。この時期になれば、どんな書き出しが効果的
かを考えて書き初めるようになってくる。
A 目的に応じた書き方ができるようになる。
 書き出しだけでなく、叙述方法も考えてくる。火災予防について作文を書かすと、いろいろな参考資料を集め、
正確な記述、客観的な記述をするし、消防士の労苦に対する感謝の気持ちを表わそうとすると、具体的な事実をあ
げて自分の気持ちを述べたり、自分の態度と比較して叙述していくようになってくる。
 また、目的にかなった形態で文章がかけるようになる。
B 中心をはっきりさせ、それをもりあげるような主旨のはっきりした文章が書ける。


                                                   76


 低・中学年は、ある題材について、思ったことを並列的に書きつらねるが、高学年になると、一貫した主題で統
一した文章も書けるようになってくる。また説明や報告、記録などの実用的文章でも、述べようとする意図に即し
た事がらを並べているが、その事がらは互に関連しあって、主旨のはっきりした文章を書くようになる。
 しかし、文章の種類によってじゅうぶんにできるものとそうでないものとがある。生活を表現した文章は一般に
主旨の通った文章を書くが、手紙や説明は順序がいりみだれてしまうことが多い。
C 段落のはっきりした文章を書くようになる。
 五年生の初めごろから文章を書くとき行かえを行なうものがだんだんと多くなる。これは段落意識が高まってき
た結果である。しかし五年生の当初はまだ一貫した老えで行かえをしていない。
 六年生になると、時間や場所、事がらなどで、段落にまとめて書くことができるようになってくる。
D 主述の通った文を書くことができる。

 国研の調査(高学年の読み書き能力)でもわかるように、五年の初めで半数以上の児童は主述の通った文を作る
ことができるようになってきている。しかしまだ、主語がぬけたり、述語が重複したりする文を作るものがある。
E 文を短かく切って簡潔に表現することがじゅうぶんではない。
 たとえば、ぼくたちの学校の校庭のすみに築山があって、そのまわりは竹がきでかこんである。というように、
二つのことがらを、接続助詞で結びつけ、文をだらだらと書く児童が多い。
F 効果的な表現をしようとする気持ちが高まってくる。
                                  
「中央のさくらの木は、花も散って弱りきったようにたっている。その手前に、つつじがある。赤いクレパスでぬ
りつぶしたようだ
」 (六年)
というような、表現をするようになる。


                                                   77
G 書きながら文章を推考する能力が表われてくる。
・推考は記述後だけの問題ではない。特に高学年になると、書きながらおかしな点、表現の欠けた点、文字の誤り
などを直しながら書きすすめることができるようになる。

記述後の間題
○読みかえし、文章を書いた目的に従って推考する力はじゅうぶんでない。
 推考は文章を書く目的によって行なうのであるが、たとえば、何かを伝達するために文章を書いたとすれば、推
考は、何かを伝達することができたかどうかという目的で推考するわけである。また、研究に役立たせるために、
あることがらを記録しておくとき、文章を書きあげて推考するとき、記録したことがらが研究に役立てられるよう
に書いたかどうかという観点から推考するわけであるが、この能力は、まだじゅうぶん向上していない。
 また、与えられた推考の観点「段落がはっきりしているか」「文章の続きぐあいは正しいか」「文字・語句の誤
りはないか。」という程度のものなら、それに即して推考することができる。
 (3) 評価の観点
 作文を評価する場合は、まず評価の観点を決めなければならない。
 ただ生き生きとしたことばで書がれているとか、自分の考えがはっきりあらわれているとか、巧みな表現をして
いるとかだけで、書かれた文章を評価することは、文芸主義時代の作文教育ならいざしらず、ことばの機能を重視
した作文教育においては考えられない。
 評価の観点は、まず単元の学習目標や学習内容によって決められるものである。
 単元目標は、ことばの機能に応じ、児童がことばによって価値を生産すべき目標を設定されているわけであるか


                                                   78


ら、まず単元の目標を考えるべきである。
 文章を書くことによって経験を広め深めるものなのか、あるいは思考を確実にしていくものなのか、または相手
に自分の考えを伝達するものなのか、それを考えなければ、評価の観点は考えられない。
 ことばの機能に応じて文章を書いた場合の評価の観点を示すと次のことが考えられる。
○生活の経験を深めるために書いた文章
@ 生活事象を広く、また深くつかんで書いているか
A 生活事象を掘りさげて書いているか
B 何について書いているかはっきりした文章であるか
C 文章を書くことによって、自分の経験を深めようとしているか
D 自分のことばで具体的に書いているか。

○思想を深めるために書く
@ 自分の考えをはっきりと確立して文章を書いているか
A 事実に基づいて自分の考えを述べているか
B 段落を考えて書いているか
C 段落相互の関係を考えているか

○感動を訴え、自己を伸ばすために書いた文章
@ 自分の感動したことがどんなことか、はっきりと表現されているか


                                                   79


A 何を訴えようとするかがわかるように表現されているか
B 感動や訴えが事実に立脚して書かれているか
C 感動や訴えが生き生きとした表現で相手に伝わるように書かれているか

記録のために書く
○生活に適応し改善する
@ 何のために記録しているのか、目的をはっきりさせて記録しているか
A 必要なことを簡潔に記録してあるか
B 段落のはっきりした文章で書いているか
C 記録する場合、何を記録するか材料を選び整理して書いているか
D 生活を改善しようという態度で書いているか

○学習や研究に役立てるために書く
@ 学習や研究に役立つことを選んで書いているか
A 小見出しをつけるなど段落のはっきりした文章を書いているか
B 事実を正確に記録しているか
C 書く目的や必要に応じてくわしく書いたり、簡単に書いているか
D 記録する材料を整えて書いているか
E メモを活用して書いているか


                                                   80


伝達のために書く
○人と交わるために、(時候見舞、近況報告)
@ 自分の誠意が相手にわかるように書いているか
A 敬語の使い方が正しいか
B 相手を尊重した気持ちが表われるように書いているか
C 心をこめて、文字を書いているか
○生活に適応し改善するために
  (依頼状、お礼状、案内状、掲示、新聞記事)
@ 自分の気持ちが相手に伝わるように表現されているか
A 要件を落さずに書いているか
B 掲示など簡潔に書いているか
C 最も適切なことばを用いて書いているか
D 相手がそれに従って行動するような表現を考えて書いているか。など
 (4) 評価の基準
 児童の作品を評価する場合、前述の評価の観点に照らして、評価を行なうのであるが、その観点に照らし、その
作品がどの程度のできかを評定しなければならない。その評定をする場合のもとになるものが評価の基準である。
 この評価の基準は、児童の作文能力を基礎として考えなければならない。また、自分の学級の児童の実態をよく
つかんでおくことが必要である。


                                                   81


 学力テストのようにして書かせた作文ならば、その学年の能力だけを考えて、評定尺度を作って評価することが
できるが、単元の中で、目標を定めて指導した場合、ただその学年の能力だけを考えて、評価の基準を定めること
はできない。その内容について特に指導すべき重点について評価することもあり、その単元が学級の実態の上に立
って設定された以上、基準を定めるとき、学級の作文能力を考えねばならない。
 そこで、その基準を作る場合に、児童の作品を一通り読み、その観点についてどの程度書かれているかを見て、
大体三段階ぐらいの評定尺度を作っておくことが必要である。
 観点ごとに、非常によい・中位・わるいという概念的な基準では実際的には役にたたない。非常によいとはどう
いうことなのか、わるいというのは、どこが悪いのかがはっきりしていなければならない。
 例をあげて説明すると、
 単元「子ども風士記」の中で、自分たちの遊びを説明する文章を書いたとする。この場合の指導事項は、
@ どんな遊びであるかがはっきり説明されているように書くこと。
A 意味のまとまりごとに段落のはっきりした文章を書くこと。
B 客観的に正確に説明すること。
である。      
 そうすると、この指導事項が評価の観点になってくる。
 説明が相手にわかるように書かれているかという観点にたいして、児童作品を読んでみると、どんなときする遊
びか、準備するもの、遊ぶ場所、人数、方法、ルール、などがもれなく書かれていれば、どんな遊びかわかるわけ
である。このうちの一番主要なもの、すなわち、方法、ルールが欠けておれば遊びはわからないわけである。どん
なときする遊びか、遊ぶ場所はぬけていても、方法がはっきり書かれていれば、想像ができるわけである。

                                                   82


  (例 お礼の手紙 工揚見学)

  
    
   観 点  氏名
        
           




 




 
     
全  休  と  し  て   A      
文字は美しく書いているか  2  3      
文字は正しく書いているか   2  2      
文体にみだれはないか   3  2      
敬語を正しく使っているか   2  1      
書式に従って書いているか   3  1      
お礼の気持が表われているか   3  1      


   そこでこの基準を
   OA 遊びの目的、場所、人数、方法、ルール
     がもれなく書けている
    B 遊びの目的、場所がかかれていない
    C 遊びの方法、ルールの一つがぬけている
   というように、具体的に評価の基準を考えてい
  く必要がある。
   (5) 評価の方法
   作品を評価する場合、その単元の目標、内容か
  ら、その作品を評価する観点を定める
   観点ごとに、基準を定める。










 観点を上のような一覧表にして、作品を読み、観点ごとに評価をしていく。
 これは、評価の観点を同じ比重で評価しているが、作文の目的によって、観点の比率を異にすることを考えなけ
ればならない。
 たとえば、手紙などの場合に、敬語という面に重点をおいたり、また書写力も相当重くみることも考えられる。
その場合、重くみるものは点数を多くしておくことが考えられる。
 ここに書いた例は点数(123)で表わした。これは合計して、その順位によって正常分配曲線に合わせて五段
階の評点をつけるのに便利だと考えたからである。一般にはABCとか○△×などを使って記入しているが、この
記号だと、全体の評価のところがややあいまいになるおそれがあるためである。


                                                   83


 なるべく、客観的な評価をするために、次のような方法も考えられる。
 一例として、五年生で単元「子どもの風土記」で、遊びについて説明を書かせた。その文章を例にとって述べ
る。
 まず初めに、評価の観点を決める。
 この評価の観点を、内容と文章構成と、機械的な誤りと二つに分けて考える。
T内容と文章構成
 @ 遊び方が読み手にわかるように書いてあるか(遊び方の理解程度、興味ある遊びを選んでいるか。)
 A 文章構成・叙述について
   (説明の順序は適当か、説明の方法にくふうがしてあるか、適切な用語を選んでいるか。)
U機械的な誤り
 @ 文字の誤り
 A かなづかいの誤り
 B 句読点の誤り
 とする。
 まずTの内容と文章構成の観点から児童の作品を読み、A、B、C三段階に分類する。
 さらに、A、B、Cを読んでその段階の中程度の作品を基準として二分する
 それぞれの作品に今分類した六段階の記号をつけておく。
 次にUの観点から、誤数と文章の長さを調べる。調べたものを次の数式にあてはめて計算をする。


                                                   84

 内容と
   文章構成
 機械 
  的誤り%
A  B  C  D  E 
 0〜T  ウ
        
 1〜2             
 2〜3    オ         
 3〜4        サ   
 4〜5        ク  
 5〜10        ケ     
 10〜20  カ    コ     



   誤数÷総字数×100%
     (行数×20)…簡単に総文字数を数えるために行数
         に20倍してもよい(20字詰の原稿用紙と
         して)
   そして、次のような表に、児童名を記入していく。
   そうすれば(ア)の児童は内容と文章構成、及び機械
  的な誤り共に最もすぐれている。(イ)の児童は、内容
  と文章構成はAであるが、機械的誤りについては、10
  から20パーセントの間の誤りがある。
   この結果から、五段階に分けて評点をつけていくこと











もできる。五段階に分けるとき内容と文章構成に重きをおき、表記面に重きをおかなければAの列から、学級の7
パーセントとるなどが決まる。また表記に重さをおくなら、B列であっても、機械的誤りの最も低いパーセントの
児童を、最もよい部類へいれるなど、文章の機能から考えていけばよい。

 作文の評価の方法を二つほど紹介したが、作文の評価はなかなか時間と根気のいる仕事である。だからといって
書かせっぱなしでは、児童の作文能力は向上しない。評価することによって児童にどんな欠陥があるかを知って次
の指導にどう生かすべきかを考えねばならない。それが評価のねらいであり、児童の成績評価の本旨である。


                                                   85




    第四章 機能的作文指導の年間計画




      一 年間指導計画について


(一) 年間指導計画の基本的な考え方


1 この年間指導計画は、機能的国語教育の原理、基礎理論にもとづいて編成したものである。(機能的国語教
 育理論を背景とし)
2 機能的作文指導は、すでに述べたように、ことばの表現機能、叙述機能、伝達機能にもとづいて、書くこと
 によって、児童の人間性を開発し発展させる――つまり、価値を習得し生産する人間を形成するとともに、そ
 の過程において、作文能力を養成し、書く言語生活の向上をはかることをねらっている。(機能的言語観に立
 ち)
3 その目的を達成するために必要な作文指導の内容、――題材、書く態度、技能、ことばに関する事項等を、
 聞く、話す、読む各領域との関連を考えて、単元として組織し、系統的に配列したのがこの年間指導計画であ
 る。(機能的な題材を中心とし、機能的な言語活動を組織し、機能的方法によって展開できるようになってい
 る。)


                                                   86


(二) 年所指導計画編成の方針


1 児童の興味、必要、能力の発達を考え、現在の生活の中から、積極的、意欲的に書く活動が行なわれるよう
 な機能的な題材を選んだ。
2 機能的な題材を中心として、児童の人間性に培い、生活に適応し、また改善するのに役だつ機能的な書く経
 験を組織した。
3 作文能力およびそれを含む書く経験を系統的に配列し、活発な作文活動をとおして、効果的にその技能、態
 度、言語等を身につけるように計画してある。
4 原則として、書くこと(作文)は、各単元の中に組織してあるが、必要に応じて、随時随所で作文単元を組
 織して学習することができるように時間配当を考慮している。
5 児童の書く生活の全面にわたって広く指導できるようにした。
6 この年間指導計画の書くこと(作文)に割りあてた時間数は次のようになっている。
 五年 一学期 13┐
    二学期 12├計34
    三学期  9┘
 六年 一学期  9┐
    二学期 11├計35
    三学期 15┘
  備考 年間指導計画の「月(時数)の欄の( )の中の数字は書くことに割り当てた時問数を示す。六年三


                                                   87
     学期の時間数の多いのは「卒業記念文集」の編集が計画されているからである。


 (三) 年間指導計画の内容


1 この指導計画によって、書くことができる題材は次のようなものである。
 (1) 学校生活                    3 新しい校舎
  ○五年                        4 最上級生として
   1 そうじ当番                   5 算数のテスト
   2 学級会                     6 石けん作りの失敗
   3 ○○係になって                 7 このごろの学校生活
   4 新しい教室                   8 なぜきまりが守れないか
   5 学習のこと                   9 冬の学校生活
   6 クラブ活動                   10 学校生活の思い出
   7 児童会                   (2) 家庭生活
   8 週 番                    ○五年
   9 交通整理                    1 母の仕事
   10 林間学校                    2 兄のくせ
  ○六年                        3 家族会議
   1 六年生になって                 4 家の商売
   2 週 番                    ○六年


                                                   88


   1 妹のけが                    4 親切なA君
   2 ガス中毒                    5 姉と会社
   3 父のつとめ                   6 隣りのおばさん
   4 母の内職                    7 アパートの人たち
   5 冬の家庭生活                (4) 自然現象
 (3) 社会生活                     ○五年
  ○五年                        1 台 風
   1 暮れの町の宣伝・広告              2 台風のあと
   2 大売り出し                   3 予報と台風
   3 交通量                     4 洪 水
   4 デパート                    5 流された橋
   5 初詣り                    ○六年
   6 鉛筆工場見学                  1 冬の遊び
   7 自動車工場見学                 2 冬のけしき
   8 ガラス工場見学               (5) 文化・科学 思想
  ○六年                       ○五年
   1 交通事故調べ                  1 博物館
   2 交番に花をとどけた少年             2 科学博物館
   3 父を助ける少女                 3 漢字とかな


                                                   89


   4 漢字の生い立ち                 3 方言について
   5 方 言                     4 A君の考えについて
   6 私のすすめたい本                5 感動した伝記
   7 私の読んだ本                  6 便利な事典
   8 ためになる本                  7 役に立つ参考書
   9 心をうたれた本                 8 ふりこの実験
  ○六年                        9 金属とさびの実験
   1 文字のでき方                  10 私の希望
   2 時計の発達                   11 自作の脚本
2 この指導計画に含まれている言語経験は次のようである
 (1) 自己表現                     ○六年
  ○五年                        1 意見を書く
   1 意見を書く                   2 感想を書く
   2 感想を書く                   3 詩を書く
   3 家族のことを文章に書く             4 物語を脚色する
   4 台風のことを文章に書く             5 経験を書く
   5 読書感想文を書く              (2) 記 録
   6 詩を書く                   ○五年
   7 物語を脚色する                 1 研究記録を書く


                                                   90


   2 学習記録を書く                ○ 六年
   3 見学記録を書く                 1 手紙を書く
  ○六年                        2 研究報告を書く
   1 実験記録を書く                 3 紹介文を書く
   2 読書記録を書く               (4) 編 集
 (3) 伝 達                      ○五年
  ○五年                        1 学級文集の編集
   1 手紙を書く                  ○六年
   2 研究報告を書く                 1 卒業記念文集を編集する。
3 この指導計画で身につける学習事項は次のようである
 (1) 知 識                    (2) 技 能
  ○五年                       ○五年
   1 脚色の方法を理解すること。           1 主旨のはっきりした文章を書くこと。
   2 文集の編集方法を理解すること。         2 記録が学習や研究に役立つように書くこと。
  ○六年                        3 注意深く観察し、正確に記録すること。
   1 脚本の形式を理解すること。           4 場面や情景が目に浮かぶように書くこと。
   2 脚色の方法を理解すること。           5 宜伝や広告の意義や方法が読み手にわかるよ
   3 研究報告の書き方を理解すること。         うに書くこと。
   4 目的や内容に応じた編集をすること。       6 新しい年の希望や考えがはっきりわかるよう


                                                   91



    に書くこと。                   22 敬語を適切に使って書くこと。
   7 必要に応じて、文章を詳しく書いたり、簡単    23 書式に従って書くこと。
    に書いたりすること。               24 推考すること。
   8 事実を正確に記録すること。           25 メモをとること。
   9 事実に即して感想や意見を書くこと。       ○六年
   10 必要なこと、大事なことを落とさず書くこと。   1 目的に応じた書き方をくふうすること。
   11 事実と意見を書き分けること。          2 感動を具体的に書き表わすこと。
   12 読もうとする気持ちが起るように書くこと。    3 経験した事実と心情を効果的に表現すること
   13 読んで感動したことが相手にわかるように書    4 書くことによって考えを深めること。
    くこと。                     5 材料を整えて書くこと。
   14 勧めたい理由がわかるように書くこと。      6 主旨のはっきりした文章を書くこと。
   15 訴えたいことを適切なことばを選んで書くこ    7 考えをよくまとめて書くこと。
    と。                       8 相手の心を動かすように書くこと。
   16 感動を効果的に表現すること。          9 事実と意見を書き分けること。
   17 文章の組み立てを考えて書くこと。        10 事実と感想をはっきりと書き分けること。
   18 段落のはっきりした文章を書くこと。       11 紹介にふさわしい書き方をすること。
   19 小見出しをつけて文章を書くこと。        12 用件がはっきりとわかるように書くこと。
   20 段落相互の関係に注意して書くこと。       13 実験の計画・過程等がはっきりわかるように
   21 主題を生かすように脚色すること。         書くこと。


                                                   92


  14 記録を研究や生活に役だてること。         こと。
  15 図や表を効果的に使うこと。           2 家族に対する暖い気持ちをもって書くこと。
  16 実験結果についての考察を書くこと。       3 ことばを大事にしようという気持ちを育てる
  17 思い出や心情を効果的に表現すること。       こと。
  18 推考すること。                 4 お願いする気持ちをこめて書くこと。
  19 段落相互の関係に注意すること。         5 心をこめて文字を書くこと。
  20 文と文との接続に注意すること。         6 自然と生活の結びつきを考えながら書くこと。
  21 文における主語・述語、修飾・被修飾の関係    7 調べたことを整理してから書くこと。
   に注意すること。                ○六年
  22 主題を生かすように文章の構成を考えること    1 学校生活を向上させようとする気持ちで書く
(3) 態度                         こと。
 ○五年                        2 交友関係を向上させようとする気持ちで書く
  1 学級をよくしようという気持ちをもって書く     こと。



      二 五年の年間指導計画



                                                 93〜97





 



 学 習 目 標  学  習  活  動  学   習   事   項 備 考 








 





 
 進級した喜びや、
考えを書いた文章を
読んだり、また、自
分の感想や意見を文
章に書いたりして、
学級生活を改善し、
向上させるようにす
る。 
1 進級した喜びや、これから
 の考えを話し合う。
2 教材「五年生の出発」を読
 む。
 学級生活について感想や意
 見を書く。
 推考をする。
5 書いた文章をもとにして学
 級生活を向上させるために話
 し合う。 
1 話題からそれないように話すこ
 と。
2 事実と意見を区別して読むこと。
 自分の生活や意見と比べて読むこ
 と。
 学級をよくしようという気持ちをも
 って書くこと。
 事実に即して、意見や感想を書くこ
 と。 
意見や
感想を
書く
 








 




 
 学習した結果を記
録したり、記録した
ものを読むことによ
って、知識を整理す
るとともに、次の学
習に役立て、学習生
活を充実することが
できるようにする。 
1 教材「学習日記が生まれる
 まで」を読む。
2 学習日記の必要性を話し合
 う。
 学習日記を書く。
4 教材「学習日記」を読む。
 文だちの書いた学習日記を
 共同で推考する。
6 学習日記を継続して書くこ
  とを話し合う。 
1 相手にわかるように心がけて話すこ
 と。
2 必要なところ細かい点に注意して読
 むこと。
 記録が学習や研究に役立つように書
 くこと。
 事実を正確に記録すること。
 段落のはっきりした文章を書くこ
 と。 
記録
 








 




 
 家族のことについ
て、話し合ったり、
文章に書いたりして
家庭生活を明るく、
楽しいものにする。 
1 家族のことについて話し合
 う。
2 教材「家族会議」を読む。
 家族のことに取材して文章
 を書く。
4 教材「私のねがい」詩を読
 む。
 詩を作る。 
1 相手にわかるように心がけて話すこ
 と。
2 率直な態度で聞くこと。
 書かれていることの中の事実と意見
 を判断しながら読むこと。
 家族に対する暖い気持ちをもって書
 くこと。
 主旨のはっきりした文章、訴えたい
 ことを適切なことばを選んで書くこ
 と。 

生活表
現の文

 








  





 
 ことばや文字に対
して、知識を広めた
り理解を深めたりす
るために文章を読ん
だり、調べたことを
記録したりして、国
語に対する関心を高
め、国語を愛する気
持ちを育てる。 
1 教材「日本の文字」を読む
2 研究計画を立て、それに従
 って参考書を読んで調べる。
 研究記録を書く。
4 教材「漢字の研究」を読む
 研究記録を推考する。
6 記録を読んでわかったこと
 を話し合う。 
1 相手にわかるように話すこと。
2 調べるために読むこと。
 書き手の意図を読みとること。
 小見出しをつけて文章を書くこと。
 研究計画に従って必要なこと、大事
 なことをおとさず書くこと。
 ことばを大事にしようとする気持ち
 を育てること。
 段落相互の関係に注意して書くこと 
研究記

 








   




 
 林問学校の生活を
書いた文章を読んだ
り、宿泊所の人々に
お願いの気持ちを伝
える手紙を書いたり
して、林間学校の生
活を有意義にしよう
とする気持ちを育て
る。 
1 林間学校の計画について話
 を聞いたり、相談したりする
2 教材「林間学校から」を読
 む。
3 教材「林間学校の一日」を
 読む。
 宿舎の人にお願いの手紙を
 書く。 
1 相手にわかるように心がけて話すこ
 と。
2 書き手の意図を読みとること。
 お願いする気持ちをこめて書くこ
 と。
 敬語を適切に使って書くこと。
 書式に従って書くこと。
 心をこめて文字を書くこと。 
手紙
 








 


 
 台風について書い
た文章を読んだり、
また、文章を書いた
りして、自然現象に
目をむけ、生活との
関係を考えることが
できるようにする。 
1 新聞記事の台風の情報を読
 んで話し合う。
2 教材「観測船」の文章を読
 む。
3 教材「台風がきた」の文章
 を読む。
 台風について文章を書く。
 場面描写の練習をする。
 推考する。 
1 話題からそれずに話すこと。
2 自分の生活や考えと比べながら読む
 こと。
 自然と生活の結びつきを考えながら
 書くこと。
 場面や情景が目に浮かぶように書く
 こと。
5 推考すること。 
生活表
現の文

 
10






 




 
 見学して得た知識
を整理して記録する
ことにより、工業生
産に対する関心を高
める。 
1 教材「ちり紙工場の見学」
 を読む。
2 見学について話し合う。
3 見学記録の書き方を調べる
4 見学する(社会科と関連)
 見学記録を書く。 
1 話の順序を決めて話すこと。
2 文章の組み立てや叙述に即して正確
 に読むこと。
 メモをとること。
 注意深く観察し、正確に記録するこ
 と。
 文章の組み立てを考えて書くこと。
 事実と意見を書き分けること。 
見学記

 
11













 
 読書して感動した
り、知識を深め広げ
たりした本を、友だ
ちに勧めるために紹
介文を書き、お互い
に読書生活の向上を
はかる。 
1 教材「白熱電燈」を読む。
2 図書館で本を選んで読む。
 読んだ本の紹介文を書く。
4 紹介文を発表する。 
1 文章の主題を読み取ること。
2 読んで感動したことが相手にわかる
 ように書くこと。
 勧めたい理由がわかるように書くこ
 と。
 段落相互の関係に注意すること。
 自分の読書のしかたを反省すること。
読書紹
介文
(感想
文)
12





 





 
 宣伝や広告につい
て調査したことをま
とめたり、また報告
文を読んだりずるこ
とによって、マス・
コミに流されない批
判的精神を育てる。 
1 暮の町のようすについて話
 し合う。
2 教材「宣伝と広告」を読む
3 町の宣伝や広告について調
 べる。
 調べたことをまとめて報告
 を書く。
5 報告文を読んで話し合う。 
1 相手の話を尊重して聞くこと。
2 書き手の意図を読みとること。
 調べたことを整理してから書くこと
 小見出しをつけて書くこと。
 調べたことについて、考えたこと、
 感じたことをつけ加えること。
 宜伝や広告の意義や方法が読み手に
 わかるように書くこと。 
報告
 








 
 新年を迎えた喜び
や抱負を詩や文章に
表現し、新しい年の
生活への自覚を高め
る。 
1 新年の希望や抱負を文章に
 書く。
2 教材「わたしの希望」を読
 む。
3 教材「新しい日記」を読
 む。
 新年に取材した詩を作る。 
1 話題からそれないように話すこと。
2 作者の感動や考えを読みとること。
 訴えたいことを適切なことばを選ん
 で表現すること。
 感動を効果的に表現すること。
 新しい年の希望や考えがはっきりわ
 かるように書くこと。 

意見
感想
 






 



 
 物語を読んで脚色
したり、劇をしたり
して、学芸会をより
楽しく意義あるもの
にし、心情を豊かに
する。 
1 物語を選んで脚色の方法を
 話し合う。
2 教材(劇)「学校図書館」
 を読む。
3 教材「げきを作ろう」を読
 む。
 物語を脚色する。
5 上演作品を選ぶ。
 共同で推考する。 
1 相手にわかるように話すこと。
2 脚本の主題や効果的なせりふを読み
 とること。
3 脚本の形式 脚色の方法を理解する
 こと。
 主題を生かすような脚色をすること
 効果的なせりふを考えて書くこと。
 全国に通用することばで書いたり、
 話したりすること。 
脚色
 






 






 
 卒業生を送る機会
に、学校生活に対す
る意見文を読んだり
書いたりして、卒業
生に対する感謝の気
持ちをもつと共に、
学校生活を向上させ
ようとする気持ちを
深める。 
1 卒業生のやってきたことを
 話し合う。
 意見や感想を書く。
 文集を編集する。
4 教材「文集あすなろ」を読
 む。
5 文集を読み合って、来年の
 覚悟を話し合う。 
1 主旨のはっきりした話し方をするこ
 と。
2 自分の意見と比べて読むこと。
 学校生活を向上しようとする気持ち
 をもって書くこと。
 主旨のはっきりした文章を書くこと
 推考すること。
 編集の方法を理解すること。
 主述関係、修飾・被修飾関係に注意
 して書くこと。 
意 見
感 想
 

                                                 97〜102


   三 六年の年間指導計画







 



 
学 習 目 標   学  習  活  動  学   習   事   項 備 考 







 





 
 新しい学年を迎え
て学校生活について
考え、協力して明る
い学校を作るように
する。 
1 六年生になった気持につい
 て話し合う。
2 「先生のことば」「週番」
 の詩を読む。
3 「委員になって」の文章を
 読んで話し合う。
 新学年を迎えた気持ちを詩
 や感想に書く。 
1 人の言うことを尊重して聞くこと。
2 詩を朗読すること。
3 作者の考えを判断して読むこと。
 目的に応じた書き方をくふうするこ
 と。
 感動を具体的に書き表わすこと。
6 文と文の関係に注意すること。
 

感想
 







 






 
 失敗の経験を反省
し、文章に書くこと
によって思考を正確
にし、個人生活の内
面化をはかる。 
1 「ある日のできごと」を読
 む。
2 自分の生活と比較しながら
 感想を話し合う。
 「わたしの失敗」について
 経験を書く。 
1 自分の生活や意見と比べながら読む
 こと。
2 経験した事実と、心情を効果的に表
 現すること。
 書くことによって、自分の考えを深
 めること。
 段落相互の関係に注意して書くこと
 と。 
経験を
書く
 







 






 
 ことばについて研
究した文章を読んだ
り、ことばについて
調べたりすることに
よって、日本語に対
する関心と愛情に培
う。 
1 ことばについて知っている
 ことや調べたいことについて
 話し合う。
2 研究のしかた、まとめ方に
 ついて話を聞く。
3 「外来語の研究」「敬語の
 研究」を読む。
 ことばについて調べたこと
 を書く。
5 自分が調べたことについて
 発表する。 
1 要点をまとめて聞くこと。
2 読む目的に応じて、それに適した読
 み方をすること。
 研究報告にふさわしい書き方を考え
 ること。
 材料を整えて書くこと。
5 ことばに対する理解と関心を深める
 こと。 
研究報

 







 







 
 お互いの意見を出
し合うことによって
生活を反省し、より
よい学校生活を築く
ようにする。 
1 学校生活について話し合う
2 週番日誌を読む。
3 「週番日誌から」の文章を
 読む。
 意見を書く。 
1 人の言うことを尊重して聞くこと。
2 事実と意見を区別して聞き分けるこ
 と。
3 書かれていることの事実と意見を判
 断しながら読むこと。
 主旨のはっきりした文章を書くこと
 書くことによって考えを深めること
 学校生活を向上させようという気持
 ちで書くこと。
 考えをよくまとめて書くこと。 
意見
 







 




 
 人間に対する愛情
をテーマとする文章
を読んだり、書いた
りすることによって
心情を豊かにする。
 
1 「美しい心」を読んで感想
 や読みとったことについて話
 し合う。
2 人間の心の尊さについて話
 し合う。
3 テーマにあった経験につい
 て話し合う。
 対人関係の美しい話を書く 
1 事実と意見を区別して聞き分けるこ
 と。
2 人の言うことを尊重して聞くこと。
3 文章を味わって読むこと。
4 要点を抜き出したり要約したりする
 こと。
5 どんな本がよいか見分け、よい本を
 選ぶこと。
 書くことによって自分の考えを深め
 ること。
 相手の心を動かすように書くこと。
  (効果的に表現しようとすること)
 交友関係を向上させようとする気持
 ちで書くこと。 
感想
 
10






 




 
 家の職業について
自分の意見や感想を
書くことによって、
思考を正確にし、家
業に対する理解を深
める。 
1 父母(兄弟)の職業につい
 て話し合う。
 家の職業について、感想や
 意見、希望を書く
3 作品を発表し、批評し合う
 推考する。
5 書いたものをもとにして家
 族で話し合う。 
1 人のいうことを尊重して聞くこと。
2 書くことによって家の職業について
 の認識を深めること。
 主旨のはっきりした文章を書くこと
 事実と意見をはっきりさせて書くこ 
 と。
感想
意見
 
11






 




 
 読書についての理
解をふかめ、よい読
み物をえらぶととも
に、読書生活を改善
する。 
1 読書について話し合う。
2 「読書と私たち」を読み、
 話し合う。
3 図書室で本を読む。
 読んだ本のぬき書きや、要
 約をする。
 読んだ本についての紹介文
 を書く。
6 回覧して紹介する。 
1 どんな本がよいか、見分け、よい本
 を選ぶこと。
2 文章を味わって読むこと。
3 目的に応じた読み方をすること。
 書くことによって自分の考えを深め
 ること。
 紹介にふさわしいような書き方をす
 ること。
 事実と感想をはっきりと書きわける
 こと。
 文字の点画が乱れないように注意し
 て、正しく速く書くこと。 
紹介
読書記

 
12






  





 
 手紙を交換するこ
とによって、お互い
に親しさを増し、各
地の冬のくらしにつ
いての知識をひろめ
る。また、文章を書
くことによって、自
然と人間生活との関
係について認識を深
める。 
1 「馬そり・雪の夜」の詩を
 読む。
2 冬に取材した詩をつくる。
 詩集をつくる。
4 「南国の友へ」(手紙文教
 材)を読む。
5 冬の生活について話し合う
 自分たちの冬のくらしを他
 の地方の人に知らせるために
 手紙を書く。
7 冬のくらしを知らせるため
 の詩集・写真・手紙などを整
 理して発送する。
1 詩を朗読すること。
2 自分の生活や意見とくらべながら読
 むこと。
3 書かれていることの事実と意見を判
 断しながら読むこと。
 目的に応じた書き方をすること。
 用件がはっきりとわかるように書く
 こと。
 すいこうをすること。
 文字の点画が乱れないように正しく
 書くこと。
8 段落の相互関係に注意すること。 

手紙
 







  




 
 実験の過程や結果
を記録することによ
って、理解や思考を
深め、学習や研究に
役だてる。
 
1 理科のノートをもとにして
 いままでの実験記録について
 話し合う。(反省)
2 実験の計画・準備・過程・
 結果を整理する。
 実験記録の書き方や必要性
 について話し合う。
 実験記録を書く。
 友だちの実験記録を共同で
 すいこうする。 
 材料や資料を整えて、事実を正確に
 書くこと。
 実験の計画・準備・過程・結果など
 が、はっきりわかるように書くこと。
 記録が学習や研究に役だつように書
 くこと。
 図解や表を効果的に書くこと。
 結果についての考察を書くこと。
6 文と文との接統、文章の段落相互の
 関係などに注意すること。 
実験記

 







  






 
 卒業記念文集をつ
くることによって、
小学校時代の思い出
とし、卒業後も教師
や友だちと心が通い
合うようにする。
 
 卒業記念文集の編集につい
 て話し合う。
2 編集や内容の參考とするた
 めに、いままでの文集などを
 読む。
 詩や作文などいろいろな文
 章を書く。
 卒業記念文集を編集する。 
1 人の言うことを尊重して聞くこと。
 目的に応じた文章を書くこと。
 思い出や心情を効果的に表現するこ
 と。
 すいこうすること。
5 文における主語・述語・修飾語の関
 係に注意すること。
 内容や目的にそった編集をすること 
文集を
作る
 







  





 
 物語を脚本に書き
かえたり、上演した
りして、感動を訴え
心情を豊かにする。
 
1 「おわかれ会」について話
 し合う。
2 物語をえらぶ。
 脚本の作り方を調べ、話し
 合う。
 物語を脚本に書きかえる。
 脚本を決定し、清書する。
6 脚本をもとに、上演の練習
 や用具の準備をする。
7 おわかれ会に上演する。 
1 脚本の形式を理解すること。
 主題を生かすように構成すること。
 目的に応じた書き方を考えること。
 効果的に表現しようとすること。
 脚本という形式を考えて適切なこと
 ばをえらぶこと。
6 表現形式(せりふ、卜書など)にな
 れること。
7 推考すること。
 
物語を
脚色す

 


                                                   102


                                                   103


     第五章 機能的作文指導の実践




       一 この実践指導の背景




 この機能的作文指導の実践は、次のような計画・理論・実態・技術を背景として成りたっている。それはきわめ
て科学的な学習指導である。
(一) 年間指導計画にもとづいた実践
 第四章の機能的作文指導の年間指導計画にもとづく、各学年一年問の細密な指導実践である。したがって、これ
は言語の機能を生かした機能的作文指導の実践系統・実践体系を示したものでもある。
(二) 学習指導理論を生かした実践
 第三章に述べた機能的作文指導の方法論を生かした実践である。単なる思いつきの実践、気のきいた指導技術、
名人芸的な勘に頼る方法ではない。機能的国語教育論を背景とし、機能的・科学的・系統的に考えられた方法論の
上に打ち立てられた実践である。
 この実践の背景には、国語教育科学研究会の会員の協同研究による方法論・実践論が厳然として存しているので
ある。
(三) 児童の実態にもとづきその立場を尊重した実践


                                                   104


 書かされる作文から書く作文ヘ――これは機能的作文指導のあいことばである。このあいことばを生かして、児
童の書く生活の実態の把握(児童の精神発達、書く能力の発達等)と児童みずから進んで目的的に書く主体的態度
との上に築いた実践である。
そこに取りあげた経験、題材の範囲・系統を見ると、児童の経験の発達、興味関心の発達がわかり、題材に対す
る認識の広さ深さが明らかにされる。
 児童の主体的立場はつねに尊重されている。いかなる場合でも、児童は、ことばの機能に即した目的を持って作
文活動をし、しかもその目的が最後の作品の処理にいたるまでの全作文過程を統制している。
(四) 聞くこと、話すこと、読むことなどとの関連を考えた実践
 いわゆる作文の先生の教室のように、作文だけが孤立した実践ではない。つねに聞くこと、話すこと、読むこと
の関連において行なわれる実践である。つまり、ある題材についての認識が、聞く話す活動によって行なわれたり
読む活動によって行なわれたり、書く活動によって行なわれたりする。そうした全体的・総合的・有機的な認識活
動の一環として書く活動が行なわれる。ある話題・題材についての知識・理解・感動・想像・思索等の内容的なも
の、心的なものの獲得・生産と、それらを獲得し生産する技能の養成とが、聞く・話す・読む・書く言語活動の総
合的・有機的関連によって行なわれるように考えられている。
 このことは、別のことばで言えば、単元の中において作文学習が行なわれているということである。最近、作文
と読解との関連などということが言われ、主としてコンポジションの面でその関連が説かれている。これは誤りで
ある。ほんとうの単元の学習の分節として作文学習が行なわれることによって、内面的な深いところで、人間性に
連なるところで、心的なものと、技能的なものとが、聞く・話す・読む学習と結びつくのである。
 この実践は、それを証明している。


                                                   105


(五) 人間形成と能力養成との調和のとれた実践
 いわゆる生活綴り方の人間形成・実感尊重中心の考え方、戦後の誤れる技能主義の技能中心の考え方を止揚した
機能中心の考え方にもとづいた実践である。作文による人間形成の過程において作文能力を養成することをねらっ
ている実践である。
 それは、人間形成中心でもない、技能中心でもない。二者を機能によって統一的にとらえた、まさに新生活作文
ともいうべきものである。
 また、ここでは技能の練習が強調されている。学習した技能を確実にし、固定するために。技能の学習後にその
練習が随時随所に計画されている。そこにも一貫した系統と方法がある。
(六) 学習指導過程の明確な実践
 機能的作文の学習指導過程を生かした実践である。作文学習の単元の中での位置づけ――学習指導計画――作文
教材と作文活動との前後関係の決定が、単元の中での指導過程の間題である。また、作文を書き始める準備の段階
から、記述の段階、処理の段階、この過程が指導過程の間題である。また、作文の時間一時問の学習活動をどんな
順序で、どのように編成するかが、一時問の指導過程の間題である。ここには、指導過程を示すことばを使わなか
ったが、(1)目的を持つ(2)目的を追求する(3)目的を達成する(4)目的に応じて処理するという学習指導過程がと
られている。
(七) 実践例の解説
1 単元の実践例の前に、その単元の中の作文の機能・機能にもとづく学習活動・その学習活動によって養成しよ
 うとする主たる技能・態度・ことばに関する事項、作文学習の中心となる題材例等が示されている。つまり、そ
 のあとに示されている単元の学習の中で行なう作文活動の機能・活動・能力・題材を示して、その全体構造が概



                                                   106


 観できるようにしている。
2 単元について――ここには、その単元を学習する意義が、児童の興味・必要・能力・児童の身につく価値など
 の面から述べられている。
3 単元の学習目標――ここには、その単元全体の学習目標が書かれている。学習目標は、学習活動とその学習活
 動を通して身につく価値――価値目標があげてある。
4 単元の学習内容――ここには、この単元で学習する内容、つまり、学習活動・学習活動によって養成される技
 能・態度・ことばに関する事項があげてある。そのうち作文に関する技能、態度等はその番号をゴシックにして
 ある。
5 この単元に用意された教材――ここには、読解教材、作文教材等があげてある。そのだいたいの解説・作文と
 の関連などについて述べてある。
6 作文学習指導の展開――その単元のうち、作文学習のみの指導の実際例があげてある。



        二 五年の機能的作文指導の実践



   (一) 四   月

機  能   学校生活を改善し向上するために書く。
学習活動
学習事項 
意見や感想を書く。
1 学級をよくしようという気持ちをもって書
 
 
 
 
題  材
 
 くこと。
2 事実に即して感想や意見を書くこと。
 そうじ当番  学級会  あたらしい教室
 ○○の係になって など。 


    単元 楽しい学級

107

一 単元について
 五年生に進級すると、高学年になったのだという喜びをも
つ反面、言語や動作が粗野になったり乱暴になったりしやす
い。そこで高学年としての自覚を意識させ、学級を楽しくす
るにはどうしたらよいかに目をむけさせることは必要なこと
である。この単元は、進級した喜びを話し合ったり、進級し
て考えたことを文章に書いたりして、学級生活を改善し向上
させていくために、設定したものである。
二 単元の目標
 進級した喜びや考えを書いた文章を読んだり、また、自分
の感想や意見を文章に書いたりして、学級生活の改善向上を
はかるようにする。
三 単元の学習内容
(一) 学習活動
  1 進級した喜びや、これからの考えを話し合う。
  2 教材「五年生の出発」を読む。
  3 学級生活について感想や意見を書く。
  4 書いた文章をもとにして、どうしたら楽しい学級を
   作ることができるかを話し合う。
(二) 学習事項
  1 話題からそれないように話すこと。
  2 事実と意見とを区別して読むこと。
  3 自分の生活や意見と比べながら読むこと。
  4 学級をよくしようという気持ちをもって書くこと。 
    5 事実に即して感想や意見を書くこと。
四 この単元に用意された教材
 「五年生の出発」は、「学級委員の選挙」「学級会」の二
つの文章からなり、それぞれ一つの事実に即して自分の感想
や意見を書いたものである。
 この教材を読むことによって、自分の学級もよくしようと
いう気持ちをもたせるとともに、その考えを文章に表現しよ
うという意欲をもたせる。また、意見や感想は事実に即して
書くことが、読み手に感銘を与えることを、理解させること
ができる。
五 単元の指導計画(総時間 7時間)
 (一) 進級した喜びを話し合い、学習計画をたてる┐(4
 (二) 教材「五年生の出発」を読む。――――――┘時問)
 (三) 楽しい学級にするためには、どんなところに
  問題点があるか話し合う。……………………(3 時間)
 (四) 学級の問題点について、自分の考えや感想を
  書く。…………………(2 時間)(作文指導第一・二時)
  ・題材を選ぶ。
  ・文章を書く。
  ・すいこうをする。
 (五) 書いた文章をもとにして、学級生活を向上させるた
  めに話し合う。
六 作文学習指導の展開
 *教材「五年生の出発」は次の観点から読ませた。

 108

  ・どんな問題をとりあげ、どんな意見を述べているか。
  ・どんな気持ちで書いているか、それはどこでわかる
   か。
 (一) 作文指導第一、二時
  学習目標 学級の問題点について、自分の考えを文章に
   書き、学級生活を改善することができるようにする。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 学級をよくするため
 の問題について話し合
 う     (10分)
T 四年生の学級生活の
 ことを反省してみまし
 よう。どんな点がよく
 どんな点が悪かったと
 思いますか。
C 男の子が女の子をい
 じめるのが悪かった。
C 学級新聞を続けて出
 したのはよかった。
T 五年生になって、も
 っとよい学級にしてい
 くのには、どんなとこ
 ろをなおさなくてはい 
・問題点がなかなかでてこない
 場合は、項目を提示して考え
 させる。たとえば、係活動・
 そうじ当番・遊び・勉強など
 と板書して話し合わせる。
・反省はなるべく具体的に話す
 ようにさせる。他人の悪口に
 ならないように注意する。
 
 
 
 
・いろいろな反省の中から、特
 によくしていく点を考えさせ
 る。反省にでなかった問題で
 も新しく五年生で考えなけれ 
 
 けないと思いますか。
C 学級会のやり方。
C そうじ当番。
A 文章を書く目的を話
 し合う。  (3分)
T いろいろな問題点に
 ついて、どうしたらよ
 い学級ができるか、み
 んなの考えを文章に書
 いてください。
 
 
 
B 題材を選ぶ。(5分)
T 意見や感想を書くと
 き、ここにあげた全部
 のことをとりあげるこ
 とはできませんね、こ
 の中で、もっとも自分
 の意見を述べたいもの
 を一つか二つ選んで書
 きましょう。
C 文章を書く方法を話
 し合う。  (10分)
T 意見を書く場合、教
 科書の文章はどんな点 
 ばならないことがあったら、
 とりあげる。
 
・なんのために文章を書くのか
 を児童にしっかりと理解させ
 る。
・ひとりひとりが学級をよくし
 ていこうという気持ちをもた
 せることが必要である。
・問題点について、児童の意見
 を口頭発表をさせないように
 する。口頭発表をすると書く
 必要性がなくなってしまう。
・題材の決まったものは、問題
 点をノートに書かせ、簡単な
 理由や結論を書かせておいて
 もよい。しかし、児童は書き
 ながら考えをきずきあげてい
 く揚合が多いからこれにとら
 われないようにする。
 
 
・意見は読み手が納得するよう
 に書かねばならない。そのた
 めにはどう書いたらよいかを
 考えさせる。これは教材の読 

 109

 に注意して書いてあり
 ましたか。
C 理由が書いてあっ
 た。
C やったこと、見たこ
 との事実が書いてあり
 その次に自分の意見が
 書いてあった。
T 読む人が納得するよ
 うに書くことが必要で
 すね。
D 文章を書く。(45分)
T よい学級を作るため
 に、読む人がなるほど
 と思う意見を書きまし
 ょう。
  文題は、とりあげた
 問題を書いてもよいで
 しょう。 
 解指導で扱っておきここで
 は思い出させる程度。わから
 ない場合は教科書を読ませて
 考えさせる。
〇事実に即して意見や感想を書
 いた方がよいことを理解する
 こと。
<板書例>
目あて よい学級をつくるた
    めに。
    感想や意見を書く。
問題点 ・学級会  ・当番
    ・学級委員 ・遊び
方 法 読む人がなるほどと
    思うように
    ・事実→意見
    ・理由 
・今まで話し合ったことを、ま
 とめて板書し、確認させてか
 ら文章を書かせる。
○学級をよくしようという気持
 ちで書くこと。
○事実に即して感想や意見を書
 くこと。 
 
E推考する。(15分)
T 書きあげた人は、次
 のことを考えて読み直
 してみましょう。おか
 しなところは直しなさ
 い。
 (推考の観点を板書す
 る。)
F 次時の予告(2分)
T 次の時問に、きよう
 書いた文章をもとにし
 て、よい学級を作るに
 はどうしたらよいか話
 し合いましょう。 
・ (推考の観点 板書例)
1 自分の感想や意見がはっ
 きり書けているか。
2 事実を書いて、それに感
 想や意見が書いてあるか。
3 文の続け方でおかしな点
 はないか。 
・観点は余りあげない、せいぜ
 い二つか三つであろう。 

* 次時は、書きあげた文章をもとにして学級会を開く。書
  きあげた文章によって、問題を提起したり、理由を説明
  したり、また結論を述べたりするようにさせる。
   話し合いの結果、自分の意見より他の意見がよいと考
  え直した児童には、もう一度文章を書かせ、両方の作文
  を提出させる。教師はそれによって、児童の思考の経過
  を観察することができる。
七 作品の処理と評価
 1 処理の方法
  ・学級会を開き、作品をもとにして意見を発表したり、

 110

  説明したりする。
 ・学級会で話し合われなかった問題について書いた文章
  は掲示する。それに対する反対意見、賛成意見を黒板
  に書かせるようにするとよい。
 ・全部の作品をとじて。"私たちの意見"として保存して
  おく。ときどき読ませる。
2 評価の観点と基準
 (1) 学級をよくしようという気持ちをもって書いている
  か。
  A とりあげた問題が適切であり、それについて学級
   全体を向上させようとする意見を書いている。
  B とりあげた問題はよいが、意見が自己中心的であ
   る。
  C 自分のことについて書いてあり、学級のことが考
   えられていない。
 (2) 事実に即した感想や意見を書くことができたか。
  A 具体的な事実を述べ、それに即した感想や意見を
   理由をあげて述べている。
  B 事実の書き方が抽象的でよくわからないが、感想
   や意見はそれに即して書かれている。
  C 感想や意見の結論だけが述べてある。


  (二) 五   月
 
 
機  能  学習に役だてるために書く。 
学習活動
学習事項



題材例 
学習記録を書く。
1 事実を正確に記録すること。
2 段落のはっきりした文章を書くこと。
3 必要に応じて文章を詳しく書いたり簡単に
 書いたりすること。
 学習のこと 博物館  科学博物館 

    単元 学習日記

一 単元について
 五年生になると、学習を共同でやったり、分担してやった
りする機会が多くなる。その場合、前時の学習を細かく記録
したものが必要になってくる。また、学習内容をいっそう深
く理解するために、学習した内容を整理して記録することが
必要である。
 この単元は、学習日記を読んだり書いたりすることによっ
て、学習したことがらを、次の学習に役だたせるようにし、
また、理解を深めさせる働きをもっている。
二 単元の学習目標
 学習した結果を記録したり、記録したものを読むことによ
って、知識を整理するとともに、次の学習に役だて、学習生
活を充実する。
三 単元の学習内容 

  111

 (一) 学習活助
  1 教材「学習日記が生まれるまで」を読む。
  2 学習日記の必要性について話し合う。
  3 学習日記を書く。
  4 「学習日記から」(教材・友だちの書いたもの)を
   読む。
 (二) 学習事項
  1 相手にわかるように心がけて話すこと。
  2 必要なところを細かい点に注意して読むこと。
  3 記録が学習や研究に役だつように書くこと。
  4 事実を正碓に記録すること。
  5 段落のはっきりした文章を書くこと。
  6 必要に応じて、文章を詳しく書いたり簡単に書いた
   りすること。
四 この単元に用意された教材
 (一)「学習日記が生まれるまで」この教材は、学習日記の
  目的や必要性、書く内容等について説明した文章である。
  これを読むことによって学習日記を書こうとする意欲を
  起こさせることができる。
 (二)学習日記から、三編、理科・算数・国語について書い
  た学習日記。それぞれ形式的に特色をもたせてある。学
  習日記はどのように書いたらよいかを考えさせる教材。
五 単元の指導計画(総時間9時間)
 (一) 「学習日記が生まれるまで」を読み、学習日記 
    の必要性を話し合う。………………………… (2 時間)
 (二) 学習日記を書く。……(一時間)(作文指導第一時)
  ・目的によって題材を選ぶ。
  ・書くことがらをメモする
  ・学習日記を書き、読み返す。
 (三) 教材「学習日記から」を読む。―――┐
  教材と比べ、自分の書いたものを推考する┴(3 時間)
 (四) 友だちの書いた学習日記を共同で推考する(1 時問)
                  (作文指導第二時)
 (五) 学習日記を書く――――――――┐
  ・学習日記の効果を話し合う    ├ 2時間
  ・文章の組立を考えてから書く   |(作文指導第三、
  ・継続して書くことを計画する―――┘ 四時)
六 作文学習指導の展開
 日 作文指導第一時
  学習目標 目的や効果をはっきりつかんで、学習日記を
   書くことができるようにする。
学 習 活 動   学習事項および留意点
@ 学習日記を書く目的
 を話し合う。(10分)
T 何のために学習日記
 を書くのですか。
C 前の時間の様子を知 
・前時まで二時間「学習日記が
 生まれるまで」を読んで、学
 習日記の必要性が理解されて
 いる。しかし常に書く目的を
 意識し、目的に添った内容を 

 112
 るため。
C 休んだ人に教えるこ
 とができる。
C テストの時役立つ。
C 学習したことをもう
 一度書くから、よくわ
 かる。
T そのような目的にあ
 うように書くには、ど
 んなことを書いたらよ
 いでしょうか。
C 学習して特に強く心
 に感じたことや思った
 ことを書く。
C 学習してわかったこ
 とを書く。
C あとで役に立つこと
 を選んで書く。
C 復習したり、後で自
 分で調べたりしたこと
 を書く。
A 学習日記を書いてみ
 る。    (30分)
T 何の教科について書
 いておこうと思います
 か。 
 選んで書かせるために、ここ
 でもう一度目的を確認するこ
 とが必要である。
・目的がはっきりつかめていな
 い児童には、もう一度「学習
 日記が生まれるまで」を黙読
 させるか、学習ノー卜を開い
 て読ませ、全員に学習日記を
 書く目的を明確にさせる。
・内容については「学習日記が
 生まれるまで」には、次のこ
 とが書かれている。
  「書き留めておこうと思う
 ことに関係のある学習の内容
 をかんたんに書き、そのあと
 に、自分の反省や感想などを
 付け加える」
  もちろん、児童がこのほか
 に目的に合う内容を考えれば
 とりあげてやる。

○事実を正確に記録すること。
・目的を確実にふまえて書くも
 のを決めているかどうかを知
 るために、二、三名の児童に
 聞いてみる。そのために、教 
 
C 社会科、今ぼくたち
 はグループで研究して
 いるから。
C ぼくは算数です。学
 習日記の目的や必要さ
 をよくおぼえておくた
 め。
T どんなことを書いて
 おいたらよいか、ノー
 トにまとめてから、自
 分で一番よいと思う書
 き方で書いてみましょ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
B書き上げたら、読み
 返す。   (5分)
T 書き上げたら読み返
 し、自分が書いておこ
 うとしたことが十分書 
 科名だけでなく、なぜその教
 科について書くかを聞いてみ
 る。
・何を選んで書いたらよいか迷
 っている児童には、「きょう
 勉強したもので忘れないよう
 にしておくのは何か」などと
 目的を与えてやる。
・自分が選んだ教科の教科書や
 ノートを見て、書くことがら
 をノートに順番に書かせる。
・この段階では、学習日記の形
 式や、書き方などについて特
 別に指示しない。
・用紙は、初めは原稿用紙に書
 かせる。
・記述中、学習ノートをそのま
 ま写す児童や、事実よりも自
 分の考えや思ったことを多く
 書いている児童には、目的に
 添って事実を正確に書くよう
 に指導する。
・推考は、目的に従って行なう
 また、教師に見せるというこ
 とから、文字・語句・文の誤
 りについても推考させる。 

  113

 けているかどうか考え
 てみましよう。不十分
 だったら書き加えて先
 生に見せてください。
T この次の時間は、教
 材の「学習日記から」
 を読んで、自分たちが
 書いた学習日記と比べ
 てみましよう。 
 

 *次時から三時間は「学習日記から」の読解指導。
  読解指導の観点
  ・どんなことがわかったか。
  ・目的にあった書き方をしているか。
  ・くふうしてある点はどこか。(段落について)
  ・役にたつように書いてある点、よくわかるように書い
   てある点はどこか。(事実を正確に)
  ・自分の書いたものと比べて、書き方の違っている点。
   以上のようなことを中心に読解指導を行ない、作文指
   導と関連を保つ。
 (二) 作文指導第二時
  学習目標 友だちが書いた学習日記を共同で推考するこ
   とにより、どのように書いたら学習に役だつかを理解
   する。 
 
学 習 活 動 学習事項および留意点 
@ 学習の目あてを話す
       (2分)
T きょうは、この間書
 いた学習日記を読み合
 って、目的に合うよう
 に書くにはどうしたら
 よいか考えるのでした
 ね。
A 学習日記を交換して
 読み合う。 (18分)
T 学習日記を隣の友だ
 ちと交換して読み合い
 板害した点についてわ
 かったことをノートに
 書きましょう。
T 書き終えたら、その
 ノートを見て、次の点
 について、友だちと話
 し合ってみましょう。
 ・もっと書いておいた
  方がよいと思う点
 ・自分の理解していた
  ことと違う点を碓か
  める  
・前時の終わりに、「次時は、
 前に書いた学習日記を読み合
 ってよい書き方を考えよう。
 と予告しておいたことを確認
 する。
<板書事項>
・どんなことがわかったか。
・もっと書いておいたほうが
 よいと思ったこと。
・自分の理解していたことが
 らと違った点はないか。
・自分が書いた学習日記と書
 き方の点で、どんなところ
 が違うか。
・教材と比べてどうか。 
・事実を正確に記録しなければ
 ならないことを理解する。
・板書する事項は、指導事項に
 照らして項目を立てること。
 ただし、指導事項をそのまま
 出さないほうがよい。たとえ
 ば「事実を正確に書いてある
 かどうか」という項目よりも、 

 114

 ・内容や書き方につい
  ての感想
T どんなことを隣りの
 友だちと話し合ったか
 みんなに発表してくだ
 さい。
C 学習ノートとほとん
 ど同じでは役にたたな
 い。
C ぼくが考えていたこ
 とと、○○さんが書い
 たことが違っていたの
 で話し合ったら、ぼく
 が違っておぼえていた
 ことがわかったのでよ
 かった。
C ○○君の学習日記は
 学習したこと、調べた
 こと.感想などと、段
 落ごとにまとめて書い
 てあったので、わかり
 やすかった。
B 共同で推考する。
        (25分) 
 「自分の理解している点と違
 う点は」としたほうが、学習
 日記は正確に記録しなければ
 ならないということを感得し
 ていくであろう。(学習日記
 の機能を考えた問題が望まし
 い。)
・いろいろな発表がでるであろ
 うが、指導事項に照らし、特
 にこの単元で指導しようとす
 ることがらに合ったものは、
 要点を板書しておく。
<例>
 ・役にたつように書く。
 ・正確に書く。
 ・段落にまとめて書く
         など。 
 
  理 科
 五月十日 火曜日 晴れ
 きょう、理科で寄生虫の事について勉強した。寄生虫と
は、人や動物のからだの中で養分をうばい成長していく虫
だ。成虫になったら、一回二十万〜三十万ぐらいの卵を生
む。卵は便といっしょにこう門からでる。
 寄生虫にはせぼねがなく、レントゲンでいるかどうか、
たしかめることができないので、大便をとって検査する。
寄生虫は主に生やさいを食べることから卵がからだの中に
はいる。寄生虫がうつらないようにするには、化学肥料を
使う。寄生虫の防ぎ方 @ 手をあらう。A 生のやさい
はよくあらうか熱い湯につけてから食べる。B 肉や魚な
どはよくにたり焼いたりして食べる。ぼくは寄生虫が一回
二十万〜三十万も生んだり、成虫の長さが七メートルもあ
るということにおどろいてしまった。 
T ここにプリントした
 学習日記は、ある人が
 この間の理科の時間の
 ことを、書いたもので
 す。この学習日記を、
 今、話し合ったことを
 もとにして、めいめい
 で直してみましょう。 
○学習に役にたつように書くこ
 と。
○事実を正確に記録すること。
○段落を考えて書くこと。
・前に書いた学習日記の中から
 適当なもの(指導事項に照ら
 して推考しなければならない
 もの)一点をプリントしてお
 く。
・この学習活動は練習として計 

  115

 
 
 
 
 
 
T どのように直したか
 発表してください。
  まず、学習に役だて
 る点はどうですか。
  つぎに、事実を正確
 にという点では……。
  また段落の点では…
T みんなが修正したも
 のと、前とを比べると
 ずっと学習に役にたつ
 ようになりました。
 このつぎの時間には、
 このように役にたつ学
 習日記を書いてみまし
 ょう。 
 画したものである。この学習
 活動によって、前記の指導事
 項が身につくようにする。
・プリントするとき、わきに文
 を挿入したり、削ったりでき
 るように行間をあけておく。
○推考する際理科の学習ノート
 を参考にさせる。
・文字や文法的な誤りについて
 は、プリントする際修正して
 おいて、ここでは扱わないよ
 うにする。

・できれば、黒板か模造紙にプ
 リントした学習日記の全文を
 書いておき、児童が修正した
 点を朱書きしていくようにし
 たらよい。 
 (三) 作文指導第三、四時
  学習目標 継続して学習に役だつ学習日記を書くように
   なる。 
 
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 学習日記の効果を話
 し合い、効果的な学習
 日記を書く計画を立て
 る。    (5分)
T 学習日記をまだ一回
 だけしか書きませんが
 書いたことによって何
 かよかったことがあり
 ますか。
C 書くとき、勉強した
 ことをもう一度思い出
 さなければならないの
 で、勉強したことがよ
 くわかった。
C 書いているうちに勉
 強したことで疑問をも
 ったので先生に質問し
 よくわかった。
T 前の時間には、学習
 に役立つような学習日
 記を書くためにはどう
 書いたらよいか話し合
 いましたが、きようは
 みんなが本当に役にた 
・この時間では、初めに書いた
 学習日記から一週間ぐらいし
 かたっていないので、学習日
 記の機能が十分達せられたと
 は考えられないが、児童によ
 っては、記録しておいたこと
 が、つぎの学習に役だったも
 のもいるであろう。また、書
 くことによって知識が整理さ
 れた児童もあるであろう。そ
 のようなことを話し合わせ、
 学習日記の効果を自覚させる
 ことが必要である。
 
 
 
 
 
・書く目的がはっきりつかめた
 ら、書く方法について復習し
 てもよい。 

 116

 つような学習日記を書
 きましょう。
A 題材を選び、構想を
 立てる。  (15分)
T 学習日記を書く目的
 をはっきりさせて、ど
 の教科について書くか
 決めましょう。
  書く教科が決まった
 ら、どんなことを、ど
 んな順序で書くか、大
 体の見通しをノートに
 書きなさい。
T 見通しが立ったら、
 それを発表してくださ
 い。
C 私は、今社会科でグ
 ループ研究をしている
 ので、研究に役だたせ
 るために学習日記を書
 きたいと思います。書
 くことは、日本の農業
 をきのうから調べてい
 ますから、
 ・日本の米作りの原因
 ・外国と比べて 
 
 
・学習に役だち、向上させるよ
 うな内容を考えさせる。
・なんの教科について書くか
 は、各児童の学習日記を書く
 目的によって選ばせる。これ
 は、今後の指導で継続して書
 くということに関連してく
 る。たとえば、研究に役だて
 るということで、社会科・理
 科について書くとか、学習し
 たことを整理して理解すると
 いう目的で算数・国語……を
 とるとか、常に目的に合った
 教科をとり、その教科の一単
 元が終わるまで継続して書く
 ようにさせる。
・構想を立てた児童に発表させ
 それを板書して、文章の組み
 立てを考えさせる。
  研究に役だてるために書く
 ときは、内容だけを書けばよ
 いかどうかを話し合わせ、内
 容と共に、どんな方法で調べ
 たか、どんな参考資料を使用 
 
 ・各地の米作りの様子
 ・感じたこと
 の順にします。
T 今話し合ったことか
 らもう一度自分の構想
 を考えてみましよう。
B 構想メモをもとにし
 て学習日記を書く。
       (25分)
C 書きあげたものを読
 み返し、推考する。
       (15分) 
 したかなども記録しておいた
 ほうがよいことを理解させる
・上記の内容について、どんな
 順で書いたらよいか、また、
 このほかに加えたり.削った
 りすることがないかを考えさ
 せる。
○記録が学習や研究に役だつよ
 うに書くこと。
○事実を正確に記録すること。
○段落のはっきりした文章を書
 くこと。
○必要に応じて文章を詳しく書
 いたり簡単に書いたりするこ

・選んだ教科の学習ノートや教
 科書は参考として使用させて
 もよい。
・用紙は原稿用紙を使用させ
 る。
・推考させるときは、次のよう
 な観点を板書しておき、推考
 させる。
1 目的に合うように書けて
 いるか。 

 117

 
 
 
 
 
 
 
D 学習日記の処理方法
 を話し合う。(15分)
T 書き上げた学習日記
 はどうしたらよいでし
 ようか。
C 学習日記帳を作って
 とじておいたらよい。
C 友だちと読み合った
 らよい。
C グループで回覧した
 らよい。
C これで終わるのでな
 く、これからも続けて
 書かなければ役にたた
 ない。
E 継続して書くことを
 話し合う。(15分)

T 今、これで終わって 
2 書いたことがらで、はっ
 きりしない点はなにか。
3 ことがらをまとめて書い
 ているか。
4 文字、語句のあやまりは
 ないか。 

・目的をもって活動させたなら
 ば、かならず目的を達成でき
 るような処理をさせることが
 必要である。
  学習日記は、教師が検閲し
 たり評点をつけて返すだけで
 は、その機能を発揮させるこ
 とはできない。これをとじて
 保存しいつも開いて研究のあ
 とを反省したり、今後の方法
 を考えたりするためのもので
 あるから、その機能に即した
 処理をさせる。
・処理方法を考えさせれば、必
 然的に継続して書かねばなら
 ないことに気づくであろう。
 しかし継続させることも、無
 目的になんでも毎日書かなけ
 ればならないということがな 
 
 は役にたたないという
 意見がありましたがど
 うですか。
C わたしは、社会科の
 研究が終わるまで続け
 て書きたいと思う。
C 毎日家で書いたらよ
 い。
C 毎日は大へんだから
 必要な勉強のあるとき
 だけ書いたらよい。
T いろいろ意見がでま
 したが書き出した教科
 の単元が終わるまで書
 くことにしましょう。 
 いようにする。毎日書かせる
 と、かえって欠陥がでてく
 る。それは、書く目的がうす
 れたり、書くことに興味を失
 ったりするからである。
・書き上げた学習日記をグルー
 プで回覧させることにより、
 文章の内容を正確に書こうと
 する気持ちと、文字を正しく
 美しく書こうとする気持ちを
 もたせるように指導してい
 く。 

七 作品の処理と評価
 1 処理
  (1) 毎日、グループ内で交換して読み合う。
  (2) 前時の復習のとき、学習日記を開かせて読ませる。
  (3) 欠席した友だちがいたとき、学習日記を見せてやる
   ようにさせる。
  (4) グループごとに、教師が目を通し、評価する。
 2 評価
  評価の観点と基準 

 118

(1) 研究や学習に役だつように書いているか。
 A 必要なことがらを選び、十分説明している。
 B 研究や学習に役だてようとして書いているが、説
  明が不十分である。
 C 目的に対する意識が明瞭でない。
(2) 段落のはっきりした文章が書けたか。
 A 意味のまとまりごとに改行し一字さげもきちんと
  行なっている。
 B 一字さげで改行はしているが、意味のまとまりは
  十分考えられていない。
 C 改行を全然考えないで書いている。


 (三) 六   月

機  能  家庭生活を楽しくするために書く。 
学習活動
 
学習事項
 
 
 
 
題材例 
家族のことを文章に書く。
家族に取材した詩を作る。
1 家族に対する暖い気持ちをもって書くこ
 と。
2 主旨のはっきりした文章を書くこと。
3 訴えたいことを適切なことばを選んで書
 くこと。
 母の仕事  父の職業  兄のくせ
 家族会議  家の商売 
      単元 私の家族

一 単元について
 五年生になると、家族の一員としての自覚が高まってく
る。また家庭ということに目が向いてくる。その自覚をもっ
て、家族の人々を見るとき、今までの家族に対する見方や考
え方と違ったものが芽生えてくる。
 この時期に、家族のことを話題にして学習活動を展開する
ことは、家庭生活に対する認識を高める上に意義のあること
である。
二 単元の学習目標
 家族のことについて、話し合ったり、文章に書いたりし
て、家庭生活を明るく、楽しいものにする。
三 単元の学習内容
 (一) 学習活動
  1 家族のことについて話し合う。
  2 教材「家族会議」を読む。
  3 教材「私のねがい」 (詩)を読む。
  4 家族のことに取材して文章を書く。
  5 詩を作る。
 (二) 学習事項
  1 相手にわかるように心がけて話すこと。
  2 率直な態度で聞くこと。
  3 書かれていることの中の事実と意見を判断しながら 

  119

   読むこと。
  4 家族に対する暖い気持ちをもって書くこと。
  5 主旨のはっきりした文章を書くこと。
  6 訴えたいことを適切なことばを選んで書くこと。
四 この単元に用意された教材
 (一) 「家族会議」この教材の内容は、毎週土曜日の夕食後
  家族全員が一週間の行動の反省をしたり、いろいろな間
  題を話し合ったりして、楽しい家庭を作っているという
  ことである。これは児童文である。作者は、家族に対す
  る暖い気持ちをもち、また家族の一員としての自覚をも
  っていることがよくわかる文章である。
   これを扱うことによって、家族に対する心の持ち方を
  考えさせる。
 (二) 「私のねがい」(詩)家庭に対する夢をうったえた児
  童詩、鑑賞させると共に、作詩活動の動機づけに使用す
  る。
五 単元の指導計画(総時数10時間)
 (一) 家族のことについて話し合う。…………(1 時間)
 (二) 教材「家族会議」を読む。………………(4 時鬨)
 (三) 家族に取材して文章を書く。……………(1 時問)
                  (作文指導第一時)
 (四) 推考する。…………………………………(1 時間)
 (五) 教材「私のねがい」を読む。……………(1 時間)
 (六) その他児童詩を鑑賞し、詩を作る。……(1 時閧)
                  (作文指導第二時) 
   (七) 作文や詩を朗読したり、家族について
  話し合ったりする。……………………………(1 時間)
六 作文学習指導の展開
 (一) 作文指導第一時
 *教材「家族会議」の読解活動で、次のことを指導した。
  ・家族に対する気持ち、家族の一員としての自覚。
  ・事実と意見の書き分け方。
  ・主題にそった文章の組立て。
  学習目標 家族に取材した文章を書くことによって家族
   に対する認識を深める。

 学 習 活 動 学習事項および留意点 
@ 家族に取材した文章
 を書く目的を話し合う
        (5分)
T 家族会議の文章を読
 んで、みんなも家族の
 人々に対していろいろ
 な考えをもっているで
 しよう。それをきょう
 は文章に書いてみまし
 ょう。どんなことにつ
 いて書きたいと思いま
 すか。 
・家族会議を指導する過程で、
 自分の家族のことについて文
 章を書きたいという気持ちを
 起こさせる。そのために、作品
 の内容を読みとりながら、児
 童の家庭と比べさせたり、考
 えを比べさせたりして読み進
 めていく。
・取材の話し合いに余り長く時
 間をかけないこと。これも読
 解活動の過程で、自分はこん
 なことを書きたいと思う気持 

 120

C 母の仕事について書
 いてみたい。
C 兄弟げんかのことを
 書きます。
T それぞれ書きたいこ
 とをノートに書いてみ
 ましょう。
A 書くときの態度を話
 し合う。  (5分)
T 兄弟げんかを書くと
 いう人がいましたがど
 うしてそれを書きたい
 のですか。
C けんかしてもすぐ仲
 なおりして勉強を教え
 てくれる兄のやさしさ
 を書きたい。
T よい点をみつけて文
 章を書こうとしました
 ね。みんなも家族に対
 してはっきりした気持
 ちをもって文章を書い
 てください。
B 文章を書く。(35分)
T いろいろのことをご
 たごた書かず、筋の通
 ちを起こしておけばよい。
 
 
 
・題名を書いて、何について書
 くのかをはっきりさせる程
 度。構想指導まではいかない
・家族のことをただ客観的に描
 写するだけではなく、そこに
 はっきりした態度をもって書
 かせることが必要である。ま
 た、それが、この文章を書か
 せるねらいでもある。しかし、
 教師が家族に暖い気持ちをも
 って書けと指示することはさ
 けなければならない。児童が
 そういう気持ちを発表したと
 き、ほめてやるようにし、児
 童自身に気づかせていくこと
 が必要である。
 
 
 
○家族に対して暖い気持ちをも
 って書くこと。
(○主旨のはっきりした文章を 
 
 った文章を書くように
 考えて、書き初めまし
 ょう。
C 読み返す。
T 書きあげた人は、読
 み返してください。 
 書くこと。


・次の時間に指導事項を指導す
 るに適切な文章を一点選んで
 読んで話し合わせる。
  そのため、提出させた文章
 をざっと目を通して選ぶ。 

 (二) 作文指導第二時
  学習目標 書きあげた文章を推考することにより、家族
   に対する自分の気持ちをはっきりさせる。


学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 友だちの作文を読ん
 で話し合う。(15分)
T Aさんの書いた作文
 を読んでみましょう。 
・前時に書いた作文の中から一
 点プリントしておく。 
    おかあさん
 私のおかあさんは、やさしくてほがらかです。そして少
しふとっています。おかあさんは、ふとっていることをと
ても気にしています。でも私はふとっているおかあさんが
大すきです。時々買物などにいっしょに行くと、おかあさ
んよりふとっている人に出会います。そういうとき、おか 

  121

あさんは
「おかあさん、あの人よりやせているでしょ。」と、私に言
います。その時私は、
「ずっとおかあさんの方がやせているわよ。」と言います。
 また、おかあさんは私に、
「おかあさんみたいにふとるんじやないよ。」と言います。
でも私もおかあさんぐらいの年になったら、きっとおかあ
さんぐらいにふとると思います。だからおかあさんはふと
っている事など心配しなくてもいいと言います。
 また、おかあさんは、私と弟とけんかをして、ふたりと
もプンプンしていると、たちまちおかあさんは私と弟を笑
いの中にまきこんでしまいます。おかあさんはまるでま術
師のようです。私はそういうおかあさんが大すきです。
 私は、大きくなったらおかあさんのようないいおかあさ
んになるつもりです。 
T ・Aさんは、おかあ
 さんについてどんな気
 持ちをもっているか。
 ・それは、どんな表現
  でわかるか。
 ・おかあさんについて
  何を書いたか。
 ・ふとっていることと
  ま術師だということ
  と二つにまとめて書 
・上のような発問により、書く
 時の家族に対する態度、表現
 の方法、文章の組立て、など
 を指導する。
  また、説明不十分な点を指
 摘し、それだけの説明では他
 人にはわからないということ
 を意識させる。そういう目あ
 てをもって、自分の作文を見
 直させる。 
 
 いていますね。このよ
 うに段落にまとめ書く
 ことが必要だ。
T 十分に書けていない
 点は何か。
A 自分の作品を推考す
 る。    (15分)
T Aさんの作文を読ん
 で、どんな点に気をつ
 けて書かなければなら
 ないと思いましたが。
 (児童の発言を板書)
T では、そのようなこ
 とを考えて自分の作文
 を直してみましょう。
B 清書する。(15分)
T 清書して個人文集に
 とじておきましょう。 
 
 
 
・説明不十分な点…例…弟とけ
 んかをしたとき、おかあさん
 はどのようにして笑わせるの
 か(本人に書き加えさせる)
<板書例>
・はっきりした気持ちを書き
 表わす。
・段落を考えて書く。
・説明の不十分なところをつ
 け加える。 
 
・下書きを提出させて、評価す
 る。清書したものは個人文集
 にとじ込ませる。 
 (三) 作文指導第三時間
  学習目標 詩に表現することによって家族に対する気持
   ちをいっそう深める。
 
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 児童詩を鑑賞する。
       (5分) 
・教材「私のねがい」の発展と
 して、数点の詩をプリントし 

 122

T みんなと同じ五年生
 の作った詩をプリント
 しておきましたから、
 読んで自分の一番すき
 な作品を選んでごらん
 なさい。
A 選んだ理由を話す。
       (15分)
T それぞれ、その作品
 を選んだ理由を話して
 ください。
C 私は、「子守り」の
 詩を選んだ。妹が作者
 になついているようす
 がよくわかる。
C 私は、「おとうさん
 のしらが」がよいと思
 う。「まるで若い人たち
 の中におじいさんが、
 ひとりいたようだ」と
 いう表現がよい。
T 詩は短い中にも、作
 者の気持ちや情景をよ
 く表わしたことばを選
 んで書いていますね。
T みんなも作ってみま 
 て鑑賞させる。
  この詩は、五、六年生の作
 ったものがよい。
<プリントの例>
  おとうさんのしらが
おとうさんの頭をふと見たら
黒いかみの中に
白くめだつものがあった。
しらがだ。
まるで若い人たちの中に
おじいさんが
いるように見えた。
このしらがの中に
ひとつひとつの苦労が
たまっているように感じた。
         以下略 
・選んだ理由は、ただよいから
 というだけでなく、作者の気
 持ちがよく表わされていると
 かこの表現がいいというよう
 に答えさせる。
・詩の形式には余りふれないで
 児童の感情を素直に表現させ
 ればよい。 
 
 しょう。
B何を詩に表現するか
 考える。 (15分)
T 家族のことで、特に
 強く感じたことを考え
 てみましょう。それを
 ノートに短く書いてみ
 なさい。書けたら発表
 してください。
C おとうさんの手がさ
 がさ。
C にいさんがおそくま
 で勉強している。僕が
 ねてから目をさました
 らまだノートに何か書
 いていた。
C 詩を作る。(5分)
 そのときの感じを、一
 番よく表わすことばを
 考えて詩を作ってみま
 しょう。
D 発表する。(5分)
T できた人に読んでも
 らいましょう。 

○詩は効果的なことばを使って
 表現していることを理解する
 こと。
 
 
・ノートに書くのは、強く感じ
 たことの対象を短く簡単に書
 かせる。何を書いてよいかわ
 からない児童には、「家族の
 ことで何か驚いたことはない
 か」と発問し、その驚きの対
 象を書かせる。
 
 
 
○訴えたいことを、適切なこと
 ばを選んで書くこと。
 
 
 
・二、三名の児童を指名して読
 ませ、簡単にそのよい点を説
 明してやる。 

七 作文の処理と評価 

 123

 (一) 処理
  ・家族のことを表現した文章も、詩も児童おのおのの個
   人文集に綴じ込んで保存させる。
(二) 評価の観点と基準
  (1) 家族に対する暖い気持ちをもって書いているか。
   A 書かれたことがらはすべてとりあげた対象に暖か
    い気持ちが感じられるように書かれている。
   B 暖かい気持ちはわかるが、文章全体には表現され
    ていない。
   C 家族に対し、暖い気持ちをもって書いていない。
  (2) 訴えたいことを適切なことばを選んで書いている
   か。
   A 気持ちや情景を表現するのに、適切なことばを選
    んで書いている。
   B 適切なことばを選択して書こうとする態度はうか
    がわれる。
  C 適切なことばを選ぼうとしない。



機  能  調べたことを研究に役だてるために書く。
学習活動
指導事項 
研究記録を書く。
1 小見出しをつけて文章を書くこと。
2 必要なこと、大事なことを落さず書くこと 
題材例   漢字とかな  漢字の生い立ち
 各地の方言  おもしろい方言 


    
    単元 文字の研究
一 単元について
 このごろの児童は、共通語と方言に対する意識や、文字の
構成・語句の構成などに関心をもち出してくる。その興味を
助長し、国語に対する関心意識を育てることは必要なことで
ある。
 この単元は、ことばや文字について調べたことをまとめる
ことにより、国語に対する関心をいっそう高めることを意図
して設定したものである。
二 単元の学習目標
 ことばや文字に対して知識を広めたり、理解を深めたりす
るため文章を読んだり、調べたことを記録したりして、国語
に対する関心を高め、国語を愛する気持ちを育てる。
三 単元の学習内容
 (一) 学習活動
  1 教材「日本の文字」を読む。
  2 研究計画を立て、それに従って、参考書を読んで調
   べる。
  3 研究記録を書く。
  4 教材「漢字の研究」を読む。   

  124

  5 研究記録を推考する。
  6 記録を読んで、わかったことを話し合う。
 (二) 指導事項
  1 相手にわかるように話すこと。
  2 調べるために読むこと。
  3 書き手の意図を読みとること。
  4 小見出しをつけて文章を書くこと。
  5 研究計画に従って、必要なこと、大事なことをおと
   さず書くこと。
  6 ことばを大事にしようとする気持ちを育てること。
  7 段落相互の関係に注意して書くこと。
四 この単元に用意されている教材
 (一) 「日本の文字」……日本の文字の発生を説明した文
  章、これを読むことによって、文字に対する知識を広
  め、文字やことばについて研究しようとする気持ちをも
  たせる。
 (二) 「漢字の研究」……児童が漢字について調べた研究記
  録、自分たちで書いた研究記録と比較し、研究記録の書
  き方を考える資料とする。
五 単元の指導計画(総時数12時間)
 (一) 私たちが使っている文字について話し合う(3 時
 (二) 教材「日本の文字」を読む。       間)
 (三) 文字やことばについて研究する計画を立て、
  参考書で調べる。………………………………(3 時間) 
   (四) 研究記録を書く。……………………………(2 時間)
                 (作文指導第一、二時)
  ・目的を確認する。
  ・研究したことを整理する。
  ・文章の組み立てを考える。
  ・記録を書く。
 (五) 教材「漢字の研究」を読む。………………(2 時間)
 (六) 自分で書いた研究記録を推考する。………(1 時間)
                   (作文指導第三時)
 (七) 記録を読み合って話し合う。………………(1 時間)
六 作文学習指導の展開
 *研究計画を立てる段階では、次の指導をする。
  ・日本のことばに興味をもち、ことばについて知りたい
   という欲求を起こさせる。
  ・研究題目を決める。題目について、どんなことを調べ
   たいか、またどのようにして調べるか計画を立てる。
   例「かな」の研究……参考書で調べる。
   ・かたかなのおこり
   ・かたかなの使い方
   ・ひらがなのおこり
   ・ひらがなの使い方
   ・図書館で研究に適した参考書を選択して調べる。
                  (家庭作業に及ぶ)
 (一) 作文指導第一、二時 

  125


学習目標 研究計画に従い、その研究に役だつような記
 録を書くことができるようにする。

学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 記録を書く目的を確
 認する。  (5分)
T 日本のことばや文字
 について、いろいろ研
 究してきましたが、そ
 れをあとで役だてるた
 めにどうしたらよいで
 しようか。
C 整理しておく。
C 文章に書いてまとめ
 ておく。
T ただ整理するだけで
 なく、まとめて文章に
 書いておいたほうがよ
 いですね。
A 調べたことを整理す
 る。    (20分)
T 調べたことがらを項
 目ごとに読み返してみ
 ましょう。
  そして次のことを 
・記録はなんのためにしておく
 のかをはっきりさせておく。
 記録の目的を自覚させること
 によって、目的に適したこと
 がらを書いておこうという気
 持ちが育ってくる。
  ここでは、研究に役立つた
 めに記録しておくことが目的
 になる。すなわち、この研究
 記録が基礎になって、次の研
 究をより高めることができる
 ようなものでなければならな
 い。
 
 
・児童の研究は、往々にして參
 考書のまる写しをする。その
 ため、研究記録を書いたが、
 自分で理解ができなかった
 り、必要でないことまで記録
 することがある。 
 
 考えて整理しなさい。
 ・項目ごとに調べたり
  ないことはないか。
 ・調べたことは全部理
  解できているか。
 ・表にした方がよいも
  の。
 
 
B 研究記録の構想を立
 てる。   (20分)
T 調べたことをどんな
 順序に並べて記録を書
 いたらよいか項目を書
 いてみましょう。研究
 計画になくても、研究
 しているうちに、これ
 は大事だと思ったこと
 があったらつけ加えて
 書きなさい。
T 構想が立ったら発表
 してください。
C ぼくはローマ字の研
 究をした。
 ・ローマ字の起こり
 ・ローマ字の形 
  そのために、研究計画、参
 考書の選定のとき十分指導す
 ることが必要であるが、記録
 を書く前に一応整理させて、
 調べたことを理解するように
 指導する。
  国語辞典、漢和辞典を使用
 させる。また個別にことばの
 意味を指導する。
○段落相互の関係を考えて構想
 を立てること。
・構想を立てさせるとき、研究
 の動機、研究の内容、研究し
 て知ったことや感想と三つの
 柱をたてさせ、研究の内容の
 ところをさらにこまかく分け
 て立てさせる。これは研究計
 画を見て、どれを先にしどれ
 を後にするか考えさせればよ
 い。
・どの程度、構想が立てられた
 かを確認する意味で、数名の
 児童に発表させる。この場合
 挙手した児童だけでなく、能
 力の低い児童にも発表させる
 ことが必要である。 


126

 ・ローマ字のよい点
 ・ローマ字のわるい点
 をまとめる。
       など。







C 研究記録を書く。
       (40分)
T 構想をもとにして、
 研究記録を書きましょ
 う。
  研究の目的を考えて
 必要なことは落とさず
 書くようにしなさい。



D 読み返す。(5分)
T 読み返し、文字の誤
 りを訂正しなさい。次
 の時問は、教科書にで
・この段階では一応発表させる
 程度にして、その順序につい
 ては余り指導しない。推考の
 段階で自分で老えさせる。構
 想の立てられない児童は重点
 的に指導する。この場合構想
 の立てられない児童は、ほと
 んど研究が十分に行なわれて
 いない児童であるから、研究
 計画、研究の段階で十分指導
 しておかなければならない。
○研究計画に従って必要なこ
 と、大事なことは落とさず書
 くこと。
○段落相互の関係を考えて書く
 こと。
・調べたことをそのまま写して
 いる児童には、自分のことば
 で書くように指導する。研究
 したものをときどき見てもよ
 いが、その通り写さないよう
 にさせる。
・書き終わった児童同士が交換
 して読み合い、文字の誤りを
 指摘し合ってもよい。 
 
ている研究記録を読ん
で、自分のと比べてみ
ましょう。 
 

 *研究記録「漢字の研究」は次の観点から読ませる。
  ・この記録を読んでどんなことがわかったか。
  ・どんなことがどんな順序で記録されているか。(段落
   ごとにまとめて要点をとらえる)
  ・表現方法にどんなくふうがされているかなど。
 (二) 作文指導第三時
  学習目標 記録を書いた目的に従って推考することがで
   きるようにする。

学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 推考する計画を立て
 る。    (10分)
T 教科書の「漢字の研
 究」を読んで、自分の
 研究記録とどんな点が
 違っていましたか。
C どうして研究したか
 が、身近な問題から書
 いてある。
C 自分の考えがよく書
 かれている。 
・何のために推考するかを明確
 にして推考をさせることが必
 要である。そのためには推考
 の観点をはっきりさせる。こ
 れも教師が与えず、自分で発
 見させるように、教材と自分
 の研究記録とを比べさせてみ
 る。発表した要点を板書して
 推考の要点を明確にする。
・教材「漢字の研究」の構成は
 次のようになっている。 

127

C 表が使われている。
T 今のことなどを考え
 て、自分の文章を読み
 返してみましょう。
C ぼくのは、なぜ研究
 したかが書いてなかっ
 た。
C わたしの小見出しは
 研究したわけ、研究し
 たこと、感想の三つで
 あるが、研究したこと
 を分けて小見出しをつ
 けたほうがよかった。
A 推考する。(25分)
T 初めに小見出しにつ
 いて、考えてみましょ
 う。なぜ小見出しをつ
 けるのですか。
C 段落がはっきりわか
 る。
C 内容が一目でわかる
T 内容が一目でわかる
 ということが小見出し
 としては必要ですね。
 そういうことを考えて
 小見出しをつけ直して 
 ・研究したわけ
 ・研究の内容
  ・形の似た漢字の表―感想
  ・同じへんやかんむりの漢
   字と意味の関係―感想
  ・音の同じ文字で、形の似
   た漢字―感想
 
 
 
 
 
 
○小見出しをつけて文章を書く
 こと。
・児童の小見出しは、研究計画
 の項目とほとんど同じもの、
 また、研究の動機・内容・感
 想と三つのものが多い。前者
 には、小見出しが内容をはっ
 きりあらわすようにするた
 め、自分が書いた文章を読ま
 せて、まとめさせ、適切な小
 見出しをつけるように指導す
 る。後者には、内容の部分を
 細かくわけて小見出しをつけ 
 
 みましょう。
T 小見出しを書き直し
 たら、発表してくださ
 い。
C @ 方言を研究した
   わけ
  A おもしろい方言
  B 方言と共通語
  C 方言くらべ
  D 方言のできたわ
   け
  E 感想
T 小見出しはよくでき
 ましたが、文章の書き
 表わし方の順序はこれ
 でよいでしょうか。A
 とBを続けるのと、A
 とCを統けるのとどち
 らがよいでしょうか。
C AのあとにC、Bは
 @のあとか、Dの前が
 よい。
T 文章を書くときは、
 関係の深いものを並べ
 たほうがよいわけです
  このような観点から 
 るように指導する。
・小見出しのつけ方を指導後、
 文章の構成について考えさせ
 る。
  文章の構成は、具体的な内
 容からどのように組み立てた
 らよいかを理解させる。
 左にあげた例は一つである
が、二・三の例をあげて考えさ
せればなおはっきりするであろ
う。小見出しをならべただけで
ははっきりしない場合は、書い
た児童に文章を読ませる。
 上の場合、かならずしも、A
―B―C―Dと続ける必要もな
いが文章の内容上から判断させ
る。BやDをAの後にしてもよ
いが、研究の動機が、方言を聞
いていて、おもしろいなあと思
ったから研究してみたいという
ことなので、A―B―C―Dと
続けた。文章は一貫した流れが
なければならないことを理解さ
せればよいであろう。
 また、研究の目的からも、配
列が考えられる。すなわち大   

  128

 自分の文章を推考して
 みましょう。
  文字・語句の誤りが
 あればそれも訂正しな
 さい。




B 清書する。
T みんなの記録を掲示
 しますから、きれいに
 清書しましょう。
       (10分)
 
を初めに書いていくという考え
方もある。
・推考の観点を板書しておき、
 児童はその観点に即して推考
 するようにさせる。その揚合
 一つの観点について推考し、
 それが終わったらつぎの観点
 によって推考するようにさせ
 たほうがよい。
・記録であるから、自分のノー
 トなり、研究綴りなどにとじ
 こんでおくことが目的に即し
 た処理になるが、一応、研究
 したものを読み合い、日本の
 ことばについて関心をもち、
 ことばを大事にする気持ちを
 育てるために掲示することに
 した。 


七 作文の処理と評価
 (一) 処理
  ・掲示した後は、児童に返し、研究綴りにとじこんでお
   かせる。
  ・児童は 研究記録がいつでも読み返せるように研究綴
   りを学校に置いておくようにした方がよい。そして、 
    次の時間の話し合いに役だてたり、また次の研究に役
  だてるようにする。
 ・教師は推考したものを読み、次のような観点から評価
  する。
(二) 評価の観点と基準
 (1) 国語に関心や興味をもち、ことばを大事にしようと
  いう気持ちが現われているか。
  A 研究の動機が身近な必要から出発し、研究の結果
   ことばに興味や関心を持った感想や考えが述べられ
   ている。
  B 研究の動機は教師の指示によって行なわれたよう
   な表現であるが、研究内容が必要なことをおとさず
   書き、ことばに興味をもった表現である。
  C 調べたことを書きならべたに過ぎない。
 (2) 小見出し、文章構成
  A 内容を表わす適切な小見出しがついており、文章
   構成も一貫したすじでつらぬかれている。
  B 研究計画にかかれた調べる項目がそのまま小見出
   しとなっている。文章構成は、動機・内容・反省と
   なっているが、内容の書き方に一貫性がない。
  C 不適切な小見出しのつけ方である。研究記録の文
   章の特色が現われていない。


  (四) 七   月 

  129

機  能  お願いの気持ちを相手に伝えるために書く。 
学習活動
指導事項

題材例 
手紙を書く。
1 お願いする気持ちをこめて書くこと。
2 書式に従って書くこと。
 旅行先へのお願い 見学のお願い
 調査のお願い 

    単元 林間学校
  単元について
 間近にせまった夏休み、児童はそれぞれ旅行や、親類に宿
泊にいく楽しい計画を立てるであろう。
 夏休みは、また、ふだんできない研究(特に他の土地に行
って行なう研究)などのできる機会である。そのとき、前も
って宿泊や研究などの便宜を計ってもらうお願いの手紙を出
しておく必要にせまられる。
 この単元は、夏期施設で行なわれる林間学校について、前
もって状況を知ったり、宿舎の人々にお願いしたりしてお
き、林間学校の生活を有意義に送ろうとして計画したもので
ある。
二 単元の学習目標
 林間学校の生活を書いた文章を読んだり、宿泊所の人々に
お願いの気持ちを伝える手紙を書いたりして、林間学校の生
活を有意義にしようとする気持ちを養う。 
  三 単元の学習内容
 (一) 学習活動
  1 林間学校の計画について話を聞いたり、相談したり
   する。
  2 教材「林間学校から」を読む。
  3 教材「林間学校の一日」を読む。
  4 宿舎の人に依頼の手紙を書く。
 (二) 指導事頃
  1 相手にわかるように心がけて話すこと。
  2 書き手の意図を読みとること。
  3 お願いする気持ちをこめて書くこと。
  4 敬語を適切に使って書くこと。
  5 書式に従って書くこと。
  6 心をこめて文字を書くこと。
四 この単元に用意された教材
 (一) 「林間学校から]林間学校に着いた日、母にあてて出
  した手紙文、内容の中に、前もって手紙でお願いしてお
  いたので準備をしてくれたことを喜んでいる部分があ
  る。
 (二) [林間学校の一日」林間学校の一日を表現した文章、
  この二つの教材を読むことによって、林間学校の生活に
  ついて関心を起こさせ、宿舎の人々には前もってお願い
  しておけば効果的であることを理解させる。そして、依
  頼の手紙を書く活動に発展させる。 
  130

五 単元の指導計画(総時数9時間)
 (一) 林間学校について話し合う。――――┬(2 時間)
 (二) 教材「林間学校から」を読む。―――┘
 (三) 教材「林間学校の一日」を読む。――┬(4 時間)
 (四) 林間学校の生活を話し合う。――――┘
 (五) 林間学校の宿舎の人にお願いの手紙を書
  く。――――――――――――――――┐
  ・どんな点をお願いするか話し合う。 │
  ・お願いの手紙を書く。       ├(2.5 時間)
  ・推考する。            │(作文指導
  ・清書して投函する。――――――――┘第1,2時間)
 (六) 林間学校ではどういう生活態度を取ったらよいか
  話し合う。――――――――――――― (0.5 時間)

六 作文学習指導の展開
 (一) 作文指導第一時
  学習目標 林問学校を開設する宿舎の人々に、お願いす
   る気持ちを伝えるために手紙を書くことができる。


学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ お願いの手紙を出す
 ことを話し合う。〔目
 的確認〕 (15分)
T きょうは、林間学校
 の宿舎の人にお願いの 
・前時の林問学校の生活を話し
 合う段階で、自分たちの林間
 学校の生活はどんなふうにす
 るのか、目的地はどんなとこ
 ろか、ということに関心をも 
 
 手紙を書くのですね。
T どのようなことを書
 いたらよいか、考えた
 ことを、ノートに書い
 てみましよう。
T ノートに書いたこと
 を発表し合い、どんな
 ことを書いたらお願い
 する気持ちが通じるか
 話し合いましよう。
C ぼくたちは、こんな
 係を決めて、こんなふ
 うにやりたいというこ
 とを書いたらどうか。
C よその学校はどんな
 ふうにしているかを調
 べてもらって、向こう
 へ行ったら話してもら
 うことを頼む。
C 規律正しく生活する
 から、よろしくという
 ことを書いたらよい。 
 たせる。そして宿舎の人に自
 分たちからの計画を知らせ、
 お願いしようという気持ちを
 起こしておく。
○書くことを話し合うと、一部
 の児童の意見に引きずられる
 おそれがあるので、まずおの
 おのに、ノートに書かせたほ
 うがよい。
・机間巡視をし、考えつかぬ児
 童に次のような助言をする。
 ・知らない人に出すのだから
 ・まず、何を知らせたらよい
  か。
 ・林間学校を行なうために、
  学級で話し合ったことも知
  らせたらどうか。
 ・林間学校の周囲の状況を教
  えてもらうようにしたらど
  うか。
・なるべく多くの児童に発表さ
 せ、よいと思うことは、各自
 ノートに書き加えさせてお
 く。
○どんなことを書いたら、お願
 いする気持ちが伝わるかを理 

131

 
 
 
 
T 今みんなが話し合っ
 たことで、それはよい
 考えだと思ったことが
 あったら、ノートに書
 き加えなさい。
A 手紙を書く。
      (25分)
T では、自分で書きた
 いと思ったことを、ど
 う書いたら相手の人に
 通じるかを考えて手紙
 を書きましょう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
B 書き上げたら、読み 
 解すること。
・特に必要だと思われる児童の
 発表は、要点を板書しておく
 ようにする。
・他人の模倣でなく、自分で気
 づかなかったことでよいと思
 ったことを自分で判断して取
 り入れさせる。

○お願いする気持ちをこめて書
 くこと。
○書式に従って書くこと。
・この書式は、読解指導のとき
 内容を理解させると共に、手
 紙の形式についても理解させ
 ておく。
 ・はじめのあいさつ
 ・本文、用件
 ・おわりのあいさつ
・手紙の長さは、四百字詰原稿
 用紙一枚程度でよい。
・机問巡視して、手紙文の書式
 に合わない書き方をしている
 児童には手紙文でははじめに
 何を書くかを思い出させる。
・書き上げるのに、児童によっ 
 
 返す。   (5分)
T 書き上げた人はお願
 いする気持ちが相手に
 伝わるようにことばの
 使い方、文字の誤りな
 どを直して出してくだ
 さい。 
 て遅速があるので、早く書き
 上げた児童には読み返し、文
 字語句の修正をさせる。文字
 ・語句を修正するにも、目的
 意識をはっきりさせて修正さ
 せる。
・提出させた文章は、次の時間
 までに一応目を通し、問題に
 なる作品をひろい出しておく
 問題とする作品は、次のよう
なことを含んだもの。
 ・書式が正しくないもの
 ・敬語の正しく使えないもの
 ・かなづかいの正しくないも
  の
 ・お願いする気持ちが現われ
  ていないものなど。 

 (二) 作文指導第二時間
  学習目標 お願いの気持ちが相手に通じるように、推考
  することができる。

学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 学習の目あてを話し
 合う。   (5分)
T きょうは、この前書 
・前時に書いた手紙文の中より
 適当なものを選んでプリント
 しておく。 

132

 いた手紙を清書しまし
 よう。その前に先生が
 みんなが書いた手紙文
 の中から一通印刷して
 おきましたのでみんな
 で直してみましょう。
T どんな観点から直し
 たらよいでしょうか。
C お願いの気持ちが現
 われているかどうか。
C 文字の誤り。
C ことばづかい。
C 初めのあいさつが書
 けているか。
A 共同で推考する。
T では、そのような点
 から、プリントの手紙
 をめいめいで推考して
 みよう。  (20分)
 
 
T どんなところを、ど
 う直したか、みんなで
 話し合ってみましょ
 う。
C この手紙の書き方で 
<例文>
 私は、言問小学校五年三組
の伊藤澄子です。私たちの学
級の人たちはみんなほがらか
でよい人たちばっかりでござ
います。でも、ちょっとさわ
いだりします。
 林間学校で、そっちえ行た
ら宿舎の人と友だちになれる
と思います。
 宿舎からは芦の湖がみえる
でしょおか。金時山もみえる
でしょおか。私たちは金時山
に登るのですが、私にのぼれ
るかどうか心配です。
 私たちは、林間学校をりっ
ぱにするように、係を決めま
した。私はリクレーションの
係です。
 私は宿舎がどんなところか
心配です。きたないといやで
す。おとうさんやおかあさん
もそんなお話をしていらっし
ゃいます。そっちえ行たら、
箱根の話をしてください。
 
 
 自分の名まえの書き方
 がおかしい。もっと下
 にさげて書かなければ
 いけない。
C 日付けもいれた方が
 よい。
C 初めのあいさつがお
 かしい。
C お願いの気持ちが現
 われていない。これは
 自分たちのことを知ら
 せるのとたずねる手紙
 だ。


T お願いの気持ちが現
 われるように書くには
 どう直したらよいだろ
 うか。
C 私たちの計画や日程
 を知らせて、よろしく
 お願いしますと書いた
 ほうがよい。
C 食事やその他の世話
 をしてくれるのだから
 よろしくとお願いする 
      さようなら
 伊藤澄子
 宿舎のおじさんへ 
・この例文は、目的にかなった
 ものではない。すなわち宿舎
 をお願いする気持、世話にな
 るからよろしくという気持ち
 が表現されていない文章の例
 である。
 表記上の誤りもあり、敬語
 の使い方、形式、文章の構成
 にも問題のある文章。
  共同推考させるときは、な
 るべく誤りが発見しやすい文
 章のほうがよい。
○お願いする気持ちが現われる
 ように書くにはどう書いたら
 よいか理解すること。
・手紙を書くときは、つねに何
 かの目的があり、その目的を
 達成するために書くというこ
 とをはっきり認識させる。
 
 

133

 ように書く。
C 文章全体の組み立て
 を考えて書く。
T そのほか、直したと
 ころは。
C ことばの使い方で初
 めのございますはおか
 しい。
C 最後の箱根の話は、
 お話としなければいけ
 ない。
C 宿舎がきたないとい
 やですは書かないほう
 がよい。
T 手紙は相手に対する
 尊敬の心がなければな
 りませんね。その点か
 ら、何をどう書いたら
 よいかを考えてみまし
 
 
 
T 文字の書き方ではど
 うでしょうか。
 
 
 
 
 
○敬語を適切に使って書くこと
 を理解すること。
・宿舎の人は目上の人だという
 気持ちを持って書かせるよう
 にする。そのために適切な敬
 語を使わせる。
 この文章では、児童が指摘し
 た以外に、
 そっち=そちら
 行ったら=うかがったら
 おとうさんやおかあさん=父
 や母
 お話していらっしゃいます=
 話しています。(この両親に
 敬語を使って書いている児童
 がある。特にとりあげて指導
 する必要がある。)

○心をこめて文字を書くこと。
・この手紙では、助詞「ェ」を
 えと書いている。また「行っ
 た」を「行た」と「っ」をぬ
 かしている。
 
 
 
T では、どう直したか
 読んでもらいましょう
 
 
 
 
B 自分の手紙を推考す
 る。    (10分)
T 今のことを参考にし
 て、自分の書いた手紙
 を直してみましょう。
C 清書する。(10分)
T 直した人は、便箋に
 清書しましょう。 
 ウ列長音の表記にも注意して
 指導する。
・二、三の児童に指名して読ま
 せる。特に、書き出しについ
 て指導する。知らない人に手
 紙を書く場合はなかなかむず
 かしいので、児童は書き出し
 に困難を感じている。
 
 
 
 
 
○心をこめて文字を書くこと。
・用紙は縱罫の便箋を使用させ
 便箋に慣れさせる。 

 (三) 作文指導第三時(前半の〇・五時)
  学習目標 手紙が確実に相手に屈くために、正しく封筒
   の表、裏書きができるようにする。

学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 封筒の表・裏書きに
 ついて話し合う。
     (10分)
T きょうは、書いた手 
・手紙文を書かせたなら、相手
 に届けるようにしなければな
 らない。そのために、封筒の
 表・裏書きをさせる。しかし 

134

 紙を投函するために、
 封筒の表と裏書きをし
 ましょう。
T 表には、どのように
 書くか。
 
 
T 裏には何をどう書い
 たらよいか。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
T では、封筒に書いて
 みよう。  (10分)
T 書き上げたら、手紙
 を入れて、先生に出し 
 実際に相手に送る場合は、教
 師がまとめて、大きな封筒に
 入れて送る。
・宿舎の住所、旅館名、代表者
 名などは、あらかじめ調べて
 おく。林間学校のしおりなど
 に印刷して配布する。
・何を書くかは大体の児童は知
 っているようだが、完全に書
 けるように指導する。参考ま
 でに、国研で調査した資料を
 あげておく。
・宛名・差出人・位置・日付・
 〆が完全なもの 18.7%
・日付だけがぬけている。
         12.5%
・〆がぬけている。10.4%
・日付・〆がぬけている。
         47.9%
・日付が表にある。 4.2%
・敬称がぬけている。2.1%
(高学年の読み書き能力参照)
○書式に従って書くこと。

・目的に応じた適切な処理をす
 る。投函前に、手紙文を評価 
 
 
なさい。先生がまとめ
て、宿舎の方に送りま
す。 
するために封をしないで教師
に提出させる。 

 *残りの半時間は、林問学校の生活について話し合い、よ
  りよい生活が送られるようにする。
 *また、林間学校に行ったら、着いた日に、安着のこと、
  その日の生活、宿舎のことを両親に知らせる手紙を書く
  ように計画をたてておく。
七 作文の処理と評価
 (一) 処理
  ・宿舎の人に読んでもらい、宿舎の人が、児童を迎える
   気持ちをもつことによって初めて手紙文を書いた目的
   が達成される。そのため、この作品の処理は投函する
   ことである。
  ・推考以前に教師は全児童の手紙に一応目を通す、そし
   て展開の指導上の留意点にあげた観点から問題になる
   作品を選定しておく。また、投函前に、評価の立揚か
   ら作品を読み、次の観点から評価する。
 (二) 評価の観点と基準
  1 お願いする気持ちが相手にわかるように書かれてい
   るか。
   A 相手を尊重し、相手の立場にたってお願いしてい
    る。
 

135

 B お願いすることばは書かれているが、自分勝手な
  ことを書いている。
 C お願いする気持ちが現われていない。
2 敬語の使い方は正しくできるか。
 A 尊敬語、謙譲語、丁寧語が適切に使える。
 B 尊敬語、丁寧語は使えるが、謙譲語が正しく使え
  ない。
 C 敬語を使おうとする意識がはっきりしない。
3 書式に従って正しく書いているか。
 A 宛名・日付け・自分の名が正しい位置に、きちん
  と書かれている。
 B 宛名・日付け・自分の名はおちていないが、位置
  が正しくない。
 C 宛名や日付け・自分の名のどれか一つ以上がおち
  ている。

 (五) 九   月

機  能  自然と生活の関係に対する関心を高めるため
に書く。 
学習活動
学習事項
 
 
 
題材例 
台風やこのごろの自然のようすを文章に書く。
1 揚面や情景が目に浮かぶように書くこと。
2 自然と生活の結びつきを考えながら書くこ
 と。 
3 推考すること。
 流された橋 台風のあと 台風 洪水
 
    単元 台 風
一 単元について
 毎年、この時期になると、大なり小なり、台風の被害を受
ける日本、その自然現象を不可抗力として手をこまねいてい
るのでは、いつまでたっても同じようなことを繰り返してい
るに過ぎない。この台風の被害をどうしたら最小限にくい止
められるかということを五年生ごろになると考え出してく
る。この時期に台風の話題をとりあげ、自然と生活の深い関
係について考えさせることは必要なことである。
二 単元の学習目標
 台風について書いた文章を読んだり、また、文章を書いた
りして自然現象に目をむけ、生活との関係を考えることがで
きるようにする。
三 単元の学習内容
 (一) 学習活動
  1 新聞記事の台風の情報を読んで話し合う。
  2 「観測船」の文章を読む。
  3 「台風がきた」の文章を読む。
  4 台風について、文章を書く。
  5 場面描写の練習。
  6 推考する。 

136

 (二) 学習事項
  1 話題からそれずに話すこと。
  2 自分の生活や考えと比べながら読むこと。
  3 自然と生活の結びつきを考えながら書くこと。
  4 場面や情景が目に浮かぶように書くこと。
  5 推考すること。
四 この単元に用意された教材
 (一) 「観測船」台風が近づき、観測船からつぎつぎと情報
  が流れてくる。あれくるう海にいどんで観測をし続ける
  観測船の活躍を書いた文章。これを読むことによって、
  自然にいどむ人々の労苦を知ることができる。
   「台風がきた」児童作品で、台風に直面し、自分の通
  学している学校へ避難し、大勢の人々の不安におののく
  様子や、家族と共に避難できなかった消防団員の父を心
  配する気持ちがよくでている文章である。特に強い風雨
  にさらされながら避難所へ向かう、作者の迫力ある描写
  は表現上の参考になる。(場面や情景が目に浮ぶように
  書くこと)
五 単元の指導計画(総時数11時間)
 (一) 台風について話し合う。―――――┬ (4 時間)
 (二) 教材「観測船」を読む。―――――┘
 (三) 教材「台風がきた」を読む。――――(3 時間)
 (四) 台風に取材した文章を書く。―――┐
  ・台風のどんなことを書くか話し合う │(3 時間) 
    ・文章の書き出しを考える。     │(作文指導
  ・文章を書く            |第1,2,3時)
 (五) 場面描写の練習をする。=====┤
 (六) 推考する。―――――――――――┘(1 時間)
  書きかたのくふう
  @ これでは作文学習にならない
  A 実際の活動は取材からあとに重点がおかれている。
六 作文学習指導の展開
 (一) 作文指導第一時
  学習目標 台風の文章を書くときの取材・書き出しにつ
   いて考えることができるようにする。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 台風について文章を
 書くことを話し合う。
       (15分)
T きょうは、台風につ
 いて作文を書くのです
 ね。どんな点について
 書きますか。
C テレビのニュースで
 見た台風の様子。
C この間、台風が来る
 ということで、準備し
 たこと。 
・台風を直接経験した場合と、
 間接経験の場合とでは、動機
 づけは変わってくる。直接経
 験した場合は、そのときの様
 子を話し合って、何を書くか
 を簡単に決めることができ
 る。直接経験していない場合
 は、テレビ、新聞などから話
 題をとりあげる。 

137

T 自分の書いてみたい
 ことを、ノートに簡単
 に書いてみましょう。
T 書けた人に発表して
 もらいましょう。
  (二、三の児童を指
 名して発表させる。)
A 書き出 (20分)
T どんな書き出しをし
 たら、そのときの情景
 がよく表わせるか、書
 き出しの一文だけを書
 いてみましょう。
T 書けたら発表してく
 ださい。 
・個別指導によって、何を書い
 てよいか迷っている児童に助
 言を与える。
<ノート例>
・ラジオで台風の予報を聞い
 たときの気持ち
・家中で準備したこと
・テレビを見ながら心配した
 こと
・台風がそれてほっとしたこ
 
・書き出しの指導をする。
  書き出しによって、文章全
 体が規制されると言われる。
 ここでは場面や情景を目に浮
 かぶように書くという点か
 ら、書き出しだけを書いて考
 えさせる。 
C 「学校から帰って、家の戸のくぎの抜けかけたところ
 をうち直した。」
C 「三宅島の東方十キロの海上を、風速四十メートル・
 時速○○キロの速さで北上しています。とテレビの台風
 情報。」
C 「ごうごうと、木の枝を渡る風の音、カタカタと雨戸
 のなる音。」 
 
B 文章を書く注意を話
 し合う。  (10分)
T 台風のくる前の不安
 な気持ちが書き出しで
 よくわかりますね。様
 子が目に浮かぶように
 書くには、どんなこと
 に気をつけたらよいで
 しょう。
C くわしく書く。
C ことばを入れて書
 く。
C そのときの様子を説
 明する。
T 会話を入れて文章を
 書くと、文章が生き生
 きとしてきますね。こ
 の次の時間には、今、
 書いた書き出しに続け
 て、文章を書きましょ
 う。 
○場面や惜景が目に浮かぶよう
 な書き出しが書けること。
・児童が発表した書き出しの文
 を板書して、どんな書き出し
 がよいか考えさせる。平凡な
 書き出しをしている児童に
 は、もう一度考えて書き直さ
 せる。
 
 
・特に、どんな書き表わし方を
 したらよいか。文章を書く前
 に注意をしておく。しかし、
 あまり強く言うと、この点に
 こだわってかえって文章が書
 けなくなるので程度を考え
 る。 

 (二) 作文指導第二時
  学習目標 台風に取材した文章を書くことによって自然
   と生活との関係について認識を深める。
  本時の目的を確認して、記述にはいる。記述は四○分ぐ 

138

 らい、あとの五分で読み返し、教師に提出させる。
 (三) 作文指導第三時
  学習目標 書いた文章を推考して、自然と生活の結びつ
   きについて理解を深める。

学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 共同で推考する。
      (15分)
T 前の時間に書いても
 らった作品の中から一
 点プリントしておきま
 したから、みんなで直
 してみましょう。
  気がついたところは
 どんどん横に書き込ん
 でごらんなさい。 
・プリントして与える作品は、
 中程度の作品で、学習事項に
 照らして推考ができるもの。
・推考するとき、次の観点を示
 してそれに照らして推考させ
 る。
・場面や情景が目に浮かぶよう
 に書いてあるか。
・会話を入れて書いてあるか。 
     台   風     (プリント)
 風がごうごうと音をたてて吹いている。庭の木が今にも
たおれそうだ。
 ぼくは、にいさんと教科書を全部、ビニールのふろしき
につつんでかばんにいれた。それから食べ物を箱につめた。
おとうさんは、外に出て、雨戸に板をうっている。おかあ
さんは着物をまとめてつつんでいる。台風の用意が終わっ
て、みんなでテレビの前に集まって台風情報を見た。
 午後三時からぼう風けんにはいり、午後八時から九時に 
 
かけて、東京湾が満潮になるので、そのときが一番あぶな
いといっている。心配しながらテレビを見ていた。
 四時ごろ、風も雨も強くなってきたが、八時ごろになっ
て、予定のコースからはずれたと放送したので、ほっとし
た。
 「これで助かった。」とおとうさんが言った。
 おかあさんも着物をふろしきから出した。
「台風がくるたびに、こんなこわい思いをするなんていや
だね。なんとかならないのかね。」とおかあさんは、言って
いた。 
C 会話が少ない。
C テレビで放送してい
 ることばを書いた方が
 よい。
C テレビを見ている様
 子が書けていない。
A 場面描写の練習をす
 る。    (15分)
T 場面をはっきり書く
 には、会話を入れて書
 くとよいですね。二番
 目の段落の部分を自由
 に想像して会話を入れ
 てみましょう。 
 ・作品を読んで気づいたことを
 発表させる。また児童が直し
 た点も発表させる。
 
 
・会話は児童に自由に想像させ
 て挿入させる。
・できたら、二、三名の児童に
 発表させ、前の文と比べさせ
 て、どちらがよく場面や情景
 がはっきりわかるか考えさせ
 る。
○会話を入れて、場面の情景が
 目に浮かぶように書くこと。

139

B 自分の文章を推考す
 る。    (15分)
T 今のように、会話を
 入れたり、説明を入れ
 たりして、様子がよく
 わかるように、自分の
 文章を直してみましょ
 う。
T できたら先生に出し
 てください。 
○推考すること。
・どのように推考するかをみる
 ため、原文を消しゴムで消さ
 ないで、鉛筆で線をひかせて
 直させる。
・できれば、推考の記述上の約
 束を決めておく。
 行変え 一字さげる 挿入
 削除 入れ変え など。 

七 作文の処理と評価
 (一) 処理
  ・教師が評価した後、個人文集に綴じ込んでおかせる。
 (二) 評価の観点と基準
  (1) 場面や情景が目に浮かぶように書けているか。
   A 描写が細かく、特に会話を効果的に使って書いて
    いる。
   B 会話を使っているが説明が簡略である。
   C 概念的な書き方をしている。
  (2) 推考することができたか。
   A 推考の観点に照らし、自分の欠陥をよく見きわめ
    て直している。
   B 文字・語句の推考がほとんどである。
   C 原文とほとんど変わらない。 
 
   (六) 10  月

機  能  工業生産に関心を増すために書く。 
学習活動
学習事項
 
 
題材例 
工場見学の記録を書く。
1 注意深く観察し、正確に記録すること。
2 文章の組み立てを考えて書くこと。
3 事実と意見を書き分けること。
 鉛筆工場見学  ガラス工場見学
 自動車工場見学 

    単元 工場見学

一 単元について
 児童は、社会科の学習などに刺激されて、工場生産に関心
が高まっている。ここでは、児童の身近な品物を作り出す、
工場の見学を行ない、その記録を書いて、生産過程や、工揚
で働く人々に対しての知識や理解をいっそう深め、確実なも
のにしたい。(この単元は、社会科の単元「日本の工業」な
どに関連して扱う。)
二 単元の目標
 見学して得た知識を整理して記録することにより、工業生
産に対する関心を高める。
三 単元の学習内容
 (一) 学習活動 

  140
  1 見学した経験を話し合う。
  2 教材「ちり紙工場の見学」を読む。
  3 見学についての話し合い。
  4 見学記録の書き方を調べる。
  5 見学する。
  6 見学記録を書く。
 (二) 指導事項
  1 話の順序を決めて話すこと。
  2 文章の組み立てや叙述に即して正確に読むこと。
  3 メモをとること。
  4 注意深く観察し正確に記録すること。
  5 文章の組み立てを考えて書くこと。
  6 事実と意見とを書き分けること。
四 この単元に用意されている教材
 (一) 「ちり紙工場の見学」は、ちり紙工場の見学記録であ
  る。ちり紙の製造工程を中心にして述べた記録文で、そ
  の内容は記録文としての形態をよく備えたものである。
  この教材を読みとることにより、記録の書き方の参考と
  する。
  内容 ・前書き
   (1) 原料の置き場
   (2) 原料の選別所
   (3) 原料の処理
   (4) 紙をすく 
     (5) 荷造り
五 単元の指導計画(総時数12時間)
 (一) 見学の経験を話し合う。――――――┐
 (二) 学習計画を立てる。――――――――┴(1 時間)
 (三) 教材「ちり紙工場の見学」を読む。――(3 時間)
 (四) 見学の記録の書き方を調べる。――――(1 時間)
                (作文指導第一時)
 (五) 見学する。―――――(社会科に関連)(4 時問)
 (六) 見学記録を書く。―――――――――― (2 時間)
                (作文指導第二、三時)
 (七) 見学記録を整理する。――――――― (1 時間)
                (作文指導第四時)
六 作文学習指導の展開
 (一) 作文指導第一時
  学習目標 見学記録に書く内容を考えることによって、
   どのように見学したらよいかを理解する。


学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 見学について話し合
 う。    (10分)
T 鉛筆工場で、どんな
 ことを見学してきます
 か。 
○見学の目的、見学事項をはっ
 きりつかむ。
<板書>
鉛筆工場見学 

  141

C 鉛筆が、どんなふう
 に作られるか見てきま
 す。
C 鉛筆は何からできて
 いるか見てきます。
T 見学後に記録してお
 きましょう。
 そのためには、どんな
 ことが必要ですか。
C よく見てくる。
C 説明してくれる人の
 話をよく聞く。
C メモをする。
A 記録の書き方につい
 て話し合う。(30分)
T 記録はなんのために
 書くかを考え、どんな
 ことを記録しておいた
 らよいでしょう。
C 鉛筆のでき方。
C どのくらいできるか
C 鉛筆の原料。
C 工場の中の様子。
T 記録しておくことが
 たくさんあるね。それ
 を整理してみよう。 
どのように作られるか
何からできているか
どんな機械でつくられるか
説明されたことをメモする
 ・メモのとり方
  大事なこと かんたんに
  数字など 
 
 
 
 
 
・注意深く正確に記録すること
・記録しておく内容を考えるこ
 とにより、見学の目あてをは
 つきりさせる。
<板書例>
記録には何を書くか
・鉛筆の原料
・製作過程
・生産高
・働いている人の様子
・見学して感じたこと
・見学の日時、道順、帰校時
 刻 
 
 (児童の発言に従って
 板書して整理する。)
T 今話し合ったことに
 注意して見学をしてき
 ましょう。 
・漠然と見学の目的を考えさせ
 ないで、記録しておく内容を
 考えさせて、何を見学してく
 るかを理解させる。
 筒単に書いたりくわしく書い
 たりすること。 

 (二) 作文指導第二、三時
   学習目標 見学記録を書くことによって、見学した知識
    をいっそう確実にする。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 見学したことを話し
 合う。  (15分)
T 鉛筆工場を見学して
 きましたね。
  どんな順序で見学し
 ましたか、ノートに書
  いてみましょう。
T 発表してもらいまし
 ょう。
C 児童ノートを見て発
 表する。
A 記録を書く方法を話
 し合う   (10分)
T 記録文は、どんなこ 
<ノートの例>
・学校へ集合
・工場につく
・説明してもらう
・工揚の中にはいる
 みぞをほる
 しんを入れてのりづけ
 いたをえんぴつの形にけ
 ずっていた
 けんさした
 えんぴつに色をぬる
 えんぴつに文字をいれる
 にづくりをして発送
 

142

 とに注意して書きます
 か。
C 調べたことを正確に
 書く。
C 小見出しをつけて書
 く。
C メモを見ながら書く。
C 感想も書く。
B記録文の構想を考え
 る。    (20分)
T では、どんなことを
 どんな順に書くかノー
 トにその要点を書いて
 みましょう。
 
 
 
 
 
C 記録文を書く。
        (45分)
T それでは、いろいろ
 な書き方をくふうして
 書いてください。
   ―記述する― 
○記録文の書き方は、教材の読
 解指導で行なってきたが、こ
 こで一応確認しておく。
 
 
 
 
 
 
 
・見学したことがらを書いたノ
 ートや、また見学先で書いた
 メモをもとにして構想を考え
 させる。
・記録の機能として、あとで参
 考にするということをよく理
 解させて、構想をたてさせる。
○文章の組み立てを考えて書く
 こと。
○正確に記録すること。
○文章の組み立てを考えて書く
 こと。
○事実と意見とを書き分けるこ
 と。
 書き終えたら推考して教師に
提出させる。教師は、次時の用
 
 
 
  意のため、よく読んでおかなけ
ればならない。 
 (三) 作文指導第四時
  学習目標 自分の書いた文章を推考することによって、
   記録文の書き方を理解する。
 学 習 活 動 学習事項および留意点
@ 隣りの友だちと読み
 合う。   (15分)
T 隣りの友だちと交換
 して読み合い、気づい
 たことを発表してくだ
 さい。
C A君のは、小見出し
 をつけて書いてあるが
 説明が書いてない。
C Bさんのは、学校か
 ら工場まで行くことが
 くわしく書いてあるが
 あまり必要でない。
T どんな点ですか。
C 学校からでて、途中
 クイズをしたとか、町
 の様子が書いてあるか
 ら………。 
・友だちの文章と交換して読み
 合うことにより、文章の欠点
 を見つけることができる。そ
 してその観点から、また自分
 の文章を見直していくように
 させる。
・友だちの欠点をついたり、あ
 げ足をとったりすることは十
 分注意しなければならない。
・文字の誤りや、書き方だけに
 話が発展したら、記録はなん
 のためにするのか、目的を確
 認させる。 
 

143

T それは必要ではない
 でしょう。
C Dさんのは、鉛筆を
 作る順序をよく説明し
 あとに感想がとてもよ
 く書けていた。
A 文章を推考する。
      (15分)
T では、もう一度自分
 のを読み返し、小見出
 しをつけてまとめて書
 いているか、必要なと
 ころはくわしく書いて
 あるか、感想が書かれ
 ているかを考えて、直
 してみましょう。
B 清書する。(15分)
T 書きあげた記録は各
 自の文集にとじこんで
 おくため、清書しまし
 ょう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
○小見出しをつけて書くこと。
○必要な点をはっきり書くこ
 
 
○感想を加えて書くこと。
・文字の誤りにも注意を向けて
 推考させる。
 
・見学記録の処理は学級で綴じ
 て保存しておくこともよい
 が、その場合は、分担して書
 いたときが望ましい。ここで
 は分担せず、全員が同じこと
 を書いたので個人文集に綴じ
 込ませた。 
七 作品の処理と評価
 (一) 処理 
    ・清書させ、個人文集に綴じ込んでおかせる。
 (二) 評価の観点の基準
  (1) 文章の組み立てを考えているか。
   A 小見出しをきちんとつけ、必要な点を要領よく説
    明している。
   B 小見出しはついているが、必要な説明が十分でな
    い。
   C 小見出しが正しくついていない。
  (2) 正確に記録してあるか。
   A 数字や製造過程が正しく記録されている。
   B ときどき、数字や製造過程に誤りがある。
   C 数字などは使わず、概念的な書き方をしている。
 作品例 

    えんぴつ工場見学
一 原料のこと
 ぼくの使っているHBのえんぴつのしんは、こくえんが
七五パーセント、ねん土が二五パーセントからできてい
る。
 えんぴつの木は、いろいろな地方からくる。五円のえん
ぴつは、おもに北海道でとれるしなという木で作っている。
十円のえんぴつは外国から輸入している木で作っている。
 えんぴつのまわりの木は、板と板をはり合わせて作る。
そのつける薬をごうせいじゅしという。
二 作る順序 

144

 えんぴつは次の順序でできていく。
 1 板の水分をとる。
 2 みぞをほる。
 3 しんを入れてのりでつける。
 4 板をえんぴつの形にけずる。
 5 えんぴつを一本一本にきり、きずがあるかないかを
  調べる。
 6 えんぴつに色をぬる。
 7 えんぴつ一本一本に文字をいんさつする。
 8 えんぴつを箱づめにする。
三 工場の中のようす。
 働いている人数は三十人ぐらいいた。機械は約十種類ぐ
らいあった。中でもすごかったのは、みぞの中にしんを入
れる機械で、とても早く動いていた。
四 感想
 ぼくは、えんぴつのしんはすみで作るのかと思っていた
ら、ねんどとこくえんだということでした。2BとかHB
2Hというのは、このねんどとこくえんのまぜかたによっ
て決まるのだということも初めて知りました。
 毎日使っているえんぴつは、ずい分おおぜいの人によっ
て作られるのだということがわかり、びっくりしました。 

   (七) 十一  月 
 
 機  能   感動を表現し、他人を動かすために書く。 
学習活動
指導事項


題材例 
 読書紹介文を書く。(読書感想文)
1 読んで感動したことが相手にわかるように
 書くこと。
2 読もうとする気持ちが起こるように書く。
 心をうたれた本 ためになった本 私の読ん
 だ本 

    単元 私のすすめたい本

一 単元について
 このごろの児童は、読書欲が旺盛になり、特に伝記や物語
あるいは科学的な読物に興味を持つようになる。その読んだ
本を、自分だけのもにせず、他人にも自分と同じような経験
や感動を起こさせるように、紹介し合うことは、読書生活を
充実させる上に、また仲間作りに必要なことである。
 この点から、教材の伝記を読み、その発展として、それぞ
れ自由に読書して感動したことをもとに、文章を書いて発表
し合い、読書生活を向上させようとするのが、この単元の働
きである。
二 単元の学習目標
 読書して感動したり、知識を深め広げたりできた本を友だ
ちに勧めるために紹介文を書き、お互いに読書生活の改善を
はかる。 

 145

三 単元の学習内容
 (一) 学習活動
  1 教材「白熱電燈」を読む。
  2 図書館で本を選んで読む。
  3 読んだ本の紹介文を書く。
  4 紹介文を発表する。
 (二) 指導事項
  1 文章の主題を読み取ること。
  2 読んで感動したことが相手にわかるように書くこと
  3 勧めたいわけがわかるように書くこと。
  4 自分の読書のしかたを反省すること。
  5 段落相互の関係に注意すること。
四 この単元に用意された教材
 「白熱電燈」……この教材は、エジソンが白熱電燈を発明
するまでの労苦を書いた伝記的物語文である。これを読むこ
とによって、先人の労苦を感得させ、文化を築いた人々をも
っと知ろうという気持を育てる。そして、図書室で伝記など
を読む活動に発展させる。
五 単元の指導計画(総時数11時間)
 (一) 「白熱電燈」を読み、学習計画を立てる…(1 時間)
 (二) 「白熱電燈」を読む…………………………(5 時間)
  ・感動したことを話し合う。
  ・エジソンの労苦を調べる。
 (三) 図書館で本を読む……………………………(2 時間) 
   (四) 読んだ本について感想を書く…………………(2 時間)
                 (作文指導第一、二時)
 (五) 感想文によって読んだ本を紹介する…………(1 時間)
六 作文学習指導の展開
 *学校図書館で本を読む前に、自分が選んで読んだ本がよ
  かったらひとに勧めよう。もし、よい本でなかったらど
  うしてよくないかを発表し合おうという目的をもたせて
  読ませる。
   選ぶ本は、世の中の人々のために貢献した人の伝記と
  する。
 (一) 作文指導第一時
  学習目標 自分の読んだ本を、ひとに勧めるために読書
   感想文を書く計画を立てることができる。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 勧める理由を話す。
       (10分)
○ 私はヘレンケラーを
 読みました。ヘレンケ
 ラーは、おしで、つん
 ぼで、めくらですが、
 えらい人です、読んで
 とてもよかった。
A 発表の方法について 
・まず口頭で発表させる。数名
 の児童に発表させた後、今紹
 介された本の中で読みたくな
 った本はどれかを質問する。
・口頭発表は原稿がないとなか
 なか要点をつかんで話せない
 ので、聞いている児童もよく
 理解できず、読みたくなると
 いうことはないであろう。そ 

 146

 話し合う。 (5分)
T いま口頭で発表した
 がよくわからないとい
 う意見が多いが、どう
 したら相手にわかるよ
 うにできるか。
C 書いて発表すればよ
 い。
T 文章に書いて発表す
 ればいいですね。では
 どんなことを書いたら
 よいか考えてみましょ
 う。
A読書紹介文を書く内
 容について話し合う。
      (10分)
O あらすじ
○ 著者
O 発行所や定価
O よいと思ったこと
T 一番大事なことはな
 んでしょうか。
C よいと思った理由
C 勧めたい理由。 
 こで、発表のしかたについて
 話し合い読書感想文(紹介
 文)を書こうという目的をも
 たせる。
・現在行なわれている読書感想
 文は、何のために書くかとい
 う理由がなく、読んだら感想
 文を書かせられることが多
 い。そのために、児童はしか
 たなく書き、結局は読書その
 ものもおっくうになってしま
 う。ここでは、はっきりと読
 書紹介という目的.特に勧め
 たい本ということで書かせれ
 ば、何を書かなければならな
 いかがはっきりするであろ
 う。また、書いた文章の効果
 が直ちにわかるので児童には
 りあいがでてくる。
○読書感想文の書く内容として
 書き出しのところに、あらま
 し、組立てることがわかるよ
 うに書く。
 作品を読んで感じた中心が作
文の中心部分となるように書
く。それに応じた結びのことば 
 
 
 
T 感動したからひとに
 勧めたいので、自分の
 感動したことが相手に
 わかることが必要です
 ね。それを中心に、あ
 らすじや、著者も書い
 ておいたらよいでしょ
 う。
B 読んだ本の主題や、
 感動した点をノートに
 書いてみる。(20分) 
があるように書く、ということ
が言われている。
・読書紹介文には、どんなこと
 とどんなことを書いておくか
 を理解させる。
・読後、つまらなかったと思っ
 た揚合は、その理由を書いて
 発表させるようにする。
 
 
○感動した点を読み手にわかる
 ようにまとめること。
・わからない児童は、図書館か
 ら自分の読んだ本を持ってき
 て、本を見ながら書かせる。
・感動した部分が、主題につな
 がることが望ましい。主題に
 関係ないようなところに感動
 している児童には助言を与え
 てもう一度読み直させる。 

 (二) 作文指導第二時
  学習目標 目的に従って読書紹介文を書くことができる
 ようにする。 

 147

学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 読書紹介文の書き出
 しを考える。
       (10分)
T 人に勧めるためには
 書き出しの部分がたい
 せつです。
  めいめいに、書き出
 しの部分を書いてみま
 しょう。
T 書けたら発表してく
 ださい。






T 書き出しは、いろい
 ろありますが、勧めた
 いのか、勧めたくない
 のかがはっきりわかる
 ような書き出しが必要
 です。それがわからな
 い書き出しは考え直し 
・勧めたい気持ちがわかるよう
 な書き出しが必要である。そ
 のために、ここで書き出しの
 部分をとり出して指導する。
<例>
@ 「天は大の上に人をつくら
 ず、人の下に人をつくらず」
 という有名なことば、ぼくは
 前から福沢諭吉の伝記を読ん
 でみようと思っていた。
A みなさん、「リンカーン」
 はよく知っているでしょう。
 わたしが読んだのは「リンカ
 ーン」の伝記です。
B 「ヘレンケラー」を読んで
 わたしはその努力に感心しま
 した。その理由は……
C ぼくは、「フォード」の伝
 記を読んでとてもよかったな
 と思った。みなさんもぜひ読
 んだらよいと思う。それはど
 うしてかというと……
  @は読んだ理由、Aは読ん
 だ事実、B感動した理由、C 
 
 たほうがよいでしょう
A読書紹介文を書く。
       (30分)
T 前の時間にノートに
 書いた主題や感動した
 部分をよく考え、読書
 紹介文を書いてみまし
 ょう。
T 書き上げたら、読み
 返し、文字、語句の誤
 りを直しましょう。
       (5分)
T この次の時間は今書
 いた紹介文によって、
 友だちに本の紹介をし
 ましょう。 
 は勧めたい理由である。目的
 から考えるとCの書き出しが
 勧めることがはっきりしてい
 るわけである。
○読んで感動したことが相手に
 わかるように書くこと。
○勧めたいわけがわかるように
 書くこと。
○書きあげたら友だち同士で交
 換して直させてもよい。 

七 作文の処理と評価
 (一) 処理
  ・書き上げた文章を発表させ、その本が読みたくなった
   かどうかを挙手させて調べる。
  ・全部の児童に発表させることができないときは、発表
   しなかった児童の作文は掲示しておき、児童に読ませ
   その後に、読みたいか、読みたくないかを書かせるよ
   うにする。右のような紙を作文の後につけて記入させ 

 148

  る。 

この文章を読んでその本が読みたくなった人の氏名 
 


 ・掲示したものが読み終えたら、勧めたいことを書いた
  文章と、悪いと書いた文章をわけて綴じこんでおき、
  「良い本の紹介」 「悪い本」と題名をつけて、教室に
  かけて、読書のときの参考にする。

(二) 評価
 (1) 勧めたい(または勧めたくない)理由がはっきり書
  けているか。
  A 勧めたい理由がはっきり書かれており、その理由
   も本の主題に添ったものが書かれている。
  B 勧めたい理由は書いてあるが、自分中心的な書き
   方である。
  C 本のあらすじだけは書いてあるが、勧めたい理由
   が書いてない。
  D 読もうとする気持ちがおこるように書けたか(特
   に書き出しについて)
 (2) 書き出しの部分について
  A 読む人をひきつけるような書き方をしている。
  B 自分中心の書き方である。
    C あらすじや、ぬき書きをしていて、一貫していな
   い。
 (3) 児童の相互評価
   紹介文を読んで、その本が読みたくなったかどうか
  を調べる。その文章によって読んだ児童が読みたい
  気持を起こせば、その文章は価値があるわけである。
  読みたい気持ちを起こした児童数から評価ができる。
   また、勧めたくない理由を書いた児童の文章は、ど
  んな理由で勧めたくないかがわかったかどうか聞い
  て、児童が納得した数によって評価することもでき
  る。

 (八) 十二  月

 機  能   調査したことをまとめ、生活に役だてるために
 書く。 
学習活動
指導事項

題材例 
研究報告を書く。
1 調べたことを整理してから書くこと。
2 文章の組み立てに注意して書くこと。
 暮れの町の宜伝 広告 大売り出し 交通量
 デパート 

   単元  宣伝と広告
一 単元について 

 149

 年の暮れになると、どこの商店街でも購買力をそそるよう
な宣伝や広告をしている。それぞれくふうをこらしているの
で児童も興味をもって見るであろう。その宣伝や広告を、た
だ漠然と見ているだけでなく、どんな種類や方法があるか、
どんな点がくふうされているかを調査することは物を科学的
に考えていく能力や、マス・コミに流されない思考力を養う
ことができる。
 現代のように、宜伝と広告に取りかこまれている生活にお
いては、このような学習は価値あることである。
二 単元の学習目標
 宣伝や広告について調査したことをまとめたり、また報告
文を読んだりすることによって、マス・コミに流されない自
覚と批判精神を育てる。
三 単元の学習内容
 (一) 学習活動
  1 暮れの町の様子について話し合う。
  2 教材「宜伝と広告」を読む。
  3 町の宜伝や広告について調べる。
  4 調べたことをまとめて報告を書く。
  5 報告文を読んで話し合う。
 (二) 指導事項
  1 相手の話を尊重して聞くこと。
  3 調べたことを整理してから書くこと。
  4 小見出しをつけて書くこと。 
    5 調べたことについて、考えたこと、感じたことを書
   き加えること。
  6 宣伝や広告の意義や方法が読み手にわかるように書
   くこと。
四 この単元に用意された教材
  「宣伝と広告」……児童が調査してまとめた報告文。
 この文章は、1宣伝の方法、2宣伝を多くしている商品、
3広告の内容、4感想の四つの段落からできている。
 この文章は、児童に町の宣伝や広告について関心をもたせ
調査しようという意欲を起こさせる。また、報告文の書き方
を考えさせる資料として活用させる。
五 単元の指導計画(総時数9時間)
 (一) ……年の暮れの町の様子を話し合い、学習計画を立て
     る。…………………………………………(1 時間)
 (二) ……教材「宣伝と広告」を読む。…………(4 時問)
 (三) ……町の宣伝や広告について調べる。(課外)
 (四) ……教材「宣伝と広告」を読んで、報告
      文の形式を話し合う。――――――┐
 (五) ……宣伝や広告文について報告文を書く┴(3 時間)
              (作文指導第一、二、三時)
      ・何と何を書くか整理する。
      ・文章の組み立てを考える。
      ・報告文を書く。
      ・推考する。 

 150

 (六) ……報告書を読んで話し合う。……………(1時間)
六 作文学習指導の展開
 (一) 作文指導第一時
  学習目標 調べたことをどのようにまとめたらよいかを
   理解する。

学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 調べたことを発表す
 る。    (5分)
T 暮れの町についてど
 んなことを調べました
 か。
C 福引きについて調べ
 た。
C 大正通りの商店の陳
 列の様子。
C テレビのコマーシャ
 ルについて調べた。
T 調べたことを口頭で
 なく文章で発表しても
 らいましょう。きよう
 はその計画を立てまし
 ょう。
A 調査したことをどの
 ように文章に書くか話
・教材を読み、自分たちも町の
 宣伝や広告について調べよう
 という意欲をもたせ、調査を
 家庭学習にしておく。(単元
 の指導計画参照)
・数名の児童に、何について調
 べたかを発表させる。調査し
 たかどうかを確認する。
・報告書を書く方法として
  ・グループで書く。
  ・個人で書く。
という、二つの方法があるがこ
こでは個人個人に書かせるよう
にした。(教材はグループで書
いたようになっている。)

・報告文は、特に文章の組み立
 てをはっきりさせてから書か
 
 
 し合う。  (5分)
T 調べたことをどのよ
 うに書いたら、みんな
 にわかるように書ける
 でしょうか。
C 福引き所の様子をく
 わしく書く。
C 大正通りにはられた
 広告をうつしたので、
 それを全部書こうと思
 う。
T 今、友だちが発表し
 たことを聞いていて、
 こんなことを知らせて
 ほしいということがあ
 りますか。
C 福引所の様子でなく
 福引きはどうしてやる
 か、どんな方法で、ど
 んな賞品があるかを知
 らせてもらいたい。
C 教科書にあった宣伝
 と広告のように項目ご
 とにまとめて書いたら
 よい……。
B 教材を読んで、まと 
 せなければならない。そうで
 ないと、生活を表現した文章
 とかわらなく書き綴っていく
 児童がでてくる。
 
 
 
 
 
 
 
・文章の組み立てについて、読
 み手の立揚から、どんなこと
 が知りたいかを話して、書き
 手に考えさせる。このような
 活動を行なえば、書き手はつ
 ぬに相手意識をもって文章を
 書くであろう。
 
 
 
・報告文のまとめ方について教
 材を参考にするように、再び
 教科書にかえって読ませる。
 読解指導ですでに、報告文は
 どのように文章が組み立てら 

151

 め方を考える。
       (15分)
T 教科書は報告文は、
 どのようにまとめてあ
 るか、もう一度、自由
 に読んでみましょう。
 
 
C 小見出しをつけてま
 とめてある。
C か条書きの部分もあ
 る。
C 耳からはいるもの、
 目からはいるものと、
 共通なものをまとめて
 書いてある。
C 文章の組み立てを考
 える。   (10分)
T 今、話し合ったこと
 を参考にして、みんな
 が調べたことを、どの
 ように報告するか、文
 章の組み立てをノート
 に書いてみましょう。
T まとまった人に発表
 してもらいましょう。
 
 れているかを理解しているだ
 ろうが、いざ自分の間題で書
 くとなるとどうしたらよいか
 わからない児童がでてくる。
 そこで、教科書を読ませれば
 目的をもって読むとともに、
 文章構成も理解されよう。

・児童が報告文の特質を考える
 ことができないときは、説明
 文や物語や生活文などと比べ
 て考えさせる。
○文章の組み立てを理解するこ
 と。
○段落相互の関係に注意するこ
 と。
・参考までに、次に教材の小見
 出しの例をあげる。
・大売り出しのせん伝と広告
前書き
1 せん伝放送について
 (1) せん伝放送の方法
  @がいとうマイク
  Aせん伝力―
 (2) せん伝放送の内容
 
 
 ほかの人はよく聞いて
 いて、自分のと比べて
 意見があったら話して
 ください。
 
 
 
〇 ぼくは大正通りの商
 店の宜伝の方法を調べ
 て、つぎのようにまと
 めた。
1 菓子屋の宜伝
2 とけい屋の宜伝
3 洋品屋の宜伝
   ……………
 商店の種類別に分ける
T ○○君のまとめ方に
 ついて。
C 商店別より、宜伝や
 広告の種類別がよい。
C わたしは、
1 ネオンを使っている
 店
2 かんばん
3 のぼり
 と分けて書こうと思う
 
    (か条書き)
2 かざりつけ・かんばん・
 のぼりなどについて
 (1) 色について
 (2) デザインについて
3 調査をしてみて 

・構想メモの指導。構想を考え
 る揚合、文章形式面、すなわ
 ち、前書きとか、調査の目的
 方法、内容、というような項
 目から考えさせず内容に重点
 をおいて老えさせる。その後
 もっとわかるように書くには
 調査の目的や方法もつけ加え
 たほうがよいことを気づかせ
 るように指導する。
・内容のまとめ方は、児童が調
 査したことがらによって自由
 に書かせたほうがよい。この
 話し合いは、どれがよいとい
 う結論を出すのでなく、自分
 の構想を発表し、友だちのと
 比較し、最もよい構想を立て
 させることをねらっている。
 

152

T いろいろなまとめ方
 がありますが、調べた
 方法や、調べた感想や
 意見もつけ加えて、次
 の時間に書いてみまし
 ょう。 
・ノートを集めて、児童がどの
 ような構想を立てたかを、次
 の時間までに調べておくとよ
 い。そして、問題のある児童
 は個別に指導する。
 
 (二) 作文指導第二時
  学習目標 調べたことを整理して、報告文を書くことが
   できるようにする。 
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 調査した材料を整理
 する。   (15分)
T 前の時間に立てた構
 想に合うように調べた
 材料を整理してみまし
 よう。どのように整理
 したらよいでしょう。
C 表にできるものは表
 にする。
C グラフで表わす。
C 写真をつけたい。
T それぞれどのように
 書き表わすかを考えて
 材料を整理しましょう 
○調べたことを整理してから書
 くこと。
・構想を立てたら、どのように
 表現させるかを考えさせる。
 そのために材料を整理させ
 る。
 整理の方法は、図表・グラフ
・絵・写真と、いろいろ児童に
考えさせ、調査の項目に適した
表現をさせるように整理させ
る。
 報告文は、とくに図表やグラ
フ、写真を適切に挿入して文章
が書けるように指導した方がよ 
 
A報告の文章を書く。
       (30分)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
T 書きあげた人は読み
 返してみましょう。 
い。
○小見出しをつけて書くこと。
○宜伝や広告の意義が読み手に
 わかるように、文章の組み立
 てを考えて書くこと。
・書き始めるとき、構想・材料
 をととのえて書き出している
 かどうか見まわる。
・書きながらも、立てた構想を
 参考にして書かせるようにす
 る。もちろん書きながら構想
 を変えてもよい。
・書き上がらないものは家庭作
 業。 
 (三) 作文指導第三時
  学習目標 書き上げた報告文を目的に応じて推考するこ
   とができるようにする。 
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 推考の観点を話し合
 う。    (10分)
T 前の時間に書きあげ
 た報告文を推考し、清
 書しましょう。
  どんなことを、どの 
・推考の観点は教師が指示する
 前に児童自身で考えさせる。
 そのため、自分の文章を読み
 返させるより、友だちの文章
 を読み合った方が、直さねば
 ならないことに気づく。 

153

 ように直したらよいか
 まず隣りの友だちと文
 章を交換して読み合っ
 てみましょう。
T 読み合って気づいた
 ことを隣りの友だちに
 話してあげなさい。
 
T どんな点について直
 したらよいか気づいた
 ことを発表してくださ
 い。
 
C 説明が簡単すぎてわ
 からないから、わかる
 ように直す。
C 小見出しがついてい
 ない。
C 文字がちがっている
C 文休がごちゃごちゃ
 なのがあるなど。
 
 
 
A観点によって推考す
 る。    (20分) 
・推考はつねに目的に照らして
 推考しなければならない。い
 つも、文字・語句の推考に終
 わらず、その文章を書いた目
 的をふまえて行なわなければ
 ならない。
  この文章は、調査したこと
 を生活に役だつような気持ち
 で書かれていなければならな
 い。
・児童が気づいた推考の観点を
 板書してまとめる。
(例)
どんな点から推考するか。
・読み手にわかるように
・小見出し
・文章の組み立て
・必要でないことはけずる
・文体
・文字・語句 
・推考の観点を一度に多く示し
 ても、混乱して推考できない
 ので、観点をあげさせたら、ど
 の点がいちばん悪いか、挙手
 によって調べ、その悪いもの
 
 
T 説明が簡単でわから
 ないのはどんな点です
 か。
C 写真がはってあって
 「これはおかし屋のウ
 インドです」とだけし
 か書いてない。等
 
 
T では、自分の文章を
 読み返し、説明不足の
 ところは書き加えなさ
 い。
 
T 文章の組み立てで、
 気がついたことは。
 
C OOさんの報告文に
 は、調べた動機、調べ
 た内容、調べた方法、
 調べてから考えたこと
 と書いてあった、動機
 や方法も書いた方がよ
 い。
 
 順に推考させるほうがよい。
・児童の報告文には、図表や
 写真、グラフを書くとそれで
 満足し、説明が簡単なものが
 多い。図表などは、説明をわ
 かりやすくするために使うの
 だということを理解させ、読
 み手にわかるように、必要な
 説明をつけさせる。
○例をあげさせ、それをどのよ
 うに直したらよいかを、みん
 なで考えさせてから、各自の
 文章の推考にかかるようにさ
 せる。
・推考させる場合、まず観点を
 頭に入れて一回文章を読ませ
 直さなければならない所にし
 るしをつけさせる。それから、
 また読みながら直すようにさ
 せる。
○段落相互の関係に注意して書
 くこと。
・構想のとき、文章の形式面か
 らはいらず、内容から構想を
 たてさせたので、動機や方法
 はあまり考えられなかったが

154

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
T 文の形ではどんなこ
 とが気がつきましたか
C 「です。」と書いたり
  「である。」と書いた
 りしているのがある。
T その他、文字、語句
 小見出しなど全体を考
 えて、推考しなさい。
 
B 清書する。(15分)
 
T 推考ができたら清書
 しましょう。 
 二、三の児童にそのように表
 現しているものがあったら、
 とりあげ、報告文には書いて
 おいたほうがよいことを知ら
 せる。
<例>
 調べた動機
  わたしは、暮れの町のせん
 伝や広告より、毎日、テレビ
 で放送されるせん伝にいろい
 ろおもしろいものがあるので
 テレビでどんなせん伝が行な
 われているかを調べた。
○常体の文章が書けること。
○普通、敬体で文章を書いてい
 るので、報告文を書くときも
 敬体で書く児童がいる。また
 教材が常体なので.常体で書
 こうとしている児童も、ある
 部分を敬体にしたりして、混
 乱している文章がある。この
 機会に指導する。
・ここでは推考の観点を四つに
 分け一つ一つの項目ごとに読
 み返させて推考させたが、二
 つぐらいに分けてやらせても 
 
T 書きあげたものはグ
 ループごとにとじてお
 きますから、休み時間
 に回覧して読んでおき
 なさい。 
よい。
 文の組立てと説明
 文体と文字語句の訂正、と
いうように組合わせて。 


 *次時は、この報告を読み合った後の話し合いをし、宣伝
  や広告が何のために行なわれているのか、物を購入する
  とき、宜伝や広告だけによって買うことはどうかを考え
  させる。そのため、代表的な文章はプリントして、課外
  に読んでおくようにさせればなおよい。
 *この発展として同じ研究課題で研究している児童でグル
  ープを作り、一つの報告を書くようにさせることも考え
  られる。
七 作文の処理と評価
 (一) 処理
  友だちや教師に研究したことを報告するために書いた文
 章であるから、この目的に添った処理をする。
  ・グループごとに、報告綴りを作り、回覧して読み合
   う。回覧し終わったら、学級全休の綴りを作り、保存
   しておく。いつでも、児童が読めるようにしておく。
  ・掲示板に、全員の作文を一日交代で掲示して読ませ
   る。
 (二) 評価の観点と基準 

155

(1) 宜伝や広告の意義や方法がわかるように書いている
 か。
 A 意義や方法をよく理解し、自分の考えも含めて文
  章に書きあらわしている。
 B 調べた事実はまとめて書いてあるが、意義などは
  理解が不十分な表現である。
 C 宣伝や広告に関したことは書いてあるが、羅列的
  である。
(2) 文章の組み立てや、見出しのつけ方はよいか。
 A 段落相互の関係を考え、論理的な文章構成である
  見出しも、よめば内容が考えられるようにくふうし
  ている。
 B 必要な項目は書かれているが、文章の組み立てが
  論理的でない。見出しはついているがくふうがたり
  ない。
 C 見出しごとにまとめることができない。
(3) 材料の整え方はよいか。
 A 豊富に材料を集め、必要なものを適切に使用して
  叙述している。
 B 不必要な材料までのせている。
 C 材料の集め方が不足している。

 (九) 一    月
機  能 新年を迎えた喜びや抱負を高めるために書く。 
学習活動
 
学習事項
 
 
 
 
題材例 
感想を書く。
詩を書く。
1 訴えたいことを適切なことばを選んで書く
 こと。
2 感想を効果的に表現すること。
3 新しい年の希望や考えが、はっきりわかる
 ように書くこと。
新年に思うこと わたしの日記帳
わたしの希望 書初め 初まいり 

   単元 希 望
一 単元について
 新しい年を迎えると、だれの心にも何か新しい希望がわい
てくるものである。この新鮮な希望や、新しい年への抱負を
はっきりと自覚させることは、年の初めに当たって必要なこ
とである。それが、これからの一年の生活の指針となってい
くであろう。
二 単元の学習目標
 新年を迎えた喜びや抱負を詩や文章に表現し、新しい年の
生活への自覚を高める。
三 単元の学習内容
 (一) 学習活動

156

  1 新年の希望や抱負を文章に書く。
  2 教材・「わたしの希望」を読む。
  3 教材「新しい日記」を読む。
  4 新年に取材した詩を作る。
 (二) 学習事項
  1 話題からそれないように話すこと。
  2 作者の感動や考えを読みとること。
  3 訴えたいことを適切なことばを選んで表現するこ
   と。
  4 感動を効果的に表現すること。
  5 新しい年の希望や考えがはっきりわかるように書く
   こと。
四 この単元に用意した教材
 「わたしの希望」は四名の児童が、新しい年への覚悟を書
いた文章である。どれも四百字以内の短い文章である。
 この教材は、児童たちの考えを整理したり、また、どのよ
うに表現したら効果的かを理解させるためのものである。
 「新しい日記帳」は、元日に新しい日記帳の第一ページに
書きこむときの感激や、一年の覚悟を表現した詩である。こ
の詩を手がかりとして、多くの詩を読み、それに刺激され
て、詩を作ろうという意欲を起こさせるものである。
五 単元の指導計画(総時数5時問)
 (一) ことしの希望を話し合って、文章を書く。(1 時間)
                   (作文指導第一時) 
   (二) 教材「わたしの希望」を読む。――――┬…(2 時間)
 (三) 自分の書いた文章を推考する。――――┘
 (四) 教材「新しい日記帳」を読む。………………(1 時間)
 (五) 詩を作る。………………………………………(1 時間)
                   (作文指導第二時)
六 作文学習指導の展開
 学習目標 新年の希望や覚悟を文章に書くことによって、
  新しい年への自覚を高める。 
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ ことしの希望を話し
 合う。   (10分)
T 元日や、正月の休み
 中に、ことしはどんな
 ことをしようと考えま
 したか。
C ことしは、学級会で
 もっと発言しようと考
 えた。
C わたしは算数をしっ
 かり勉強しようと思っ
 た。


A希望や覚悟を文章に 
・話し合いは、あまり時間をか
 けないようにする。話す前に
 ことしの希望をノートに書か
 せてから発表させてもよい。
・冬休みになる前に.元日の行
 事について話し、元日に、一
 年の計画をたてることの必要
 性を話しておくこと。そうす
 れば、希望や覚悟がすぐ話し
 合われるであろう。
・希望や覚悟は、空想や、実現
 不可能なものでなく、なるべ
 く身近で実行できそうなもの
 を考えさせる。
・文章を書く目的をはっきりさ 

157

 書く。
T いろいろ考えたこと
 があるようですね。き
 ょうは、それを文章に
 まとめて、保存してお
 きましょう。
T 文章に書く場合、今
 話したことだけを書け
 ばよいですか。
C どうして、その考え
 をもったかも書く。
C どうやったら実行で
 きるかも書いたらよい
T では、きょうは原稿
 用紙一枚に書くように
 何と何を書くかを考え
 て書きましょう。
B読み返す。(5分)
T 書きあげたら、黒板
 に書いたようなことを
 考えながら読み返して
 出してください。 
 せる。ここでは、希望や覚悟
 を文章に書いて保存し、一年
 の終わりに、希望や覚悟が実
 行できたかどうかを考えさせ
 る材料とする。
・文章にまとめる場合、希望や
 覚悟を羅列させるのではなく
 そのうちの一つをとりあげさ
 せる。そして、その考えを書
 いた理由や、実行する方法な
 ども書かせる。

○原稿用紙(四百字詰)一枚に
 まとめられるように、構想を
 考えさせてから書かせる。
○新しい年の希望や考えがはっ
 きりわかるように書くこと。
<板書例>
・希望や考えがはっきり書け
 ているか。
・ことばづかいにまちがいは
 ないか。 
 
  *この後、教材「わたしの希望」を読み、次の観点から指 
    導する。
   ・作者の希望や覚悟は何か。
   ・どんなことばを使って表現しているか。
   ・どんなまとめ方をしているか。
 *読解指導後、自分で書いた文章を読み返し、特に適切な
  ことばを使うことに重点をおいて推考させる。
(二) 作文指導第二時
  学習目標 新年の希望や覚悟などを、詩に表現し、新し
   い年を迎えた喜びを深める。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 新しい年を迎えてど
 んなことを感じたか話
 し合う。  (5分)
T 元日の朝、あるいは
 初詣り、書初めを書い
 たときなど何か考えた
 り感じたりしたことが
 ありますか。
C 元日の朝、神社にお
 参りして、ことしこそ
 は先生に注意されない
 ようにしたいと思った
C 書初めがうまく書け
 てうれしかった。 
・教材「新しい日記帳」の指導
 のとき、詩は感動を表現する
 ことであることを理解させ
 る。
・新年を迎えて感じたことや考
 えたことがあまり発表されな
 いときは、前に書いた「こと
 しの希望」の文章を読んで、
 その考えをどうしてもったか
 を話し合わせる。 
 

158

T きょうは、新年のこ
 とについて詩を作って
 みましょう。
A 何を詩に表現するか
 話し合う。 (15分)
T 詩に表現するものは
 特に心に強く感じたこ
 と、考えたことです。
 どんなことを詩に表現
 したいと思いますか。
T 考えつかない人はこ
 の前書いた、ことしの
 希望の文章の中から、
 このことを書いてみよ
 うと思うものをさがし
 てみましょう。
T さがしたら、そのと
 きの気持ちや様子を表
 わすのに、最もよいこ
 とばを考えてノートに
 書いてみなさい。
B 詩を作る。(15分)
 
 
 
C 詩を発表する。 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
・前時に書いた文章は、ことし
 の希望を二つも三つも書いて
 いる。その中の一つをとり出
 させ、どうしてそう考えたか
 の原因に中心をおき、それを
 詩に表現させるようにする。
 
 
 
 
 
○感動を効果的に表現するこ
 と。
○訴えたいことを適切なことば
 を選んで書くこと。
・できた児童二、三名に読ませ 
 
 
       (10分)   る。どんな点がよいか話し合
 わせる。 

七 作文の処理と評価
 (一) 処理          
  ・ことしの希望は、個人文集に綴じ込んでおく。
  ・詩は原稿用紙に清書して、学級全員の詩をまとめ、詩
   集にして回覧する。
 (二) 評価の観点と基準
  (1) 新しい年の希望や考えがはっきりわかるように書け
   ているか。(ことしの希望の文章の評価)
   A 希望や考えをはっきり述べ、それを抱いた原因や
    実行方法まで書いている。
   B 希望や考えは述べているが、それを考えた原因な
    どにはふれていない。
   C 羅列的にやりたいことが書いてあるが、別に新年
    に関係ないことまで書いている。
  (2) 感動を効果的に表現しているか。(詩の評価)
   A 感動したことを、適切なことばを選んで表現して
    いる。
   B 感動したことをとりあげているが、表現が一般的
    で生き生きとしていない。
   C 概念的でだらだらした表現である。 

159


    (十)  二   月

 機  能   感動を訴え自己を伸ばすため書く。 
学習活動
学習事項
 
 
題材例 
 物語を選んで、脚色する。
1 脚本の形式・脚色の方法を理解すること。
2 主題を生かすような脚色をすること。
3 効果的なせりふを考えて書くこと。
 クオレ ごんぎつね 

   単元 学芸会
一 単元について
 学芸会も近く、子どもたちはいろいろと劇について話し合
う機会も多いことと思う。そこで、劇のおもしろさをいっそ
う深めるために自分たち自身で、感激したり、心を打たれた
本をもとに脚色してみることも意味のあることであろう。脚
色することにより、児童自身の劇に対する目がひらかれ、読
書によって得た感動を他に訴えそれによって人間形成が深ま
り、学級作りが確実なものとなり、学芸会の意義もいっそう
ますことである。
二 単元の目標
 物語を読んで脚色したり、劇をしたりして学芸会をより楽
しく意義あるものにする。
三 単元の学習内容
   (一) 学習活動
  1 学芸会に上演する劇について話し合う。
  2 物語を選んで脚色の方法を話し合う。
  3 劇「学級図書館」を読む。
  4 「げきを作ろう」を読む。
  5 物語を脚色する。
  6 上演作品を選ぶ。
  7 上演作品を共同で推考する。
 (二) 指導事項
  1 脚本の形式、脚色の方法を理解すること。
  2 脚本の主題や効果的なせりふを読みとること。
  3 主題を生かすような脚色をすること。
  4 効果的なせりふを考えて書くこと。
  5 相手にわかるように話すこと。
  6 全国で通用することばで書いたり話したりするこ
   と。
四 この単元に用意されている教材
 (一) 「学級図書館」…落合聰三郎の作で、またがし事件
  を中心にして図書委員の苦労をうきぼりにして、みごと
  解決させ、自分たちの学級の反省資料となるような脚本
  である。
   せりふが大へん生き生きとしている。また、場面の設
  定も身近なものである。
 (二) 「げきを作ろう」…脚色する方法を説明した文章、
 

160

  物語の文章と脚本の違い、脚色の方法を簡潔に項目的に
  述べてある。
   脚本「学級図書館」を読むことにより、劇をしてみた
  い気持ちや、登揚人物の心の動きなどをとらえさせる。
  また「げきを作ろう」と共に、脚本の形式を理解させ
  る。
    「げきを作ろう」は、脚色の基礎的な知識を与えるた
  めに使う。
五 単元の指導計画(総時数21時間)
 (一) 学芸会に上演する劇について話し合う―┬…(6時間)
 (二) 教材「学級図書館」を読む。―――――┘
 (三) 教材「げきを作ろう」を読む―――――┬…(2時間)
 (四) 脚色の方法について話し合う。――――┘
 (五) 物語を選んで脚色する…………………………(2時間)
                 (作文指導第一、二時)
 (六) 脚色した作品の中から、上演作品を選ぶ。(1時間)
                   (作文指導第三時)
 (七) 上演作品を共同推考する。 …………………(一時)
                   (作文指導第四時)
 (八) 劇の練習、上演、反省。………………… (時間外)
 *教材「げきを作ろう」を次のような観点から読解指導を
  行ない、脚色の方法を理解させた。
  ○げきの脚本と、物語の文章の違いを読みとる。
  ○脚本の形式を読みとる。 
   ・脚色の方法を読みとる。
   ・物語の主題をつかむ。……脚本の背骨
   ○げきの仕組みを考える。(時・所・人物・すじ)
   ○せりふをくふうする。(すじをもりあげていく)
 (一) 作文指導第一、二時
  学習目標 物語を脚色することによって、物語を読んで
   感動したことを訴えることができるようにする。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 物語を脚色すること
 について話し合う。
       (20分)
T きょうは、物語を脚
 本に書き変えるのでし
 たね。自分で脚本にし
 ようと思う物語を選ん
 できましたか。
T 脚本にする場合、初
 めにどんなことが必要
 ですか。
O 物語の主題をつかむ
T 選んだ物語の主題を
 ノートに書いてみまし
 ょう。
T 書けたら、発表して 
・単元の学習計画をたてる段階
 で、ことしの学芸会に上演す
 る劇は、みんなで脚色してみ
 ようという目的をもたせてお
 く。
・教材「げきを作ろう」の読解
 指導の過程で、自分で脚色し
 たいと思う物語を選ばせ、よ
 く読むように指示しておく。
・物語はなるべく簡単なすじの
 ものを選ぶように指導する。
 物語全体を脚色できない児童
 もいるので、そういう児童に
 は、物語の一部分を脚色させ
 る。また、あまり長い物語の
 揚合も、その一部を脚色させ 
 

161

 ください。
C 「海さち、山さち」
 の物語、兄弟の仲のよ
 いところが主題だと思
 う。
C ごんぎつね、きつね
 のやさしさが主題だと
 思う。
T 物語全部を脚本にす
 るのはむずかしいから
 一番よいと思った部分
 だけでもよいです。
A 物語を脚色する。
       (50分)
T 脚本を書くとき、何
 から書き初めますか。


C 時・所・人物
C その次に、舞台の様
 子
T なるべく、一幕にま
 とめて劇にしてみまし
 よう。そのためには、
 物語と少しちがっても
 いいのです。主題がち 
 る。
・物語の主題は脚色する場合の
 中心であるが、能力の中以下
 の児童には、あらすじを読み
 とらせ、どうしてその物語が
 脚色したいかを話させ、主題
 にせまるようにさせる。
<板書例>
 物語をげきに作る。
・主題
・一揚面にまとめる。
・時
・所
・人物
・せりふをくふう
・せつめい(卜書き)も書く
 
 
・脚色する揚合の留意点を簡単
 に板書しておく。
 
・完全な劇にすることは無理で
 ある。不完全でも、実際に劇
 をしながら修正できるように
 すればよい。
 
 
 がわなければよいでし
 よう。せりふもくふう
 して脚本を書いてみま
 しょう。
B 交換して読み合う。
       (10分)
T 書きあげた友だち同
 士で交換して読み合い
 わからない点おかしい
 点に印をつけて教え合
 いをしましよう。
 
C 推考する。(10分)
T 友だちに教えてもら
 った所を直して、先生
 に出してください。 
○主題を生かすように脚色する
 こと。
○効果的なせりふを考えて書く
 こと。
・書きあげた友だちをみつけ読
 み合う。自分では、完全に書
 けたつもりでも、他人が読む
 と、筋が通らなかったり、退
 揚させない人物がいつのまに
 かいなくなっている場合があ
 る。それをお互いに指摘し合
 わせる。
・読み合う場合、人物の動きを
 頭の中にえがいて読むように
 指導する。
・提出させた作品は、ざっと目
 を通しておく。 

 (二) 作文指導第三時
  学習目標 学芸会に上演する脚本を選び出すことによっ
   て、よい脚色を理解する。
  学習指導
  学級から一点選び出すという目的で、脚色した作品を読
  み合わせる。そして、脚本の形式方法の理解を深める。
  まず、グループ内で交換して読み合い、一点を選ぶ。選 

162

 んだ理由を話し合う。
  次に、各グループから選ばれた脚本を、作者が全員の前
で読む。この場合、全部の作品を一度に読ませず、ふたり
 ずつ分けて読ませ、どちらがよいかを話し合う。残った作
 品も同じようにして、もう一度読ませて選ばせる。このよ
 うな活動を通して、効果的なせりふ、主題を生かした脚色
 について指導する。
 (三) 作文指導第四時
  最後に選ばれた作品はプリントして、全員で共同推考を
 する。その揚合に、地の文を、効果的なせりふで表現する
 練習をする。
七 作品の処理と評価
 (一) 処理
 ・グループで読み合い、代表作品を選ぶ。
 ・クループの代表作品中から、学芸会上演作品を選ぶ。
 ・学級で選ばれた作品は、共同推考し、上演する。
 ・他の作品は、綴じて脚本集として保存しておく。
 (二) 評価の観点と基準
  1 主題を生かすような脚色をしているか。
   A 物語の主題が劇の主題となっている。
   B 物語の主題からややずれた脚色である。
   C 主題を考えず、ある部分の脚色である。
  2 効果的なせりふを考えて書いているか。
   A 感情の表出、動作を考えて適切なせりふを考えて 
      いる。
   B 話しことばになっているが、感情の表出などは考
    えていない。
   C 特定な人物が長々と話し、解説的になっている。

   (十一) 三   月

 機  能   学校生活を向上させるために書く。 
学習活動
指導事項
 
 
題材例 
 意見を書く。文集を作る。
1 主旨のはっきりした文章を書くこと。
2 推考すること。
3 編集の方法を理解すること。
 児童会活動 クラブ活動
 交通整理について 週番活動について 

   単元 卒業生を送る
一 単元について
 一年間、六年生が学校生活を向上させようと、児童会活動
や週番活動に励んでいるのを目のあたりに見てきた。
 今、六年生が卒業していくとき、卒業生のやってきたこと
を考え、自分の意見を書くことは、卒業生の態度を再認識
し、感謝の気持を抱くようになる。と同時に、来年度は自分
たちでもっとしっかりやろうという気持ちをもつであろう。
 書き上げた文章を編集して文集を作れば、お互いの意見を 

163

知り合い、なおいっそう学校生活を向上しようとする気持ち
を育てることができ効果的である。
二 単元の学習目標
 卒業生を送る機会に、学校生活に対する意見を読んだり書
いたりして、卒業生に対する感謝の気持ちをもつと共に、学
校生活を向上していこうとする気持ちを深める。
三 単元の学習内容
 (一) 学習活動
  1 卒業生のやってきたことを話し合う。
  2 意見や感想を書く。
  3 文集を編集する。
  4 教材「文集あすなろ」を読む。
  5 文集を読み合って、来年の覚悟を話し合う。
 (二) 指導事項
  1 主旨のはっきりした話し方をすること。
  2 自分の意見と比べて読むこと。
  3 学校生活を向上させようとする気持ちをもって書く
   こと。
  4 主旨のはっきりした文章を書くこと。
  5 推考すること。
  6 編集の方法を理解すること。
  7 主述関係、修飾・被修飾の関係に注意して書くこ
   と。
四 この単元に用意された教材 
   文集「あすなろ」……この教材は、学校生活を向上させよ
うとして書いた意見や感想を集録した文集である。自分たち
が書いた文章を推考するときの參考にしたり、また編集方法
を考える資料として活用する。
五 単元の指導計画(総時数9時間)
 (一) 六年生のやってきたことについて意見を書く。
   ・ありがたいと思ったこと。―┬―――――┐
   ・こうやったらよいと思うこと┴話し合う。├…(2 時
   ・意見を書く。             | 間)
 (二) 文集を作る計画を立てる。―――――――┘
                (作文指導第一、二時)
 (三) 教材「文集あすなろ」を読む。………………(4 時間)
 (四) 意見文を推考する。……………………………(1 時間)
                  (作文指導第三時)
 (五) 文集の編集方法を話し合い、編集する。……(1 時間)
 (六) 文集を読み合って、来年度の覚悟を話し合う。-(1 時
  間)
六 作文学習指導の展開
 (一) 作文指導第一時
  学習目標 学校生活を向上させるために、自分の意見を
   文章に書く計画をたてることができる。 

164

学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 六年生のやっている
 ことについて話し合う
        (10分)
T 六年生がやっている
 ことで、ありがたいと
 思うことはどんなこと
 がありますか。
C 六年生の週番はたい
 へんだと思う。

C 毎朝交通整理に立っ
 てもらってありがたい
T 六年生がやっている
 ことで、こうやったら
 よいのにと思うことは
 ありませんか。
C 週番のときと、週番
 でないときでも同じよ
 うにしなければならな
 い。
C 自分で守らないで五
 年生に注意することが
 ないようにしたいな
 ど。
 
・学校生活について意見を書く
 きっかけとして、六年生のや
 っていることについて話し合
 わせる。ありがたいと思って
 いることや、もっとこうやっ
 たらよいと思うことを話し合
 うことによって学校生活を向
 上させるために、どうしたら
 よいかという意識をもたせ
 る。
・六年生のやっていることで特
 に目につくこと。
  ・児童会活動・週番活動
  ・交通整理 子ども会活動
  ・運動会や学芸会、写生会
   など。
  このような点について話し
 合わせると意見がでてくる。
・六年生の欠点を述べるのでは
 なく、自分が六年生になった
 らどういうふうにしようとい
 う気持ちで、意見を発表させ
 るようにする。

 
 
 
A 意見を文章に書く計
 画を立てる。 (10分)
T いろいろ意見が出ま
 したが、こうしたら学
 校生活がよくなると考
 えたことを文章に書い
 てみましょう
T 何について、どんな
 考えを書くのかノート
 に書いてみましょう。
 
 
 
 
 
B 計画を発表する。
       (5分)
C 交通整理のとき六年
 生が下級生に親切にし
 ていたので、ぼくも、
 下級生に親切にしよう
 ということを書く。
C 六年生が野球をやっ
 ていて、下級生が運勤
 場をあまり使えなかっ
 たことから、運動場の 
・学校生活を向上させるために
 意見を述べた文章を書くのだ
 という目的をはっきりともた
 せる。
・意見を述べる文章は、主旨が
 はっきりしていなければなら
 ない。そのために、まず主題
 をはっきりさせてから書かせ
 ることが必要である。しかし
 主題だけを考えさせることは
 児童には困難である。題材と
 関連してでないと主題も考え
 られない。そこで、題材と主
 題をいっしょにノートに書か
 せてみる。
・題材・主題を書かせるとき、
 机間巡視をして、考えつかな
 い児童には個別に指導。
・六年生がえらいと思ったこ
 と、親切だと思ったことと、
 主題を考えさせる。
  どんなふうに週番をしてい
 た、児童会の各部活動のとき
 六年生はどんなことをしてく
 れたなどと題材をしぼって考
 えさせる。などの方法で助言 
 

165

 使い方について書く
        など。
 
 
C 文章の書き出しを考
 える。   (20分)
 
T 文章の書き出しの文
 だけ書いてみましょ
 う。
T どのように書いたか
 発表してください。
C 「いつもぼくは、六
 年生をみて、こんなこ
 とを考える。」
C 「学芸会のとき、六
 年生が舞台でいっしょ
 うけんめいに手伝って
 いた。」
C ぼくがこの間ろうか
 をかけたときのことで
 す。
C 「親切にすることは
 とても心要なことです
T いろいろな書き出し
 がありますね。こんな 
 を与える。
○主旨のはっきりした文章を書
 くため、主題・題材をはっき
 りさせて文章を書くこと。
・文章は書き出しによってきま
 るとも考えられる。ここで書
 き出しについて指導する。
・書き出しの一文はノートに書
 かせてみる。
 
○意見を述べる文章に適した書
 き出しができること。
・書き出しを四、五名発表させ
 板書しておく。そして、それ
 を分類して理解させてもよ
 い。
  具体的なことから
  思ったことから
  主題的なことから
 などに分類できる。
・文章の目的によって書き出し
 も変わってくることを理解さ
 せる。生活を表現する文章と
 比べさせて理解させることも
 よいであろう。また、机間巡
 視をして、特に生活を表現す 
 
 
 書き出しはどうでしょ
 う。 
 「きのう、ぼくは学校
 から帰るとき、となり
 の友ちゃんといっしょ
 になりました。」
C ふつうの文章のよう
 だ。
C 何を書く文章かはっ
 きりわからない。
C 意見を書くというこ
 とがわかるような書き
 出しの方がよい。
T 意見を書く文章は、
 これから自分が何をい
 おう、何について意見
 を述べようとわかるよ
 うな書き出しがよいで
 すね。次の時問には、
 きょう考えた主題や題
 材で文章を書きましょ
 う。 
 る文章のような書き出しを板
 書して、話し合わせることも
 よいであろう。
 
・ここに予定した文章の長さは
 だいたい四百字以内と計画し
 てみた。四百字以内とした理
 由は、短く意見をまとめるこ
 とができるように、そして全
 員の文章を印刷して文集を作
 るうえからも長いより短かい
 方が適当であると思われるか
 らである。 

 (二) 作文指導第二時
  学習目標 学校生活を向上させるために意見を書くこと
   によって思考力を伸ばす。 

166

学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 計画に従って文章を
 書く。   (30分)
T 前の時間に立てた計
 画に従って、学校生活
 を向上させるために自
 分の意見を文章に書き
 ましょう。文章の長さ
 は原稿用紙一枚程度に
 します。
 書き上げた人は、読み
 返してみましょう。
 
 
A 文集を作る計画を立
 てる。   (15分)
T 友だちの意見を知り
 自分の意見も知らせた
 り、また、六年生にな
 っても今書いた意見を
 役だたせて、学校生活
 を向上させたいと思い
 ますが、書いた文章を
 どうしたらよいでしょ
 うか。
○主旨のはっきりした文章を書
 くこと。
○学校生活を向上させようとす
 る気持ちをもって書くこと。
・意見を述べる文章を書くこと
 を通して、上の二つの学習事
 項が達成できるようにする。
 そのため学校生活を向上させ
 るために書くという文章の目
 的は前時でも強調したが、こ
 こでも書く前に、もう一度目
 的をはっきりさせてから書か
 せる。
・書き上げた文章は、目的に従
 って処理するようにしなけれ
 ば児童の文章を書く意欲が失
 なわれてしまう。そこで、学
 校生活を向上させようという
 目的で、めいめいが意見を書
 いたのであるからお互いの意
 見を知らせ合い、また、それ
 を六年生になって役だたせる
 ために、文集を作らせるよう
 にする。
 
 
 
C 発表会を開く。
C 読み合う。
C 文集を作る。
C とじて学級において
 おき、いつでもみられ
 るようにする。
T いろいろ意見がでま
 したが、五年生の最後
 ですから文集を作った
 らどうでしよう。
C 賛成。
T 文集はどのようにし
 て作ったらよいかを考
 えましょう。どんなこ
 とについて考えたらよ
 いでしょうか。
C 文集の題名。
C いつまで作るか。
C 印刷はどうするか。
C 編集はどうするか。
T いろいろ考えること
 がらがあげられました
 が、完成の日と印刷に
 ついて、ここで決め、
 あとは、教科書の文集
 や、他の学校、学級の 
・学級によってはすでに文集
 を計画的に発行しているとこ
 ろもあるであろう。そのとき
 は、特集号のような形で発行
 するようにさせる。
・文集を作ろうという意見も児
 童の間から起こるように指導
 する。
・一般に文集は、目的なしで作
 っている場合が多い。もちろ
 ん、友だちの文章を鑑賞した
 り学級活動の一環としての目
 的があるであろうが、もっと
 文章の機能に即し、文集にし
 たことによって生活の上にプ
 ラスされるものがなければな
 らない。そのために、文集は
 主題で統一された文集がのぞ
 ましい。ここでは、学校生活
 の向上という主題で統一した
 文集を作ろうとしている。
・文集には、いろいろな形式の
 ものがあるが、ここでは印刷
 した学級文集を考えている。
 その理由は、全休の児童に同
 時に手渡し、書かれている意 
 

167

 文集を参老にして考え
 ましょう。
O 期日は三月二〇日ご
 ろ。印刷は係を決めて
 やる。
T いろいろ意見がある
 でしょうが、そう決め
 ましょう。次の時問に
 は、教科書を読んでみ
 ましょう。 
 見について討論することがで
 きる。また、全体の児童がい
 つも手元において、六年生に
 なって、書いた意見を役だた
 せたり、自分の行動を反省す
 ることができるからである。
・この時間には、簡単に決まる
 ことで基本的なことだけを決
 めておく。題名や、編集方法
 については教材を扱ったり、
 他の文集を参考にして考えさ
 せた方がよい。
・印刷は、多くの児童で手分け
 して、課外に短時間で行なわ
 せるように考えておく。 

 *教材「文集あすなろ」を読解指導する際、次の点を読ん
  で考えさせる。
  ・自分の意見を書いた文章との違い。
  ・教材中の意見文の特色。
  ・文集の編集(文章の配列、さし絵、カットなど)
 (三) 作文指導第三時
  学習目標 自分の意見が正しく述べられるように推考す
   ることができる。 
 
学習活動  学習事項および留意点 
@ 本時の学習の計画を
 たてる。  (5分)
T 教科書の中にでてい
 る意見文を参考にして
 前に書いた意見文を推
 考しましょう。
T 教科書の中の文章を
 読んで、何か参考にな
 った点がありますか。
C 書き出しが、何につ
 いて意見を言うのかは
 つきりしていた。
C 一つの主題について
 二、三の例を引いて述
 べていた。
C 文章の終わりに結論
 がはっきり示されてい
 た。
A 正しい文章に直す練
 習をする。 (15分)
T 今、発表したことを
 考えて自分の文章を推
 考してみましょう。そ
 の前に先生が一通り読 
・本時は、前に書いた文章を推
 考するのだという目的をはっ
 きりさせる。
 
 
 
・読解指導のとき、意見文の特
 色を理解させておく。ここで
 は、その復習、再確認の意味
 で発表させ、それが推考の観
 点となるようにする。
  ここで考える推考の観点
・学校生活を向上させようとす
 る気持ちが現われているか。
・書き出しに、何について意見
 を述べようとしているかが示
 されているか。
・具体的な例を引いて、意見が
 述べてあるか。
・主述の関係・修飾・被修飾の
 関係の正しい文を書いている
 か。
・文字・語句が正しく使われて
 いるか。 

168

 んでみて、意味のわか
 らない部分があったの
 でそれをみんなで考え
 てみましょう。
  (1)の文は、どんな点
 が、おかしいでしょう
 か。
C だれがころんだのか
 わからない。六年生が
 ころんだのかそれとも
 他の生徒か。
T そうですね、これで
 は、六年生とも考えら
 れるし、他の人とも考
 えられますね。
  (2)の文はどうでしょ
 う。
C ごたごた長く続いて
 いて意味がはっきりし
 ない。
C 同じことばがくり返
 されていて意味がはっ
 きりしない。
T そうですね。それで
 は、今のことを考えて
 めいめいでこの文を直 
・児童の文章を一通り読んで、
 主述の関係、修飾・被修飾の
 関係のはっきりしない文をぬ
 き出して板書(またはプリン
 ト)しておく。
<例>
(1) きよねんの秋の運動会の
 きようそうのときだった。
 六年生は、ころんだのでと
 んできておこしてくれた。
 そして、「がんばれよもう
 すこしでゴールだ。」といい
 ながらいっしょにはしって
 いった。
(2) ろうかをかけるのはいけ
 ないとぼくは思っていたけ
 れど、忘れ物をしたのでと
 りに早くいかなければと思
 って、ろうかをかけていく
 と、六年生の週番が、ろう
 かをかけた意味もきかない
 で、「何年何組」だと名ま
 えをつけられたのでくやし
 くてしようがなかった。 
 ○主述関係・修飾・被修飾の関 
 
 
 してみましよう。
T 直した文を読んでみ
 ましょう。(指名読み)
B自分の文章を推考す
 る。    (15分)





T 今まで述べた観点を
 考えて、推考しましょ
 う。
C 清書をする(10分)
T できたら、清書して
 出してください。 
 係に注意して書くこと
・一応各児童に直させる。その
 場合(1)の文は、作者に何年生
 がころんだのか確かめさせ
 る。
  児童が直した文によって、
 主語の省略や、文を短かく
 書くことを指導する。音読さ
 せると文のおかしな点に気づ
 く。
○推考すること。
・観点は前述の通り。
・推考のときは、消しゴムを使
 わず、訂正個所は線をひいて
 おく。 

 *この後、文集の編集、文集の題名を話し合って決める。
   編集の話し合いは、前もって編集委員を決め、原案を
  作っておき、全体に計るようにする。
   編集は、同じ題材でまとめる。あるいは、同一主題で
  まとめる。
   印刷する前に、文字の修正を隣りと交換して行なう。
七 作文の処理と評価
 1 処理 

169

 (1) 文集を作って。全児童に配布する。
 (2) 意見の内容によっては(六年生に感謝する文章が多
  いとき)卒業生を送る会のとき、六年生に贈呈するこ
  ともよい。
 (3) 教師は原稿を読んで評価する。
2 評価の観点と基準
 (1) 学校生活を向上させようとする気持ちが表われてい
  るか。
  A 必要な題材をとらえ、建設的な意見を書いてい
   る。
  B 向上しようとする気持ちは現われているが消極的
   である。
 
   C 文章を書く目的がはっきりしていない。
(2) 主旨のはっきりした文章を書いているか。
 A 一貫した主題で、具体的事実を引用して書かいて
  いる。
 B 何を言おうとしているかわかるが、引用している
  ことがはっきりしない。
 C 一貫した主題がない。
(3) 目的に従って推考しているか。
 A 推考の観点をふまえて行なっている。
 B 文章の形式面の推考は行なっている。
 C 推考しても、前と変わらない。
  (第一回の原稿と清書したものとを比べて評価する)

 


         三 六年の機能的作文指導の実践


  (一)  四   月

 機  能  新学年の生活について思考を深め、
自己を伸ばすために書く。 
学習活動
学習事項
 
題材例 
 新学年を迎えての喜びや抱負を書く。
1 目的に応じた書き方を考えること。
2 書くことによって考えを深めること。
 六年生になって わたしの計画
 最上級生として 週番 新しい校舎 
     単元 明るい学校

一。単元について                
 小学校の最上級生になった喜びの気持ちは、どの児童も強
くもっている。また、最上級生としての責任を感じ抱負をも
っている。このような時期に自己の抱負なり喜びなりを書い
たり話し合ったりして、互いの考えを伝え合うことにより、
明るい学校を作ることに役だつようにする。
二 単元の学習目標 

170

 新しい学年を迎えて学校生活について考え、協力して明る
い学校を作るようにする。
三 単元の学習内容
 (一) 学習活動
  1 六年生になった気持ちについて話し合う。
  2 教材「先生のことば」「週番」の二編の詩を読む。
  3 教材「委員になって」の文章を読んで話し合う。
  4 新学年を迎えた気持ちや感想を詩や文章に書く。
 (二) 学習事項
  1 人の言うことを尊重して聞くこと。
  2 詩を味わって朗読すること。
  3 筆者の考えを判断して読むこと。
  4 最上級生としての覚悟と希望をはっきりさせて書く
   こと(目的に応じた書き方を考えること)
  5 感動を率直に表現すること。
  6 文と文の関係に注意すること。
四 この単元に用意された教材
 「先生のことば」……学年当初に話された先生のことばに
ついて考え、自己の生活の反省を詩の形で表現した児童作
品。
 「週番」……最上級生という自覚のもとに、週番勤務をし
それが学校生活に役だっていることを発見した喜びを詩に書
いた児童作品。
 以上の二編は、児童に詩を作る意欲を起こさせる動機、取 
  材指導の参考となるものである。
 「委員になって」………の教材は委員としての仕事に対す
る喜びと責任について感想を書いた児童作品である。
五 単元の指導計画(総時数8時間)
 (一) 六年生になった気持ちについて話し合う┬…(1 時間)
 (二) 学習の計画を立てる。――――――――┘
 (三) 教材「先生のことば」「週番」の詩を読む。…(2 時
   間)
 (四) 詩を作る。(一時間)      作文指導第一時
 (五) 教材「委員になって」を読む。………………(2 時間)
 (六) 六年生になった感想を書く。…………………(1 時間)
                    作文指導第二時
 (七) 書いた詩や感想を読んで話し合う。…………(1 時間)
六 作文学習指導の展開
 (一) 作文指導第一時
  学習目標 新学年を迎えた感動を詩に書き、効果的に表
   現するようにする。 
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 詩を書くことについ
 て話し合う。(5分)
T この時間には、六年
 生になったことを詩に
 書いてみましよう。 
・学習の目的をはっきりとつか
 ませる。
・自分が最上級生になった気持
 ちのうちでどのような気持ち
 がいちばん強いか、そのこと 

171

  どんなことを詩に書
 くか考えをまとめてみ
 なさい。
C 六年生になった喜び
 を書きます。
C 最上級生としての、
 責任の気持ちを書きま
 す。
T 喜びを詩に書くとい
 う人がいましたが、た
 だことばでうれしいう
 れしいなどと書くだけ
 ではだめですね。どう
 したらいいのですか。
C うれしい気持のあら
 われていることを詩の
 材料にする。
C くわしく書くという
 よりも心のこもった短
 いことばにまとめてい
 く。
A教材の詩を読んで話
 し合う。  (10分)
T 「先生のことば」「週
 番」の詩でそういうと
 ころがありましたか。 
 を正直に、はっきりととらえ
 させないと、感動のこもった
 詩は書けない。
 
 
 
 
 
○効果的に表現しようとするこ
 と。
・学校文集や、児童詩集などの
 参考例を用意しておき、次の
 ような点の指導に役だてる。
 1 感情の表現のしかた。
 2 取材の目のつけどころ。
・平板な表現とそうでないもの
 とを比較対照すると効果的で
 ある。 
 
 
C 「みんなはひとりの
 ために、ひとりはみん
 なのために」と何度も
 心の中でつぶやいたと
 いうところ。
C 週番で、朝礼台で話
 したときの緊張した気
 持ちと、喜びを表わし
 ているところ。
T 表わそうとする気持
 ちの方は決まったよう
 ですがどういう所に目
 を向けてそれを現わそ
 うと思っていますか。
C 五年のときいつも言
 われていたことを反省
 したときのこと。
C 新しい本を開いたと
 きのこと。
B どのように書くか話
 し合う。  (10分)
T 相手に自分の気持を
 強く訴えるためには、
 書き現わし方について
 考えることはありませ
 んか。 
 
 
 
 
 
・ことばの上だけで気持や喜び
 を飾る傾向があるので、自分
 のことばで表現することのた
 いせつさを強調したい。
・観念的な詩のいくつかを読ん
 で聞かせ、よい詩でないこと
 を感覚的にとらえさせるのも
 よい。
 
・児童の発表以外にも、取材の
 対象となるものがあることに
 気づかせる。
・感覚をはたらかせることによ
 って取材の範囲も広がること
 に気づかせる。 
 

172

C むだなことばを省く
 ようにする。
C 説明でわからせるよ
 りも、生き生きとした
 ことばを選んで書く。
T それでは用意のでき
 た人は原稿用紙に書い
 てください。
C 詩を書く。(20分)
T 書き終わった人は、
 よく読み返してみなさ
 い。
  板書を見て、直すと
 ころがないかどうか考
 えなさい。
T 推考の済んだ人は出
 しなさい。 
・教科書教材で適当な例があれ
 ば、その例をあげて気づかせ
 る。
<板書の一例>
○省いてもよいことばはない
 か。
○表わそうとする気持ちがよ
 く出ているか。
○気持ちをそのまま現わした
 ことばを除いても気持ちが
 出ているだろうか。 
 
教材「委員になって」の文章については筆者が、どのような
 ことがらを通して、どのような感想を持つたかということ
 に重点をおいて読解が進められる。
  作文との関連においては、取材の目のつけどころ、表現
 のしかたに気づかせ、次の作文活動に役だてる。
 (二) 作文指導第二時
   学習目標 新学年を迎えての感想や計画を書くことによ 
     つて、考えを深め学校生活をより意義あるものにす
   る。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 新しい学年を迎えて
 の感想を書くことにつ
 いての話し合い。
       (2分)
T 六年生として、自分
 の考えや計画について
 書いておき、よい学校
 生活ができるように協
 力しようとする心をか
 ためたいと思います。
A 自分が書こうとする
 ことがらをまとめる。
       (5分)
T 自分はどういう気持
 ちを書くのか。それを
 決めて、ノートに書き
 なさい。

B ノートに書いたもの
 を発表させる。(3分)
T 自分の書いたものを 
・学習の目的をはっきりとらえ
 させる。
 
 
・前時にきょうの学習について
 予告しておくようにする。 
 
 
 
 
 
 
 
・原稿用紙のわく外に書かせる
 のもよい。
<板書>
どういう気持ちを書くのか。 
○人の言うことを尊重してきき
 自分の考えと比べながら聞く
 こと。
 

173

 発表してみてくださ
 い。
C 六年生になったので
 しっかりやりたいとい
 うことを書きたいと思
 います。
C 六年生になって、う
 れしい気持ちを書きま
 す。
C 書こうとする内容を
 考え構想を立て、話し
 合いをする。(5分)
T 今、書きたいという
 ことがいろいろ出され
 ましたが、どういうこ
 とがらで表わしたら、
 読み手に考えがよく伝
 わるか考えてノートに
 メモしておきなさい。
T 書こうとすることが
 決まった人は、簡単に
 発表してください。
C 前の六年生の週番の
 やり方についていろい
 ろ感じていたので、そ
 の例などをあげて、自 
 
 
・詳しく話させてしまうとかえ
 って書く意欲をさまたげる結
 果になるので注意する。
  しかし、どんなことを内容
 とするかどうかが決まってい
 るかどうかは確かめておくよ
 うにする。
・構想といっても、あまり形式
 的なことにとらわれないで、
 アウトラインをとらえておく
 程度でよい。
  それよりも最初の一行の書
 き出し(発想)を十分に考え
 させるようにする。
 
 
 
・書こうとすることを発表させ
 る場合、あまり詳しく話させ
 ると、書く意欲を失わせてし
 まうので注意を要することは
 前と同様である。
・書こうとすることの裏付けに
 なるようなことをおさえるの 
 
 
 分はこうしたいという
 ことを書きたいと思い
 ます。
C 各係の仕事について
 の意見を書きたいと思
 います。
T 書くときには、読み
 手になるほどと思わせ
 るような事がらや、心
 の中の動きなどをわか
 りやすく書きます。た
 だことばでうれしいと
 か、しっかりやるとい
 うことでは読み手の心
 を動かしません。
T ほかに書くとき気を
 つけたいと思うことは
 ありませんか。
C 書こうとしたことの
 意味のまとまりがつい
 たら行をかえて書く。
T 段落を考えて書くの
 ですね。
C 言い表わし方のこと
 ばをくふうして書きま
 す。 
 がねらいである。
 
 
 
 
 
○効果的に表現しようとするこ
 と。
・観念的、平板的な表現になら
 ぬように留意する。
・書こうとする事がらを、よく
 思い出すように努めさせる。
・効果的表現をさせる上に特に
 次の点に留意する。
 1 具体的に表現する。
 2 適切なことばを選ぶ。
 3 会話、内語、視覚を通し
  て強く印象に残ったことを
  書く。
 
 
 
 
 
・書いているうちは、漢字の使
 用などあまりやかましく言わ 
 

174

D 原稿用紙に書く。
       (30分)
T 考えのまとまった人
 は書き始めなさい。
 書き終わったときは
 板書してあることを考
 えながら、推考しなさ
 い。
・書こうとしたことが
 よく出ている。
・読み手に、よくわか
 らないところはない
 か。
・段落を考えて書いて
 いる。 
E 作品を提出する。
T 書き終えて、推考が
 終わった人は出しなさ
 い。 
 ない。
・特に指導を要すること以外、
 思老を中断させるような発言
 を控える。
・書き進まなくなったら、前文
 から読み返してみるような態
 度をとらせる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
・書いている者のじやまになら
 ない方法をとる。 
七 作文の処理と評価
 1 処理(詩)
  (1) 作者に朗読させる。
  (2) 二日おきぐらいに参考作品を掲示板に掲示したり小
    黒板に発表する。 
    (3) 学級の詩集としてとじて備え付けておくのもよい。
  (4) 教師は作品を読んで短評を書く。
 2 評価の観点と基準
  (1) 新学年を迎えての気持ちが現われているか。
   A 具体的な事象をとらえ気持ちがよくでている。
   B 観念的な表現の傾向が強く平板的なもの。
   C 気持ちが現われていない。
  (2) ことばの選び方と表現について
   A むだのない表現で、自分のことばで書いている。
   B 形式的、観念的な表現であるが、意図がはっきり
    している。
   C むだなことばが多く、説明的で、意図がぼけてい
    る。
 (一) 処理(新学年を迎えての作文)
  評価に利用したあと、家庭回竟にして、家人に児童の考
 えを理解してもらう。
 (二) 評価の観点と基準
  (1) 自分の生活についてどのように目をむけているか。
   A 白分の生活を深くみつめ、建設的な態度である。
   B 反省的な態度は出ているが、やや表面的な感じ。
   C 新しい学年を迎えた意欲のとぼしいもの。
  (2) 考えや気持ちがはっきり書かれているか。
   A 考えが一貫しており、言おうとしていることがは
    っきりと浮きぼりされている。 

175

   B 言おうとしていることはわかるが、中心になるこ
     とがややはっきりしない。
   C どのようなことを言おうとしているかはっきりし
    ない。

  (二) 五   月

 機  能   自己を改善し、深めるために書く。 
学習活動
学習事項
 
 
 
題材例 
「わたしの失敗」について経験を書く。
1 行動の事実と、そのときの心情を効果的に
 表現すること。
2 書くことによって自分の考えを深めるこ
 と。
 パンクしたボール 妹のけが
 算数のテスト   ガス中毒
 石けんつくりの失敗 

    単元 わたしの失敗

一 単元について
 ここでは、学級・学校、あるいは一般社会の生活を対象と
するのではなく、個人生活の反省を中心にし、自己をするど
く、深く見つめ、内面的なほりさげをすることをねらいとし
ている。
 具体的には、自分の失敗の経験をとりあげて文章に書くこ 
  とによって、自己をみつめ、ほりさげる。
二 単元の目標 失敗の経験を、文章に書くことによって、
 思考を正確にし深め、個人生活の内面化をはかる。
三 単元の学習内容
 (一) 学習活動
  1 「ある日のできごと」を読む。
  2 読後の感想を話し合う。
  3 「わたしの失敗」について経験を書く。
 (二) 学習事項
  1 自分の生活や意見とくらべながら読むこと。
  2 経験をよく思い出して、事実とそのときの心情を効
   果的に表現すること。
  3 書くことによって、自分の考えを深めること。
  4 段落相互の関係に注意して書くこと。
四 この単元に用意された教材
 ○ ある日のできごと
  友だちとのやくそくをうっかりして忘れてしまっていた
 ことが原因で、友だちの家族にまで大へんな迷惑をかけ、
 とうとう友だちの誕生祝までだめになってしまったという
 失敗の経験についての反省をテーマとした児童の作文であ
 る。
  自分の生活や意見と比較しながら読み深めさせるととも
 に、自分の生活経験(失敗)について書くことの刺激とな
 り、作文の参考にするための教材である。
 

176

五 単元の指導計画        (総時間数5時問)
 (一) 生活における自己反省の必要性、反省の観点について
  話し合い、自己の生活を反省する。……………(1 時間)
 (二) 教材「ある日のできごと」を読む。………(2 時間)
 (三) 「わたしの失敗」について作文を書く。…(2 時間)
                 (作文指導第一、二時)
  ・「ある日のできごと」を参考に、作文の構想をたて
   る。
  ・構想をもとにして作文を書く。
 (四) 書いた作文を読んで話し合う。
六 作文学習指導の展開
 *「ある日のできごと」の読解が、自分の失敗をテーマと
  して作文を書くことの刺激となり、形式的な表現面の参
  考となるような学習を展開しておく。
   単元としての導入では、自己反省の必要性を意識させ
  ておくことが大切である。
 (一) 作文指導第一時
  学習目標 自分の失敗した経験を作文に書くための構想
   をたてることができるようにする。

学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 生活を反省して、題
 材を決定する。(10分)
T きようは自分の失 
・過去の生活経験のなかから何
 をとりあげて書くかを、はっ
 きりさせること。このために 
 
 敗についての作文を書
 くための構想を考えて
 もらいます。はじめに
 何を題材にえらぶかを
 決めてください。
A 作文の構想をたてる
 参考に、「ある日ので
 きごと」を読む。
       (15分)
T 題材が決まったら構
 想をたてるのですが、
 参考のために「ある日
 のできごと」を読んで
 みましょう。
C 読みながら要点をメ
 モする。
B 各自作文の構想をた
 てる。   (20分)
T こんどは自分の作文
 の構想をたてるのです
 が、たいせつなことは
 「ある日のできごと」
 のまねにならないよう
 にすることです。 
 は、いくつかの過去に失敗し
 た経験を想起し、自分の性格
 と失敗の原因・結果等につい
 て考え、最も適切な題材をえ
 らぶようにさせる。
 
○文章の構想を読みとること。
・「ある日のできごと」の構
 想。
・失敗の内容(原因・結果)
・そのときの心情
・そのことについての反省
・今後の生活に対する意見 
 
 
○作文のための構想をたてるこ
 と。
・教師は机問を巡視しながら構
 想指導を個別的に行なう。と
 くに、構想が教材にひきずら
 れないように留意する。
・自己反省の作文であるから構
 想もかなり、具体的にさせる
 ようにする。 

177

 (二) 作文指導第二時
  学習目標 心情や意見を書くことによって自己の考えを
   深め、生活の内面化をはかる。

学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 作文の構想をたしか
 める。   (5分)
A 作文を書く。(35分)
T 前時にたてた構想を
 確かめてから書き始め
 てください。
 ・この作文は、この時
  間に必ず書きあげて
  出してもらいます。
B 推考する。
       (5分)
T 読みなおすときには
 初めにたてた構想と作
 文とをよく比べ、書こ
 うと思ったことが書け
 ているかどうか考えて
 みましょう。
  書きたりないところ
 は、わくのそとに書き
 加えてもけっこうで 
・構想を黙読させ、自分の作文
 の全体的構想を確認させる。
○経験をよく思い出して、事実
 とそのときの心情を効果的に
 表現すること。
○構想をもとにして、段落相互
 の関係に注意して書くこと。
○書くことによって自分の考え
 を深めること。
・あたえられた時間内 (35分)
 に書きあげるような練習をす
 ることも六年生として必要で
 ある。
・個別指導の観点は、構想が作
 文を書く場合に、どのように
 いかされているかにおく。
・書き終わったらつねに目的を
 はっきりもって推考させるよ
 うにする。
・まだ書き終わらない児童も全 
 
 す。   部提出させる。(評価のため) 


七 作文の処理と評価
 (一) 処理
○児童の処理
  自己反省として書いた作文であるから、級友に発表する
 とか、文集に記載することは、本人の自由意志にまかせる
 ことにする。
  しかし、個人としては、生活の内面化をはかるための貴
 重な資料であり、そのことを学級で十分話し合ってたいせ
 つに保管させる。
○教師の処理
  作文としての評価のほかに、児童の思考力・性行などの
 観察の資料として利用する。
  しかし、児童個人個人にとってたいせつな作文であるか
 ら、教師のもとに長く保管しないで、なるべく早く児童に
 かえすようにする。この場合、全児童に生活にしさをあた
 えるような寸評を書いてやる。
 (二) 評価の観点と基準
  (1) 自己を深くほりさげ、追求しているか。
   A 事実とそれに対する自分の感想や心情・反省が書
    きわけられている。
   B 自己反省はしているが、段落がはっきりせず、一
    貫性がない。 

178

 C 事実のら列だけで自己反省がない。
(2) あたえられた時間内にまとめられたか。
 A 構想をねり、一定の時間内にまとめあげた。
 B まとめてはいるが、文章としてのまとまりがな
  い。
 C 一定の時間内にまとまらない。

 (三) 六   月

 機  能   調べたり研究したことを報告するために書
 く。 
学習活動
学習事項




題材例 
 調べたこと研究したことについて書く。
1 見出しをつけたり、個条書きにまとめたり
 して書くこと。
2 要点を抜き出したり、全休を要約したりす
 る。
3 材料を整えて書くこと。
 文字のでき方 交通事故調べ
 時計の発達  方言について 

   単元 ことばの研究

一 単元について
 児童は、日常使っていることばについて、深く考えること
は少ない。しかし、ことばがどのようにして作られるのか、 
  あるいは、どのように使われているのかなどを調べることに
よって、今まで気づかなかった点で多くのことを知り、こと
ばに対する興味と関心が高められる。
 そこで、この単元では、ことばを、いろいろな角度から調
べることによって、その知識、理解を深め、母国語をたいせ
つにする心に培うことができる。
二 単元の学習目標
 ことばについて研究した文章を読んだり、ことばについて
調べたりすることによって、国語に対する知識・理解を増し
関心を高める。
三 単元の学習内容
 (一) 学習活動
  1 ことばについて知っていることや調べたいことにつ
   いて話し合う。
  2 研究のしかた、まとめ方について話を聞く。
  3 「外来語の研究」 「敬語の研究」を読む。
  4 ことばについて調べたことを書く。
  5 自分が調べたことについて発表する。
 (二) 学習事項
  1 研究報告を要点をまとめながら聞くこと。
  2 読む目的に応じて、それに適した読み方をするこ
   と。
  3 研究報告にふさわしい書き方を考えること。
  4 材料を整えて書くこと。 

179

  5 ことばに対する関心と理解を深めること。
四 この単元に用意された教材
 (一) 教材の特質・活動との関連
   「外来語の研究」は研究報告の形で書かれた文章であ
 る。研究の動機、研究の方法、外来語の分類、研究に対す
 る考慮や感想が、それぞれ項を立ててまとめられている。
  この文章を読むことによって、研究報告をどのように書
 いたらよいかを読みとることができる。
  「敬語の研究」は、研究発表の形で書かれ、これを読む
 ことによって、敬語の知識理解を得るとともに、発表のし
 かたについて理解する。
五 単元の指導計画(総時数9時間)
 (一)・ことばについて話し合い、ことばについて調べるこ
   とを決める。
   ・調べたことを文書で報告したり、口頭で発表したり
   する計画を立てる。…………………………(1 時間)
 (二) 教材「外来語の研究」を読む。…………(1 時間)
 (三) 研究報告の書き方を調べる。……………(1 時間)
                  (作文指導第一時)
 (四) ことばについて調べたことを書く。……(2 時間)
                  (作文指導第二時)
 (五) 教材「敬語の研究」を読む。……………(1 時間)
 (六) 発表のしかたについて調べる……………(1 時間)
 (七) 調べたことを発表する……………………(1 時間)
 
   (八) 研究してわかったことを整理する。………(1 時間)
六 作文学習指導の展開
 (一) 作文指導第一時
  学習目標 「外来語の研究」を読み、外来語に対する知
   識を増し、研究報告の書き方を理解する。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ きようの学習につい
 て話し合う。(5分)
T この勉強の初めの約
 束にしたがっていろい
 ろな方法でことばにつ
 いて調べていると思い
 ます。
  それを研究報告にま
 とめるために「外来語
 の研究」を参考にして
 勉強しましょう。
  どのようなことを勉
 強したらよいでしょう
 か。
C 報告の書き方を調べ
 ます。
C 調べてわかったこと
 を、どのように書いて 
・学習の目的を児童に十分わか
 らせることに努める。
 ことばについてどのようなこ
 とを調べるのか家庭で事前に
 考えさせ、資料等も考えさせ
 ておく。
・「外来語の研究」の内容を読
 み取りながら研究したことの
 まとめ方を十分理解させる。



○まとめ方。
○報告の書き方。 

 

180

 いるかを調べます。
A 研究報告について話
 し合う。  (5分)
T 研究報告は研究記録
 と似ていますがどうい
 うところが違うでしょ
 うか。
C 報告には相手があり
 ます。
C 研究したことをまと
 めて書いてみんなに知
 らせます。
B 教材を読んで報告の
 書き方について話し合
 う。    (20分)
T 「外来語の研究」の
 文章を読んでみましょ
 う。
T どのようにまとめて
 書いてありますか。
C 研究の動機、研究の
 方法、研究したこと、
 研究してわかったこと
 感想というように分け
 て書いている。
 
・報告というものは、どのよう
 なはたらきをもったものであ
 るかということを十分理解さ
 せないと、ただ調べたものを
 書きならべるという文章にな
 りやすい。
○目的に応じた書き方を考える
 こと。
・報告文の特ちょうとして次の
 ようなことが考えられる。
・報告は記録をもとにして、内
 容や事実を正碓に、要領よく
 書いたもの。
・相手がだいたい決まってい
 る。
・報告の書き方としては次のよ
 うなことを頭において指導す
 るとよい。
 ・題目とその研究を取りあげ
  たわけ。
 ・内容の目次をたてて、箇条
  書きにする。
 ・資料や用例の出所を明らか
  にする。 
 
一 研究の動機(きっ
 かけ)
二 研究の方法(やり
 方)
三 研究の内容(なか
 み)
四 わかったこと
五 感想 
T ほかに気づいた点は
 ありませんか。
C 個条書きを使ってわ
 かりやすく書いてあ
 る。
C 小見出しをつけて書
 いている。
T 例をあげてごらんな
 さい。
C 品物の名をあらわす
 ことは、
  食物に関係あること
 ば……
C 何によって調べた
 か。
T どんなところです
 か。 
 ・小見出しをつけて、わかり
  やすくまとめる。
 ・資料や、研究・調査の経過
  をとおして、よく考えて結
  論を出すようにする。
 ・問題点が残った場合にはそ
  の点を明らかにしておく。


・板書事項は、小黒板などに書
 いて、児童たちが実際に書く
 ときにこれを提示して書かせ
 るようにすれば、手間も省け
 効果的である。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 ・まとめる際に、個条書きのほ
 かに、表や図を用いる方法の 

181

C 「ことばの始まり」
 という本で調べると…
T 今までのことをまと
 めると、
・小見出しをつけて書
 く
・個条書きでわかりや
 すく書く
・資料の出所をはっき
 りする
T 今まで出た外に、間
 題が残った揚合には、
 その点も明らかにして
 おくことが必要です。
資料を整えて書く
正確な資料
T 白分が調べているこ
 とで困っている点はあ
 りませんか。
T ○○さんは、どうい
 うことを調べているの
 ですか。
T どんな方法で調べて
 いるのですか。 
 あることにもふれる。
・表や図表を使いすぎると、か
 えって複雑になるので、国語
 の学習としては、表や図表に
 あらわれたことがらを、どの
 ようなことばの表現を用いて
 書き表わすかということに力
 を入れることがたいせつであ
 る。
・あらかじめ教師は児童の研究
 の内容を知っておき、図書館
 などの資料の所在を明らかに
 しておいてやる配慮が必要で
 ある。

・児童の問題点を解決しておか
 ないと次時の活動が円滑に行
 なわれないので、本時のうち
 に解決策を与えておくように
 する。




・他人の調べ方を聞いて参考に
 する。 
 
 
D自分の調べているこ
 とについて意見を交換
 する。   (10分)
T 同じようなことを調
 べる人でグループがで
 きているので、お互い
 に自分のやっているこ
 とや方法について話し
 合ってごらんなさい。
E ノートに整理して、
 次時の予告を聞く。
        (5分)
T それでは、板書され
 ていることをノートに
 まとめなさい。
  この次は、調べたこ
 とについて書くので、
 資料や記録したものを
 持ってくるようにして
 ください。 
・ともすると本の丸うつしのよ
 うなことになりやすいので、
 自分で理解できる範囲でまと
 めさせるという配慮が必要で
 ある。
 
 
 
 
 
 
 
・遅進児は、一グループを作り
 教師が中心になって、調べ方
 やまとめ方について指導す
 る。
・あらかじめ構想を考えさせて
 くることが必要である。 
 
 (二) 作文指導第二、三時
  学習目標 ことばについて研究したことを、まとめて報
   告書を書き、ことばに対する知識を増し、関心を高め
   る。 

182

学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ きようの学習につい
 て話し合う。(10分)
T 研究報告の書き方に
 ついては、この黒板を
 見て思い出してくださ
 い。
  持ってきた資料を使
 って書けるという人は
 手をあげなさい。
C ………… 
 
A 研究報告を書く。
        (20分)
T この時間と次の時間
 と続けて書く時間があ
 りますから、その時間
 の中でまとめるように
 書きなさい。
B 推考する。
        (15分)
T 書きあげた人は、見
 出しのつけ方と内容が
 合っているかどうかを
 よく考えて読み返して 
 
 
・準備した小黒板を掲示する。
 そして簡単に復習して学習し
 たことを思い出させる。
・児童の実態をとらえる。
・大きな問題は事前に処理して
 おかないと書く時問に影響す
 るので、全般的な問題をとり
 あげ、大きな間題は個別指導
 で解決する。
○材料を整えて書くこと。
・同じような研究をしている者
 同士のグループと遅進児のグ
 ループを作っておく。
  教師は遅進児の指導後は各
 グループをまわり個別指導に
 あたる。
・時間があれば書き終えた児童
 の成果について個別指導をす
 る。 
 
 
 ごらんなさい。
C 作品を提出する。 
 

*各グループの代表的なものを数点選び、その者を指名して
 研究発表会を開く。
  研究した内容のおもな事項をまとめて整理する。
七 作文の処理と評価
 (一) 処理
  各グループの中からよいものを数点選び、発表させる。
  発表した作品、参考となる作品を綴っておく。
 評価したあとは、児童に返す。
 (二) 評価の観点と基準
  (1) 研究内容が適切であるか。
   A よく資料を集め内容が豊富である。
     調べた内容が正確である。
   B 内容がやや乏しい。
   C 内容がずさんである。
  (2) よくまとめて表現されているか。
   A 見出しや個条書きを利用し、よくまとまってい
    る。
     簡潔な文で書かれている。
   B 本にある表現をそのまま借りて書いたような書き
    ぶりである。
   C まとめ方がよくわかっていない書きぶりである。

183

   (四) 七   月 

 機  能    思考を正確にし、思想を深めるために書く
学習活動
学習事項
 
 
 
題材例 
意見を書く。
1 主旨のはっきりした文章を書くこと。
2 書くことによって考えを深めること。
3 学校生活を向上させようという気持で書く
 こと。
A君の考えについて このごろの学校生活につ
いて なぜきまりが守られないか 

   単元 学校生活の反省

一 単元について
 六年生は最上級生としての自覚をもつとともに、実際に学
校のいろいろな係の責任者としての行動が求められている。
学校生活をよりよいものにするために、どのような問題があ
るか。また、どのように行動しなければならないか、互いに
話し合ったり、意見を伝え合ったりして明るい楽しい学校生
活を築くために、自分たちの生活を反省することは、極めて
大事なことといわなければならない。
 本単元では、お互いの考えを出し合い、どのようにしてよ
りよい生活を築きあげるかを深く考え、互いに理解し思考を
深めることをねらったものである。
 
  二 単元の学習目標
 お互いの意見を出し合うことによって、生活を反省し、よ
りよい学校生活を築くようにする。
三 単元の学習内容
 (一) 学習活動
  1 学校生活について話し合う。
  2 週番日誌を読む。
  3 教材「週番日記から」を読む。
  4 意見を書く。
 (二) 学習事項
  1 人の言うことを尊重して聞くこと。
  2 事実と意見を区別して聞き分けるように努めるこ
   と。
  3 書かれていることの中の事実と意見を判断しながら
   読むこと。
  4 主旨のはっきりした文章を書くこと。
  5 書くことによって考えを深めること。
  6 学校生活を向上させようという気持ちで書くこと。
  7 考えをよくまとめて書くこと。
四 この単元に用意された教材
 (一) 「週番日記から」この教材は、六年生の児童が学校生
  活におけるいろいろな問題を書き、それについての自分
  の感想や意見を加えた文章である。
   この文章を読むことによって児童は、自分たちの学校
 

184

  生活を反省したり。作者の考えに共鳴したり、反発した
  りして考えを深めることができる。
   教材の文章の中には、週番日記に取り上げられた問題
  について、自分の意見を相手に納得させるような手法で
  書かれたものもあり、効果的な表現法を理解するのに役
  だつと思われる。
五 単元の指導計画(総時数8時間)
 (一) 学級日記を読んで、学校生活の問題点を拾い上げ、そ
   れについて話し合う。…………………………(1 時間)
 (二) 問題点について、学級児童会を開く。……(1 時間)
 (三) いろいろな話題について、各自の意見を書く。(1 時
  間)               (作文指導第一時)
  ・意見の骨子となるものを個条的にあげて、考えをまと
   める。
  ・意見を書く。
  ・読み直して、推考する。
 (四) 数人の作品を読む…………………………… (1 時間)
 (五) 聞いてからの感想や、作者の意見について話し合う。
 (六) 教材「週番日記から」の文章を読む。…… (2 時間)
 (七) 自分の書いた作品を読み直して推考し清書する。…(1
  時間)…………………………………(作文指導第二時)
 (八) 友だちの作品を読み合う。………………… (1 時間)
 (九) よい作品を紹介し、音読する。
六 作文学習指導の展開 
  (一) 作文指導第一時
 学習目標 学校生活上の問題について考えや意見を書く
  ことによって、学校生活を明るく楽しくする。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 学級児童会での問題
 点について話し合う。
        (5分)
T この前の児童会でど
 んなことが問題になっ
 たか。
C そうじのしかた
 運動場の使い方など。
T 今出されたことにつ
 いて意見を書いてもら
 います。
A意見の骨組みをメモ
 する。   (5分)
T 何についての意見を
 書くかを初めに決めな
 さい。
  決まったら、どのよ
 うなことを書くか、原
 稿用紙の欄外にメモし
 ておきなさい。 
・記録などをもとにして、問題
 点を思い出させ碓認させる。
・問題点を板書する。
・目的を碓認する。
・どのようなことをするのか徹
 底させる。
  質問、疑義などがあったら
 取り上げて処理する。
 
 
 
 
 
・意見の骨組みを個条的にメモ
 させる。
○考えをまとめてから書くこ
 と。
・学級児童会で論争され、意見
 がまとまらなかった問題を取
 り上げ、それについて書かせ 
 

185

B意見の書き方を考え
 る。    (10分)
T 自分の意見を相手に
 よくわからせるように
 書くにはどうしたらよ
 いか。
  結論を最初に書いて
 その理由を書く。
  具体的な例をあげて
 それに自分の考えを書
 く。
  その逆に、意見を書
 いてその例として、具
 体的なことを書く。
結論―理由
結論―理由―結論
意見―実例
実例  意見
他人の意見―自分の
意見 
C 原稿用紙に意見を書
 く。    (20分) 
 るのもよい。
○主旨のはっきりした文章を書
 くこと。
・いろいろな例を板書して理解
 を深める。
・自分はどのような書き方をす
 るか考えさせる。

・いくつかの参考例をしめしそ
 のまとめ方を理解させておく
 ように努めるとよい。










・教師は机間巡視をしながら、
 書き悩んでいる子などの指導
 にあたる。
・書きながら、よく読み返すこ
 とを指導し、主旨の一貫した 
 

D すいこうする。
       (5分)
T 書きあげた人はよく
 読み直して、次のよう
 な点から文章をみてご
 らんなさい。
 ・考えがはっきり出て
  いるかどうか。
 ・わかりにくいと思わ
  れる点はないかどう
  か。
 ・まちがったことばや
  文字は使ってないか
  どうか。
E 作品を提出する。 
 文章を書かせる。
○書き続けている児童のじゃま
 にならないように、推考の観
 点などをあらかじめ別に書い
 たものを用意して掲示する。
○書き終わった児童の個別指導 

  次時は児童の作品を数点選んで読み、それぞれの意見
 について考え方の是非や、感想を話し合う。
  よい作品だけでなく、むしろ表現上にいろいろな問題
 を含む作品も取りあげ、どこに問題があるかを考えさせ
 る。
  さらに「週番日記から」の教材を読み、筆者の考えを
 読みとるとともに。筆者が、どのような表現手法を用い
 ているかを中心に読みとる。 

186

   自分の作品と比べ表現手法のどのような点がちがって
  いるかをはっきりとらえるようにする。
 (二) 作文指導第二時
  学習目標 学校生活上の問題について深く考え、自分の
   意見を書くことによって、生活の向上に役だてる。
学 習 活 動   学習事項および留意点 
@ 前回の作品について
 問題としてあげられた
 ことについて話し合
 う。    (5分)
T 今まで学習したこと
 をもとにして、自分の
 作品について、どのよ
 うな点を改めたいか話
 してください。
C 実際の例をもうすこ
 し入れて、わかりやす
 くしたい。
C 友だちの意見をきい
 て考えたことを付け加
 えたい。
C 言いたいことがごた
 ごたしているようなの
 で、もうすこし整理し 
・学習事項を十分に想起させ
 る。
  特に、記述の一般的傾向、
 指導を要する点などをはっき
 りさせる。
○目的に応じた書き方を考える
 こと。
○書くことによって自分の考え
 を深めること。
・自分の作品の改めたい点をし
 っかりとらえさせることが必
 要である。 
 
 
 て書きたい。
C 意見がはっきり出て
 いないようなので、も
 つとはっきりさせた
 い。
A 友だちどうし交換し
 て読み合う。(10分)
T 隣りの人と読み合っ
 て、気づいた点を互い
 に教え合いなさい。
B 構想をまとめる。
        (5分)
T 今まで学習したこと
 や、友だちの意見など 
 をもとにして、どのよ
 うに文章を書くか考え
 をまとめなさい。
C意見を書く。(25分)
T 考えがまとまったら
  書き始めなさい。
D 作品を提出する。
T 書き終えた人は、も
 う一度よく読み直し推
 考しなさい。
T 出してもよいと思う
 人は前回の作品といっ 
 
 
 
 
 
・気付いた点を自由に言わせ
 る。
  特に筆者の言いたいことや
 論旨が一貫していて明確かど
 うかに重点を置くようにす
 る。
・前回用いた、掲示を利用して
 提示する。
 
 
 
 
○主旨のはっきりした文章を書
 くこと。
・教師は、書き悩んでいる児童
 の個別指導にあたる。
・作品がどのように深められた
 かを知るために、前回の作品
 も提出させる。 
 

187

 しょに提出しなさい。   

*この作品をもとにして、今後の生活のあり方について互い
 に話し合うことが行なわれる。
七 作文の処理と評価
 (一) 処理
  (1) 評語をつけて児童に返す。
  (2) 道徳の時間のテーマとして適切なものは利用を考え
   る。
 (二) 評価の観点と基準
  (1) 主旨がはっきりしているか
   A 意見の根拠になることがらが、はっきり出てい
    る
     論旨が一貫して、深く考えて書いている
   B きわめて一般的な反省や意見で、掘り下げ方が浅
    い。
   C 論旨に一貫性がなく、表現が幼稚で記述にまとま
    りがない。
  (2) 書く構えはどうか。
   A 建設的な考えが強く出ており、意欲的な態度が出
    ている。
   B 建設的な態度、反省的な態度がうかがえる程度。
   C おざなり的な態度が感じられる。 
 
   (五)  九   月

 機  能    心情を豊かにするために書く。
学習活動
学習事項


題材例 
人間に対する美しい話を書く。
効果的に表現しようとすること。
書くことによって自分の考えや心情を深めるこ
と。
交番に花をとどけた少年 父を助ける少女
親切なA君 勇敢な少年 

   単元 美しい心
一 単元について 
 この期の児童は、他人の行動を客観的に考えることができ
るようになってきており、善悪に対する判断、感受性も育っ
てきている。
 この単元は、個々の人間の尊さを訴え、人間同士の愛の心
がいかにたいせつであり、また美しいものであるかというこ
とを理解させ、また、その事実の物語を通して、人間に対す
る愛の心情に培うことをねらったものである。
 われわれの身辺には、そのような事実が数多くありそれら
を知らせ合うことによって、お互いの交友関係をさらに密に
することができる。
二 単元の学習目標 

188

 人間に対する愛情をテーマとする文章を読んだり書いたり
することによって。心情を豊かにする。
三 単元の学習内容
 (一) 学習活動
  1 「美しい心」を読んで感想を話し合う。
  2 心の美しさについて話し合う。
  3 テーマにあった経験について話したり聞いたりす
   る。
  4 対人関係の美しい話を書く。
 (二) 学習事項
  1 事実と意見を区別して聞き分けるように努めるこ
   と。
  2 人の言うことを尊重して聞くこと。
  3 文章を味わって読むこと。
  4 要点を抜き出したり全体を要約したりすること。
  5 どんな本がよいか見分け、よい本を選ぶこと。
  6 書くことによって自分の考えを深めること。
  7 相手の心を動かすよう書くこと。
  8 交友関係を向上させようとする気持ちで書くこと。
四 この単元に用意された教材
 「美しい心」……人間の愛情をえがいた物語。この物語を
 読んで人の心の美しさに感動する。
五 単元の指導計画(総時数11時間)
 (一) 新聞記事や最近のニュースの中で見聞きした美しい話
 
    として話し合う。………………………………(0.5時間)
 (二) 「美しい心」を読む――――――――┬(3.5時間)
 (三) 読み取ったことについて話し合う。―┘
 (四) 読んだ感想を話し合う。………………… (4 時問)
 (五) 学校図書館でいい本を選択して読む。(1 時間課外)
 (六) 人に対する美しい話を書く。(作文指導第一時)
  ・経験や読んだ話について話し合う。
  ・書き方について考える。
  ・経験を書く。
  ・推考する。
六 作文学習指導の展開
 (一) 作文指導第一時
  学習目標 友だちの美しい話や読んだ本の美しい話を訴
   えるために書いて、人間関係を深め、人に対する愛情
   に培う。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 経験について話し合
 う。    (10分)
T みなさんは、人に親
 切にしてあげたり、助
 けてあげたりした経験
 はありませんか。
C 混雑した電車の中で 
・学習のねらいを確認する。

・経験については前時に予告し
 ておくようにする。


○事実と感想を区別して聞き分 
 

189

 老人に席をゆずってあ
 げました。
T 反対に、他人から助
 けられたり、親切にさ
 れ、とてもうれしかっ
 たというような経験は
 ありませんか。
C 道に迷っているとき
 親切にされた。
C 溺れそうになったと
 き助けられた。
A 書くことについて説
 明を聞いたり話し合っ
 たりする。 (15分)
T みなさんが人に助け
 られたり、親切にされ
 たりしたときのことを
 書いて知らせてくださ
 い。
T 読んだ人が、強く心
 をうたれるようにくふ
 うして書くようにしま
 しょう。
  どのように書けば、
 人々の心を動かすこと
 ができますか。 
 けるように努めること。
 
 
 
 
・あまり具体的に話させると書
 く意欲が失われてしまうので
 気をつける。
 
 
 
○効果的な表現について考える
 こと。
・みんなの心に訴えるという面
 からの効果的ということを考
 えさせる。
  取材の面
        ┌ 文の組み立
  表現技能の面┤  て
        | ことばの選
        └  び方
 
・経験が思い起こされず書くこ
 とがないという児童が出た揚
 合。
  読んで人間愛の心に強くう 
 
 
C 人に助けられたりし
 て、自分の心に強く残
 っていることについて
 書く。
C その時の様子や気持
 ちをくわしく書く。
 
C うれしかったとか、
 助かったということば
 で説明するのでなく、
 行動や事実を中心に書
 くとよい。
B どのようなことを書
 くか考えをまとめる。
       (5分)
T 自分は何を書くか決
 めて、そのときのこと
 をよく思い出してごら
 んなさい。
  原稿用紙のわくの外
 に、どんなことを書く
 かメモをしておきなさ
 い。
  特に書き出しの一行
 がだいじですから、ど
 んなことから書くか、 
 たれた話をみんなに訴えるこ
 とでもよいとする。
・話の中心部分の表現に重点を
 おく。
・中心部分を浮き立たせ、他の
 部分は簡略化する組み立てを
 とらせるようにする。
・概念的、観念的にならぬよう
 な指導をする。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
○書こうとすることをまとめて
 から書くこと。
・発想のよし惡しが次の文を書
 き進めるのに大きな影響を与
 えるのでよく考えさせる。
 
 

190

 よく考えておきましょ
 う。
C経験したことを文章
 に書く。  (50分)
T 考えのまとまった人
 は書き始めなさい。
D 推考する。
       (10分)
T 書いた人はよく読み
 返してみて、文と文の
 つながりのおかしい所
 はないか。
  そのときのようすが
 うまく出ているかどう
 かを考えて読んでごら
 んなさい。
E 作品を提出する。
 
 
 
○書くことによって自分の考え
 を深めること。
○読み手の心を動かすよう効果
 的に表現しようとすること。
・教師は机間を回りながら個別
 指導をする。
・推考の観点をあらかじめ示し
 ておくとよい。
・休み時間には、静かに用をた
 させる時間を与える。(5分) 
七 作文の処理と評価
 (一) 処理
  (1) 美しい話を書いた作文を読んで紹介する。
  (2) 評価に利用したあと、綴って備えつけておく。
 (二) 評価の観点と基準
  (1) 効果的に表現しているか。
   A 書かれている事実が、読み手の心に訴えるような 
      ことばで書かれている。
   B どのようなことに心をうたれたかがある程度表現
    されている。
   C 事実は書かれているが、感情の表現が乏しく、共
    感がわいてこない。
  (2) 文章の組み立てはどうか
   A 段落にまとめられ、事実と感想がうまく合って書
    かれている。
    中心になることがらが浮きぼりにされるように文
    章が構成されている。
   B 段落ごとにまとめようとしていることはうかがえ
    るが、平板的な文章構成である。
   C ただことがらを書き流したというような文章構成
    で、中心になることがぼやけている。

   (六) 十  月 

 機  能   思考を正確にし、思想を深めるために書く。 
学習活動
 
学習事項
 
 
題材例 
家の職業(近所の生活)について、感想や意見
や希望を書く。
1 書くことによって、自分の考えを具体化し
 深めること。
2 事実と意見をはっきりさせて書くこと。
 父のつとめ 毋の内職 姉と会社
 となりのおばさん アパートの人たち 

191



   単元 家の職業

一 単元について
 六年生ともなれば、家族の一員としての自覚もたかまり、
家庭生活(職業)についても意見や感想をもつようになる。
この時期に家族の職業や近所同士のつきあいについて、自分
の考えや希望を書くことは生活の向上のために意義がある。
二 単元の学習目標
 家の職業について、自分の意見や感想を書くことによって
自己の思想を正確にし、豊かにする。
三 単元の学習内容
 (一) 学習活動
  1 父母(兄姉)の職業について話し合う。
  2 家の職業について書く構想をたてる。
  3 職業について、感想や意見・希望を書く。
  4 作品を発表し、批評し合う。
  5 推考する。
  6 (書いたことをもとにして、家族で話し合う)
 (二) 学習事項
  1 書くことによって、家の職業についての認識をひろ
   めること。
  2 主旨のはっきりした文章を書くこと。 
    3 事実と意見をはっきりさせて書くこと。
  4 人の言うことを尊重して聞くこと。
四 単元の指導計画(総時数3時間)
 (一) 家族生活(父母、兄姉の職業)について話し合う。
                       (20分)
 (二) 家の職業について書く構想をたてる。………………
   …………………………(25分) (作文指導第一時)
   ・全休で話し合ったことを参考に、家族のだれの職業に
    ついて書くかをはっきり決定する。
   ・どんなことを、どんな順序で書くかを考える。
   ・構想を書きとめておく。
 (三) 職業について、感想や意見・希望を書く。…………
   …………………………(1 時間)(作文指導第二時)
  ・構想メモをもとにして書く。
  ・推考する。
 (四) 作文を発表し、批評し合う。―――┐
   ・代表作文(印刷)を読む。    |
   ・感想や意見をだし合う。     ├…(1時間)
   ・自分の作文を推考する。―――――┘
                  (作文指導第三時)
   ・友だちの作文を参考に、はじめの構想を反省する。
   ・自分の作文を読みかえし、修正する。
 (五) 作文をもとにして、家庭で職業について、話し合う。
五 作文学習指導の展開           (1 時間)
 

192

(一) 作文指導第一時
 学習目標 家族の職業に関心をもち、書くことがらにつ
  いて、構想をたてる。

学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 父母兄弟の職業につ
 いて話し合う。(20分)
T 「家の職業」(板書)
 について、どんなこと
 を書いたらよいか話し
 合っておきましょう。
C (それぞれに書きた
 いと思うことがらを発
 表する。)

 
 
 
 
 
 
 
 
B書くことがらをはっ
 きりさせ、構想をたて 
〇父母兄姉の職業についての関
 心をたかめること。
・児童の書こうとする内容が単
 なる職業紹介にとどまってい
 るときには、意見や感想を入
 れることのたいせつなことを
 補説する。
・児童ひとりひとりが書くこと
 がらをはっきりさせるための
 話し合いであるから、児童の
 発言を大事にして、必要事項
 を板書して、整理してやる。
・だれの職業
・職業の内容
・はたらくようす
・自分の意見感想
・職業の使命 
○書くことがらをはっきりさせ
 ること。 
 
 る。    (25分)
T では、いままでの話
 し合いを参考にして、
 家族のだれの職業に
 ついて、どんなこと
 を、どんな順序で書く
 か、考えてみましょ
 う。
T このつぎの時間には
 きようの構想をもとに
 して、作文を書いても
 らいますから、構想が
 はっきりわかるように
 メモしておいてくださ
 い。 
・構想メモは、形式は一定しな
 いが、書く内容と順序がはっ
 きりわかるような書き方を指
 導する。
○主旨のはっきりした文章を書
 くように構想をたてること。 
 (二) 作文指導第二時
  学習目標 家の職業について、自分の意見や感想を書く
   ことによって、思考を正確にし、職業についての認識
   を深める。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@前時にたてた構想メ
 モを読む。 (5分)
T この前に立てた、構
 想をもう一度読みなお 
・構想にしたがって、きめられ
 た時間内に書きあげるような
 学習も高学年では必要なこと
 である。そのためには、構想 

193

 して、みましよう。
C 各自の構想メモを読
 む。
T (構想を考えるヒン
 トを板書しておく)
T 構想をかえる人はメ
 モを修正してから、作
 文を書きはじめましょ
 う。
A 自分の家の職業を題
 材に作文を書く。
       (35分)
T では、構想をもとに
 して、書きはじめてく
 ださい。この間に書き
 あげてもらいますから
 そのつもりで書いてく
 ださい。
B書きあげたものを読
 み返す。  (5分)
T 書いたら読み返し、
 機想メモと比較して自
 分が書こうとしたこと
 が書けているかどうか
 考えてみましょう。不
 十分だったら書き加え 
がはっきりしていなければな
らない。
○内容
○順序
○自分の意見・感想 




○書くことによって、家の職業
 についての認識を深めるこ
 と。
○事実と意見をはっきりさせて
 書くこと。
○主旨のはっきりした文章を書
 くこと。
・記述がある程度進んだら、書
 き悩んでいる児童に助言を与
 え、相談にのってやる。(机
 間巡視)
・推考は、構想メモと比較しな
 がら行わせる。
  文字・語句・文の誤りも訂
 正させる。 
 
 先生に見せてくださ
 い。
T この次の時間は、み
 なさんの作文のなかか
 らいくつかをえらんで
 発表し、批評し合いま
 しょう。 
 
 (三) 作文指導第三時
  学習目標 推考することによって自己の思考を正確に
   し、家の職業について、認識を深める。 
 
学 習 活 動  学習事項および留意点 
1 プリントした作文を
 共同で推考する。
       (25分)
T 前の時間に書いた作
 文から二点選んで印刷
 しておきました。これ
 を読んで必要なことが
 らや意見がよく書けて
 いるかどうか、自分の
 作文とも比べながら考
 えてみましょう。
C (B)の作文は、にいさ
 んが朝、会社に出勤し 
・教師は、前時に書かせた作文
 の中から二点えらんで、共同
 推考のために、プリントして
 おく。ここに用意したものは
 (A)家の雑貨商について書いた
 ものと、(B)兄の会社勤めにつ
 いて書いたもので、前者は、
 自分の意見や感想もまじえて
 家の職業について、かなり深
 く思考し、構想を考えて書い
 ているもの。後者は、単に兄
 の勤めの説明に終わっている
 もの。 

194

 て、夕方夜間の高等学
 校に行くことの説明だ
 けしか書いてないから
 文章も短くてものたり
 ない。
T では、どんなことを
 もっと書けばよいでし
 ょう。
C 兄の会社の仕事の内
 容、兄が働きながら、
 勉強していることにつ
 いての自分の考えを書
 いた方がよい。
T 文字のまちがいやこ
 とばの使い方や文章の
 組み立てのおかしいと
 ころも気をつけてみま
 しょう。
C 「(A)」の作文は「(B)」
 の作文にくらべて、自
 分の意見や感想がよく
 書かれている。
C 家族が力を合わせて
 家の職業(雑貨商)に
 はげんでいるようすが
 よくわかる。 
○友だちの作文を読んで、主旨
 のはっきりした文章であるか
 どうか、主旨のはっきりした
 文章は、どう書けばよいかを
 理解すること。
 
 
 
 
 
 
・児童の発言から、文章の形式
 面の指導に及ぶ。「ことばに
 関する事項」も内容と切りは
 なさずに指導していくことを
 忘れないようにする。
○文と文との接続、文章におけ
 る段落相互の関係などに注意
 すること。
 
 
○「はじめに全休の構想をたて
 ることの必要性」・「事実と
 意見を書きわけること」など
 を作品をとおして具体的に理
 解させること。 
 
 
A 各自の作文を推考す
 る。    (15分)
T 二つの作文について
 話し合い、学習したこ
 とを参考にして、自分
 の作文をもう一度読み
 かえしてみましょう。
C (各自、修正したり
 書きたしたりする。)
B 作文の処理について
 話し合う。 (5分)
T この作文は、みなさ
 んのうちの人の職業に
 ついて書いたのですか
 ら、家に大事にもち帰
 って、この作文をもと
 に、家族相談会をひら
 くことにしたらよいと
 思いますがどうでしょ
 う。 
○観点をはっきりさせ、目的を
 もって、推考すること。
・内容面のみでなく、文字、語
 句、文章など形式面、表記面
 についても留意して、推考さ
 せるようにする。
・教師は、前時に児童作文を集
 めて、評価しているので、そ
 の評価メモにもとづいて、机
 間を巡視しながら、重点的に
 個別指導をする。
・教師が一方的におしつけるの
 ではなく、児童の意見も聞い
 て決定する。そして、家庭で
 は、自分の意見や見方が絶対
 に正しいものではなく、父母
 ・兄姉の意見や考え方も尊重
 して聞くべきであることを補
 説しておく。 

*「家の職業」について書くことが観念的なものになったり
 抵抗があるような揚合には、「近所のくらし」から題材を
 見出して、書かせてもよい。要するに大切なことは、六年
 生らしい家庭生活への意識をもち、事実をはっきりと把握
 して、それに対する自分の意見や感想がのべられることで 

195

 ある。そして、ただ書くだけでなく、自分の感想や意見と
 して提出し、家庭や近所の生活改善に役だてるところまで
 発展させたい。
六 作文の処理と評価
 (一) 処理
  ○児童の処理、書きあげたものは、個人個人が家庭に持
   ち帰り、各家庭での家族会議の資料としたり、父母兄
   姉から、自分の感想や意見に対しての批評を聞くよう
   にする。
  ○教師の処理、児童が家庭生活に役だてるための作文で
   あるから、教師の手元に長く保管しないで、評価が終
   わったら早く児童に返すようにしなければならない。
    児童に返す揚合に、家庭での話し合いの資料にした
   り、父母や兄姉から自分の考えや見方についての意見
   を聞くように指導するとともに、個人差のある問題で
   あるから、作文を処理する際に、必要ある児童には、
   個人指導を忘れないようにする。
    さらに、児童が作文を家庭に持ち帰る際に、父兄に
   対しての作文のみかた、作文をとおしての家庭指導等
   についての手引き(注意書き)を印刷して、配布すれ
   ば、なおいっそう効果がある。
 (二) 評価の観点と基準
  (1) 家の職業について正しい理解と認識をもち、それに対
    して、自分の意見や感想が的確に述べられているか。 
     A 家の職業に正しい理解をもち、自分の意見や感想
    ものべている。
   B 職業に対しての意見は述べているが、自己中心で
    一方的である。
   C 家の職業に無関心で、観察や思考も浅い。
  (2) 事実と意見とをはっきりと区別して書きわけている
   か。
   A 職業についての事実とそれに対する自分の意見を
    書きわけている。
   B 事実と意見をやや混同している。
   C 事実に対する意見や感想がない。

   (七)  十一  月

機  能  読書の経験をひろめ、読書生活を改善し、
 充実するために書く。 
学習活動
学習事項


題材例 
読んだ本についての紹介文を書く。
1 事実と感想をはっきりと書きわけること。
2 紹介にふさわしいような書きかたをするこ
 と。
 物語 感動した伝記 科学読物 便利な事典
 役にたった参考書 

    単元 読書週間 

196

一 単元について
 十一月は、読書の季節であり、読書週間も設けられてい
る。この機会を利用して、読書について反省し、よい本をえ
らんで読む態度や習慣を養い、読書生活の改善をはかるのは
意義のあることである。よい本を紹介するには、自分の読書
の範囲を広げ、読書のよろこびや内容の価値を獲得しなけれ
ばならない。
 この単元は、児童の読書傾向と読書週間を考慮して、設定
したもので、読書紹介を書くことによって、自分の読書生活
に反省を加え、読書生活を改善するはたらきをもっている。
二 単元の学習目標 読んだ本についての紹介文を書くこと
 によって、読書生活を改善する。
三 単元の学習内容
 (一) 学習活動
  1 各自の読書ノートをみて、読書について話し合う。
  2 「読書と私たち」を読み、話し合う。
  3 図書室で本を読む。
  4 読んだ本のぬき書きや、要約をする。
  5 読んだ本についての紹介文を書く。
  6 回覧して紹介する。
 (二) 学習事項
  1 どんな本がよいか見分け、よい本を選ぶこと。
  2 文章を味わって読むこと。
  3 目的に応じた読み方をすること。 
    4 書くことによって自分の考えを深めること。
  5 紹介にふさわしいような書きかたをすること。
  6 事実と感想とをはっきりと書きわけること。
  7 文字の点画が乱れないように注意して、正しく速く
   書くこと。
四 この単元に用意された教材
 「読書と私たち」読書の方法、良書の選択、読書の効用に
ついての説明(解説)文である。読解して論旨の要点を正し
くつかみ、読書生活の反省と改善の必要性を知識として理解
させるためのものである。さらに、この知識として得たもの
を実際の読書経験や読んだ本についての紹介文を書く活動を
とおして身につけるようにする。
 したがって、この教材「読書と私たち」は、読書生活改善
の必要性と方向について、しさを与えている。
五 単元の指導計画(総時数7時間)
 (一) 読書週間の意義について話し合う。――┐
 (二) 今までの自分の読書生活について反省 ├…(1 時間)
  し、改善の必要を意識する。―――――――┘
 (三) 「読書と私たち」を読み、話し合う。……(1 時間)
 (四) 図書室で本を読む。―――――――――┬(3 時間)
 (五) 読んだ本のぬき書きや、要約をする。―┘
 (六) 読んだ本について紹介文を書く計画をたてる。………
   …………………………(1 時間) (作文指導第一時)
 (七) 読んだ本についての紹介文を書く。………(1 時間) 

197

                   (作文指導第二時)
 (八) 回覧して、紹介する。(時間を特設しない)
六 作文学習指導の展開
 (一) 作文指導第一時
  ○前時までの学習は、読書週間を機会に、読書ノートを
   みたりして自分の過去の読書について反省し、さら
   に、読書についての解説文を読んだりして読書生活改
   善の必要性を意識し、あらたな抱負をもって学校図書
   館で読書している。これでも、今までの読書習慣から
   みれば、かなりの進歩があるはずである。これからの
   作文指導は、これを、自分の読んだ本についての紹介
   文を書くことによって、さらに深めようというのであ
   る。紹介文を書くためには、読書が充実していなけれ
   ばならない。
  学習目標 読んだ本についての紹介文を書いて、読書に
   ついての理解を深め、読書のよい習慣をつける。

学 習 活 動  学習事項および留意点 
@紹介文を書く目的に
 ついて話し合う。
  (書く目的の確認)
       (15分)
T きょうはこれまでに
 読んだ本をみんなに紹 
 介する作文を書いても
・読書紹介文の機能に目をむけ
 させる。何のために読書紹介
 文を書くのか。つまり、書く
 目的をはっきりさせる。
・紹介文の機能を果たすために
 は、どんな内容をもった文章 
 を書けばよいかを考えさせ
 
 
 らいましょう。
T はじめに、読んだ本
 の紹介を書くことが、
 どんなことに役だつの
 か考えてみましょう。
C 各自の意見を発表す
 る。
A紹介文の内容につい
 て考える。 (20分)
  (書く内容の確認)
T 自分の読んだ本の紹
 介としては、どんなこ
 とが書かれていなけれ
 ばならないでしょうか
C 各自の考えを発表す
 る。
 (児童から出された問
 題をなるべくしぼって
 板書する。)
T それぞれわかれば、
 その本を読んでみたく
 なりますね。では、読
 書ノートを見ながら構
 想を立ててみましょう
B 次時の予告を聞く 
 る。
・読書紹介文の機能
 1 未知の本についての案内
  となる。
 2 末知の本への読書意欲を
  たかめる。
 3 お互に読書範囲をひろげ
  ることができる。
 4 書くことによって、自分
  の読書生活の向上をはか
  る。
○書くための材料をととのえる
 こと。
・紹介文の内容について、考え
 させる場合に、読書メモをも
 とにして具体的に考えさせ
 る。
・作者、題名
・紹介の理由
・あらすじ
・感想 
 ・紹介文の構想と書く内容
の要点を個条書きにしたもの
を作らせる。
 
 

198

  (整理と予告)
       (10分)
T この次の時間には、
 みなさんの構想にした
 がって紹介の文章を書
 いてもらいます。 
・紹介文は、読んだ本について
 大事なことを知らせるととも
 に読んでみたいという気持ち
 を起こさせるような書き表わ
 し方をくふうさせる。 
 (二) 作文指導第二時
  学習目標 読んだ本についての紹介文を書くことによっ
   て、読書についての考えを深め、読書の習慣をつける。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 書く目あてとことが
 らをはっきりさせる。
        (5分)
      (目的確認)
T 紹介文を書く前に前
 の時間に書いた構想を
 見直して、書くことを
 はっきりさせましよう
T どんなことを書くの
 か、前の時間の学習を
 整理してみましよう。
・書名、作者
・紹介の理由 
 
・紹介文は、普通の生活文や記
 録文とは異なっている。
  また、単なる読書感想文で
 もない。
・前時に立てた構想について確
 認する。
・本時の紹介文は、この時間内
 に書きあげるようにする。 
 
 
・あらすじ
・感想 
A紹介文を書く
 (目的追求) (35分)
T 読書ノートや参考に
 なるものを見ながら書
 いてください。
B 書いたものを推考す
 る。    (5分)
C読み合ったり、掲示
 したりする。
      (目的達成)
 紹介文は、教室のうし
 ろにまとめて、つりさ
 げておくようにしまし
 ょう。 
○材料を整えて書くこと。
○事実と感想をはっきりと書き
 わけること。
○文章の組み立てを考えてから
 書くようにすること。
○紹介文にふさわしいような書
 きかたをすること。
・形式的な紹介で、読み手に訴
 える力の弱い文章を書いてい
 る者は個人指導する。
・読者の立場になって、文章を
 読みなおさせると目的のはっ
 きりした推考ができる。
・人に読んでもらうものだから
 送りがなや誤字にも注意する
 こと。 

七 作文の処理と評価
 (一) 処理
  整理して、教室内の適当な場所につるしておき、いつで
 も他人の紹介文を、自分の読書のための参考にすることが
 できるようにしておく。図書の分類にしたがって、紹介文
 をわけておくことも、読む人のことを考えた便利な方法で
 ある。 

199

 教師は、児童の作品に評価を書きこまないようにしてお
くこと。(すぐれた紹介文の二、三点に印をして、紹介文
の書き方の参考にする。)
(二) 評価の観点と基準
 1 読書紹介文としてのはたらきが達成されているか。
  A 紹介の理由がはっきりしていて、相手に読書意欲
   を起こさせるような配慮がなされている。
  B 推せんや紹介の意図があまりはっきりしない。
  C 読書感想文と紹介文を混同している。
 2 事実と意見を区別して書いているか。
  A 書かれていることがらと自分の意見を区別して書
   いている。
  B 事実と意見の区別がはっきりしない。
  C 抽象的な意見感想のみを書いている。

  (八) 十二  月

 機  能   自然生活の認識を深め、楽しむために書く。 
学習活動
学習事項
 
 
題材例 
 冬の生活や自然について文章を書く。
1 感動を率直に表現すること。
2 目的に応じた書き方をすること。
3 推考すること。
 冬のしごと 冬の遊び 冬のけしき
 冬の家庭生活 冬の学校生活 
 
 
    単元 冬のくらし

一 単元について
 冬になると、新聞、ラジオなども連日のように「スキー」
や「雪の被害」などを報道するようになる。また、六年生と
もなれば、生活への関心も高まり、自分たちの冬のくらしを
反省するとともに、他の地方のくらしも知りたい、あるいは
自分たちの生活と比較してみたいという欲求は、非常に強ま
っている。
 この単元はそうした児童の欲求に応じて、自然と人間の生
活関係について認識を深めるためのものである。
二 単元の学習目標
 自然や自然生活についての文章を読んだり、書いたりして
自然と人間生活との関係について認識を深める。
三 単元の学習内容
 (一) 学習活動
  1 教材「馬そり、雪の夜」 (詩)を読む。
  2 冬に取材した詩をつくる。
  3 詩集をつくる。
  4 教材「南国の友へ」 (手紙文)を読む。
  5 自分たちの冬の生活について話し合う。
  6 他の地方の冬のくらしについて知る方法を話し合う
  7 自分たちの冬のくらしを他の地方の人に知らせるた
   めに手紙を書く。 

200

  8 冬のくらしを知らせるための詩集・写真・手紙など
   を整理して発送する。
 (二) 学習事項
  1 詩を味わって朗読すること。
  2 事実と意見とを判断して読むこと。
  3 目的に応じた書き方をすること。
  4 用件をはっきりとわかるように書くこと。
  5 推考すること。
  6 文字の点画が乱れないように正しく書くこと。
  7 段落の相互関係に注意すること。
  8 かなづかいに注意して正しく書くこと。
四 この単元に用意された教材
 (一) 馬そり、冬の夜
  冬に取材した詩であり、取材や表現形式を理解し、詩を
 つくる参考となる。(情景や作者の気もちの表現について
 も参考にすべきである。)
 (二) 南国の友へ
  手紙の書き方や形式の参考となる教材である。とくに、
 この場合は、自分が知らせようとしている内容や相手に依
 頼する用件がはっきりとわかるように書かれていることに
 留意すること。
五 単元の指導計画(総時数99時間)
 (一) 単元の学習計画をたてる。……………… (1 時間)
 (二) 教材「馬そり、雪の夜」を読む………… (1 時間) 
   (三) 冬に取材した詩をつくる。……………… (1 時間)
                  (作文指導第一時)
 (四) グループで批評し合い、詩集をつくる… (1 時間)
                  (作文指導第二時)
 (五) 教材「南国の友へ」を読む。…………… (2 時間)
 (六) 手紙や詩集の交換について話し合う。… (1 時間)
 (七) 手紙を書く。(発送する)……………… (2 時間)
                (作文指導第三、四時)
六、作文学習指導の展開
 (一) 作文指導第一時
  学習目標 冬の自然の美しさや冬のくらしに対する感動
   を書いて詩情を育てる。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ この時間は詩をつく
 る学習であることをは
 つきりさせる。(8分)
T まえの時間には、「馬
 そり・雪の夜」の詩を
 読みましたが、きよう
 は、まえに計画したよ
 うに.みんなで冬のく
 らしの詩をつくってみ
 ましょう。
T どんな題材をえらん 
・詩をつくる活動を通して、
 物の見方や感じ方を自由にの
 ばすように指導すること。
・模倣は禁物であるが、詩の取
 材・表現・形式については、
 教材を参考にさせること。
・(前時の学習で、作詩意欲を
 たかめておくことがたいせつ
 である。)
○情景や感動を率直に、効果的
 に表現すること。 
 

201

 で詩につくりますか。
 めいめい書こうとする
 詩の情景や気持ちを頭
 の中に思い浮かべてご
 らんなさい。
B 冬のくらしに取材し
 た詩をつくる。
        (30分)
B つくった詩を読みか
 えし、推考する。
        (7分)
T 作った詩を読んでそ
 の様子や気持ちがよく
 感じられるか、自分の
 気持ちが書き表わせた
 かなどを考えながら読
 みましよう。 
・記述中は机間を回り、個別指
 導をする。(観点―感覚を
 はたらかせて、具象的に書
 く。感動したことを焦点的に
 書く。考えのはいった詩を書
 く。観念的な詩にならないよ
 うに。)

○推考すること。
・書き終わったら必ず読みかえ
 して、推考するような習慣を
 つける。この場合、推考の観
 点を児童にしっかり指示して
 おくことがたいせつである。 

 (二) 作文指導第二時
  学習目標 自分たちのつくった詩を集めて、グループで
   詩集を作り、詩を読んだり、書いたりすることの楽し
   さを味わう。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ この時間の学習の目
 あてをはっきりする。 
・作品をお互いに交換して、読
 み合うことは、児童の相互評 
 
       (5分)
T この前の時間につく
 った詩をグループで交
 換して読み合いますが
 はじめに、どんなこと
 に気をつけて、読み合
 うか。話し合っておき
 ましょう。
C 作者の気持ちや考え
 がどのように表現され
 ているか読みとる。
C 表現の中でいきいき
 としたことばを見つけ
 る。
C どんな情景かを読み
 とる。
B グループで交換して
 読み合い、わかったこ
 と、気づいたことをノ
 ート(感想を書きこむ)
 にまとめる。(20分)
B グループごとに感じ
 たことを発表し合い、
 話し合う。 (8分)
C グループごとに詩集
 をつくる。 (7分)
 
 価であり、「どんなことに留
 意して他人の作品を読むか。」
 ということは、学習活動の焦
 点であり、相互評価のたいせ
 つな観点である。
・児童の発言事項の要点は、板
 書しておき、ひとりひとりが
 他人の作品を読むときの観点
 をはっきりしておくこと。
・教材の詩も参考にするように
 助言しておく。
・グループは、六、七人で一グ
 ループぐらいが適当である。
○詩を味わって読むこと。


・グループを巡視して、活動が
 学習の焦点からはなれないよ
 うに助言指導する。
・詩のあとに感想を自由に書き
 こめる欄をつくっておくとよ
 い。


・本格的な詩集の編集ではなく
 グループの詩を整理して、簡 

202

D 自分でつくった詩を
 朗読する。 (5分)
T 最後に、各グループ
 からひとりずつ自分で
 つくった詩を朗読して
 もらいましょう。
C (各グループで相談
 して、朗読者をきめ
 る。) 
 単な表紙をつける程度にす
 る。
○聞き手にわかるように感情を
 こめて読むこと。
・朗読は、表現読みであるから
 単なる音読ではない。 

 ○次の時間から二時間は「南国の友へ」 (手紙文)の読
  解指導である。これは「北国の友だちが暖かい鹿児島
  県の友だちに、北国の冬のくらしを知らせ、さらに暖
  かい地方の冬のようすを知らせてください。」という内
  容の手紙である。自分たちの冬のくらしを詩や手紙で
  他の地方の友だちに知らせ、そして先方のようすも知
  らせてもらうという作文活動の導入として指導する。
(三) 作文指導第三時
 学習目標 他の地方の冬のくらしのようすを知るための
  計画をたてる。

学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ この時間に学習する
 ことは、どんなことか
 をはっきりさせる。 
・教師は、本時の学習が今後
の学習のためにどんな役割を
もつかをはっきりさせておく 
 
 
      (3分)
○自分たちの冬の生活
○他の地方の生活のよ
 うすを知る方法 
A 自分たちの住む土地
 の冬の生活のようすを
 考える。  (20分)
T わたしたちの冬の生
 活には、どんなことが
 あるか考えて、ノート
 に個条書に書いてみま
 しょう。
B 書いたものをもとに
 して話し合う。
C他の地方の冬の生活
 を知る方法を考える。
        (12分)
T 他の地方の冬のくら
 しはどうでしよう。わ
 たしたちの知らない冬
 の楽しさや生活がある
 ような気がしますね。
 これらのことを知るよ
 い方法について考えて
 みましょう。 
 
 
 
 
○個条書にすること。
・机問を回りながら、学校生
 活・家庭生活・冬の自然等に
 わけて考えてみるとよいこ
 と。教材の「南国の友へ」で
 読みとったことを思い出し、
 比較することなどを助言す
 る。
・自分たちの住む土地の冬のく
 らしの特徴をつかみ、人間と
 自然の関係を話し合いにより
 理解させる。
 
・学習の過程において、他の地
 方の生活のようすを自分たち
 の努力で知りたい。自分たち
 の生活と比較してみたい。
 という欲求をもりたてること
 がたいせつである。
○グループでの主な相談事項
・話し合いできまったことはグ 
 

203

C 自分たちの生活を知
 らせ、先方のようすを
 知らせてもらう。
C 手紙・詩集・写真な
 どを交換する。
D 手紙や詩集を交換す
 る計画をたてる。
  (グループ) (10分) 
 ループごとにまとめておく。
・グループごとに手紙をだす土
 地を選定する。
・どんな手紙を書くかを考え
 る。 
 (四) 作文指導第四時
  学習目標 自分たちの冬のくらしのようすを手紙に書く
   ことによって、自然と生活への関心を高め、友情を深
   める。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ どんな手紙を書くか
 話し合う。 (10分)
T きょうは、冬のくら
 しのようすを知らせる
 手紙を書いてもらいま
 すが、どんなことに注
 意して書きますか。
C 相手をはっきりさせ
 て書く。
C 前書き、本文、用件
 結びなどをはっきりと 
・本時に書く手紙の目的と性格
 をはっきりしておくこと。
・手紙の形式は、四、五年です
 でに学習しているが、一応整
 理の意味で内容と関連させな
 がら考えさせる。
・ここで書かせる手紙は単に生
 活を表現した手紙でなく、生
 活の事象を客観的に説明した
 手紙であるから、書く前によ
 く児童に注意すること。 
 
 相手によくわかるよう
 に書く。
C 冬のくらしを相手に
 知らせるのだから、学
 校の生活、家庭生活、
 自然のようす自分の考
 えなどをはっきりさせ
 て書く。
A 手紙を書く(30分)
B 書きあげたものを読
 み返す。  (5分)
T 書いたら読み返し自
 分が知らせようと思っ
 ていることがはっきり
 わかるように書かれて
 いるか。手紙の形式に
 まちがいはないかを考
 えてみましょう。 
○用件や冬のくらしのようすが
 はっきりと相手にわかるよう
 に書くこと。
○目的に応じた書き方をするこ
 と。
○段落のはっきりした文章を書
 くこと。
○文字の組み立てを考えて書く
 こと。
・机間を回る際には、上のよう
 な学習事項に留意して、個別
 指導をすること。
○推考すること。
・推考は、目的にしたがって行
 なうこと。――要件が満たさ
 れているか。相手への親しみ
 の情が現われているか。相手
 に応じたことばが使われてい
 るか。 
 (五) 作文指導第五時
  学習目標 自分たちの冬のくらしを書いた手紙や詩集を
   整理し、発送することによって友情を深める。 

204

学 習 活 動  学習事項および留意点 
@前時に書いた手紙文
 を交換して読み合う。
       (20分)
T いまから、グループ
 で手紙を交換し合って
 受取人になったつもり
 で読んでみましよう。
 どんなことに気をつけ
 て読んだらよいか考え
 てみましよう。
○ことばづかいや手紙
 の形式
@ 生活のようす(学
 校・家庭・地域社会
 ・自然)
A 文字の誤り、語句
 の使い誤り 
T 読み終わったら、お
 互いに気がついたこと
 を注意し合って、自分
 の手紙をもう一度なお
 しましよう。
A 詩集を整理する。 
・手紙文の相互評価であるから
 読む観点をはっきりさせてお
 くことがたいせつである。
・グループ別の学習が主になる
 が、全体的な問題があったら
 教師が一斉に指導することが
 望ましい。
 
 
 
・グループは、詩集をつくった
 ときと同じ構成にしたほうが
 よい。
 
 



・推考は、手紙を書いた目的、
 手紙の機能に応じて、具体的
 に項目を決めて読み合い修正
 する。

・すでに作成ずみの詩集である 
 
      (10分)
B封筒の表書きをして
 発送の準備をする。
      (15分) 
 が、各地に発送するものとし
 て適当であるかどうか検討さ
 せる。
・表書きを書いたら封をしない
 で提出させ、教師が検討でき
 るようにしておく。
○書式にしたがって書くこと。
・一つのグループは、一括して
 同一地に送付するようにす
 る。 

七 作文の処理と評価
 (一) 処理
  (1) 児童の処理
    冬の生活を題材としてつくった詩をグループごとに
   詩集にまとめ、冬のくらしのようすを紹介した手紙と
   いっしょに知らせてあげたい地方の友だちあてに発
   送する。また、自分たちのようすを知らせると同時
   に、先方のようすを知らせてもらうことも大事な目的
   である。したがって、最終時間の学習(詩集や手紙を
   グループごとに整理して、発送準備をする。)は、児童
   にとっては、作品の処理である。
  2 教師の処理
    児童にとっては、先方からの返事がたのしみであ
   る。教師の手もとに保管する期間が長くなれば、発送 

205

  がおくれてしまうので、早急に検えつして実際に発送
  するようにしなければならない。さらに、教師からの
  手紙も添えておけばなお親切であり、先方のうける感
  じもよい。
(二) 評価の観点と基準
 ○詩について
  1 取材が適切で、考えや感情を効果的に表現してい
   るか。
   A 取材が適切で、感覚をはたらかせて、自分のこ
    とばで書いている。
   B 取材はよいが、表現がやや理くつめいている。
   C 表現もまずく、観念的である。
 ○手紙について
  1 自分たちの生活のようすを紹介する手紙にふさわ
   しい内容であるか。
   A――自分たちのくらしのようすや用件が相手にわ
    かるように、適切なことがらをえらんで書いてい
    る。
   B――自分たちのくらしのようすを知らせようとし
    ているが説明が不十分である。
   C――手紙の目的がはっきりしない。
  2 手紙としての形式はととのっているか。
   A――手紙の形式にしたがい、文字もきれいであ
    る。 
 
   B――手紙の主旨は、はっきりしているが、手紙用
    語や書きだし結びのことばが適切でない。
   C――手紙の形式がおかしく、まとまりがない。

   (九)  一   月

 機  能   学習や研究に役だてるために書く。 
学習活動
学習事項
 
 
 
 
題材例 
 実験記録を書く。
1 材料を整えて書くこと。
2 図解や表を効果的に書くこと。
3 実験の計画・準備・過程・結果がはっきり
 わかるように書き、結果についての考察を書
 くこと。
 ふりこの実験 キノコの栽培
 金属とさびの実験 カビの実験 

   単元 実験記録

一 単元について
 六年の三学期ともなれば、実験や調査、見学などの記録を
書いて研究に役だたせねばならぬことが多くなる。また、実
験や調査の記録を書くことは、その内容や結果を理解するた
めにも役だつ。
 この時期に、実験記録や調査記録の必要性を自覚し、いま
までの記録の書き方を反省して、その向上をはかることは有 

206

意義なことである。
 この単元は、実験記録を書くことによって、学習や研究の
内容を整理して、理解や思考を深めるとともに、それは後々
のために役にたつものである。
二 単元の学習目標
 実験の過程や結果を記録することによって、理解や思考を
深め、学習や研究に役だてるようにする。
三 単元の学習内容
 (一) 学習活動
  1 理科のノートをもとにして、いままでの実験記録に
   ついて話し合う。(反省)
  2 実験の計画・準備・過程・結果を整理する。
  3 実験記録の書き方や必要性について話し合う。
  4 実験記録を書く。
  5 友だちの実験記録を共同で推考する。
 (二) 学習事項
  1 人の言うことを尊重して聞くこと。
  2 文章の組み立てや叙述に即して読むこと。
  3 材料を整えて、事実を正確に書くこと。
  4 実験の計画・準備・過程・結果などがはっきりわか
   るように書くこと。
  5 記録が学習や研究に役だつように書くこと。
  6 図解や表を効果的に書くこと。
  7 結果についての考察を書くこと。 
    8 文と文との接統、文章の段落相互の関係などに注意
   すること。
四 この単元に用意された教材
  「学習ノート」今までの実験記録の書き方を反省し、その
欠点を発見して、実験記録の目的、必要性をいっそうはっき
りと自覚し、より効果的な実験記録の書き方を考えさせるた
めの教材である。
五 単元の指導計画 (総時数3時間)
 (一) 実験記録の目的・必要性・書き方について話し合う。
   …………………………(1 時間) (作文指導第一時)
   ・いままでに書いた実験記録について反省する。
   ・実験記録を書く目的、必要性について話し合う。
   ・実験記録の内容・形式について話し合う。
   ・ふりこの実験記録を書くことについて話し合う。
 (二) ふりこの実験をする。
 (三) 実験記録を書く。…………………………(1 時間)
                   (作文指導第二時)
   ・メモを整理し、内容をまとめる。
   ・項目をきめて書く。
 (四) 友だちの実験記録を共同で推考する。  (1 時間)
                   (作文指導第三時)
   ・実験記録を交換して読み合う。
   ・プリントした実験記録を共同で推考する。
 (五) (記録をもとに、実験結果について話し合う) 

207

六 作文学習指導の展開
 (一) 作文指導第一時
  学習目標 実験記録を書く目的や必要性を考え、それに
   適した書き方を理解する。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ これまでに書いた実
 験記録について話し合
 う。    (20分)
T 理科のノートをもと
 に、いままでの実験記
 録を反省してみましょ
 う。
C (グループごとに話
 し合いをはじめる)
A 実験記録を書く目的
 必要性について話し合
 う。    (20分)
T グループごとに自分
 たちで話し合ったこと
 を発表してもらいまし
 ょう。
C 実験の図解も書いて
 おいたほうがよい。
C 実験の材料や準備の 
・実験記録の必要性や目的を再
 認識して、本当に役にたつ実
 験記録を書くようにするため
 の反省であるから、話し合い
 の観点をはっきりしておくこ
 と。
・話し合った要点は、グループ
 ごとにまとめておいて発表さ
 せる。
・反省事項をまとめて板書す
 る。(教師)
・反省事項をもとに、実験記録
 の必要性や目的を確認させ
 る。
○書く目的をはっきりさせるこ
 と。
・前に行なった「レンズ]の実験
 ・「かっ車」の実験等の記録
 を引用して、具体的に話をす 
 
 
 ことをはっきり書いて
 おくこと。
C 失敗や成功、苦心し
 たことなども書いてお
 くとよい。
B 「ふりこ」の実験記
 録を書くことについて
 話し合う。 (5分)
T では、これまで話し
 合った実験記録の書き
 方をまとめ、それにし
 たがって構想を立てて
 みましょう。 
 すめる方が効果的である。
・実験内容の反省になってしま
 わないように留意すること。
 
 
○目的に応じた書き方をくふう
 すること。
○構想を立てること。
T 実験記録の書き方をまとめ
 それにしたがってめいめい構
 想を立てる。 
  ○次の時間は、「ふりこ」のふれ方、振動数について実
   験・観察をする。この際、準備が整い、内容が充実し
   て、意欲的な実験がなされないと、整理記録がうまく
   いかないことになる。実験については、目的、方法、
   実験の順序、結果などについてできるかぎり細かに観
   察して要点をメモしておく。
    なお、実験は、複雑なものは避け、簡単に実験、記
   録できるようなものを選ぶようにする。家庭において
   あるいは放課後実験させてもよい。     
 (二) 作文指導第二時
  学習目標 実験記録を書いて実験の結果の処理、記録の 

208

  方法を理解し思考を正碓にし認識を深める。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 実験記録の内容につ
 いて話し合う。
        (10分)
T どんなことを記録し
 たらよいか。
C 実験の用具、材料を
 書く。
C 実験の結果を正確に
 記録する。
C 実験してわかったこ
 と、実験の順序などを
 書く。
A実験記録を書く
       (25分)
T 形式や内容をよく考
 え.結果についての考
 察や判断もわすれない
 ように書いておきまし
 ょう。
B 書きあげたものを読
 みかえす  (10分)
T 書いたら読みかえし
 自分が書いておこうと 
・どんなことをどんな順序で実
 験するのかをはっきりさせ
 て、実験にかかる。
  (ふりこの振動を、振幅、お
 もりの重さ、ふりこの長さを
 変えて調べる。)
・児童が発表したことの要点を
 板書する。
○実験の計画・準備・過程がは
 つきりわかるように書くこ
 と。
○材料を整えて、事実を正確に
 書くこと。
○記録が学習や研究に役だつよ
 うに書くこと。
○図解や表を効果的に書くこと
 と。
 ・推考は目的にしたがっておこ
 なわせる。
 ・文字・語句・文のあやまりも
 訂正させる。 
 
 
 したことが書けている
 かどうか考えてみまし
 ょう。 
 
 (三) 作文指導第三時
  学習目標 実験記録を、書く目的に照らして推考し、記
   録の機能が十分果たせるようにする。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@前時に書いた実験記
 録を交換して読み合う
       (25分)
T この前書いた実験記
 録を隣の友だちと交換
 して読み合い、気がつ
 いたことをノートに書
 いてみましょう。観点
 については、先生が黒
 板に書きます。
T 読み終ったら、気づ
 いたことを隣同士で話
 し合ってみましょう。
T 友だちの実験記録を
 読んで、参考になった
 ことや感想を全体に発
 表してもらいましょう 
・友だちと実験記録を読み合っ
 て、実験記録に適した形式で
 正確な記録がなされているか
 どうかを評価し合い、実験記
 録はどう書けばよいかをいっ
 そうはっきりと理解させる。
○学習や研究に役だつような実
 験記録の書き方がわかるこ
 と。
・実験の過程・結果がよくわ
 かるか。
・自分の過程や結果と比較し
 てどうであるか。
・記録の形式はどうか。
・結果に対する考察はどうか 
・お互いに欠点のさがし合いに 
 

209

C わたしの実験の結果
 と○○君の結果とは、
 ちがっていたので話し
 合ったら、わたしの記
 録がまちがっていたこ
 とがわかりました。
C ○○さんの表はよく
 できていて参考になっ
 た。
C ○○君の実験記録は
 要点が個条書きにして
 あって、よくわかるが
 結果がはっきりしな
 い。
A プリントした実験記
 録を共同で推考する。
       (20分)
T 書いてもらった実験
 記録から二点選んで印
 刷しておきました。こ
 れを読んで、目的に合
 った実験記録かどうか
 考えてください。
T 実験記録の書き方に
 ついて勉強しましたが
 これからは授業に実際 
なり、ののしり合いにならな
いように、学習が建設的にす
すめられるように気をつける
ことがたいせつである。
 
 
 
 
・最初に板書したことと照合し
 て、要点を板書しておいたほ
 うがよい。
 
・実験記録という性格から、横
 書きが望ましいことも理解さ
 せる。
 
・教師は自由に書かせた実験記
 録の中から、内容・形式とも
 に整っているものと実験記録
 としては、適当でないものと
 代表的作品を二点えらびプリ
 ントしておく。
 
・児童の発言を大事にしながら
 実験記録の望ましい書き方を
 はっきりさせる。 
 
 
 に生かしてみましょ
 う。 
 

七 作文の処理と評価
 (一) 処理
   理科学習としての必要性から実験記録を書くのであり
  内容的には、理科学習に役だつものでなければならな
  い。したがって、作文の処理もその目的にそって、処理
  されなければならない。書きっぱなしで放置されたり、
  俗にいう作文のための作文で終わってしまったのでは、
  実験記録としての機能が発揮されないし、ほんとうの実
  験記録を書く能力は身につかない。したがって、ここで
  書いた作文は理科の実験記録ノートとして保管するよう
  にする。
 (二) 評価の観点と基準
  1 実験記録としてふさわしい内容であるか。
   A 実験の過程、結果、結果に対する考察反省等が客
    観的に正確に記録され、図解や表も効果的に挿入さ
    れているもの。
   B 実験についての記録にはなっているが、内容が雑
    然として整理されていないもの。
   C 実験について書いてはいるが、客観的な実験記録
    になっていないもの。
    ○児童の共同推考では、相互評価させることによっ 

210

  て、実験記録の書き方の理解を深める。

   (十)  二   月

 機  能   詩や作文などいろいろな文章を書き、文集を
 編集する。 
学習活動
 
学習事項
 
 
題材例 
 詩や作文などいろいろな文章を書き、文集を
 編集する
1 目的に応じた文章を書くこと。
2 効果的に表現しようとすること。
3 内容にふさわしい編集をすること。
 学校生活の思い出 小学校生活の反省
 希望・抱負 意見交換 座談会記録 

   単元 卒業記念文集
一 単元について
 卒業期を前にして、六年生は、今、新しい中学生活への希、
望と、小学校生活への別離との複雑な感情の中にいる。六年
間の思い出は楽しく、いろいろと忘れられぬものがあり、卒
業後の新しい生活は、不安でもあり、希望にも満ちている。
それらはすべての児童に共通した心の動きであり、書きとめ
て、思い出の糧として残したいところのものである。
 この単元はそうした時期と児童の心の動きに即応して、い
ろいろな文章を書き、卒業記念文集を編集し、一生の思い出 
  とするとともに、変わりない友情の交流をはかり、恩師や母
校をしのぶことを意図したものである。
二 単元の学習目標
 卒業念記文集を作ることによって小学校時代の思い出とし
卒業後も教師や友だちと心が通い合うようにする。
三 単元の学習内容
 (一) 学習活動
  1 卒業記念文集の編集について話し合う。
  2 内容や編集の参考にするために、いままでの文集な
   どを読む。
  3 詩や作文などいろいろな文章を書く。
  4 卒業記念文集を編集する。
 (二) 学習事項
  1 人の言うことを尊重して聞くこと。
  2 相手や場にふさわしい話し方をすること。
  3 文章を味わって読むこと。
  4 要点をつかんだり、全休を要約したりすること。
  5 目的に応じた文章を書くこと。
  6 思い出や心情を効果的に表現しようとすること。
  7 推考すること。
  8 文における主語・述語・修飾の関係に注意するこ
   と。
  9 内容にふさわしい編集をすること。
四 この単元に用意された教材 

211

 (一) 卒業記念文集
   文集作りのための導入となり、参考とするための教材
  である。これを読んで、卒業記念の文集は、どういう意
  義をもち、どういう内容であることが望ましいか。ま
  た、どんな方法と手順で編集したらよいか、どんなくふ
  うをするかなどを考えるように方向づけをしたい。
 (二) 楽しかった林間学校・学習ノート・すだつ声
   卒業記念文集にのせるために文章を書くときの参考と
  なる教材である。これらの文章を読んで、題材の選択、
  作者の書こうとした気持、表現のすぐれているところ、
  目的に合った書き方、などを読みとり、自分が書くとき
  の参考にするように注意を向けさせたい。
 (三) 昨年度の卒業生の文集
   自分たちの最も身近にいた人たちの文集であり、内容
  や編集のしかた等を十分に検討して、参考にすべきであ
  る。(二、三年前のもあれば、なお、結構である。)
五 単元の指導計画(総時数10時間)
 (一) 卒業記念文集の作成について話し合う―┬…(2 時間)
 (二) 教材「卒業記念文集」を読む―――――┘
                 (作文指導第一、二時)
 (三 卒業記念文集にのせるために、どんな詩や文章を書く
  かを話し合う。…………(1 時間) (作文指導第三時)
 (四) 教材「楽しかった林間学校・学習ノート・すだつ声」
  を読む。………………………………………………(3 時間) 
   (五) 卒業記念文集にのせる作文を書く。…………………
  …………………(3 時間) (作文指導第四、五、六時)
  ・各自で文章の主題、構想を考える。
  ・文章や詩を書く。
  ・推考する。
  ・グループで批評し合う。
  ・批評をもとにして修正し、清書する。
 (六) 寄せ書きの文章を書く(1 時間) (作文指導七時)
 (七) 原稿をまとめ、編集する――――――┬ 作成委員
 (八) 印刷(校正)・製本をする―――――┘      
六 作文指導の展開
 (一) 作文指導第一、二時
  学習目標 卒業記念文集をつくる目的をはっきりして、
   編集の計画をたてる。

学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 卒業記念文集の作成
 について話し合う。
       (20分)
 ・文集をつくる目的
 ・文集の内容について
 ・作成の方法について
 (いろいろと児童に自 
・卒業記念文集を作ろうという
 意欲を起こさせ、その作り方
 をどのようにするかを考えさ
 せ、計画をたてる。
・前年度の卒業記念文集も準備
 しておく。
・最初に教材の学習をしてから 
 

212

  由に意見をださせて
  板書して整理してお
  く。)
 
 
 
A 「卒業記念文集」を
 読む。   (40分)
T たくさんのいい意見
 がでましたが、ここで
 「卒業記念文集」(教
 材)を読んでみましょ
 う。参考になることが
 たくさんあると思いま
 す。
T 読み取ったことはノ
 ートにメモしておきま
 しょう。
B 自分たちの卒業記念
 文集について、たりな
 い点を考えて、編集の
 方法を話し合う。
       (30分)
 (児童の意見をもとに
 して、板書して整理す
 る) 
 文集作成の計画をたてる方法
 もあるが、ここでは、進んで
 文集をつくろうとする意欲を
 たかめて、その參考とするた
 めに教材を学習するという順
 序をとった。
・いままでに話し合ったことと
 比較して教材の文章を読んで
 どんな点が参考になったか。
 また、どんな点がくふうされ
 ているかを読みとらせる。
・計画のたて方には、いろいろ
 な方法があるが、なんのため
 に文集をつくるのかを確認す
 ることがたいせつである。目
 的がはっきりすれば、そのた
 めにはどんな作品を書いた
 り、集めたりしたらよいか、
 文集の題とか表紙・カットを
 どうしたらよいかということ
 もはっきりしてくる。
○人の言うことを尊重して聞く
 こと。
・文集作成委員会は、主として
 編集・印刷製本について実
 際に行なう機関とし、計画は 
 
・作る目的
・文集作成委員会を作
 る
・文集作成委員に対す
 る希望
・文集の名まえと内容 
全体でするようにした方がよ
い。または、グループごとに
作成委員になったつもりで原
案を作らせるのもよい。
 グループごとに原案を作っ
た場合はそれを発表し合い、
全体討議する。 
 (二) 作文指導第三時
  学習目標 りっぱな文集をつくるためにどんな詩や文章
   が卒業記念文集にふさわしいものであるかを考える。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 文集の内容について
 確認する。 (30分)
T 文集作成委員から文
 集の内容について説明
 してもらいましょう。
C (板書して説明する)

内容
1 先生がたのことば
2 六年間の生活の反
 省・思い出・記録・
 詩・感想など
3 わたしの希望 
・前時に決定した文集作成委員
 が、みんなの希望を参考にし
 てたてた計画を発表させ、こ
 れについて討議する。この場
 合、実際に原稿(作品)を書
 くのは、クラスの全員である
 から、十分に討議し、内容が
 よく理解されていなければな
 らない。とくに、直接、関
 係のあるものは、「2、3、
 4」である。
 〔2、3〕は、思い出を詩や
 作文に書く。六年間のいろ 

213

4 ひとりひとこと
  (寄せ書き)
5 住所録 
C 何か質問はありませ
 んか。
C 意見があったら、言
 ってください。
T わたしたちの文集を
 わたしたちが作るため
 の話し合いですから、
 ひとりひとりが真剣に
 考えて、質問や意見を
 だしてください。
A 自分の書くことがら
 について考える。
       (15分)
T これで、文集の全体
 としての内容がわかり
 ましたから、自分は、
 どんなことをどんなふ
 うに書くか考えてみま
 しょう。
T 考えたことはノート
 にメモしておきましょ
 う。 
  いろな記録を整理して、あ
  との利用や保存について考
  える。卒業するに当たって、
  今までの生活をふり返って
  希望や意見を書く。恩師の
  印象を書く。親友について
  書くなどのことが考えられ
  る。
 〔4〕は、字数をきめて、寄
  せ書きの文章を書く。寄せ
  書きは、そのまま版にして
  収載できるようにするとお
  もしろい記念となる。
・教師は、机間を回りながら児
 童は、どんな文章を書こうと
 考えているのか。大体の傾向
 をつかんでおく。
○目的に応じた文章を書くこと
 を考える。
・ひとりひとこと(寄せ書き)
 については、後日、考えるこ
 とにする。
・短歌や俳句は、なるべく避け
 るようにする。 
 
 
C ノートにメモする。   

 ○卒業記念文集の性格や内容がわかり、これにのせるた
  めの作品として、どんなことをどんなふうに書こうと
  いう、大体の構想が、各自にまとまった。ここで、参
  考作品としての教材の読解指導にうつる。これらの教
  材の文章を読んで、作者の書こうとした気持や、表現
  のすぐれているところをノートに書いたり、話し合っ
  たりして、自分が文章を書くときの参考にする。また、
  目的に合った書き方を理解することもたいせつであ
  る。したがって、ここでの読解指導は、次に作文を書
  くためにヒントを与え、主題や構想の深まりを誘導
  し、文集にのせるために、作文を書く意欲と自信を高
  めるような指導が望ましい。作文への関連のない読解
  指導では思考が中断されてしまう。
(三) 作文指導第四、五時
 学習目標 卒業記念文集を作る目的で、それにふさわし
  い作文を書くことによって、考えを深め、心情を豊か
  にする。

学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 各自で文章の主題を
 考え構想を立てる。
        (10分) 
・卒業記念文集には、大体思い
 出のような感想文、生活文が
 多いが、六年になって研究し 
 

214

T まえにも文集にの
 せるために、どんなこ
 とを書くか考えてみま
 したが、いろいろ参考
 になる文章を読んで、
 考えや、書き方のかわ
 った人もあると思いま
 す。ここで、もう一度
 はっきりと自分の書く
 主題と構想をノートに
 まとめてみましょう。
C ノートにまとめる。
A 卒業記念文集にのせ
 るために文章を書く。
       (25分)
T 構想がまとまった人
 は、原稿用紙に書きは
 じめてください。
  原稿用紙は、正しく
 使わないと編集のとき
 困ります。
B 推考する。
       (10分)
T 書き終わったら、文
 集にのせる作品として
 これでよいかどうか、 
 たことをまとめてのせてもお
 もしろいものになる。
 ・書く目的に応じて書く文章
 の種類がきまり、書き方もき
 まることをよく理解させてお
 くこと。
 
○目的に応じた文章を書くこ
 と。
○書くことによって、考えを深
 めること。
○効果的に表現しようとするこ
 と。
○文と文との接続、段落相互の
 関係などに注意すること。
・「効果的な表現、段落意識」
 などに観点をかえて、個別指
 導をする。
 
 
 
○推考すること。
 〔推考の観点〕
・想のみだれはないか。
・書こうとすることがらをはっ
 きりわかるように書いている 
 
 
 よく読みなおしてくだ
 さい。
T すっかり終わった人
 は、先生の机上に提出
 してください。 
 か。
・もっと表現をくふうする必要
 はないか。
・段落の相互関係はどうか。
・文字・表記・符号にまちがい
 はないか。
・適切な題名か。 

 (四) 作文指導第六時
  学習目標 作文について批評し合うことによって、文章
 の構成・目的に応じた文章の書き方を理解する。
学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 批評の観点について
 話し合う。 (10分)
T きょうは、この前の
 時間に書いた作文をグ
 ループで読み合って、
 批評し合うことにしま
 す。
T はじめに、どんなこ
 とに気をつけて読んだ
 らよいか話し合ってお
 きましょう。
 (児童の答の要点を板
 書する。) 
・文集にのせるために、作文を
 よりいっそう立派なものにす
 ることがねらいであり、その
 ためには、グループの人の作
 文をどんなことに留意して読
 むのか観点がはっきりしてい
 なければならない。このため
 にもはじめに批評の観点につ
 いて話し合い、板書しておく
 ことは、たいせつであり、本
 時の学習を効果的にする。
・他人の作文を読む場合に、欠
 点ばかりを見つけないで、読 
 

215

・目的に合った文章が
 書けているか。
・文章の構成を考えて
 書いているか。
・表現は適切か
・表記のあやまりはな
 いか。 
A グループで輪読し、
 批評し合う。(20分)
T 読んで気がついたこ
 とはメモしておき、グ
 ループで話し合うよう
 にしましょう
B 批評をもとにして修
 正し、清書する。
       (15分) 
 んでよくわかる点、感じがよ
 く出ている点などを、書き手
 の意図を考えて読みとるよう
 に指導することもわすれては
 ならない。
○かなづかいに注意して正しく
 書くこと。
○文字の点画が乱れないように
 書くこと。
・文集として編集するための原
 稿であるから、原稿用紙の使
 い方にも留意させること。 
*このあと、原稿をあつめて、整理し、編集・印刷・製本と
 いう手順になる。編集については、はじめの計画を尊重す
 るとともに他の学級とも相談して、文集作成委員が原案を
 つくり、全体で討議する。表紙・カット・もくじ・住所録
 等の作成も、委員が企画して、全体で分担するようにしむ
 ける。印刷・製本は業者に依頼するが、校正の経験はさせ
 たほうがよい。 
  七 作文の処理と評価
 (一) 処理
   卒業記念文集にのせるために書いた作文であるから、
  全部文集に収録する。長さや内容の関係で作文の修正を
  必要とするような場合には、本人と相談してきめる。他
  人の原稿はつねにたいせつに取り扱うことをわすれては
  ならない。
   教師は、全部の作文に目を通し、卒業記念文集の原稿
  としてふさわしくないような作文は、児童を個人的に呼
  んで書き直させる。それから一括して編集にまわすよう
  にする。目的を達成するよろこびが、作文の根源であ
  り、ひとりひとりの原稿をたいせつにして、りっぱな卒
  業記念文集を作りあげることが、作品の最終的な処理で
  ある。
 (二) 評価の観点と基準
   評価は、つねに観点をはっきりさせて行なわなければ
  ならない。この単元では、卒業記念文集にのせるための
  作文として、ふさわしいものであるかどうかを次のよう
  な面から評価する。
  ○題材○内容○表現○形式○表記
   ここで、留意しなければならないことは、選んでいる
  題材や書こうとする内容によって、表現や形式も異なっ
  てくるということである。つまり、目的に応じた構想が
  たてられ、書き方や表現のくふうがされているかどうか 

216

を判定することがたいせつである・つまり、目的や機能
に応じた書き方をしていなければならない。
卒業記念文集の予想される内容
 ○ 学校生活の思い出
  林間・臨海学校 ・運動会 ・児童会 ・クラブ活動
  ・学芸会 ・展覧会 ・先生 ・友だち ・入学
  ・進級
 ○ 六年間のいろいろな記録       ’
  見学記録 ・学習記録 ・研究記録 ・観察記録
  読書記録 ・生活日記 ・学級日記 ・児童会記録
 ○ 卒業にあたっての希望、意見・心境
  反省と希望 ・わたしの希望 ・卒業にあたって
 ○ 四〇字以内でまとめた「よせ書き」
  思い出・希望・感想・先生へ・友へ・学校へ
 表現形式については、詩、作文、手紙、よびかけ等内容
に即したくふうが必要である。 

   (十一) 三   月 

 機  能   物語を脚色するために書く。 
学習活動
学習事項 
物語をえらび、脚本に書き加える。
1 主題をいかすように構成すること。
2 脚本の形式を理解すること。
3 効果的に表現しようとすること。 
 
題材例   日常生活を主題にした物語
 童話・民話・文学作品 自作の物語 


    単元 おわかれ会

一 単元について
 卒業期の「おわかれ会」は、どこの学校でもすることであ
る。その内容方法については、十分検討して、計画がたてら
れなければなちない。そして、「おわかれ会」にふさわしい
内容のゆたかな会にしたいものである。
 その中の一つとして、劇の上演が当然考えられる。その場
合に、既成の脚本から選んで、上演することも意味はあるが
学習と結びつけて、自分たちの力で。物語を劇化して上演す
るということは、児童にとってはいっそう興味があり、意欲
をそそる仕事にちがいない。おわかれ会としての効果もあ
り、思い出としての印象も強いものである。
 この単元は、児童のこのような意欲に応じて、物語を脚本
に書きかえ、上演することを意図している。
二 単元の学習目標
 物語を脚本に書き加えたり、上演したりして、感動を訴え
心情を豊かにする。
三 単元の学習内容
 (一) 学習活動
  1 「おわかれ会」について話し合う。 

217

  2 物語をえらぶ。
  3 脚本の作り方を調べ、話し合う。
  4 物語を脚本に書きかえる。
  5 脚本の決定をする。
  6 脚本をもとに上演の練習や用具の準備をする。
 (二) 学習事項
  1 脚本の形式を理解すること。
  2 主題をいかすように構成すること。
  3 目的に応じた書き方を考えること。
  4 効果的に表現しようとすること。
  5 脚本という形式を考えて、適切なことばをえらぶこ
   と。
  6 表現形式(せりふ・ト書)になれること。
  7 推考すること。
四 この単元に用意された教材
 (一) 脚本を書こう
   脚本の書き方についての解説であり、話しことばを生
  命とする劇というものは、散文や詩とは違った形象性を
  持つものであり、脚本の特殊な表現のしかたを理解させ
  るためのものである。
 (二) 脚本「学校図書館」
   脚本の書き方を解説するための具体的事例としての教
  材である。げきのねらい、げきの組み立て、それぞれの
  場面にふさわしいせりふなどについて、正確に読みとら 
     せるようにする。
五 単元の指導計画(総時数9時間)
 (一) 「おわかれ会」について話し合う。……(1 時間)
 (二) 脚本の作り方を調べ、話し合う。………(2 時間)
                (作文指導一、二時)
  ・教材「脚本を書こう」を読む。
  ・脚本「学校図書館」を読む。
  ・脚本を書くことについて話し合う。
 (三) 脚本に書きかえるための物語をえらぶ。…………
   ………………………(1 時間) (作文指導第三時)
 (四) 物語を脚本に書きかえる。………………(1時間)
                  (作文指導第四時)
 (五) 脚本を推考し、清書する。………………(1 時間)
   …………………………………… (作文指導第五時)
  ・グループで共同推考し、脚本を決定する。
  ・脚本を清書する。
 (六) 脚本をもとに、上演の練習や用具の準備をする。
   ……………………………………………… (3 時間)
 (七) おわかれ会に上演する。
六 作文指導の展開
 (一) 作文指導第一、二時
  学習目標 ふつうの文章と脚本のちがいを知り、脚本の
   作り方を理解する。 

218

学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 脚本の作り方を調べ
 る。    (15分)
T このまえの話し合い
 で、「おわかれ会」に
 は、グループごとに脚
 本を書いて、それを上
 演することにきまりま
 したので、きょうは、
 脚本の作り方について
 勉強します。はじめに
 脚本の作り方について
 の説明を読んで要点を
 ノートに書きぬいてみ
 ましょう。
A脚本の作り方につい
 て話し合う。(10分)
T 脚本を書くには、ど
 んなことが必要かノー
 トに書きぬいたことを
 もとに話し合いましょ
 う。
B 「学校図書館」を読
 む。    (40分)
T 脚本「学校図書館」 
○脚本の形式を理解すること。
脚本を書くには
 1 げきのねらいをきめる
 2 げきの組み立てを考え
  る。
  いつ(時)
  どこで(場所)
  だれが(人物)
  何をした(筋)
  揚面を考える
 3 せりふを考える。 
○要点をまとめて、書きぬくこ
 と。
 
 
 
 
 
 
 
・ここで脚本を読む目的は、脚
 本を書くためである。したが
 って、劇の組み立てや場面を 
 
 読んで、さらにくわし
 く劇の組み立てやせり
 ふについて調べてみま
 しょう。
 
C 「学校図書館」の劇
 の組み立てやせりふに
 ついて話し合う。
       (20分)
D つぎの時間の学習に
 ついて話し合う。
        (5分)
T この次の時間にはグ
 ループごとに物語をえ
 らんで、脚本を書いて
 もらいますから、準備
 して構想をたてておい
 てください。 
 筋の展開、せりふなどの構成
 を読みとり、脚本を作るとき
 の参考にすることができるよ
 うな読みとり方をすることが
 たいせつである。
・このつぎの時問には、実際に
 自分たちで脚本を書くことを
 意識して話し合わせるように
 する。
・物語は既成のものでも、自分
 たちの創作でもよいが、内容
 が「おわかれ会」にふさわし
 いものであり、時間も上演時
 間七分以内ぐらいのものにす
 る。
・次時の脚本を書くことは、グ
 ループの共同製作でなく、全
 員がそれぞれに脚本を書いて
 みることにする。 
 (二) 作文指導第三、四時
  学習目標 劇の特徴や内容をはっきりつかんで、物語を
   脚本に書きかえることができるようにする。 

219

学 習 活 動  学習事項および留意点 
@ 脚本に書きかえるた
 めの物語をえらぶ。
       (20分)
T きょうは、グループ
 で相談して、脚本に書
 く物語を決めてもらい
 ます。決めるときの基
 準は、
○内容が、「おわかれ
 会」にふさわしいも
 のであること。
○七分以内でおわる程
 度のもの。
 
C (グループにわかれ
 て相談する)
A 選定した物語を発表
 する。   (10分)
B 物語を脚本に書きか
 えるための条件を話し
 合う。   (10分)
C 物語のすじや内容を
 しっかりつかみ、そこ
 からそれないようにす 
・物語を選定するときの基準を
 はっきりしておくとともに初
 歩的な脚本製作に適した物語
 であるかどうかも教師は考え
 ておかなければならない。
・机間を巡視して、物語の選定
 について具体的にグループ指
 導を行なう。
・物語の選定ができたグループ
 は、脚本に書きかえる揚合の
 条件その他について、相談さ
 せておくようにする。
 
 
 
 
 
 
○主題をいかすように構成する
 こと。
 
 
・児童の発言の要点をまとめて
 板書する。 
 
 
 ること。
C 登揚人物の性格を考
 える。
C せりふの表現をくふ
 うする。
C 劇の場面を考える。
C どんな劇の組み立て
 にするかをはっきりさ
 せておく。
C 物語を脚本に書きか
 える。   (40分)
T はじめに、脚本の構
 想をまとめてから書き
 はじめましょう。
D 書きあげたものを読
 みかえす。 (10分) 
○目的に応じた書きかたを考え
 ること。


○効果的に表現しようとするこ
 と。


○脚本という形式を考えて適切
 なことばをえらぶこと。
○表現形式(せりふ・ト書な
 ど)になれること。

・すいこうは、物語の主題や劇
 としての全体的な構成を考え
 ながら、とくにせりふや卜書
 に気をつけて行わせる。 

 (三) 作文指導第五時
  学習目標 共同で推考することによって、おわかれ会に
   ふさわしい脚本をつくりあげる。 

学 習 活 動  学習事項および留意点 
@前に書いた脚本を交
 換して読み合う。 
・グループごとに脚本を読み合
 って、代表作品を決定するさ 

220

       (15分)
T この間書いた脚本を
 グループで交換して読
 み合い、批評し合って
 グループ代表の脚本を
 決定してください。
  脚本を読むときの観
 点は、黒板に書いてお
 きます。

A グループの脚本に決
 定したもめを共同で推
 考する。  (20分)
T グループの脚本が決
 定したら、みんなで意
 見をだし合ってもっと
 りっぱな脚本にしてみ
 ましょう。
C グループごとに相談
 しながら共同推考す
 る。
B 脚本を清書する。
       (10分)
T 推考が終わったら、
 自分たちが上演するた
 めの脚本ですから自分 
いは、先入感や感情にとらわ
れないで、客観的に判断し
て、選定するように留意す
る。
・劇の組み立て
・場面のくふう
・せりふの表現
・劇の内容(あらすじ)
・登場人物 
○推考すること。
・教師は、グループを回ってど
 のグループの脚本にも目を通
 し、よいところ、わるいとこ
 ろを具体的に指摘してやる。
 また、推考にも想談にのって
 やるようにする。
・推考は、はじめに指示した要
 項に従って行なわせる。
 
 
 
 
・次の時間からは、この脚本
 をもとにして、配役を決定し
 用具を準備して、劇の練習を
 
 
 の台本にするために、 
 きちんと清書しておき
 ましよう。 
始めることを予告しておく。 

*次の時間からは「脚本を書くこと」の学習の発展として、
 グループごとのおわかれ会のための劇の練習にはいる。
七 作文の処理と評価
 (一) 処理
   グループの代表作にならなかった児童の作品も小学校
  の最終期の創作作品として大事に保管するようにすすめ
  る。
   グループの代表作品となったものは、グループで共同
  推考し、グループの脚本として清書し、これを台本とし
  て練習し、おわかれ会に上演する。
 (二) 評価の観点と基準
  1 脚本に物語の主題がいかされているかどうか。
   A 物語の主題が脚木の主題となっている。
   B 物語の主題からややずれた脚色である。
   C 主題を考えずある部分だけの脚色になっている。
  2 劇の組み立てや場面に不自然なところはないか。
   A 時・揚所・人物・筋・揚面が総合的によくくふう
    されている。
   B 場面やせりふが複雑すぎる。
   C 演出不可能なところがある。 



      <編著者紹介>

輿 水   実  国立国語研究所第二研究部長
中 沢 政 雄  東京都教育委員会指導主事










機能的作文指導 理論・計画・実践 5・6年


         緡著者  與  水  実
              中 沢 政 雄

         発行者  藤 原 政 雄

         印刷所  新興印刷製本株式会社
         発行所  明治図書出版株式会社
              東京都中央区入船町3−3
              振替東京151318電(551)8266(代)

1963年5月刊               600円